法人カード(ビジネスカード)を申し込むとき、「法人名義なのに、なぜ代表者である自分個人の信用情報まで確認されるのか」「過去に支払いの延滞や債務整理があると作れないのではないか」と不安に感じる経営者や個人事業主は少なくありません。設立したばかりで決算書がない段階では、なおさら審査に通るか見当がつきにくいものです。
本記事では、法人カードの審査で代表者個人の信用情報がどこまで・なぜ見られるのかを整理したうえで、延滞・債務整理・設立直後といった状況ごとに「作れるのか」「いつなら作れるのか」を、信用情報機関(CIC・JICC・KSC)の登録内容や保有期間とあわせて解説します。
審査に通りやすくするために今できることや、個人の信用に不安があっても使いやすい、与信審査が不要・独自審査のカードという選択肢まで扱います。自社の状況に照らして、申し込みの判断材料としてご活用ください。
目次
法人カードの審査では代表者個人の信用情報が見られる|なぜ法人名義でも照会されるのか
ここからは、法人カードの審査で代表者個人の信用情報がどのように扱われるのか、その理由とあわせて解説します。
「法人名義だから個人の信用は関係ない」は誤解
法人カードは会社名義で発行されますが、審査では代表者個人の信用情報も確認されるのが一般的です。「法人の契約だから個人のクレジットの履歴は見られない」と考えていると、実際の審査結果と食い違うことがあります。
その背景には、クレジットカードが代金を後払いする信用取引であることがあります。個人向けのクレジットカードや個人の借入れでは、支払いや返済の能力を調べるために信用情報機関の情報を使うことが法律で定められています。
割賦販売法は、カード会社(包括信用購入あつせん業者)が「個人である利用者」にカードを交付する際、年収や債務の状況などを調査し、その際に指定信用情報機関が保有する情報を使わなければならないと定めています。
ただし、この仕組みがそのまま法人カードに当てはまるわけではありません。割賦販売法には、事業のために締結する契約を適用の対象から外す「適用除外」の規定があり、事業用の法人カードはこの規定によって、支払可能見込額の調査や指定信用情報機関の利用を義務づける章の対象から外れます。
第三十五条の三の六十 この章の規定は、次の包括信用購入あつせん(中略)については、適用しない。
出典:割賦販売法 第三十五条の三の六十(第三章 第四節 適用除外)|e-Gov 法令検索
一 (中略)当該契約の申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る包括信用購入あつせん(後略)
法律で義務づけられているから代表者個人の信用情報を見る、というわけではありません。それでも実際に個人の信用情報が照会・登録されるのは、主に次の2つの理由からです。
1つは、カード会社の多くが信用情報機関の会員であり、会員規約や自社の基準にもとづいて、与信判断の参考として代表者個人の情報を照会していること。もう1つは、代表者が連帯保証人になる場合や、利用額を代表者個人の口座から引き落とす方式の場合に、代表者が個人として照会・登録の対象になることです。
信用情報機関の一つであるJICC(日本信用情報機構)は、法人情報の登録区分の中に「保証人に係る本人を特定するための情報」を設けています。
出典・参考資料(3件)
審査で見られるもの(信用情報・事業実績・財務状況)
カード会社は審査基準を公表していないため、何がどの程度重視されるかを外から正確に知ることはできません。ただし、各社の案内や申し込み時に求められる情報から、審査でおおむね次の点が確認されると考えられます。
- 代表者個人の信用情報:過去のクレジットやローンの契約・返済の状況、延滞や債務整理などの記録
- 事業の実績:設立・開業からの年数や事業の継続性
- 財務状況:決算の内容や資金繰りの状態(カードや申し込み区分によって提出を求められる場合がある)
- 申し込み内容と提出書類の整合性:記載内容に不備や食い違いがないか
設立直後で事業の実績が乏しい場合は、代表者個人の信用情報の比重が相対的に大きくなりやすいと考えられます。審査基準そのものは非公表のため、ここで挙げた項目はあくまで一般的な傾向として捉えてください。
会社決済型と個人決済型で審査対象が変わる
法人カードは、利用額の引き落とし方によって2つの型に分かれ、審査で主に見られる対象も変わります。会社の口座から引き落とす会社決済型(会社一括型)では、法人の信用が中心に見られます。従業員ごとに発行し各人の口座から引き落とす個人決済型では、カードを持つ従業員個人の信用情報も確認対象になることがあります。
この違いは、従業員の中に信用情報へ不安を抱える人がいる場合に関係します。会社決済型であれば、従業員個人の信用情報が審査に影響しにくい一方、個人決済型では各従業員の信用情報が確認されることがあります。どちらの型かは発行するカードによって異なるため、申し込み前に確認しておくと見通しが立てやすくなります。
【ケース別】自分の状況で法人カードは作れる?いつなら作れる?
