海外の企業やバイヤーから引き合いが届くようになり、法人向けにオンラインで卸売り・取引を始めたいと考えていませんか。消費者向け(BtoC)の越境ECはよく耳にしても、法人間(BtoB)での越境ECをどう実現すればよいかは、迷う場面も多いのではないでしょうか。
BtoB越境ECを始める手段は、海外の卸サイトに出店する、自社でホールセールサイトを構築する、現地の代理店に任せる、BtoBマッチングを活用するなど複数あり、かかる費用も進め方も異なります。自社の商材や体制に合う手段を選べるかどうかが、立ち上げの成否を分けます。
本記事では、BtoB越境ECを実現する4つの手段を費用・向き不向きで比較し、自社サイトを構築する場合の手法別の費用感、最小ロットや法人決済・貿易条件といったBtoB固有の実務、そして最初の一歩までを整理します。手段の見当をつけ、自社に合う進め方を選ぶための材料としてご活用ください。
目次
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BtoB越境ECを実現する4つの手段
BtoB越境ECの実現手段は、大きく4つに分けられます。海外の卸サイト(マーケットプレイス)に出店する方法、自社でホールセールサイトを構築する方法、現地の代理店・ディストリビューターに販売を委ねる方法、BtoBマッチングや展示会のプラットフォームでバイヤーと商談する方法です。まずは4つの手段を、向く企業・商材、初期費用の目安、集客を誰が担うか、商談・決済の形で比較します。
| 実現手段 | ① 卸・ホールセールマーケットプレイス出店 | ② 自社ホールセールサイト構築 | ③ 現地代理店・ディストリビューター経由 | ④ BtoBマッチング・展示会プラットフォーム |
|---|---|---|---|---|
| 向く企業・商材 | 海外の小売店・バイヤーに広く卸したいメーカー・卸 | 既存の取引先との受発注をオンライン化したい、独自の取引条件で売りたい企業 | 現地の商習慣・販路を外部に委ねたい企業 | まず海外バイヤーとの接点・商談機会を作りたい企業 |
| 初期費用の目安 | 出店は会員制・成果報酬など(各社の料金体系による) | 手法により月額数千円〜、初期数百万円〜(後述) | 契約・マージン(取引条件による) | 無料〜有料会員(各サービスによる) |
| 集客の担い手 | プラットフォーム側(集客網を利用) | 自社(検索・既存取引・営業) | 代理店(現地の販売網) | プラットフォーム側(バイヤーとの出会いの場) |
| 商談・決済の形 | プラットフォームの仕組みに準拠 | 自社の取引条件で設計(掛け払い・見積など) | 代理店との取引(国内取引に近い形も) | 商談から個別取引へ(EC決済とは限らない) |
※上記は各手段の一般的な傾向です。料金・出店条件は各プラットフォーム・事業者の公式情報をご確認ください。
①と④は、プラットフォーム側の集客網を活かして新しい海外バイヤーと出会いたい場合に向きます。②は、すでにある取引先との受発注をオンライン化したい、または自社独自の取引条件(取引先ごとの価格や掛け払いなど)で売りたい場合に適しています。③は、現地の商習慣や物流を外部に委ねたい場合の選択肢です。自社の状況に応じて、複数の手段を組み合わせることもできます。
このうち③の現地代理店・ディストリビューター経由は、現地の販売網と商習慣を持つ企業に販売を委ねる方法です。代理店はジェトロの引き合い案件データベースや海外の展示会・商談会で探すことが多く、費用は販売マージンが中心になります。現地対応を任せられる一方、取引先の情報が自社に蓄積しにくい面もあるため、ほかの手段と組み合わせて使うことも検討できます。
主要なBtoBプラットフォーム・卸サイト一覧
ここからは、手段①(卸・ホールセールマーケットプレイス)と手段④(BtoBマッチング)で使われる主要なプラットフォームを、運営・対象地域・特徴・課金モデルで一覧にします。手数料や出店条件は各社が公開していない場合や頻繁に改定される場合があるため、課金の考え方を押さえたうえで、具体的な料金は各社の公式料金ページで確認してください。
