社内システムやクラウドサービスのログインを、IDとパスワードだけで守ることに不安を感じていませんか。パスワードは使い回しやフィッシングで流出しやすく、1つ盗まれるだけで不正ログインにつながります。
取引先からのセキュリティ要請やサイバー保険の加入条件、クレジットカード業界のセキュリティ基準(PCI DSS)など、業界のガイドラインで多要素認証が求められる例も増えており、二要素認証(2FA)の導入を検討する企業が増えています。
一方で、二要素認証を実現する手段は幅広く、既存のID基盤に組み込むものから、社内システムやVPN、PCのログオンに後付けするもの、物理的なセキュリティキーを配るものまで事業者によって得意分野が異なります。自社のどのログインを・どの認証方式で守りたいかに合わせて、どの事業者に頼むべきかを見極めるには、どのような観点で比較すべきでしょうか。
本記事では、二要素認証を提供する事業者17社を比較・解説します。認証方式の種類と選び分け、保護対象・提供形態で見るタイプの違い、既存システムとの連携や料金まで、自社に二要素認証を導入する先を選ぶための観点を整理しました。二要素認証の導入先を数社に絞り込むための検討材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて適したサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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二要素認証(2FA)とは
二要素認証(2FA:Two-Factor Authentication)とは、ログイン時の本人確認に、性質の異なる2つの要素を組み合わせる方式です。
認証に使う要素は「知識情報(パスワードや暗証番号など本人だけが知っているもの)」「所持情報(スマートフォンやICカードなど本人だけが持っているもの)」「生体情報(指紋や顔など本人の身体的特徴)」の3つに大別され、このうち2つ以上を使うのが多要素認証、2つを使うのが二要素認証です。
総務省は、国民向けのサイバーセキュリティ解説の中で、多要素認証と二要素認証の関係を次のように説明しています。
多要素認証とは、認証の3要素である「知識情報」「所持情報」「生体情報」のうち、2つ以上を組み合わせて認証することを指し、多要素認証の中でも2つの要素を使う認証のことを2要素認証と呼びます。
出典:安全なパスワードの設定・管理|国民のためのサイバーセキュリティサイト(総務省)
例えば、IDとパスワード(知識情報)でログインした後に、スマートフォン(所持情報)に届いた確認コードの入力を求める組み合わせが、代表的な二要素認証です。知識情報だけのログインに比べ、パスワードが流出しても2つ目の要素がそろわなければログインできないため、不正アクセスへの耐性が高まります。
二要素認証と二段階認証・多要素認証の違い
二要素認証と混同されやすい言葉に「二段階認証」と「多要素認証」があります。いずれもログインの安全性を高める仕組みですが、着目している点が異なります。
多要素認証は、知識・所持・生体の3要素のうち2つ以上を組み合わせる方式の総称です。二要素認証は、このうち「ちょうど2つの要素」を使うものを指し、多要素認証に含まれる関係にあります。要素を3つ使えば三要素認証となり、これも多要素認証の一種です。
一方の二段階認証は、本人確認の手順を2段階に分ける方式を指します。「2つの段階を踏む」ことに着目した呼び方のため、例えばパスワードを入力した後に「秘密の質問」に答えさせるように、同じ知識情報を2回確認する組み合わせも二段階認証に含まれます。この場合は要素が1種類(知識情報)のままなので、異なる2要素を使う二要素認証ほどの強度は得られません。
二要素認証は、要素の「種類」を2つに分けている点で、二段階であっても要素が偏りうる二段階認証と区別されます。導入する際は、段階が2つに分かれているかだけでなく、異なる要素を組み合わせているかを確認することが大切です。
二要素認証に限らず、多要素認証(MFA)システム全体を絞り込みなく広く比べたい場合は、主要17サービスを認証方式・料金・タイプ別に整理した以下の記事が参考になります。
多要素認証(MFA)システムおすすめ17選を徹底比較|認証方式・料金・タイプ別の選び方
ID とパスワードだけのログインは、もはや「鍵をかけていない」のと同じ状態に近づいています。攻撃者は流出したパスワードのリストを使い回し、本物そっくりの偽サイトで認証情報を抜き取り、正規利用者になりすまして社内システムやクラウドサービスへ侵…
二要素認証の認証方式と方式の選び方
ここからは、二要素認証で2つ目の要素として使われる主な認証方式と、自社の要件に合わせた選び分けの考え方を解説します。方式によって手軽さと安全性のバランスが異なるため、守りたい対象や利用者の負担を踏まえて選ぶことが重要です。
認証の3要素(知識・所持・生体)
認証に使う情報は、次の3つの要素に分類されます。二要素認証は、このうち異なる2つを組み合わせます。
| 詳細 | |
|---|---|
| 知識情報(本人だけが知っているもの) | パスワード、暗証番号(PIN)、秘密の質問など。導入が容易な一方、流出・推測・使い回しに弱く、これ単体のログインが不正アクセスの主な入口になります。 |
| 所持情報(本人だけが持っているもの) | スマートフォン(SMS・認証アプリ・プッシュ通知)、ワンタイムパスワード生成機、ICカード、FIDO2準拠のセキュリティキーなど。二要素目として代表的な要素です。 |
| 生体情報(本人の身体的特徴) | 指紋、顔、静脈、虹彩など。スマートフォンやPCの生体センサーと組み合わせて、パスワードの代わりや追加要素として使われます。 |
主な認証方式(SMS・ワンタイムパスワード・認証アプリ・生体・FIDO2/パスキー)
実際の二要素認証では、所持情報と生体情報を中心にさまざまな方式が使われます。代表的なものを整理します。
- SMS認証:登録した携帯電話番号宛てに確認コードを送り、入力させる方式。利用者が特別なアプリを用意しなくてよく導入が手軽ですが、後述のとおり安全性では見劣りします。
- ワンタイムパスワード(OTP):一定時間だけ有効な使い捨てのパスワードを、専用のトークン(生成機)や認証アプリで生成して入力する方式。
- 認証アプリ・プッシュ通知:スマートフォンの認証アプリにログイン承認の通知を送り、本人がタップして承認する方式。コード入力の手間が少なく、業務での利用も増えています。
- 生体認証:指紋や顔などをスマートフォン・PCのセンサーで読み取る方式。利用者の記憶や入力に頼らず、後述のFIDO2と組み合わせて使われることが増えています。
- FIDO2/パスキー:FIDOアライアンスが策定したオープン認証規格FIDO2にもとづく方式で、公開鍵暗号を用いてパスワードに頼らない本人確認を行います。利用者は端末の生体認証やPINで本人確認するだけでログインでき、サーバー側にパスワードを預けないため、フィッシングに強い点が特徴です。
- クライアント証明書:許可された端末にデジタル証明書を配布し、証明書を持つ端末からのみログインを許す方式。社給端末に限定したい企業で使われます。
- ハードウェアセキュリティキー:USBやNFCで接続する物理キー(FIDO2準拠の製品が主流)を所持要素として使う方式。キーを持つ人しかログインできません。
出典・参考資料(1件)
手軽さ重視(SMS/OTP)とフィッシング耐性重視(FIDO2・パスキー/セキュリティキー)の選び分け
方式を選ぶときは、導入・運用の手軽さと、フィッシングなどの攻撃への耐性のバランスを考えます。SMSやOTPは利用者の準備が少なく導入しやすい一方、確認コードを人が手で入力する方式は、偽サイトに誘導してコードを盗む中間者攻撃(AiTM)に対して弱いという弱点があります。

