毎年1月は、前年分の給与について、源泉徴収票を税務署へ、給与支払報告書を従業員の住所地の市区町村へ提出する時期です。給与支払報告書は「個人別明細書」と「総括表」の2種類で構成され、このうち総括表は、提出先ごとの内容をまとめる表紙にあたる集計票です。
総括表は市区町村ごとに様式が少しずつ異なり、個人別明細書のように源泉徴収票の内容をそのまま書き写すわけにはいきません。各欄に何を書くかで手が止まりやすく、特に「受給者総人員」と「報告人員」の違いや、普通徴収への切り替えの扱いは間違えやすいところです。
本記事では、総括表の各記入欄に何を書くかを一覧で整理し、受給者総人員と報告人員の数え方、提出先・提出期限・提出方法(eLTAXによる電子提出)までをまとめて解説します。手元の総括表を正しく記入し、期限内に提出するための参考にしてください。
目次
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給与支払報告書の総括表とは
給与支払報告書の総括表とは、提出先の市区町村へ出す個人別明細書を束ねる表紙にあたる集計票で、その市区町村に提出する人数や事業所の情報をまとめた書類です。給与支払報告書は、従業員一人ひとりの給与や控除を記載する「個人別明細書」と、それを市区町村ごとに集計する「総括表」の2つで構成されます。
個人別明細書の記載内容は税務署へ提出する源泉徴収票とほぼ同じで、源泉徴収票を作成していれば書き写せます。一方、総括表は提出先の市区町村ごとに作成し、受給者の総数や特別徴収・普通徴収の人数など、個人別明細書にはない集計情報を記入します。
総括表の様式の入手先(総務省・市区町村)
総括表の様式は、総務省が定める「給与支払報告書(総括表)」(第十七号様式)が基本です。実際に使う用紙は、提出先の市区町村から前年の11月〜12月ごろに事業所へ送付されることが多く、各市区町村のウェブサイトからPDFやExcelでダウンロードもできます。
市区町村が独自に作成した様式は、総務省の様式を基礎としつつ、指定番号欄や普通徴収の区分欄などで表記が少しずつ異なります。自社様式での提出を認めつつ市区町村の様式の添付を求める自治体もあるため、提出先から用紙が届いた場合はその様式を使い、届かない場合は提出先の市区町村の最新様式を確認してください。
出典・参考資料(1件)
総括表の記入欄一覧|各欄に何を書くか
ここからは、総括表の各記入欄に何を書くかを一覧で整理します。欄の名称は総務省の第十七号様式に基づいています。市区町村の様式では欄の配置や名称が多少異なる場合があるため、手元の様式と照らし合わせながら確認してください。
| 指定番号 | 給与の支払期間 | 給与支払者の個人番号又は法人番号 | 事業種目 | 給与支払者の氏名又は名称 | 所得税の源泉徴収をしている事務所又は事業の名称 | 同上の所在地 | 給与支払者が法人である場合の代表者の氏名 | 連絡者の氏名、所属課、係名及び電話番号 | 関与税理士等の氏名及び電話番号 | 受給者総人員 | 報告人員 | 所轄税務署名 | 給与の支払方法及びその期日 | 納入書の送付 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 書く内容 | 市区町村が事業所ごとに付番する番号 | 報告対象の前年分の給与の支払期間 | 事業所のマイナンバー(個人事業主)または法人番号 | 事業の内容(業種) | 事業所の名称または個人事業主の氏名 | 実際に給与を支払い源泉徴収をしている事務所・事業所の名称 | 上記事務所・事業所の郵便番号と所在地 | 経理責任者の職名と氏名 | 市区町村からの問い合わせ窓口となる担当者の情報 | 申告に関与した税理士等がいる場合のその氏名と電話番号 | 1月1日現在で給与の支払を受けている従業員の総人員 | その市区町村へ個人別明細書を提出する人員(特別徴収対象者・普通徴収対象者(退職者)・普通徴収対象者(退職者を除く)・合計) | 事業所を所轄する税務署の名称 | 給与の支払形態と支払日 | 特別徴収税額の納入書の送付が必要か不要か |
