取引先に渡す納品書と請求書を見比べたら日付が違っていて、「これは間違いなのか、直さなくてよいのか」と手が止まる場面があります。結論から言うと、納品書と請求書で日付が違っていても問題はなく、多くの取引ではむしろ違うのが正常です。
2枚は果たす役割も発行するタイミングも異なる書類だからです。納品書は商品を届けたことを知らせる書類、請求書は代金の支払いを求める書類で、作成するタイミングがずれれば日付もずれます。
本記事では、納品書・請求書それぞれにどの日付を入れるのか、締め請求と都度請求でどう考えればよいのか、税務やインボイス制度で気をつける点はどこかまでを整理します。読み終えたときに、迷わず発行・送付できる状態を目指します。
目次
一括ダウンロードする
納品書と請求書で日付が違うのは問題ない
はじめに結論をお伝えします。納品書と請求書で日付が違っていても、原則として問題はありません。発行日の付け方を一律に定めた法令はなく、取引の実態と商慣行にもとづいて決めるものだからです。
そもそも納品書と請求書は役割が違います。納品書は「注文どおりの商品・サービスを納めました」と知らせる書類で、商品を引き渡すタイミングで発行します。請求書は「この取引の代金をお支払いください」と求める書類で、取引先の締め日や支払いサイクルに合わせて発行します。
発行する場面が違えば、書類に入る日付も自然とずれます。たとえば月末締めの取引では、月の途中に納品した商品の請求書を月末にまとめて発行するため、納品書の日付と請求書の日付が一致しないのが通常の運用です。日付が揃っていないこと自体は、誤りのサインではありません。
なお、消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)で請求書や納品書に必須とされる日付は「取引年月日」であり、請求書を作成した「発行日」は必須の記載事項に含まれていません。法令が様式として求める日付と、発行日という運用上の日付は別物だと押さえておくと、2つの日付が食い違っても成り立つ理由が分かりやすくなります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:No.6625 適格請求書等の記載事項|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm)
どの書類にどの日付を入れるか
ここからは、「ではどの書類にどの日付を入れればよいのか」を整理します。まず全体像を対比表で俯瞰し、そのあと納品書・請求書それぞれの決め方を見ていきます。
納品書・請求書・インボイスの日付を一覧で確認する
納品書と請求書をめぐる日付は、大きく「納品日」「発行日」「取引年月日」の3つに分かれます。それぞれどの書類に入れ、何を表す日付なのかを一覧にすると次のとおりです。
| 日付の種類 | 主に入れる書類 | 何を表す日付か |
|---|---|---|
| 納品日(出荷日) | 納品書 | 商品を納めた日。商品を発送する取引では、到着日を正確に把握しづらいため出荷日を記載するのが一般的です。 |
| 発行日 | 請求書 | 請求書を作成・発行した日。締め請求では締め日、都度請求では納品日が基準になることが多く、法令やインボイス制度の必須記載事項ではありません。 |
| 取引年月日 | 請求書・納品書 | 商品の引き渡しやサービス提供を行った日。適格請求書(インボイス)を発行する場合に必須の記載事項です(インボイス以外では必須ではありません)。 |
このように、納品書に入れる「納品日」と、請求書に入れる「発行日」は、そもそも指している出来事が違います。両者が別の日付になるのは、書類の性格から見て自然なことです。
納品書に記載する日付(出荷日・納品日の考え方)
納品書に記載する日付は、商品を納めた日、つまり納品日が基本です。手渡しや店頭での引き渡しなら、その日がそのまま納品日になります。
一方、商品を発送する取引では、出荷日を記載するのが一般的です。配送には日数がかかり、交通事情や天候で到着日が前後するため、発行する側が正確に把握できる「出荷した日」を基準にするほうが実務に合うからです。取引先と検収日(商品を確認した日)を基準にすると取り決めている場合は、備考欄などにその日付を併記して認識を揃えます。
どの日を納品日とするかに法律上の決まりはありません。出荷日・到着日・検収日のどれを基準にするかは、取引先と事前に取り決めておくと、あとで日付の食い違いをめぐる確認の手間を減らせます。
請求書に記載する発行日(決め方とタイミング)
請求書の発行日は、取引先の締め日や支払いサイクルに合わせて決めます。請求のしかたによって、基準にする日が変わります。
毎月分をまとめて請求する締め請求では、締め日を発行日にするのが一般的です。たとえば「月末締め・翌月末払い」であれば、その月に納品した取引をまとめ、月末の日付で請求書を発行します。取引のつど請求する都度請求では、納品日やその前後の日を発行日にすることが多くなります。
先に触れたとおり、発行日の付け方そのものを定めた法令はありません。ただし、実際に取引が成立していないのに先の日付で発行したり、納品からかけ離れて遅い日付にしたりすると、取引の実態と合わなくなります。発行日は「請求書を作った日」を素直に記載するのが基本です。