ここからは、個人の信用に不安がある代表的な状況ごとに、法人カードを作れるのか、いつなら作れるのかの見通しを整理します。審査基準は非公表のため確実な合否は示せませんが、信用情報の保有期間を手がかりにすると、現実的なめどが立てられます。状況別の待機のめやすは次のとおりです(正確な消滅時期は開示請求で確認してください)。
- 延滞(支払いの遅延):まず解消が必要。異動として残る記録は、対象の契約を完済・解約してから5年が消えるめやす
- 任意整理:官報には載らず、CIC・JICCの契約終了後5年が消えるめやす
- 自己破産・個人再生:KSCの官報情報が決定日から7年を超えない期間で、これが最長のめやす
- 設立直後・決算書なし:年数を待つ話ではなく、独自審査や与信が不要なカードで対応できる
- 個人の借入が多い:返済余力の評価に影響し得る。申し込み前に不要な借入れを整理
過去に延滞(支払いの遅延)がある場合
現在も延滞が続いている状態では、審査の通過は難しくなります。まずは遅れている支払いを解消することが先決です。延滞が長く続いた記録は「異動」などの形で信用情報に残り、CICではクレジット情報として契約期間中および契約終了後5年間、JICCでは返済状況・取引事実の情報として契約継続中および契約終了後5年以内、登録されます。
注意したいのは、この5年の起点が「延滞を解消した時点」ではなく、対象の契約を完済・解約した時点であることです。延滞を解消しても契約が続く間は記録が残るため、正確に消える時期は開示請求で確認するのが確実です。
債務整理・自己破産など(いわゆるブラック)の場合
「ブラックリスト」という名簿が実在するわけではなく、実際には信用情報機関に事故情報が登録されている状態を指します。どの手続きをとったかによって、登録される機関と期間が変わる点に注意が必要です。
任意整理は官報に載らないため、記録はCIC・JICCの契約終了後5年がめやすです。自己破産・個人再生は官報に公告され、全国銀行個人信用情報センター(KSC)が官報情報として決定日から7年を超えない期間、登録します。自己破産・個人再生では、この官報7年が最長のめやすになります。
一部の解説では官報情報を「10年」とするものもありますが、KSCが公表する期間は7年を超えない範囲です。
これらの記録が残っている間は、法人カードの審査も厳しくなると考えられます。登録される期間は機関と情報の種類によって異なるため、自分の記録がいつまで残るのかを開示請求で確認し、その時期をめどに再挑戦の計画を立てるとよいでしょう。
設立直後・決算書がない場合
設立したばかりで決算書がない場合でも、法人カードを作れないわけではありません。事業の実績は審査材料の一つにすぎず、代表者個人の信用情報や独自の基準で判断するカードもあります。登記事項証明書や決算書の提出を不要とする独自審査のカードや、与信審査そのものが不要な方式のカードもあり、記事後半で紹介します。
個人の借入が多い場合
個人の借入が多いと、返済に充てられる余力が小さいと見られ、審査で不利になることがあります。貸金業法の総量規制(年収の3分の1を超える貸付けの制限)は「個人」の借入れを対象とした仕組みで、事業用の法人カードはその枠組みの対象ではありません。とはいえ、代表者個人のローンやカードの利用状況は信用情報として確認され得るため、申し込み前に不要な借入れを整理しておくと、審査の見通しが立てやすくなります。
自社の規模や使い方によって、審査の通りやすさや年会費は変わります。候補を並べて見比べると、自社に合う1枚を選びやすくなります。
信用情報機関(CIC・JICC・KSC)とは|役割・事故情報の保有期間・自分の確認方法
ここからは、審査で照会される信用情報を保有する3つの機関の役割と、情報が登録される期間、そして自分の記録を確認する方法を解説します。
CIC・JICC・KSCはそれぞれ何を登録しているか
日本の信用情報機関は、加盟している会社の種類によって主に3つに分かれます。CIC(シー・アイ・シー)はクレジットカード会社や信販会社が中心に加盟する機関、JICC(日本信用情報機構)は消費者金融やクレジット会社などが加盟する機関、KSC(全国銀行個人信用情報センター)は銀行や銀行系の金融機関、信用保証協会などが加盟する機関です。
そのため、クレジットカードの利用はCICやJICC、銀行のローンはKSCに記録される傾向があります。ただし、1社が複数の機関に加盟していることもあり、機関どうしで延滞などの情報を一部交流する仕組みもあるため、「この取引はこの機関にしか載らない」と単純に切り分けられるわけではありません。また、法人(事業者)そのものの信用情報については、JICCが法人情報の登録区分を持っています。

事故情報・申込情報の保有期間
信用情報は、種類ごとに登録される期間(保有期間)が決まっています。延滞や債務整理の記録が「あと何年で消えるのか」は、再挑戦の時期を考える手がかりになります。各機関が公表する保有期間は次のとおりです。
