円安やインバウンド需要の高まりを背景に、自社の商品を海外へ販売する「越境EC」に関心を持つ事業者が増えています。国内市場が成熟するなかで、新たな販路として海外の消費者に目を向ける動きが広がっています。
一方で、言語・通貨・決済・関税・物流といった、国内ECにはない実務をどう進めればよいのか、イメージがつかめないという声も多く聞かれます。海外モールに出すのか、自社サイトを多言語化するのか、既存のECのまま海外へ発送するのか、始め方が何通りもある点も分かりにくさの一因です。
本記事では、越境ECとは何か、国内ECと実務的に何が違うのかを整理したうえで、出店方法(やり方)の選択肢と選び方、メリット・デメリット、始めるための準備と流れ、市場規模までを順を追って解説します。自社で始めるか、支援会社に任せるかを判断するための材料として活用できる内容です。
目次
一括ダウンロードする
越境ECとは?国内EC(国内通販)との違い
まずは、越境ECの基本的な定義と、普段利用している国内ECとの違いを確認します。ここを押さえておくと、この後の出店方法や準備の話が理解しやすくなります。
越境ECとは
越境ECとは、インターネット上のECサイトやモールを通じて、国境を越えて海外の消費者に商品を販売するビジネスのことです。日本国内の事業者が、海外に住む消費者へ直接商品を届ける仕組みを指します。
海外へ販売する手段としては、現地に店舗や法人を構える方法もあります。越境ECは、実店舗や現地法人を持たなくてもECの仕組みを使って海外へ売れる点が特徴で、初期投資を抑えて海外販売を始めやすい販路として広がっています。
国内ECと越境ECの違い【比較表】
越境ECは、顧客が海外にいるという一点から、言語・通貨・決済・関税・配送まで、国内ECとは異なる実務が生じます。主な違いを一覧で整理しました。
| 顧客(購入者) | 使用言語 | 決済通貨 | 決済手段 | 関税 | 消費税 | 配送 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 国内EC | 日本国内に住む消費者 | 日本語 | 日本円 | 国内のクレジットカード・コード決済など | 原則としてかからない | 課税される | 国内宅配で数日程度 |
| 越境EC | 海外に住む消費者 | 販売先の国の言語(英語・中国語など) | 米ドル・ユーロ・人民元など、現地の外貨 | 海外発行カードやAlipay、PayPalなど現地で普及した手段 | 輸入国で発生し、原則として購入者(輸入者)が負担する | 輸出取引として扱われ、免除される(輸出免税) | 通関を伴う国際配送で、日数と送料が増える |
このうち関税と消費税は、どちらが負担するのか、課税されるのかで誤解が生じやすい項目です。関税は輸入国で発生し、原則として商品を輸入する購入者が納める義務を負います。一方、日本から海外へ販売する取引は輸出取引に当たるため、日本の消費税は免除されます。詳細は後述の準備の節で、公式情報とともに解説します。
越境ECの始め方|出店方法(やり方)の選択肢と選び方
越境ECの始め方は一通りではなく、自社の商材・体制・予算によって向くやり方が変わります。ここでは出店方法を4つのパターンに整理し、それぞれの向き不向きと費用の考え方を解説します。
出店方法の4パターンと向き不向き【比較】
越境ECの出店方法は、大きく「自社サイト型」「海外モール出店型」「既存ECへの越境機能付与型」「運営代行型」の4つに分けられます。経済産業省の市場調査でも、越境ECの事業モデルは国内自社サイト・国内ECモール出店・相手国ECモール出店・保税区活用型など複数の形態に整理されています。本記事の4パターンは、これらを実務的にまとめ直したものです。
| 自社サイト型 | 海外モール出店型 | 既存ECへの越境機能付与型 | 運営代行型 | |
|---|---|---|---|---|