日付がずれる理由と取引方式別の考え方
ここからは、「なぜ日付がずれるのか」という仕組みと、「自分の取引ではどう考えればよいのか」という当てはめを見ていきます。自分のずれが正常なのかを判断できるようにするのが狙いです。
なぜ納品書と請求書で日付がずれるのか
日付がずれる理由は、納品書側と請求書側の2つに分けると理解しやすくなります。
納品書側では、出荷日と到着日がずれます。月末に発送した商品が翌月初めに届く場合、出荷日を記載した納品書は前月、商品が実際に届くのは翌月と、月をまたぐことがあります。
請求書側では、締め請求による時間差が生じます。月の途中に納品しても、請求書の発行は締め日まで待つため、納品書の日付より請求書の発行日があとになります。この2つが重なると、1件の取引でも納品書と請求書の日付が離れていきます。いずれも運用上の当然のずれであり、間違いではありません。
具体的に当てはめてみます。3月10日・20日・28日に商品を納品した取引を月末締めでまとめる場合、納品書にはそれぞれの納品日(3月10日・20日・28日)を記載し、請求書は締め日の3月31日を発行日として発行します。3月10日に納品した1件を見ると、納品書は3月10日・請求書は3月31日と半月以上離れますが、これが正常な状態です。

取引方式別の早見(締め請求・都度請求・納品書兼請求書)
自分の取引がどの方式かを当てはめると、日付をどう考えればよいかが見えてきます。代表的な3つの方式でまとめます。
- 締め請求(掛売方式):月末などの締め日ごとにまとめて請求する方式です。納品書は納品のつど発行し、請求書は締め日に発行するため、両者の日付が揃わないのが通常です。揃っていなくても問題ありません。
- 都度請求:取引のたびに請求する方式です。納品と請求が近いタイミングになるため、納品書と請求書の日付が近づき、ほぼ揃うこともあります。
- 納品書兼請求書:都度請求や単発の取引では、納品内容と請求金額を1枚に併記した「納品書兼請求書」を使えます。1枚なので日付も1つで、納品日と請求日が同じ取引に向いています。継続的な掛売方式では納品日と請求日が異なるため、基本的には使いません。
自社の取引がどれに当たるかを確認すれば、「日付が違うのは正常か」の答えが出ます。継続的に取引する相手との締め請求であれば、日付がずれているのはむしろ自然な状態です。
一括ダウンロードする
日付の違いと税務・法令上の注意点
日付が違うこと自体は問題ないとしても、「税務上まずくないか」は気になるところです。ここでは、問題にならない違いと、注意が必要な日付の扱いを切り分けます。
前提として、税務上の売上の計上時期は請求書の発行日では決まりません。法人でも個人事業主でも、売上などの収益は商品の引き渡しやサービス提供を行った日を基準に計上します。法人税法では収益はその引き渡しの日の属する事業年度に計上すると定められており、個人の所得税でも同じ考え方(実現主義)がとられています。
内国法人の資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供(以下この条において「資産の販売等」という。)に係る収益の額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、その資産の販売等に係る目的物の引渡し又は役務の提供の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
出典:法人税法 第22条の2第1項|e-Gov法令検索
計上時期が引き渡しの日で固定されているため、請求書の発行日を動かしても、税務上どの事業年度の売上になるかは変わることがありません。したがって、締め請求で発行日が納品日とずれていても、計上時期には影響せず、税務上の問題は生じません。締め請求では納品から請求書の発行まで1か月近く離れることもありますが、実態どおりの日付であれば問題ないと考えて差し支えありません。
一方で注意が必要なのは、取引の実態と異なる日付をつける場合です。決算期をまたいで売上を前や後ろの期に寄せる目的で発行日を実態とかけ離れた日に操作すると、本来の計上時期と食い違い、期ズレを装う処理とみなされかねません。
日付は、実際に起きた取引の事実のとおりに記載するのが原則です。実態に沿っていれば納品書と請求書で日付が違っても問題にならず、避けるべきなのは、決算期をまたいで売上を寄せる目的のような、事実とかけ離れた日付への操作だけだと整理できます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:法人税法(第22条・第22条の2)|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000034)
取適法(旧・下請法)での支払期日と日付の関係
取引が製造委託などの委託取引に当たる場合は、代金の支払期日に関する法律上のルールも日付と関わります(通常の物品の売買だけであれば、この項目は読み飛ばして構いません)。従来の下請法は2026年1月1日に「中小受託取引適正化法(取適法)」へ改称・改正され、以前からの支払期日のルールが引き継がれています。
この法律では、委託した側(委託事業者)が支払う代金の支払期日について、次のように定めています。