| 記入のポイント | 市区町村から送付された用紙に印字されている。初めて提出する場合は空欄のままでよい | 「令和○年1月分から12月分まで」のように前年1月〜12月を記載する | 法人は13桁の法人番号、個人事業主は12桁の個人番号を記載する | 製造業、小売業、建設業などを記載する | 法人は法人名、個人事業主は屋号と氏名を記載する | 本社とは別の事業所で源泉徴収している場合はその事業所名を記載する | 個人事業主で事業所を持たない場合は自宅住所を記載する | 代表取締役名と誤解しやすいが、記載要領では経理責任者の職氏名を書くとされている | 実務を担当する人事・給与担当者を記載しておくと問い合わせがスムーズになる | いない場合は空欄でよい | 提出先の市区町村に住む人だけでなく、全従業員の数を記載する(詳細は次章) | 合計は添付する個人別明細書の枚数と一致させる(詳細は次章) | 源泉所得税を納付している税務署名を記載する | 「月給 毎月25日」のように支払形態と期日を記載する | 金融機関の窓口で納付する場合は「必要」、eLTAXや口座振替を利用する場合は「不要」を選ぶ |
※欄名・記載内容は総務省の第十七号様式および記載要領に基づきます。市区町村の様式では細部が異なる場合があるため、提出先の最新様式をご確認ください。
出典・参考資料(1件)
「受給者総人員」と「報告人員」の違いと数え方
総括表でつまずきやすいのが、「受給者総人員」と「報告人員」の違いです。2つは数える範囲が異なり、混同すると人数が合わなくなります。まず両者の違いと報告人員の内訳を整理すると、次のとおりです。

- 受給者総人員:1月1日現在で、その事業所から給与の支払を受けている従業員の総人員です。正社員のほか、パート・アルバイト・役員など給与を支払っている人も含め、住んでいる市区町村を問わず全員を数えます。
- 報告人員:提出先の市区町村へ個人別明細書を提出する人員です。その市区町村へ報告する対象となる従業員を数えます。
受給者総人員はどの市区町村向けの総括表でも同じ(全従業員数)ですが、報告人員は提出先ごとに変わります。たとえば1月1日現在の在籍者が30名で、A市に住む人が5名、B市に住む人が3名であれば、A市向けの総括表は受給者総人員30名・報告人員5名、B市向けは受給者総人員30名・報告人員3名となります。
注意したいのは、報告人員は受給者総人員の単純な内訳ではない点です。受給者総人員は1月1日時点で在籍している人を数えるため、前年の途中で退職した従業員は含まれません。一方、報告人員は「個人別明細書を提出する人」を数えるので、前年途中で退職し、その市区町村へ報告する対象となる人は報告人員(普通徴収対象者(退職者))に含めます。退職者をどの市区町村へ報告するかは提出先の案内で確認してください。
報告人員は、徴収方法ごとに次の3つの区分へ分けて記入します。
- 特別徴収対象者:給与からの天引き(特別徴収)で住民税を納める人の人数
- 普通徴収対象者(退職者):退職して本人が自分で納める(普通徴収)人のうち、退職者の人数
- 普通徴収対象者(退職者を除く):退職以外の理由で普通徴収になる人の人数
- 報告人員の合計:上記3区分の合計(=その市区町村へ添付する個人別明細書の枚数)
総務省の記載要領でも、各欄を次のように定めています。
出典:給与支払報告書(総括表)第十七号様式 記載要領|総務省
- 「受給者総人員」欄には、1月1日現在において給与の支払をする事務所、事業所等から給与等の支払を受けている者の総人員を記載してください。
- 「特別徴収対象者」欄には、提出先の市町村に対して「給与支払報告書(個人別明細書)」を提出する者で、特別徴収の対象となるものの人員を記載してください。
- 「普通徴収対象者(退職者)」欄には、提出先の市町村に対して「給与支払報告書(個人別明細書)」を提出する者で、普通徴収の対象となるもののうち退職者の人員を記載してください。
- 「普通徴収対象者(退職者を除く)」欄には、提出先の市町村に対して「給与支払報告書(個人別明細書)」を提出する者で、普通徴収の対象となるもののうち退職者を除いた人員を記載してください。
- 「報告人員の合計」欄には、「特別徴収対象者」欄、「普通徴収対象者(退職者)」欄及び「普通徴収対象者(退職者を除く)」欄の人員の合計を記載してください。
