取引先や請求件数が増えるにつれて、請求書の作成から送付、入金の確認、消込、催促まで、月末月初にまとまった作業を抱える経理担当者は少なくありません。手作業のままでは時間がかかるだけでなく、金額の転記ミスや催促の抜けといった人為的なミスも起きやすくなります。
請求業務を効率化する打ち手はいくつもあります。ただ、「結局どの方法があって、自社のどの作業が減るのか」を整理しないまま検討を始めると、一部だけをデジタル化して手作業が残ってしまい、思ったほど負担が減らないこともあります。
本記事では、請求業務を効率化する方法を、請求業務の工程(金額の確定→請求書の作成→送付→入金確認→消込→催促)に対応づけて一覧で整理します。あわせて、請求書発行システムで自動化できること、導入の進め方、選び方、つまずきやすいポイントまで、着手を判断できる具体度で解説します。
本記事は請求書を発行する側の業務を対象とします。受け取った請求書の支払処理(受領側)は、扱う課題が異なるため本記事では取り上げません。
目次
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請求業務の流れ(6工程で全体像をつかむ)
請求業務とは、商品やサービスを提供した対価を取引先に請求し、代金を回収して記録するまでの一連の業務を指します。効率化の打ち手は工程ごとに効き方が違うため、まずは全体の流れを6つの工程で押さえておくと、自社のどこを改善すべきかを判断しやすくなります。
起点は請求金額の確定です。契約内容や稼働実績、取引ごとの単価をもとに、その月に請求する金額を計算します。続いて確定した金額をもとに請求書の作成を行い、社内の承認を経て請求書の送付に進みます。送付方法は郵送・メール・Web発行などがあり、取引先ごとに指定が分かれることも珍しくありません。
送付後は入金確認に移ります。銀行口座やクレジットカードなどへの入金を確認し、入金額と請求額を突き合わせて該当する売掛金を帳簿から落とす作業が消込(しょうこみ)です。期日を過ぎても入金がない取引先には催促(督促)を行い、再請求や連絡で回収につなげます。この6工程のどこに時間やミスが生じているかが、効率化の出発点になります。

請求業務のどこに手間とミスが生まれるか
ここでは、6つの工程それぞれで手間やミスが生まれる理由を整理します。自社の請求業務を振り返りながら、どの工程がボトルネックになっているかを確かめてみてください。
金額の確定・請求書の作成:手入力と転記でミスが起きやすい
請求金額を表計算ソフトや販売管理の帳票から手で転記していると、桁の取り違えや単価の反映漏れが起こりやすくなります。取引先ごとにフォーマットや計算ルールが異なる場合はなおさらで、作成とチェックに時間がかかるうえ、担当者以外には内容を追いにくくなります。
請求書の送付:印刷・封入・郵送の手間とコストがかさむ
紙で請求書を送る場合、印刷・封入・投函の作業に加え、用紙代・封筒代・切手代が件数分だけ発生します。送付先を取り違える発送ミスのリスクもあり、件数が増えるほど負担が膨らみます。取引先ごとに郵送とメールが混在していると、送付方法の管理自体も煩雑になります。
入金確認・消込:入金明細と請求の照合に時間がかかる
入金確認と消込では、銀行の入金明細と請求データを一件ずつ突き合わせます。振込名義が取引先名と異なる、複数の請求がまとめて振り込まれる、請求額と入金額が一致しないといったケースでは、どの請求に対する入金かを人が判断する必要があり、件数が多い月ほど照合に時間を取られます。
催促:抜け漏れと心理的な負担が生じやすい
期日を過ぎた未入金を一覧で把握できていないと、催促の連絡が後回しになり、回収が遅れます。誰にいつ催促したかの記録が個人任せになると、二重連絡や連絡漏れも起こります。取引先との関係に配慮しながら催促する作業は、担当者の心理的な負担にもなりがちです。
入金の遅れが続くと、リマインドや電話での連絡に始まり、催促状・督促状、さらに内容証明郵便による催告や、支払督促などの法的手段へと対応を段階的に強める必要があります。どの取引先がどの段階にあるかを管理する手間も加わります。
全体に共通する課題:属人化・月末月初への集中・書類管理
