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コミュニティマーケティングの成功事例10選|施策・成果と自社での始め方を解説

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広告による新規顧客の獲得コストは上がり続けています。そうしたなか、すでに自社の商品やサービスを気に入ってくれている顧客との関係を深め、リピートや口コミにつなげる「コミュニティマーケティング」に取り組む企業が増えています。とはいえ、いざ自社で始めようとすると、他社が実際にどんなコミュニティを作り、どう運営して、どんな成果を出したのかという具体像がつかみにくいのも実情です。

本記事では、カインズや無印良品、カゴメ、LEGOなど実在する企業10社のコミュニティマーケティング成功事例を、「施策・使った場・公表されている成果」とともに、ロイヤルティ向上・商品共創・BtoBといった目的別に整理して紹介します。

事例に続けて、成功している企業に共通する要因、事例から逆算した自社での始め方とつまずきやすい点、そして自社に合う運営の「場」の選び方までを順にまとめました。自社に近い業種・目的の事例を手がかりに、取り組みの検討にお役立てください。

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【早見表】コミュニティマーケティング成功事例の一覧

まず、本記事で取り上げる10社の事例を一覧で示します。自社に近い業種や目的の事例を見つけたら、後半の各社の解説もあわせてご覧ください。成果の数字は各社の公表値です。公表されていない成果は「非公開」としています。

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企業(ブランド)カインズ(CAINZ DIY Square)mineo(マイネ王)スノーピーク(Snow Peak Way)カゴメ(&KAGOME)無印良品(IDEA PARK)アテニア(ファンケルグループ)ベースフード(BASE FOOD Labo)LEGO(LEGO Ideas)AWS(JAWS-UG)サイボウズ(kintone Café)
業種小売(BtoC)通信(BtoC)アウトドア用品(BtoC)食品(BtoC)小売(BtoC)化粧品(BtoC)食品・D2C(BtoC)玩具(BtoC・海外)IT・クラウド(BtoB)IT・SaaS(BtoB)
コミュニティ・施策会員制のオンラインコミュニティ(DIYの作品・工夫を投稿し教え合う)公式コミュニティサイト(ユーザー同士の助け合い・意見交換)リアルイベント(社員とユーザーが一緒にキャンプ)と声の製品化会員制コミュニティ(レシピ投稿・製品レビュー)とファン株主づくり要望投稿サイト(顧客の声を商品化・改善に反映)会員コミュニティ(声を新商品の開発に反映)専用SaaS型コミュニティ(会員と商品・食べ方を共創)アイデア投稿サイト(支持を集めた作品を製品化)ユーザー主導の勉強会(地域・目的別の支部)ユーザー主導の勉強会(各地で自走し製品の活用を広げる)
主な成果(時点・出所)会員10万人超(2025年10月/カインズ発表)登録メンバー約93万人(2026年時点/公式統計)会員・参加者数は非公開株主の過半数がファン株主(2021年統合報告書)2年で1万件超の声から200点以上を見直し(2016年時点の累計/良品計画)登録20万人超(2022年10月)/声を反映した新ラインで基礎スキンケア売上26%増(2020年比/ファンケル)会員5万人超(2024年7月/運営基盤コミューン発表)会員100万人超・投稿2万6千件超(2019年/LEGO発表)参加者数は非公開(全国に支部が拡大)全国で自主開催が継続(製品の定着を後押し。会員数は非公開)

実名で見るコミュニティマーケティングの成功事例

ここからは、各社がどんな狙いで・どんな場を作り・どんな成果を上げたのかを、目的別に見ていきます。会員数や売上など公表された数字がある事例はその数字で、公表がない事例は施策の内容と続いている年数から、何が成果だったのかを読み取れます。自社の目的に近いグループから読むと、取り組みのイメージをつかみやすくなります。

