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飲食店DXとは?業務シーン別の打ち手と費用相場・補助金・進め方を解説

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モバイルオーダーシステム比較表(2026年版)

人手が集まらず経営者自身もホールに立ち、ランチの電話予約を取りこぼしたり、会計の行列に対応しきれなかったりする飲食店が増えています。原価や人件費の上昇も重なり、「飲食店DX」という言葉を見聞きして、自店の業務をデジタルで楽にできないかと考える方は多いはずです。

一方で、DXと聞いても「結局、自分の店で何をどう始めればいいのか」が分かりにくく、最初の一歩を踏み出せないケースも少なくありません。本記事では、飲食店DXとは何かをデジタル化との違いから整理し、注文・会計/予約・顧客管理/集客/勤怠といった業務シーン別に「どの打ち手がどの困りごとを解決するのか」を具体的に解説します。

あわせて、導入で何が変わるのか、カテゴリ別の費用相場や使える補助金、小さく始める進め方、つまずきやすい注意点までまとめました。自店のどの業務から着手すべきかを判断する材料としてご活用ください。

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飲食店DXとは?デジタル化との違いを先に押さえる

まず、飲食店DXが指す範囲と、よく混同される「デジタル化」との違いを短く確認します。言葉の整理を済ませたうえで、本題である「自店で具体的に何をするか」へ進みましょう。

飲食店にとってのDXとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、経済産業省の定義では次のように説明されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

出典:DX動向2025(データ集)|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(経済産業省の定義より)

飲食店に引き寄せると、レジや予約台帳をデジタルに置き換えるだけでなく、注文・会計・予約・顧客データを一つながりで扱い、少ない人手でも回り、客単価や再来店につなげる店づくりへ変えていく取り組みを指します。ツールの導入はその手段であり、目的は店の運営と売上を改善することにあります。

デジタル化・IT化との違い

「DX」と「デジタル化」はしばしば同じ意味で使われますが、経済産業省の整理では取り組みの段階が分かれています。紙の伝票をデータに置き換えるデジタイゼーション、業務の流れ自体を効率化するデジタライゼーション、それらを土台に新しい価値やビジネスモデルを生み出すデジタルトランスフォーメーション(DX)という3段階です。

券売機やタブレットレジを1台入れることは、この整理では最初のデジタル化の段階にあたります。飲食店のDXは、個々のデジタル化をつなげて注文から会計・顧客データ活用まで一連で回る状態にし、省人化と売上づくりに結びつける点に重きがあります。まず身近なデジタル化から始め、段階的にDXへ広げていくと考えると分かりやすいでしょう。

出典・参考資料(1件)

なぜいま飲食店にDXが必要なのか

背景にあるのは、第一に人手不足です。帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」では、非正社員が不足していると感じる企業の割合は「飲食店」が57.7%で業種別の最上位でした。限られた人数で店を回す必要があり、省人化の手段としてデジタルの打ち手が求められています。

第二に、食事の需要が外食から持ち帰り・宅配の「中食」へと広がったことです。日本惣菜協会の調査では、2025年の惣菜市場規模は前年比103.7%の11兆7,075億円と過去最高を更新しました。一方で外食産業の市場規模は、日本フードサービス協会などの推計で2023年に24兆1,512億円と、2019年比で8.1%減の回復途上にあります。

来店客を店内で待つだけでなく、テイクアウトやデリバリー、ネット予約といった来店以外の接点づくりや、少人数でも取りこぼさない受注体制が、売上を守るうえで重要になっています。

出典・参考資料(3件)

飲食店DXで何をする?業務シーン別の打ち手早わかり

ここからは、飲食店DXの中身を業務シーン別に具体化します。まず全体像として、自店の困りごとから「どのデジタルの打ち手が、何を解決するか」を逆引きできるよう整理しました。

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業務シーン注文・会計予約・顧客管理集客勤怠・シフト・バックオフィス
主な困りごと注文の聞き漏らし・会計の行列・ホールの人手不足電話予約の取りこぼし・常連の情報が残らない新規が増えない・リピートが続かないシフト作成や締め作業に時間がかかる・記録の保存が煩雑
デジタルの打ち手モバイルオーダー/セルフオーダー、POSレジ、キャッシュレス決済予約管理システム、顧客管理(CRM)・会員機能Web予約・地図情報(MEO)、LINE・SNS、デリバリー勤怠・シフト管理、発注・在庫管理、会計・経理の電子化
解決できること来店客のスマホや卓上端末で注文、会計を自動化し、少人数でも回せる24時間ネット予約を受け、来店履歴や好みを記録して再来店につなげる検索やSNSからの来店を増やし、クーポンや公式アカウントで再来店を促すシフト・発注・記録を自動化し、事務作業と棚卸しの手間を減らす

