国内のアパレル市場が伸び悩むなか、自社の服やファッション雑貨を海外の消費者に売りたいと考える事業者が増えています。
越境EC(国内の事業者が海外の消費者へ直接販売するEC)は、実店舗を構えずに海外へ販路を広げられる手段です。ただしアパレルの場合、狙う国やモールの選び方に加え、サイズ表記・返品・関税・梱包といった服ならではの実務が成否を分けます。
本記事では、アパレルを越境ECで売るときに狙う市場(国)と販路の全体像、6つの販路(手段)の選び方、始め方の手順、そしてサイズ・返品・関税・梱包といったアパレル特有の実務を整理します。海外決済や中古・二次流通、費用の考え方、社内にないノウハウを外部に任せる際の越境EC支援サービスまで、初めて検討する担当者が全体像をつかめるように解説します。
目次
一括ダウンロードする
アパレルを越境ECで売るなら:狙う市場(国)と販路の全体像
ここからは、アパレルを越境ECで売るときに、どの国を狙い、どの販路で売るのかという全体像を整理します。自社の商材に当てはめて「どの国の、どのモールや仕組みが合いそうか」の見当をつけるための出発点にしてください。
まず狙う市場の候補です。国ごとに主要なモール・販路と、アパレルで狙う際のポイントが異なります。
| 中国 | 米国 | 英国・欧州 | 台湾 | 東南アジア | |
|---|---|---|---|---|---|
| 主なモール・販路 | Tmall Global(天猫国際)、JD worldwide、抖音(ライブコマース)、WeChatミニプログラム | Amazon、eBay、自社EC(Shopify等) | 自社EC、Zalando等のモール | Yahoo!奇摩、momo購物網 | Shopee、Lazada |
| アパレルで狙う際のポイント(各国の一般的傾向) | 世界最大のEC市場。ライブコマースが普及し、日本ブランドへの需要がある一方、現地プラットフォームへの対応と模倣品対策が欠かせない | 市場規模が大きい。少額免税(デミニミス)の廃止により、少額の衣類でも関税の対象となった点に注意(詳細は関税の章で解説) | サイズ・素材表示や化学物質規制(REACH等)など、国ごとの表示義務・規制の確認が必要 | 日本ブランドの人気が高いとされる市場。比較的小ロットから始めやすい(取り組み前に最新の出店条件を確認) | 市場が拡大中で、中古・二次流通も活発。価格競争になりやすいため商品企画と単価設計が重要 |
※主なモール・販路と各国のポイントは一般的な傾向です。出店条件・手数料・取扱カテゴリは変動するため、取り組み前に各モールの公式情報で確認してください。
アパレル越境ECの市場規模と伸びている背景
海外へ目を向ける背景には、国内EC市場の成熟と、海外消費者からの需要の両方があります。経済産業省の調査によると、2024年の日本国内のBtoC-EC市場規模は26.1兆円で、このうち「衣類・服装雑貨等」は2兆7,980億円、EC化率は23.38%でした。物販のなかでも大きなカテゴリーですが、国内市場の成長は緩やかになりつつあります。
一方で、海外消費者が日本の事業者から購入する越境ECは拡大しています。同じ調査では、2024年に中国の消費者が日本の事業者から購入した越境ECの金額は2兆6,372億円で、前年比8.5%増でした。アパレルは日本ブランドへの関心が高い商材であり、海外に販路を広げる余地が見込めます。
出典・参考資料(1件)
アパレルの越境ECはどの販路で売る?手段の選び方
ここからは、越境ECの代表的な販路(手段)を横並びで整理します。各手段は立ち上げの手間・費用感・向いているブランドが異なります。自社のリソースと狙う市場に合わせて、どの手段から始めるかを選んでください。