ロイヤルティ・LTV向上につながった事例

継続的な接点で愛着を深め、リピートや一人あたりの生涯価値(LTV=顧客が取引期間を通じてもたらす価値)の向上を狙うタイプです。熱量の高いファンとの関係づくりが事業につながっている4社を見ていきます。

カインズ「CAINZ DIY Square」──DIY好きが集う会員10万人超のコミュニティ

ホームセンター大手の株式会社カインズは、DIYを楽しむ人たちが作品や工夫を投稿し、教え合うオンラインコミュニティ「CAINZ DIY Square」を運営しています。会員は自分の作品を公開したり、他の会員の投稿からヒントを得たりしながら、DIYという共通の関心でつながります。

カインズの発表によると、2025年10月のリニューアル時点で会員数は10万人を超えています。商品を売る場ではなく、DIYという趣味を通じて顧客との関係を深める場として育て、来店やリピートにつなげている点が参考になります。

出典・参考資料(1件)

mineo「マイネ王」──ユーザー同士の助け合いが支える約93万人のコミュニティ

格安SIMのmineo(運営:株式会社オプテージ)は、2015年から公式コミュニティ「マイネ王」を運営しています。ユーザーが疑問を投稿すると他のユーザーが答える「マイネ王」の仕組みや、余ったデータ容量を分け合う「フリータンク」、改善要望を集める「アイデアファーム」など、ユーザー同士の助け合いと参加を促す工夫が特徴です。

公式の統計ページによると、登録メンバー数は約93万人に達しています(2026年時点)。価格だけでは差別化が難しい通信サービスで、ユーザーが集う「場」そのものを選ばれる理由に変えています。

出典・参考資料(1件)

スノーピーク「Snow Peak Way」──社員とユーザーが焚き火を囲む共創の原点

アウトドアブランドの株式会社スノーピークは、1998年から、社員とユーザーが一緒にキャンプをするイベント「Snow Peak Way」を続けています。経営層を含む社員がキャンパーとして参加し、焚き火を囲みながらユーザーの生の声を直接聞き、製品開発や改善に生かしてきました。

長く使い続けてもらうことを前提にした製品づくりやアフターサポートの姿勢も、ファンの支持を支えています。会員数などは公開されていませんが、社員が直接ユーザーの声を聞いて製品開発に生かす運営を、1998年から続けています。

出典・参考資料(1件)

カゴメ「&KAGOME」──ファンを株主にも巻き込む長期の関係づくり

カゴメ株式会社は、ファンとの関係づくりを長年の経営テーマに据えてきた企業です。会員制コミュニティ「&KAGOME」では、レシピの投稿や製品レビュー、会員同士の交流を通じて、トマトや野菜を楽しむファンとのつながりを深めています。

特徴的なのは、ファンづくりを株主にも広げている点です。同社は2001年から「ファン株主10万人づくり」に取り組み、統合報告書2021では株主構成の過半数をファン株主が占めると説明しています。顧客を長期の応援者として育てる姿勢が、コミュニティと資本の両面に表れた事例です。

出典・参考資料(1件)

商品共創・顧客の声(VoC)の活用に生きた事例

顧客の声(VoC=Voice of Customer)をコミュニティで集め、商品の開発や改善に反映するタイプです。ファンの声を事業の成果に結びつけた4社を見ていきます。

無印良品「IDEA PARK」──2年で1万件の声から200点以上を見直し

無印良品を展開する株式会社良品計画は、顧客が「こんな商品がほしい」「ここを改善してほしい」という要望を投稿できる場「IDEA PARK」を2014年から運営しています。寄せられた声には他の顧客が共感を示せるようになっており、支持の集まった声が商品化・改善の検討材料になります。

良品計画によると、開設から2年間で寄せられたリクエストは1万件を超え、その声をもとに200点以上の商品が見直されました(2016年時点の累計)。顧客の声を商品そのものに直結させる仕組みが、10年以上にわたって機能しています。

出典・参考資料(1件)

