紙やFAX、手書きで届く伝票を会計ソフトや販売管理システムへ手で打ち込む作業は、毎月の締めのたびにまとまった時間を奪い、金額や取引先の打ち間違いによる差し戻しも起こりがちです。いざ減らそうと情報を集めても、OCR・RPA・会計ソフトなど手段の選択肢が多く、それぞれ何を自動化するかも異なるため、結局どれが自社に合うのか判断しづらいのではないでしょうか。
伝票入力の自動化には、紙を読み取ってデータにするAI-OCR、会計ソフトへの打鍵を肩代わりするRPA、CSVでの一括取り込み、会計ソフト側の明細連携・自動仕訳、Excelマクロの内製といった複数の手段があり、それぞれ「何を」「どこまで」自動化するかが違います。自社の伝票の種類や状態に合わない手段を選ぶと、導入しても手作業が残ってしまいます。
本記事では、伝票入力を自動化する主な手段を横断的に整理し、手書き・FAX・非定型の伝票でも自動化できるのか、どれくらい時間が減るのか、費用の相場と始め方までを解説します。自社の伝票に合う方法を見極める判断材料としてご活用ください。
目次
伝票入力を自動化する5つの手段と選び方
ここからは、伝票入力を自動化する代表的な5つの手段を解説します。「伝票を読み取ってデータにする工程」と「データを会計ソフト・基幹システムへ入れる工程」のどちらを担うかで手段が分かれます。まず全体像を一覧で掴んでから、自社の伝票に合う方法を見極めていきます。

| 自動化の手段 | AI-OCR(文字認識) | RPA | CSVの一括取り込み | 会計ソフトの明細連携・自動仕訳 | Excelマクロの内製 |
|---|---|---|---|---|---|
| 主に自動化する工程 | 紙・FAX・PDFの伝票を読み取り、文字をデータ(CSV等)に変換する | 会計ソフト・基幹システムへの入力操作(打鍵・転記)を人に代わって実行する | データ化済みの伝票情報を、会計ソフトの取り込み形式にそろえて一括登録する | 銀行・カードの明細を自動取得し、仕訳伝票の起票そのものを減らす | 定型の伝票作成・転記を、自社で組んだマクロで自動化する |
| 向いているケース | 紙やFAXで届く伝票が多く、入力の起点から減らしたい | 入力先が決まった定型操作で、繰り返しの打ち込みを肩代わりさせたい | すでにデータ化された伝票を、1件ずつでなくまとめて登録したい | 入出金に基づく仕訳伝票が多く、入力作業自体を無くしたい | 対象が限られ、社内にExcelで組める人がいる |
| コスト感の目安 | 月額数万円〜(読み取り枚数で変動) | 月額数万円〜+シナリオ開発の工数 | 会計ソフトの標準機能の範囲で対応できることが多い | 会計ソフトの月額料金に含まれることが多い | 外部費用は抑えられるが、作成・保守の内製工数が必要 |
| 導入のしやすさ | クラウド型が多く着手しやすい(設定はベンダー支援あり) | シナリオ設計が必要(情シスや外部ベンダーの支援が有効) | 会計ソフトの標準機能で始めやすい(列構成の整えが要点) | 既存の会計ソフトの設定で始めやすい | 社内にExcel・VBAのスキルが必要 |
※上記は各手段の一般的な傾向です。実際の対応範囲や費用は、扱う伝票の種類・量や導入する製品によって異なります。
①OCR・AI-OCRで伝票を読み取る
OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)は、紙やPDF、画像に写った文字をコンピューターが読み取り、編集できるテキストデータに変換する技術です。伝票入力の自動化では、紙やFAXで届いた注文書・請求書・納品書などを読み取り、手入力の起点そのものを減らす役割を担います。
近年の主流は、AIを組み合わせたAI-OCRです。あらかじめ読み取り位置を細かく設定しなくても、帳票のレイアウトをAIが判別して項目を抽出できる製品が多く、取引先ごとに様式が異なる伝票でも扱いやすくなっています。読み取った結果はCSVなどで出力し、会計ソフトや基幹システムへ渡すのが基本的な流れです。
