社内システムの棚卸しや刷新を進めるとき、資料や会議で「情報系システム」「基幹系システム」という言葉が当たり前のように出てきます。なんとなく意味は分かっていても、人に説明したり資料に書いたりするとなると、両者の境目は意外と曖昧なままになりがちです。
本記事では、情報系システムとは何かを整理し、基幹系システムとの違いを対比表でわかりやすく解説します。情報系・基幹系それぞれにどんな種類・具体例があるのか、自社のシステムをどちらに仕分けして考えればよいのかもあわせて取り上げます。
加えて、両者を別々に持つことでデータが分断されてしまう課題と、その解決策として基幹業務と情報系の機能を1つの基盤にまとめる統合基幹業務システム(ERP)という選択肢までを通して説明します。システムの全体像を一度きちんと押さえたい担当者が、自社の整備方針を考えるための土台としてご活用ください。
目次
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情報系システムとは?
情報系システムとは、社内のコミュニケーションや事務処理の効率化、意思決定の支援を目的としたシステムの総称です。受発注や会計のような業務データそのものを処理するのではなく、情報の共有や分析を通じて業務を円滑に進める役割を担います。メールやグループウェア、顧客管理(CRM)、データ分析ツールなどが代表例です。
情報系システムには法律や公的機関による厳密な定義があるわけではなく、解説によって表現に幅があります。IT用語辞典では、次のように説明されています。
情報系システムとは、企業や官庁などの組織が保有する情報システムのうち、社内のコミュニケーションや事務処理の効率化、意思決定の支援などを目的として構築されるシステムのこと。業務上のデータ処理そのものを直接行うのではなく、情報の共有や分析を通じて業務を円滑に進めるために用いられる。
出典:情報系システム|IT用語辞典 e-Words
この定義が示すように、情報系システムは「業務を直接動かす」のではなく「業務を支える・助ける」側のシステムだと捉えると整理しやすくなります。次に、対になる基幹系システムと並べて、その違いを具体的に見ていきます。
情報系システムと基幹系システムの違い
ここからは、情報系システムと基幹系システムが何によって区別されるのかを整理します。まず前提として、対になる基幹系システムの定義を確認します。
基幹系システムとは(情報系と対になる定義)
基幹系システムは、事業や業務の中核に直接関わる重要なシステムを指します。販売管理や在庫管理、財務会計のように、止まると事業そのものが立ち行かなくなる業務を担う点が特徴です。IT用語辞典でも、次のように定義されています。
基幹系システム(基幹業務システム)とは、企業や官公庁などの情報システムのうち、事業や業務の中核に直接関わる重要なシステムのこと。または、全社で共通して利用される、その組織全体の基盤の一部となるシステム。
業態や組織の構成、システム化の度合いなどによりどのようなシステムが該当するかは異なるが、止まると業務自体がストップしてしまったり、事業に深刻な影響が及ぶようなものをこのように呼ぶ。
出典:基幹系システム(基幹業務システム)|IT用語辞典 e-Words
このように基幹系は「止まると事業が止まる」中核システム、情報系は「止まっても業務は続けられる」支援システムという線引きが、基本の考え方になります。
両者の関係と、後述するERPによる統合までを図にまとめると、次のようになります。

違いを左右の対比表で整理
両者の違いは、いくつかの観点で並べて見ると掴みやすくなります。以下は、情報系システムと基幹系システムを主な観点ごとに対比した整理表です。
| 観点 | 役割・目的 | 止まったときの影響 | 扱うデータ | コスト・導入障壁 | カスタマイズ性・更新頻度 | 代表的なシステム |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 情報系システム | 業務の効率化・情報共有・意思決定を支援する | 不便は生じるが、業務は継続できることが多い | メール・文書・分析用データなど 共有・活用のためのデータ | 小さく始めやすく、低コストで導入できるものが多い | 機能追加や入れ替えなど、比較的柔軟に見直す | メール・グループウェア・CRM・SFA・BI・ファイル共有 |