工程ごとの手順が担当者の頭の中にしかないと、業務が属人化し、休暇や退職の際に引き継ぎが難しくなります。請求業務は月末月初に作業が集中しやすく、この時期の残業の一因にもなります。さらに、作成した請求書は電子帳簿保存法に沿って一定期間の保存が求められるため、紙やファイルの管理にも手間がかかります。
請求業務を効率化する5つの方法(打ち手と工程対応)
請求業務を効率化する主な打ち手は、大きく5つに整理できます。それぞれがどの工程を楽にするのかとあわせて見ていくと、自社に合う方法を選びやすくなります。
1. ペーパーレス化・請求書の電子化(作成〜送付〜保管)
請求書を紙からPDFなどの電子データに切り替え、メールやWebで送付する方法です。印刷・封入・投函の作業と郵送費がなくなり、送付にかかる時間とコストを減らせます。発行した請求書をデータのまま保存できるため、保管スペースや検索の手間も軽くなります。まず送付の負担から減らしたい場合に取り組みやすい打ち手です。
2. テンプレート・計算の自動化(金額の確定〜作成)
請求書の書式をテンプレート化し、単価や数量から金額を自動計算する仕組みにすると、手入力と転記が減り、計算ミスを抑えられます。取引先や契約ごとの単価をマスタに登録しておけば、毎月の作成作業そのものを短縮できます。表計算ソフトの関数で部分的に実現する方法もありますが、件数が増えると後述のシステム導入のほうが安定します。
3. 業務フローの見直し(承認プロセスの簡略化・工程の統一)
ツールを入れる前に、承認の経路や作業の手順そのものを見直す方法です。承認者が多すぎて滞留しているなら段階を減らす、担当者ごとにバラついている作業手順を統一する、といった整理で、工程の待ち時間や属人化を減らせます。システム導入と組み合わせると効果が高く、現状の無駄を洗い出す最初のステップにもなります。
4. 請求書発行システムの導入(作成〜送付〜入金確認〜消込〜催促を一気通貫)
請求書の作成から送付、入金の消込、催促までを一つのシステムで自動化する方法です。取引先と請求内容を登録すれば毎月の請求書を自動で作成でき、メール・郵送代行での送付、入金データの取り込みによる自動消込、未入金への自動催促メールまでカバーする製品もあります。複数の工程をまとめて効率化したい場合の中心的な打ち手になります。次章で具体的にできることを解説します。
5. 請求代行(アウトソーシング)の活用(発行〜回収を委託)
請求書の発行や送付、入金管理、催促といった業務を外部の代行サービスに委ねる方法です。自社で担当者を置かずに済むため、経理の人員が限られる企業や、未回収の管理負担を外に出したい企業に向きます。サービスによっては売掛金の立替・保証まで含むものもあり、自社の体制や委託したい範囲に合わせて検討します。
これら5つの打ち手が、請求業務のどの工程を楽にするのかを一覧にまとめました。自社でボトルネックになっている工程と照らし合わせてみてください。
| 効率化の打ち手 | ペーパーレス化・電子化 | テンプレート・計算の自動化 | 業務フローの見直し | 請求書発行システムの導入 | 請求代行(アウトソーシング) |
|---|---|---|---|---|---|
| 主に効く工程 | 作成・送付・保管 | 金額の確定・作成 | 全工程(承認・手順) | 作成〜送付〜入金確認〜消込〜催促 | 発行〜回収(委託範囲による) |
| 具体的に減ること | 印刷・封入・投函の作業、用紙代・郵送費、保管スペース | 手入力・転記、金額の計算ミス、毎月の作成時間 | 承認の待ち時間、手順のばらつき、属人化 | 作成・送付・消込・催促の手作業全般、転記ミス、催促漏れ | 請求・入金管理・催促の作業そのもの、未回収の管理負担 |
| 向いているケース | 紙の請求書の郵送が多く、まず送付の負担を減らしたい | 取引先ごとに単価や書式が分かれ、作成に時間がかかっている | 承認が滞留している、担当者ごとに手順が異なる | 複数の工程をまとめて効率化したい、件数が増えている | 経理の人員が限られる、回収の管理まで外に出したい |
※上記は各打ち手の一般的な効果の傾向です。実際の効果は自社の請求件数や業務体制によって異なります。
請求書発行システムで自動化できること
5つの打ち手のうち、複数の工程をまとめて効率化できるのが請求書発行システムです。ここでは、システムで具体的に何を自動化できるのかを工程に沿って解説します。
請求書の作成とテンプレート