米国国立標準技術研究所(NIST)が公開する認証ガイドライン「SP 800-63B」は、電話網(PSTN)を経由するSMSなどのワンタイムパスワードを、より安全性の低い、制限付きの認証手段と位置づけています。全面的に禁止しているわけではなく、用途によっては許容されますが、より高い安全性が必要な場面では別の方式が推奨されます。
同ガイドラインは、フィッシングへの耐性には暗号を用いた認証が必要であり、確認コードなどを手で入力する方式(SMS・OTPなど)はフィッシング耐性があるとはみなされない、としています。手で入力する仕組みでは、入力した値をそのときのログイン操作と結び付けられず、攻撃者が中継して悪用できてしまうためです。
これに対しFIDO2・パスキーやセキュリティキーは、公開鍵暗号によってログイン先と認証の結び付きを検証するため、偽サイトではそもそも認証が成立せず、フィッシングに強くなります。
そのため、手軽に導入したい場合はSMSや認証アプリから始め、フィッシング対策を最優先する業務ではFIDO2・パスキーやセキュリティキーを採用する、といった選び分けが現実的です。多くの事業者は複数の方式に対応しており、利用者や対象システムごとに方式を使い分けられます。
フィッシングに強い物理セキュリティキーについては、その仕組みや種類、自社に合う選び方を次の記事で詳しく解説しています。導入候補に挙げる前の理解にお役立てください。
二要素認証を導入するメリットと導入・運用時の注意点
二要素認証の導入効果と、運用面で押さえておきたい注意点を整理します。効果と手間の両面を理解したうえで、自社に合う事業者を選ぶことが大切です。
二要素認証を導入するメリット
最大のメリットは、パスワードが漏れても不正ログインを防ぎやすくなることです。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、不正ログイン対策として多要素認証の効果を次のように説明しています。
「多要素認証」を利用している場合、仮にIDおよび1つ目のパスワードを不正利用されてもログインはできないことから、不正ログイン防止に効果があります。
出典:不正ログイン対策|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
このほか、取引先やサイバー保険、業界ガイドラインが求めるセキュリティ要件を満たしやすくなること、クラウドサービスの利用が広がり社外からのアクセスが増えるなかで、境界防御だけに頼らずログインごとに本人確認を強められることも導入の利点です。SSO(シングルサインオン)基盤と組み合わせれば、利用者はログインの手間を増やしすぎずに安全性を高められます。
導入・運用時の注意点
一方で、導入と運用には次のような点に注意が必要です。
- 利用者の負担と運用体制:ログインのたびに追加の操作が増えるため、現場の理解と、スマートフォンの機種変更・紛失時の再登録に対応する運用体制が必要です。
- 緊急時のアクセス確保:端末を紛失した・電波が届かないといった場面でもログインできるよう、予備の認証手段(バックアップコードや複数方式の併用)をあらかじめ用意しておく必要があります。
- 方式ごとの安全性の差:前述のとおりSMSは手軽な反面フィッシングに弱いため、守る対象の重要度に応じて、認証アプリやFIDO2・パスキーなどより強い方式を選ぶ判断が求められます。
- 既存システムとの連携と費用:社内システムやVPN、PCログオンへ後付けする場合、対応可否や連携方式、利用人数に応じた費用を事前に確認する必要があります。
二要素認証を提供するサービスを保護対象・提供形態別に整理
二要素認証を提供するサービスは、「自社のどのログインを・どの形態で守りたいか」で大きく3つのタイプに分かれます。まず自社がどのタイプを必要としているかを見極めると、候補となる事業者を絞り込みやすくなります。
| SSO/IDaaSに二要素認証を内包するサービス | 既存システムに二要素認証を後付けするサービス | セキュリティキー・認証器で二要素認証を実現するサービス | |
|---|---|---|---|
| 主に守る対象・提供形態 | 複数のクラウドサービスや社内システムのログインを、クラウド上のID基盤でまとめて保護。既存のID管理を整理しながら二要素認証を導入したい企業向け。 | 社内システム・VPN・PCログオンなど、既存のオンプレミス環境にクラウドへ全面移行せず二要素認証を追加。社内環境を中心に手早く強化したい企業向け。 | FIDO2準拠の物理セキュリティキーなどを配布し、所持要素でフィッシングに強い二要素認証を実現。重要業務の認証を最優先で固めたい企業向け。 |
| 該当する主なサービス | CloudGate UNO、Okta、Microsoft Entra ID など | RSA ID Plus、Cisco Secure Access by Duo、PassLogic など | YubiKey as a Service など |
シングルサインオン(SSO/IDaaS)に二要素認証を内包するサービス
クラウド上のID基盤(IDaaS)やSSOに二要素認証を組み込むタイプです。複数のクラウドサービスや社内システムのログインを1つの基盤でまとめて守れるため、ID管理の整理と二要素認証の導入を同時に進めたい企業に向いています。
既存システム(社内システム・VPN・PCログオン)に二要素認証を後付けするサービス
すでに使っている社内システムやVPN、WindowsのPCログオンに二要素認証を後付けするタイプです。クラウドへ全面移行せず既存環境を残したまま強化できるため、社内環境中心の企業や特定の経路を手早く固めたい企業に向いています。対応できる既存システムや連携方式が製品ごとに異なるため、守りたい対象に対応しているかの確認が選定の要になります。
セキュリティキー・認証器で二要素認証を実現するサービス
FIDO2準拠の物理セキュリティキーや認証器を配布し、所持要素による強い二要素認証を実現するタイプです。公開鍵暗号でフィッシングに強く、機密情報を扱う業務や特権アカウントの保護に向いています。SSO基盤や既存システムと組み合わせても使えます。
30秒でわかる二要素認証サービスの選定診断
3つのタイプのうち自社にどれが合うか迷う場合は、以下の選定診断をご利用ください。守りたい対象や求める認証方式などの質問に答えると、条件に合うサービスを確認できます。
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二要素認証を提供する事業者の選び方
ここからは、二要素認証を提供する事業者を比べるときの観点を解説します。自社の守りたい対象と提供形態を起点に、技術的な適合、費用やサポートの順で見ていくと、候補を絞り込みやすくなります。
このうち認証方式・保護対象・提供形態・既存システム連携・料金は、次の比較表で横並びに確認できます。導入期間やサポート体制など表に表れない観点は、資料請求やトライアルで各社に確かめるとよいでしょう。
保護対象(社内システム/クラウドSaaS/VPN/PCログオン)で選ぶ
まず確認したいのは、自社が二要素認証で守りたいログインの対象です。クラウドサービスへのログインを広く守りたいならSSO/IDaaS型、社内システムやVPN、PCログオンを守りたいなら後付け型が適します。事業者ごとに得意な保護対象が異なり、クラウド向けは強いがオンプレミスの社内システムには対応しない、といった違いがあります。
守りたい対象をすべて挙げ、それらに対応できる事業者かを最初に確かめることで、要件に合わない候補を早い段階で外せます。
提供形態(クラウド型/オンプレミス型)で選ぶ
サービスの提供形態も重要な観点です。クラウド型は自社でサーバーを用意せずに短期間で導入でき、運用の手間を抑えられます。一方、閉域網での運用やデータを自社内に置く要件がある場合は、オンプレミス型やハイブリッド構成に対応する事業者が候補になります。自社のセキュリティポリシーやインフラ方針に、提供形態が合っているかを確認しておきましょう。
対応する認証方式で選ぶ
自社が使いたい認証方式に対応しているかを確認することが大切です。手軽さを重視するならSMSや認証アプリ、フィッシング対策を優先するならFIDO2・パスキーやセキュリティキーに対応しているかが判断の分かれ目です。利用者や対象システムによって方式を使い分けたい場合は、複数の方式に対応し、対象ごとに適用できる事業者を選びます。
方式そのものの特徴や選び分けの考え方は、前述の「認証方式と方式の選び方」で解説したとおりで、ここでは自社に必要な方式を提供事業者が幅広くそろえているかという観点で見ます。
既存システムとの連携(Active Directory/LDAP/SAML/OIDC/RADIUS)で選ぶ
すでに使っているシステムと二要素認証を無理なくつなげられるかは、導入の成否を左右します。
既存システムとの連携方式は、守りたい対象ごとに確かめておきましょう。社内のユーザー管理にActive DirectoryやLDAPを使っているなら、利用者情報を取り込めるかを見ておきます。
クラウドサービスのログインを守るならSAMLやOpenID Connect(OIDC)、VPNやネットワーク機器を守るならRADIUSへの対応が目安です。連携方式が合わないと、利用者の登録や運用に余計な手間が生じます。
自社の既存システムの認証連携の仕組みを洗い出し、それに対応する事業者を選ぶことが、導入期間と運用負荷の両面で効いてきます。
料金・導入のしやすさ(導入期間・既存連携の容易さ)で選ぶ
料金は利用人数に応じた月額課金が一般的ですが、初期費用の有無や、必要な機能が上位プランに分かれているかは事業者ごとに異なります。利用予定の人数と必要な認証方式を前提に、総額で比較することが大切です。あわせて、導入にかかる期間や、既存システムとの連携のしやすさ、試用(トライアル)の可否も確認しておくと、導入後の負担を見積もりやすくなります。
なお、サービスによっては最低契約ID数が設けられている場合があります。数名から始められるものもあれば、100〜200ID程度を下限とするものもあるため、自社の利用人数で契約できるかも確認しておきます。
料金の詳細は変動するため、最新の情報を各社の公式情報や資料で確認してください。
サポート体制で選ぶ
二要素認証は全社員が毎日使う仕組みのため、導入後のサポート体制もあわせて確認しておきましょう。日本語でのサポート窓口があるか、導入時の設定支援や運用中の問い合わせにどこまで対応してくれるか、利用者が端末を紛失した際の対応手順が整っているかなどを見ておくと安心です。海外製品では、国内の代理店やパートナーがサポートを担う場合もあるため、問い合わせ先と対応範囲をあらかじめ確かめておきます。