アテニア──会員の声から生まれた新ラインが基礎スキンケア売上を26%押し上げ

化粧品ブランドのアテニア(ファンケルグループ)は、登録者数20万人以上(2022年10月時点)のファンコミュニティを運営し、会員の声を新商品の開発に反映しています。

同社によると、コミュニティで集めた声を反映して2021年に発売した薬用美白・エイジングケアライン「ドレススノー」が支持を集め、基礎スキンケア全体の売上を2020年比で26%増へと押し上げました。顧客の声を起点に開発したことで、ヒット商品とファンづくりを両立させた事例です。

出典・参考資料(1件)

ベースフード「BASE FOOD Labo」──会員5万人と商品を共創

完全栄養食を手がけるベースフード株式会社は、ファンコミュニティ「BASE FOOD Labo」を運営しています。会員を商品づくりのパートナーと位置づけ、食べ方の工夫やアンケートへの回答を通じて、商品開発やレシピ提案に声を生かしています。

運営基盤を提供するコミューン株式会社の発表によると、会員数は2024年7月時点で5万人を突破しています。D2C(メーカーが消費者に直接販売する形態)のブランドが、顧客との共創で商品を磨き続ける場として機能している事例です。

出典・参考資料(1件)

LEGO「LEGO Ideas」──ファンのアイデアを製品化する共創の仕組み

海外の事例では、デンマークのLEGO社が運営する「LEGO Ideas」が知られています。ファンが自作のLEGO作品を商品アイデアとして投稿し、1万人の支持(supporters)を集めると、同社による製品化の審査に進む仕組みです。製品化されたアイデアの考案者には、売上の一部が還元されます。

LEGO社の発表によると、開始から10年の2019年時点で会員は100万人を超え、投稿された製品アイデアは2万6千件を超えています。ファンの創造性を商品ラインナップに取り込む、共創型の仕組みを築いています。

出典・参考資料(2件)

採用・技術者・BtoBコミュニティの事例

BtoBの領域では、製品のユーザーである技術者や担当者がつながり、学び合うコミュニティが、製品の定着や普及を支えます。企業が囲い込むのではなく、ユーザーの自主的な活動を後押しする形が特徴です。

AWS「JAWS-UG」──ユーザーが自主運営する全国の勉強会コミュニティ

クラウドサービスのAWS(アマゾン ウェブ サービス)には、ユーザーが自主的に運営する勉強会コミュニティ「JAWS-UG(AWS User Group – Japan)」があります。地域別・テーマ別の支部に分かれ、利用者同士が使い方の知見やトラブル解決のノウハウを共有しています。

運営の主体はユーザーであり、企業はその活動を支援する立場に回っています。ユーザー同士が教え合う文化が、クラウドという専門性の高い製品の学習ハードルを下げ、利用の広がりを支える土台になっています。

出典・参考資料(1件)

サイボウズ「kintone Café」──ユーザー主導の勉強会が各地で自走

業務アプリ作成ツール「kintone(キントーン)」を提供するサイボウズ株式会社では、ユーザーが自主的に立ち上げた勉強会コミュニティ「kintone Café」が各地で開かれています。初心者から使い込んだ担当者までが集まり、活用事例や作り方を共有する場です。

kintone Caféはサイボウズが主催するものではなく、ユーザーが各地で自主的に立ち上げ、運営している点が特徴です。企業が囲い込まずにユーザーの活動を後押しすることで、業務アプリを自作して使う専門性のあるツールでも、使いこなす利用者の輪が各地に広がりました。

導入社数のような製品全体の数字をコミュニティ単独の成果と言い切ることはできませんが、ユーザー主導のコミュニティが製品の定着と普及を支える、BtoBの代表的な事例です。

出典・参考資料(1件)