報告人員の3区分はいずれも「提出先の市区町村へ個人別明細書を提出する者」の人員です。そのため、報告人員の合計は、その市区町村へ添付する個人別明細書の枚数と必ず一致します。合計と明細書の枚数が合わないときは、どこかの区分の数え間違いか、明細書の添付漏れが疑われるため、提出前に照合しておくと安心です。
普通徴収切替理由書(普A〜普F)と総括表の普通徴収人数の整合
給与所得者の住民税は、原則として事業所が毎月の給与から天引きして納める特別徴収です。一定の要件に当てはまる従業員だけ、本人が自分で納める「普通徴収」に切り替えられます。普通徴収を希望する場合は、総括表の普通徴収人数を記入したうえで「普通徴収切替理由書(兼仕切書)」を提出し、該当する理由の符号を示す必要があります。
この理由の符号は、東京都内の全市区町村が用いる統一基準では「普A」〜「普F」の6区分で定められています。たとえば東京都の統一基準では、次のように区分されています。
出典:給与支払報告書提出について(東京都統一基準)|板橋区
- 普A 総従業員数が2名以下
- 普B 他の事業所で特別徴収されている方(乙欄該当者等)
- 普C 給与が少なく税額が引けない方
- 普D 給与の支払いが不定期の方(例:給与の支払いが毎月でない等)
- 普E 事業専従者の方(個人事業主のみ対象)
- 普F 退職又は退職予定(令和8年5月末まで)の方 休職又は休職予定の方も対象になります。
この符号の区分や数は全国一律ではなく、都道府県や市区町村によって異なります。上記はあくまで東京都内の例であり、提出先がほかの地域の場合は、その市区町村の最新の様式と案内で符号の内容を確認してください。
地域によって符号や区分は違いますが、総従業員数が少ない・給与が少なく住民税を天引きできない・退職や退職予定といったケースは、多くの市区町村で普通徴収への切り替えが認められています。自社が該当するかは、提出先の市区町村のウェブサイトで「普通徴収切替理由書」の案内を確認してください。
整合の面では、総括表の普通徴収人数(退職者+退職者を除く)と、普通徴収切替理由書に記入した符号ごとの人数の合計が一致している必要があります。切替理由書を提出しない場合や、記載に不備がある場合は特別徴収として扱われます。
eLTAXで電子提出する場合は切替理由書の添付が不要で、普通徴収の区分と各従業員の摘要欄への符号記入で足りる市区町村が多いため、提出方法に応じた扱いも確認しておきましょう。
総括表の提出先・提出期限・提出方法
総括表は、個人別明細書とともに給与支払報告書として提出します。提出先・提出期限は地方税法で定められており、その根拠となる条文は次のとおりです。
一月一日現在において給与の支払をする者(中略)で、当該給与の支払をする際所得税法第百八十三条の規定により所得税を徴収する義務があるものは、同月三十一日までに、総務省令で定めるところにより、当該給与の支払を受けている者についてその者に係る前年中の給与所得の金額その他必要な事項を当該給与の支払を受けている者の同月一日現在における住所所在の市町村別に作成された給与支払報告書に記載し、これを当該市町村の長に提出しなければならない。
出典:地方税法 第317条の6第1項|e-Gov法令検索
ここから、提出先と提出期限が読み取れます。
- 提出先:従業員の1月1日現在の住所地の市区町村です。従業員が住む市区町村ごとに、総括表と個人別明細書を作成して提出します。
- 提出期限:1月31日までです。条文は「1月1日現在」の状況を「同月31日まで」に提出すると定めています。31日が土日祝に当たる年は、翌開庁日が期限になります。たとえば2027年1月に提出する分は、1月31日が日曜日のため、翌開庁日の2月1日が期限です。
提出方法は、eLTAX(地方税のオンライン手続きシステム)による電子提出、光ディスク等(CD・DVDなど)による提出、紙の書面による郵送・窓口提出の3通りです。紙で提出する場合は、総括表を一番上に置き、個人別明細書や普通徴収切替理由書を添えて提出します。
電子的な方法(eLTAX・光ディスク等)が義務になる人数基準