| 基幹系システム | 事業・業務の中核を直接担う | 業務が停止し、事業に深刻な影響が及ぶ | 受発注・在庫・会計など 定型的で正確さが求められるデータ | 全社の基盤となるため規模が大きくなりやすく、導入の負担も大きめ | 一度構築すると長期間、大きな変更を加えず安定運用する | 販売管理・在庫管理・購買管理・財務会計・人事給与 |
※上記は一般的な傾向の整理です。どのシステムが基幹系・情報系に該当するかは、組織や業態によって異なる場合があります。
とりわけ分かりやすいのが「止まったときの影響」です。基幹系が止まると受注も出荷も会計処理も進まなくなりますが、情報系が一時的に使えなくても、業務そのものは別の手段で続けられる場合が多くあります。更新の頻度や安定性への考え方が異なるのも、この役割の違いから生まれます。
情報系システムの種類と具体例
情報系システムと一口にいっても、その範囲は広く、役割の異なる多くのシステムが含まれます。ここでは、社内の連絡や共同作業を支える「コミュニケーション系」と、部門ごとの情報活用を支える「業務・部門系」の2つに分けて、代表的な具体例を整理します。この2分類は理解のための便宜的な整理で、厳密な区分ではありません。
コミュニケーション系(連絡・共同作業を支える)
社内外のやり取りや情報共有を担うシステムです。日々の連絡から会議、ファイルのやり取りまで、働く人どうしをつなぐ役割を持ちます。
- メールシステム:取引先や社内との連絡の基本となる電子メールの送受信を担います。
- グループウェア:スケジュール・掲示板・ワークフローなど、組織内の情報共有機能をまとめて提供します。
- ビジネスチャット・社内SNS:短いやり取りをリアルタイムに交わし、部門をまたいだ連携を速めます。
- Web会議システム:遠隔地や在宅勤務の相手とも、映像・音声で打ち合わせができます。
- ファイル共有・オンラインストレージ:文書やデータを一か所に集め、複数人で安全に共有・編集します。
業務・部門系(情報の活用を支える)
特定の部門の業務を効率化したり、蓄積したデータを経営や営業の判断に活かしたりするシステムです。基幹系ほど全社の根幹ではないものの、部門の生産性を左右します。
- 顧客管理(CRM):顧客情報や対応履歴を一元管理し、関係づくりや問い合わせ対応に役立てます。
- 営業支援(SFA):商談の進捗や活動を可視化し、営業活動の管理を支援します。
- マーケティングオートメーション(MA):見込み客への施策を自動化し、反応を記録・分析します。
- ビジネスインテリジェンス(BI)ツール:社内に蓄積されたデータを集計・可視化し、経営判断の材料にします。
- ナレッジマネジメントシステム:組織内のノウハウや知見を蓄積・共有し、属人化を防ぎます。
顧客管理や営業支援などは、組織によっては事業の中核を支える基幹系として位置づけられることもあります。後述するとおり、情報系と基幹系の境界は固定的ではありません。
出典・参考資料(1件)
基幹系システムの種類と具体例
基幹系システムは、事業を直接動かす業務ごとに分かれています。どの業務が中核になるかは業種によって変わりますが、多くの企業に共通する代表的なシステムは次のとおりです。
- 販売管理システム:受注・出荷・請求・売上といった販売に関わる一連の処理を管理します。
- 在庫管理システム:商品や部品の入出庫・保管状況を把握し、過不足を防ぎます。
- 購買管理システム:仕入れや発注、仕入先との取引を管理します。
- 財務会計システム:仕訳・決算・財務諸表の作成など、会社のお金の流れを記録します。
- 人事給与システム:従業員情報の管理や給与計算を担います。
これらに加えて、製造業では生産管理、流通・運輸業では配送管理、金融機関では金銭の管理を担う勘定系システムなど、業種固有のシステムが基幹系に加わります。勤怠管理のように、人事給与と密接に関わるシステムを基幹系に含めて考える企業もあります。
出典・参考資料(1件)
「情報システム」「業務システム」との言葉の整理
情報系システムの話をするとき、似た言葉として「情報システム」や「業務システム」が出てきて混乱しやすいため、ここで整理しておきます。