| プラットフォーム | Alibaba.com | Faire | Ankorstore | RangeMe | J-GoodTech(ジェグテック) | スーパーデリバリー(SD export) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 運営・発祥 | Alibaba(中国) | Faire(米国) | Ankorstore(欧州) | RangeMe(米国) | 中小機構(SMRJ・日本) | ラクーンコマース(日本) |
| 主な対象地域 | 世界(200以上の国・地域のバイヤー) | 北米・欧州など | 欧州中心 | 米国・欧州・豪州など | 日本発・海外バイヤーとのマッチング | 日本発・海外小売店向け(SD export) |
| 特徴 | 世界規模のB2B卸・貿易マーケットプレイス | ブランド(メーカー)と小売店をつなぐ卸マーケットプレイス | ブランドと独立系小売店をつなぐB2B卸。小売店は後払い | サプライヤーと小売バイヤーをつなぐ商品発掘プラットフォーム | 国内中小企業と国内外企業のB2Bマッチング | 事業者向けの総合卸・仕入れサイトの海外向けサービス |
| 課金モデル | 有料の会員制(料金は公式料金ページ参照) | ブランド登録は無料・成果報酬(コミッション)型 | ブランド側コミッション型(最新料率は公式で要確認) | サプライヤー向けは有料サブスク制(3プラン、最下位は年額99ドル) | 会員は無料で利用可(海外企業の登録は承認制) | バイヤー(小売店)の会員登録は無料(出展料金は公式で要確認) |
※課金モデルは各社公式情報にもとづく記載です。具体的な料金・最新の料率は各プラットフォームの公式料金ページでご確認ください。
海外発のマーケットプレイス(Alibaba.com・Faire・Ankorstore・RangeMe)は、プラットフォーム自身が持つ海外バイヤーの集客網を使える点が強みです。
一方で、J-GoodTechは中小機構が運営する公的なB2Bマッチングで国内中小企業が無料で利用でき、スーパーデリバリーは国内の卸サイトの海外向けサービス(SD export)として海外の小売店に販売できます。日本発のサービスは、国内での利用実績や日本語でのサポートを活かしやすい選択肢です。
課金の考え方は手段で異なります。ブランド登録を無料にして売れたときに手数料がかかる成果報酬型は、出店費用を抑えて始めやすい形で、会員制は年額の出店費用がかかります。
初期費用を抑えて海外バイヤーとの接点づくりから試したい場合は、成果報酬型の卸マーケットプレイスや、無料で使えるマッチングが候補になります。
扱う商材によって相性も変わります。アパレル・雑貨・食品などの消費財ブランドは小売店向けの卸マーケットプレイス(Faire・Ankorstoreなど)、幅広い産業財・部品は世界規模のAlibaba.comが対象に含まれます。各社が公表する対象(誰が誰に売る場か)を見て、自社の商材・取引先に合うかを確かめましょう。
自社サイトを構築する場合の4つの手法と費用
手段②の自社ホールセールサイト構築は、取引先ごとの価格設定や掛け払いなど、自社独自の取引条件をそのまま反映できる点が特徴です。構築の手法は主に、ASP(クラウド型のサービスを利用)、パッケージ、クラウドEC、フルスクラッチ(完全オリジナル開発)の4つに分けられます。
おおまかには、この順に自由度(カスタマイズや外部連携のしやすさ)が高くなり、その分だけ初期費用も大きくなる傾向があります。初期費用と月額費用の目安は手法によって変わるため、公式に料金を公開しているサービスの例とあわせて見ていきます。
ASP(クラウドサービスを利用)
提供事業者のクラウドサービスを月額で利用する手法です。初期費用を抑えて早く始められる一方、機能やデザインはサービスの仕様の範囲内に収まります。BtoB向けのASPでは、取引先別の価格表示や掛け払いといった商流機能を標準で備えるものもあります。