成功している企業に共通する要因

これまでの事例を振り返ると、成果を上げている企業の取り組みにはいくつかの共通点が見えてきます。業種や目的は違っても、次の要因はほぼ共通しています。

  • 売り込みの場にしない:カインズのDIY、スノーピークのキャンプのように、まずは顧客にとって楽しい・役立つ場をつくることを優先しています。販売を前面に出すと、交流を求めて集まった人が離れてしまいます。
  • ユーザーを主役にする:無印良品のIDEA PARKやLEGO Ideasのように、ユーザーの声やアイデアが実際に商品へ反映される仕組みを持っています。AWSのJAWS-UGやkintone Caféのように、ユーザーの自主的な活動を企業が後押しする形も有効です。
  • 中長期で関係を育てる:スノーピークは1998年から、カゴメは2001年から、無印良品も2014年から取り組みを続けています。成果はすぐには表れず、時間をかけて信頼を積み重ねた先に生まれています。
  • 声を事業に生かす目的を持つ:アテニアやベースフードは、集めた声を商品開発に生かすという明確な目的のもとで運営しています。何のためにやるのかを定めることが、場の設計と成果の測り方を一貫させます。

そもそもコミュニティマーケティングとは?従来型との違いと、いま成果が出る理由

ここまで見てきた取り組みを支えている考え方を、あらためて整理します。コミュニティマーケティングとは、自社の商品やサービスのファン・ユーザーが集まる「場」をつくり、企業とユーザー、そしてユーザー同士の双方向の交流を通じて、リピートや口コミ、商品改善につなげる手法です。

従来型(一方向)マーケティングとの違い

広告やキャンペーンに代表される従来型のマーケティングは、企業からユーザーへ情報を届ける一方向の流れが中心でした。これに対しコミュニティマーケティングは、ユーザーが自ら発信し、ユーザー同士が交流し、その声が企業に返ってくる双方向の流れが特徴です。情報が流れて消えるのではなく、会員の声や投稿が「場」に蓄積され、商品改善や関係づくりの資産になっていきます。

なぜ今、成果が出るのか

一つは、広告だけに頼る新規顧客の獲得が難しくなり、既存顧客との関係を深めてリピートや一人あたりの生涯価値(LTV)を伸ばす必要性が増したことです。もう一つは、SNSの普及で顧客同士が自然につながり、商品やサービスについて語り合うことが当たり前になったことです。

さらに、商品そのものでの差別化が難しくなるなか、ファンとの関係や体験そのものが選ばれる理由になりつつあります。こうした変化が重なり、ファンと長く付き合うコミュニティマーケティングが成果を上げやすくなっています。

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事例から逆算する自社での始め方と、つまずきやすい点

事例を踏まえ、自社でコミュニティマーケティングを始めるときの基本的な流れと、つまずきやすい点を整理します。いきなりツールを選ぶのではなく、目的とファン像を固めてから場をつくるのが共通した進め方です。

事例に学ぶ始め方の5ステップ

コミュニティマーケティングの始め方の5ステップを示した図解。STEP1 目的・KPIを決める、STEP2 ファン像とコンセプトを固める、STEP3 運営の場を選ぶ、STEP4 初期コンテンツとルールを用意する、STEP5 会員を集め交流を続ける、の順に矢印でつないでいる。
  1. 目的とKPIを決める:リピート向上なのか、商品改善の声集めなのか、ユーザー同士の助け合いによるサポート負担の軽減なのか、何のために運営するのかを先に定めます。アテニアやベースフードのように、目的が明確だと場の設計も成果の測り方も一貫します。
  2. ファン像とコンセプトを固める:既存の顧客やファンが何に価値を感じているかを捉え、コミュニティのテーマを設計します。カインズの「DIY」のように、顧客が自然に集まれる共通の関心を軸にします。
  3. 運営の「場」を選ぶ:目的とファン像に合った運営基盤を選びます。既存のSNSを使うのか、専用のコミュニティサービスを導入するのか、選択肢は後述します。
  4. 初期コンテンツと運営ルールを用意する:最初の投稿やイベント、参加の際のルールを整え、会員が安心して交流できる状態をつくります。
  5. 会員を集め、交流を続ける:既存顧客やSNSから会員を招き、定期的な問いかけやイベントで交流を絶やさないようにします。運営を担う中心的な担当者を置くと、交流が停滞しにくくなります。