まず「情報システム」は、企業が業務のために使うシステム全体を指す上位の言葉です。情報を扱う仕組みという広い意味を持ち、基幹系システムも情報系システムも、どちらもこの情報システムに含まれます。情報システム部門が社内のシステム全般を管轄するのは、この広い意味での使い方です。一文字違いの「情報系システム」は、その中でも業務を支援する側を指す、より狭い呼び方だという点に注意が必要です。
「業務システム」との違い
「業務システム」は、何らかの業務を効率化・自動化するためのシステムをまとめて指す言葉で、文脈によって指す範囲が変わります。販売管理や在庫管理といった基幹系を指して使われることもあれば、経費精算やワークフローのような部門業務のシステムを指すこともあります。基幹系・情報系のような役割に基づく分類ではなく、「業務に使うシステム」という使われ方の言葉だと捉えると、無理なく整理できます。
これらの言葉は重なり合う部分があり、厳密に切り分ける必要はありません。大切なのは、自社のシステムがどの役割を担っているかを理解しておくことです。
自社の情報系・基幹系をどう整理・運用するか
ここまでの違いと具体例を踏まえ、自社のシステムをどう仕分けし、どう整備していくかという実務の視点を整理します。
自社のシステムは基幹系・情報系どちら? 仕分けの見分け方
自社のシステムを仕分けするとき、最も実用的な判断軸は「そのシステムが止まったら、事業が止まるか」です。止まると受注・出荷・会計処理といった事業活動そのものが停止するなら基幹系、止まっても業務を別の手段で続けられるなら情報系と考えると、多くのケースで整理できます。
判断に迷うときは、次の観点を手がかりにすると見分けやすくなります。多くが基幹系側に当てはまるなら基幹系、情報系側に当てはまるなら情報系と考えられます。そのまま自社システムの棚卸しメモのチェック項目としても使えます。
- 止まったときの影響:止まると事業活動そのものが停止する(基幹系)/不便は生じても別の手段で続けられる(情報系)。
- 扱うデータ:受発注・在庫・会計など正確さが問われる定型データが中心か(基幹系)/連絡・文書・分析用のデータが中心か(情報系)。
- 代替手段の有無:止まったとき手作業や別システムで当面しのげるか(情報系寄り)/代替が効かず業務が止まるか(基幹系寄り)。
- 利用範囲:全社の事業運営に関わる共通基盤か(基幹系寄り)/特定部門の効率化が主か(情報系寄り)。
ただし、唯一の正解があるわけではありません。顧客管理や営業支援、人事関連のシステムは、組織によって情報系と基幹系のどちらに分類されるかが異なり、両者の境界は固定的ではないとされています。
たとえば営業が事業の柱となっている企業では、顧客管理システムが実質的な基幹系として扱われることもあります。分類そのものを目的にするのではなく、自社にとってそのシステムがどれだけ重要かを見極める材料として活用します。
情報系と基幹系を分けて考える理由
情報系と基幹系は、求められる性質が異なります。基幹系は扱うデータが定型的で、一度構築すると長期間、大きな変更を加えずに運用されることが多く、安定性と正確さが重視されます。一方の情報系は、業務効率やコミュニケーションの改善を目的とするため、機能追加や新しいサービスへの入れ替えなど、比較的柔軟に見直される傾向があります。こうした特性の違いから、両者は分離して構築・運用されるのが一般的です。
分けて考えることには、実務上の利点もあります。頻繁に入れ替える情報系の都合で、安定運用したい基幹系に手を入れずに済みます。障害が起きたときの影響範囲も切り分けやすく、止めてはいけない基幹系を守りながら、情報系を機動的に改善していけます。
情報系・基幹系システムを整備する進め方
システムを整備するときは、いきなり製品を選ぶ前に、何のために導入するのかという目的を明確にすることが出発点になります。解決したい課題がはっきりすれば、必要な機能や優先順位が定まり、過剰な投資や導入後のミスマッチを防げます。
近年は、情報系・基幹系ともにクラウドやSaaSで提供される製品が一般的になってきています。自社でサーバーを保有・運用する負担が軽くなり、小さく始めて必要に応じて広げやすい点が特徴です。扱う情報の重要性に応じて、アクセス管理やバックアップなどのセキュリティ対策、導入後のサポート体制も、選定時に確認しておきたい観点です。
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情報系・基幹系とERP(統合基幹業務システム)の関係
