ECサイトの注文が伸びるほど、配送状況の問い合わせや返品・交換の受付、定期購入の解約対応が増え、本来の商品企画や販促に手が回らなくなっていないでしょうか。問い合わせはセールや年末年始、配送遅延のタイミングに集中し、少人数や兼務の体制では対応が追いつきません。採用や教育にコストをかけても、繁忙期の増員や欠員リスクは残ります。
こうした顧客対応の負担を外部に任せる「カスタマーサポート代行」は、どこまでの業務を、どの体制で、いくらで委託できるのでしょうか。会社ごとに任せられる範囲も料金体系も異なるため、自社の商材やモールの運用に合う依頼先を見極める必要があります。
本記事では、ECのカスタマーサポート代行8社を委託範囲・料金相場・体制で比較します。問い合わせ対応・受注処理・返品交換といった業務の委託範囲の線引き、従量課金型と月額固定型の料金相場、稼働時間やEC実績で見る選び方までを整理しました。自社に合う委託先を選ぶための判断材料としてご活用ください。
また、自社の委託したい範囲や体制に合うサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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ECのカスタマーサポート代行とは|購入後・繁忙期に問い合わせが集中する通販の事情
ECのカスタマーサポート代行とは、通販サイトに寄せられる問い合わせ対応や受注処理などの顧客対応業務を、外部の専門会社に委託する仕組みです。電話・メール・チャットでの問い合わせ一次受付から、注文内容の変更・キャンセル、返品や交換の受付、モールのメッセージ返信までを、自社の代わりに担います。
通販の顧客対応には、実店舗と違う事情があります。問い合わせの多くは注文後に発生し、「いつ届くか」「サイズを交換したい」などの内容が、購入のたびに積み上がります。さらにセールや新商品の発売、年末年始、配送遅延の局面では件数が短期間に集中し、平常時の人員では対応しきれません。
対応の遅れは、そのまま顧客満足度やモールでの評価に跳ね返ります。問い合わせへの返信が遅れればキャンセルや低評価につながり、売上にも影響します。こうした波のある顧客対応を安定して回すために、繁忙期だけ増員したい、夜間や休日もカバーしたい、といった目的で代行の活用が広がっています。
カスタマーサポート代行に任せられる業務と「どこまで任せるか」の委託範囲
ここからは、カスタマーサポート代行に任せられる業務の全体像と、通販特有の問い合わせを類型ごとに見ながら「どこまで委託し、どこを自社に残すか」の線引きを整理します。委託範囲を先に設計しておくと、各社のサービス内容を比べるときの軸が定まります。

任せられる主な業務(問い合わせ対応・受注処理・返品交換・レポート・夜間休日対応)
カスタマーサポート代行が引き受ける業務は、大きく顧客対応と事務処理に分かれます。顧客対応の中心は問い合わせ一次受付で、電話・メールに加え、チャットやLINE、SNSのメッセージに対応する会社もあります。配送状況の確認や商品に関する質問、クレームの一次対応まで、窓口をまとめて任せられます。
事務処理では、注文の受付・入金確認・出荷指示といった受注処理や、返品・交換の受付、定期購入の変更・解約手続きを代行します。あわせて、問い合わせ内容を分類・集計して改善点を報告する月次レポートを提供する会社もあり、顧客の声を商品やサイト改善に活かせます。夜間・休日や繁忙期の増員など、稼働時間の柔軟さも会社ごとに差があります。
通販特有の問い合わせ類型(配送・返品交換・定期購入・モールのメッセージ)
委託範囲を考えるときは、通販の問い合わせを類型で捉えると整理しやすくなります。問い合わせは大きく、配送・納期の確認、返品・交換・キャンセル、定期購入やサブスクの変更・解約、モールからのメッセージ対応の4つに分かれます。
配送・納期の確認は定型的な回答が多く、委託になじみやすい業務です。返品・交換は、受付や交換品の手配までは任せやすい一方、返金可否の判断や規約の例外対応は社内の方針が関わります。定期購入の解約は、引き止めの案内をどこまで代行に委ねるかで設計が変わります。
モールのメッセージは、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングごとに管理画面や運用ルールが異なるため、対応実績のある会社かを確認しておくと安心です。
自社に残すべき判断(返金可否・規約の例外・深刻なクレーム・ブランド方針)