製造委託等代金の支払期日は、委託事業者が中小受託事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、委託事業者が中小受託事業者の給付を受領した日(役務提供委託又は特定運送委託の場合にあつては、中小受託事業者からその委託に係る役務の提供を受けた日。以下同じ。)から起算して、六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。
出典:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律 第3条|e-Gov法令検索
ここで押さえたいのは、支払期日の起算点が「給付を受領した日」、つまり納品や検収の日であって、請求書の発行日ではない点です。請求書の発行を遅らせても、対象取引の法律上の支払期日が後ろ倒しになるわけではありません。
ただし、この法律が適用されるのは、製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託などの委託取引で、かつ委託する側と受託する側のあいだに資本金や従業員数の規模差がある場合に限られます。通常の物品の売買には当てはまらないことも多いため、自社の取引が対象になるかを確認したうえで考えます。
対象になる取引では、委託した側に、給付内容・代金額・支払期日などを書面または電磁的方法で明示する義務(第4条、旧・下請法の3条書面)もあります。
出典・参考資料(2件)
- 出典:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/331AC0000000120)
- 参考資料:下請法が「中小受託取引適正化法」に変わりました|政府広報オンライン(https://www.gov-online.go.jp/article/202511/entry-9983.html)
インボイス制度での取引年月日と発行日の書き分け
インボイス制度に対応する場合、日付の扱いで迷いやすいのが「取引年月日」と「発行日」の関係です。この2つは別物として書き分けます。
適格請求書(インボイス)として扱う請求書や納品書に必要とされる記載事項は、次のとおり定められています。
①書類作成者の氏名または名称および登録番号 ②取引年月日 ③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)④税率ごとに区分して合計した税込対価(又は税抜対価)の額及び適用税率 ⑤税率ごとに区分した消費税額等 ⑥書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
出典:国税庁 タックスアンサー No.6625「適格請求書等の記載事項」
必須とされているのは「②取引年月日」であり、商品の引き渡しやサービス提供を行った日を指します。請求書を作成した「発行日」は、この必須記載事項には含まれていません。
そのため、締め請求で月末にまとめて請求書を発行する場合でも、記載すべきは個々の取引の取引年月日(それぞれ納品した日)です。発行日と取引年月日が別の日付になっても、インボイスの要件は満たせます。複数の取引を1枚にまとめるときは、取引ごとに取引年月日が分かるように記載します。納品書を適格請求書として扱う場合も、同じく取引年月日の記載が必要です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:No.6625 適格請求書等の記載事項|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm)
取引先から日付修正を頼まれたら
納品書や請求書の日付をめぐっては、取引先から「日付を直してほしい」と依頼されることがあります。応じてよいかは、修正の内容によって分かれます。
単純な記載ミスの訂正や、実際の取引の事実に合わせる修正であれば、応じて問題ありません。一方で、取引の実態と異なる日付に変えてほしいという依頼には、慎重な対応が必要です。とくに決算期の前後で、売上の計上時期を動かす目的の日付変更は、自社の計上基準と食い違う処理につながります。
先に見たとおり、収益の計上時期は引き渡しの日で決まるため、日付を操作しても税務上の帰属は変えられません。実態に合わない修正には応じず、理由を添えて断るのが基本です。
発行済み請求書の日付を直すときの手順
すでに発行した請求書の日付を正当な理由で直す場合は、元の請求書を差し替える形で対応します。
新しく「訂正版」または「再発行」として請求書を作成し、取引先に元の請求書と差し替えてもらうよう連絡します。このとき、元の請求書番号と「差し替え」である旨を明記すると、取引先の経理処理が混乱しません。すでに取引先が経理処理を終えている場合は、修正の影響が双方に及ぶため、処理のタイミングをすり合わせてから差し替えます。やり取りの経緯はメールなどで記録に残しておくと安心です。
一括ダウンロードする
納品書・請求書の発行とデータ管理を効率化する
納品書と請求書で日付がずれるのは正常とはいえ、毎月それぞれの日付を手入力し、2枚の内容を突き合わせる作業は手間がかかり、転記ミスも起きやすくなります。見積書・納品書・請求書を同じ取引データから作成できる請求書発行システムを使うと、納品日や取引年月日を一度の入力で引き継げ、発行の手間とミスを減らせます。