一定の枚数以上の法定調書を提出する事業者は、給与支払報告書もeLTAXまたは光ディスク等で提出することが義務づけられています。この人数基準は、給与支払報告書そのものの枚数ではなく、税務署へ提出する源泉徴収票の提出枚数で判定します。
判定の対象は、前々年(基準年)に提出すべきであった源泉徴収票の枚数です。国税庁の案内では、この枚数が「30枚以上(令和8年12月31日以前に提出する法定調書については100枚以上)」の場合に、電子的な方法での提出義務が生じるとされています。
具体的には、令和8年(2026年)12月31日以前の提出分は100枚以上、令和9年(2027年)1月1日以後の提出分は30枚以上が基準で、対象となる枚数が引き下げられます。源泉徴収票がこの基準に達する事業者は、給与支払報告書もeLTAX等での提出が必要になります。
たとえば2027年1月に提出する分は、前々年にあたる2025年(令和7年)に提出した源泉徴収票が30枚以上であれば、電子的な方法での提出義務の対象になります。自社が対象かどうかは、基準年に提出した源泉徴収票の枚数で確認してください。
出典・参考資料(2件)
給与支払報告書を提出しないとどうなる(未提出の罰則)
給与支払報告書の提出は事業者の義務で、提出しなかったり虚偽の記載をしたりした場合には罰則が定められています。地方税法は次のように規定しています。
前条第一項から第四項までの規定により提出すべき給与支払報告書、届出書若しくは公的年金等支払報告書を提出しなかつたとき、又は虚偽の記載をした給与支払報告書、届出書若しくは公的年金等支払報告書を提出したときは、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
出典:地方税法 第317条の7第1項|e-Gov法令検索
ここでいう拘禁刑は、2025年6月に懲役と禁錮を一本化して設けられた刑です。さらに、同条の両罰規定により、違反行為をした担当者だけでなく、その法人または事業主本人に対しても罰金刑が科され得ます。期限内の正確な提出は、こうしたリスクを避けるうえでも欠かせません。
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提出前後に誤りや異動があったときの扱い
総括表や個人別明細書は、提出前後に誤りや変更が見つかることがあります。ここでは、誤りの是正(訂正・追加・取消)と、人の異動(退職・転出・住所変更)に分けて実務上の扱いを整理します。具体的な手続きは市区町村によって異なるため、詳細は提出先へ確認してください。
訂正・追加・取消のしかた
提出前に誤りに気づいた場合は、該当箇所を正しい内容に直してから提出します。提出後に誤りに気づいた場合は、訂正後の個人別明細書を作り直し、総括表の余白に「訂正」と記したうえで、訂正する分の個人別明細書のみを再提出するのが一般的な扱いです。
提出し忘れた従業員がいた場合は、総括表に「追加」と記し、追加する個人別明細書を提出します。反対に、提出が不要だった人を誤って提出した場合は、取消の旨を市区町村へ連絡します。いずれの場合も、どの従業員の分かが分かるよう氏名などを明示しておくと処理がスムーズです。
退職・転出・住所変更があったとき
前年の途中で退職した従業員も、原則として給与支払報告書の提出対象です。退職者は普通徴収の対象となるため、総括表では普通徴収対象者(退職者)に計上し、個人別明細書の摘要欄に退職日を記載します。普通徴収切替理由書では退職の符号(東京都の例では普F)を用います。ただし、前年中の給与が一定額以下の退職者は提出を省略できる場合がありますが、市区町村によって扱いが異なるため確認が必要です。
提出後に従業員が退職・転出した場合や、1月1日時点の住所地を誤って提出した場合は、「給与所得者異動届出書」を提出して訂正します。年の途中で他の市区町村へ引っ越した従業員は、1月1日現在の住所地の市区町村へ提出するのが原則です。住所や名称に変更があったときは、提出済みの総括表の該当箇所を直して市区町村へ届け出ます。
毎年の総括表・給与支払報告書の作成を外部に任せるには
