労働保険の年度更新を迎えるたびに、算出した保険料を金融機関の窓口まで納めに行っていませんか。繁忙期に窓口へ出向く手間や待ち時間、納付期限をうっかり過ぎてしまう不安は、担当者にとって小さくない負担です。
労働保険料の納付は、口座振替に切り替えられます。一度手続きをすれば、指定した口座から自動で引き落とされ、窓口へ出向く必要がなくなります。
本記事では、労働保険の年度更新で納める保険料を口座振替にする申し込み方法と、各期の申込締切日・引落日、利用するうえでの注意点を整理します。あわせて、年度更新の申告や納付そのものの負担が重い場合に検討できる外部委託という選択肢にも触れます。
目次
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労働保険の年度更新の保険料は口座振替にできる
結論から言うと、労働保険の年度更新で納める保険料は口座振替で納付できます。口座振替納付は、口座を開設している金融機関に申し込むことで、届け出た口座から保険料が自動的に引き落とされ、国庫へ納められる仕組みです。
対象になるのは、労働保険料(労災保険料と雇用保険料を合わせたもの)と、石綿健康被害救済法にもとづく一般拠出金です。口座振替を利用すれば、保険料を納めるために金融機関や労働局の窓口へ出向く必要がなくなります。
ここで押さえておきたいのは、「申告」と「納付」は別の手続きだという点です。口座振替が自動化するのはあくまで保険料の納付であり、年度更新の申告書そのものは別途提出が必要になります。この違いは後述の注意点にも関わるため、まず意識しておくと手続きで迷いません。
各期の申込締切日と引落日
口座振替でまず気になるのは、「いつまでに申し込めば、いつ引き落とされるのか」という点です。厚生労働省が公表している令和8年度の各期の申込締切日・口座振替納付日(引落日)と、口座振替を使わない場合の納期限は次のとおりです。
| 納期(令和8年度) | 申込締切日 | 口座振替納付日(引落日) | 口座振替を使わない場合の納期限 |
|---|---|---|---|
| 第1期(全期) | 2月25日 | 9月7日 | 7月10日 |
| 第2期 | 8月14日 | 11月16日 | 11月2日 |
| 第3期 | 10月13日 | 2月15日 | 2月1日 |
| 第4期 | 1月7日 | 3月31日 | 3月31日 |
第1期を例にとると、口座振替を使わない場合の納期限は7月10日ですが、口座振替なら引き落としは9月7日です。現金で納める場合に比べ、引き落としまでに最大2か月のゆとりが生まれます。

表の第2期・第3期は、労働保険料の延納(分割納付)が認められた場合に対象となる引落日です。延納は、概算保険料が一定額以上の場合などに保険料を分割して納める制度で、条件は後述の「年度更新・分割納付(延納)の基礎」で説明します。第4期は、延納を利用している単独有期事業などが対象になる場合があり、多くの継続事業には関係しません。
口座振替は、開始を希望する納期の申込締切日までに申し込んだ期から対象になります。たとえば第1期(全期)から振替にするには、令和8年度の場合は2月25日までの申し込みが必要です。年度更新の時期にこれから申し込む場合は、締切を過ぎた期の分(最初の納付)は納付書などで納め、申込締切に間に合う期から口座振替が始まります。
ここに挙げた日付は令和8年度の例です。申込締切日や引落日は年度ごとに変わり、土曜・日曜・祝日に当たる場合はその後の最初の金融機関の営業日にずれます。実際に手続きをする際は、必ず厚生労働省の公式ページで最新年度の日付を確認してください。
出典・参考資料(1件)
口座振替にするメリット
ここからは、労働保険料の納付を口座振替に切り替えると何が変わるのかを整理します。厚生労働省が挙げるメリットは、次のとおりです。
- 窓口に出向く手間が省ける:保険料を金融機関や労働局、労働基準監督署の窓口へ持参する必要がなくなります。納付は口座振替で、申告書は電子申請や郵送で別途行えば、いずれも窓口に出向かずに済みます。
- 納め忘れを防げる:一度手続きをすれば翌年度以降も継続して引き落とされるため、納付のし忘れが起きにくくなります。
