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インバウンドを越境ECの売上につなげる方法|訪日客を帰国後の顧客にする施策と準備

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越境EC支援比較表(2026年版)のプレビュー

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越境EC支援比較表(2026年版)

2025年の訪日外国人は年間4,268万人と過去最高を更新し、旅行消費額も9兆円を超えました(JNTO・観光庁。詳細は後述)。店頭やSNSで自社の商品を気に入った訪日客が、帰国後に「また買いたい」と思っても、購入できる受け皿がなければその需要はそのまま消えてしまいます。

来日中に生まれたファンを帰国後も顧客としてつなぎとめ、売上に変えていく。その鍵になるのが、インバウンド(訪日需要)と越境EC(海外の消費者向けのEC)を連動させる取り組みです。とはいえ「何から始めればよいのか」「多言語や決済、配送はどう準備するのか」と迷う担当者は少なくありません。

本記事では、越境ECとインバウンドの違いから、両者がつながる仕組み、インバウンドを越境EC売上に変える具体的な施策、運用の準備と注意点、そして受け皿を誰に頼むかというサービスの選び方までを一気通貫で解説します。自社の状況に合わせて最初の一歩を判断するための材料としてご活用ください。

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越境ECとインバウンド(インバウンドEC)の違い

「越境EC」と「インバウンド」はよく並べて語られますが、指している範囲は異なります。ここでは、2つの言葉の意味と関係を結論から整理します。

越境ECとは

越境EC(クロスボーダーEC)とは、国境を越えて行われるEC取引を指します。自社の居住国以外にいる海外の消費者が、インターネットを通じて商品を購入する電子商取引のことです。経済産業省は「電子商取引に関する市場調査」のなかで越境ECを継続的に調査・市場規模算出の対象としており、国として把握される取引区分です。

販売の方法は、自社でグローバル対応のECサイトを構えるパターン、Amazonや各国モールに出店するパターン、既存の国内ECサイトを海外対応させるパターンなどがあります。いずれも「海外の消費者が買い手」である点が共通します。

出典・参考資料(1件)

インバウンドEC(インバウンド需要)とは

一方の「インバウンド」は、訪日外国人による日本国内での旅行・消費を指す言葉です。そこから派生した「インバウンドEC」は、公的に定義された用語ではなく、訪日客の需要をEC(とくに帰国後の越境EC)につなげる取り組みを指す、業界で使われる呼び方です。

具体的には、来日中に店頭やSNSで商品を知ってもらい、帰国後に越境ECで再購入してもらう、あるいは来日前にECで予約して店頭で受け取ってもらう、といった店舗とECをまたいだ需要の取り込みを指します。インバウンドEC(インバウンド需要の取り込み)は目的や文脈を表す言葉で、その受け皿として機能するのが越境ECという販売の仕組み、という関係にあります。

両者の違いと関係

両者の違いを整理すると、次のようになります。インバウンド需要を一過性の店頭売上で終わらせず、継続的な売上に変える受け皿が越境EC、という位置づけがつかめると、以降の施策が理解しやすくなります。

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区分インバウンド(需要の取り込み)越境EC
買い手がいる場所主に日本国内(来日中)+帰国後海外(居住国から購入)
主な接点実店舗・観光地・SNS・免税店などECサイト・海外モール
役割認知・ファン化のきっかけ継続購入を受け止める販売の仕組み
公的な定義「インバウンドEC」は業界用語(公的定義なし)経済産業省の調査で定義・計測される取引区分

なぜインバウンドが越境EC売上につながるのか(旅前・旅中・帰国後の連鎖消費)

ここからは、インバウンドが越境ECの売上につながる仕組みを、データと購買行動の両面から見ていきます。

インバウンド需要が伸びている背景

日本政府観光局(JNTO)によると、2025年の年間訪日外客数は42,683,600人で、前年比15.8%増と過去最高を更新しました。2024年の36,869,900人(前年比47.1%増)からさらに大きく伸びています。

観光庁のインバウンド消費動向調査(2025年暦年の速報値)では、訪日外国人旅行消費額は9兆4,559億円(前年比16.4%増)、1人当たりの旅行支出は22.9万円でした。訪日客の数と消費額がともに拡大し、来日中に商品と出会う機会そのものが増えている状況です。

出典・参考資料(2件)

旅前・旅中・帰国後の購買行動と連鎖消費

訪日客の購買行動は、来日の瞬間だけで完結しません。旅前にSNSや検索で日本の商品を調べ、旅中に店頭で実物を体験して購入し、帰国後に「また欲しい」と越境ECで買い直す、という流れでつながっていきます。