| 信用情報機関 | CIC | JICC | KSC(全国銀行) |
|---|---|---|---|
| 申込(照会)の記録 | 照会日から6か月間 | 照会日から6か月以内 | 会員への提供は6か月を超えない期間 |
| 契約・返済に関する情報 | 契約期間中および契約終了後5年間 | 契約継続中および契約終了後5年以内 | 契約期間中および契約終了日(完済日)から5年を超えない期間 |
| 延滞・破産などの記録 | 異動情報としてクレジット情報に含まれ、契約期間中および契約終了後5年間 | 取引事実に関する情報として契約継続中および契約終了後5年以内 | 取引情報に含まれ、契約終了日から5年を超えない期間 |
| 官報情報(破産・民事再生) | 登録なし | 登録なし | 決定日から7年を超えない期間 |
※各機関が公表する登録期間にもとづく(2026年10月時点)。「5年間」「5年以内」などの表現は各機関の公式文言に合わせています。契約時期により取り扱いが異なる場合があります。
CICのクレジット情報には、支払状況として延滞・保証履行・破産などの「異動」の記録が含まれ、契約が終わってからも5年間残ります。JICCでも、債務整理や破産申立といった事実は取引事実に関する情報として同様に登録されます。KSCでは、官報に公告された破産・民事再生の情報が決定日から7年を超えない期間、登録されます。
出典・参考資料(3件)
自分の信用情報を確認する方法(開示請求の手順と手数料)
自分の信用情報は、各機関に開示請求することで確認できます。延滞や事故の記録が残っているか、いつ消えるのかを把握しておくと、申し込みの時期を判断しやすくなります。開示請求は機関ごとに手続きと手数料が異なります。
- CIC:インターネット開示は手数料500円(税込)、郵送開示は1,500円。インターネットなら即時に確認できます
- KSC(全国銀行):インターネット開示は手数料800円で、マイナンバーカードを用いてWeb上で本人確認を行います。郵送開示の手続きも用意されています
- JICC:スマートフォンアプリによる開示(手数料700円・税込)と郵送開示(手数料2,177円・税込)に対応しています(2026年時点)。アプリならダウンロードして結果を受け取れます
開示手数料は改定されることがあるため、申し込み前に各機関の公式ページで最新の金額と手順を確認してください。
出典・参考資料(3件)
法人カードの審査に通りやすくするためにできること
審査基準は公表されていないため「これをすれば必ず通る」という方法はありませんが、審査で確認される項目の裏返しとして、事前に整えておくと有利に働きやすい点があります。今日から取り組めることを中心に挙げます。
- 支払いの遅れを解消しておく:クレジットやローンの未払い・遅延があれば先に解消し、申し込み前に信用情報を整えておきます
- 短期間に複数のカードへ同時に申し込まない:申し込みの記録は各機関に6か月ほど残り、複数同時の申し込みは資金繰りに余裕がないと受け取られることがあります
- 引き落とし口座を法人口座や屋号付き口座にする:事業用の口座を使うことで、事業実態が伝わりやすくなります
- 固定電話やホームページなど事業の実態を示す情報を整える:連絡先や事業内容が確認できると、事業の信頼性が伝わりやすくなります
- 申し込み内容と提出書類を一致させる:住所や事業内容の記載に食い違いがないよう、提出前に確認します
自社の規模や使い方に合ったカードを選ぶことも大切です。上位ランクのカードは審査の条件が厳しくなりやすいため、まずは発行の条件が緩やかなカードから検討すると、見通しが立てやすくなります。
発行のハードルや年会費・還元率、会計ソフトとの連携などを横並びで見比べて具体的に選びたい方は、法人カード全体を比較したおすすめ記事もあわせてご覧ください。
審査に通るか不安なときの代替手段|与信審査が不要・独自審査のカード
個人の信用に不安があったり、設立直後で実績がなかったりする場合でも、支払いの仕組みが違うカードを選ぶことで、法人の決済手段を確保できることがあります。ここでは、与信審査そのものが不要な方式や、独自の基準で審査するサービスを紹介します。
与信審査が不要な方式(法人デビット・プリペイド)とは
法人デビットカードは、法人口座やアカウントの残高の範囲で支払う仕組みで、代金を後払いする与信枠を持ちません。プリペイド(チャージ式)カードも、事前に入金した残高の範囲で使うため、いずれも利用額を立て替える与信審査を前提としません。後払いの与信枠を使わない分、個人の信用情報による与信審査を受けずに持てる点が特徴ですが、口座やアカウントの開設時には本人確認や事業確認の手続きがあります。