取引先と請求内容を登録しておくと、毎月の請求書を自動で作成できます。単発・定期・従量など請求のパターンを設定でき、ロゴや印影を含む帳票のテンプレートをあらかじめ用意しておけば、作成のたびに書式を整える必要がありません。
送付の電子化(メール・Web・郵送代行)
作成した請求書を、メールやWeb上での発行で送付できます。郵送を希望する取引先には、システムから印刷・封入・投函を代行するサービスを利用でき、自社で紙を扱わずに郵送まで完結できる製品もあります。取引先ごとに送付方法を設定しておけば、送付の切り替えも自動で処理されます。
入金ステータスの管理と自動消込
銀行の入金データを取り込み、請求額と入金額を自動で突き合わせて消込を行えます。振込名義の揺れを学習して次回以降の照合に生かす機能や、取引先ごとに専用の口座番号を割り当てて入金元を特定する仕組みを備えた製品もあり、手作業の照合を減らせます。未入金の請求も一覧で把握できます。
催促(督促)の自動化
期日前のリマインドや期日後の催促メールを、設定した日数に沿って自動で送信できます。誰にいつ催促したかがシステムに記録されるため、連絡漏れや二重連絡を防げます。未入金の状況が可視化されることで、回収の初動を早められます。
会計・販売管理システムとの連携
請求データを会計ソフトや販売管理システムと連携させると、請求から仕訳、売上計上までのデータの再入力が不要になります。見積・受注のデータから請求書を作成できる製品もあり、前工程とのつながりを保ったまま請求業務を進められます。
インボイス制度・電子帳簿保存法への対応
請求業務の効率化は、制度対応とあわせて考える必要があります。2023年(令和5年)10月にインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まり、売手が買手に正確な適用税率や消費税額を伝える適格請求書の発行・保存が求められるようになりました。請求書発行システムには、この適格請求書の要件を満たした請求書を発行・保存できるものがあります。
出典・参考資料(1件)
もう一つ関わるのが電子帳簿保存法です。メールやWebでやり取りした請求書などの電子取引データは、2024年(令和6年)1月から電子データのまま保存することが必要になりました。国税庁は、電子取引データの保存にあたって次の要件を満たすよう求めています。
出典:令和6年1月からの電子取引データの保存方法|国税庁
- 【可視性の確保】① モニター・操作説明書等の備付け ② 検索要件の充足
- 【真実性の確保】不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程を制定し、遵守する。
発行した請求書を電子データで保存する場合、これらの要件を満たす必要があります。対応状況はサービスごとに異なるため、検索要件や訂正削除の防止にどう対応しているかを、後述の選び方で確認します。
請求業務の効率化を進める手順
効率化は、いきなり全工程をシステムに置き換えるより、現状を把握してから着手する工程を絞るほうが失敗しにくくなります。ここでは進め方を3つの段階で整理します。
最初に行うのは現状の可視化です。6つの工程それぞれに、毎月どれくらいの時間がかかっているか、どこでミスや滞留が起きているかを洗い出します。工程ごとの作業時間を見積もっておくと、効率化でどれだけの時間を削減できるかの試算になり、システム導入やアウトソーシングの費用対効果を社内で説明する材料にもなります。
次に着手する工程を絞ります。可視化で見えたボトルネック(たとえば送付の郵送作業や、入金消込の照合)から優先して取り組むと、効果を実感しやすくなります。全工程を一度に変えようとすると現場の負担が大きく、定着しないまま頓挫することもあります。
最後は小さく始めて広げる段階です。一部の取引先や一部の工程から試験的に運用し、問題がなければ対象を広げます。現場の担当者の意見を取り入れながら進めると、運用に無理が生じにくく、効率化が社内に根づきやすくなります。
効率化でつまずきやすいポイントと回避策
請求業務の効率化は、進め方を誤ると「入れたのに楽にならない」という結果になりがちです。つまずきやすい3つのポイントと、その回避策を押さえておきましょう。
一部だけ電子化して手作業が残る