| 概要 | 自社ECサイトを多言語・多通貨に対応させ、海外から直接購入できるようにする。Shopifyなどのカートや専用システムで構築する | Tmall Global(天猫国際)やAmazonなど、販売先の国で利用者が多いECモールに出店・出品する | 今運用している国内ECサイトにタグやツールを追加し、海外カート・多通貨決済・国際配送を付与する | 構築・集客・物流・多言語カスタマーサポートまでを支援会社に委託する |
| 向く事業者 | 自社ブランドの世界観を重視し、顧客データを自社で持ちたい事業者 | 現地の集客力を使い、早く海外の顧客に接点を持ちたい事業者 | 既存の国内ECを活かし、小さく手軽に越境対応を始めたい事業者 | 社内に越境ECの人材やノウハウがなく、まとめて任せたい事業者 |
| 難易度 | 高い(構築・運用の知見が必要) | 中程度(モールの審査・運用ルールへの対応が必要) | 低い(既存サイトを大きく変えずに始められる) | 低い(実務の多くを委託できる) |
| 初期費用の目安 | やや高い | モールにより幅がある | 低い | 委託範囲により幅がある |
※難易度・初期費用の目安は一般的な傾向です。実際の費用や対応範囲はサービスごとに異なるため、各社情報をご確認ください。
自社サイト型はブランド構築と顧客データの蓄積に優れる一方、多言語化・決済・物流を自社で整える負担があります。海外モール出店型は現地モールの集客力を活用できますが、出店料や販売手数料、モール独自の運用ルールへの対応が必要です。既存ECへの越境機能付与型は最も手軽に始められ、運営代行型は実務の大半を任せられる分、委託費用が発生します。
自社サイト型か海外モール出店型かで迷う場合は、具体的なプラットフォームやカートごとの違い、費用、選び方まで掘り下げた次の記事もあわせてご覧ください。
出店方法別の費用レンジ(初期費用・運用コスト)の目安
越境ECにかかる費用は、選ぶ出店方法によって構造が大きく変わります。主なコスト項目は、初期費用(構築費・出店料)、月額の利用料、決済手数料、販売手数料、そして国際配送にかかる物流費です。
出店方法のタイプごとに、初期費用・月額費用のおおまかな目安を挙げます。実際の金額はサービスや委託範囲によって幅があります。
- 既存ECへのタグ追加型(機能付与型):初期費用は数万円程度から、月額は数千円程度から。
- ASP型の越境カート(ASP=クラウドで提供される形態):月額は数千円程度から(初期費用が無料のものもあります)。
- 自社サイト構築型・総合運営代行型:要問い合わせ(売上に連動するレベニューシェア型もあります)。
- 中国市場特化の運営代行型:初期費用は250万円規模から(別途、市場調査費がかかります)。
このとおり、手軽に始める方法と本格参入する方法では費用の構造が大きく異なります。出店方法別の具体的な料金は、後半の比較表と各サービスの紹介で見比べられます。
越境ECのメリット・デメリット
越境ECを始めるかどうかを判断するには、得られるものと向き合うべき課題の両方を知っておく必要があります。ここでは、天秤にかけられる粒度でメリットとデメリットを整理します。
越境ECのメリット
最大のメリットは、販売先が国内市場だけに縛られなくなることです。日本国内のEC市場が成熟へ向かうなかで、人口規模の大きい海外市場に新たな顧客を求められます。実店舗や現地法人を持たずに始められるため、海外進出の第一歩としての負担も比較的小さく済みます。
また、日本の商品には海外で根強い需要があります。品質・デザインや「日本製」への信頼を背景に需要があり、日本ならではの商材を持つ事業者には参入の余地が大きい分野です(伸びている具体的な商材は後述)。国や商材によっては現地にまだ競合が少なく、先行者として需要を取り込める余地が残る点も魅力です。
越境ECのデメリット(輸送コスト・各国規制・為替・トラブル)
一方で、国内ECにはない実務上の負担やリスクがあります。代表的なものが、国際配送にかかる輸送コストです。国際郵便や国際宅配便の送料は国内配送より高く、重量やサイズの大きい商品では、送料が利益を圧迫する要因になります。
各国の規制への対応も見過ごせません。自社の商材と販売先に応じて、該当する規制を事前に確認する必要があります。代表的な例は次のとおりです。