すべてを任せきるのではなく、自社に残す判断を決めておくことも委託設計の要点です。定型の一次受付や定型回答は代行に任せ、金銭や規約に関わる判断、ブランドの方針に関わる対応は自社に残すのが基本の線引きになります。
具体的には、返金の可否や特別対応の承認、利用規約の例外適用、炎上につながりかねない深刻なクレームへの最終判断などは、自社で意思決定する領域です。これらを切り分け、「ここまでは代行、ここからは自社」というエスカレーションの基準を代行会社と共有しておくと、誤った対応や個人情報の扱いに関するトラブルを避けられます。
委託前にマニュアルやFAQを整え、繁忙期の件数見込みを共有しておくことも、スムーズな立ち上げにつながります。
タイプ別に見るカスタマーサポート代行
カスタマーサポート代行は、どこまでの業務を、どんな体制で引き受けるかによって性格が分かれます。自社が「問い合わせ対応だけを任せたいのか」「受注処理や在庫・物流まで一体で任せたいのか」などを起点にすると、候補を絞りやすくなります。ここでは委託範囲と体制の観点から3つのタイプに整理します。

問い合わせ対応を中心に任せるタイプ(電話・メール・チャット)
問い合わせの一次受付を中心に、電話・メール・チャットでの顧客対応を担うタイプです。コンタクトセンターの運営を本業とする会社が多く、クレーム対応や定期購入の解約引き止めまで、オペレーターの応対品質で差がつく業務に強みがあります。会社によっては受注処理など周辺業務まで引き受けられますが、問い合わせ対応が主軸です。
自社で受注処理や物流は回せているが、問い合わせ対応の人手だけが足りない、という場合に向いています。料金は問い合わせ件数に応じた従量課金型や、席数・時間に応じた月額固定型が中心です。
受注処理・事務まで一体で任せるタイプ(受注〜CSの一体委託)
問い合わせ対応に加え、注文受付・入金確認・出荷指示・キャンセル対応といった受注処理までをまとめて引き受けるタイプです。EC運営の実務に通じた会社が多く、顧客対応と事務処理を切り離さずに任せられるため、バックオフィス全体の人手が不足している事業者に適しています。モールや自社カートの管理画面操作まで含めて委託できる会社もあります。
物流・倉庫併設で在庫を見ながら対応するタイプ
物流倉庫とカスタマーサポートを同じ拠点で運営し、在庫や出荷の状況を見ながら対応するタイプです。「商品はまだありますか」「いつ発送されますか」といった在庫・配送に直結する問い合わせに、倉庫の情報を確認しながら即答できる点が強みです。返品・交換も、商品の受け取りから再発送までを物流と一体で処理できます。受注処理や発送代行とあわせて委託したい事業者に向いています。
戦略設計から制作・集客、顧客対応までをEC運営ごと一括で任せたい場合は、運営代行全般を扱う会社が選択肢になります。本記事は顧客対応の委託に焦点を当てているため、運営全体の委託を検討する際は、一括・特定業務・システム型の違いや費用相場、選定軸を整理した以下の記事もあわせてご確認ください。
EC運用代行の選び方|一括・特定業務・システム型の違いと費用相場・選定軸を解説
「受注や出荷、問い合わせ対応に一日が終わってしまい、売上を伸ばす施策まで手が回らない」 「広告もSNSも試したのに思うように売上が伸びず、どこにテコ入れすべきか分からない」 自社ECやモール店舗を運営していると、日々の業務に追われるうちに、…
自社がどのタイプに合うか判断に迷う場合でも、委託したい範囲や稼働時間、対応チャネルから適したサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひご活用ください。
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カスタマーサポート代行の料金相場と体系(従量課金型・月額固定型)
ここからは、カスタマーサポート代行の料金体系と相場観を整理します。料金は初期費用に加え、問い合わせ件数に応じた従量課金型と、席数や時間に応じた月額固定型が中心で、オプションで業務範囲を追加する形が一般的です。多くの会社は公式に金額を公開しておらず、委託範囲や件数に応じた個別見積もりを基本としています。
金額を公開している会社の例から、相場の水準をつかめます。通販・EC向けのカスタマーサポート代行では、小規模なプランを初期費用0円・月額1万円弱から用意する例がある一方、経験豊富なオペレーターによる体制では1回線あたり月額10万円程度からという水準も公開されています。
