従業員を雇うすべての事業では、毎年1回、労働保険料(労災保険料と雇用保険料)を国に申告・納付する「年度更新」の手続きがあります。前任者から経理や労務を引き継いだばかりだと、「いつまでに、いくつの期限を、どう払うのか」がすぐに分からず、不安になりがちです。
労働保険料の納付期限は、一括で払うか分割(延納)するか、口座振替を使うかによって日付が変わります。しかも10月31日や1月31日といった期限は、その日が土日に当たる年には後ろへずれるため、「今年は結局いつなのか」を年度ごとに確認する必要があります。
本記事では、令和8年度(2026年度)の労働保険料の申告・納付期限を、一括・分割・口座振替のパターン別に実際の日付で示し、分割納付の条件や自社のケース別の期限、期限を過ぎたときのリスクまでを解説します。
まずはカレンダーに書き込める期限を押さえ、そのうえで自社に合った納付方法と、毎年の手続き負担を減らす選択肢まで確認していきましょう。
目次
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まず結論:令和8年度の労働保険料はいつまでに納める?
労働保険料は、原則として毎年6月1日から7月10日までの間に申告・納付します(年度更新)。一括で納める場合の期限はこの7月10日で、令和8年度は7月10日(金)です。一定の条件を満たすと、3回に分けて納める「分割納付(延納)」も選べます。
注意したいのは、第2期・第3期の法定納期限(10月31日・1月31日)が土日に当たる年には、期限が翌営業日へずれる点です。令和8年度は10月31日が土曜、1月31日が日曜のため、第2期は11月2日(月)、第3期は2月1日(月)が期限になります。次の早見表に、令和8年度の納付期限を納付方法ごとにまとめました。
| 納付の区分 | 対象期間 | 法定納期限(原則) | 令和8年度の期限 | 口座振替の引落日(令和8年度) |
|---|---|---|---|---|
| 一括(延納しない場合) | 4/1〜翌3/31(年度全体の概算を一括) | 7月10日 | 7月10日(金) | 9月7日(月) |
| 分割 第1期(全期) | 4/1〜7/31(概算の約3分の1) | 7月10日 | 7月10日(金) | 9月7日(月) |
| 分割 第2期 | 8/1〜11/30 | 10月31日 | 11月2日(月)※10/31が土曜のため繰下げ | 11月16日(月) |
| 分割 第3期 | 12/1〜翌3/31 | 1月31日 | 2月1日(月)※1/31が日曜のため繰下げ | 2月15日(月) |
納付方法ごとの日付を時系列に並べると、令和8年度の1年の流れは次のとおりです。

自社が一括と分割のどちらになるかは、分割の要件で決まります。分割納付(延納)を使えるのは、概算保険料が40万円以上(労災・雇用の一方のみ成立なら20万円以上)、または労働保険事務組合に委託している場合で、それ以外は一括で納めます。
一括と分割のどちらでも、第1期(全期)の期限は7月10日です。分割を選んでも、申告書の提出は6月1日から7月10日までに済ませる必要がある点に注意してください。口座振替を使う場合は、引落日が法定納期限より約2か月後ろにずれるため、資金繰りの面でも余裕が生まれます。
出典・参考資料(3件)
- 出典:労働保険料の申告・納付|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/daijin/hoken/980916_3.htm)
- 出典:令和8年度労働保険年度更新について|千葉労働局(https://jsite.mhlw.go.jp/chiba-roudoukyoku/news_topics/r8nendokoushin.html)
- 出典:労働保険等の口座振替納付|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/hokenryou/index.html)
労働保険料の納付の基本(年度更新の仕組み)
納付期限を正しく読み解くために、年度更新の仕組みを押さえておきましょう。労働保険の保険年度は4月1日から翌年3月31日までで、年度更新では「前年度の確定保険料の精算」と「当年度の概算保険料の納付」を同時に行います。
当年度分は賃金総額の見込みにもとづいて概算で前払いし(概算保険料)、年度が終わってから実際の賃金総額で計算し直して過不足を精算します(確定保険料)。確定保険料の不足分も、翌年度の年度更新で概算保険料と一緒に納めるため、毎年6月1日から7月10日までの手続きに集約される仕組みです。また、確定保険料は分割(延納)の対象外で、一括で納めます。