- 手数料がかからない:口座振替の利用に手数料は発生しません。
- 資金繰りに余裕ができる:引き落とし日が現金で納める場合の納期限より後になるため、納付資金の準備に余裕を持てます。
毎年の年度更新を自社で回している担当者にとっては、窓口訪問と納付期限の管理という2つの負担が同時に軽くなる点が大きいと言えます。
口座振替の申し込み方法(申込書・提出先・手順)
口座振替の申し込みは、次の手順で進めます。
- 申込用紙「労働保険 保険料等口座振替納付書送付(変更)依頼書兼口座振替依頼書」を入手する(厚生労働省の「口座振替の申込について」ページから様式をダウンロードできます)。
- 必要事項を記入する(数字は半角で記入します)。
- 口座を開設している金融機関の窓口へ提出する(開始を希望する納期の申込締切日までに提出します)。
提出先を間違えやすいので注意が必要です。申込用紙の提出先は、口座を開設している金融機関の窓口であり、労働局や労働基準監督署では受け付けていません。届出印の確認が必要なため郵送はできず、窓口への持参が原則です。手数料はかかりません。
口座振替を希望する取扱金融機関の窓口にご提出ください(支店は問いません)。なお、労働局や労働基準監督署では受け付けておりませんので、ご注意ください。
出典:労働保険料等の口座振替納付(よくある質問 Q8)|厚生労働省
複数の労働保険番号を持っている場合は、労働保険番号ごとにそれぞれ依頼書を提出します。申込締切日は年度ごとに異なるため、前掲の表の注記もあわせて確認してください。
出典・参考資料(3件)
ネット専業銀行(GMOあおぞらネット銀行)での申し込み
インターネット専業銀行で口座振替を利用する場合は、手順と提出先が通常の金融機関と異なります。令和8年5月末日現在、口座振替が可能なネット専業銀行はGMOあおぞらネット銀行のみです。
この場合、申込用紙は金融機関の窓口ではなく、厚生労働省の専用窓口(労働基準局労働保険徴収課)へメールまたは郵送で提出します。管轄の労働局やネット専業銀行では受け付けていません。申込後に銀行から届く登録受付メールを受信したら、期限内にインターネットバンキングで登録操作を行い、設定を完了させます。
ネット専業銀行による本人確認などに約3週間かかるため、申込締切日までに提出しても、希望する納期の引き落としに間に合わない場合があります。余裕をもって手続きを進めてください。ネット専業銀行以外の金融機関のネット支店は、受付可能な窓口のある支店で申し込めます。
出典・参考資料(2件)
口座振替をやめる・口座を変更するには
口座振替をやめる場合は、解除専用の「口座振替依頼書(解除)」に記入し、口座振替を行っている金融機関の窓口へ提出します。事業を廃止するときなどに手続きが必要です。
口座情報を変えたい場合は、変更内容を依頼書に記入して金融機関へ提出します。ただし、ゆうちょ銀行を含む金融機関の変更では変更依頼書の取り扱いがないため、変更前の金融機関に解除依頼書を、変更後の金融機関に新規の依頼書を、それぞれ提出する必要があります。
口座振替を利用するときの注意点(実務の落とし穴)
口座振替は便利な一方で、申し込みから運用までの間に見落としやすい点がいくつかあります。実務でつまずきやすい順に確認します。
年度更新の申告書は別途提出が必要
口座振替が自動化するのは納付だけで、年度更新の申告書そのものは別に提出しなければなりません。しかも、口座振替を申し込むと、金融機関の窓口では申告書を提出できなくなります。申告書は労働局または労働基準監督署へ、電子申請または郵送で提出します。
なお、年度更新時の保険料申告書は、労働局または労働基準監督署に提出していただく必要があります。(中略)なお、口座振替を利用される場合は、金融機関窓口での保険料申告書の提出はできなくなります。
出典:労働保険料等の口座振替納付(よくある質問 Q2)|厚生労働省
年度更新期間に申告がないと第1期の振替ができない
年度更新の手続期間(毎年6月1日〜7月10日)に申告書の提出がないと、第1期分の口座振替納付ができません。口座振替を使う場合も、申告は期間内に済ませる必要があります。
最初の納付は口座振替の対象外