従量課金型は問い合わせ件数に、月額固定型は席数・稼働時間に応じて費用が決まるため、自社の月間件数と希望する対応時間から見当をつけられます。
出典・参考資料(2件)
- 参考資料:ECサイトのカスタマーサポート代行|おてがるサポート(初期費用0円・月額9,800円〜)
- 参考資料:受注処理代行・カスタマーサポート代行|株式会社ワンプルーフ(小規模パッケージ 1回線 月額10万円〜)
従量課金型と月額固定型の違い・向き不向き(件数規模・初期費用・オプションで選ぶ)
従量課金型は、対応した問い合わせの件数やコール数に応じて費用が決まる仕組みです。問い合わせの波が大きく、月によって件数が読みにくい事業者に向いています。繁忙期は費用が増える一方、閑散期に無駄な固定費を抱えずに済みます。
月額固定型は、一定の対応量や席数・稼働時間を前提に、毎月定額で契約する仕組みです。問い合わせ件数が安定して多く、専任体制で品質を一定に保ちたい事業者に向いています。初期費用はマニュアル作成や研修の範囲で変わり、オプションで受注処理や夜間対応を加えると費用が積み上がります。自社の件数規模と変動の大きさを起点に、どちらの体系が合うかを見極めるとよいでしょう。
繁忙期の波動を固定費を抱えずに吸収する委託設計
通販の顧客対応は、セールや年末年始に問い合わせが集中し、平常月の数倍に膨らむことがあります。自社だけで繁忙期に合わせた人員を抱えると、閑散期には余剰人員の固定費が重くのしかかります。
代行を使えば、繁忙期だけ対応量を増やし、落ち着けば元に戻す、といった調整がしやすくなります。件数に連動する従量課金型を基本にする、月額固定型でも繁忙期のスポット増員に対応できるかを確認する、といった観点で委託設計を組むと、波のある問い合わせを固定費を抱えずに吸収できます。契約前に、増員の可否と上限、対応の立ち上げにかかる期間を確認しておくと安心です。
カスタマーサポート代行8社の比較表
ここまで整理した委託範囲・タイプ・料金体系をふまえ、カスタマーサポート代行8社を、対応チャネル・委託できる業務・稼働時間・料金体系・EC実績の観点で比較します。料金を公開していない会社は「要お問い合わせ」と記載しています。委託範囲と体制の違いから、自社に合う候補を絞り込む材料としてご覧ください。
| サービス名 | ECサポロジPlus | ウィズ・プランナーズ | ワンプルーフ | NE(受注処理・カスタマー代行) | スクロール360 | イー・ロジット | アッカ・インターナショナル | 関通 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タイプ | 問い合わせ対応中心 | 問い合わせ対応中心 | 受注〜CS一体 | 受注〜CS一体 | 物流・倉庫併設 | 物流・倉庫併設 | 物流・倉庫併設 | 物流・倉庫併設 |
| 対応チャネル | 電話・メール・チャット・LINE・SNS・SMS | 電話・メール・チャット・FAX・SNS | 電話・メール | 電話・メール | 電話・メール・チャット | 電話・メール | 電話・メール | 提供協力先と連携 |
| 受注処理の対応 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | △電話注文の受付のみ | ● |
| 返品・交換の対応 | ● | △導入事例で対応 | — | — | ● | ● | ● | — |
| 定期購入・モール対応 | 定期購入の解約防止に対応 楽天RMS等のモール操作に対応 | — | 楽天・Yahoo!・Amazon等の主要モール運営に対応 | 楽天・Yahoo!・Amazon・自社ECなど複数モールに対応 | 楽天・Amazon・Yahoo!等の複数モールに対応 | 各種カート・モールと連携(対応先一覧は非開示) | — | 楽天・Amazon等の複数モール・カートに対応 定期通販の物流に対応 |
| 稼働時間 | 365日体制 | 要お問い合わせ | 10時〜17時(延長オプションあり) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ(物流は365日稼働) | 要お問い合わせ | 受注処理は365日対応 |
| 料金体系 | 要お問い合わせ(個別見積もり) | 要お問い合わせ(個別見積もり) | 月額固定型 1回線 月額10万円〜(公式) | 要お問い合わせ(個別見積もり) | 要お問い合わせ(物流は出荷料金を公開) | 要お問い合わせ(個別見積もり) | 要お問い合わせ(個別見積もり) | 要お問い合わせ(物流サービスは固定費0円・従量課金を公開) |