| 購入代行・転送サービスの活用 | 越境ECカート・翻訳タグの付与 | 海外モールへの出店 | 自社ECサイトの構築 | 物流・運営代行(総合代行) | ライブコマース | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 仕組み | 海外消費者の購入を代行・転送する事業者を介し、既存の国内サイトのまま海外へ届ける | 既存の自社ECにタグや機能を追加し、多言語・海外決済・国際配送に対応させる(貼るだけ越境) | Tmall Global・Shopee・Amazon等の現地モールに出店し、集客力を借りて販売する | Shopify・Magento(Adobe Commerce)等で独自ドメインの越境ECサイトを構築・運営する | 構築・受注・カスタマーサポート・物流・通関までをまとめて外部に委託する | ライブ配信で商品を紹介し、その場で販売する。中国・東南アジアで普及 |
| 立ち上げの手間・費用感 | 手間・初期費用ともに小さい | 小〜中。既存サイトを活かせる | 中。審査・手数料・言語対応が必要 | 中〜大。ブランド体験を作り込める | 委託範囲により中〜大。社内負担は小さい | 中。配信・現地インフルエンサーとの連携が要 |
| 向いているブランド | まず海外需要を試したい、少額から始めたいブランド | すでに自社ECを持ち、越境対応を後付けしたいブランド | 狙う国の集客を早く確保したいブランド | ブランドの世界観を保ち、顧客データを自社で持ちたいブランド | 社内に越境ECの体制がなく、一気通貫で任せたいブランド | 動きや質感を見せたいアパレルで、特定市場を狙うブランド |
※上記は各手段の一般的な傾向です。実際の費用・対応範囲はサービスごとに異なります。
実際には、1つの手段だけでなく複数を組み合わせることもあります。たとえば自社ECサイトで世界観を作り込みつつ、集客のために主要モールへ出店する、といった進め方です。まずは試しやすい手段で海外需要を確かめ、手応えを見て投資を広げる方法もあります。
一括ダウンロードする
アパレル越境ECの始め方(手順)
販路の見当がついたら、具体的な進め方を段取りで押さえます。アパレルの越境ECは、狙う国を決め、ブランドの伝え方を設計し、言語・物流・決済などの運営基盤を整える、という順で立ち上げるのが基本です。
①狙う国を選ぶ
最初に、自社の商材が受け入れられやすい国を絞ります。全体像の表で示したように、国ごとに主要なモール・販路や購買の傾向が違います。既存の問い合わせや海外からのアクセス、SNSのフォロワーがどの国に多いかも、狙う国を決める手がかりになります。いきなり多くの国を広げるより、1〜2か国に絞って運営の型を作るほうが立ち上げはスムーズです。
②ブランドの伝え方・プロモーションを設計する
次に、現地の消費者にブランドをどう伝えるかを設計します。商品説明やサイズ感の伝え方を現地の言語・文化に合わせ、気候や好まれる色・シルエットに配慮した品揃えにします。SNSやライブコマースは、質感や着用イメージを伝えやすいアパレルと相性がよく、集客の入口になります。
③言語・物流・決済などの運営基盤を整える
販売を始めるには、多言語対応・国際配送・海外決済といった運営基盤が必要です。サイズ表記や返品対応、関税・梱包といったアパレル特有の実務は次章で詳しく取り上げるため、ここでは段取りとして「どこまでを自社で持ち、どこからを外部に任せるか」を決める段階だと押さえてください。社内にノウハウがない部分は、越境EC支援サービスに委ねる選択肢があります。
初動の具体的な進め方としては、いきなり自社ECを作り込むより、まず購入代行・転送サービスや貼るだけ越境で1か国にテスト販売し、売れ行きや返品の傾向を見てから、モール出店や自社EC構築へ広げる順番がリスクを抑えやすい方法です。最初の一歩として、狙う国を1つ決め、その国で使える販路と決済を用意するところから着手すると動き出せます。
アパレルならではの実務と注意点
ここからは、アパレルを海外へ売るときに特につまずきやすい実務を、論点ごとに整理します。見落とすと返品やトラブル、通関での差し止めにつながる項目なので、取り組み前に確認してください。
サイズ表記の国際対応(実寸と各国のサイズ体系)
衣類や靴のサイズ表記は国ごとに体系が異なります。日本はトップスなら号数(9号など)やS・M・L、靴はセンチメートルで表します。一方、米国は数字(0・2・4…)、英国も数字(6・8・10…)、欧州は数字(34・36・38…)で表し、靴の番号も国ごとに違います。日本のM(9号)が概ね米国4〜6・英国10〜12・欧州36〜38に相当するとされますが、ブランドによる差が大きく、あくまで目安にとどまります。