②RPAで会計ソフトへの打鍵を肩代わりする
RPA(Robotic Process Automation)は、人がパソコン上で行う操作を記録・再現し、ソフトウェアのロボットに繰り返し実行させる仕組みです。伝票入力では、データ化された情報を会計ソフトや販売管理システムへ打ち込む「転記の操作」を肩代わりさせる用途で使われます。
決まった画面に決まった順序で入力する定型作業に強い一方、入力先システムの画面レイアウトが変わると動かなくなることがあり、シナリオの作成・保守に手間がかかります。読み取りはAI-OCR、転記はRPAというように、他の手段と組み合わせて使うケースも多く見られます。
③CSVで一括取り込みする
多くの会計ソフトには、所定の形式に整えたCSVファイルを読み込んで、仕訳や伝票をまとめて登録する機能があります。すでにデータ化された伝票情報を、1件ずつ手で入力するのではなく一括で取り込めるため、件数が多いほど効果が出やすい手段です。
ポイントは、取り込む会計ソフトが求める列構成・勘定科目コードにCSVをそろえることです。AI-OCRで読み取った結果をこの形式に変換できれば、「読み取り→CSV化→一括取り込み」という流れで入力作業を大きく減らせます。
④会計ソフトの明細連携・自動仕訳で入力そのものを無くす
入出金に基づく仕訳伝票であれば、伝票を読み取る前に、入力作業そのものを減らす手もあります。クラウド会計ソフトの多くは、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取得し、過去の処理をもとに勘定科目を推測して仕訳の案を作る機能を備えています。
この方法が向くのは、現金・預金やカード取引に基づく仕訳伝票です。一方で、取引先から紙やFAXで届く注文書・納品書のように、入出金の明細には現れない伝票は読み取り(AI-OCR)側で対応する必要があり、両者を組み合わせて考えるのが現実的です。
この明細連携・自動仕訳をどこまで備えているか、AI-OCRとどう組み合わせられるかは会計ソフトごとに差があります。自動仕訳やAI-OCRの対応範囲・料金で会計ソフトを見比べたい場合は、次の記事が参考になります。
⑤Excelマクロで内製する
対象となる伝票の種類や様式が限られている場合は、Excelのマクロ(VBA)で伝票の作成・転記を自動化する内製も選択肢になります。外部サービスの利用料がかからず、自社の業務に合わせて細かく作り込める点が利点です。
ただし、マクロを組める人が社内にいることが前提で、担当者の異動や様式変更のたびに保守が必要になります。紙やFAXの読み取りには対応できないため、手入力の起点が紙の伝票にある場合は、他の手段と比べて適用範囲が狭くなります。
伝票の種類別に見た最適な自動化手段
ひとくちに伝票といっても、仕訳伝票・入金伝票・出金伝票・振替伝票といった会計伝票から、取引先とやり取りする注文書・納品書・請求書まで幅があります。どんな形で届くか、手書きが含まれるかによって、向いた自動化手段は変わります。自社で量の多い伝票がどれに当たるかを起点に見ていきます。
| 伝票の種類 | 仕訳伝票・振替伝票 | 入金伝票・出金伝票 | 注文書・発注書(受発注伝票) | 納品書・請求書 | 支払伝票 |
|---|---|---|---|---|---|
| よくある発生源 | 日々の取引に基づく会計処理 | 現金・預金の入出金 | 取引先から紙・FAX・メールで受領 | 取引先から紙・PDFで受領 | 請求内容に基づく支払処理 |
| 向いた自動化手段 | 会計ソフトの明細連携・自動仕訳/CSV一括取り込み | 会計ソフトの明細連携・自動仕訳 | AI-OCRで読み取り→CSV化→基幹システムへ連携(RPA併用) | AI-OCRで読み取り→CSV化→会計ソフトへ取り込み | 請求書をAI-OCRで読み取り→CSV化/定型ならExcelマクロ内製も可 |