総括表と個人別明細書の作成、普通徴収の区分の整理、eLTAXでの提出は、毎年1月に年末調整と並行して発生するため、担当者の負担が集中しやすい業務です。この一連の作業を自社で抱えきれない場合は、給与計算アウトソーシングに委託する方法があります。給与支払報告書のデータ作成から市区町村への提出まで、年末調整業務の一部として対応する事業者を選べば、毎年の作業負荷を抑えられます。
ここでは、給与支払報告書の作成・提出に対応する給与計算アウトソーシングを紹介します。提供形態や料金体系、対応できる業務範囲はサービスごとに異なるため、自社の規模や任せたい範囲に合わせて比較してください。
| サービス名 | COMIT HR | 税理士法人YFPクレア | つばさ会計事務所 | ジャパン・ビジネス・サービス(JBS) |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | 給与計算特化型 | 税理士法人系 | 会計事務所+士業連携 | 労務・バックオフィス代行型 |
| 給与支払報告書の作成 | ● | ● | ● | ● |
| 給与支払報告書の提出・発送 | ●電子申告(提携税理士法人) | ●電子申告 | ● | ●発送・提出リスト作成 |
| 対応規模 | 明記なし(導入事例 約400〜1,100名) | 1名から(100名以上も対応可) | 明記なし(導入事例 50名・200名) | 明記なし(導入事例 約180〜26,000名) |
| 料金の起点 | 要問い合わせ (価格シミュレーションあり) | 初期費用0円/月額1〜5名 一律10,000円、6〜20名 1名1,700円(税別) | 月額20,000円から | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金・対応範囲は2026年10月時点で各社の公式サイトに基づきます。最新の内容・費用は各サービスの公式情報をご確認ください。
1. COMIT HR(株式会社InfoDeliver)

株式会社InfoDeliverが提供する給与計算特化型の人事労務BPOサービスです。給与計算を基盤に、勤怠管理・社会保険手続き・年末調整・入退社手続きなどを、委託したい範囲だけ組み合わせて任せられます。
年末調整業務として「市町村送付用の給与支払報告書データ作成」を標準で対応し、法定調書・給与支払報告書の電子申告は提携税理士法人が実施します。社会保険の手続きは提携する社会保険労務士法人が担当するため、法令で資格が必要な業務の責任分担が明確です。料金は要問い合わせで、公式サイトに人数や業務量を入力する価格シミュレーションが用意されています(公式の導入事例は従業員400〜1,100名規模)。
2. 税理士法人YFPクレア 給与計算アウトソーシング(税理士法人YFPクレア)

税理士法人YFPクレアが1名から受け付ける給与計算の代行サービスです。基礎情報の入力から税額・保険料の計算、給与明細の発行までを委託でき、勤怠のタイムカード集計や給与振込代行などもオプションで追加できます。
年末調整の代行では、各種申告書の確認から源泉徴収票の発行、給与支払報告書の電子申告まで対応します。料金は初期費用・基本料金が0円で、月額は1〜5名が一律10,000円、6〜20名は1名あたり1,700円(いずれも税別)と公開されており、給与計算を依頼すると年末調整の基本料金が0円になります。小規模から料金が明確なため、年次の作業だけを切り出して任せたい企業が検討しやすいサービスです。
3. つばさ会計事務所(株式会社つばさ会計事務所)

東京・千代田区の株式会社つばさ会計事務所による給与計算・社会保険業務のアウトソーシングです。月次給与計算・賞与計算・年末調整を受託し、社会保険・労働保険の手続きは提携する社会保険労務士事務所が担当します。
年末調整の受託では、源泉徴収票の作成に加え、給与支払報告書の作成・提出、住民税の年度更新処理まで対応します。料金は月額20,000円からで、公式サイトには飲食業50名の給与計算代行で月65,000円、卸売業200名の年末調整で220,000円といった導入例が掲載されています。給与計算と社会保険・労働保険の窓口を一本化でき、委託先が分かれることによる連絡の行き違いを防げる点が特徴です。
4. ジャパン・ビジネス・サービス(株式会社ジャパン・ビジネス・サービス)