概算保険料の申告・納付期限が7月10日になるのは、労働保険徴収法が「6月1日から40日以内」と定めているためです。
納付方法の選択肢(窓口・口座振替・電子納付)
労働保険料の納め方には、主に次の3つがあります。どの方法を選ぶかで、支払いのタイミングや手間が変わります。
- 窓口での現金納付:納付書を使って金融機関や所轄の労働局・労働基準監督署の窓口で納めます。期限は法定納期限(令和8年度は一括・第1期とも7月10日)です。
- 口座振替:指定口座から自動で引き落とされます。引落日は法定納期限より後ろにずれるのが特徴で、事前の申し込みが必要です(詳しくは口座振替の節で解説します)。
- 電子納付:e-Gov電子申請やペイジー(Pay-easy)、インターネットバンキングを使って納めます。電子申請で手続きする場合に利用でき、窓口に出向く手間を省けます。
一般拠出金も同じ時期に納付する
年度更新では、労働保険料に加えて「一般拠出金」も併せて申告・納付します。一般拠出金は、石綿(アスベスト)健康被害の救済にあてる費用を事業主全体で負担するもので、労働保険料とは別の制度ですが、納付のタイミングは年度更新と同じです。口座振替を利用する場合も、一般拠出金は振替の対象に含まれます。
出典・参考資料(2件)
- 出典:労働保険料の申告・納付|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/daijin/hoken/980916_3.htm)
- 出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第15条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000084)
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分割納付(延納)の条件と各期の納付期限
労働保険料は、一定の条件を満たすと年3回に分けて納められます。これを「延納」と呼びます。ここでは、分割できる条件と各期の期限、そして分割を選ぶべきかの判断材料を整理します。
分割できる条件(概算保険料40万円以上などの要件)
分割納付ができるのは、次のいずれかに当てはまる場合です。
- 概算保険料の額が40万円以上であること(労災保険・雇用保険のどちらか一方の保険関係のみが成立している事業は20万円以上)
- または、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していること
これらに当てはまる事業は、概算保険料を4月1日から7月31日まで・8月1日から11月30日まで・12月1日から翌年3月31日までの3期に分けて納められます。ただし、その保険年度の10月1日以降に保険関係が成立した事業は分割の対象外で、一括納付になります。分割の要件は、労働保険徴収法施行規則第27条に次のように定められています。
有期事業以外の事業であつて法第十五条第一項の規定により納付すべき概算保険料の額が四十万円(労災保険に係る保険関係又は雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業については、二十万円)以上のもの又は当該事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されているもの(当該保険年度において十月一日以降に保険関係が成立したものを除く。)についての事業主は、同項の申告書を提出する際に法第十八条に規定する延納の申請をした場合には、その概算保険料を、四月一日から七月三十一日まで、八月一日から十一月三十日まで及び十二月一日から翌年三月三十一日までの各期(…)に分けて納付することができる。
出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則 第27条第1項|e-Gov法令検索
各期の納付期限(法定納期限と令和8年度の繰下げ日)
分割納付の各期の法定納期限は、第1期(全期)が7月10日、第2期が10月31日、第3期が1月31日です。この日付は年度によって変わりませんが、期限が土曜日に当たるときはその翌々日、日曜日に当たるときはその翌日が納期限になります。