- 米国(化粧品):化粧品規制現代化法(MoCRA)に基づき、製造・加工施設の登録と製品リスティングが求められます。
- 中国(化粧品):国家薬品監督管理局(NMPA)への登録(特殊化粧品)または届出(一般化粧品)が必要です。
- EU(個人情報):一般データ保護規則(GDPR)は、EU域内の消費者に商品・サービスを提供するEU域外(日本を含む)の事業者にも適用され得ます(第3条)。
出典・参考資料(4件)
為替変動リスクも越境EC特有の課題です。外貨で受け取った売上を円に換算するタイミングによって、手元に残る金額が変わります。円高に振れれば、同じ外貨売上でも円換算での収入は目減りします。
さらに、言語や商習慣の違いから、返品・交換やクレーム対応などのトラブルが起こりやすい点にも注意が必要です。海外発行カードを使った不正利用のリスクもあり、不正検知や代金回収の仕組みを整えておくことが求められます。
越境ECを始めるための準備と流れ
ここからは、越境ECを実際に始めるとしたら、何をどの順で準備すればよいのかを解説します。始める前の適性確認から、関税・税金・規制の確認までを押さえておくと、見込み違いや損失を防ぎやすくなります。
始める前に確認したい注意点(自社商品の越境適性・海外ニーズ・為替リスク)
準備に入る前に、まず自社の商品が越境ECに向いているかを見極めることが重要です。輸送に耐える形状・重量か、販売先の国で輸入が認められている品目か、現地の規制に抵触しないかを確認する必要があります。
次に、その商品に海外ニーズがあるかを調べる必要があります。狙う国や地域で、自社商材に対する需要や検索の動きがあるかを確認し、需要が見込めない市場にいきなり多くの投資をしないことが大切です。
あわせて、為替が変動しても採算が取れる価格設定になっているかも確かめておきましょう。これらを先に確認しておくと、「出してみたが売れない」「規制に引っかかって販売できない」という事態を避けられます。
準備の基本ステップ
越境ECを始めるための準備は、大まかに次の流れで進めます。

- 市場調査とターゲット国の選定:自社商材の需要が見込める国を調べ、販売先を絞り込みましょう。
- 商品の選定と規制・禁止品の確認:販売する商品を決め、ターゲット国で輸入が認められているか、規制や禁止品目に該当しないかを確認しましょう。
- 出店方法の決定:自社サイト型・海外モール出店型・既存ECへの越境機能付与型・運営代行型の中から、自社に合うやり方を選びましょう。
- 決済と物流の手配:現地で普及した決済手段を用意し、国際配送の方法と送料・納期の条件を整えましょう。
- 多言語対応とカスタマーサポート体制の整備:サイト・商品説明の多言語化と、現地の言語・時差に対応した問い合わせ対応の体制を準備しましょう。
これらを自社だけで整えるのが難しい場合は、構築や運営を支援する会社に一部または全体を任せる選択肢もあります。支援形態については記事後半で解説します。
関税・輸出免税(消費税)・各国規制の確認
越境ECでは、税金と関税の扱いを正しく理解しておくことが欠かせません。まず関税について、税関は納税義務者を次のように定めています。
関税を納める義務がある者(納税義務者)は、関税関係法令に別段の規定がある場合を除くほか、「貨物を輸入する者」であると規定されています。この場合の「貨物を輸入する者」とは、輸入取引により輸入される貨物については、原則として仕入書(インボイス)(又は船荷証券)に記載されている荷受人となります。
出典:カスタムスアンサー No.1103「関税の納税義務者」|税関
このとおり、関税は輸入国で商品を受け取る側(原則として購入者)が負担します。ただし、販売条件によっては販売者が負担する形も選べるため、どちらが負担するのかを購入者に事前に明示しておくことがトラブル防止につながります。
消費税については、日本から海外へ販売する取引は輸出取引に当たるため、免除されます。国税庁は輸出免税について次のように説明しています。