【比較表】二要素認証サービスを一覧で比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせた比較ができるよう、主要な二要素認証サービスの対応認証方式・保護対象・提供形態・既存システム連携・料金を一覧で整理します。気になるサービスは、表のサービス名から個別の紹介へ移動できます。
| サービス名 | CloudGate UNO | Okta | Microsoft Entra ID | トラスト・ログイン byGMO | HENNGE One | OneLogin | IIJ IDサービス | Gluegent Gate | Extic | JumpCloud | RSA ID Plus(SecurID) | Cisco Secure Access by Duo | Entrust Identity | SafeNet Trusted Access | Soliton OneGate | PassLogic | YubiKey as a Service |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応する認証方式 | FIDO2/パスキー、生体認証(Windows Hello・Touch ID/Face ID)、ワンタイムパスワード、認証アプリ(CloudGate Authenticator) | Okta Verify(プッシュ・生体)、FIDO2/WebAuthn、スマートカード、ワンタイムパスワード、SMS・音声通話 | Microsoft Authenticator(プッシュ・番号一致)、パスキー(FIDO2)、Windows Hello for Business、証明書ベース認証、SMS・音声通話 | ワンタイムパスワード(アプリ・メール)、パスキー(FIDO2)、プッシュ通知、デスクトップSSO | ワンタイムパスワード、プッシュ承認(HENNGE Lock)、デバイス証明書(端末制御) | OneLogin Protect(プッシュ・OTP)、SMS、メール、音声通話、WebAuthn(FIDO2)、生体認証、YubiKey等の外部認証器 | FIDO2、デバイス証明書(自社CA/外部CA)、メールワンタイムパスワード、スマートフォンアプリ(IIJ SmartKey)、統合Windows認証 | ワンタイムパスワード、ICカード、FIDO/FIDO2外部機器認証、生体認証、クライアント証明書(端末認証) | ワンタイムパスワード(TOTP)、メールOTP、パスキー(FIDO2)、セキュリティキー・Windows Hello/Touch IDによるパスワードレス | FIDO2/WebAuthn(セキュリティキー・端末認証器)、プッシュ通知(JumpCloud Protect)、ワンタイムパスワード(TOTP)、JumpCloud Go(パスワードレス) | ハードウェアトークン、プッシュ通知、生体認証、FIDO2・パスキー、ワンタイムパスワード(SMS・音声)、QRコード | プッシュ通知、Verified Duo Push(番号一致)、FIDO2・WebAuthn・パスキー、生体認証、ワンタイムパスワード、電話・SMS、ハードウェアトークン | ワンタイムパスワード・プッシュ、FIDO2/パスキー、クライアント証明書(デジタル証明書認証)、スマートカード/USBトークン、AI顔認証、グリッドカード | ソフト/ハードウェアOTP、プッシュ通知(MobilePASS+)、FIDO、パターン/グリッド認証、SMS・メール・音声、証明書(PKI)ベース認証(STA Premium) | デジタル証明書(クライアント証明書)、FIDO2/WebAuthn、スマートフォン認証、顔認証、ICカード、パスワード | マトリックス方式のワンタイムパスワード、クライアント証明書、顔認証、スマートフォンアプリ、ハードウェアトークン(計9種類) | FIDO2/WebAuthn、FIDO U2F、PIV(スマートカード)、OpenPGP、ワンタイムパスワード(TOTP)。物理セキュリティキー |
| 主な保護対象 | クラウドSaaS 社内システム(SAML/OIDC連携) | クラウドSaaS 社内システム・オンプレAD VPN(RADIUS連携) PCログオン(Device Access) | クラウドSaaS(Microsoft 365・Azure等) PCログオン(Windows Hello) VPN(RADIUS/NPS拡張) | クラウドSaaS 社内システム(SAML/OIDC連携) | クラウドSaaS(480以上のサービス連携) | クラウドSaaS 社内システム・オンプレAD/LDAP連携 | クラウドSaaS 社内システム Windowsログイン(統合Windows認証) | クラウドSaaS 社内システム | クラウドSaaS 社内システム(AD/LDAP連携) | クラウドSaaS 社内システム PCログオン・デバイス管理(Windows/Mac/Linux) | VPN・VDI・ネットワーク機器(RADIUS) Windowsログイン クラウドSaaS | VPN・リモートデスクトップ(RDP) オンプレミスのサーバー・Webアプリ クラウドSaaS | VPN・リモートアクセス(RADIUS) クラウドSaaS 社内システム(オンプレミス) | クラウドSaaS VPN・仮想デスクトップ(VDI)・オンプレミスアプリ | 社内業務システム クラウド/SaaS VPN Wi-Fi・有線LAN(IEEE802.1X) | VPN・仮想デスクトップ(VDI) Windowsログイン クラウドSaaS | FIDO2対応のクラウドSaaS・社内システム・Windowsログイン (CloudGate UNO/MURO連携でVPN・RDPも) |
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド(オンプレ連携対応) | クラウド | クラウド/オンプレミス/ハイブリッド | クラウド | クラウド/オンプレミス/ハイブリッド | クラウド | クラウド | クラウド/オンプレミス/専用サーバー型 | ハードウェアキー+サブスク運用 |
| 既存システム連携 | SAML/OIDC Active Directory(上位プラン) | SAML/OIDC Active Directory・LDAP・RADIUS | SAML/OIDC Active Directory(Connect/Cloud Sync)・LDAP・RADIUS | SAML/OIDC Active Directory・Microsoft Entra ID連携 | SAML ユーザープロビジョニング(SCIM系) | SAML Active Directory・LDAP | SAML 2.0/OIDC Active Directory同期 | SAML/OIDC・プロキシ認証 Active Directory・人事システム連携 | SAML Active Directory・LDAP・SCIM | SAML/OIDC Active Directory同期・LDAP・RADIUS | RADIUS Active Directory・Microsoft Entra ID連携 | RADIUS(Duo Authentication Proxy) SAMLシングルサインオン | SAML/OIDC・RADIUS Active Directory・Azure AD・AD FS | SAML/OIDC・RADIUS | SAML・RADIUS 代理認証(SAML非対応システム) | RADIUS・SAML 2.0 Active Directory/LDAP(パッケージ版) | FIDO2対応のIdP/SSO基盤経由(CloudGate UNO等) |
| 料金 | 月額400円〜/ユーザー(税抜) 30日間無料トライアル | Starter 月額940円〜/ユーザー(年払い) | 無償版あり P1 月額1,049円〜/ユーザー(年払い) | 無料プランあり パスワードレスはSSOプロプラン月額300円〜/ユーザー(税抜) | 月額400円〜/ユーザー(税抜、200IDから) | 要問い合わせ(代理店により異なる) | 初期費用0円 SSOのみ月額120円/多要素認証含め240円(税抜) | Professional 月額250円〜/ユーザー(税別) 初期費用無料 | IdPコース 月額150円〜/Standard 300円〜(100ID・税別) | 月額11ドル〜/ユーザー(年払い) 国内は代理店見積もり(要問い合わせ) | 月額3〜7ドル/ユーザー(プラン別、最上位は要問い合わせ) 国内は代理店見積もり | 10ユーザーまで無料 Essentials 月額3ドル/Advantage 6ドル/Premier 9ドル(ユーザー単位) | 要問い合わせ(パートナー個別見積もり) | 要問い合わせ(個別見積もり) 無料評価トライアルあり | PKIプラン 月額150円/ベーシック 300円/スタンダード 600円(1ユーザー、最小40〜200ユーザー) | クラウド版 1ID 月額480円(最小10ID、初期費用10,000円) オンプレミス版 買い切り195,400円〜 | 要問い合わせ(サブスク、最低200ライセンス) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式資料を見る |
※料金は2026年10月時点の各社公式情報にもとづく目安です。最安プランでは使えず上位プランが必要になる機能(パスワードレスやリスクベース認証など)もあるため、必要な方式に対応するプランの料金をご確認ください。
※JumpCloud・RSA ID Plus・Cisco Secure Access by Duo の料金は米ドル建ての公式価格(月額3〜11米ドル程度、日本円でおおむね数百〜千数百円程度)で、国内価格は代理店の見積もりとなります。
二要素認証サービスの個別紹介
ここからは、各サービスの対応方式・保護対象・既存システム連携・提供形態・料金の特徴を個別に紹介します。前述の3つのタイプごとに整理しているため、自社に合うタイプから読み進めてください。
SSO/IDaaSに二要素認証を内包するサービス
1. CloudGate UNO(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