つまずきやすい点と回避策

コミュニティ運営でよく指摘されるつまずきと、その回避策は次のとおりです。いずれも、短期的な成果を急がず、ユーザーとの信頼を土台に据える姿勢に関わります。

  • 短期の成果を求めすぎる:スノーピークやカゴメが20年以上、無印良品も10年以上続けているように、成果は時間をかけて育つものです。立ち上げ直後に売上が動かなくても、中長期の視点で評価する計画を立てます。
  • 場が過疎化する:投稿や交流が途絶えると、会員の足が遠のきます。定期的な問いかけやイベント、運営側からの反応で、交流が続く状態を保ちます。
  • 炎上・トラブルへの備えが不足する:双方向の場では、不適切な投稿やトラブルが起こり得ます。あらかじめ参加ルールと対応方針を整えておきます。
  • 運営リソースを確保できない:片手間の兼任では交流が停滞しやすくなります。会員への声かけや企画、寄せられた声の社内共有を担う担当者を、専任または明確な役割として配置します。

自社で始めるなら?運営の「場」の選び方と活用

事例で見たように、コミュニティの運営には目的に応じたいくつかの「場」の選び方があります。まずタイプごとの違いを押さえ、自社に合う形の当たりをつけたうえで、代表的なサービスを見ていきます。

運営の「場」の3タイプ

自社のコミュニティを運営する「場」は、大きく次の3タイプに分けられます。本記事の事例でも、ベースフードのように専用サービスを使う例、無印良品やカゴメのように自社で基盤を作り込む例、スノーピークやAWSのようにイベントやユーザー主導で運営する例と様々です。自社で一から立ち上げるなら、会員管理や分析を備えた専用サービスが現実的な出発点になります。

コミュニティ運営の場の3タイプを並べた図解。既存SNS・無料ツールは手軽で低コスト、専用コミュニティSaaSは会員管理からVoC分析まで一体でデータ資産化に強い、Web3・トークン型はトークンやNFTで貢献に応じた特典を設計できる一歩進んだ選択肢、と整理している。
  • 既存SNS・無料ツールを使う:Instagramやチャットツールなど、すでにあるサービスを使って手軽に始める方法です。費用を抑えられる一方、会員データを自社の資産として蓄積・分析しにくい、独自のブランド体験をつくりにくいといった制約があります。
  • 専用のコミュニティサービス(SaaS)を導入する:自社専用のコミュニティサイトやアプリをノーコードで構築し、会員管理や顧客の声(VoC)の分析まで一体で行えるタイプです。ベースフードなど、企業のファンマーケティングで中心的に使われる選択肢です。
  • Web3・トークン型を使う:トークンやNFT(デジタル資産)を使って、ファンの貢献に応じた特典を設計したり、ファンが運営に関わったりできるタイプです。従来のポイント施策に代わる新しいファンエンゲージメントを試したいときの、一歩進んだ選択肢です。

どのタイプが合うかは、会員データを自社の資産として活用したいか、どこまで独自のブランド体験をつくりたいか、運営を支える体制があるかによって変わります。以下では、事例でも中心的に使われていた専用コミュニティサービスと、Web3・トークン型から、代表的なサービスを比較します。