※伝票の発生源や様式は企業によって異なります。自社で量の多い伝票を起点に手段を選ぶのが現実的です。
会計伝票のうち入出金に基づくものは、会計ソフトの明細連携で起票自体を減らせます。一方、取引先から届く注文書・納品書・請求書は、紙やFAXが起点になるためAI-OCRでの読み取りが中心です。どちらの伝票が多いかによって、入れるべき手段の優先順位が変わります。
このうち請求書の受領が特に多い場合は、受け取りからデータ化・仕訳・支払処理までをまとめて担う請求書受領サービスという専用の選択肢もあります。電子帳簿保存法・インボイス制度への対応まで含めて比較したい場合は、次の記事が参考になります。
手書き・FAX・非定型の伝票でも自動化できるのか
伝票入力の自動化で多くの担当者が気にするのが、「自社に届く手書きやFAXの、様式がばらばらな伝票でも読み取れるのか」という点です。ここでは、どこまで対応できるのか、どんな伝票が苦手なのかを整理します。
従来のOCRとAI-OCRの違い
従来のOCRは、あらかじめ「この位置のこの項目を読む」と帳票ごとに設定しておく必要があり、活字で様式が決まった帳票に向いていました。これに対してAI-OCRは、学習したモデルを使って帳票のレイアウトを自動で判別し、取引先ごとに様式が異なる非定型の伝票や、手書き文字にも対応する製品が増えています。
ただし、手書きや非定型への対応の程度は製品によって差があります。製品名が似ていても、ある製品は活字の帳票を主な対象とし、別の製品は手書き・非定型を主に訴求している、ということもあります。自社の伝票で読めるかどうかは、対応範囲を公式情報で確かめたうえで、後述の無料の読み取りテストで実際の帳票を試すのが確実です。
読み取りやすい伝票・読み取りにくい伝票
一般に、印字が鮮明で、項目の区切りがはっきりした伝票は読み取りやすい傾向があります。逆に、読み取りにくいのは次のような伝票です。
- FAX受信で線がかすれたり、文字がつぶれたりした伝票
- 崩し字や薄い筆記の手書き伝票
- 押印や訂正線が文字と重なっている箇所
- 手書きで追記された欄や、様式が頻繁に変わる伝票
こうした伝票は、読み取り後に人が確認・修正する工程を前提に運用するのが現実的です。読み取り結果をそのまま使うのではなく、確認が必要な項目に絞ってチェックする設計にすると、精度の不安と工数削減を両立しやすくなります。
精度を上げるための前提(対象項目の整理・認識精度テスト)
自動化の効果は、読み取り精度に左右されます。精度を安定させるには、まず「どの伝票の、どの項目を自動化するか」を絞り込むことが前提になります。すべての項目を一度に自動化しようとせず、金額・日付・取引先など転記頻度の高い項目から対象にすると、確認の負担を抑えられます。
そのうえで、導入前に自社の実際の伝票を使って認識精度を試すことが欠かせません。多くのAI-OCRサービスには、自社の帳票サンプルを送って読み取り精度を確認できる無料テストが用意されています。カタログのきれいなサンプルではなく、普段扱っている「汚れた」伝票で試すことで、導入後のギャップを防げます。
自動化でどれくらい時間が減るのか(導入効果の目安)
導入効果は伝票の量や自動化の範囲で変わりますが、公表されている事例からは、手入力を前提にしていた作業がまとまって削減されている様子がうかがえます。ここでは、手段ごとに公表事例の実数を見ていきます。
AI-OCRで手書きのタイムシートを読み取った人材派遣業の事例では、約2,000枚の集計・入力にかかっていた作業について「毎月160時間ほどかかっていた入力作業がほぼ0に」なったと公表されています。FAXで届く注文書を扱う食品輸送業の事例では、月間約1,000枚の注文書入力の自動化に成功したとされています。こちらは、読み取ったデータをRPAで基幹システムへ取り込む運用と組み合わせた例です。