株式会社インターナショナルシステムリサーチが自社開発する、SSO・多要素認証・アクセス制限・ID管理を統合したクラウド型のID基盤(IDaaS)です。2008年にGoogle Workspace向けのSSOとして提供を始め、2019年にFIDO2準拠のパスワードレス認証へ対応しました。
二要素目の認証方式は、FIDO2/パスキー、Windows HelloやTouch IDなどの生体認証、ワンタイムパスワード、自社認証アプリ「CloudGate Authenticator」から選べます。パスキー(FIDO2)認証は全プラン・全ユーザーで追加費用なく利用でき、端末・場所・時間帯によるアクセス制限と組み合わせられます。
料金はユーザーあたり月額400円(税抜、Standard Plus)からで、30日間の無料トライアルを用意しています。Google Workspace・Microsoft 365・Salesforceなど複数のクラウドサービスへのログインを、1つの基盤でまとめて守りたい企業に向いています。
パスワードレス認証への切り替えが運用面にもたらす変化について、開発元の株式会社インターナショナルシステムリサーチは次のように述べています。

導入と同時にパスワードレス認証に切り替えた企業では、IT部門の業務の約20%を占めていたパスワード関連のヘルプデスク業務が「0%」になったという事例があります。また、他社サービスからの乗り換え事例もございます。通常、設定の移行には時間がかかるものですが、当社のサポートによりわずか1週間で完了させたケースもあります。
2. Okta(Okta Japan株式会社)