令和8年度は、第2期の10月31日が土曜、第3期の1月31日が日曜に当たります。このため、令和8年度の実際の納期限は第1期が7月10日(金)、第2期が11月2日(月)、第3期が2月1日(月)となります。「原則の日付」と「今年の実際の日付」を混同しないよう、自社のカレンダーには繰下げ後の日付を登録しておくと安全です。
分割納付を使うべきか(資金繰りと手間の判断材料)
分割納付は、1回あたりの支払額を抑えられるため、資金繰りに余裕を持たせたい場合に有効です。特に概算保険料が高額になる事業では、7月にまとめて納めるより、3回に分けたほうが資金繰りの波を小さくできます。
一方で、分割にすると納付の手続きが年3回に増え、第2期・第3期の期限管理が必要になります。支払額が大きくなく一度に納めても負担にならない場合は、一括のほうが管理はシンプルです。分割を選んだうえで口座振替を併用すると、各期の引き落としが自動化され、期限管理の手間を減らせます。
出典・参考資料(2件)
- 出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則 第27条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000008)
- 出典:労働保険料の申告・納付|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/daijin/hoken/980916_3.htm)
口座振替にした場合の引落日と申込締切
労働保険料は、口座振替でも納められます。口座振替の大きな特徴は、引落日が法定納期限より後ろにずれることです。納付のための窓口手続きが不要になり、期限を過ぎてしまう心配も減ります。
各期の引落日(令和8年度)
令和8年度の口座振替の引落日は、第1期(全期)が9月7日、第2期が11月16日、第3期が2月15日です。いずれも法定納期限(7月10日・10月31日・1月31日)より約1か月半から2か月後ろで、たとえば第1期は本来7月10日の期限が、口座振替なら9月7日の引き落としになります。引落日が土・日・祝日に当たる場合は、その後の最初の金融機関の営業日に引き落とされます。
口座振替では、納付書が金融機関に到達した日から2取引日を経過した最初の取引日までに納付されれば、法定納期限に納付したものとして扱われます。引落日が後ろにずれても延滞にはならない仕組みです。
いつまでに申し込めば使えるか(申込締切)
口座振替を利用するには、引き落としを希望する期の前に申し込みが必要です。令和8年度の申込締切(金融機関への提出日)は、全期・第1期が2月25日、第2期が8月14日、第3期が10月13日です。各期とも申込締切は引落日よりかなり前に設定されており、締切を過ぎると、その期からの口座振替は利用できません。
申込締切は引落日よりかなり前に設定されているため、来年度から口座振替を使いたい場合は、年度更新の時期に合わせて早めに手続きしておくことが大切です。ただし、一部のネット銀行では申込期限や提出先が通常と異なる場合があるため、利用する金融機関の案内も確認してください。
口座振替のメリットと注意点
口座振替のメリットは、引落日が後ろにずれて資金繰りに余裕が出ること、窓口に出向く手間がなくなること、そして引き落とし漏れによる延滞リスクを抑えられることです。概算保険料・確定保険料の不足額・一般拠出金が振替の対象になります。
注意点は、申込締切が早いため、使い始めるまでに時間差があることです。また、口座の残高が不足すると引き落としができず、延滞につながるおそれがあります。引落日の前には残高を確認しておきましょう。
出典・参考資料(1件)
口座振替を使った年度更新の申し込み手順や、引き落としまでの流れを具体的に確認したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
自社のケース別の納付期限
ここまでは、年度の初めから事業を続けている一般的なケースを前提にしてきました。年度の途中で事業を始めた場合や、事務組合に委託している場合、建設業などの事業では、納付期限や分割の条件が変わります。自社が当てはまるケースを確認してください。
年度途中(4〜5月/6〜9月)に成立した場合の分割期間
保険年度の途中で保険関係が成立した事業でも、概算保険料が分割の要件を満たせば延納できます。ただし、分割の期と期間は成立時期によって変わります。
- 4月1日〜5月31日に成立:第1期(成立日〜7月31日)・第2期(8月1日〜11月30日)・第3期(12月1日〜翌3月31日)の3期。第1期の納期限は成立した日の翌日から50日以内、第2期は10月31日、第3期は1月31日。