会計ソフトへの打鍵をRPAで自動化した事例では、仕訳入力にかかる時間を「毎月180時間から40時間へ」短縮したと公表されています。また、支払伝票の作成をExcelマクロで内製した大学の事例では、月あたり約2時間の削減が報告されています。規模や対象業務が異なるため単純比較はできませんが、手段を自社の伝票に合わせれば、入力時間をまとまって減らせることが読み取れます。
月に数十枚程度と伝票が少ない場合は、削減できる時間は小さくなります。その場合は時間短縮よりも、転記ミスの防止や締め作業の平準化といった効果に目を向け、導入・運用のコストに見合うかを自社の伝票量で見極めるとよいでしょう。
出典・参考資料(3件)
- 出典:DX OCR 導入事例|株式会社ハンモック(https://www.hammock.jp/dxocr/jirei/)
- 出典:仕訳入力をRPAにより自動化。大幅な時間短縮を実現|株式会社OLDE RPA辞典(https://www.olde.co.jp/rpa-dictionary/archives/case/7)
- 出典:Excelマクロで支払伝票を自動作成|東北大学 大学DXアライアンス(https://case.dx.tohoku.ac.jp/26-jirei)
伝票入力自動化にかかる費用の相場・料金体系
費用は手段と読み取り量で変わりますが、クラウド型のAI-OCRでは「初期費用+月額」という料金体系が一般的です。月額は読み取り枚数に応じたプラン制をとる製品が多くあります。
具体的な料金はサービスによって異なります。汎用のクラウド版で初期費用100,000円・月額30,000円〜(3ユーザー・月300枚まで)を公開しているサービスや、月額30,000円からのトライアルを用意し、本格導入時は個別見積もりとするサービスがあります(いずれも2026年10月時点の各社公式情報による)。
初期費用は無料〜10万円程度、月額は3万円前後からという例が多く、初年度はこれらの合計が目安になります。各サービスの具体的な料金は後述の比較表で確認でき、枚数や連携の要件で総額は変わるため、自社の伝票量を前提に見積もりを取るのが確実です。
出典・参考資料(2件)
- 出典:スマートOCR 料金・プラン|株式会社インフォディオ(2026年10月時点)(https://www.smartocr.jp/)
- 出典:AIスキャンロボ トライアル|ネットスマイル株式会社(2026年10月時点)(https://aiocr.ai/trial/)
一方、会計ソフトの明細連携・自動仕訳は会計ソフトの月額料金の範囲で使えることが多く、CSVの一括取り込みも標準機能で対応できる場合があります。RPAは月額に加えてシナリオの開発・保守の工数が、Excelマクロの内製は作成・保守の人件費が、費用の中心になります。
読み取りの仕組みを新たに用意する必要があるかどうかで、かかる費用の性質が変わる点を押さえておきましょう。
伝票入力自動化の進め方と導入時の注意点
ここからは、伝票入力の自動化を実際に進めるときの手順と、つまずきやすい注意点を整理します。手段を選ぶだけでなく、既存の業務や制度対応と噛み合わせることが、やり直しを避けるうえで大切です。
導入ステップ(対象伝票の洗い出し→精度テスト→連携設計→運用)
自動化は、対象を絞って小さく始めるのが失敗を避けるコツです。おおまかには次の順で進めます。
- 対象伝票の洗い出し:量が多く手入力の負担が大きい伝票から、自動化の対象を絞り込みます。
- 認識精度テスト:自社の実際の伝票で読み取り精度を試し、確認・修正にかかる手間を見積もります。
- 連携先の設計:読み取ったデータを、会計ソフト・基幹システムのどの形式(CSVの列構成・勘定科目コード)で渡すかを決めます。
- 運用の定着:確認工程の担当や、読み取りにくい伝票の例外処理を決め、少しずつ対象を広げます。
導入前に押さえる注意点(精度・既存システム連携)