ここでは、受注や納品のデータから納品書と請求書の両方を作成でき、無料から使い始められる代表的なサービスを紹介します。
1. Misoca(弥生株式会社)

Misocaは、会計ソフトを手がける弥生株式会社が提供するクラウド請求書作成ソフトです。見積書・納品書・請求書・領収書・検収書などを入力フォームに記入するだけで作成でき、受注情報から納品書・請求書への変換にも対応するため、同じ取引データを使い回して日付や内容の転記をなくせます。
無料プランでは請求書を毎月10通まで、見積書・納品書は無制限に作成できます。弥生会計など弥生シリーズとの連携で、請求から記帳までをつなげられる点も特徴です。
2. freee請求書(フリー株式会社)

freee請求書は、見積書・請求書・納品書・発注書・支払通知書・領収書を無料プランでも件数無制限に作成・PDF出力できるクラウドサービスです。見積書や納品書の詳細画面から請求書へ変換でき、取引先・品目・金額といった入力内容がそのまま引き継がれます。
同じ取引先の複数の納品書をまとめた合算請求書の作成にも対応します。有料プランでは一括発行やメール送付、承認ワークフローなどが加わり、発行量の多い現場にも広げられます。
3. MakeLeaps(メイクリープス株式会社)

見積書・納品書・請求書・領収書など10種類の書類に対応するのが、メイクリープス株式会社の請求管理クラウドMakeLeapsです。見積書などをワンクリックで請求書や納品書に変換でき、複数の書類を1枚にまとめることもできます。
銀行口座の入金情報を取り込んで請求書と突き合わせる入金消込まで1つのサービスでカバーし、インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しています。無料プランは取引先3社・月30通までで、まず小規模に試せます。
4. INVOY(FINUX株式会社)

FINUX株式会社が運営するINVOYは、請求書・見積書・納品書・発注書・領収書の作成から発行・管理までを無料で使えるクラウド請求書プラットフォームです。帳票をオンラインで作成でき、スマートフォンからも操作できます。
受け取った請求書のデータ化や、口座連携による資金繰り表の作成といった入金・支払い側の管理機能も備え、帳票発行とあわせてお金の流れを把握したい事業者に向いています。
4サービスの対応帳票や料金、日付の扱いに関わる機能を一覧で比較すると、自社の取引に合うものを選びやすくなります。
| サービス名 | Misoca | freee請求書 | MakeLeaps | INVOY |
|---|---|---|---|---|
| 対応帳票 | 見積・納品・請求・領収・検収・注文書・注文請書(7種) | 見積・納品・請求・発注・領収・支払通知書(6種) | 見積・納品・請求・発注・検収・領収・支払通知書など10種 | 見積・納品・請求・発注・領収(5種) |
| 見積・納品書→請求書への変換 | ● | ● | ● | ● |
| 無料プラン | 請求書は月10通まで無料(見積書・納品書は無制限) | 帳票の作成・PDF出力が件数無制限(法人は3名まで) | 取引先3社・送付30通/月まで無料 | 帳票の作成・発行を永続無料で利用可 |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 月額(有料プラン) | 月500円(税込)〜(プラン15ライト) | 月1,980円〜(スタンダード) | 月1,000円/ユーザー〜(個人プラン、税抜) | 月980円(税込・Standard) |
| インボイス制度対応 | ● | ● | ● | ● |
| 電子帳簿保存法対応 | ● | ● | △無料プランは非対応 | ● |
| 詳細情報 | カタログで詳細を見る | カタログで詳細を見る | カタログで詳細を見る | カタログで詳細を見る |
ここで取り上げた4サービスは、無料から使い始められる代表例です。対応帳票や料金、電子帳簿保存法への対応まで含めて請求書発行システムをタイプ別に比較し、自社の取引に合うものをじっくり選びたい方は、選び方を詳しく解説した以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
納品書と請求書で日付が違うのは、2枚の役割と発行タイミングが異なるために起きる正常な状態です。納品書には納品日(発送なら出荷日)、請求書には発行日を記載し、締め請求では両者が揃わないのが通常の運用になります。
税務上の売上の計上時期は引き渡しの日で決まり、請求書の発行日を動かしても変わりません。実態どおりの日付であれば問題はなく、逆に実態と乖離した日付の操作は避ける、という線引きを押さえておけば安心です。インボイスでは取引年月日と発行日を別物として書き分けます。
日付がずれる取引を毎月扱うなら、見積書・納品書・請求書を同じデータから作れる請求書発行システムを使うと、日付の転記ミスや発行の手間を減らせます。自社の取引に合うサービスを比べて、無理のない範囲から導入を検討してみてください。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. 取引年月日とは何ですか?