確実なのは、着丈・身幅・そで丈・足長などの実寸をセンチメートルで併記し、そのうえで狙う国のサイズ体系への対応表を添えることです。各国の正確な対応は、主要モールが公開するサイズガイドで確認できます。サイズのズレは返品の主な原因になるため、商品ページで丁寧に伝えることが、返品を減らす最も効く対策になります。
試着できない不安と返品対応
越境ECでは試着ができないため、返品・交換への不安が購入のハードルになります。返品の可否・条件・送料負担・手続きの流れを、現地の言語で分かりやすく示しておくと、購入のハードルを下げられます。国際返品は送料や手間が大きいため、サイズ表やレビュー、着用画像で事前の不安を解消し、そもそも返品を減らす設計とあわせて考えるとよいでしょう。
関税・HSコード(衣類の品目分類)
海外へ商品を送る際は、品目を特定するためのHSコード(輸出入される品目の分類番号)が必要です。衣類は、編み方によって大きく2つの類に分かれます。
第61類 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
出典:輸出統計品目表(2022年1月版)第61類・第62類|税関
第62類 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く。)
このように、衣類はニット(メリヤス編み・クロセ編み)が第61類、織物などの非ニットが第62類に分かれ、さらに男女別や素材(綿・羊毛・人造繊維など)で細かく分類されます。正しい分類は通関と関税額の算定の前提になります。
関税は原則として、商品が届く国(仕向国)で課されます。誰が負担するかは、販売者と購入者のどちらが関税・輸入手続きを引き受けるかという取引条件(インコタームズ)によって決まります。たとえば米国では、少額貨物を免税とする「デミニミス」制度が2025年8月末に廃止され、少額の衣類でも関税の対象となりました。狙う国の制度は時点で変わるため、価格設計や販売条件を決める前に最新の情報を確認してください。
出典・参考資料(3件)
米国のデミニミス廃止をはじめ、各国の免税限度額や関税の扱いは変更が続いています。各国の最新状況と事業者が取るべき対応は、以下の記事で詳しく解説しています。
デミニミスとは?米国・EU撤廃で越境ECはどう変わる|各国の免税限度額と事業者が取るべき対応
越境ECや輸出入の現場で「デミニミス」という言葉を見かける機会が、この1〜2年で急に増えました。「米国のデミニミスが撤廃された」「EUも変わる」といったニュースは目にするものの、そもそもデミニミスが何を指すのかを正確に説明できる人は、意外と…
繊維・皮革・ワシントン条約などの輸入規制
素材によっては、輸出入そのものに規制がかかります。特に注意したいのが、ワニ革・ヘビ革などのエキゾチックレザーです。ワシントン条約(CITES)の規制対象種を使った製品は、輸出国が発給する許可書がないと税関で輸出入が認められません。
オークションサイトやフリマサイトを通してワシントン条約規制対象種が使われた商品(ワニ革バッグやニシキヘビ革靴等)を購入して輸入又は輸出する際には、輸出国発給のワシントン条約に基づく輸出許可書が必要となります。この輸出許可書がない場合、税関で輸出入が認められないこととなりますのでご注意下さい。
出典:ワシントン条約(CITES)|経済産業省
規制対象の種は締約国会議で頻繁に見直されるため、該当しそうな素材を扱う場合は取扱い前に最新の情報を確認してください。このほか、繊維製品の組成表示義務や安全基準(たとえば欧州の化学物質規制REACHなど)は仕向国ごとに異なります。狙う国を絞り、ジェトロの各国「規制・制度」情報で事前に確認しておくと安心です。
湿気・シワに配慮した梱包
衣類は輸送中の湿気やシワで印象が大きく変わります。長距離・長時間の国際輸送では、防湿材の同梱や畳み方の工夫、型崩れしやすいアイテムの保護など、届いたときの状態を保つ梱包が満足度を左右します。到着時の第一印象はブランド評価やレビューに直結するため、梱包は軽視できない実務です。
発送時の必要書類(インボイス・送り状・パッキングリスト)