作成だけを電子化しても、送付や消込が手作業のままだと全体の負担はあまり減りません。工程はつながっているため、どこか一つにボトルネックが残ると、その前後の効率化の効果も目減りします。現状の可視化で工程全体を見渡し、分断が生じないように対象を決めることが回避策になります。
取引先が電子化に応じてくれない
取引先の都合で、紙の請求書を求められることもあります。この場合、取引先に無理にデジタル化を求めるのではなく、自社側は電子データで作成・保存し、郵送が必要な取引先にはシステムの郵送代行を使う、といった形で自社の負担だけを減らす方法があります。送付方法を取引先ごとに設定できるシステムなら、紙と電子が混在していても一元管理できます。
現場の意見を聞かずにツールを選ぶ
実際に請求業務を行う担当者の声を聞かずにツールを決めると、既存の会計ソフトと連携できない、現場の運用と合わないといったミスマッチが起こります。選定の段階から担当者を巻き込み、自社の請求形態や既存システムとの連携を確認してから導入することで、定着しないリスクを下げられます。
請求書発行システムの選び方
請求書発行システムを導入する場合、次の観点で自社に合うものを見極めるとよいでしょう。いずれも「なぜ効率化に効くのか」を意識して見ていくと、判断しやすくなります。
自社の請求形態に合っているか
請求には、取引のたびに請求する都度請求、締め日にまとめる締め請求、毎月定額の定期請求などがあります。自社の請求形態にシステムが対応していないと、結局手作業で補うことになります。サブスクリプションのような継続課金が中心なら、定期請求や従量課金を設定できるかが確認ポイントになります。
会計・販売管理システムと連携できるか
すでに使っている会計ソフトや販売管理システムと連携できれば、請求データの再入力がなくなり、効率化の効果が前後の工程まで広がります。連携できない場合はデータの手移しが残るため、対応している外部サービスの一覧を事前に確かめておくとよいでしょう。
インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しているか
インボイス制度・電子帳簿保存法への対応は、効率化と同時に満たしておきたい要件です。電子帳簿保存法の要件を満たしているかを外形的に確認する指標として、JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)の認証があります。
JIIMAでは、市販されているソフトウェアやソフトウェアサービスが電子帳簿保存法(電帳法)の要件を満たしているかをチェックし、法的要件を満たしていると判断したものを認証しています。
出典:JIIMA認証制度|公益社団法人日本文書情報マネジメント協会
認証は法律上の義務ではありませんが、導入を検討しているサービスがJIIMA認証を取得していれば、電子帳簿保存法への対応を一つの目安として確認できます。取得の有無は各サービスの公式情報で確かめられます。
サポート体制は十分か
導入時の初期設定や、運用開始後の問い合わせにどこまで対応してもらえるかも、効率化を軌道に乗せるうえで重要です。経理の専任者が置きにくい企業ほど、導入支援やサポートの手厚さが定着を左右します。問い合わせの手段(電話・メール・チャット)や対応時間を確かめておくと安心です。
料金体系が請求件数に見合うか
料金は、月額の基本料に加えて請求件数に応じた従量課金がかかる形が多く見られます。自社の月あたりの請求件数で試算し、削減できる作業時間と照らして費用対効果を判断します。初期費用の有無や、必要な機能がどのプランに含まれるかもあわせて見ておきましょう。
自社で行うか、請求代行に委ねるか
システムを使って自社で請求業務を行うか、請求代行に委託するかは、自社の体制で判断します。自社完結型のシステムは、運用を社内に残しつつ作業を自動化したい企業に向きます。一方、経理の人員が限られ、未回収の管理まで外に出したい企業には、発行から回収までを任せられる請求代行が向きます。委託する範囲(発行のみか、入金管理・催促まで含むか)と、売掛金の保証の有無を確認して選びます。
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請求業務の効率化に役立つサービス