- 6月1日〜9月30日に成立:第1期(成立日〜11月30日)・第2期(12月1日〜翌3月31日)の2期。第1期の納期限は成立した日の翌日から50日以内、第2期は1月31日。
成立日からの日数を数えるときは、国税通則法の規定により初日を算入しません。
10月1日以降に成立した場合(分割不可・一括)
その保険年度の10月1日以降に保険関係が成立した事業は、分割(延納)が認められません。成立した日から3月31日までの期間の保険料を一括して納めます。この場合の申告・納付期限は、保険関係が成立した日の翌日から50日以内です。
労働保険事務組合に委託している場合の納期限
労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合、第2期・第3期の納期限が通常より後ろに設定されます。納期限が10月31日のものは原則として11月14日、1月31日のものは原則として2月14日です。
これらの日付も土日の繰下げの対象です。令和8年度は11月14日が土曜、2月14日が日曜に当たるため、事務組合に委託している場合の令和8年度の納期限は第2期が11月16日(月)、第3期が2月15日(月)になります。この日付は令和8年度ではたまたま口座振替の引落日と一致しますが、事務組合の納期限と口座振替の引落日は別の制度によるものです。
一方の保険関係のみ成立する事業(建設業などの二元適用事業)の分割基準(概算保険料20万円以上)
建設業や農林水産業などの二元適用事業では、労災保険と雇用保険を別々に扱います。労災保険・雇用保険のどちらか一方の保険関係のみが成立している事業では、分割納付ができる概算保険料の基準が20万円以上に下がります(一般の事業は40万円以上)。自社が二元適用事業に当たる場合は、この20万円の基準で分割の可否を判断します。
有期事業(建設工事・立木伐採など)の分割基準(概算保険料75万円以上)
一つの工事や作業のように期間が定まっている有期事業(建設工事や立木の伐採など)では、分割の基準が異なります。事業の全期間が6か月を超え、かつ概算保険料の額が75万円以上のものは、おおむね継続事業に準じた方法で分割納付が認められます。
出典・参考資料(2件)
- 出典:労働保険料の申告・納付|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/daijin/hoken/980916_3.htm)
- 出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第15条・施行規則第27条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000084)
賃金が大きく増えたときの追加納付(増加概算保険料)
年度の途中で従業員が増えるなどして賃金総額の見込みが上がった場合、当初の概算保険料では足りなくなることがあります。このときは「増加概算保険料」として、差額を追加で申告・納付します。
追加納付が必要になるのは、増加後の賃金総額の見込みが当初の2倍を超え、かつ増加後の概算保険料と納付済みの概算保険料との差額が13万円以上になる場合です。この要件に当てはまったら、その日から30日以内に差額の申告・納付が必要です。賃金が増えても2倍以下、または差額が13万円未満であれば、増加概算保険料の手続きは不要で、翌年度の確定精算で調整されます。
法第十六条の厚生労働省令で定める要件は、増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎額の見込額の百分の二百を超え、かつ、増加後の保険料算定基礎額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が十三万円以上であることとする。
出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則 第25条第1項|e-Gov法令検索
出典・参考資料(1件)
- 出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第16条・施行規則第25条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000084)
納付期限を過ぎるとどうなるか(延滞金・追徴金・督促)