Oktaは、米Okta, Inc.が開発する、従業員や委託先など「働く人」のアイデンティティを管理するクラウド型IDaaS(正式名称 Okta Workforce Identity Cloud)です。日本ではOkta Japan株式会社が提供し、SSO・多要素認証・IDライフサイクル管理を一体で扱えます。
二要素目には、プッシュ通知アプリ「Okta Verify」、FIDO2/WebAuthn、スマートカード、SMSや音声通話などが使えます。アクセスのたびにデバイスや位置情報などのリスクを評価し、必要に応じて追加認証を求めるAdaptive MFA(リスクベース認証)も備えます。
事前構築済みの連携(OIN)は8,000以上で、SaaSだけでなくオンプレミスのActive Directoryとも連携できます。料金はSSOとMFAを含むStarterがユーザーあたり月額940円(年単位請求)からで、リスクに応じたAdaptive MFAはCore Essentials(月額2,020円)以上に含まれます。
3. Microsoft Entra ID(日本マイクロソフト株式会社)

Microsoft Entra IDは、Microsoft 365やAzureの認証基盤を担うクラウド型のID・アクセス管理サービスです(2023年に「Azure Active Directory」から名称変更)。Microsoft 365やAzureをすでに使う組織は、追加導入なしに多要素認証や条件付きアクセスを有効化できます。
Microsoft Entra多要素認証の二要素目には、Microsoft Authenticatorのプッシュ通知・番号一致、パスキー(FIDO2)、Windows Hello for Business、SMS・音声通話などが使えます。利用者・場所・デバイス・リスクに応じてアクセス可否や追加認証を制御する「条件付きアクセス」と組み合わせられます。
無償版でも「セキュリティの既定値群」による基本的な多要素認証を利用できますが、場所やデバイス単位で細かく制御する条件付きアクセスはEntra ID P1(ユーザーあたり月額1,049円、年払い)以上、サインインリスクに応じた制御はP2(同1,499円)が必要です。
4. トラスト・ログイン byGMO(GMOグローバルサイン株式会社)

電子認証事業を手がけるGMOグローバルサイン株式会社が提供する、クラウド型のID管理サービス(IDaaS)です。SSO・ID管理・アクセス制限の基本機能を無料プラン(SSOフリー)から始められ、アカウント数・連携アプリ数とも無制限で利用できます。
二要素目の認証方式は、アプリ型・メール送信型のワンタイムパスワード、パスキー(FIDO2)、スマートフォンへのプッシュ通知、デスクトップSSOなどに対応します。ただしパスキーやプッシュ通知などのパスワードレス機能は、有料のSSOプロプラン(ユーザーあたり月額300円・税抜)が必要です。
SAML・OIDC・フォームベース認証によるSSOに対応し、Active DirectoryやMicrosoft Entra ID、Microsoft 365、Google Workspaceと連携できます。グループ企業間でSAML設定を共有する「組織間連携」など、複数の子会社・取引先を抱える企業向けの機能も拡張しています。
5. HENNGE One(HENNGE株式会社)

HENNGE株式会社が提供する、SSO・多要素認証・アクセス制御を軸としたクラウドセキュリティ基盤です。契約ユーザー数は300万を超え(2026年5月時点)、東京証券取引所の上場企業の約2割が利用していると公表しています。
ID統制を担う「Identity Edition」では、SAMLによるSSO、多要素認証、IPアドレス制限、デバイス証明書による端末制御を提供します。連携できるクラウドサービスは480以上で、SSOの連携先サービス数が増えても追加費用が発生しない料金設計です。
提供形態はクラウド(SaaS)で、Identity Editionの料金はユーザーあたり月額400円(IdP、税抜)からです。メールやエンドポイントのセキュリティ機能も同じ基盤で組み合わせられるため、ID統制と周辺対策をまとめて導入したい企業に向いています。
6. OneLogin(One Identity LLC)