すべての事業主が利用できる制度ですが、最初に納付する分は口座振替の対象になりません。初回は通常どおり納付し、2回目以降が口座振替になると理解しておくと混乱を避けられます。
残高不足だと再引き落としはされない
引落日に口座の残高が不足していると、振替は行われず、再度の引き落としもありません。この場合は、厚生労働省または労働局から送付される「口座振替不能通知書」に添えられた納付書で支払います。次期以降の口座振替については、改めて依頼書を提出する必要はありません。
二重納付に注意する
口座振替を利用しているときに、保険料を添えて金融機関の窓口で申告書を提出すると、二重納付になるおそれがあります。引き続き窓口で納めたい場合は、先に口座振替の解除手続きを行ってください。
労働保険料には、口座振替とは別に、インターネットバンキングやペイジー(Pay-easy)対応ATMを使った電子納付という方法もあります。これは口座振替とは別の納付手段のため、本記事では口座振替に絞って解説しています。
出典・参考資料(1件)
前提となる年度更新・分割納付(延納)の基礎
口座振替の引落日を理解するには、年度更新と分割納付(延納)の仕組みを押さえておくと役立ちます。ここでは口座振替に関わる範囲に絞って確認します。
年度更新とは、毎年6月1日から7月10日までの間に、前年度の確定保険料を精算し、当年度の概算保険料を申告・納付する手続きです。原則として、この期間に一括で申告・納付します。
一方、一定の条件を満たすと、保険料を年3回に分けて納める延納(分割納付)が利用できます。延納は労働保険の保険料の徴収等に関する法律(徴収法)第18条が定める制度で、条件は次のいずれかです。
- 概算保険料額が40万円以上(労災保険か雇用保険のどちらか一方のみ成立している場合は20万円以上)であること
- 労働保険事務組合に労働保険事務を委託していること(金額の要件はありません)
延納が認められると、継続事業では各期の納期限が7月10日・10月31日・翌年1月31日の年3回になります(年度により、土日祝に当たると翌営業日にずれます)。前掲の表で第2期・第3期の口座振替が「延納が認められた場合に対象」とされていたのは、この分割納付を前提とするためです。表の第4期は、工事など期間の定まった単独有期事業で延納する場合のもので、多くの継続事業には関係しません。
出典・参考資料(2件)
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年度更新・納付の負担が重いなら外部委託という選択肢
口座振替そのものは手数料がかからず、一度申し込めば済む手軽な手続きです。ただし、口座振替で軽くなるのは納付の手間だけで、年度更新の申告や社会保険・労働保険の手続きそのものを毎年自社で回す負担は残ります。給与計算や労務の定例業務に追われ、本業の時間が削られているなら、これらの手続きをまとめて外部に委託する選択肢もあります。
給与計算アウトソーシングのなかには、給与計算に加えて社会保険・労働保険の手続き(年度更新を含む)まで、連携する社会保険労務士や自社の社労士法人を通じて対応するサービスがあります。年度更新や納付の段取りそのものを任せたい場合の比較材料として、代表的なサービスを整理します。
| サービス名 | Wheat Accounting | COMIT HR | アクタス | NMPスペシャリスト |
|---|---|---|---|---|
| 運営・提供形態 | 経理アウトソーシング (株式会社Wheat) | 給与計算特化の人事労務BPO (株式会社InfoDeliver) | 給与計算BPO (社会保険労務士法人) | 労務・バックオフィス代行 (株式会社NMPスペシャリスト) |
| 社会保険・労働保険の手続き(年度更新含む) | ●連携する社労士が対応 | ●パートナー社労士事務所が対応 | ●社労士法人自身が代理 | △オプションで対応(社労士が対応した事例あり) |
| 給与計算 | ● | ● | ● | ● |