※上記は業務シーン別の代表的な打ち手の整理です。自店の課題に応じて、どの打ち手から着手するかを検討してください。

注文・会計:モバイルオーダーとキャッシュレスで省人化

注文・会計は、人手不足の影響が最も出やすいシーンです。来店客が自分のスマートフォンや卓上のタブレットから注文する「モバイルオーダー(セルフオーダー)」を使うと、スタッフが各テーブルを回って注文を取る手間が減り、聞き間違いも防げます。注文データはそのままPOSレジに連携され、会計時の打ち直しが不要になります。

会計側では、クレジットカードやQRコード決済に対応するキャッシュレス決済を組み合わせると、釣り銭の受け渡しやレジ締めの負担が軽くなります。事前決済に対応すれば、退店時の会計待ちそのものをなくすこともできます。少人数運営の店ほど、注文から会計までの一連を自動化する効果が大きいシーンです。

予約・顧客管理:取りこぼしを防ぎ再来店につなげる

電話予約は、営業中だと対応しきれず機会を逃しがちです。ネット予約を受け付ける予約管理システムを導入すると、営業時間外や混雑時でも24時間予約を取りこぼさずに受けられます。予約台帳が自動で埋まるため、配席や準備の計画も立てやすくなります。

さらに顧客管理(CRM)や会員機能を使えば、来店履歴や注文傾向を記録し、好みに合わせた案内やクーポンを届けられます。一度きりの来店で終わらせず、再来店につなげる土台になります。

集客:検索・SNS・デリバリーで接点を増やす

集客では、来店前の接点をデジタルで増やします。地図アプリや検索での見え方を整える取り組み(MEO)や、LINE公式アカウント・SNSでの情報発信は、新規来店とリピートの双方に効きます。LINEの友だち登録やクーポン配信は、再来店を促す手軽な手段です。

来店以外の売上をつくるなら、デリバリーやテイクアウトの事前注文も打ち手になります。中食需要の広がりを取り込み、店内の席数に縛られない売上の柱を育てられます。

勤怠・シフト・バックオフィス:事務と記録の負担を減らす

接客以外の事務作業も、デジタル化で負担を減らせる領域です。勤怠・シフト管理ツールは、希望シフトの収集から勤務表の作成・勤怠集計までを自動化し、毎月の締め作業を短くします。発注・在庫管理を仕組み化すれば、食材の欠品や過剰発注、棚卸しの手間も抑えられます。

記録・経理の面では、守るべき制度も押さえておきましょう。食品衛生法の改正により、2021年6月1日から原則すべての食品等事業者にHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が求められています。

また電子帳簿保存法により、2024年1月からは請求書や領収書を電子データで受け取った取引について、そのデータを電子のまま保存する必要があります(人手不足など相当の理由がある場合の猶予措置あり)。これらの記録をデジタルで残せる仕組みにしておくと、日々の運用と制度対応が楽になります。

出典・参考資料(2件)

飲食店DXで何が変わる?人手・時間・売上への効果

打ち手を入れると、人手・時間・売上の面で具体的に何が変わるのかを見ていきます。

人件費・作業時間・客単価への効果

注文・会計のモバイルオーダーは、ホールスタッフが注文を取りに回る工数を減らし、同じ席数をより少ない人数で運営できるようにします。来店客が自分のペースでメニューを見られるため、追加注文やトッピングが選ばれやすく、客単価の底上げにもつながります。

予約管理は、電話対応の時間を減らしながら、取りこぼしていた予約を受けられるようにします。勤怠・シフト管理は、手作業だったシフト作成や集計を短縮し、空いた時間を仕込みや接客に回せます。いずれも「作業時間を減らし、その分を売上や品質に振り向ける」という形で効果が表れます。

効果の確かめ方(各社の公開導入事例)