キャリアリンクグループの株式会社ジャパン・ビジネス・サービス(JBS)が提供する人事・給与BPOです。システム選定から給与計算実務、業務フローの改善提案までを、東京・大阪・札幌の拠点から支援する労務・バックオフィス代行型のサービスです。
年次メニューに「給与支払報告書(1月)」があり、年末調整の標準サービスとして給与支払報告書の作成・発送、仕分・提出リストの作成まで対応します。顧客の既存システム・共同で選定したパッケージ・自社のWebシステムという3通りの運用形態に対応するため、現在の給与システムを変えずに実務だけを委託することもできます。料金は要問い合わせで、社会保険手続きはオプションとして提携社労士法人が担当します。
ここで取り上げたのは、給与支払報告書に対応するサービスの一例です。対応できる業務範囲や料金体系、従業員規模に応じた選び方まで含めて給与計算アウトソーシング全体を比較検討したい場合は、次の記事で詳しく解説しています。
給与計算アウトソーシングおすすめ34選を比較|業務範囲・料金体系・規模別の選び方
毎月の給与計算や賞与計算、年末調整、社会保険の手続きに、特定の担当者が追われていないでしょうか。社会保険料率や税制は毎年のように改正され、その都度の確認作業まで含めると、経理や人事、総務の少人数体制では業務が属人化しやすくなります。担当者が…
まとめ
給与支払報告書の総括表は、市区町村ごとに作成する個人別明細書の表紙にあたる集計票です。各記入欄には、事業所の情報や受給者総人員・報告人員などを記載し、報告人員の合計は添付する個人別明細書の枚数と一致させます。普通徴収を希望する場合は、総括表の人数と普通徴収切替理由書の符号ごとの人数を合わせる点にも注意が必要です。
提出先は従業員の1月1日現在の住所地の市区町村、提出期限は1月31日(休日に当たる年は翌開庁日)です。源泉徴収票の提出枚数が基準に達する事業者は、eLTAXや光ディスク等での電子提出が義務になります。毎年の作成・提出の負担が大きい場合は、給与支払報告書に対応する給与計算アウトソーシングへの委託も選択肢になります。自社の規模や任せたい範囲に合わせて、複数社の資料を比較して検討してください。
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給与支払報告書・総括表に関するよくある質問(FAQ)
Q. 給与支払報告書の総括表とは何ですか?
A. 総括表とは、市区町村ごとに提出する個人別明細書を束ねる表紙にあたる集計票で、その市区町村へ提出する人数や事業所の情報をまとめた書類です。給与支払報告書は従業員一人ひとりの給与や控除を記載する「個人別明細書」と、それを市区町村ごとに集計する「総括表」の2つで構成され、総括表は提出先の市区町村ごとに1枚作成します。
Q. 総括表と個人別明細書は何が違いますか?
A. 個人別明細書は従業員一人ひとりの給与・控除を記載する書類(内容は源泉徴収票とほぼ同じ)で、総括表はそれを市区町村ごとに束ねて人数や事業所情報を集計する表紙です。個人別明細書は源泉徴収票から書き写せますが、総括表には受給者総人員・報告人員といった個人別明細書にはない集計情報を記入します。
Q. 総括表は市区町村ごとに作成しなければなりませんか?
A. はい、総括表は従業員が住む市区町村ごとに1枚ずつ作成します。給与支払報告書は従業員の1月1日現在の住所地の市区町村へ提出するため、従業員が複数の市区町村に住んでいる場合は、その数だけ総括表と個人別明細書のセットを用意します。
Q. 総括表の「指定番号」が分からない・空欄のときはどう書けばよいですか?
A. 指定番号は市区町村が事業所ごとに付番する番号で、分からない場合や初めて提出する場合は空欄のままで差し支えありません。市区町村から送付された用紙にはあらかじめ印字されていることが多いため、手元に通知があればその番号を転記します。
Q. 総括表の「代表者の氏名」欄には代表取締役の氏名を書くのですか?
A. 総務省の記載要領では、この欄には代表取締役名ではなく経理責任者の職名と氏名を記載することとされています。代表者名と誤解しやすい欄ですが、市区町村からの問い合わせ先となる経理責任者を書くのが正しい扱いです。
出典・参考資料(1件)