たとえばBtoB EC・受発注の「Bカート」は、公式料金ページで初期費用80,000円(初回のみ・エンタープライズプランを除く)、月額費用はライトプランの9,800円からプラン300の79,800円まで(いずれも税別、2026年10月時点)と公開しています。商品数と会員数でプランが決まる体系です。
出典・参考資料(1件)
パッケージ
EC構築のパッケージ製品を土台に、自社要件へのカスタマイズを加える手法です。ASPより自由度が高く、基幹システムとの連携や独自の業務フローに対応しやすい反面、初期費用は数百万円規模からになることが一般的です。
公式に料金の目安を示す例として、ecbeingのBtoB向けスタートアッププラン「ecWorks」は、初期費用300万円から、月額費用10万円からと公開されています(2026年10月時点。カスタマイズ対応のプランは要問い合わせ)。
出典・参考資料(1件)
クラウドEC(カスタマイズ可能なクラウド型)
クラウド上で提供されながら、カスタマイズや外部連携にも対応できる手法です。ASPの手軽さとパッケージの拡張性の中間に位置づけられます。費用は構築する機能の範囲や連携するシステムの数によって変わるため、料金を公開せず個別見積もりとする事業者が多く、要件を固めたうえで見積もりを取るのが基本です。
フルスクラッチ(完全オリジナル開発)
既製の製品を使わず、サイトを一から開発する手法です。自社の業務に完全に合わせられる反面、初期費用は4つの手法の中で最も高くなりやすく、開発期間も長くなります。費用は要件の規模によって大きく変わるため、個別の見積もりが前提です。既存の基幹システムが複雑で、ほかの手法では要件を満たせない場合に検討されます。
構築手法ごとの費用相場や主要プラットフォームの実額比較、構築を進める具体的な手順まで、さらに詳しく確かめたい場合は、越境ECサイトの構築方法を5ステップで整理した次の記事が参考になります。
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BtoB越境ECで押さえる実務(ロット・価格・決済・貿易条件)
BtoB越境ECは、消費者向けのECとは取引の前提が異なります。ここからは、法人取引ならではの実務のつまずきやすい点を、最小ロットや法人価格の設定から、決済、貿易条件、関税・規制まで順に整理します。
BtoBとBtoCの違い(この節の前提)
法人間取引は、まとまった数量での発注が中心で、取引先ごとに価格(掛け率)が異なり、見積から発注・請求までの書類のやり取りを伴います。消費者向けのように1点から定価で売る形とは、価格の出し方も決済の方法も変わります。以下の各項目は、この違いを具体的な実務に落とし込んだものです。
最小ロット(MOQ)と法人価格・掛け率
法人取引では、1回あたりの最小発注数量(MOQ)を定め、取引先や発注量に応じた価格を提示するのが一般的です。自社サイトを構築する場合は、発注単位の制限や取引先ごとの価格・掛け率の出し分けに対応できるかが、運用のしやすさを左右します。どの取引先にどの価格を見せるかを制御できれば、既存の商習慣をそのままオンラインに移せます。
見積〜発注〜請求のフロー
法人取引は、見積の提示、発注、納品、請求という流れをたどります。越境のBtoBでは、ここに言語や通貨、書類の様式の違いが加わります。見積書の発行や発注時の承認、注文履歴からの再発注といった機能をサイト側に持たせると、担当者の手作業とやり取りの往復を減らせます。
法人決済(T/T送金)とインボイス
海外の法人取引では、銀行間の電信送金(T/T送金)や、取引内容を記したインボイス(送り状・請求書)のやり取りが基本になります。クレジットカード一括決済が中心の消費者向けECとは、入金確認や与信の考え方が異なります。掛け払いに対応する場合は、取引先ごとの与信額の管理も必要です。
貿易条件(インコタームズ EXW/FOB/CIF)
海外との売買では、どちらが輸送費や保険料を負担し、どの時点で物品の危険が売主から買主へ移るかを、貿易条件(インコタームズ)で取り決めます。ジェトロの解説によると、インコタームズは次のように位置づけられています。