効果の大きさは、店舗の規模や業態、運用の工夫によって幅があります。導入前後で何がどれだけ変わったかは、ツールの提供各社が社名や店舗名とともに公開している導入事例が参考になります。

自店に近い業態・規模の事例を確認すると、投資に見合う効果が出そうかを判断しやすくなります。たとえば本記事で紹介するサービスでも、モバイルオーダーで紙メニュー比の客単価が15.8%向上した事例が公開されています。ホールスタッフを9名から7名に減らし、人件費を約30万円抑えた事例もあります。

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飲食店DXを始めるなら|注文・会計の打ち手とサービス比較

業務シーンの中でも、人手不足の影響が大きく効果を実感しやすいのが注文・会計のモバイルオーダーです。ここでは、飲食店で導入しやすい代表的なモバイルオーダーサービスを、注文形態や対象業態、料金の考え方で比較します。まずは全体像を把握し、気になるサービスは資料で詳細を確認してください。

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サービス名ダイニー モバイルオーダーAirレジ オーダートレタO/XO:derSquare モバイルオーダースマレジ・ウェイターSTORES モバイルオーダー
注文形態店内QR(来店客スマホ)店内QR(来店客スマホ)
ハンディ(スタッフ)
テイクアウト事前注文
店内QR(来店客スマホ)
ハンディ(スタッフ)
店内QR(来店客スマホ)
テイクアウト事前注文
セルフレジ・券売機
店内QR(来店客スマホ)
テイクアウト・オンライン注文
セルフレジ・券売機
卓上端末(設置型iPad)
店内QR(来店客スマホ)
ハンディ(スタッフ)
店内QR(来店客スマホ)
テイクアウト事前注文
対象業態飲食店(居酒屋・焼肉・カフェ等)飲食店全般飲食店(インバウンド対応に強み)飲食店(大手チェーン〜個店)飲食業全般飲食店飲食店(カフェ・小規模等)
主な連携自社POS・決済を一体提供自社Airレジ(POS)・Airペイ(決済)主要POS連携(東芝テック・スマレジ・NEC)POS連携・キャッシュレス決済自社POS・決済・キッチンディスプレイを一体提供自社クラウドPOS「スマレジ」自社STORESレジ・決済
多言語対応日・英・中・韓(自動翻訳)ブラウザ翻訳機能英・中(簡体字・繁体字)・韓(自動翻訳)日・英・中公式に明示なし公式に明示なし個別案内(公式に明示なし)
料金の考え方本体は要問い合わせ
(決済手数料は公開)
月額を公開
(店外版は0円+手数料)
要問い合わせ要問い合わせ月額を公開
(店内QRは上位プランが必要)
月額を公開
(0円〜)
月額を公開
(テイクアウトは0円)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※上記は注文・会計まわりの代表的なモバイルオーダーサービスの比較です。機能や対応形態は改定されることがあるため、最新の情報は各社公式ページでご確認ください。

1. ダイニー モバイルオーダー(株式会社ダイニー)

ダイニー モバイルオーダーのウェブサイト

株式会社ダイニーが提供するモバイルオーダーで、注文・POSレジ・決済までを自社で一体的に手がけている点が特徴です。来店客がテーブルのQRコードから注文でき、注文画面内のオンライン決済「ダイニー モバイル決済」まで一つの流れで完結します。

モバイル決済のカード手数料はVisa・Mastercardが2.48%、JCB・Diners Clubが3.10%で、一定の条件を満たす中小事業者向けには手数料を最大1.888%まで引き下げる優遇プランも用意されています。本体の初期費用・月額費用は店舗のプランに応じた個別見積りのため、導入時に見積りを取るとよいでしょう。

2. Airレジ オーダー(株式会社リクルート)

Airレジ オーダーのウェブサイト

株式会社リクルートのオーダーシステムで、来店客のスマホから注文する店内版(セルフオーダー)、スタッフが使うハンディ、来店前にネットで事前注文する店外版の3方式に対応します。無料のクラウドPOSレジ「Airレジ」、決済サービス「Airペイ」とまとめて導入できる点が訴求されています。

公式には、モバイルオーダーシステムの導入店舗数シェアNo.1(2025年7〜9月のサンプル調査に基づく推計)と示されています。追加のハンディは1台あたり月額1,650円で、新規導入支援のキャンペーン(期間限定)では初年度の月額費用が0円になる案内もあるため、適用期間は公式ページで確認してください。