事業者が国内で商品などを販売する場合には、原則として消費税がかかります。しかし、販売が輸出取引に当たる場合には、消費税が免除されます。これは、内国消費税である消費税は外国で消費されるものには課税しないという考えに基づくものです。
出典:タックスアンサー No.6551「輸出取引の免税」|国税庁
輸出免税の対象となるのは課税事業者で、適用を受けるには輸出許可書や税関長の証明書など、輸出の事実を証明する書類を整理し、保存しておく必要があります。輸出免税はモノの輸出だけでなく、外国に向けて行うサービスにも適用されます。保存すべき書類や要件は改正される場合があるため、最新の情報を国税庁・税関の公式情報で確認してください。
出典・参考資料(1件)
販売先の国ごとに、関税の免税限度額(デミニミス)が設定されている点にも注意が必要です。米国は長年、1件800ドル以下の少額輸入を免税(デミニミス)として扱ってきました。しかし大統領令(Executive Order 14324、2025年7月30日署名・8月29日発効)により、この少額免税は全世界からの輸入を対象に撤廃されました。
その後も制度の見直しは続いており、米国向けは少額輸入でも関税が発生する前提で考える必要があります。免税限度額は国ごとに異なり、縮小する傾向にあるため、販売先の最新ルールを確認してください。
少額輸入を免税とするデミニミスは、米国の撤廃をはじめ各国で縮小・見直しが進んでおり、どの国でいくらまで免税になるかは販売先の選定や価格設定にも影響します。各国の免税限度額の最新状況と、事業者が取るべき対応は次の記事で詳しく整理しています。
自社商品を海外で販売できる状態に整えるには、こうした税・関税・規制の確認が前提になります。各社がどこまでの実務をカバーするかは、支援サービスによって大きく異なります。
一括ダウンロードする
越境ECの市場規模と成長性
自社でも越境ECにいけそうかを判断する材料として、市場規模と成長性を公的な統計で確認します。ここで示す数字は、経済産業省が2025年8月に公表した「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2024年の実績)に基づくものです。
同調査によると、2024年に中国の消費者が日本から購入した越境EC(消費者向け)の市場規模は2兆6,372億円、米国の消費者が日本から購入した市場規模は1兆5,978億円でした。両者を合わせた約4.2兆円が、日本商材に対する中国・米国の消費者からの越境EC需要で、日本の事業者が海外から受け取っている購入額の大きさを示します。
市場全体の規模も大きく、同調査では、中国の消費者による越境EC(日本・米国から購入)の総市場規模は5兆7,769億円、米国の消費者による越境EC(日本・中国から購入)の総市場規模は2兆7,144億円とされています。日本・米国・中国の間だけでもこれだけの取引が行われており、越境ECが成長を続ける市場であることがわかります。
また、同調査では2024年の日本国内のBtoC-EC市場規模は26兆1,225億円、物販分野のEC化率は9.78%とされています。国内市場も拡大が続く一方で、これとは別に海外には日本商材への数兆円規模の需要があり、新たな販路として越境ECに取り組む意義は大きいといえます。
出典・参考資料(1件)
越境ECで伸びている商材と成果につなげる進め方
市場規模の数字は、どのような商品が海外で売れているのかを知ると、より自社に引き寄せて考えられます。ここでは、公的統計が示す海外需要の中身から、日本商材が越境ECで伸びている領域と、成果につなげる進め方を見ていきます。
前節のとおり、中国・米国の消費者が日本から購入する越境EC需要は約4.2兆円規模に達しています。この需要を牽引しているのが、アニメ・ホビー関連、化粧品、食品、雑貨といった、日本ならではの魅力を持つ商材です。品質やデザイン、「日本製」への信頼が評価され、国内では当たり前に流通している商品が、海外では希少価値を持って受け入れられるケースが少なくありません。