国内の決済が中心なら、チャージ式(プリペイド)として使えるカードや、ほかの法人デビット・プリペイドカードも選択肢になります。海外送金・外貨決済が多い場合は、多通貨に対応したアカウントが向いています。以下は、ここで紹介するサービスの比較表です。
| サービス名 | マネーフォワード ビジネスカード | Wise Business |
|---|---|---|
| カードの種別・支払い方式 | チャージ式(プリペイド)と 後払い(独自与信枠)のハイブリッド | 法人デビットカード (アカウント残高からの即時払い) |
| 与信審査 | チャージ式のみなら申込不要 後払いは独自与信ロジックで審査 | なし (残高の範囲で使うデビット方式) |
| 決算書の提出 | 不要(後払いの与信審査でも提出不要) | 不要(財務情報の提出は求められない) |
| 開設・発行時の確認 | 本人確認+法人は登記簿を提出 (審査結果は2〜3営業日で連絡) | 本人確認・事業確認(KYC/KYB) (通常10営業日) |
| 初期費用・入会費 | 無料 | アカウント開設は無料 (外貨口座情報の設定に1回3,000円) |
| 年会費 | 無料(1年間未利用の場合は1,000円・税抜) | 無料(年会費なし) |
| 国際ブランド | Visa | Mastercard |
| 向いている事業者 | 設立直後・決算実績がなくても チャージの範囲で使いたい事業者 | 海外送金・外貨決済が多く 与信に依存せず決済手段を持ちたい事業者 |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る |
※各社の公式情報にもとづく(2026年10月時点)。最新の料金・条件は各社公式サイトをご確認ください。
1. マネーフォワード ビジネスカード(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード ビジネスカードは、法人・個人事業主向けに株式会社マネーフォワードが提供するVisaブランドのビジネスカードです。初期費用・入会費は無料で、年会費も1年に1度以上の利用があれば無料になります。1枚のカードに、事前に入金した残高で支払うチャージ式(プリペイド)と、与信枠を使う後払い(あと払い)の2通りの使い方を併せ持つ設計が特徴です。
チャージ式のみで使う場合は、与信審査の申し込み自体が不要で、個人の信用情報をもとにした与信の審査を受けずに使えます。後払いの与信枠を使う場合は独自の与信ロジックで審査し、連携した金融機関の口座情報やマネーフォワード クラウドの利用情報などを材料に判断します(決算書の提出は求められません)。
延滞などの記録が不安な場合は、まずチャージ式の範囲で使う方法もあります。従業員や部署ごとにカードを追加発行でき、利用明細がマネーフォワード クラウド会計・確定申告とリアルタイムに連携する点も、経理の手間を抑えたい事業者に向いています。
2. Wise Business(ワイズ・ビジネス法人アカウント)

海外送金や外貨での支払いが多い事業者に向くのが、Wise Business です。日本では資金移動業者のワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が運営する法人向けの多通貨アカウントで、1つのアカウントで複数の通貨を保有・両替・送金でき、付帯する法人デビットカードで外貨の残高からそのまま支払えます。
このカードは後払いの与信枠を持たないデビット方式で、アカウントの残高の範囲で使います。そのため、法人カードの与信審査(限度額の審査)ではなく、アカウント開設時の本人確認・事業確認(KYC/KYB)の手続きが必要になります。
公式ヘルプで確認できる必要書類は本人確認・事業の実在確認のための書類で、決算書などの財務情報の提出は求められていません。海外取引の決済手段を、個人の信用に依存しない形で確保したい場合の選択肢になります。
まとめ
法人カードの審査では、法人名義であっても代表者個人の信用情報が確認されるのが一般的です。これは法律で義務づけられているわけではなく、カード会社が信用情報機関の会員として与信判断の参考に照会することや、代表者が連帯保証人・個人決済の対象になることによるものです。
延滞や債務整理などの記録は、CIC・JICC・KSCに種類ごとの期間で登録されるため、開示請求で自分の記録を確認し、消えるまでの期間を見込んで申し込み時期を考えるのが現実的です。
設立直後や信用に不安がある場合でも、独自の与信審査を行うカードや、与信を使わないデビット・プリペイド方式のカードを選べば、決済手段を確保できることがあります。自社の状況に合うカードを比べて、無理のない形で導入を進めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 法人カードの審査で見られる「信用情報」とは何ですか?