ここからは、請求書の作成・送付を中心に、入金消込・催促まで対応する製品も含めて、請求業務の効率化に役立つサービスを紹介します。自社の請求がシンプルで発行から回収まで幅広く自動化・委託したい場合と、サブスクリプションや売上按分などの複雑な請求がある場合とで、適したサービスは変わります。自社のどの工程を効率化したいかと照らし合わせて検討してみてください。
以下は、紹介する請求業務効率化サービスの比較表です。
| サービス名 | 請求管理ロボ | 請求まるなげロボ | マネーフォワード クラウド請求書Plus | Scalebase(スケールベース) |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド型システム(自社運用) | 請求代行(アウトソーシング) | クラウド型システム(自社運用) | クラウド型システム(自社運用) |
| 主な対応工程 | 請求書の作成・送付・入金消込・催促(請求書発行以降を一気通貫で自動化) | 与信審査・請求書の発行・送付・代金回収・入金消込・督促を代行(与信通過した適格債権は売掛金100%保証) | 受注データの取込・請求書の作成・送付・承認ワークフロー(会計への連携まで) | 見積・契約管理・請求データ作成・売上按分(入金消込・督促はScalebase ペイメント) |
| 料金体系 | 月額費用+請求件数に応じた従量(要問い合わせ) | 月額利用料+手数料1.0%〜(要問い合わせ) | 請求書発行件数に応じた従量(要問い合わせ) | 管理件数・利用内容に応じた個別見積(要問い合わせ) |
| 会計・CRM/販売管理との連携 | 会計ソフト(PCA会計・勘定奉行・弥生会計・マネーフォワード クラウド会計)、Salesforce・kintone | Salesforce連携(請求まるなげロボ for Salesforce)、API連携 | CRM・販売管理(Salesforce等)、マネーフォワード クラウド会計Plus | 会計(freee・マネーフォワード クラウド会計)、SFA/CRM(Salesforce・HubSpot等)、請求管理ロボ等 |
| インボイス・電子帳簿保存法対応 | 対応(適格請求書の発行・保存、電子取引データ保存の要件に準拠) | 適格請求書の発行は請求代行として同社が対応/電子帳簿保存法対応の詳細は要問い合わせ | 対応(インボイス制度対応、JIIMA電子取引ソフト法的要件認証を取得) | 電子帳簿保存法に対応(Scalebase ペイメントの操作ログ機能) |
| 向いているケース | 請求書の発行から入金消込・催促までを自社で一気通貫に自動化したい | 請求・回収業務そのものを外部に委ね、未回収リスクも抑えたい | サブスクや売上按分など複雑な請求があり、CRM〜会計まで連携したい中堅・上場企業 | 継続課金・従量課金の契約・請求・収益管理をまとめて効率化したいSaaS事業者 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | オンライン相談を予約 |
※上記は各サービスの公式情報をもとにした概要です。料金・機能の詳細や最新の対応状況は各サービスの資料・公式情報でご確認ください。
1. 請求管理ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求管理ロボは、請求書の発行から送付、集金、入金消込、催促までを自動化するクラウド型の請求・債権管理システムです。取引先と請求内容を登録しておくと、単発・定期・従量といった請求タイプに応じて請求書を自動で作成し、メールや郵送で送付できます。
入金消込では、全銀データやCSVの取り込みに加え、取引先ごとに専用の口座番号を割り当てる仕組みで入金元を特定し、請求額と自動で突き合わせます。振込名義の揺れを学習して次回以降の消込に生かす機能もあり、照合の手作業を減らせます。未入金には期日前のリマインドと期日後の催促メールを自動で送信します。
PCA会計・勘定奉行・弥生会計・マネーフォワード クラウド会計などの会計ソフトや、Salesforce・kintoneとも連携でき、適格請求書の発行・保存、電子取引データの保存にも対応しています。料金は月額費用と請求件数に応じた従量課金で構成され、具体額は資料で確認できます。