訪日客の購買行動を旅前・旅中・帰国後の3段階で示した図解。旅前はSNSや検索で日本の商品を調べて認知し、旅中は店頭で実物を試して購入し、帰国後は越境ECで買い直してリピートする流れを矢印でつないでいる。

この広がりを説明する概念が「連鎖消費」です。桃山学院大学の辻本法子教授は、観光土産を起点とした連鎖消費を次のように説明しています。

観光土産を買い手から贈与された受け手がその商品を気に入った場合、自らも購入し、さらに受け手が第三者である知人に贈与するために連鎖的に消費が拡大していく

出典:辻本法子「訪日外国人による越境ECでの観光土産のリピート購買(連鎖消費)の可能性について」『観光文化』241号|公益財団法人日本交通公社

この研究で訪日旅行者を対象に行われた調査では、帰国後にECでリピート購買をした経験について「よくする」が21.5%、「したことがある」が43.3%にのぼりました。土産を受け取って気に入った受け手の49.9%が自らも購入し、そのうち49.3%が「日本にあるインターネットショップ」を利用したという結果も示されています。

贈られた人がさらに自分で買い、知人に広げる――この連鎖が越境ECの売上を押し上げる土台になります。

出典・参考資料(1件)

帰国後リピートが生まれる仕組み(オムニチャネル・OMO)

帰国後の再購入を生むには、店頭とECを別々の窓口として切り離さず、一つの顧客体験としてつなぐ発想が欠かせません。実店舗(オフライン)とEC(オンライン)の垣根をなくして顧客との接点を統合する考え方を、オムニチャネルやOMO(Online Merges with Offline)と呼びます。

たとえば店頭で商品を試した訪日客に、その場で越境ECサイトのQRコードを案内しておけば、帰国後も同じブランドから購入できます。来日中に生まれた「好き」という気持ちが冷めないうちに、オンラインの受け皿へ橋渡しすることが、帰国後リピートの起点になります。

インバウンドを越境EC売上に変える具体施策(集客 → 引き上げ → 受け皿)

ここからは、インバウンド需要を越境ECの売上に変えるための施策を、「集客」「ECへの引き上げ」「受け皿づくり」の3段階に分けて具体的に解説します。

インバウンドを越境EC売上に変える施策を集客・引き上げ・受け皿の3段階で示した図解。STEP1の集客はSNS・UGC、店頭QR、同梱物で商品を知ってもらう段階、STEP2の引き上げはフォロー獲得・初回購入・再購入と段階を踏んで購入へ導く段階、STEP3の受け皿は自社EC・モール出店・既存ECの海外対応で帰国後に買える越境ECサイトを用意する段階。

集客:来日中・来日前に商品を知ってもらう

最初の段階は、訪日客に自社の商品を知ってもらうことです。旅前・旅中のそれぞれで接点を作ります。

  • SNS・UGCの活用:訪日客が自分で撮影・投稿した写真や動画(UGC=User Generated Content、ユーザー生成コンテンツ)は、同じ国の潜在顧客への強い口コミになります。店内にフォトスポットを設けて投稿を促す方法が代表的です。
  • 店頭でのQRコード案内:商品棚やレジ、ショップカードに越境ECサイトへのQRコードを置き、帰国後の購入先をその場で手渡します。
  • 同梱物・名入れ:購入品に多言語の案内チラシを同梱したり、商品に名入れをしてSNS投稿のきっかけを作ったりする施策です。

ECへの引き上げ:段階的に購入へ導く

認知を得ただけでは購入にはつながりません。集客で接点を持った相手を、フォロー獲得→初回購入→再購入と段階を踏んで引き上げます。集客が「知ってもらう」段階なのに対し、引き上げは帰国後に「買い続けてもらう」ための動線設計で、打ち手も変わります。

  • 初回購入のきっかけをつくる:帰国後の初回購入に、初回限定クーポンや一定額以上の送料無料ラインを用意し、最初の一歩の金額的・心理的ハードルを下げます。
  • 相手に届くチャネルで接点を保つ:メールが届きにくい国もあるため、国・地域で使われる連絡手段(各国のSNS、メッセージングアプリ、アプリのプッシュ通知など)を選んでフォローします。
  • 再購入のトリガーを設計する:購入履歴に合わせた再入荷・補充の通知や、季節・イベントに合わせた提案など、「次に買う理由」を定期的に届けます。