3. トレタO/X(株式会社トレタ)

トレタO/Xのウェブサイト

飲食店向けの予約・顧客台帳で知られる株式会社トレタが提供する店内モバイルオーダーです。来店客が自分のスマホで注文から会計まで完結でき、英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語の自動翻訳に対応するため、インバウンド対応にも向いています。

公式サイトでは、紙メニューと比べて客単価が15.8%向上した実績や、淡路島の導入店で客単価300円アップ・予約数4倍・研修時間300時間削減といった効果が紹介されています。初期費用・月額費用は業態や規模に応じた個別見積りです。

4. O:der(株式会社Showcase Gig)

O:der(O:der Table / O:der ToGo / O:der Kiosk)のウェブサイト

株式会社Showcase Gigが提供する「O:der Platform」は、店内のテーブルオーダー(O:der Table)、テイクアウト・事前注文(O:der ToGo)、セルフレジ・券売機型端末(O:der Kiosk)を揃えたモバイルオーダーの製品群です。モバイルオーダーを専業とし、日本の市場で早くから展開してきた事業者で、導入実績はプラットフォーム全体で8,000店舗以上とされています。

公式の導入事例では、ホールスタッフを9名から7名に削減し人件費を約30万円抑えた例などが公開されています。大手チェーンから個店まで幅広い業態で使われており、初期費用・月額費用・決済手数料は要問い合わせです。

5. Square モバイルオーダー(Square株式会社)

Square モバイルオーダー(セルフオーダー)のウェブサイト

POS・決済を中核とするSquareが、レストラン向けPOSの機能としてセルフオーダーを提供します。テーブルのQRコードからの注文、タッチパネル型のセルフレジ、オンライン注文に対応し、決済まで一体で扱える点が強みです。

レストランPOSはフリープラン(月額0円)から使えます。ただし、テーブルのQRコード注文機能を使うには別途「Square オンラインビジネス」のプラスプラン以上の契約が必要です。レストランPOSで複数店舗対応やキッチンディスプレイなどの高度な機能を使う場合は、月額13,000円のプラスプランになります。

小規模から始めやすい一方、使いたい機能によって必要なプランが変わります。自店で使う注文方式と、それに必要なプラン・費用の対応を確認してから選ぶとよいでしょう。

6. スマレジ・ウェイター(株式会社スマレジ)

スマレジ・ウェイターのウェブサイト

クラウドPOS「スマレジ」と連携するオーダーエントリーシステムです。iPadやiPhoneをハンディとして使え、POSレジ・オーダー・会計を一体で運用できます。来店客が自分のスマホから注文できるモバイルオーダーは、2025年12月の改定で飲食店向けの「フードビジネスプラン」に標準搭載されました。

料金は、スタンダードプランが月額0円、フードビジネスプランが1店舗あたり月額15,400円(税込)です。テーブルに端末を置くタイプのテーブルオーダーは、iPad1台につき58,800円(税込)からのオプションとして用意されています。

7. STORES モバイルオーダー(STORES株式会社)

STORES モバイルオーダーのウェブサイト

店内のテーブルオーダーと、テイクアウトの事前注文を1つのシステムで受けられるモバイルオーダーです。テーブルのQRコードから来店客が注文でき、WebサイトやSNSに載せたURLからテイクアウト注文も受け付けられます。STORESのネットショップ・レジ・決済など他サービスと連携できる点も特徴です。

テイクアウトオーダーは初期費用・月額0円(決済手数料3.6%+10円)で始められます。テーブルオーダーは年契約で月額7,700円(税込)から、決済手数料は3.24%です。料金は改定されることがあるため、最新の公式料金ページで確認してください。

ここでは注文・会計の代表的な7サービスを取り上げました。業態や費用、注文形態の条件からさらに多くの製品を見比べたい場合は、モバイルオーダーシステムを横断で比較し、選び方や機能の違いまで解説した以下の記事が参考になります。

飲食店DXは何から始める?小さく始める進め方ステップ

打ち手が多いほど、どこから手を付けるか迷いがちです。飲食店DXは、いきなり全部を変えようとせず、効果の出やすい業務から小さく始めるのが失敗しにくい進め方です。次の順序で検討してみてください。