前の章で見たとおり、情報系と基幹系は性質が違うため分けて運用するのが一般的です。ただし、基幹業務の中でも会計は会計のシステム、在庫は在庫のシステムと細かく分かれていると、別の課題が生じます。それが「データの分断」です。業務ごとにシステムが分かれていると、全社を横断して正確な数字をすぐに取り出すことが難しくなります。
ここで言う統合は、情報系と基幹系を分けて運用する考え方を否定するものではありません。分かれていることで弱くなりがちな部門間のデータ連携を補い、必要な数字を1か所で把握できるようにする、という別の観点の工夫です。
この課題に対する選択肢の一つが、ERP(統合基幹業務システム)です。ERPは、企業の持つ資金・人材・設備・情報などの資源を統合的に管理し、業務の効率化や経営の全体最適を目指す考え方であり、そのための業務横断型のソフトウェアパッケージを指します。
ERPでは、調達・購買、生産、販売、在庫管理、会計など、部門ごとに分かれていたデータを1つの基盤で一元的に管理します。これにより、部門ごとの部分最適による非効率を抑え、調達と生産、生産と販売といった関連する業務を円滑に連携させられます。
名前のとおりERPは基幹業務の統合が中心ですが、情報系の機能まで取り込めるかは製品によって異なります。製品によっては、基幹業務に加えて顧客管理(CRM)や営業支援(SFA)といった情報系の機能も同じ基盤で扱い、業務データと顧客情報を分断せずに管理できるものもあります。自社が一元化したい範囲に情報系まで含めたい場合は、その製品がどこまでカバーするかを確認して選びます。
出典・参考資料(1件)
基幹業務と情報系機能を統合するERPサービス
ここでは、基幹業務と顧客管理などの情報系機能を1つの基盤で扱えるERPが実際どのようなものかを掴めるよう、代表的な2つのサービスを例として紹介します。数ある製品を網羅した比較ではなく、統合という選択肢の実像を掴むための例としてご覧ください。
以下は、ここで紹介するERPサービスの比較表です。
| サービス名 | Odoo導入・開発・業務統合支援 | Oracle NetSuite |
|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社マルウェブ | 日本オラクル株式会社 |
| 提供形態 | クラウド/オンプレミス/ ハイブリッド対応 | クラウド(SaaS) |
| 統合する機能範囲 | 販売・購買・在庫・製造・会計などの基幹業務+CRM (80以上のアプリから必要なものを選択) | 財務会計・販売・購買・在庫などの基幹業務+SFA・CRM (オールインワンの統合型クラウドERP) |
| 対象規模 | 中小・中堅企業 (必要なアプリから小さく始めたい企業向け) | 中堅〜成長企業 (多拠点・多通貨・海外展開を含むグループ全体の一元管理にも対応) |
| 料金 | 要お問い合わせ (Odoo本体のライセンス費用+導入・保守費用) | 要お問い合わせ (ライセンス料は非公開。規模・モジュール・ユーザー数で決定) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
1. Odoo導入・開発・業務統合支援(株式会社マルウェブ)

オープンソースのERP「Odoo」を基盤に、株式会社マルウェブが要件定義から導入・カスタマイズ開発、外部システム連携、データ移行、稼働後の運用定着までを一貫して支援するサービスです。Odooは販売・購買・在庫・会計・CRMなど80以上の業務アプリが相互に連携する構成で、基幹業務と顧客管理のような情報系機能を同じ基盤の上で扱えます。
必要なアプリだけを選んで導入し、後から段階的に追加していける点が特徴です。負担の大きい業務から小さく始めたい企業に向いており、クラウドでもオンプレミスでも利用できる柔軟さを持ちます。一括での全面刷新を避けながら、分断されたシステムを少しずつ統合していきたい中小・中堅企業が検討しやすい選択肢です。
このシステムの分断は、導入相談の現場で実際に多く寄せられる課題でもあります。同サービスを提供する株式会社マルウェブは、相談のきっかけとして次のように話しています。
2. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