読み取り精度は製品や伝票の状態によって変わるため、前述のとおり人が確認・修正する工程を運用に組み込むことが前提になります。導入時には「どの項目を、誰が確認するか」を手順として決めておくと、現実的に回る運用になります。
もう一つの要所が、既存システムとの連携です。多くのAI-OCRは読み取ってCSVを出力するところまでを担い、会計ソフト・基幹システムへの取り込みは、CSVの形式合わせやRPAなどで自社側が用意する前提になっていることがあります。読み取りだけでなく「データをどう渡すか」まで含めて設計しないと、入力の手間が別の形で残ってしまいます。
電子帳簿保存法・インボイス制度との関係
伝票の自動化は、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応と切り離せません。せっかく自動化しても保存要件を満たさなければ、後からやり直しになりかねないため、制度の前提を押さえておきましょう。
電子帳簿保存法では、紙で受け取った書類をスキャンして保存する「スキャナ保存」は任意の制度で、紙の保存に代えることが「できる」とされています。一方、メールやデータで受け取った取引情報(電子取引データ)は、電子データのまま保存「しなければならない」とされており、両者で扱いが異なります。
紙の伝票をAI-OCRでデータ化する場合も、元の書類をスキャナ保存の要件に沿って保存するのか、紙のまま保管するのかを整理しておく必要があります。
電子帳簿保存法の保存区分やメリット・導入のポイントをより詳しく確認したい場合は、次の記事で解説しています。
電子帳簿保存法はデメリットしかない?メリットと導入のポイントを徹底解説
電子帳簿保存法への対応、「正直メリットがなくデメリットしかないのでは?」と感じていませんか。 2024年からはメールやWeb上でやり取りした請求書など電子取引データの保存が完全に義務化され、対応を避けられない状況になりました。(参照:国税庁…
また、インボイス制度(適格請求書等保存方式)では、買手が仕入税額控除を受けるために、原則として適格請求書(インボイス)の保存が必要です。請求書をAI-OCRで読み取ってデータ化する場合でも、インボイスとしての保存要件を満たす形を前提に運用を設計することが求められます。制度の詳細や自社への適用は、国税庁の情報や顧問税理士に確認することをおすすめします。
出典・参考資料(2件)
- 出典:電子帳簿保存法の概要|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/02.htm)
- 出典:インボイス制度について|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm)
伝票入力の自動化に役立つサービス
ここからは、紙やFAXで届く伝票を読み取ってデータ化する、AI-OCRのサービスを紹介します。読み取りからCSV出力までを担い、会計ソフトや基幹システムへの連携につなげられる製品を取り上げます。まずは各サービスの特徴を比較表で確認してください。
| サービス名 | DX OCR | スマートOCR | AIスキャンロボ |
|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社ハンモック | 株式会社インフォディオ | ネットスマイル株式会社 |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 100,000円〜(SDクラウド) | 要問い合わせ |
| 月額費用 | 30,000円〜(税別) | 30,000円〜(300枚/月まで) | 30,000円〜(トライアル料金) 本格プランは要問い合わせ |
| 対応帳票 | 請求書・納品書・注文書・ チェーンストア統一伝票など | 請求書・注文書・納品書・ 見積書・領収書など | 請求書・納品書・注文書・ 輸出入関連帳票 |
| 手書き・非定型への対応 | ●手書き・非定型に対応 | ●手書き・非定型・チェックボックス対応 | △活字が中心(手書きは別製品) |