第一に見極めたいのは、自店で最も困っている業務を一つに絞ることです。ランチの予約を取りこぼしているのか、会計の行列が起きているのか、シフト作成に時間を取られているのか、現状をしばらく記録して数字で把握すると、優先順位が見えてきます。

第二に、その課題に直結する打ち手を一つだけ選び、できれば繁忙期を避けて導入するのが安全です。複数のツールを同時に入れると現場が混乱しやすいため、まずは一点突破が無難でしょう。

第三に、導入から2〜3カ月ほど様子を見て、人件費・作業時間・客単価などの変化で効果を見極めます。手応えがあれば次の業務へ広げ、合わなければ運用を見直すという段階的な進め方が、現場に定着しやすくなります。

飲食店DXの費用相場|カテゴリ別の目安と内訳

費用は、大きく初期費用・月額費用・決済手数料・端末などのハードウェア費用に分かれます。飲食店向けのサービスは、本体の初期費用・月額を個別見積り(要問い合わせ)とし、決済手数料を公開しているものが少なくありません。目安として、クレジットカードやQRコード決済の手数料はおおむね2〜4%台、追加のハンディ端末やタブレットは1台あたり月数千円〜数万円で見ておくとよいでしょう。

月額費用は、無料プランから始められるものと、飲食店向けプランで月額1万円台のものまで幅があります。まず、主な打ち手のカテゴリごとに、費用のかかり方と目安を整理しました。

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打ち手カテゴリモバイルオーダー・セルフオーダーPOSレジ予約・顧客管理キャッシュレス決済勤怠・シフト管理
初期費用の目安0円〜(卓上タブレットなどの端末は別途)0円〜(無料プランを持つサービスもある)0円〜決済端末 0円〜数万円0円〜
月額の目安0円〜1万円台0円〜1万円台無料〜機能に応じて月数千円〜数万円0円〜従業員数に応じた月額(1人あたり数百円〜が目安)
主な追加費用決済手数料 約2.5〜3.6%、追加ハンディ 月数千円〜決済手数料、レシートプリンター等の周辺機器予約サイト経由は送客手数料がかかる場合がある決済手数料 おおむね2〜3.75%—

※各カテゴリの代表的なサービスの公開料金に基づく目安です。実額はサービス・プラン・店舗規模により異なります(2026年10月時点)。

このうち、本記事で取り上げた注文・会計のモバイルオーダーについて、代表的なサービスの初期費用・月額・決済手数料を次のとおり整理しました。本体料金を個別見積り(要問い合わせ)とし、決済手数料を公開しているサービスが多い点が特徴です。

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サービス名ダイニー モバイルオーダーAirレジ オーダートレタO/XO:derSquare モバイルオーダースマレジ・ウェイターSTORES モバイルオーダー
初期費用要問い合わせ0円〜
(店内版+キッチンプリンターは110,000円)
要問い合わせ要問い合わせ0円
(キオスク端末は29,980円/台)
0円
(テーブルオーダーはiPad機器代58,800円〜)
0円
(テイクアウト・テーブルとも)
月額費用要問い合わせ店内版17,600円〜
店外版は0円
要問い合わせ要問い合わせPOSは0円〜13,000円
(店内QRは別途オンラインビジネス プラス以上 3,375円〜)
0円(スタンダード)
15,400円(フードビジネス、税込)
テイクアウト0円
テーブル7,700円〜(年契約)・11,000円(月契約)
決済手数料Visa・Mastercard 2.48%
JCB・Diners 3.10%
(条件を満たす中小事業者は最大1.888%)
3.24%(Airペイ)
(店外版は別途注文手数料3%)
発生あり
(率は要問い合わせ)
要問い合わせ3.6%(QRコード注文)
3.3%(プレミアム)
要問い合わせ
(スマレジ本体の決済に準拠)
テイクアウト3.6%+10円
テーブル3.24%(固定)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※料金は2026年10月時点の各社公式情報に基づきます。価格は改定されることがあるため、最新の金額は各社公式ページでご確認ください。

要問い合わせのサービスも、資料請求や見積りで自店の条件に合わせた金額を確認できます。費用だけで決めず、解決したい課題と機能の対応、導入後のサポートまで含めて比較することが大切です。