財務会計・販売・購買・在庫管理に加えて、営業支援(SFA)や顧客管理(CRM)までを1つにまとめた統合型のクラウドERPです。業務ごとに分かれたシステムではデータが分断され、経営者が全体を見ようとしても正確な数字をつかみにくい、という課題を解消する発想から生まれました。あらゆる業務を1つの基盤で一元管理する設計になっています。
多言語・多通貨に対応し、海外拠点を含めてグループ全体を同じ基盤で扱える点も特徴です。古くなったシステムの刷新、事業成長に伴う業務の標準化、企業買収後のグループ統合といった場面で、分断された業務とデータを一元化する目的で導入されています。段階的に利用範囲を広げられるため、成長に合わせて拡張していける点も選定のポイントです。
こうした「1つの基盤でデータを一元管理する」という設計がどのような問題意識から生まれたのかについて、提供元の日本オラクル株式会社は次のように説明しています。
もともとは、創業者のEvan Goldberg(エバン・ゴールドバーグ)が自身の経営経験の中で感じた課題が出発点になっています。会計は会計のシステム、在庫は在庫のシステム、というように業務ごとにシステムが分かれていると、データが分断されてしまって、経営者が全体を見ようとしてもなかなか正確な数字がつかめません。実際に彼自身がその苦労をしていました。
そこで、あらゆる業務を一つの基盤で一元管理して、経営者がどこからでもリアルタイムにデータを確認できるようにしたい、という発想からクラウドERPという形にたどり着きました。
ここで紹介した2製品のほかにも、基幹業務とCRMなどの情報系機能を1つの基盤で扱えるERPは数多くあります。次の記事では主要なERPを対応業務の範囲・提供形態・料金などの軸で比較し、選び方まで解説しているので、自社に合う製品を見極めたい方はあわせてご覧ください。
まとめ
情報系システムは、コミュニケーションや情報の活用を通じて業務を支えるシステムで、止まっても業務は続けられる点が、事業の中核を担う基幹系システムとの基本的な違いです。メールやグループウェア、顧客管理、BIなどが情報系、販売管理や在庫管理、財務会計などが基幹系にあたります。
自社のシステムを仕分けするときは「止まると事業が止まるか」を軸にすると整理しやすく、分類に唯一の正解はないため、自社にとっての重要度を見極める材料として捉えるのが実践的です。
情報系と基幹系は分けて運用するのが一般的ですが、業務ごとにシステムが分かれるとデータの分断が起こります。基幹業務と情報系の機能を1つの基盤に統合するERPは、その分断を解消する有力な選択肢です。自社に合う一本を見極めるために、対応する業務の範囲・提供形態・対象規模を同じ軸で複数の製品を比べてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 情報系システムとは何ですか?
A. 情報系システムとは、社内のコミュニケーションや事務処理の効率化、意思決定の支援を目的としたシステムの総称です。受発注や会計のような業務データそのものを処理するのではなく、情報の共有や分析を通じて業務を円滑に進める役割を担います。
メール・グループウェア・ビジネスチャット・顧客管理(CRM)・BIツールなどが代表例です。一時的に止まっても業務は別の手段で続けられることが多く、事業の中核を直接担う基幹系システムとは役割が異なります。
Q. 情報系システムと基幹系システムの違いは何ですか?
A. 情報系システムと基幹系システムの最も分かりやすい違いは、止まったときの影響です。基幹系は止まると受注・出荷・会計処理といった事業活動そのものが停止するのに対し、情報系は止まっても業務を別の手段で続けられることが多い点にあります。
役割の面でも、基幹系が「事業・業務の中核を直接担う」のに対し、情報系は「業務の効率化・情報共有・意思決定を支援する」側に立ちます。この役割の違いから、扱うデータ(定型データか共有・分析用データか)やカスタマイズのしやすさ・更新頻度にも差が生まれます。
Q. 情報系システムと「情報システム」はどう違いますか?
A. 「情報システム」は企業が業務に使うシステム全体を指す上位の言葉で、基幹系システムも情報系システムも、どちらもこの情報システムに含まれます。一文字違いですが、指す範囲が異なります。
「情報システム部門」が社内のシステム全般を管轄するのは、この広い意味での使い方です。一方で「情報系システム」は、その中でも業務を支援する側のシステムを指す、より狭い呼び方だと捉えると混同しにくくなります。