国際商業会議所(ICC)が制定した貿易取引条件とその解釈に関する国際規則
出典:インコタームズ2020|ジェトロ 貿易・投資相談Q&A
2020年1月1日発効の「インコタームズ2020」が最新版です。代表的な条件には、工場渡し(EXW)、本船渡し(FOB)、運賃保険料込み(CIF)などがあります。たとえばFOBは、ジェトロが配布する解説資料で次のように定義されています。
本規則では、売主は、指定船積港において、物品を買主により指定された本船の船上に置くことにより、または既にそのように引き渡された物品を調達することにより、引渡の義務を果たすことになる。物品の滅失または損傷の危険は、物品が本船の船上に置かれたときに移転し、買主は、そのとき以降の一切の費用を負う。
出典:最新版インコタームズ2020年規則の解説|ジェトロ(大分県貿易協会 機関誌掲載)
代表的な3条件は、売主がどこまで費用と危険を負うかで次のように整理できます。
- EXW(工場渡し):売主は自社の施設で引き渡し、以降の輸送費と危険は買主が負う
- FOB(本船渡し):売主は輸出港で本船に積み込むまでを負い、積載後の費用と危険は買主へ移る
- CIF(運賃保険料込み):売主が仕向港までの運賃と保険料を負担し、買主のために保険契約を結ぶ

ただし、インコタームズが定めるのは危険の移転と費用の負担区分であり、代金や支払方法、所有権の移転時点までは定めません。この範囲を理解したうえで契約条件を決めることが大切です。
関税・各国規制・多言語多通貨
関税率や輸入規制は国ごとに大きく異なり、改定も頻繁に行われます。特定の国の税率を前提に進めるのではなく、取引先の国ごとに最新の情報を確認することが欠かせません。各国の輸入規制・関税はジェトロの国・地域別情報で、日本側の輸出入手続きは税関(財務省関税局)の案内で確認できます。あわせて、サイトの多言語・多通貨対応も、海外のバイヤーが迷わず発注できるかを左右します。
輸入規制は商材によっても難易度が変わります。食品や化粧品のように許認可や表示ルールが重くなりやすい分野では相手国の制度確認に時間がかかるため、自社の商材がどの程度の規制対象かを早めに把握しておくと、立ち上げの見通しが立てやすくなります。
また、まとまった数量を海外に送る物流の手配も実務の要点です。輸送手段は納期とコストを見比べて船便か航空便かを選ぶことになり、船便ではコンテナ1本を貸し切るFCLと小口貨物を混載するLCLのどちらが貨物量に見合うかを見極める必要があります。
通関書類やインボイス・パッキングリストの準備、貨物保険の手配、品目分類番号(HSコード)の確認といった輸出入の実務は、相手国の通関要件に合わせてフォワーダー(国際物流業者)に委託するのが一般的です。
日本のメーカー・卸のBtoB越境ECの現在地
国内の企業間取引でも電子化は進んでいます。経済産業省の調査によると、2024年のBtoB-ECのEC化率は43.1%(前年比3.1ポイント増)に達しました。
海外向けの販売でも、同じ動きが見られます。ジェトロの2021年度「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」によると、ECを利用または検討している中小企業(n=923)のうち、海外向け販売でもECを活用・検討する企業は69.2%にのぼりました。
国内から海外への販売(越境EC)に取り組む割合も、中小企業(小規模企業を除く、n=356)で44.1%、小規模企業(n=567)で50.8%と報告されており、海外法人への販売は一部の大企業だけの取り組みではなくなっています。
具体的な取り組みの例として、スポーツライフプラネッツは、EC構築プラットフォーム「ecbeing」の基盤で越境BtoB ECサイト「PLA★NET」を立ち上げ、翻訳サービスと連携して多言語化したことが公開されています。自社に近い業種や手段の事例は、進め方を具体的にイメージする手がかりになります。
成果を上げている企業の進め方として、一般に次のような点が挙げられます。