| 対応業務範囲 | 記帳・請求書発行・経費精算・給与計算・月次決算など経理業務全般 (税務は連携税理士) | 給与・勤怠・社保・年末調整・入退社・住民税など人事労務全般 (部分委託も可) | 給与・賞与・社保手続き・年末調整・マイナンバー管理 (給与のみ/社保のみの部分委託も可) | 給与・賞与・年末調整・住民税・昇給処理(標準) 勤怠集計・財務会計代行も対応 |
| 対象企業規模の目安 | 年商数千万〜100億円 (従業員1〜100人目安) | 事例は従業員400〜650名規模の中堅企業中心 (下限・上限の明示なし) | 100名〜1,000名超の事例 (規模制限の明示なし) | 公式事例は従業員30〜700名規模 (上限の明示なし) |
| 料金 | 月額30,000円〜 (プランにより変動・初年度キャンペーン価格) 初期費用は要問い合わせ | 要問い合わせ (価格シミュレーションあり) | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※ 2026年10月時点の各社公式情報をもとに作成。最新の料金・対応範囲は各社の資料・公式サイトでご確認ください。
ここで取り上げたのは代表的な数社です。対応業務の範囲や料金体系、企業規模別の選び方まで含めて給与計算アウトソーシングを幅広く比較検討したい場合は、次の記事が参考になります。
給与計算アウトソーシングおすすめ34選を比較|業務範囲・料金体系・規模別の選び方
毎月の給与計算や賞与計算、年末調整、社会保険の手続きに、特定の担当者が追われていないでしょうか。社会保険料率や税制は毎年のように改正され、その都度の確認作業まで含めると、経理や人事、総務の少人数体制では業務が属人化しやすくなります。担当者が…
1. Wheat Accounting

Wheat Accountingは、スタートアップや中小企業を主な対象とする経理アウトソーシングサービスです。記帳・請求書発行・給与計算など経理業務全般を代行します。クラウド会計の導入や業務プロセスの再設計といった仕組みづくりから継続運用までを一貫して引き受ける点を訴求しています。
労働保険の年度更新をはじめとする社会保険・労働保険の手続きは、Wheat Accounting自身ではなく連携する社会保険労務士が担当します。給与計算はWheat Accountingが実務を行い、社会保険・労務の専門手続きは提携社労士が担う体制のため、経理と労務の手続きの窓口をまとめて相談したい企業に向いています。料金や対応範囲の詳細は資料で確認できます。
自社で経理や労務の定例業務を抱える体制には、担当者の退職や業務の属人化といったリスクも伴います。この点について、Wheat Accountingを運営する株式会社Wheatの佃誠吾氏は、インタビューで寄せられる相談の傾向を次のように話しています。

最近特に多いご相談は、「急な退職で経理が止まってしまった」「担当者にしかやり方がわからない」といった、退職と属人化にまつわる切実な課題です。自走できる経理人材を新たに採用する場合、年収600万〜700万円程度の費用負担が生じるだけでなく、採用後の教育や管理負担も決して軽くはありません。中小企業にとって、これほどの人件費を「固定費」として抱え続けることは、経営上の大きなリスクになりかねません。
2. COMIT HR(株式会社InfoDeliver)

株式会社InfoDeliverが運営するCOMIT HRは、給与計算を基盤とした人事労務のアウトソーシングサービスです。給与計算・賞与計算を軸に、勤怠管理、社会保険手続き、年末調整、入退社手続き、従業員からの問い合わせ対応まで、委託したい業務を組み合わせて利用できます。
社会保険関連の手続きには労働保険の年度更新も含まれ、これらはパートナーの社会保険労務士事務所が請け負う体制です。既存のパッケージソフトやERPからのクラウド給与・勤怠システムへの移行支援を強みとして掲げており、システムの切り替えとあわせて労務の手続きを外部化したい企業に適しています。
3. アクタス(アクタス社会保険労務士法人)

アクタスの給与計算アウトソーシングは、社会保険労務士法人が契約主体となって提供するサービスです。社会保険・労働保険の手続き代理は社会保険労務士の独占業務にあたるため、給与計算会社が社労士と提携する形ではなく、社労士法人自身が給与計算・賞与計算から社会保険・労働保険の手続き代理、年末調整までを一元的に受託します。