| EC・通販の実績 | EC・通販で1,000案件以上 | 通販サイトの顧客対応事例あり | 主要モールのEC運営代行実績 | ネクストエンジン提供元としてのEC支援 | 通販60年超のグループで物流・EC運営代行 | EC物流で累計1,700社超の取引 | EC FACTORYで倉庫併設の顧客対応 | EC物流・受注管理代行の実績 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は各社の公式情報をもとにした対応範囲の目安です。「—」は公式に明示がない項目、「要お問い合わせ」は個別見積もりの項目を表します。実際の委託範囲や料金は、問い合わせ件数・業務内容によって異なるため、各社への見積もり時にご確認ください。
カスタマーサポート代行おすすめ8社の個別紹介
ここからは、比較表で取り上げた8社を、委託範囲と体制のタイプごとに紹介します。各社の得意とする業務範囲や料金体系、EC・通販での対応実績を見ながら、自社の委託したい内容に合う会社を探してください。
問い合わせ対応を中心に任せるタイプ
問い合わせの一次受付を中心に、電話・メール・チャットでの顧客対応を専門に担う会社です。応対品質やチャネルの幅、EC・通販での対応実績を見比べてみましょう。
1. ECサポロジPlus(マーケティングアソシエーション株式会社)

マーケティングアソシエーション株式会社が、EC・通販に特化して問い合わせ対応から受注処理までを引き受けるカスタマーサポート代行サービスです。電話・メールに加え、チャット・LINE・SNS・SMSまで対応チャネルを備え、一次対応から二次受付・クレーム対応・クロージングまでを委託できます。
単品通販の定期購入者への解約防止対応・フォローコールも委託範囲に含み、注文受付・入金確認・オーソリ処理(カード決済の与信確認)などの受注処理や、返品・交換、倉庫への発送指示まで同じ窓口で任せられます。楽天RMS(楽天市場の出店者向け管理システム)をはじめとするモール管理画面や各種カートの操作も代行します。
応対マニュアルやスクリプト、FAQの作成・更新は基本料金内で対応します。スタッフは全て正社員で、全国5拠点による365日体制を公表し、EC・通販分野で1,000案件以上の実績を掲げています。料金は委託範囲や件数に応じた個別見積もりで、金額は公開されていません。
2. ウィズ・プランナーズ(ウィズ・プランナーズ株式会社)

コンタクトセンター運営を主力事業とするウィズ・プランナーズ株式会社の、業務委託(BPO)サービスです。電話・メール・チャット・FAX・SNSなどのマルチチャネルで、受注・予約受付やカスタマーサポート、テクニカルサポート、アウトバウンドコールまで、顧客対応業務を幅広く引き受けます。
EC・通販分野では、ランジェリー通販サイトで注文のキャンセル・変更や返品処理の窓口を担った事例や、電子タバコ通販で商品・注文・住所変更の問い合わせに電話・メール・LINEで対応した事例を公表しています。
繁閑に合わせて席数や回線数を調整でき、午前のみ・土日のみといったスポット期間の配置にも対応します。プライバシーマークを取得し、日本コンタクトセンター協会のカスタマーハラスメント対策推進企業認定も受けています。料金は公開されておらず、委託内容に応じた個別見積もりです。
受注処理・事務まで一体で任せるタイプ
問い合わせ対応に加え、受注処理や事務までを一体で引き受ける会社です。顧客対応とバックオフィスをまとめて委託したい場合に向いています。
3. ワンプルーフ(株式会社ワンプルーフ)

株式会社ワンプルーフは、楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon・au PAYマーケットなど主要モールのEC運営代行を手がけ、その一環として顧客対応(カスタマーサポート)まで請け負う会社です。EC運営と問い合わせ対応を切り離さず、まとめて委託できます。
サービスは、EC運営を担う「EC Solution」と顧客対応を担う「CS Solution」などで構成されます。運営代行に顧客対応を加えた「楽天運営代行+CSプラン」や、発送・在庫を扱うフルフィルメントサービスも用意し、運営・顧客対応・発送までを一つの窓口にまとめられます。