各段階で離脱させないために、言語・決済・配送の障壁を事前に下げておくことが前提になります(次章で詳しく解説します)。

受け皿:帰国後に買える越境ECサイトを用意する

集客と引き上げの施策が機能しても、帰国後に実際に購入できる越境ECの受け皿がなければ売上にはなりません。受け皿は、インバウンド施策で生まれた需要が最終的に着地する場所です。

再現したい「型」は、海外の顧客が言語や決済・配送でつまずかずに買い続けられる受け皿を整えることです。たとえばデニム専門の越境ECブランド DENIMIO は、海外向けのオンラインストアで日本発のデニムを世界各国へ国際配送しています。2009年の創業以来、海外のデニム愛好家への販売を続けており、この「買い続けられる環境」を用意しておくことが継続購入の土台になります。

出典・参考資料(1件)

受け皿の作り方には、自社でグローバル対応のECサイトを構える方法、海外モールに出店する方法、既存の国内ECサイトを海外対応させる方法などがあり、自社の体制や予算によって適した形は変わります。どの形態を選び、誰に頼むかは、この後の「越境EC支援サービスの選び方と相談先」で具体的に整理します。

モール型・自社EC型それぞれの費用や対応範囲を見比べ、どの構築ルートで受け皿をつくるかを自分で検討したい場合は、以下の記事が参考になります。

もっとも、受け皿となる越境ECサイトを用意すれば、それだけで売上が立つわけではありません。越境EC構築の現場からも、成果が出るまでの期間や売上は集客施策や運用体制に大きく左右されるという指摘があります。

株式会社マルウェブ 代表取締役
前山和範氏
独自インタビューより

台湾向けや中国向けなど越境ECの場合、一律に「何カ月で成果が出る」とは言えません。既存のブランド認知や顧客基盤、広告・SNSなどの集客施策、現地での運用体制によって大きく変わるためです。

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越境EC運用の準備と注意点(多言語・海外決済・海外配送・関税/販売制限)

受け皿となる越境ECを運用するには、国内ECにはない準備が必要です。ここでは、多言語・決済・配送・関税の4つの観点から、何を・どこで確認すべきかを整理します。

多言語対応(ローカライズ)

海外の消費者が迷わず購入できるよう、商品説明・購入手続き・問い合わせ対応を現地の言語に対応させます。単なる機械翻訳ではなく、通貨表記やサイズ表記、文化的なニュアンスまで含めて現地に合わせることを「ローカライズ」と呼びます。対応言語は、狙う国・地域の顧客に合わせて優先順位をつけます。

海外対応決済

決済手段は国・地域ごとに主流が異なります。クレジットカードに加え、中国のAlipay・WeChat Pay・銀聯、韓国の各種ウォレット、欧州の銀行振込系決済など、ターゲット国でよく使われる手段に対応していないと、購入直前での離脱につながります。多通貨での価格表示に対応できるかも確認したいポイントです。

海外顧客向けの決済を、越境EC(オンライン)とインバウンド(店頭)のどちらに強いサービスで押さえるか、手数料まで含めて比較したい場合は、以下の記事で整理しています。

海外配送(通関・送料・納期)

海外発送では、通関手続き・送料・納期の設計が必要です。加えて、国際郵便では送れる物品に制限があります。日本郵便は郵便法にもとづく禁制品(爆発性・発火性・引火性の物、強酸類、毒劇物など)を定めており、さらに国によって送れる物の制限が異なります。発送可否は、仕向国ごとに国際郵便条件表で確認するのが確実です。

出典・参考資料(2件)

関税・販売制限(各国規制・リスク回避)

関税や輸入規制は、商品を受け取る仕向国側が課すもので、税率・免税の基準額(デミニミス)・輸入できる品目のルールは国ごとに異なります。たとえば中国向けの越境ECでは、購入者1人あたりの取引限度額や、輸入が認められる品目のリスト(ポジティブリスト)といった独自の運用があります。

「一律いくらの関税がかかる」と単純化はできないため、狙う国ごとに、日本貿易振興機構(JETRO)の国・地域別情報や各国税関の公式情報で、最新の規制と税率を確認することが欠かせません。

出典・参考資料(1件)

運用準備の横断比較(何を・どこで確認するか)