- 海外の展示会や既存の引き合いなど、すでにある接点を起点に取引をオンライン化する
- EC市場が伸びている国・地域を選び、商品情報や取引条件を現地の言語・商習慣に合わせる
- サイトに蓄積される取引データを、品揃えや価格の見直しに活かす
一方で、個別企業の売上や取引件数といった定量的な成果は公表されていないことが多く、第三者がまとめた「成功事例」には数字の裏づけが伴わないものも見られます。自社の判断材料にする際は、公式に公表されている事例や、各社が自ら開示している情報で確かめることをおすすめします。
まず何から始めるか
手段の見当がついたら、次の順で具体化していくと進めやすくなります。はじめに、自社の営業・受発注のプロセス(取引先ごとの価格、最小ロット、決済条件など)を言語化します。これが、どの手段・どのサイト機能が必要かを決める土台になります。
続いて、4つの手段から自社に合いそうなものを1〜2つに絞り、ターゲットとする国・地域を決めて、商品情報や取引条件を現地向けに整えます。自社サイトを構築する手段を選ぶ場合は、必要な機能を固めたうえで、対応できる構築サービスの資料を取り寄せて費用と機能を比べます。
進め方に迷う段階では、公的な支援窓口も活用できます。中小企業基盤整備機構(中小機構)の「海外展開ハンズオン支援」は、実務経験を持つ専門家に無料で相談できます。
豊富な実務経験・ノウハウを持つ専門家がご相談に無料でお応えします。
出典:海外展開ハンズオン支援|中小企業基盤整備機構
このほか、ジェトロ(日本貿易振興機構)も、海外ネットワークを活かした相談・調査や輸出支援のメニューを提供しています。公的支援で方向性を固めてから、具体的な手段やサービスの検討に進む流れが無理なく進められます。
出典・参考資料(1件)
自社サイト構築を支援するサービス
自社ホールセールサイトの構築(手段②)を選ぶ場合、多言語・多通貨に加え、取引先別の価格設定や見積・承認フローといったBtoB特有の商流機能に対応できる支援サービスを選ぶことが鍵になります。ここでは、こうした要件に対応するサービスを紹介します。まずは対応範囲を一覧で比較します。
※多言語・多通貨対応やBtoB商流機能の対応範囲・料金は、各社の公式情報をご確認ください。
1. Magento / Adobe Commerce 構築・リニューアル支援(株式会社マルウェブ)

株式会社マルウェブが手がける、Magento(Magento Open Source)/Adobe Commerce を用いたECサイトの新規構築・リニューアル支援サービスです。要件定義から設計・開発・デザイン調整までを一貫して請け負い、国内ECから越境ECまで事業に合わせた形で構築します。要件整理や進行管理は日本側で行い、経験豊富な海外の開発チームと連携する体制をとっています。
Magentoの多言語・多通貨対応や国別サイトの構成を活かし、海外向けECに展開しやすい構成を組める点が特徴です。BtoBについては、取引先別価格・見積依頼・承認フロー・再注文といった機能を業務フローに合わせて設計・拡張できると公式に記載されています。
Adobe Commerce の認定パートナー(Adobe Solution Partner Bronze)でもあります。費用は構築内容によって変わるため、個別見積もりとなります。
BtoBの受発注をオンライン化する構築が、サイトの機能だけでなく社内の業務フローや関わる部門にどう及ぶかについて、同社代表の前山氏はインタビューで次のように述べています。
見積依頼や承認フロー、顧客別価格設定といったBtoB機能を使う企業では、EC・デジタル部門だけでなく、営業企画、営業管理、情報システム部門などが関わるケースが多いです。
BtoBの場合は単なるECサイト構築ではなく、既存の受注業務や営業フローそのものを見直すプロジェクトになります。そのため、実際に受発注業務を担当している部門とシステム部門が連携して進めることが重要になります。
2. ecbeing(株式会社ecbeing)