海外へ商品を送るときは、通関のための書類が必要です。商業輸出で通関業者に依頼する場合、中心となるのが仕入書(インボイス)と包装明細書(パッキングリスト)です。
仕入書(Invoice、インボイス、商業送り状)/通常、インボイスと呼ばれます。……貨物の品名、種類、数量、価格、代金支払方法、荷送人および荷受人の住所、居所、氏名、名称等が記載されていること
出典:通関業者に輸出通関を依頼する際の必要書類:日本|ジェトロ
包装明細書(Packing List、パッキングリスト、梱包明細書)/仕入書を補完するもので、輸出貨物の個数、包装後の重量・容積等が記載され、価格や決済に関する情報は通常、記載されません。
越境ECで多い国際郵便や国際宅配便(クーリエ)での小口発送では、これらに加えて税関告知書や発送ラベル(送り状)が必要になり、仕向国によって様式や必要枚数が異なります。発送方法と仕向国に応じた書類を、事前に確認しておきましょう。
模倣品・ブランド保護(越境での知財)
海外で売上が立ち始めると、模倣品やブランド名の無断使用といった知的財産のリスクが生じます。特に需要の大きい市場では、商標を現地で登録しておくことが、模倣品への対抗やモール上での権利侵害申告の前提になります。狙う国での商標の出願状況を確認し、必要に応じて早めに保護の手を打っておくと、ブランドの価値を守りやすくなります。
海外決済の整え方
海外の消費者に買ってもらうには、現地で使われている決済手段に対応することが欠かせません。クレジットカードに加え、中国のAlipay・WeChat Pay、東南アジアの電子ウォレットなど、国ごとに普及している地場の決済手段に対応できないと、購入直前の離脱につながります。
あわせて、海外取引で増える不正利用への対策や、為替変動を踏まえた価格・入金管理も考えておく必要があります。多通貨・各国の地場決済・不正対策をまとめて提供する越境EC向けの決済サービスを使えば、こうした実務を自社で一から整えずに済みます。
対応すべき決済手段や、越境ECに対応する決済代行サービスの選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
越境ECの決済|使える決済手段と対応決済代行15社を解説
海外の顧客から注文が入り始めたのに手元の決済で通らない、あるいは越境ECをこれから始めたいのに現地の決済手段への対応方法が見えない——このような場面で、候補となる決済手段や決済代行サービスを短時間で絞り込みたい担当者は少なくありません。 越…
中古・二次流通アパレルの越境EC
新品だけでなく、中古・リユースのアパレルも越境ECの有力な分野です。特に東南アジアなどでは、日本の中古ブランド品やリユース衣料への需要があるとされ、二次流通に特化して海外展開する事業者も見られます。
中古品は一点ものが多く、複数のモールへ同じ在庫を出すと売り違い(二重販売)が起きやすいため、在庫を一元管理し、売れた時点で各モールの在庫を自動で止める仕組みが重要になります。買取から出品・在庫連携までを扱えるEC一元管理の仕組みを使うと、国内外の複数モールへの出品を効率よく運用できます。
アパレル越境ECにかかる費用(コスト感)
越境ECにかかる費用は、一つの料金にまとまっているわけではなく、いくつかの要素に分かれます。おおまかには、次のように切り分けて考えると見通しが立ちます。
- モール・サービスの利用料:出店料・月額基本料・販売手数料など。手段(モール出店か自社EC構築か代行か)によって構造が異なります。
- 決済手数料:決済ごとにかかる手数料。対応する決済手段や国によって料率が変わります。
- 国際送料・物流費:発送方法(国際郵便・クーリエ等)と仕向国によって変動します。
- 関税の負担:仕向国で課され、取引条件(インコタームズ)によって販売者・購入者のどちらが負担するかが変わります。米国のように、少額品の免税が廃止されて負担が増えた市場もあります。
金額の目安は手段によって異なります。既存サイトに越境機能を足す貼るだけ越境タイプには、初期費用数万円・月額数千円規模のサービスがあります。売れた分だけ支払う成果報酬型では販売手数料が20%前後、海外向けの決済代行の手数料は決済額の数%程度(一部サービスで3%台)といった水準が見られます。サービスごとの具体的な金額は、後述の比較表で確認できます。