ここまでの4つの準備項目を、確認すべき内容と確認先の観点で一覧に整理します。自社で対応するか、支援サービスに任せるかを判断する際の出発点としてご活用ください。

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準備項目多言語対応海外対応決済海外配送関税・販売制限
確認すべきこと対応言語・通貨表記・サイズ表記などのローカライズ範囲ターゲット国の主流決済手段・多通貨表示への対応送れる品目の制限・送料・通関・納期仕向国ごとの税率・免税基準・輸入規制
確認先・対応手段多言語化ツール、越境EC支援サービス海外対応決済サービス、EC構築基盤国際郵便条件表(日本郵便)、国際物流事業者JETRO 国・地域別情報、各国税関

各項目の詳細・最新情報は、上記の確認先で狙う国ごとにご確認ください。

自社状況別の始め方(実店舗あり/なし・商材別の優先順位)

何から着手すべきかは、自社の状況によって変わります。ここでは、実店舗の有無と商材の特性から、始め方の優先順位を考える視点を示します。

実店舗あり/なしでの始め方

実店舗を持ち、すでに訪日客が来店している企業は、店頭という強い接点を活かせます。まずは店頭からECへの引き上げ動線(QRコード・同梱チラシ・多言語での案内)を整え、帰国後の受け皿となる越境ECを用意する順番が効果的です。来日中に生まれたファンを逃さない設計が起点になります。

実店舗を持たない、またはEC中心の企業は、SNSでの発信や海外向けの情報発信で認知を作りながら、越境ECの受け皿を先に整えるアプローチが現実的です。来日前・帰国後のオンライン接点を軸に設計します。

商材別の優先順位(帰国後に売れやすい商品)

帰国後のリピート購入につながりやすいのは、消耗して繰り返し買う商品や、日本ならではの品質・ブランドで代替が効きにくい商品です。化粧品・食品・日用品のような消費サイクルの短い商材や、アパレル・雑貨のようにファン化しやすい商材は、連鎖消費との相性が良い傾向があります。

自社の商材がどのタイプに当てはまるかを踏まえ、リピートが見込める商品から越境ECの品揃えを組み立てると、初期の成果につながりやすくなります。

越境EC支援サービスの選び方と相談先

帰国後の受け皿となる越境ECは、多言語・決済・配送・関税といった準備を自社だけで整えるのは負担が大きいため、支援サービスの活用が現実的です。ここでは、特定のサービスに寄らない選び方の軸を示したうえで、代表的なサービスを紹介します。

選び方の軸(構築形態・対応範囲・対応国/言語/決済・料金体系)

越境EC支援サービスは、担う範囲も課金の仕組みもさまざまです。特定のサービスを前提にせず、次の軸で自社に合うものを見極めることが大切です。

  • 構築形態:自社でグローバルECサイトを構える伴走型か、既存サイトにタグを追加する手軽な導入型か、海外モール出店型か。自社の体制・予算に合う形を選びます。
  • 対応範囲:多言語・決済・配送・カスタマーサポートのどこまでを任せられるか。自社に不足している機能を補えるかで判断します。
  • 対応国・言語・決済:狙う国の言語と主流決済に対応しているか。
  • 料金体系:初期・月額の固定費型か、売上に応じたレベニューシェア型か。売上規模に対する負担感を見積もります。

以下の比較表で、担う範囲や料金体系の異なる代表的なサービスを整理します。サイトの構築・運営までまとめて任せるタイプと、決済など特定の機能を補うタイプが混在するため、「提供形態」「担う範囲」の列で自社に必要な範囲を確認しながら見比べてください。

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サービス名Lingble Global GuideLingble LinkKOMOJUWorldShopping BIZ
提供形態フルマネージド伴走型
(戦略〜構築〜運営)
グローバルEC統合インフラ
(運用の一元管理基盤)
海外対応決済に特化
(決済プラットフォーム)
既存ECにタグ追加型
(購入代行で越境化)
担う範囲戦略立案・サイト構築・運営・国際配送/通関・多言語CSまで一気通貫複数国のストア・在庫・物流・決済・商品データを一元管理(受注〜出荷〜返品)海外対応決済のみ
(サイト構築・物流は対象外、自社基盤に組み込み)
多言語カート・海外決済・国際配送・CSを代行(既存サイトのまま)
対応国・言語34カ国で販売・170カ国へ配送の実績
多言語対応(言語数は非公開)
多言語・多通貨・国別価格設定に対応
(言語数は非公開)
20通貨に対応/韓国・中国・東南アジア・欧州などの現地決済圏
UIは日本語・英語
228の国と地域
5言語
対応決済現地決済手段に対応
(具体的な決済名は非公開)
Adyen・Stripe・PayPalなどの
決済サービスと連携
国内外65種類以上
Alipay・WeChat Pay・銀聯など
主要11種
クレジットカード・PayPal・Alipay・銀聯・WeChat Payなど
料金体系売上連動のレベニューシェア型
(初期・月額は要お問い合わせ)
売上連動のリスク共有型
(初期・月額は要お問い合わせ)
初期・月額0円
決済手数料のみ(クレジットカード3.25%〜)
初期33,000円・月額5,500円(税込)
EC事業者の売上手数料なし(購入代行手数料10%は海外購入者が負担)
詳細情報オンライン相談を予約オンライン相談を予約サービス詳細を見る公式サイト