こうした領域で成果を上げる事業者に共通するのは、全世界へ一律に売るのではなく、自社商材の需要が高い国・地域に販売先を絞る点です。そのうえで現地の商習慣に合わせた商品説明・接客を行い、現地で普及した決済手段や物流を整え、販売先に合った集客施策を打ちます。どの国の消費者に響くかを見極め、小さく始めて検証しながら広げる進め方が現実的です。
この「小さく始めて検証しながら広げる」という進め方は、越境ECの構築を支援する現場の見方とも重なります。成果が出るまでの期間について、MCB FinTechカタログの独自インタビューでは次のような指摘がありました。
台湾向けや中国向けなど越境ECの場合、一律に「何カ月で成果が出る」とは言えません。既存のブランド認知や顧客基盤、広告・SNSなどの集客施策、現地での運用体制によって大きく変わるためです。
システム面では、公開直後から運用効率化などの効果が出るケースもあります。一方で売上や集客については、公開後のデータを見ながら継続的に改善していくことが重要だと考えています。
自社の商材にも海外需要がありそうだと感じたら、次は「自前で始めるか、支援会社に任せるか」を具体的に検討する段階です。越境ECの構築・運営代行・集客には、それぞれ得意分野の異なる支援サービスがあります。
一括ダウンロードする
越境ECを自社で始めるか、支援会社に任せるか
ここまで見てきたとおり、越境ECには多言語・決済・物流・関税・各国規制といった、国内ECにはない実務が伴います。これらをすべて自社で整えるのが難しい場合、構築や運営を支援する会社に任せる選択肢があります。ここでは支援の受け方を俯瞰し、自社に合う進め方を考える材料を示します。
支援会社が担う形態は、先に見た出店方法の4パターン(自社サイト構築支援・運営代行・中国など特定市場特化・既存ECへの機能付与)とおおむね対応します。どれを選ぶかの前に、越境ECの実務のどこを自前で持ち、どこから任せるかを切り分けると、必要な支援が見えてきます。
任せる範囲を考えるときは、次の4領域のうち、どこに自社の知見・体制があるかを見極めるのが判断軸です。
- 多言語化・サイト構築
- 決済・物流・通関
- 集客・マーケティング
- 多言語カスタマーサポート
全体を任せたいなら運営代行、一部を補いたいなら構築支援や既存ECへの機能付与、中国市場を本格的に狙うなら中国特化型と、足りない部分を埋める形で選ぶのが基本です。以下では、それぞれの支援形態を代表するサービスを紹介します。
構築・運営代行・中国など特化型といった支援タイプごとの違いや費用相場、選び方は、越境EC代行サービスをより多く取り上げて比較した次の記事で詳しく解説しています。どの支援形態が自社に合うかを具体的に絞り込みたい方は、あわせてご確認ください。
以下は、ご紹介する越境EC支援サービスの比較表です。
| サービス名 | Magento / Adobe Commerce構築支援(マルウェブ) | WeChatミニプログラムFor中国越境EC(マルウェブ) | Lingble Global Guide | 飛躍(HIYAKU) | GMOグローバルEC | トランスコスモスの越境EC支援 | BEENOS Solutions(旧BeeCruise) | WorldShopping BIZ | エフカフェ(F-CAFE) | Live Commerce |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 支援タイプ | ECサイト構築支援 | 中国市場特化(WeChatミニEC) | 運営代行(フルマネージド) | ECサイト構築・運営代行(Shopify) | モール出品代行・構築支援 | 運営代行(ワンストップ) | 既存ECへの越境機能付与 | 既存ECへの越境機能付与 | 中国市場特化(天猫国際運営代行) | 自社サイト構築(ASPカート) |