飲食店DXに使える補助金

ツール導入の費用は、国の補助金で一部をまかなえる場合があります。飲食店が活用しやすい代表的な制度を2つ紹介します(いずれも2026年10月時点の内容で、年度や公募回で要件が変わるため、申請前に公式の最新情報を必ず確認してください)。

デジタル化・AI導入補助金2026(旧・IT導入補助金)

中小企業・小規模事業者のITツール導入を支援する制度で、従来の「IT導入補助金」の後継にあたります。通常枠では、補助額5万円〜450万円、補助率は原則2分の1以内(一定の賃金要件を満たす場合は3分の2以内)で、ソフトウェア購入費やクラウド利用料(最大2年分)、導入関連費が対象です。

インボイス枠では、会計・受発注・決済に対応するソフトに加え、レジ・券売機(補助上限20万円)やPC・タブレット(同10万円)といったハードウェアも対象になります。補助率はソフト部分で4分の3以内(小規模事業者は5分の4以内)など手厚く設定されており、注文・会計まわりの導入と相性のよい枠です。ハードウェア単体での申請はできず、ソフトウェアの導入が前提となります。

出典・参考資料(2件)

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者の販路開拓などの取り組みを支援する制度です。一般型(通常枠)では補助率3分の2、補助上限50万円で、インボイス特例の対象事業者にはさらに50万円が上乗せされます。対象経費には機械装置等費やウェブサイト関連費、広報費などが含まれ、集客やテイクアウト対応などの取り組みに活用できます。

飲食店は「商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)」に該当し、常時使用する従業員が5人以下の事業者が対象です。個人店や小規模な店舗が使いやすい制度といえます。

出典・参考資料(1件)

飲食店DXでよくある失敗と注意点

最後に、導入でつまずきやすい点を押さえておきましょう。あらかじめ知っておくと、過剰な投資や現場の混乱を避けられます。

最も多いのは、デジタル化そのものが目的になってしまうことです。「人手を減らしたい」「会計待ちをなくしたい」といった解決したい課題を起点に選ぶようにしないと、使わない機能にコストをかけることになります。また、現状の数字を記録せずに導入すると、効果が出たのかどうかを判断できません。導入前に作業時間や客単価を把握しておくと、投資判断がしやすくなります。

現場への定着も見落としがちです。スタッフが使いこなせないまま放置されると効果は出ません。繁忙期の切り替えは混乱のもとになりやすいため避け、操作に慣れる時間を確保しておくと安心です。モバイルオーダーは便利な一方で、操作が苦手な来店客向けにスタッフが注文を取れる運用も残しておくと、客層を選ばず使えます。解約時の条件やデータの引き継ぎも、契約前に確認しておきましょう。

まとめ

飲食店DXは、注文・会計/予約・顧客管理/集客/勤怠といった業務シーンごとに、困りごとに直結する打ち手を選ぶことから始まります。人手不足や中食需要の広がりという背景のもと、少ない人数で店を回し、客単価や再来店につなげる手段として効果が期待できます。

進め方は、最も困っている業務を一つに絞り、小さく始めて効果を確かめてから広げるのが安全です。費用は初期・月額・決済手数料・端末費に分けて把握し、使える補助金もあわせて検討しましょう。まずは自店の課題に効くサービスの資料を取り寄せ、機能と費用を具体的に比べることから始めてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 飲食店DXとは具体的に何をすることですか?

A. 飲食店DXとは、注文・会計や予約・集客・勤怠といった業務をデジタルの打ち手で置き換え、少ない人手でも店が回り売上につながる状態へ変えていく取り組みです。具体的には、モバイルオーダーで注文・会計を自動化する、ネット予約で電話の取りこぼしを防ぐ、勤怠・シフト管理で事務作業を減らす、といった施策を自店の課題に合わせて選びます。

ツールの導入そのものが目的ではなく、人手不足やコストの悩みを解決する手段という位置づけです。

Q. 飲食店DXは何から始めればよいですか?

A. 飲食店DXは、自店で最も困っている業務を一つに絞り、その課題に直結する打ち手を一つだけ導入することから始めるのが失敗しにくい進め方です。予約の取りこぼし、会計の行列、シフト作成の手間など、現状をしばらく記録して数字で把握すると優先順位が見えてきます。複数のツールを同時に入れると現場が混乱しやすいため、繁忙期を避けて一点から小さく始め、効果を確かめてから次の業務へ広げるとよいでしょう。