1. Lingble Global Guide(Lingble Pte. Ltd.)

Lingble Global Guideのウェブサイト

ブランドの海外展開を、戦略立案からD2Cブランドサイトの構築・運営、国際配送・通関、多言語カスタマーサポートまで一気通貫で任せられるフルマネージド型の支援サービスです。複数国に個別サイトを分散させず、統一したグローバルドメインでブランド体験をそろえる運用を特徴とします。

運営元のLingble Pte. Ltd.は、34カ国での販売・170カ国への配送実績を公表しています。支援範囲は、24時間365日の多言語カスタマーサポート、国際配送・通関・DDP(関税前払い)対応、市場別の価格・広告費・在庫の最適化まで及びます。料金はサイト売上に応じたレベニューシェア型で、詳細は要問い合わせです。自社ブランドの世界観を保ちながら本格的に海外展開したい企業に向いています。

Lingble Linkのウェブサイト

複数国のストア・倉庫・物流・決済・商品データを1つの管理基盤に統合する、グローバルEC統合インフラです。Lingble Global Guideが戦略から運営までの伴走であるのに対し、Lingble Linkは構築済みのチャネルをまとめて運用するための実行レイヤーという位置づけです。

受注管理・出荷・返品・在庫・価格/税設定・商品データ管理を一元化します。Shopifyや楽天などのECプラットフォーム、Adyen・Stripe・PayPalなどの決済、FedEx・DHL・UPSなどの国際配送との連携にも対応します。すでに複数国・複数チャネルで販売しており、ばらばらの運用を統合したい企業に向いています。料金は売上に応じたリスク共有型で、詳細は要問い合わせです。

3. KOMOJU(株式会社KOMOJU)

KOMOJUのウェブサイト

越境ECで課題になりやすい「海外対応決済」に特化したマルチチャネル決済プラットフォームです。国内外65以上の決済方法を1つの統合APIで導入でき、クレジットカードに加えて、中国のAlipay・WeChat Pay・銀聯、韓国・東南アジア・欧州の現地決済手段などに対応します。

公式の開発者ドキュメントでは、日本円・米ドル・ユーロ・台湾ドル・人民元など20通貨への対応が明記されており、多通貨での販売を想定した設計です。国内外で20,000サイト以上への導入実績があります(運営元は2026年3月に株式会社DEGICAから株式会社KOMOJUへ商号変更)。構築基盤は自社で用意しつつ、海外顧客向けの決済手段を幅広く押さえたい企業に向いています。

4. WorldShopping BIZ(株式会社ジグザグ)

WorldShopping BIZのウェブサイト

既存の国内ECサイトに専用のJavaScriptタグを1行追加するだけで、海外顧客向けの多言語カート表示・海外決済・国際配送・カスタマーサポートまでを代行する、導入のハードルが低い越境EC化サービスです。システム改修や物流体制の変更をせずに、いまのサイトのまま海外販売を始められる点を訴求しています。

運営元の株式会社ジグザグ(東証グロース上場)によると、対応地域は228の国と地域、5言語・主要11種類の決済に対応し、海外顧客からの問い合わせには同社が多言語で代行対応します。初期費用33,000円(税込)・月額5,500円(税込)で、EC事業者側に売上手数料はかかりません。まずは手早く・低コストで越境ECを始めたい企業に向いています。

ここで取り上げた4サービスは、担う範囲も料金体系も異なる代表例です。構築・運営代行・特化型といったタイプごとに、より多くの越境EC支援サービスを費用相場や選び方まで含めて比較したい場合は、以下の記事をご覧ください。

まとめ

インバウンド需要を越境ECの売上に変えるには、まず「インバウンドは認知・ファン化のきっかけ、越境ECはその需要を受け止める販売の仕組み」という関係を押さえることが出発点です。旅前・旅中・帰国後の連鎖消費を意識し、集客→引き上げ→受け皿の順に動線を設計します。

運用では、多言語・決済・配送・関税の準備が欠かせません。自社の体制や商材に合わせて、どこまでを自社で担い、どこから支援サービスに任せるかを見極めることが、無理なく始めるための鍵になります。まずは自社に合いそうなサービスの資料を取り寄せ、対応範囲と料金を具体的に比較するところから始めてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. インバウンドEC(インバウンド需要の取り込み)とは何ですか?