OneLoginは、米One Identity LLC(旧OneLogin, Inc.)が開発するクラウド型のID管理サービス(IDaaS)です。日本国内ではサイバネットシステムなどの代理店を通じて提供され、日本語でのサポートを受けられます。
二要素目には、専用アプリ「OneLogin Protect」のプッシュ・OTP、SMS、メール、音声通話、WebAuthn(FIDO2)、生体認証、YubiKeyなどのサードパーティ認証器が使えます。機械学習エンジン「Vigilance AI」でログインのリスクを評価し、追加認証を動的に求めるアダプティブ認証(SmartFactor Authentication)も備えます。
SSOで事前統合されたアプリは6,000以上で、Active DirectoryやLDAP、Google Workspace、Workdayなど複数のディレクトリ・人事システムと連携できます。料金は代理店により異なり、要問い合わせです。
7. IIJ IDサービス(株式会社インターネットイニシアティブ)

国内通信事業者の株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)が自社で開発・運用する、クラウド型のID管理・認証サービス(IDaaS)です。日本の法律の下で一貫した管理・開発・運用を行うと公式に掲げ、2025年12月にはISMAPクラウドサービスリストに登録されています。
二要素目の認証方式は、FIDO2、自社CAまたは外部CAによるデバイス証明書、メールワンタイムパスワード、スマートフォンアプリ「IIJ SmartKey」、統合Windows認証から選べます。SAML 2.0・OpenID Connectに対応し、Active Directoryのユーザー・グループ情報を自動同期できます。
料金は初期費用0円で、SSOのみが1IDあたり月額120円、多要素認証を含めると240円(いずれも税抜)と、認証方式ごとの追加料金なく使えます。連携サービス数が増えても料金は変わらないため、オンプレミスのActive Directory資産を残しつつクラウド利用を広げたい企業に向いています。
8. Gluegent Gate(サイオステクノロジー株式会社)

2011年の提供開始以来、累計25万ユーザーの導入実績を公表するIDaaSが、サイオステクノロジー株式会社の「Gluegent Gate」です。SSO・多要素認証・統合ID管理を1つのサービスで備えています。
二要素目には、ワンタイムパスワード、ICカード、FIDO/FIDO2の外部機器認証、生体認証、クライアント証明書による端末認証などを、連携するサービスごとに組み合わせられます。SAML・OpenID Connect・プロキシ認証・フェデレーションによるSSOに対応します。
料金はユーザー単位課金の場合、1ユーザーあたり無制限にSSO連携できるProfessionalが月額250円(税別)からで、初期費用は無料です。人事システムやActive Directoryと連携し、退職・異動に合わせて連携先SaaSのアカウントを自動で無効化できます。
9. Extic(エクスジェン・ネットワークス株式会社)

ID管理専業ベンダーのエクスジェン・ネットワークス株式会社が提供する、国産のIDaaSです。オンプレミス型の統合ID管理パッケージ「LDAP Manager」で培ったノウハウをクラウドサービス化し、人事情報を起点としたID自動生成・ライフサイクル管理を中核に据えています。
二要素目には、ワンタイムパスワード(TOTP)、メールOTP、パスキー(FIDO2)に対応し、セキュリティキーやWindows Hello・Touch IDによるパスワードレスログインも利用できます。IPアドレスや所属グループ、アクセス先アプリ別に認証ポリシーを制御できます。
料金は1IDあたり月額の単価表記で、認証を中心とするIdPコースが150円、ID管理も含むStandardコースが300円(いずれも100ID・税別)からです。公共機関・教育機関・GIGAスクール向けの低単価プランも用意し、横浜市教育委員会では28万人規模のID管理に採用されています。
10. JumpCloud(JumpCloud, Inc.)

JumpCloudは、米JumpCloud, Inc.が提供する「オープンディレクトリ・プラットフォーム」です。日本法人はなく、株式会社アクトなどの正規代理店を通じて提供されます。クラウド上のディレクトリを中核に、SSO・多要素認証・デバイス管理(MDM)・IT資産管理を1つの基盤に統合しています。
二要素目には、FIDO2/WebAuthn対応のセキュリティキーや端末認証器、プッシュ通知アプリ「JumpCloud Protect」、ワンタイムパスワード(TOTP)などが使えます。Windows・macOS・Linux・iOS・Androidをまたいで端末を管理でき、既存のActive Directoryとユーザー・グループ・パスワードを同期する使い方にも対応します。
提供形態はクラウド型で、SSOとMFAを含むパッケージはユーザーあたり年払い月額11ドル(米ドル建て)からです。ただし国内は代理店経由の円建て・個別見積もりが基本で、日本円の料金は要問い合わせです。
既存システム(社内システム・VPN・PCログオン)に二要素認証を後付けするサービス
11. RSA ID Plus(RSA Security LLC)

RSA ID Plus(SecurID)は、ハードウェアトークンによるワンタイムパスワード(OTP)認証を源流とする、米国RSA Security LLCの認証・アクセス管理プラットフォームです。現在はクラウド型のID Plusとオンプレミス型のSecurID(Authentication Manager)を軸に、クラウド・ハイブリッド・オンプレミスのいずれの構成でも利用できます。
既存システムへの後付けでは、RADIUSを介してVPN・VDI・ネットワーク機器のログインに二要素認証を追加でき、Cisco ASA向けには公式の実装ガイドが用意されています。Windowsのログインやアクティブディレクトリ/Entra IDとの連携にも対応し、認証方式はハードウェアトークンに加えてプッシュ、生体、FIDO2・パスキー、OTP(SMS・音声)、QRコードから選べます。
料金はユーザー単価制で、公式サイトには月額3〜7ドル(ユーザー単位、プラン別。最上位のE3は要問い合わせ)の目安が示されています。日本国内では販売代理店経由の見積もりとなり、無料トライアルも用意されています。
12. Cisco Secure Access by Duo(シスコシステムズ合同会社)