カスタマーサポート代行は小規模パッケージ(1回線)で月額10万円〜を公式に公開しており、委託する範囲や業務量に応じた見積もりとなります。モール運営の実務ごと、顧客対応や発送まで含めて外部に任せたい事業者が検討の対象になります。
4. 受注処理・カスタマー代行(NE株式会社)

受注・在庫・出荷を一元管理するECクラウド「ネクストエンジン」を提供するNE株式会社が、ECコンサルティングの一メニューとして受注処理・カスタマー代行を手がけています。受注処理と顧客対応を独立したメニューとして切り出して依頼できる点が特徴です。
SaaSの運用で培った受注・在庫管理の知見を土台に、楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon・自社ECなど複数モールの受注処理や顧客対応を代行します。ECの受注業務をツールとして支えてきた会社が、その実務を人の手で引き受ける立ち位置です。
料金は委託内容に応じた個別見積もりで、公式サイトに金額の記載はありません。2025年11月に東京証券取引所グロース市場へ上場しており、EC支援を専業とする会社へ受注処理と顧客対応をまとめて委託したい事業者に向いています。
物流・倉庫併設で在庫を見ながら対応するタイプ
物流倉庫と顧客対応を同じ拠点で運営し、在庫や出荷状況を見ながら対応する会社です。発送代行や受注処理とあわせて委託したい場合に適しています。
顧客対応にとどまらず発送や在庫管理そのものの委託先も比べたい場合は、物流代行会社を費用相場や対応規模・商材別に整理した以下の記事が参考になります。
5. スクロール360(株式会社スクロール360)

通販事業を60年以上続けるスクロールグループの一員として、株式会社スクロール360は物流(発送)代行を軸に、受注代行・コールセンター・EC運営代行までを担います。北海道・関東・東海・関西の4地区に物流センターを置き、顧客対応と倉庫作業を同じ体制で動かしています。
問い合わせを受ける受注代行・コールセンターを自社で内製しており、在庫や出荷の状況を確認しながら配送・納期の問い合わせに答えられます。健康食品や化粧品など、許認可の要る商材の取り扱い実績もあります。
料金は委託する範囲に応じた見積もりで、物流(発送)代行についてはポストイン399円(税別)からの出荷料金の目安を公開しています。誤出荷率は0.0016%以下としています。
6. イー・ロジット(株式会社イー・ロジット)

2000年の設立以来EC物流の代行を手がけてきた株式会社イー・ロジットは、物流代行とカスタマーサポート代行を2本柱に据えるEC向けのBPO会社です。東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。
関東4・関西1の計5拠点(総延床34,894坪)で365日稼働の出荷体制を敷き、物流現場と商品に通じたオペレーターが、メール・電話での問い合わせ窓口と一次クレーム対応を担当します。受注処理代行を併せて委託すると、急な注文のキャンセルや修正にも早く対応できます。
入庫・検品から保管・梱包・出荷・返品までを自社のフルフィルメントセンターで一貫して扱い、顧客対応と物流を切り分けずに任せられます。料金は公開されておらず、委託内容に応じた個別見積もりです。
7. アッカ・インターナショナル(株式会社アッカ・インターナショナル)

大和ハウスグループの株式会社アッカ・インターナショナルが、物流・撮影・システムを自社で備えるフルフィルメント「EC FACTORY」の一機能として提供するカスタマーサポート代行です。物流と切り離した単独での委託にも応じます。
千葉・平塚の倉庫内にサポート窓口を併設し、在庫を見ながら問い合わせに答えられます。専門オペレーターが電話・メールの問い合わせに全件対応し、判断に迷う案件は責任者へ引き継ぎます。外国語の問い合わせはメールで受け付けます。
返品・交換の受付から、交換品の発送・返金完了の連絡までを担い、問い合わせを項目別に分類した月次レポートで、問い合わせ削減に向けた提案も行います。依頼から最短2週間でサポートセンターを開設でき、料金や稼働時間は非開示で見積もり対応です。
8. 関通(株式会社関通)

東証グロース上場の関通ホールディングスグループで、EC物流代行とECサイト受注管理代行を手がけるのが株式会社関通です。20の物流センター(延床約90,000坪)を構えています。
主力は受注管理代行で、独自システムが30分に1回自動で受注を取り込み、配送日数の設定や出荷倉庫の振り分け、熨斗・ギフトメッセージの対応までを処理します。自社発表では、月間10万件以上の受注処理をミス率0.008%で回し、受注処理は365日の体制としています。