2. 請求まるなげロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求まるなげロボは、同じ株式会社ROBOT PAYMENTが提供する、企業間取引の請求業務を代行するアウトソーシングサービスです。与信審査・請求書の発行・送付・代金回収・入金消込・督促までを同社が代行するため、請求業務そのものを外部に委ねたい企業に向く打ち手です。
同社の審査で適格債権と判断され、与信を通過した債権については、売掛金を100%保証します(適格債権でないものは除く)。与信審査は3営業日内で、与信を通過しなかった取引先の請求も同じプラットフォーム上で自社管理でき、保証対象分と対象外分をまとめて扱えます。
督促はメール・電話に加え、弁護士法人による対応まで含みます。手数料は1.0%〜で、販売する商材や金額により個別に算出されます。保証は与信を通過した債権に限られるため、与信を通らなかった取引先の回収は引き続き自社で管理する点は押さえておきましょう。
3. マネーフォワード クラウド請求書Plus(株式会社マネーフォワード)

IPO準備企業から中堅・上場企業を主な対象とした請求管理システムが、マネーフォワード クラウド請求書Plusです。CRMや販売管理システムと連携して受注データを自動で取り込み、手入力なしで請求書を作成できます。
締日単位の合算請求書や契約月数に応じた分割請求書、サブスクリプション型の売上按分(新収益認識基準に対応)など、複雑な請求に対応できる点が特徴です。内部統制に必要な承認ワークフローを備え、会計システムへワンクリックで連携できるため、請求から仕訳までのデータの再入力が不要になります。
JIIMAの電子取引ソフト法的要件認証・電子書類ソフト法的要件認証を取得しており、自社が発行する請求書の電子データ保存で法的要件への適合を確認できます。料金は発行件数に応じた体系で、具体額は個別の案内となります。
販売管理・会計システムとの連携が実務でどのような手間を減らすのかについて、同社は独自インタビューで次のように述べています。

この連携がない場合、経理の方が営業側のシステムに情報を拾いに行ったり、営業の方から経理に請求書の送信対応をお願いしたりと、人を介したやり取りが発生してしまいます。その部分の接続性が大きな価値を感じていただけるポイントです。
4. Scalebase(スケールベース)(Scalebase株式会社)

Scalebaseは、継続課金・従量課金のビジネスに向けた契約・請求・収益管理システムです。見積から契約管理、請求データの自動作成、売上按分、会計連携までを一連で扱え、受注後のオペレーションをまとめて効率化できます。
個別ディスカウントや日割り、年払い・月払い、段階型や上限付きの従量課金など、複雑な契約条件・料金体系に対応します。契約情報をもとにMRR(月次経常収益)や解約率などの経営指標を自動で算出できる点も、継続課金のビジネスに適しています。
オプションのScalebase ペイメントを使えば、請求書の発行・送付、クレジットカード決済や口座振替、AIによる入金消込、未入金の督促までカバーできます。サブスクリプションやSaaSの事業者に向くサービスです。料金は管理件数や利用内容に応じた個別見積となります。
ここで取り上げたのは、請求業務の効率化に役立つサービスの一部です。請求書発行システムの導入を軸に検討する場合は、より多くの製品をタイプ別に比較したい場面も出てきます。以下の記事では、選び方やインボイス制度・電子帳簿保存法への対応とあわせて整理しているので、比較検討の手がかりになります。
まとめ
請求業務の効率化は、ペーパーレス化・テンプレートや計算の自動化・業務フローの見直し・請求書発行システムの導入・請求代行の5つの打ち手に整理できます。いずれも請求業務の6工程(金額の確定→作成→送付→入金確認→消込→催促)のどこを楽にするかが異なるため、まず現状を可視化して自社のボトルネックを見極め、効果の大きい工程から小さく始めるのが着実です。
複数の工程をまとめて効率化したい場合は請求書発行システムが中心的な選択肢になり、経理の人員が限られる場合は請求代行も検討に値します。自社の請求形態・既存システムとの連携・法令対応・料金を確認し、各サービスの資料で具体的な機能や費用を比べてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 消込(しょうこみ)とは何ですか?