Q. 総括表の「納入書の送付」欄は必要・不要のどちらを選べばよいですか?
A. 金融機関の窓口で住民税を納付する場合は「必要」、eLTAXや口座振替で納付する場合は「不要」を選びます。納入書は特別徴収した住民税を納めるための用紙なので、電子的に納付する事業所では送付を受けなくても納付できます。
Q. 「受給者総人員」と「報告人員」はどう違いますか?
A. 受給者総人員は1月1日現在の全従業員を数えた人数、報告人員はその市区町村へ個人別明細書を提出する従業員を数えた人数です。報告人員には前年途中の退職者も含むため、受給者総人員の単純な内訳ではありません。受給者総人員はどの市区町村向けの総括表でも同じ数になりますが、報告人員は提出先ごとに変わります。
Q. 報告人員の合計が個人別明細書の枚数と合わないときはどうすればよいですか?
A. 報告人員の合計は、その市区町村へ添付する個人別明細書の枚数と必ず一致するため、合わないときは各区分の数え間違いか明細書の添付漏れを確認します。報告人員の3区分(特別徴収対象者・普通徴収対象者(退職者)・普通徴収対象者(退職者を除く))はいずれも「その市区町村へ明細書を提出する人」なので、提出前に合計と枚数を照合しておくと安心です。
Q. 従業員を普通徴収(本人納付)にできるのはどのような場合ですか?
A. 住民税は原則として給与から天引きする特別徴収で、普通徴収にできるのは総従業員数が少ない・給与が少なく税額が引けない・退職予定など、市区町村が定める一定の要件に当てはまる従業員に限られます。
たとえば東京都内の全市区町村が用いる統一基準では「普A(総従業員数が2名以下)」から「普F(退職・退職予定)」までの6区分が定められていますが、符号の内容や区分数は地域によって異なるため、提出先の最新様式で確認してください。
出典・参考資料(1件)
Q. 普通徴収切替理由書は必ず提出しなければなりませんか?
A. 紙で提出する場合は、普通徴収を希望する従業員について普通徴収切替理由書を添付し、提出しない場合や記載に不備がある場合はその従業員は特別徴収として扱われます。ただしeLTAXで電子提出する場合は切替理由書の添付が不要で、普通徴収の区分と摘要欄への符号記入で足りる市区町村が多いため、提出方法に応じて確認してください。
Q. 全従業員をまとめて普通徴収にすることはできますか?
A. 原則としてできません。給与所得者の住民税は特別徴収が原則で、普通徴収にできるのは要件に該当する従業員だけです。要件に当てはまらない従業員は、切替理由書を出しても特別徴収として処理されます。
Q. 総括表の提出先はどこの市区町村になりますか?
A. 総括表の提出先は、従業員の1月1日現在の住所地の市区町村です。事業所の所在地ではなく従業員が住む市区町村が基準となるため、従業員が住む市区町村ごとに総括表と個人別明細書を作成して提出します。
Q. 総括表の提出期限はいつですか?
A. 総括表の提出期限は、原則として毎年1月31日です。地方税法は「1月1日現在」の状況を「同月31日まで」に提出すると定めており、1月31日が土日祝に当たる年は翌開庁日が期限になります(たとえば2027年1月に提出する分は、1月31日が日曜のため2月1日が期限です)。
出典・参考資料(1件)
Q. 総括表はどのような方法で提出できますか?
A. 総括表は、eLTAX(地方税のオンライン手続きシステム)による電子提出、光ディスク等による提出、紙の書面による郵送・窓口提出の3通りで提出できます。紙で提出する場合は、総括表を一番上に置き、個人別明細書や普通徴収切替理由書を添えて提出します。
Q. 総括表をeLTAX(電子)で提出することが義務になるのはどのような場合ですか?
A. 税務署へ提出する源泉徴収票の枚数が基準に達する事業者は、給与支払報告書(総括表・個人別明細書)もeLTAXまたは光ディスク等で提出することが義務づけられます。判定は給与支払報告書の枚数ではなく、源泉徴収票の提出枚数で行います。
前々年の提出枚数が「30枚以上(令和8年〈2026年〉12月31日以前に提出する分は100枚以上)」の場合に電子的な提出義務が生じます。令和9年(2027年)1月1日以後の提出分からは、基準が100枚以上から30枚以上に引き下げられます。