顧客からの問い合わせ対応(コールセンター業務)は自社提供ではなく、問い合わせ量や内容に応じて提供協力先と連携して対応します。物流・受注処理を軸に委託したい事業者に向く会社です。受注管理代行の料金は非開示で、要問い合わせとなります。
カスタマーサポート代行の選び方|委託内容・稼働時間・EC実績で見る
ここからは、依頼先を絞り込むときに確認したい選び方の軸を整理します。自社のチャネル・商材・問い合わせの波に合う会社かを、次の観点から見極めていきます。
委託したい業務範囲・対応チャネルをカバーしているか
まず確認したいのは、自社が任せたい業務とチャネルをカバーしているかです。問い合わせ対応だけでよいのか、受注処理や返品交換、定期購入の解約対応まで含めたいのかで、候補となる会社は変わります。電話中心なのか、メールやチャット、モールのメッセージまで必要なのかも、あらかじめ整理しておきます。
自社の委託範囲をカバーしていない会社を選ぶと、結局は複数の委託先を使い分けることになり、連携の手間が増えます。
稼働時間(夜間・休日・繁忙期の増員)が自社の波動に合うか
次に見たいのは、稼働時間と増員の柔軟さが自社の波に合うかです。平日日中だけでよいのか、夜間や休日、24時間の対応が必要なのかは、商材や顧客層によって異なります。セールや年末年始に件数が膨らむ事業者は、繁忙期だけ対応量を増やせるか、その上限と立ち上げに要する期間もあわせて確認しておきます。稼働時間が合わないと、問い合わせへの返信が遅れ、顧客満足度の低下につながります。
EC・通販や自社のモール・商材での実績があるか
EC・通販での対応実績があるかも、重要な判断材料です。通販の問い合わせには、配送・返品・定期購入・モール運用といった固有の知識が必要で、一般的なコールセンター運営だけでは対応しきれない場面があります。自社が出店しているモールや、扱う商材に近い分野での実績があれば、立ち上げがスムーズで、応対の精度も期待できます。導入事例や対応モールを確認し、自社に近い実績があるかを見るとよいでしょう。
応答品質・速度の基準を握れるか(FAQ整備・応答速度の取り決め)
モールのメッセージやレビューへの返信の速さ・丁寧さは、ショップの評価や購入率に影響します。代行に任せても、この応答品質を自社で把握・管理できる状態にしておくことが大切です。
委託前にFAQや応対マニュアルを整え、どの範囲をどのくらいの時間で返信するか、月次でどう報告を受けるかを取り決めておくと、品質を一定に保てます。対応の実績や改善提案の有無、レポートの内容を確認し、応対の質を代行会社任せにしない体制を組めるかが分かれ目になります。
個人情報・カスタマーハラスメント対応など運用リスクへの備えがあるか
顧客対応を外部に委託するときは、個人情報の取り扱いとオペレーターを守る体制の両面で、運用リスクへの備えを確認しておきたい観点です。委託先の選定は、法令上の義務にも関わります。
個人情報保護法は、個人データの取り扱いを委託する事業者に対し、委託先への監督を義務づけています。顧客の氏名・住所・注文履歴などを代行会社に預けるEC事業者は、委託先が適切な安全管理措置を講じているかを確認し、監督する立場にあります。
個人情報取扱事業者は、個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。
出典:個人情報の保護に関する法律 第25条|e-Gov 法令検索
委託先を選ぶ際は、秘密保持契約の締結や個人情報の取り扱いに関する取り決め、契約終了時のデータ・アカウントの削除手順まで確認しておくと安心です。プライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証取得状況も、安全管理の目安になります。
もう一つの備えが、カスタマーハラスメントへの対応です。2026年10月1日から、改正された労働施策総合推進法により、事業主にカスタマーハラスメント対策が義務づけられました。顧客からの著しい迷惑行為に対し、相談体制の整備などの措置を講じることが求められます。
オペレーターを雇用して顧客対応を行う代行会社は、この義務を負う立場にあります。厚生労働省の指針では、事業主が講ずべき措置として、方針の明確化と周知・啓発、相談に応じる体制の整備、発生後の迅速かつ適切な対応の3点が示されています。委託先が自社のオペレーターを守る体制を備えているかは、安定した応対品質にもつながるため、選定時に確認しておきたい観点です。