既存のVPNやリモートデスクトップ(RDP)、オンプレミスのサーバー・Webアプリ、クラウドのSaaSに、後付けで多要素認証を被せられるクラウド型のアクセスセキュリティサービスです。もとは米Duo Securityが開発し、2018年にシスコシステムズ合同会社の親会社であるCisco Systemsが買収しました。
VPNへの連携はRADIUS(Duo Authentication Proxy)とSAMLシングルサインオンに対応し、Cisco ASA・FirepowerやPalo Alto GlobalProtectなどの公式連携ガイドが公開されています。
認証方式はプッシュ通知、番号一致を加えたVerified Duo Push、FIDO2・WebAuthn・パスキー、生体、OTP、電話・SMS、ハードウェアトークンから選べます。
ログインのたびに端末の状態を確認するデバイストラストを備え、上位のPremierプランではVPNを使わずに社内リソースへ接続するDuo Network Gatewayも利用できます。料金は10ユーザーまで無料のFreeプランのほか、Essentialsが月額3ドル・Advantageが6ドル・Premierが9ドル(いずれもユーザー単位)で、30日間の無料トライアルがあります。
13. Entrust Identity(Entrust Corporation)

PKI(公開鍵基盤)を長年の中核事業としてきた米Entrust Corporationが提供する、ID・アクセス管理(IAM)/多要素認証の製品群です。クラウド型のIdentity as a Service(IDaaS)と、オンプレミス/ハイブリッドで導入するIdentity Enterprise(旧IdentityGuard)があり、既存のオンプレミス環境を残したまま認証を強化できます。
認証方式は、OTP・プッシュ・FIDO2/パスキーに加えて、クライアント証明書によるデジタル証明書認証、スマートカード/USBトークン、PKIで保護した仮想スマートカード(モバイルスマートクレデンシャル)、AI顔認証、グリッドカードまで幅広く、社内に私的認証局(CA)を構築する高保証の構成にも対応します。
既存システムとの連携では、SAML/OIDCやRADIUS経由のVPN・リモートアクセス、Active Directory・Azure AD、AD FSなどに対応します。料金は公開されておらず、国内では日立ソリューションズやエントラストジャパン株式会社などのパートナー経由の個別見積もりとなります。
14. SafeNet Trusted Access(タレスDISジャパン株式会社)

シングルサインオン、多要素認証、条件付きアクセスポリシーを1つのクラウド基盤に統合したアクセス管理サービス(IDaaS)です。提供元のThales(国内はタレスDISジャパン株式会社)は決済カードやハードウェアセキュリティモジュールなどの実績を持ち、SafeNetブランドのハードウェアトークンやスマートカードを多数そろえています。
保護対象はSaaSだけでなく、VPN・仮想デスクトップ(VDI)・オンプレミスアプリケーションにも及び、SAML/OIDC/RADIUSで既存環境と連携します。認証方式はソフト/ハードのOTP、プッシュ通知(MobilePASS+)、FIDO、パターン/グリッド認証、SMS・メール・音声などに対応し、最上位のSTA Premiumでは証明書(PKI)ベース認証も利用できます。
プランはSTA Basic・STA・STA Premiumの3段階で、上位プランほど適用できるアクセスポリシーの条件が増えます。公式はトークンやサポートを含む料金体系を掲げていますが、具体額は個別見積もりで、無料評価トライアルが用意されています。
15. Soliton OneGate(株式会社ソリトンシステムズ)

東証プライム市場に上場する国内メーカー、株式会社ソリトンシステムズが開発・提供するクラウド型の認証基盤(IDaaS)です。デジタル証明書(クライアント証明書)による多要素認証を軸に、シングルサインオンとID管理を組み合わせます。
認証局(CA)機能を標準搭載し、クライアント証明書の発行・配布・失効までを別途PKI基盤を構築せずに1製品で完結できます。保護対象は社内業務システム、クラウド/SaaS、VPN、オフィスのWi-Fi・有線LAN(IEEE802.1X EAP-TLS認証)に広がり、SAML非対応の社内システムには代理認証で対応します。
認証方式はデジタル証明書に、FIDO2/WebAuthn、スマートフォン認証、顔認証、ICカード、パスワードを組み合わせられます。料金は1ユーザー月額でPKIプラン150円・ベーシック300円・スタンダード600円(最小40〜200ユーザー)、30日間の無料トライアルがあります。
16. PassLogic(パスロジ株式会社)

ブラウザだけで認証が完結するマトリックス方式のワンタイムパスワードを中核にした、パスロジ株式会社の国産多要素認証ソリューションです。ログイン画面に表示される乱数表から、利用者が記憶したパターン(位置と順序)に沿って数字を読み取る仕組みで、専用のハードウェアトークンやアプリを配らずに導入できます。
提供形態はクラウド(IDaaS)、オンプレミス、専用サーバー型クラウドの3種類で、RADIUS・SAML 2.0・リバースプロキシ(パッケージ版)を介して、VPN・仮想デスクトップ(VDI)・Windowsのログイン・各種SaaSと連携します。Active Directory/LDAP連携はパッケージ版が対応します。
マトリックス認証のほか、クライアント証明書、顔認証、スマートフォンアプリ、ハードウェアトークンなど計9種類の方式を重ねて多要素化できます。料金はクラウド版が1ID月額480円(最小10ID、初期費用10,000円)、オンプレミスのパッケージ版は買い切りで195,400円からで、クラウド版には30日間の評価ライセンスがあります。
セキュリティキー・認証器で二要素認証を実現するサービス
17. YubiKey as a Service(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