これらは手段・国・取扱量によって幅があるため、始める前に自社の想定でシミュレーションし、どの費用を販売価格に乗せ、どこを自社で負担するかを決めておくことが大切です。関税は、販売者が前払いするDDP方式を使えば購入者の負担をなくせますが、その分は販売者のコストになります。
アパレル越境ECの取り組み事例
実際に、アパレルブランドや中古事業者が越境ECにどう取り組んでいるかを、公表されている事例から見てみます。
自社ブランドの世界観を保ちながら海外展開する例として、デサントやCUNEといったアパレルブランドが、戦略立案からサイト構築・運営・物流までをワンストップで支援するフルマネージド型のグローバルEC支援サービスを導入しています。自社ドメインで世界観を保ったまま、複数国への販売・配送・多言語対応をまとめて外部に委ねている例です。
中古・リユースの分野では、大手リユース事業者のコメ兵が、中古品・リユース業界特化のEC一元管理システムを使い、2025年2月から既存のKOMEHYO ONLINE・eBay・Chrono24に加えてブランド品専門マーケットプレイス「eLADY GLOBAZONE」への出品を開始し、海外の販路を広げています。
いずれも、社内にない越境EC・多モール運営のノウハウを支援サービスで補いながら販路を広げている例です。
出典・参考資料(2件)
社内にないノウハウを外部に任せる:越境EC支援サービスの活用
ここまで見てきたように、アパレルの越境ECでは言語・物流・決済・サイズ・返品・通関と、整えるべき実務が多くあります。これらを社内だけで用意するのは負担が大きいため、強みの異なる越境EC支援サービスに任せる方法があります。以下は、手段ごとに代表的なサービスを比較した表です。
| サービス名 | Lingble Global Guide | Magento / Adobe Commerce 構築・リニューアル支援(マルウェブ) | ecbeing | WASABI SWITCH(ワサビ) | WeChatミニプログラムFor中国越境EC(マルウェブ) | KOMOJU | WorldShopping BIZ | WASABIプロジェクト(ワサビ) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な手段・タイプ | 自社EC構築・運営代行 (フルマネージド型グローバルEC) | 自社EC構築 (Magento / Adobe Commerce) | 自社EC構築 (中堅〜大手向けプラットフォーム) | 多モール一元出品 (中古・リユース特化のEC一元管理) | モール・プラットフォーム出店 (WeChatミニプログラム/中国向け) | 越境EC向けオンライン決済 (決済代行) | 購入代行型の越境EC化 (貼るだけ越境/タグ1行) | 多モール出品の販売代行 (丸投げ型) |
| 対応範囲 | 戦略立案・サイト構築・運営・国際配送・通関・DDP(関税前払い)・返品交換・多言語カスタマーサポート・現地決済をワンストップ | 要件定義〜設計・開発・デザイン調整・保守運用を一貫対応。多言語・多通貨による海外展開、BtoB商流向けカスタマイズに対応 | パッケージ型・フルスクラッチ型・クラウド型の複数方式。基幹システム連携や大規模カスタマイズ、越境EC向けフルサポートに対応 | 国内外40以上のモール・カートへ出品・在庫・受注を一元管理(海外出品は自動翻訳)。リユース業界特有の買取査定管理に対応 | WeChat内のEC店舗構築・運営、WeChatPay決済(日本円建て振込)、国際物流パートナー連携、現地CS代行 | 国内外65種類以上の決済手段・20通貨に対応。クレカ・コンビニ・QR/スマホ決済・後払いや、韓国・中国・東南アジア・欧州等の現地決済。Shopify・WooCommerce等にノーコード導入 | 既存ECにJavaScriptタグを1行追加するだけで228の国と地域へ。多言語カート・海外決済・国際配送・24時間多言語カスタマーサポートを代行 | 日本語入力で海外6モール(eBay・Amazon・Shopee・Lazada・Catawiki等)へ自動翻訳・同時出品。国内倉庫への発送のみで海外配送・海外顧客対応を代行 |