出典・参考資料(4件)
カスタマーサポートを代行するメリット・デメリットと注意点
委託の判断材料として、カスタマーサポート代行で得られることと、依頼前に知っておきたい注意点を整理します。メリットと注意点の両面をふまえ、自社の体制に合う委託の形を考えます。
代行で得られる主なメリット
最大のメリットは、応対の専門体制を自社で抱えずに確保できることです。採用や教育にかかるコストと時間を抑えながら、経験のあるオペレーターによる一定品質の対応を得られます。繁忙期の件数増や、夜間・休日のカバーにも、増員や体制変更の負担なく対応できます。
顧客対応を任せることで、社内の人員を商品企画や販促といった本来注力したい業務に振り向けられる点も利点です。問い合わせ内容の分類・集計レポートを受け取れる会社であれば、顧客の声を商品やサイト改善に活かすこともできます。
依頼前に知っておきたいデメリット・注意点
一方で、顧客との接点を外部に委ねることで、問い合わせから得られる生の声やニーズの変化を社内で把握しにくくなる面があります。レポートの共有や定例の打ち合わせで、顧客の状況を社内に還元する仕組みを作っておく必要があります。
また、商品知識や自社ならではの対応方針をオペレーターに浸透させるには、マニュアルの整備や立ち上げ期の擦り合わせに一定の手間がかかります。委託範囲があいまいなまま任せると、返金可否などの判断で対応が滞ることもあります。委託する範囲と自社に残す判断を明確にし、情報共有の仕組みをあわせて設計することが、代行を成功させる鍵になります。
まとめ
ECのカスタマーサポート代行は、問い合わせ対応だけを任せるタイプ、受注処理まで一体で任せるタイプ、物流・倉庫併設で在庫を見ながら対応するタイプに大きく分かれます。自社が「どこまでを、どの体制で、いくらで任せたいか」を起点に、委託範囲・対応チャネル・稼働時間・EC実績を見比べることが、依頼先選びの近道です。
料金は従量課金型と月額固定型が中心で、多くは個別見積もりです。問い合わせの波の大きさや件数規模に合わせて体系を選び、繁忙期の増員や個人情報・カスタマーハラスメントへの対応体制まで確認しておくと、安心して委託できます。各社の資料を取り寄せ、自社の委託範囲に合うサービスを比較してみてください。
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カスタマーサポート代行に関するよくある質問(FAQ)
Q. ECのカスタマーサポート代行とは何ですか?
A. ECのカスタマーサポート代行とは、通販サイトに寄せられる問い合わせ対応や受注処理などの顧客対応業務を、外部の専門会社に委託する仕組みです。電話・メール・チャットでの問い合わせ一次受付から、注文内容の変更・キャンセル、返品・交換の受付、モールのメッセージ返信までを、自社に代わって担います。
売上増や繁忙期で顧客対応が追いつかない事業者が、採用・教育の負担を抱えずに応対体制を確保する目的で活用します。
Q. カスタマーサポート代行は、メール対応だけ・電話対応だけといったチャネル単位で委託できますか?
A. カスタマーサポート代行は、メール対応だけ、電話対応だけといったチャネル単位での部分委託にも対応できる会社が多くあります。ECでは問い合わせの多くがメールやフォームから届くため、件数の多いチャネルから切り出して委託し、効果を見ながら範囲を広げる進め方が現実的です。対応できるチャネルは会社ごとに異なるため、自社が任せたい窓口をカバーしているかを確認してください。
Q. カスタマーサポート代行はどこまで任せて、どこを自社に残すべきですか?
A. 配送・納期の確認や返品交換の受付といった定型的な一次対応は代行に任せ、返金の可否や規約の例外適用、深刻なクレームへの最終判断は自社に残すのが基本の線引きです。金銭やブランド方針に関わる判断を切り分け、「ここまでは代行、ここからは自社」というエスカレーションの基準を代行会社と共有しておくと、誤った対応やトラブルを避けられます。
Q. 商品知識のないオペレーターでも、自社商品の問い合わせに対応できますか?
A. FAQや商品情報を整備し、回答できない内容は自社にエスカレーションする運用にすれば、商品知識のないオペレーターでも対応できます。定型的な質問を代行が処理し、専門性の高い質問だけを自社に回す形が現実的です。委託前に応対マニュアルやFAQを整えておくほど、立ち上げがスムーズになり、応対の精度も高まります。