給与計算だけ、社会保険手続きだけといった業務単位の部分委託にも対応します。導入時にはグループのITコンサルティング会社が標準で約3か月かけてシステム構築を伴走し、クラウド給与システムの運用を前提としたBPOを提供します。手続きの専門性と導入支援を重視する企業に向いた選択肢です。
4. NMPスペシャリスト(株式会社NMPスペシャリスト)

株式会社NMPスペシャリストは、人材派遣やBPOを手がける会社が提供するバックオフィス業務のアウトソーシングサービスです。給与計算・賞与計算・年末調整・住民税処理・昇給処理を標準の対応範囲とし、勤怠集計や有給管理、財務会計代行まで幅広く引き受けます。
社会保険・労働保険の手続きは、要望に応じたオプションとして対応します。既存の社会保険労務士事務所からの切り替えも可能としており、入退社による人数の増減が多い企業の委託実績が公開されています。給与計算を中心に、周辺業務まで柔軟に委託先を組み立てたい企業に向いています。
まとめ
労働保険の年度更新で納める保険料は、口座振替に切り替えられます。口座を開設している金融機関の窓口へ「労働保険 保険料等口座振替納付書送付(変更)依頼書兼口座振替依頼書」を提出すれば、以降は自動で引き落とされ、窓口に出向く手間や納め忘れの不安から解放されます。
一方で、申込締切日や引落日は年度ごとに変わること、口座振替にしても年度更新の申告書は別途提出が必要なことなど、見落としやすい点もあります。手続き前に本記事の注意点を確認し、最新年度の日付は厚生労働省の公式ページで確かめてください。年度更新や社会保険・労働保険の手続きそのものの負担が重い場合は、これらを任せられる給与計算アウトソーシングの活用も検討の余地があります。
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よくある質問(FAQ)
Q. 労働保険料の口座振替とは何ですか?
A. 労働保険料の口座振替とは、届け出た金融機関の口座から、労働保険料と一般拠出金が自動的に引き落とされて国庫へ納められる仕組みです。あらかじめ金融機関に申し込んでおくことで、年度更新のたびに窓口へ出向いて現金で納める必要がなくなります。
Q. 個人事業主でも労働保険料の口座振替は利用できますか?
A. 労働保険の適用事業の事業主であれば、法人・個人を問わず口座振替を利用できます。事業規模や業種による制限はなく、保険料を納める口座を開設している金融機関の窓口で申し込めば利用を始められます。
Q. 口座振替で引き落とされるのは労働保険料だけですか?一般拠出金も対象になりますか?
A. 口座振替の対象になるのは、労働保険料(労災保険料と雇用保険料の合計)と、石綿健康被害救済法にもとづく一般拠出金です。年度更新で申告・納付するこれらの保険料等が、まとめて指定口座から引き落とされます。
Q. 口座振替の申込書はどこに提出しますか?労働局や労働基準監督署でも申し込めますか?
A. 申込書の提出先は、口座を開設している金融機関の窓口で、労働局や労働基準監督署では受け付けていません。届出印の確認が必要なため郵送はできず、窓口への持参が原則です。提出先を取り違えると申し込みが完了しないため注意してください(ネット専業銀行のみ提出先が異なります)。
Q. 労働保険料の口座振替に手数料はかかりますか?
A. 労働保険料の口座振替の利用に、手数料は一切かかりません。申し込み時にも、以降の引き落としのたびにも費用は発生しないため、現金で納付する場合と比べて追加の負担なく利用できます。
Q. 口座振替にすれば、年度更新の申告書の提出も不要になりますか?
A. いいえ。口座振替が自動化するのは保険料の「納付」だけで、年度更新の「申告書」は別途提出が必要です。むしろ口座振替を申し込むと金融機関の窓口では申告書を提出できなくなるため、申告書は労働局または労働基準監督署へ、電子申請か郵送で提出します。年度更新期間(6月1日〜7月10日)に申告がないと第1期の振替ができない点にも注意が必要です。