Q. 飲食店DXの費用はどれくらいかかりますか?

A. 飲食店DXの費用は打ち手によって幅があり、無料プランから始められるものもあれば、飲食店向けプランで月額1万円台のものもあります。本体の初期費用・月額は個別見積り(要問い合わせ)とし、決済手数料を公開しているサービスが多く、クレジットカードやQRコード決済の手数料はおおむね2〜4%台が目安です。

ハンディ端末やタブレットは1台あたり月数千円〜数万円を見込んでおくと安心です。デジタル化・AI導入補助金や小規模事業者持続化補助金の活用で、自己負担を抑えられる場合もあります。

Q. 小規模な個人店でも飲食店DXに取り組めますか?

A. 小規模な個人店でも飲食店DXは十分に取り組めます。むしろ人手が限られる小さな店ほど、注文・会計の自動化や予約の取りこぼし対策による省人化の効果を実感しやすい傾向があります。無料プランや初期費用0円で始められるサービスも多く、まずは一番の困りごとに効く打ち手を一つ入れ、そこから段階的に広げる形が現実的です。大がかりな投資を一度に行う必要はありません。

Q. 飲食店DXに補助金は使えますか?

A. 飲食店DXには、デジタル化・AI導入補助金2026(旧・IT導入補助金)や小規模事業者持続化補助金といった国の制度を活用できる場合があります。前者はソフトウェアやクラウド利用料、レジ・券売機などが対象で、後者は常時使用する従業員が5人以下の小規模事業者が使えます。補助率や対象経費は年度・公募回で変わるため、申請前に必ず各制度の公式情報で最新の要件を確認してください。

Q. 飲食店DXは最初にモバイルオーダーから始めるべきですか?

A. モバイルオーダーは必ずしも最初に入れるべき打ち手とは限らず、自店で最も困っている業務から着手するのが基本です。ただし注文の聞き漏らしや会計の行列、ホールの人手不足が一番の悩みであれば、モバイルオーダーは省人化と客単価向上の両面で効果を実感しやすく、優先度の高い打ち手になります。予約の取りこぼしやシフト作成の負担が大きい店では、予約管理や勤怠管理から始めるほうが効果が出やすい場合もあります。

Q. 飲食店DXを導入するとスタッフの仕事はなくなりますか?

A. 飲食店DXで自動化されるのは注文取りや会計、集計などの定型作業で、スタッフの仕事そのものがなくなるわけではありません。むしろ単純作業に取られていた時間を、料理の提供や接客、常連客との会話といった人にしかできない価値の高い業務に振り向けられるようになります。省人化は「人を減らす」だけでなく「限られた人手を活かす」手段として捉えると、現場の納得も得やすくなります。

Q. モバイルオーダーを導入すると年配の常連客が離れませんか?

A. モバイルオーダーは、操作が苦手な来店客向けにスタッフが注文を取る運用を残しておけば、客層を問わず導入できます。すべての注文をデジタルに切り替える必要はなく、紙メニューや口頭での注文を併用する形も選べます。自店の客層や雰囲気に合うかを見極め、常連客への案内を丁寧に行えば、利便性を高めながら従来どおりの接客も守れます。

Q. 飲食店DXで紙の帳簿や記録はそのまま残してよいですか?

A. 飲食店でも、一部の記録はデジタルでの保存が必要です。電子帳簿保存法により、2024年1月からは請求書や領収書を電子データで受け取った取引について、そのデータを電子のまま保存する必要があります(相当の理由がある場合の猶予措置あり)。また食品衛生法により、2021年6月からは原則すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理と記録が求められています。

これらを機に、記録・経理をデジタルで残せる仕組みへ切り替えておくと、日々の運用と制度対応が楽になります。

Q. 飲食店DXの効果が出るまでどれくらいかかりますか?

A. 飲食店DXの効果は、導入から2〜3カ月ほど様子を見て、人件費・作業時間・客単価などの変化で判定するのが目安です。注文・会計の自動化のように導入直後から負担軽減を実感できるものもあれば、顧客データの活用や再来店の促進のように成果が出るまで時間がかかるものもあります。導入前に現状の数字を記録しておくと、効果を客観的に比べられ、次の打ち手を判断する材料にもなります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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