A. 取引年月日とは、商品の引き渡しやサービスの提供を行った日のことで、適格請求書(インボイス)の必須記載事項です。請求書を作成した日を指す「発行日」とは別の日付で、発行日はインボイスの必須記載事項には含まれません。締め請求で請求書をまとめて発行する場合も、記載するのは個々の取引の取引年月日です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:No.6625 適格請求書等の記載事項|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm)
Q. 納品書と請求書の日付は同じにしてもよいですか?
A. 納品書と請求書の日付は、同じでも違っていても問題ありません。取引のつど請求する都度請求や単発の取引では納品日と請求日が近く、同じ日付になることもあります。月末締めなどの締め請求では両者がずれるのが通常で、発行日の付け方を一律に定めた法令はないため、取引の実態に合っていれば揃っていなくてもかまいません。
Q. 締め請求で納品書と請求書の日付がずれるのは正常ですか?
A. 締め請求で納品書と請求書の日付がずれるのは、正常であり間違いではありません。締め請求(掛売方式)では商品を納めるつど納品書を発行し、請求書は締め日にまとめて発行するため、月の途中の納品日と締め日に付ける発行日が一致しないのが通常の運用です。継続的な取引では、むしろ日付がずれているのが自然な状態です。
Q. 納品書には納品日と発行日の両方を書く必要がありますか?
A. 納品書に記載する日付は納品日が基本で、発行日を別に書く義務はありません。納品書は商品を納めたことを知らせる書類なので、日付は納めた日(発送する取引では出荷日)を入れれば足ります。取引先と検収日を基準にすると取り決めている場合は、備考欄などにその日付を併記して認識を揃えます。
Q. 納品書の日付は出荷日と到着日のどちらにすればよいですか?
A. 商品を発送する取引では、納品書の日付は出荷日を記載するのが一般的です。配送には日数がかかり、天候や交通事情で到着日が前後するため、発行する側が正確に把握できる出荷した日を基準にするほうが実務に合うからです。手渡しなど、その場で引き渡す取引では引き渡した日がそのまま納品日になります。どの日を基準にするかに法律上の決まりはなく、取引先と取り決めておくと食い違いを防げます。
Q. 請求書の発行日を納品日より前の日付にしてもよいですか?
A. 請求書の発行日を納品日より前の日付にするのは避けてください。発行日は請求書を作成した日を素直に記載するもので、取引がまだ成立していない先の日付をつけると取引の実態と食い違います。都度請求では納品日やその前後、締め請求では締め日を発行日にするのが一般的です。
Q. 請求書の発行日を後から遡って変更してもよいですか?
A. 実態と異なる日付への遡及や変更は避けるべきです。税務上の売上の計上時期は商品の引き渡しやサービス提供を行った日で決まり(法人税法第22条の2第1項)、請求書の発行日を後から動かしても帰属する事業年度は変わりません。
決算期をまたいで売上を寄せる目的で日付を操作しても期ズレは作れず、実態と乖離した処理とみなされかねません。一方、単純な記載ミスの訂正や、実際の取引の事実に合わせる修正は問題ありません。
出典・参考資料(1件)
- 出典:法人税法(第22条・第22条の2)|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000034)