A. 消込とは、取引先からの入金額と請求額を突き合わせ、該当する売掛金を帳簿から消していく作業です。入金確認のあとに行う工程で、振込名義が取引先名と異なる場合や複数の請求がまとめて振り込まれた場合は、どの請求に対する入金かを人が判断する必要があり、件数が多い月ほど時間がかかります。請求書発行システムには、銀行の入金データを取り込んで請求額と自動で突き合わせ、この消込を自動化できるものがあります。
Q. 請求業務の効率化は、取引先が紙の請求書しか受け付けない場合でもできますか?
A. 取引先が紙を求める場合でも、自社側は電子データで作成・保存し、郵送が必要な取引先にはシステムの郵送代行を使うことで、自社の負担だけを減らせます。取引先に無理にデジタル化を求める必要はありません。送付方法を取引先ごとに設定できるシステムなら、紙と電子が混在していても一元管理でき、印刷・封入・投函の作業は郵送代行に任せられます。
Q. 請求書発行システムの導入は、コスト対効果をどう判断すればよいですか?
A. 削減できる作業時間を金額に換算し、システムの利用料と比べて判断します。まず6つの工程それぞれに毎月どれくらいの時間がかかっているかを洗い出し、効率化で減らせる時間に担当者の時間単価を掛けて効果額を見積もります。
これをシステムの月額費用・請求件数に応じた従量課金・初期費用と照らすと、費用対効果を数値で示せ、社内で説明する材料にもなります。印刷にかかる用紙・インク代や郵送の封筒・切手代といった直接コストの削減分も、あわせて効果に含められます。
Q. 請求書発行システムが、インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しているかはどう確認すればよいですか?
A. 電子帳簿保存法の要件を満たしているかは、JIIMA(日本文書情報マネジメント協会)認証の取得有無が外形的な確認の目安になります。2023年(令和5年)10月に始まったインボイス制度では適格請求書の発行・保存が、電子帳簿保存法では2024年(令和6年)1月から電子取引データの電子保存が求められます。
これらの法的要件を満たすと判断されたソフトにJIIMA認証が付与されるため、検討中のサービスが認証を取得しているかを公式情報で確認すると、法令対応を一つの目安として判断できます。認証は法律上の義務ではない点には留意します。
出典・参考資料(3件)
Q. 請求業務の効率化は、何から小さく始めればよいですか?
A. まず現状を可視化し、最も手間やミスが生じている工程を一つ選んで着手するのが、失敗の少ない始め方です。6つの工程それぞれにかかる時間と、ミスや滞留が起きている箇所を洗い出し、ボトルネック(たとえば郵送作業や入金消込の照合)から優先して取り組みます。
一部の取引先や一部の工程で試験的に運用し、問題がなければ対象を広げると、現場に無理なく定着します。全工程を一度に変えようとすると負担が大きく、定着しないまま頓挫しやすくなります。
Q. 請求書発行システムと請求代行(アウトソーシング)は、どう使い分ければよいですか?
A. 運用を社内に残して作業を自動化したいなら請求書発行システム、発行から回収までの業務そのものを外に出したいなら請求代行が向きます。自社完結型のシステムは、経理の体制を社内に保ちつつ、作成・送付・消込・催促の手作業を減らしたい企業に適しています。
一方、経理の人員が限られ、未回収の管理負担まで手放したい企業には、与信・発行・送付・回収・督促を任せられる請求代行が向きます。委託する範囲(発行のみか、入金管理・催促まで含むか)と売掛金の保証の有無を確認して選びます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