| 料金の目安 | 要お問い合わせ (売上に応じたレベニューシェア型) | 要お問い合わせ (構築内容による個別見積もり) | 要お問い合わせ (規模・カスタマイズ内容による) | LITE: 初期・月額0円 (月商10万円超で売上の5%) BASIC・PLUS: 要お問い合わせ | 初期555,000円/月額500,000円 (WeChatPay決済手数料1.8%) | 初期・月額0円 (決済手数料のみ。クレカ3.25%・コンビニ2.75%) | 初期33,000円/月額5,500円 (EC事業者は売上手数料なし。購入代行手数料10%は海外購入者負担) | 初期・月額0円 (完全成果報酬。売れた時点で販売手数料20%) |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
アパレル以外も含めて、越境ECの構築・運営代行・特化型といった手段ごとの違いや費用相場、選び方を幅広く比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
越境EC代行おすすめ19選|構築・運営代行・特化型の違いと費用相場・選び方
海外の消費者に自社商品を売りたい。そう考えて情報を集め始めると、越境ECには多言語対応や海外決済、国際配送、関税や現地の商習慣といった、国内ECにはない壁がいくつも立ちはだかることに気づきます。これらを自社だけで乗り越えるのは負担が大きく、…
ここからは、手段の型を代表する4つのサービス(フルマネージド型・自社EC構築・中古リユース特化)を個別に紹介します。貼るだけ越境のWorldShopping BIZや越境決済のKOMOJUなど、その他のサービスは上の比較表で対応範囲と料金を確認できます。
Lingble Global Guide(Lingble Pte. Ltd.)

Lingble Global Guideは、ブランドの海外展開を戦略立案からサイト構築・運営・物流・多言語カスタマーサポートまで一気通貫で支援する、フルマネージド型のグローバルECサービスです。マーケットプレイスへの出品代行ではなく、統一した自社ドメインで海外向けのブランドサイトを展開する体制づくりを支援する点が特徴です。
国際配送・通関手続き・関税前払い(DDP)対応・返品交換管理、市場ごとの価格や在庫の最適化、現地の決済手段への対応など、海外販売に必要な機能をまとめて提供します。アパレル業界での実績が豊富で、デサントやCUNEなどのブランドが導入しています。提供元のLingbleは、2026年3月時点でアパレル業界のブランド45社に自社のグローバルEC支援を提供していると公表しています。
ブランドの世界観を保ったまま、海外展開の運営をまるごと任せたいアパレル事業者に適しています。料金は売上に応じたレベニューシェア型で、詳細は要問い合わせです。
Magento / Adobe Commerce 構築・リニューアル支援(株式会社マルウェブ)

株式会社マルウェブのMagento / Adobe Commerce構築・リニューアル支援は、自社ドメインの越境ECサイトを本格的に作り込みたいブランド向けのサービスです。要件定義・設計・開発・デザイン調整から保守運用までを一貫して対応し、多言語・多通貨による海外展開に対応したECサイトを構築します。
新規構築に加え、既存ECサイトのリニューアルや、取引先別価格設定・承認フローといったBtoB商流向けのカスタマイズにも対応します。同社はAdobe Experience Cloudのソリューションパートナー(ブロンズ)に認定されており、Magento(Adobe Commerce)の構築を基盤から支援できる体制を持ちます。
費用は構築内容によって変わるため、個別見積もりが前提です。ブランド独自のサイトで、デザインや機能を作り込みながら海外へ売りたい事業者に向いています。
自社ドメインで越境ECを立ち上げる際、公開後どのくらいで成果が表れるのかは、投資を判断するうえで気になる点です。この点について、同社の前山氏は次のように述べています。