多くの企業はまず専用コミュニティサービスから検討し、Web3・トークン型は一歩進んだ選択肢として捉えると整理しやすくなります。

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サービス名commmune(コミューン)coorum(コーラム)24karatUnyte(ユナイト)
提供会社コミューン株式会社株式会社Asobica24karat株式会社株式会社Unyte
タイプ専用コミュニティSaaS型専用コミュニティSaaS型Web3・トークン型Web3・トークン型
初期費用要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ
月額費用要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ
ノーコード構築●●●△構築・運用範囲は要お問い合わせ
会員データ・VoC活用◎VoC構造化・CRM連携まで一体◎本音データ(VoC)の収集・分析が中核△ファン行動の可視化が中心△貢献活動の可視化が中心
特徴大手BtoCブランドの導入が多数
運営代行まで含む伴走支援
VoCの分析で顧客理解を深める
自社ブランドのアプリ版も提供
トークン・NFTでファンの貢献に特典
管理コンソールとファン向けアプリを提供
DAO・参加型コミュニティの構築/運用
貢献をトークンで評価
詳細情報公式サイト公式サイト公式資料を見る公式資料を見る

各サービスとも料金は公開されておらず、初期費用・月額費用は要お問い合わせです。専用コミュニティサービスは初期費用に加えて月額数万円程度から、機能や会員規模に応じて数十万円規模まで幅があるのが一般的で、確定した金額は各社の資料や公式サイトで確認するのが確実です。

※2026年10月時点の各社公式情報にもとづく内容です。料金・機能は変更される場合があるため、最新情報は各社の公式サイト・資料でご確認ください。

代表的なコミュニティ運営サービス

commmune(コミューン株式会社)

commmune(コミューン)のウェブサイト

企業と顧客が双方向に交流するコミュニティを、ノーコードで構築・運営できる専用サービスです。ファンの熱量を高める共創やロイヤルティ向上に加え、顧客の声(VoC)の収集・分析までを一体で扱えます。前述のベースフード「BASE FOOD Labo」もこの基盤で運営されています。

日産やパナソニック、サントリーなど、大手を中心に幅広い業種のBtoCブランドが自社の顧客コミュニティに導入しています。顧客との関係構築と、声を集めて商品・サービスの改善につなげることを軸にしたい企業に向く選択肢です。

coorum(株式会社Asobica)

coorum(コーラム)のウェブサイト

株式会社Asobicaが提供する、ロイヤル顧客の本音データ(VoC)を集めて分析し、商品開発や顧客管理に生かすことでLTVの最大化を支援するサービスです。コミュニティサイトをノーコードで構築でき、自社ブランドのアプリ版としても提供できます。

「収集→分析→活用」の流れで顧客理解を深める設計が特徴です。顧客の声をデータとして捉え、商品・サービスの改善や施策につなげたい企業に適しています。

24karatマーケティングプラットフォーム(24karat株式会社)

24karatマーケティングプラットフォームのウェブサイト

トークンやNFTを活用して、ブランド向けのロイヤリティ・ファンエンゲージメント基盤を提供するサービスです。運営側の管理コンソールと、ファン向けアプリ(24k ZAP)を備え、ファンの行動に応じた特典やインセンティブを設計できます。

上新電機やロッテ、伊藤忠などでの活用が公表されており、従来のポイント施策に代わる新しいファンエンゲージメントを試したい企業に向きます。トークンやNFTの発行・管理をノーコードで扱える点も特徴です。

Unyte(株式会社Unyte)

Unyteのウェブサイト

チャット・投票・貢献の可視化を備え、コミュニティやDAO(自律分散型組織)の構築から運用までを一つの基盤で扱えるサービスです。トークンによってファンの貢献を評価する、参加型のコミュニティ運営を実現できます。

メールやソーシャルアカウントでのログインでウォレットが自動生成されるため、暗号資産に不慣れなメンバーでも参加しやすい設計です。ファンとともに運営していく参加型のコミュニティを志向する企業に向いています。

ここで取り上げたのは代表的なサービスです。同じタイプのほかの選択肢も含めて、機能や料金、自社に合う選び方をより詳しく見比べたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