| 対応市場 | 全世界(中国向けパッケージあり) | 中国 | 34カ国で販売/170カ国へ配送 | 多言語・多通貨対応 | 海外ECモール中心(自社モール・eBay等) | 中華圏・韓国・ASEAN・北米・中南米 | 海外全般(多言語対応) | 228の国と地域 | 中国 | 多言語・多通貨対応(自社サイト) |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 無料(makeshop利用店舗の連携時) | 要問い合わせ | 無料(Buyee Connect) | 33,000円(税込) | 250万円〜(別途、市場調査20万円〜) | 無料 |
| 月額費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ(売上レベニューシェア型) | 要問い合わせ | 無料(makeshop利用店舗の連携時) | 要問い合わせ | 無料(Buyee Connect。ダッシュボードは月額5,500円) | 5,500円(税込) | 要問い合わせ(個別見積り) | 6,138円〜(プランにより異なる) |
| 特徴 | Adobe Commerce認定パートナー。 多言語・多通貨・複数ストアを1つの管理基盤で運用 | WeChatアプリ内で完結。 売上は日本円建てで最低月1回振込。 15日間のトライアルあり | 戦略立案〜サイト構築・運営・物流・多言語CSまで一括。 24時間365日の多言語サポート | Shopify Plus公式パートナー。 コーチング/伴走コンサル/代行の3段階から選べる | 2010年創業・累計支援3,000社以上。 makeshop連携で海外モール出品を無料化 | 東証プライム上場。構築〜受注・物流・多言語CSまで1社対応。 中国で20年・50社超の運用実績 | タグ1つで既存ECを越境化(Buyee Connect)。 最大18言語対応・支援累計7,000件以上 | タグ1行で導入。 EC事業者は売上手数料なし(購入代行手数料10%は海外購入者が負担) | 上海現地法人が店舗運営・CSを直接担当。 天猫国際を主軸・越境EC歴19年・支援100社以上 | 越境EC専用のASPカート。関税前払いプラグイン。 30日間の無料体験・ISO/IEC 27001・ISO 9001取得 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※料金は各社公式の公表値。最新は各社サイトでご確認ください。
1. Magento / Adobe Commerce 構築・リニューアル支援(株式会社マルウェブ)

株式会社マルウェブが提供する、ECプラットフォーム「Magento(Adobe Commerce)」を用いたECサイトの構築・リニューアル支援サービスです。要件定義から設計・開発、デザイン調整、公開後の保守運用までを一社で一貫して対応します。
越境ECの面では、多言語・多通貨や国別サイト、海外向けの決済・配送を踏まえた構築に対応し、ブランド別・国別・商材別の複数のECサイトを1つの管理基盤で運用できます。取引先別価格や見積依頼といったBtoB機能、基幹・在庫管理システムとの連携にも対応します。
Adobe社のソリューションパートナー(Adobe Commerce認定パートナー)であり、日本側で要件整理・進行管理を担い、ベトナムの開発チームと連携して進める体制を取っています。料金は構築内容や連携範囲によって変わるため、個別の見積もりとなります。
2. WeChatミニプログラムFor中国越境EC(株式会社マルウェブ)

中国の消費者が日常的に使う「WeChat(微信)」のアプリ内で動作する、ミニプログラム形式の越境ECサービスです。消費者は別アプリを入れることなく購入でき、株式会社マルウェブがWeimob(微盟)との代理店契約に基づいて提供しています。
店舗ページを編集する管理画面、商品登録、注文・出荷管理、CRM、クーポンやライブコマースなどの販促機能を備えたオールインワン型で、決済はWeChatPayに対応します。売上はWeChatPay経由で日本円建てで最低月1回振り込まれます。
物流は越境EC向けの国際物流パートナーと連携し、倉庫保管型・注文都度発送型のいずれにも対応します。本契約の前に15日間のトライアルを利用でき、料金は初期費用・月額とも個別の見積もりとなります。