Q. 取引先から実態と違う日付への修正を頼まれたら、どう断ればよいですか?
A. 実態と異なる日付変更の依頼は、自社の会計処理上、取引の事実どおりの日付で発行する必要がある旨を伝えて断るのが基本です。たとえば「弊社の会計処理の都合で、取引が完了した月内の日付で発行しています」と理由を添えると、角を立てずに伝えられます。
売上の計上時期は引き渡しの日で決まり、日付を操作しても税務上の帰属は変えられないため、応じると双方のリスクになります。やり取りの経緯はメールなどで記録に残しておくとよいでしょう。なお、単純な記載ミスの訂正や事実に合わせる修正であれば、応じて問題ありません。
Q. インボイスでは取引年月日と発行日をどう書き分ければよいですか?
A. インボイス(適格請求書)で必須とされるのは取引年月日(商品を引き渡した日・サービスを提供した日)であり、請求書の発行日は必須記載事項ではありません。そのため締め請求で月末にまとめて発行する場合でも、記載すべきは個々の取引の取引年月日です。複数の取引を1枚にまとめるときは、取引ごとに取引年月日が分かるように記載します。
出典・参考資料(1件)
- 出典:No.6625 適格請求書等の記載事項|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm)
Q. 納品書兼請求書はどんなときに使いますか?
A. 納品書兼請求書は、取引のつど請求する都度請求や単発の取引で使う、納品書と請求書を1枚にまとめた書類です。1枚なので日付も1つで済み、納品日と請求日が同じ取引に向いています。継続的な取引で使う月末締めなどの掛売方式では納品日と請求日が異なるため、基本的には使いません。
Q. 請求書の支払期日は発行日から数えるのですか?
A. 請求書の支払期日は、契約や取引先との取り決めで「発行日から○日以内」「翌月末」などと定めるのが一般的です。ただし、法律が支払期日を定める製造委託等の取引では、起算点は請求書の発行日ではなく、給付を受領した日(納品・検収の日)です。
2026年1月に施行された取適法(中小受託取引適正化法、旧・下請法)は、対象となる委託取引について支払期日を給付受領日から60日以内と定めており、請求書の発行を遅らせても法律上の支払期日は後ろ倒しになりません。この法律が適用されるのは製造委託・修理委託・役務提供委託などで、委託する側と受託する側に資本金や従業員規模の差がある場合に限られます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/331AC0000000120)
Q. 請求書に発行日を書き忘れた場合、そのまま有効ですか?
A. 発行日は法令やインボイス制度の必須記載事項ではないため、記載がなくても請求書そのものが無効になるわけではありません。ただし発行日は支払期日の管理や取引先の経理処理の目印になるため、実務上は記載しておくのが望ましいです。すでに発行日のない請求書を送ってしまった場合は、「訂正版」または「再発行」として発行日を入れた請求書を作り、元の請求書番号と差し替えである旨を明記して差し替えてもらいます。
Q. 口頭で決めた納品日や発行日でも、取引の根拠になりますか?
A. 口頭での取り決めであっても、納品時のメールやチャット、受発注のやり取りなど日付が分かる記録が残っていれば、取引の事実を示す裏づけになります。日付をめぐる認識の食い違いや、後日の確認に備えて、いつ納品し・いつ請求したかのやり取りは記録に残しておくと安心です。継続的な取引では、締め日や支払いサイクルを契約書・発注書で定めておくと、発行日の根拠がより明確になります。
Q. クラウドの請求書発行システムで日付の扱いに気をつける点はありますか?
A. クラウドの請求書発行システムでは、発行日が作成日や送信日で自動設定されることがあるため、締め請求なら締め日、都度請求なら納品日など、自社の運用に合った発行日・取引年月日になっているかを発行前に確認することが重要です。
多くのシステムは受注・納品のデータから請求書に変換でき、取引年月日をそのまま引き継げるため転記ミスを減らせます。自動設定のまま実態と異なる日付で発行してしまわないよう、日付欄を見ておくと安全です。
請求書発行システムの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、見積書・納品書・請求書をまとめて作成できる請求書発行システムの最新資料を無料で一括請求できます。対応帳票や料金、インボイス・電子帳簿保存法への対応を比べて選べます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