Q. 紙で提出するとき、総括表と個人別明細書はどの順番で重ねますか?
A. 紙で提出する場合は、総括表を一番上に置き、その下に個人別明細書、普通徴収を希望する場合は普通徴収切替理由書を添えて重ねます。市区町村ごとにこのセットを作り、封筒の表に「給与支払報告書在中」と記して送付すると処理がスムーズです。
Q. 総括表の副本(控え)は提出する必要がありますか?
A. 多くの市区町村では副本の提出は不要とされており、正本のみを提出すれば足ります。ただし取り扱いは市区町村によって異なるため、提出先の案内で副本の要否を確認し、控えが必要な場合は自社用にコピーを残しておきます。
Q. 市区町村から総括表の用紙が送られてこない場合はどうすればよいですか?
A. 用紙が届かない場合は、提出先の市区町村のウェブサイトから最新様式をダウンロードするか、自社の給与ソフトの様式を使って作成すれば提出できます。eLTAXで電子提出する場合はそもそも紙の用紙が不要です。前年に提出実績があっても送付されないことがあるため、用紙の有無にかかわらず期限内に提出できるよう準備します。
Q. 総括表は自社や給与ソフトの様式で提出してもよいですか?
A. 総務省の第十七号様式を基礎としていれば、自社や給与ソフトで作成した様式で提出できる市区町村が多いです。ただし、自社様式での提出を認めつつ市区町村の様式の添付を求める自治体もあるため、提出先から用紙が届いた場合はその様式を使い、届かない場合は提出先の最新様式を確認してください。
Q. 対象となる従業員がいない市区町村にも総括表を提出する必要がありますか?
A. その市区町村に1月1日現在で住む従業員がいなければ、総括表を作成・提出する必要はありません。総括表は従業員が住む市区町村ごとに作成するものなので、提出先となるのは実際に従業員が住んでいる市区町村だけです。前年に送付された用紙が届いても該当者がいない場合は、提出先へその旨を連絡しておくと行き違いを防げます。
Q. 給与支払報告書・総括表の提出が不要になるケースはありますか?
A. 給与支払報告書は原則としてすべての受給者について提出しますが、前年中の給与が一定額以下の退職者などは提出を省略できる場合があります。ただし省略できる金額や条件は市区町村によって扱いが異なるため、省略できるかどうかは提出先へ確認してください。在職中の従業員の分は金額にかかわらず提出が必要です。
Q. 前年の途中で退職した従業員も総括表・給与支払報告書の対象になりますか?
A. 前年の途中で退職した従業員も、原則として給与支払報告書の提出対象です。退職者は普通徴収の対象となるため、総括表では「普通徴収対象者(退職者)」に計上し、個人別明細書の摘要欄に退職日を記載します。前年中の給与が一定額以下の退職者は提出を省略できる場合がありますが、扱いは市区町村で異なります。
Q. 提出後に従業員が退職・転居した場合はどうすればよいですか?
A. 提出後に従業員が退職・転居した場合や、1月1日時点の住所地を誤って提出していた場合は、「給与所得者異動届出書」を提出先の市区町村へ提出して訂正します。すでに提出した総括表・個人別明細書は作り直さず、異動届出書で変更内容を伝えます。
Q. 年の途中で引っ越した従業員はどの市区町村へ提出しますか?
A. 提出先は、あくまで従業員の1月1日現在の住所地の市区町村です。年の途中で他の市区町村へ引っ越した場合も、1月1日時点に住んでいた市区町村へ提出するのが原則で、提出後に判明した住所の誤りは異動届出書で訂正します。
Q. 海外赴任中の従業員の分はどう扱えばよいですか?
A. 1月1日現在で海外に居住し国内に住所がない従業員は、国内の市区町村の住民税の課税対象にならないため、給与支払報告書の提出は原則として不要です。ただし赴任の時期や国内居住の有無によって扱いが変わるため、判断に迷う場合は提出先となり得る市区町村へ確認してください。
Q. 前職分の給与がある従業員の給与支払報告書はどう扱いますか?
A. 前職分を含めて年末調整した従業員は、個人別明細書の摘要欄に前職の支払者名・支払金額・源泉徴収税額などを記載します。総括表の人員には通常どおり1名として計上するため、報告人員の数え方は変わりません。
Q. 総括表(給与支払報告書)を提出しないとどうなりますか?
A. 給与支払報告書を提出しなかったり虚偽の記載をしたりした場合、その違反行為をした者は一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金に処せられます。さらに両罰規定により、違反行為をした担当者だけでなく、その法人または事業主本人にも罰金刑が科され得ます。期限内の正確な提出が、こうしたリスクを避けるうえでも欠かせません。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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