Q. 情報系システムにはどんな種類・具体例がありますか?
A. 情報系システムは、社内の連絡や共同作業を支える「コミュニケーション系」と、部門ごとの情報活用を支える「業務・部門系」に大きく整理できます。この2分類は理解のための便宜的な整理で、厳密な区分ではありません。
コミュニケーション系には、メール・グループウェア・ビジネスチャット・社内SNS・Web会議システム・ファイル共有・オンラインストレージなどがあります。業務・部門系には、顧客管理(CRM)・営業支援(SFA)・マーケティングオートメーション(MA)・BIツール・ナレッジマネジメントシステムなどが含まれます。
Q. 顧客管理(CRM)や営業支援(SFA)は情報系システムですか、基幹系システムですか?
A. 顧客管理(CRM)や営業支援(SFA)は一般に情報系システムに分類されますが、組織によっては基幹系として扱われることもあり、どちらか一方に固定されるものではありません。情報系と基幹系の境界は、必ずしも固定的ではないとされています。
たとえば営業が事業の柱となっている企業では、顧客管理システムが止まると事業が立ち行かなくなるため、実質的な基幹系として扱われることがあります。人事関連のシステムも同様に、企業によって位置づけが変わります。分類そのものにこだわるより、自社にとってそのシステムがどれだけ重要かを見極めることが大切です。
Q. 自社のシステムが情報系か基幹系かを見分けるにはどうすればよいですか?
A. 自社のシステムを仕分けするときに最も実用的な判断軸は、「そのシステムが止まったら、事業が止まるか」です。止まると受注・出荷・会計処理などの事業活動そのものが停止するなら基幹系、止まっても業務を別の手段で続けられるなら情報系と考えると、多くのケースで整理できます。
ただし唯一の正解があるわけではなく、同じ種類のシステムでも企業によって位置づけが変わります。分類を目的にするのではなく、自社の棚卸しや整備方針を考えるための材料として使うのが実践的です。
Q. 情報系システムと基幹系システムは、なぜ分けて運用するのですか?
A. 情報系システムと基幹系システムを分けて運用するのは、両者に求められる性質が異なり、分離したほうが障害やシステム変更の影響を切り分けやすいからです。基幹系は安定性と正確さが重視され、情報系は機能追加や入れ替えなど柔軟な見直しが前提になります。
頻繁に入れ替える情報系の都合で、安定運用したい基幹系に手を入れずに済み、障害時の影響範囲も切り分けやすくなります。止めてはいけない基幹系を守りながら、情報系を機動的に改善していけることが、分けて考える実務上の利点です。
Q. 情報系・基幹系システムを導入・整備するときは、何から始めればよいですか?
A. 情報系・基幹系システムの整備は、製品を選ぶ前に「何のために導入するのか」という目的を明確にすることから始めます。解決したい課題がはっきりすれば、必要な機能や優先順位が定まり、過剰な投資や導入後のミスマッチを防げます。
近年は情報系・基幹系ともにクラウドやSaaSで提供される製品が一般的になってきており、小さく始めて必要に応じて広げやすくなっています。扱う情報の重要性に応じて、アクセス管理やバックアップなどのセキュリティ対策と、導入後のサポート体制も選定時に確認しておきたい観点です。
Q. 情報系システムと基幹系システムをまとめて管理したい場合、ERPで統合できますか?
A. 情報系システムと基幹系システムの統合には、ERP(統合基幹業務システム)が有力な選択肢になります。製品によっては、販売・在庫・会計などの基幹業務に加えて、顧客管理(CRM)や営業支援(SFA)といった情報系の機能も同じ基盤で扱えます。
業務ごとにシステムが分かれていると、全社を横断して正確な数字をすぐ取り出しにくい「データの分断」が起こります。ERPは部門ごとに分かれていたデータを1つの基盤で一元管理し、この分断を解消する発想のシステムです。ただし統合の範囲は製品によって異なるため、自社が一元化したい業務をどこまでカバーできるかを確認して選ぶことが大切です。
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松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