24karatやUnyteのようなトークン・NFTを使ったWeb3型のコミュニティに関心が向いた方は、そもそもWeb3時代にコミュニティのあり方がどう変わりつつあるのかを、企業や自治体での活用事例とあわせて次の記事で確認できます。

まとめ

コミュニティマーケティングの成功事例は、カインズやmineoのようにロイヤルティ・LTVを高めたもの、無印良品やアテニアのように顧客の声を商品開発に生かしたもの、AWSやサイボウズのようにユーザー主導の学び合いで製品の定着を支えたものまで、目的によってさまざまです。いずれも、売り込みの場にせず、ユーザーを主役に、中長期で関係を育てている点が共通しています。

自社で始めるときは、目的とKPIを定め、ファンが集まる共通の関心を軸にコンセプトを固め、目的に合った運営の「場」を選ぶのが基本の流れです。運営基盤には既存SNS・専用コミュニティサービス・Web3トークン型があり、会員データの活用方針や独自体験の作り込み、運営体制に応じて選びます。自社に近い事例を手がかりに、合いそうなサービスの資料を見比べて検討を進めてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. コミュニティマーケティングとは何ですか?

A. コミュニティマーケティングとは、自社の商品やサービスのファン・ユーザーが集まる「場」をつくり、双方向の交流を通じてリピートや口コミ、商品改善につなげる手法です。企業からユーザーへ情報を届ける一方向の流れが中心だった従来型と異なり、ユーザー同士の交流や、ユーザーの声が企業に返ってくる双方向の流れが特徴で、カインズやmineo、無印良品など幅広い業種で取り組まれています。

Q. コミュニティマーケティングはBtoB企業でも成果が出ますか?

A. BtoB企業でも、製品の定着・普及を後押しする成果が期待できます。本記事のAWS「JAWS-UG」やサイボウズ「kintone Café」のように、製品を使う技術者が自主的に学び合うコミュニティは、専門性の高い製品の学習ハードルを下げ、利用の広がりを支えます。企業が囲い込まず、ユーザーの活動を後押しする形が有効です。

Q. コミュニティマーケティングは成果が出るまでどのくらいかかりますか?

A. コミュニティマーケティングの成果は、数か月で表れるものではなく、年単位で関係を育てた先に生まれるのが一般的です。本記事の事例でも、スノーピークは1998年から、カゴメは2001年から、無印良品も2014年から取り組みを続けています。立ち上げ直後に売上が動かなくても、中長期の視点で評価する計画を立てておくことが、途中で見切りをつけて失敗しないための前提になります。

Q. 小規模な企業や予算が少なくてもコミュニティマーケティングを始められますか?

A. 予算が限られていても、既存のSNSや無料ツールを使って小さく始められます。Instagramやチャットツールなど手元のサービスで交流を始め、会員データの分析や独自のブランド体験が必要になった段階で専用サービスへ移行する進め方が現実的です。規模より、目的を絞り交流を続けられる体制を確保できるかが成否を分けます。

Q. コミュニティ運営は既存のSNSと専用ツールのどちらがよいですか?

A. 手軽さを優先するなら既存SNS、会員データの資産化や分析・独自のブランド体験を重視するなら専用のコミュニティサービス(SaaS)が向いています。既存SNSは費用を抑えられる一方、会員データを自社の資産にしにくい制約があります。専用サービスは会員管理から顧客の声(VoC)の分析まで一体で行え、トークンやNFTを使うWeb3型という選択肢もあります。

Q. コミュニティが盛り上がらない・炎上するのを防ぐにはどうすればよいですか?

A. 過疎化は定期的な問いかけやイベント、運営側の反応で交流が続く状態を保つこと、炎上はあらかじめ参加ルールと対応方針を整えておくことで防ぎます。盛り上がらない原因の多くは片手間の兼任で運営が止まることにあり、声かけや企画、声の社内共有を担う担当者を専任または明確な役割として配置することが有効です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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