A. 信用情報とは、クレジットカードやローンの契約・申し込み・返済の状況を信用情報機関が記録した、個人や法人の取引履歴のことです。法人カードの審査では、主に代表者個人の信用情報が照会されます。日本にはCIC・JICC・KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3つの信用情報機関があり、延滞や債務整理などの記録は種類ごとに決められた期間だけ登録されます。
Q. 法人カードの審査では代表者個人の信用情報まで見られますか?
A. 法人カードの審査では、法人名義であっても代表者個人の信用情報が確認されるのが一般的です。ただし、これは法律で義務づけられているからではありません(事業用の法人カードは割賦販売法の指定信用情報機関制度の対象外です)。実際に照会されるのは、カード会社が信用情報機関の会員として与信判断の参考に代表者個人の情報を照会することや、代表者が連帯保証人・個人決済の対象になることによるものです。
Q. 過去に延滞や債務整理(いわゆるブラック)があっても法人カードは作れますか?
A. 事故情報が信用情報に登録されている間は法人カードの審査も厳しくなりますが、記録が消えれば作れる可能性があります。延滞や債務整理の記録は、CIC・JICCでは契約終了後5年、KSCの官報情報(破産・民事再生)は決定日から7年を超えない期間で登録されます。
開示請求で自分の記録がいつ消えるかを確認し、その時期をめどに申し込むのが現実的です(機関別の詳しい期間は本記事「事故情報・申込情報の保有期間」の表を参照してください)。
Q. 設立直後で決算書がなくても法人カードの審査に通りますか?
A. 設立直後で決算書がなくても、法人カードを作れないわけではありません。事業の実績は審査材料の一つにすぎず、代表者個人の信用情報や独自の基準で判断するカードもあります。登記事項証明書や決算書の提出を不要とする独自審査のカードや、事前に入金した残高の範囲で使うため与信審査そのものが不要な方式のカードを選ぶ方法もあります。
Q. 法人カードの審査に落ちたことは信用情報に記録として残りますか?
A. 審査に落ちたという結果自体は、信用情報の登録項目にないため記録には残りません。信用情報に残るのは「申し込んだ事実」で、CIC・JICCともに照会日からおおむね6か月間登録されます。そのため、短期間に複数のカードへ申し込むと、この申込記録から多重申込の状況が見える状態になります。
Q. 法人カードに短期間で複数申し込むと審査に不利になりますか?
A. 短期間に複数のカードへ同時に申し込むと、審査に不利に働くことがあります。申し込みの記録は各信用情報機関に6か月ほど残り、同時期の複数申込は資金繰りに余裕がないと受け取られる場合があるためです。不利になるかどうかは最終的にカード会社の判断ですが、必要なカードを絞り、1枚ずつ申し込むのが無難です。
Q. 従業員の信用情報に問題がある場合、法人カードの審査に影響しますか?
A. 会社の口座から引き落とす会社決済型(会社一括型)であれば、従業員個人の信用情報は審査に影響しにくいと考えられます。一方、従業員ごとに発行し各人の口座から引き落とす個人決済型では、その従業員の信用情報が確認対象になることがあります。どちらの方式かは発行するカードによって異なるため、従業員用に発行する際は申し込み前に確認しておくとよいでしょう。
Q. 法人カードの審査にかかる日数はどれくらいですか?
A. 法人カードの審査にかかる日数は、カード会社や商品によって異なり、一概には言えません。最短で数営業日程度のものから、数週間かかるものまで幅があります。急ぎで決済手段が必要な場合は、申し込み前に各カード会社の案内で発行までの目安を確認しておくとよいでしょう。
Q. 自分の信用情報はどうやって確認できますか?
A. 自分の信用情報は、CIC・JICC・KSCの各機関に開示請求することで確認できます。たとえばCICはインターネット開示が手数料500円(税込)で即時に確認でき、KSC(全国銀行個人信用情報センター)はマイナンバーカードを用いたインターネット開示(手数料800円)に対応しています。手数料や手順は改定されることがあるため、申し込み前に各機関の公式ページで最新情報を確認してください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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