YubiKey as a Service は、株式会社インターナショナルシステムリサーチが、Yubico社の物理セキュリティキー「YubiKey」をサブスクリプション型で導入できるようにしたサービスです。
USBやNFCで接続する物理キーを所持要素として使い、FIDO2/WebAuthnのほか、FIDO U2F・PIV(スマートカード)・OpenPGP・ワンタイムパスワード(TOTP)といった認証方式に対応します。
秘密鍵はキー本体の内部に保持され、ネットワーク上に送信されないため、確認コードを手入力するSMSや認証アプリと異なり、フィッシングや中間者攻撃に耐性があります。スマートフォンを業務で使えない医療・製造現場・コールセンターなどでも、物理キーの配布で二要素認証を運用でき、同社のシングルサインオン基盤「CloudGate UNO」のオプションとしてSSOと組み合わせることもできます。
物理キーを買い切りで調達せず運用費として導入でき、初期設定(キッティング)の代行、紛失・増員に備えた無償予備キーの年次提供(契約数の25%分)、契約期間中のキー種類変更といった運用支援が付帯します。契約期間は3年または5年で、最低契約数は200ライセンス(ユーザー)からです。製品はベース・アドバンスド・コンプライアンスの3ティアがあり、料金は選ぶキーや配布条件に応じた個別見積もりとなります。
物理キーによる二要素認証の導入が広がる背景について、提供元の株式会社インターナショナルシステムリサーチは次のように説明しています。

近年はサプライチェーン対策としての需要も高まっています。経済産業省による新たなセキュリティ対策評価制度の開始を見据え、委託先の認証強化を急ぐ企業が増えています。
まとめ
二要素認証を提供する事業者は、守りたい対象と提供形態で大きく3つのタイプに分かれます。クラウドサービスを広く守りID基盤も整理したいならSSO/IDaaS型、社内システムやVPN・PCログオンを残したまま強化したいなら後付け型、フィッシング対策を最優先するならセキュリティキー・認証器を活用する事業者が候補です。
まずは自社のどのログインを・どの方式で守りたいかを整理し、既存システムとの連携や料金、サポート体制を確認したうえで、数社に絞って資料を取り寄せるのがおすすめです。
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よくある質問(FAQ)
Q. 二要素認証(2FA)とは何ですか?
A. 二要素認証(2FA)とは、ログイン時の本人確認に、性質の異なる2つの要素を組み合わせる認証方式です。認証に使う要素は「知識情報(パスワードや暗証番号など)」「所持情報(スマートフォンやICカードなど)」「生体情報(指紋や顔など)」の3種類に大別され、このうち異なる2つを使うものを指します。
パスワードが流出しても2つ目の要素がそろわなければログインできないため、IDとパスワードだけのログインに比べて不正アクセスへの耐性が高まります。
Q. 二要素認証と多要素認証・二段階認証は何が違いますか?
A. 二要素認証は、知識・所持・生体の3要素のうち「異なる2要素」を組み合わせる方式で、2つ以上を使う多要素認証の一種です。注意したいのは二段階認証との違いで、二段階認証は手順を2つに分けるだけのため、パスワードと秘密の質問のように同じ知識情報を2回使う組み合わせも含みます。サービスを選ぶ際は、2段階に分かれているかではなく、異なる要素を組み合わせているかを確認しましょう。
Q. 二要素認証のSMS認証は安全ですか?
A. SMS認証はパスワードだけよりは安全ですが、二要素認証の方式のなかでは安全性が低い部類に位置づけられます。米国国立標準技術研究所(NIST)の認証ガイドライン「SP 800-63B」は、電話網を経由するSMSのワンタイムパスワードを制限付きの認証手段とし、確認コードを手で入力する方式はフィッシング耐性があるとはみなしていません。
導入の手軽さを優先する場面では有効ですが、フィッシング対策を重視するなら、認証アプリやFIDO2・パスキー、セキュリティキーなど、より強い方式に対応する事業者を選ぶのが安全です。
Q. 二要素認証は既存の社内システムやVPNにも後付けできますか?
A. 多くの事業者が、既存の社内システムやVPN、PCログオンに二要素認証を後付けで追加できます。VPNやネットワーク機器はRADIUS、クラウドサービスはSAMLやOpenID Connect(OIDC)、社内のユーザー管理はActive Directory/LDAPとの連携で対応するのが一般的です。
ただし、対応できる既存システムの種類や連携方式は事業者ごとに異なるため、自社が守りたい対象に対応しているかを事前に確認することが選定の要になります。クラウドへ全面移行せず社内環境を残したまま強化したい場合は、後付け型のサービスが候補になります。
Q. 二要素認証サービスの料金相場はどのくらいですか?
A. クラウド型の二要素認証サービスは、1ユーザーあたり月額数百円程度(おおむね120〜600円)が目安です。SSO(シングルサインオン)やID管理まで含むか、利用する認証方式やプランによって変わり、初期費用が無料のサービスも少なくありません。
物理セキュリティキーを配布するタイプや、オンプレミス型・大企業向けの構成では個別見積もりとなることが多いため、利用予定の人数と必要な認証方式を前提に総額で比較することをおすすめします。料金は変動するため、最新の金額は各社の公式情報や資料で確認してください。
Q. 二要素認証サービスを選ぶとき、まず何を確認すべきですか?
A. まず確認したいのは、自社がどのログイン(社内システム・クラウドSaaS・VPN・PCログオン)を守りたいかという保護対象です。守りたい対象を洗い出すと、SSO/IDaaS型・既存システムへの後付け型・セキュリティキー型のどのタイプが適するかを絞り込めます。
そのうえで、必要な認証方式に対応しているか、既存システムと連携できるか、提供形態(クラウド/オンプレミス)・料金・サポート体制が自社に合うかを順に確認していくと、候補を効率よく絞れます。
Q. スマートフォンを持たない・使えない従業員がいても二要素認証を導入できますか?
A. スマートフォンに依存しない方式を選べば、業務でスマートフォンを使えない従業員がいても二要素認証を導入できます。USBやNFCで接続する物理セキュリティキー、ICカード、クライアント証明書、ハードウェアトークン、マトリックス方式のワンタイムパスワードなど、スマートフォンを前提としない方式に対応する事業者があります。
医療・製造現場・コールセンターなど私物端末を使いにくい環境では、物理キーや証明書を配布する方式が向いています。
Q. 無料で使える二要素認証サービスはありますか?
A. 無料プランや無料枠を用意する二要素認証サービスもあります。SSO・ID管理の基本機能を無料から始められるもの、一定のユーザー数まで無料で使えるもの、すでに契約しているクラウドのライセンスに含まれる基本的な多要素認証を追加費用なく有効化できるものなどがあります。
ただし、無料の範囲ではパスキーやプッシュ通知などのパスワードレス機能が制限され、有料プランが必要になる場合があるため、自社に必要な方式が無料で使える範囲に含まれるかを確認してください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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