| 無料の読み取りテスト | ●帳票評価(5種類各1枚) | ●サンプル帳票検証が無償 | ●無料読み取りテストあり |
| データ出力・連携 | CSV出力 (マスタ連携でコード変換) | CSV出力 (OCR連携API・Salesforce版) | CSV出力 (RPA連携も可) |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
1. DX OCR(株式会社ハンモック)

DX OCRは、紙やFAX、PDFで届く注文書・請求書・納品書などを読み取ってデータ化する、株式会社ハンモックのクラウド型AI-OCRです。帳票のレイアウトをAIが自動で識別するため、取引先ごとに様式が異なる非定型の帳票や手書き文字にも対応すると公式に案内されています。
読み取った結果はCSVで出力でき、マスタ連携で商品名や会社名を基幹システム向けの表記に変換する運用も公表事例で紹介されています。導入前に自社の帳票を無料で評価できるため、手元の伝票で読み取り精度を試してから判断できる点も検討しやすいところです。仕訳の自動作成や特定の会計ソフトへの直接連携は、読み取り後にCSV取り込みやRPAで用意する前提になります。
2. スマートOCR(株式会社インフォディオ)

株式会社インフォディオが提供するスマートOCRは、請求書・注文書・納品書など形式の異なる帳票を読み取ってデータ化するAI-OCRプラットフォームです。公式では非定型の帳票や手書き文字、チェックボックスの読み取りにも対応するとしており、様式がそろわない伝票を扱う現場で検討しやすい製品です。
読み取り結果はCSVで出力でき、OCR連携APIやSalesforce版など外部システムとの連携手段も用意されています。料金は、汎用のクラウド版で初期費用100,000円・月額30,000円〜(3ユーザー・月300枚まで)が公開されており、小さく始めて利用量に応じて広げやすい構成です。会計ソフトごとの標準連携は公式に明記がないため、連携の要件は個別に確認するとよいでしょう。
3. AIスキャンロボ(ネットスマイル株式会社)

AIスキャンロボは、ネットスマイル株式会社が独自のディープラーニングによるAI-OCRで、請求書・納品書・注文書などの帳票をデータ化するクラウド型サービスです。読み取り時にAIがテンプレートを自動で識別する仕組みで、公式は多品種小ロットの帳票の読み取りに適するとしています。
読み取った結果はCSVで出力し、RPAと組み合わせて後続システムへ渡す使い方も案内されています。導入前に自社帳票で精度を確かめられる無料の読み取りテストがあり、トライアルは月額30,000円から案内されています。
公式サイトで主に対象としているのは活字の帳票で、印刷された定型帳票が多い場合に適した選択肢です。手書きや非定型の読み取りは同社の別サービスが担うため、自社の伝票が手書き中心の場合は対応範囲を確認しておくと安心です。
まとめ
伝票入力の自動化には、紙を読み取るAI-OCR、打鍵を肩代わりするRPA、CSVの一括取り込み、会計ソフトの明細連携・自動仕訳、Excelマクロの内製といった手段があり、それぞれ自動化する工程が異なります。自社で量の多い伝票が「紙・FAXで届くもの」か「入出金に基づくもの」かを見極めることが、手段選びの出発点です。
紙やFAX、手書きの伝票が多い場合は、AI-OCRでの読み取りが中心になります。対応範囲は製品ごとに差があるため、自社の実際の伝票で無料の読み取りテストを試し、連携先の設計や電子帳簿保存法・インボイス制度への対応まで含めて検討を進めると、導入後のやり直しを防げます。
気になるサービスがあれば、まずは資料を取り寄せて、自社の伝票で何がどこまで自動化できるかを確かめてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 伝票入力の自動化とは何ですか?