株式会社ecbeingが1999年から提供するECサイト構築プラットフォームです。パッケージ型・カスタム型・クラウド型の複数の構築方式を用意し、中堅〜大手企業のBtoC/BtoB EC構築を主な対象としています。
構築実績は1,600サイトを超え、富士キメラ総研の調査にもとづくカスタマイズ型SaaS/PaaS区分のECサイト構築市場で18年連続シェア1位(2025年度41.9%、金額ベース)と公式に発表しています。
BtoB向けには、得意先別の価格・商品の出し分け、掛け払いと与信額の設定、見積の自動発行、承認の権限設定、発注単位の制限、基幹システムとの連携といった商流機能を標準で備えます。
越境対応としては「ecbeing越境フルサポート」を提供し、多言語対応の海外受注システムの導入事例も公開されています(対応言語数など詳細仕様は要問い合わせ)。BtoB向けスタートアッププラン「ecWorks」の料金は初期300万円から・月額10万円からと公開されています。
出典・参考資料(1件)
自社サイトの構築だけでなく、運営代行や特化型も含めて越境EC支援の選択肢を広く見比べたい場合は、越境EC代行サービスを対応範囲・費用相場・選び方で整理した次のまとめ記事が全体像をつかむのに役立ちます。
まとめ
BtoB越境ECを実現する手段は、卸・ホールセールマーケットプレイスへの出店、自社ホールセールサイトの構築、現地代理店・ディストリビューターの活用、BtoBマッチング・展示会の4つに整理できます。すでにある取引をオンライン化したい、独自の取引条件で売りたい場合は自社サイトの構築が、新しい海外バイヤーとの接点を広げたい場合はマーケットプレイスやマッチングが向きます。
自社サイトを構築する場合は、ASP・パッケージ・クラウドEC・フルスクラッチで費用と自由度が変わります。あわせて、最小ロットや法人価格、T/T送金・インボイス、貿易条件(インコタームズ)、関税・各国規制といったBtoB固有の実務を押さえることが、海外のバイヤーと安定して取引する土台になります。まずは自社の受発注プロセスを言語化し、手段を絞り込むところから始めましょう。
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よくある質問(FAQ)
Q. BtoB越境ECとは何ですか?
A. BtoB越境ECとは、企業が海外の法人(小売店・卸・ディストリビューターなど)に向けて、オンラインで商品を卸売り・販売する取引のことです。
1点から定価で売る消費者向け(BtoC)の越境ECと異なり、まとまった数量での発注や取引先ごとの価格設定、見積〜発注〜請求といった法人取引特有の流れを伴います。実現する手段には、海外の卸サイトへの出店、自社ホールセールサイトの構築、現地代理店の活用、BtoBマッチングの利用などがあります。
Q. BtoB越境ECを始めるにはどんな手段がありますか?
A. BtoB越境ECを始める手段は、①卸・ホールセールマーケットプレイスへの出店、②自社ホールセールサイトの構築、③現地代理店・ディストリビューター経由、④BtoBマッチング・展示会プラットフォームの活用の4つに大きく分けられます。
新しい海外バイヤーとの接点を広げたい場合は①④、既存の取引をオンライン化したい・独自の取引条件で売りたい場合は②、現地の商習慣や物流を外部に委ねたい場合は③が向きます。自社の状況に応じて複数の手段を組み合わせることもできます。
Q. BtoB越境ECの立ち上げにはどのくらいの費用がかかりますか?
A. BtoB越境ECの費用は選ぶ手段によって大きく異なり、卸サイトへの出店は会員制・成果報酬型が中心、自社サイトの構築は手法により月額数千円から初期数百万円以上まで幅があります。
たとえば自社サイト構築のうちASP型のBカートは初期費用80,000円・月額9,800円から(税別、2026年10月時点)、パッケージ型のecbeingのBtoB向けプラン「ecWorks」は初期300万円・月額10万円からと公開されています。クラウドEC・フルスクラッチは要件によって変わるため、個別見積もりが基本です。