納付期限を過ぎてしまうと、本来の保険料に加えてペナルティが発生することがあります。「遅れたらどうなるか」を事前に知っておけば、期限管理の優先度も見えてきます。
まず、保険料を納めない事業主には、政府が期限を指定して督促を行います。督促状で指定される期限は、督促状を発する日から10日以上を経過した日とされ、その期限までに納めないと、国税滞納処分の例によって財産の差し押さえなどの処分を受ける可能性があります。
督促を受けると、延滞金も発生します。延滞金は、納期限の翌日から完納または財産差し押さえの日の前日までの日数に応じて計算され、本則の割合は年14.6%(納期限の翌日から2か月を経過する日までは年7.3%)です。
ただし、実際に適用される率は、各年度に財務大臣が告示する基準にもとづく特例により、本則より低くなる年があります。具体的な率は年度ごとに変わるため、最新の率は所轄の都道府県労働局の案内で確認してください。また、保険料の額が1,000円未満のときは延滞金はかかりません。
政府は、前条第一項の規定により労働保険料の納付を督促したときは、労働保険料の額に、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じ、年十四・六パーセント(当該納期限の翌日から二月を経過する日までの期間については、年七・三パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。ただし、労働保険料の額が千円未満であるときは、延滞金を徴収しない。
出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第28条第1項|e-Gov法令検索
さらに、申告書を提出しなかったり、記載に誤りがあったりすると、政府が保険料の額を決定します(認定決定)。この認定決定によって納める保険料や不足額には、原則としてその額の10%にあたる追徴金が加算されます。期限内の正しい申告・納付が、こうした余計な負担を避ける最善の方法です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第19条・第21条・第27条・第28条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000084)
年度更新・労働保険の手続き負担を減らすには
労働保険料の納付は、期限を押さえるだけでなく、概算保険料の計算や申告書の作成、毎年の期日管理まで含めると、担当者にとって負担の大きい業務です。負担を減らすには、口座振替で引き落としを自動化して期限管理を軽くする方法のほか、年度更新や労働保険の手続きそのものを外部に委託する選択肢があります。
給与計算アウトソーシングや社会保険労務士に委託すると、賃金集計から申告書の作成・提出代行までを任せられ、専任の担当者を置きにくい中小企業でも年度更新を滞りなく進められます。ここでは、労働保険の年度更新を含む手続きに対応するサービスを紹介します。委託できる範囲や料金はサービスごとに異なるため、自社の業務範囲に合うかを確認しましょう。
| サービス名 | エスペイロール | YFPクレア | アクタス | 小林労務 | 東京丸の内社会保険労務士法人 | 社会保険労務士東京福寿事務所 | DIG社会保険労務士法人 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | 社労士法人(給与計算アウトソーシング) | 税理士法人+社労士法人 | 社労士法人(コンサルグループ) | 社労士法人(事務組合を併設) | 社労士法人 | 社労士事務所 | 社労士法人(会計・税務グループ) |
| 労働保険の年度更新への対応 | ●(金額集計〜申告書記入を代行) | ●(フルサポートで対応) | ●(労働保険手続きの代理に対応) | ●(グループの労働保険事務組合が代行) | ●(給与計算と一括で電子申請) | ●(手続き代行に明記) | △(労務顧問の併用で対応) |
| 社会保険手続きの代行 | ●(算定基礎届・月額変更届) | ●(算定基礎届ほか:フルサポート) | ●(資格取得・喪失、算定基礎届ほか) | ●(入退社・扶養異動の届出ほか) | ●(月額変更届・算定基礎届) | ●(新規適用・資格取得喪失・算定基礎届) | △(労務顧問の併用で対応) |
| 給与計算の代行 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ●(勤怠集計は対象外) |