Q. 申し込んだ直後の最初の納付から口座振替になりますか?
A. いいえ。申し込み後の最初の納付分は口座振替の対象外で、2回目以降の納付から口座振替が適用されます。初回は送付される納付書などで通常どおり納め、その後の納期から自動引き落としに切り替わると理解しておくと、手続きで混乱しません。
Q. 口座振替は一度申し込めば、翌年度以降も自動で続きますか?
A. はい。一度申し込めば、解除しない限り翌年度以降も継続して引き落とされます。毎年あらためて手続きをする必要はなく、年度更新のたびの納め忘れを防げます。引き落とし口座を変えたい場合や利用をやめたい場合のみ、別途手続きが必要です。
Q. 本社と支店などで労働保険番号が複数ある場合、申し込みはどうすればよいですか?
A. 労働保険番号が複数ある場合は、番号ごとにそれぞれ口座振替依頼書を提出する必要があります。1枚の依頼書で複数の労働保険番号をまとめることはできないため、保険関係ごとに申込書を用意してください。
Q. 口座振替にすると、保険料の引き落としは納期限よりどれくらい遅くなりますか?
A. 口座振替の引落日は現金納付の場合の納期限より後に設定され、第1期では最大で約2か月遅くなります。たとえば納期限が7月10日の第1期でも、口座振替なら引き落としは9月上旬ごろとなります。具体的な引落日は年度ごとに変わるため、厚生労働省の公式ページで確認してください。
Q. 口座振替の引落日が土曜・日曜・祝日に当たる場合はどうなりますか?
A. 引落日が土曜・日曜・祝日に当たる場合は、その後の最初の金融機関の営業日に引き落とされます。申込締切日も同様にずれることがあるため、公表された最新年度の日付で確認してください。
Q. 口座振替の引き落とし前に、振替日や金額のお知らせは届きますか?
A. はい。引き落としのおおむね2〜3週間前に、振替予定日や振替金額などを記載したお知らせが送付されます。これにより、引き落とし前に口座残高を確認して不足に備えられます。
Q. 引落日に口座の残高が不足していたらどうなりますか?
A. 残高不足で引き落とせなかった場合、再度の引き落としは行われず、送付される「口座振替不能通知書」に添えられた納付書で納めます。1回振替ができなかったからといって口座振替の登録自体が解除されるわけではなく、次の納期以降は改めて依頼書を出さなくても引き落としが続きます。
Q. 自社がすでに口座振替に登録されているかを確認するにはどうすればよいですか?
A. 口座振替の登録状況は、管轄の労働局(労働保険の徴収担当部署)に問い合わせることで確認できます。過去に申し込んだか分からない場合や、担当者の交代で状況が不明な場合は、申し込んだ金融機関とあわせて確認すると確実です。
Q. 口座振替で納付した後、納付したことはどう確認できますか?
A. 口座振替による納付は、預金通帳の記帳で引き落としの事実を確認できます。窓口で現金納付したときのような領収証書は受け取れないため、納付済みの証明が別途必要な場合は、管轄の労働局に相談してください。
Q. 口座振替をやめたい、または引き落とし口座を変更したい場合はどうすればよいですか?
A. 口座振替をやめる場合は解除用の「口座振替依頼書(解除)」を、口座情報だけを変える場合は変更内容を記入した依頼書を、口座を扱う金融機関の窓口へ提出します。ただし金融機関そのものを変える場合は変更依頼書の扱いがないため、変更前の金融機関へ解除依頼書を、変更後の金融機関へ新規の依頼書を、それぞれ提出する必要があります。
Q. ネット専業銀行でも労働保険料の口座振替は利用できますか?
A. ネット専業銀行で口座振替を利用できるのは、令和8年5月末日現在GMOあおぞらネット銀行のみで、申込手順も通常の金融機関と異なります。申込書は金融機関ではなく厚生労働省の専用窓口へメールまたは郵送で提出し、銀行から届く登録受付メールの案内に沿ってインターネットバンキングで登録を完了させます。本人確認などに約3週間かかるため、余裕をもって手続きしてください。
Q. 労働保険料の口座振替と電子納付(ペイジー)は何が違いますか?
A. 口座振替は事前に申し込んで以降は自動で引き落とされる方法、電子納付(ペイジー)は申込不要で納期ごとにインターネットバンキングやATMから自分で納める方法です。口座振替は一度の手続きで継続し納め忘れを防げるのに対し、電子納付は都度の操作が必要な分、納付のタイミングを自分で選べます。自動化して手間と納め忘れを減らしたいなら口座振替が適しています。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