Q. BtoB越境ECの手段は、自社の場合どれを選べばよいですか?
A. BtoB越境ECの手段は、自社の営業・受発注のプロセス(取引先ごとの価格、最小ロット、決済条件など)を言語化したうえで、その条件を満たせる手段を選ぶのが基本です。
すでにある取引先との受発注をオンライン化したい、取引先別の価格や掛け払いといった独自の条件で売りたい場合は自社サイトの構築が、まず海外バイヤーとの新しい接点を作りたい場合は卸サイトへの出店やBtoBマッチングが向きます。4手段を1〜2つに絞り、ターゲットとする国・地域を決めてから、具体的な提供元を比較するとよいでしょう。
Q. BtoB越境ECの決済は何を使いますか?クレジットカード決済ではないのですか?
A. 海外の法人取引では、銀行間の電信送金(T/T送金)と、取引内容を記したインボイス(送り状・請求書)のやり取りが基本で、消費者向けECのようなクレジットカード一括決済が中心とは限りません。掛け払い(後払い)に対応する場合は、取引先ごとに与信額を管理する必要もあります。入金確認や与信の考え方がBtoCとは異なる点を押さえ、自社の決済条件をどう設計するかを決めておきましょう。
Q. BtoB越境ECで最小ロット(MOQ)や取引先別価格はECサイトで設定できますか?
A. BtoB向けのEC構築サービスの多くは、最小発注数量(MOQ)の設定や、取引先ごとの価格・掛け率の出し分けに対応できます。どの取引先にどの価格を見せるかを制御できれば、既存の商習慣をそのままオンラインに移せます。ただし対応できる範囲はサービスによって異なるため、発注単位の制限や見積・承認フロー、再注文といった自社に必要な機能を整理したうえで、各サービスの仕様を確認することをおすすめします。
Q. BtoB越境ECでインコタームズ(EXW・FOB・CIF)は必ず取り決める必要がありますか?
A. 海外との売買では、輸送費や保険料をどちらが負担し、物品の危険がいつ売主から買主へ移るかを、貿易条件(インコタームズ)で取り決めるのが基本です。インコタームズは国際商業会議所(ICC)が制定した国際規則で、2020年1月1日発効の「インコタームズ2020」が最新版です。
代表的な条件に工場渡し(EXW)、本船渡し(FOB)、運賃保険料込み(CIF)があります。ただしインコタームズが定めるのは危険の移転と費用の負担区分であり、代金や支払方法、所有権の移転時点までは定めない点に注意が必要です。
出典・参考資料(1件)
Q. BtoB越境ECは何から始めればよいですか?
A. BtoB越境ECは、まず自社の営業・受発注のプロセス(取引先ごとの価格、最小ロット、決済条件など)を言語化することから始めるのが進めやすい順序です。これが、どの手段・どのサイト機能が必要かを決める土台になります。
次に4手段から自社に合いそうなものを1〜2つに絞り、ターゲットとする国・地域を決めて商品情報や取引条件を現地向けに整えます。自社サイトを構築する手段を選ぶ場合は、必要な機能を固めたうえで、対応できる構築サービスの資料を取り寄せて費用と機能を比べます。
Q. BtoB越境ECについて費用をかけずに相談できる公的な支援はありますか?
A. 中小企業基盤整備機構(中小機構)の「海外展開ハンズオン支援」では、実務経験を持つ専門家に無料で相談できます。このほか、ジェトロ(日本貿易振興機構)も海外ネットワークを活かした相談・調査や輸出支援のメニューを提供しています。進め方に迷う段階では、こうした公的支援で方向性を固めてから、具体的な手段やサービスの検討に進むと無理なく進められます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