| 労働保険事務組合 | × | × | × | ●(中企労を自グループに保有) | × | × | × |
| 料金の目安 | 要問い合わせ(3パッケージ制) | 給与計算 1〜5名 月1万円〜(税別) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(社保手続き 1〜19名 月2万円〜の例) | 給与計算 月1万円+2,000円×対象者数(税別) | 社労士顧問 1〜3名 月8,000円〜/給与計算 5,500円〜(税別) | 給与計算 1〜100名 月10万円まで(税別) |
| 対応エリア | 要問い合わせ | 要問い合わせ(オンライン相談可) | 要問い合わせ | 全国対応 | 要問い合わせ(オンライン相談可) | 全国対応 | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※ 料金・対応範囲は各社の公式情報にもとづきます(2026年10月時点)。
エスペイロール(エスネットワークス)

社会保険労務士法人を母体とするエスペイロールは、給与計算と労務手続きをまとめて引き受けるアウトソーシングサービスです。労働保険の年度更新については、金額の集計から申告書の記入までを代行すると公式に明記しています。給与計算と各種手続きを一体で任せたい企業に向いています。
YFPクレア(税理士法人YFPクレア)

税理士法人とグループの社会保険労務士法人が連携するYFPクレアでは、給与計算から社会保険・労働保険の手続きまでをまとめて請け負います。年度更新や算定基礎届の代行にも対応し、税務と労務を一つの窓口に集約できます。経理と労務の両方を外部に委ねたい企業に適しています。
アクタス(アクタス社会保険労務士法人)

給与計算と社会保険・労働保険の手続き代理を一元的に受託するのがアクタスです。専門家グループが運営し、業務の全部だけでなく一部だけの委託にも応じているため、自社で対応できる部分は残しつつ、年度更新のような繁忙期の業務だけを任せることもできます。
小林労務(社会保険労務士法人小林労務)

小林労務の強みは、社会保険労務士法人に加えて、グループに厚生労働大臣の認可を受けた労働保険事務組合(中企労)を併設している点です。事務組合に委託すると、本記事で触れた分割納付の要件(概算保険料の額にかかわらず延納できる)や、第2期・第3期の納期限が後ろにずれるといった扱いを受けられます。事務組合への委託を前提に労働保険事務を任せたい企業に向いています。
ここで紹介した以外にも、委託できる業務範囲や料金体系はサービスごとに大きく異なります。年度更新だけでなく給与計算や社会保険手続きまで含めて委託先を幅広く比較検討したい場合は、以下の記事で選び方や料金体系を詳しく解説しています。
給与計算アウトソーシングおすすめ34選を比較|業務範囲・料金体系・規模別の選び方
毎月の給与計算や賞与計算、年末調整、社会保険の手続きに、特定の担当者が追われていないでしょうか。社会保険料率や税制は毎年のように改正され、その都度の確認作業まで含めると、経理や人事、総務の少人数体制では業務が属人化しやすくなります。担当者が…
まとめ
労働保険料は、毎年6月1日から7月10日までに申告・納付するのが原則です。一括で納める場合も分割の第1期も、令和8年度の期限は7月10日(金)。分割(延納)を選ぶと第2期は11月2日(月)、第3期は2月1日(月)が期限で、口座振替にすると引落日は9月7日・11月16日・2月15日へと後ろにずれます。
分割できるのは概算保険料40万円以上(一方のみ成立なら20万円以上)または事務組合委託の場合で、年度途中の成立や建設業などでは条件が変わります。期限を過ぎると督促・延滞金・追徴金のリスクがあるため、自社のケースに合う期限を早めにカレンダーへ登録しておきましょう。計算や申告の負担が大きい場合は、年度更新まで対応する委託先を活用するのも有効な選択肢です。
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よくある質問(FAQ)
Q. 労働保険料の「年度更新」とは何ですか?
A. 労働保険料の年度更新とは、毎年6月1日から7月10日までの間に、前年度の確定保険料の精算と当年度の概算保険料の納付をまとめて行う、年1回の手続きです。労働保険の保険年度は4月1日から翌年3月31日までで、当年度分は賃金総額の見込みにもとづいて概算で前払いし、年度終了後に実際の賃金総額で計算し直して過不足を精算します。従業員を雇うすべての事業に、この年度更新の義務があります。