Q. 繁忙期やセール期間だけ、カスタマーサポート代行で体制を増やせますか?
A. セールや年末年始などの繁忙期に合わせて対応量を増やし、落ち着けば元に戻す調整に対応できる会社があります。ただし増員するオペレーターへの業務共有や研修には時間がかかるため、直前の依頼では品質が安定しません。繁忙期の件数見込みを早めに共有し、増員の可否と上限、立ち上げに要する期間を契約前に確認しておくと安心です。
Q. 楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングなど複数モールや自社サイトの対応も任せられますか?
A. 複数モールの出店や自社ECサイトをまとめて委託できる会社は多くあります。ただしモールごとに管理画面や運用ルールが異なるため、自社が出店しているモールでの対応実績があるかを確認しておくことが大切です。モールのメッセージ返信は、速さ・丁寧さがショップ評価や検索順位に直結するため、対応範囲に含められるかもあわせて確認してください。
Q. 顧客の個人情報やモールのアカウント情報を代行会社に渡しても安全ですか?
A. 秘密保持契約や個人情報の取り扱いに関する取り決めを結び、権限を限定したアカウントを発行すれば、安全に委託できます。個人情報保護法は、個人データの取り扱いを委託する事業者に委託先の監督を義務づけているため、EC事業者は代行会社が適切な安全管理措置を講じているかを確認・監督する立場にあります。
プライバシーマークやISMSの認証取得状況、契約終了時のデータ・アカウントの削除手順まで確認しておくと安心です。
出典・参考資料(1件)
Q. 個人事業主や小規模なネットショップでも、カスタマーサポート代行を依頼できますか?
A. 個人事業主や小規模な事業者でも依頼できる会社があります。小規模・低価格のプランや、問い合わせ件数に応じた従量課金型を用意する会社なら、件数が少ない段階でも始めやすくなります。ただし会社によっては法人格を持つ企業のみを契約対象としている場合があるため、契約条件と最低料金を確認してください。
Q. カスタマーサポート代行の費用相場はどのくらいですか?
A. 料金は初期費用に加え、問い合わせ件数に応じた従量課金型と、席数や稼働時間に応じた月額固定型が中心で、多くは委託範囲や件数に応じた個別見積もりです。公開されている例では、小規模なプランで初期費用0円・月額1万円弱から、経験豊富なオペレーターによる体制では1回線あたり月額10万円程度からという水準が見られます。
問い合わせの波が大きく件数が読みにくい事業者は従量課金型、件数が安定して多く専任体制で品質を保ちたい事業者は月額固定型が向いています。受注処理や夜間対応をオプションで加えると費用が積み上がるため、委託範囲を決めたうえで見積もりを取るとよいでしょう。
Q. カスタマーサポート代行は、委託してから対応開始までどのくらいの期間がかかりますか?
A. 会社や委託範囲によりますが、マニュアルや応対フローの整備・研修を経て立ち上がるため、短いケースでも数週間程度の準備期間を見込んでおく必要があります。特に繁忙期の増員は業務共有と研修に時間がかかるため、少なくとも1か月以上前から準備を始めるのが安全です。立ち上げに要する期間は会社ごとに差があるため、見積もり時に確認してください。
Q. カスタマーサポート代行は、多言語・外国語の問い合わせにも対応してもらえますか?
A. 外国語の問い合わせ対応に応じる会社もあり、メールでの受付を中心に対応するケースが多くあります。越境ECや訪日顧客の多い商材では、対応できる言語とチャネル(電話・メール・チャット)をあらかじめ確認しておくことが大切です。対応言語は会社ごとに幅があるため、自社の顧客層に必要な言語をカバーしているかを見積もり時に確かめてください。
Q. 既存の問い合わせ履歴やFAQ、応対マニュアルを引き継いでもらえますか?
A. 既存のFAQや応対マニュアルをもとに立ち上げる会社が多く、応対マニュアルやスクリプトの作成・更新まで請け負う会社もあります。これまでの問い合わせ履歴やNG回答の整理を共有するほど、代行会社が自社の方針に沿った応対を再現しやすくなります。委託前にFAQとNG回答を整え、応答速度の基準をあわせて取り決めておくと、品質を一定に保てます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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