A. 伝票入力の自動化とは、紙・FAX・手書きで届く伝票の読み取りや、会計ソフト・基幹システムへの転記を、人手ではなくAI-OCR・RPA・システム連携などの仕組みに任せることです。
伝票を読み取ってデータ化する工程をAI-OCRが、データを会計ソフトへ入れる工程をRPAやCSVの一括取り込み・会計ソフトの明細連携が担います。1つの手段ですべてをまかなうより、自社の伝票に合わせて複数の手段を組み合わせるのが一般的です。
Q. 伝票入力の自動化ではOCRとRPAをどう使い分けますか?
A. 伝票入力の自動化では、紙の伝票を読み取ってデータにする工程をOCR(AI-OCR)が、データを会計ソフト・基幹システムへ打ち込む工程をRPAが担います。両者は競合する手段ではなく役割が異なるため、「読み取りはAI-OCR、転記はRPA」というように組み合わせて使うケースが多く見られます。
紙やFAXが入力の起点ならAI-OCRが、会計ソフトへの繰り返しの打鍵が負担ならRPAが、それぞれ効果を発揮します。
Q. 伝票入力の自動化は手書きやFAXの伝票でもできますか?
A. 伝票入力の自動化は、手書きやFAXの伝票でもAI-OCRを使えば対応できますが、対応の程度は製品によって差があります。学習したモデルでレイアウトを判別するAI-OCRは、非定型の帳票や手書き文字に対応する製品が増えています。
ただし、FAXでかすれた文字や崩し字、押印と重なった箇所などは読み取りにくいため、読み取り後に人が確認・修正する工程を前提に運用するのが現実的です。自社の伝票で読めるかは、公式の対応範囲を確かめたうえで、無料の読み取りテストで実際の帳票を試すのが確実です。
Q. 伝票入力の自動化は会計ソフトだけでできますか?
A. 伝票入力の自動化は、入出金に基づく仕訳伝票であれば会計ソフトの明細連携・自動仕訳だけで減らせますが、紙やFAXで届く伝票には別の手段が必要です。クラウド会計ソフトの多くは銀行口座やカードの明細を自動取得し、仕訳の案を作る機能を備えているため、現金・預金やカード取引に基づく伝票は入力そのものを無くせます。
一方、取引先から紙・FAXで届く注文書・納品書・請求書は明細には現れないため、AI-OCRでの読み取りが別途必要になります。
Q. 伝票入力の自動化で読み取り精度はどのくらいですか?
A. 伝票入力の自動化で、AI-OCRの読み取り精度は100%にはならない前提で、確認工程を業務に組み込んで運用するのが基本です。精度は伝票の印字の鮮明さや様式のばらつきによって変わります。
安定させるには、金額・日付・取引先など転記頻度の高い項目に対象を絞り、導入前に自社の実際の伝票で認識精度テストを行うことが欠かせません。カタログのきれいなサンプルではなく、普段扱っている伝票で試すことで、導入後のギャップを防げます。
Q. 伝票入力の自動化にかかる費用はどれくらいですか?
A. 伝票入力の自動化の費用は、クラウド型のAI-OCRで「初期費用+月額」が一般的で、小規模なプランなら月額3万円前後から始められるサービスもあります。月額は読み取り枚数に応じたプラン制をとる製品が多く、枚数や連携の要件によって総額は変わります。
一方、会計ソフトの明細連携・自動仕訳は会計ソフトの月額料金の範囲で使えることが多く、CSVの一括取り込みも標準機能で対応できる場合があります。読み取りが必要かどうかで、かかる費用の性質が変わる点を押さえておきましょう。
Q. 伝票入力の自動化は電子帳簿保存法やインボイス制度に対応できますか?
A. 伝票入力の自動化は、保存要件を満たす形で設計すれば電子帳簿保存法・インボイス制度に対応できます。電子帳簿保存法では、紙で受け取った書類をスキャンして保存する「スキャナ保存」は任意の制度である一方、メールやデータで受け取った電子取引データは電子のまま保存することが求められ、両者で扱いが異なります。
インボイス制度でも、仕入税額控除のために適格請求書の保存要件を満たす形が前提です。紙の伝票をAI-OCRでデータ化する場合も、元書類をどう保存するかを整理しておく必要があります。制度の詳細や自社への適用は、国税庁の情報や顧問税理士に確認することをおすすめします。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