台湾向けや中国向けなど越境ECの場合、一律に「何カ月で成果が出る」とは言えません。既存のブランド認知や顧客基盤、広告・SNSなどの集客施策、現地での運用体制によって大きく変わるためです。
システム面では、公開直後から運用効率化などの効果が出るケースもあります。一方で売上や集客については、公開後のデータを見ながら継続的に改善していくことが重要だと考えています。
ecbeing(株式会社ecbeing)

ecbeingは、株式会社ecbeingが提供する中堅〜大手向けのECサイト構築プラットフォームです。パッケージ型・フルスクラッチ型・クラウド型の複数の構築方式を用意し、基幹システムとの連携や大規模なカスタマイズに対応するため、規模の大きい自社ECを構築・運営したいアパレル企業の受け皿になります。
富士キメラ総研の調査に基づき、ECサイト構築(カスタマイズ型SaaS/PaaS区分)市場で18年連続シェア第1位(2025年度シェア41.9%、金額ベース)と公表しており、構築実績は1,600サイトを超えます。導入企業にはBEAMS、シップス、ワークマン、TOKYO BASE、リーガルといったアパレル・ファッション関連の企業が並びます。
越境EC向けのフルサポートも提供しており、大手ならではの運営体制で自社ECを構築したいアパレル企業に適しています。料金は規模・カスタマイズ内容によって変わるため要問い合わせです。
WASABI SWITCH(株式会社ワサビ)

中古・リユースのアパレルを海外へ売りたい事業者に向くのが、株式会社ワサビのWASABI SWITCHです。中古品・リユース業界に特化したEC一元管理システムで、商品情報を1回登録するだけで、国内外40以上のモール・カートへ出品を反映できます。海外モールへの出品時は自動翻訳に対応します。
対応モールには、eBay・Shopee・Lazada・Yahoo!台湾・WeChatといった海外モールに加え、楽天・メルカリShops・Amazonなどの国内モールが含まれます。在庫の一元管理で売り違いを防ぎ、リユース業界特有の買取査定管理や顧客専用マイページ生成にも対応します。
LITE版は初期費用・月額費用ともに0円(月商10万円超で売上の5%の従量課金)から始められ、中古ブランド品のコメ兵なども導入しています。一点ものの中古アパレルを、複数の海外モールへ効率よく出品したい事業者にとって有力な選択肢です。
まとめ
アパレルの越境ECは、まず狙う国と販路の全体像をつかみ、自社の商材とリソースに合う手段を選ぶところから始まります。販路には購入代行・貼るだけ越境・モール出店・自社EC構築・運営代行・ライブコマースがあり、立ち上げの手間や向くブランドが異なります。
そのうえで、サイズ表記や返品、関税・HSコード、ワシントン条約などの輸入規制、湿気・シワに配慮した梱包、必要書類といったアパレル特有の実務を押さえることが、トラブルを避けて続けるための鍵になります。言語・物流・決済・通関など社内にないノウハウは、強みの異なる越境EC支援サービスに任せる方法もあります。自社の狙う市場と体制に合わせて、具体的な検討を進めてください。
一括ダウンロードする
アパレルの越境ECに関するよくある質問(FAQ)
Q. 越境ECとは何ですか?
A. 越境ECとは、国内の事業者が海外の消費者へインターネットを通じて直接商品を販売する電子商取引のことです。実店舗を海外に構えずに販路を広げられる手段で、アパレルの場合は海外モールへの出店、自社ECサイトの越境対応、購入代行・物流代行の活用など複数の販路があります。日本ブランドへの関心が高い商材のため、海外に売上を伸ばす余地が見込めます。
Q. アパレルの越境ECでサイズ表記はどう対応すればよいですか?
A. アパレルの越境ECでは、各国のサイズ体系(US/EU/UK等)に対応した換算表を用意し、あわせて着丈・身幅・そで丈などの実寸をセンチメートルで示すのが基本です。衣類や靴のサイズ表記は国ごとに体系が異なり、日本の表記のままでは海外の消費者が判断できません。サイズのズレは返品の主な原因になるため、商品ページで換算と実寸の両方を丁寧に伝えることで、購入時の迷いと購入後のミスマッチを減らせます。