A. インバウンドECとは、訪日外国人の需要をEC(とくに帰国後の越境EC)での購入につなげる取り組みを指す業界用語です。公的に定義された言葉ではなく、来日中に店頭やSNSで商品を知ってもらい、帰国後に越境ECで再購入してもらう、あるいは来日前にECで予約して店頭で受け取ってもらうといった、店舗とECをまたいだ需要の取り込みを表します。その受け皿として実際に販売を担う仕組みが越境ECです。

Q. 越境ECとインバウンドECは何が違うのですか?

A. 越境ECとインバウンドECの違いは、越境ECが海外の消費者に販売する「仕組み」であるのに対し、インバウンドECは訪日需要を取り込む「目的・文脈」を指す点です。インバウンド(訪日需要)は認知・ファン化のきっかけ、越境ECはその需要を継続的な売上として受け止める販売の受け皿、という関係にあります。

越境ECは経済産業省の調査で定義・計測される取引区分ですが、「インバウンドEC」は公的定義のない業界用語である点も異なります。

Q. インバウンドを越境ECの売上につなげるには何から始めればよいですか?

A. インバウンドを越境EC売上に変える取り組みは、「集客(来日前・来日中に知ってもらう)→引き上げ(段階的に購入へ導く)→受け皿(帰国後に買える越境ECサイトを用意する)」の3段階で設計するのが基本です。

実店舗があり訪日客が来店している企業は、店頭QRコードや同梱チラシでECへの動線を整え、帰国後の受け皿となる越境ECを用意する順番が効果的です。実店舗を持たない企業は、SNSでの発信や海外向けの情報発信で認知を作りながら、越境ECの受け皿を先に整えるアプローチが現実的です。

Q. 訪日客は帰国後に本当に越境ECでリピート購入するのですか?

A. 訪日客の帰国後リピートは、調査でも一定の広がりが確認されている購買行動です。桃山学院大学・辻本法子教授の調査では、訪日旅行者が帰国後にECでリピート購買をした経験について「よくする」が21.5%、「したことがある」が43.3%にのぼりました。

土産を受け取って気に入った受け手の49.9%が自らも購入し、そのうち49.3%が日本のインターネットショップを利用しています。贈られた人がさらに自分で買い、知人へ広げる「連鎖消費」が、越境ECの売上を押し上げる土台になります。

Q. 越境ECはどの国・地域から始めるのがよいですか?

A. 自社商品がすでに支持されている国・地域から始めるのが基本です。訪日客の出身国の構成や商材の人気、対応する言語・決済・配送の準備しやすさを手がかりに優先順位をつけます。

国によって越境ECの制度や関税は異なります(たとえば中国には購入者ごとの取引限度額やポジティブリストといった独自ルールがあります)。狙う国の規制は、JETROの国・地域別情報などで事前に確認しておくと安全です。

Q. 越境ECの海外配送や関税はどう対応すればよいですか?

A. 海外配送と関税は、仕向国ごとに「送れる品目・送料・通関・納期」と「税率・輸入規制」を個別に確認することが欠かせません。国際郵便には郵便法にもとづく禁制品があり、送れる物は国によって異なるため、日本郵便の国際郵便条件表で発送可否を確認します。

関税や輸入規制(免税の基準額=デミニミスや輸入できる品目のルール)は仕向国が課すもので国ごとに違うため、日本貿易振興機構(JETRO)の国・地域別情報や各国税関の公式情報で最新の内容を確認します。「一律いくらの関税」と単純化できない点に注意が必要です。

Q. 越境EC支援サービスの費用感はどのくらいですか?

A. 越境EC支援サービスの費用は、初期・月額の固定費型と、売上に応じたレベニューシェア(売上手数料)型に大きく分かれます。たとえば既存サイトにタグを追加する導入型は、初期費用3万円台・月額数千円程度から始められるものがあります。一方、戦略立案から運営まで任せるフルマネージド型は売上連動のレベニューシェア型で、詳細は要問い合わせです。担う範囲によって負担の形が変わります。

売上規模に対する負担感を見積もり、自社の体制・予算に合う形を選ぶとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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