Q. 労働保険料は申告だけ先に済ませて、納付は後からでもよいですか?
A. 労働保険料は、窓口で納める場合は申告と納付を同じ期限(令和8年度は7月10日)までに一緒に行うのが原則ですが、口座振替を使えば、申告書の提出は7月10日まで・実際の引き落とし(納付)は9月7日と、タイミングを分けられます。分割納付(延納)を選ぶ場合も、申告書の提出自体は6月1日から7月10日までに済ませる必要があります。申告だけを後回しにできるわけではない点に注意してください。
Q. 労働保険料の分割納付(延納)を使うには、申請が必要ですか?
A. 労働保険料の分割納付(延納)は自動では適用されず、年度更新の申告書を提出する際に、延納の申請を行う必要があります。分割できるのは、概算保険料が40万円以上(労災・雇用のどちらか一方の保険関係のみ成立なら20万円以上)、または労働保険事務組合に労働保険事務を委託している事業に限られます。さらに、その保険年度の10月1日以降に保険関係が成立した事業は延納できず、一括納付になります。
出典・参考資料(2件)
- 出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第18条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000084)
- 出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則 第27条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000008)
Q. 分割納付の条件「概算保険料40万円以上」は、どの金額で判定しますか?
A. 分割納付(延納)の「40万円以上」は、その年度に納める概算保険料の額だけで判定し、確定保険料の不足分や一般拠出金は含めません。したがって、確定保険料の不足分などを合わせた納付総額が40万円を超えても、概算保険料が40万円未満であれば延納はできません。労災保険・雇用保険のどちらか一方の保険関係のみが成立している事業では、この基準が20万円以上に下がります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則 第27条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000008)
Q. 労働保険料は電子納付(ペイジーやインターネットバンキング)でも納められますか?
A. 労働保険料は、e-Gov電子申請やペイジー(Pay-easy)、インターネットバンキングを使った電子納付でも納められます。電子申請で年度更新の手続きをする場合に利用でき、金融機関や労働局の窓口に出向く手間を省けます。窓口での現金納付・口座振替と合わせて、自社に合う方法を選べます。
Q. 労働保険料の納付方法に、クレジットカード払いはありますか?
A. 労働保険料の納付方法は、窓口での現金納付・口座振替・電子納付(ペイジーやインターネットバンキング)の3つで、クレジットカードによる納付は用意されていません。1回あたりの負担を分けたい場合は、要件を満たせば年3回に分ける分割納付(延納)を利用する方法があります。
出典・参考資料(1件)
Q. 口座振替にしていても、労働保険料が延滞扱いになることはありますか?
A. 口座振替では、引落日が法定納期限より後ろにずれても、所定の日までに引き落とされれば法定納期限に納付したものとして扱われ、延滞にはなりません。ただし、引落日に口座の残高が不足して引き落とせないと、その期は未納となり、延滞につながるおそれがあります。引き落とせなかった場合は、改めて納付書などで納める必要があります。引落日の前には口座残高を確認しておきましょう。
Q. 労働保険事務組合に委託すると、納付の面でどんなメリットがありますか?
A. 労働保険事務組合に委託すると、概算保険料の額が40万円(20万円)に満たなくても分割納付(延納)を利用でき、第2期・第3期の納期限も通常より後ろにずれます。事務組合に委託している場合の第2期・第3期の納期限は原則として11月14日・2月14日で、令和8年度はこれらが土日に当たるため、繰り下げで第2期が11月16日(月)、第3期が2月15日(月)になります。
出典・参考資料(2件)
- 出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則 第27条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000008)
- 出典:労働保険料の申告・納付|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/daijin/hoken/980916_3.htm)
Q. 労働保険料を納付期限までに納められないときは、どこに相談すればよいですか?
A. 労働保険料を期限までに納められそうにないときは、放置せず、所轄の都道府県労働局(労働保険の徴収担当)や労働基準監督署に早めに相談することが大切です。納付せずに放置すると督促が行われ、延滞金や財産の差し押さえ(滞納処分)に進むおそれがあります。早めに相談すれば、今後の納付の進め方を確認できます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