Q. 試着できない不安や返品にはどう対応すればよいですか?
A. アパレルの越境ECでは、返品の可否・条件・送料負担・手続きの流れを現地の言語で分かりやすく示したうえで、サイズ表やレビュー・着用画像で事前の不安を解消し、そもそも返品を減らす設計にすることが有効です。試着ができないことは購入のハードルになりますが、返品条件を明示しておくと安心感につながります。
一方で国際返品は送料や手間が大きいため、返品を受け付ける仕組みと、返品自体を減らす工夫の両面で考えるのが現実的です。
Q. アパレルの越境ECで関税は誰が負担しますか?
A. 関税は原則として商品が届く国(仕向国)で課され、販売者と購入者のどちらが負担するかは、取引条件(インコタームズ)によって決まります。関税を販売者が前払いするDDP方式にすると、購入者は追加の支払いなく受け取れるため購入のハードルは下がりますが、その分の費用は販売者が負担します。
米国では少額貨物を免税とする「デミニミス」制度が2025年8月末に廃止され、少額の衣類でも関税の対象となりました。制度は時点で変わるため、価格設計や販売条件を決める前に狙う国の最新情報を確認してください。
Q. アパレルの越境ECは自社EC・モール出店・代行のどれを選べばよいですか?
A. アパレルの越境ECの販路は、ブランドの世界観や顧客データを自社で持ちたいなら自社EC構築、狙う国の集客を早く確保したいならモール出店、社内に体制がなく一気通貫で任せたいなら物流・運営代行、が基本的な目安です。このほか、少額から海外需要を試すなら購入代行・転送サービス、既存の自社ECに後付けで越境対応するなら翻訳タグ型(貼るだけ越境)という選択肢もあります。
実際には自社ECで世界観を作りつつ集客のためモールへ出店するなど、複数を組み合わせることも多く、まず試しやすい手段で手応えを見てから投資を広げる進め方が取りやすいです。
Q. 小規模ブランドでもアパレルの越境ECを始められますか?
A. アパレルの越境ECは、購入代行・転送サービスの活用や、初期費用・月額費用を抑えて始められるサービスを使えば、小規模ブランドでも少額から始められます。いきなり多くの国へ広げるのではなく、既存の海外アクセスやSNSフォロワーが多い1〜2か国に絞って運営の型を作ると、立ち上げの負担を抑えられます。
言語・物流・決済・サイズ・返品といった社内にないノウハウは、強みの異なる越境EC支援サービスに任せることで、小さく始めて手応えを見ながら広げられます。
Q. 中古・リユースのアパレルも越境ECで売れますか?
A. 中古・リユースのアパレルも越境ECの有力な分野で、特に東南アジアなどでは日本の中古ブランド品やリユース衣料への需要が伸びています。ただし中古品は一点ものが多く、複数のモールへ同じ在庫を出すと売り違い(二重販売)が起きやすいため、在庫を一元管理し、売れた時点で各モールの在庫を自動で止める仕組みが重要になります。
買取から出品・在庫連携までを扱えるEC一元管理の仕組みを使うと、国内外の複数モールへの出品を効率よく運用できます。
Q. アパレルを海外へ発送するときに必要な書類は何ですか?
A. 商業輸出で通関業者に依頼する場合、中心となるのは仕入書(インボイス)と包装明細書(パッキングリスト)です。インボイスには品名・数量・価格などを、パッキングリストには個数・重量・容積などを記載します。
越境ECで多い国際郵便やクーリエでの小口発送では、これらに加えて税関告知書や発送ラベル(送り状)が必要になり、仕向国によって様式や必要枚数が異なります。発送方法と仕向国に応じた書類を事前に確認しておきましょう。
越境EC支援サービスの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、アパレルの越境ECを支援するサービスの最新資料を無料で一括請求できます。構築・運営代行・貼るだけ越境・多モール出品・決済など、手段ごとの対応範囲や費用を比較できます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