3. Lingble Global Guide(Lingble Pte. Ltd.)

Lingble Global Guideは、シンガポールのLingble Pte. Ltd.が2019年から展開する、ブランドの海外販売をまるごと任せられるフルマネージド型のグローバルEC支援サービスです。マーケットプレイスへの出店代行ではなく、統一した自社ドメインでグローバルに販売する体制づくりを支援します。
グローバルEC戦略の立案からD2C(自社が消費者に直接販売する形)サイトの構築・運用、国際配送・通関・DDP(関税前払い)対応・返品交換、市場ごとの価格や在庫水準の最適化までをワンストップで請け負います。消費者向けには24時間365日の多言語カスタマーサポートを用意し、34カ国での販売実績と170カ国への配送実績を公表しています。
料金は初期費用・月額ともに要お問い合わせで、サイトの売上に応じて課金されるレベニューシェア型のモデルを採用しています。コクヨ・デサント・ブラザー工業・ダスキンなどの導入実績があり、自社に越境ECのノウハウがなく、構築から運営・物流・多言語対応までまとめて任せたい企業に向いた選択肢です。
4. 飛躍(HIYAKU)(株式会社飛躍)

飛躍(HIYAKU)は、Shopify Plusの公式パートナーとして、国内EC・越境ECのサイト構築からカスタマイズ、運営代行までをワンストップで手がける株式会社飛躍のサービスです。2017年のShopify日本上陸初期からのパートナーで、東京・京都に拠点を置いています。
越境EC領域では、フランス発の越境EC事業者Bento&coの創業者による貿易実務・運用・対象国選定のコンサルティングを組み込んだ構築パッケージを用意するほか、多言語・多通貨に対応したサイトの構築から運営代行までを提供しています。
決済・物流面では、現地言語での決済表示や多通貨決済に対応するGlobal-e Japan、Shopify向け配送サービスを提供する三井物産などと提携し、関税・税金の計算を含む越境EC運営の実務を支援します。支援の受け方は、レクチャー中心のコーチング、実装まで伴走するコンサル、運用全般を任せる代行の3段階から、社内の体制に合わせて選べます。料金は要お問い合わせです。
5. GMOグローバルEC(GMOグローバルEC株式会社、旧ジェイグラブ)

2010年創業の越境EC支援会社で、2026年1月にEC構築サービス「makeshop byGMO」を手がけるGMOメイクショップの傘下に入り、現社名へと変更しました。海外ECモールへの出品代行から、Magento・Shopifyでの自社EC構築、国際物流、海外進出コンサルティングまでを一体で手がけています。
モール出品代行サービス「Japan Finds byGMO」では、makeshop byGMOの利用店舗であれば初期費用・月額費用・販売手数料・国際配送料がいずれも無料で海外販売を始められます。makeshopを利用していない場合は、直接契約による海外販売支援を個別に案内する形をとっています。
自社モール「Japan Finds」やeBayへの出品に対応し、Amazon・Walmart・Shopee・Lazadaは順次連携予定とされています。農林水産省や地方自治体、金融機関などと連携した支援実績があり、累計の支援社数は3,000社以上と公表しています。
6. トランスコスモスの越境EC支援(トランスコスモス株式会社)

コンタクトセンター・BPO事業を主力とする東証プライム上場のトランスコスモス株式会社が、「ECワンストップサービス」の一環として越境EC支援を提供しています。中国・台湾・韓国・ASEAN・北米・中南米など、幅広い地域をカバーします。
ECサイトの構築・運用から受注管理、国際物流・通関、多言語のカスタマーサポートまでを1社でまとめて請け負える点が特徴です。天猫国際やJD worldwide、Shopee、Lazadaなど、販売先の国で利用者の多いモールへの出店支援にも対応しています。
中国市場では20年にわたりサービスを提供し、50社を超えるEC運用実績を公表しています。社内にノウハウがなく、実務の多くをまとめて委託したい事業者に向いた選択肢です。
7. BEENOS Solutions(BEENOS Solutions株式会社、旧BeeCruise)

自社のECサイトにタグを1つ追加するだけで、海外向けの専用カート・決済・国際配送・多言語カスタマーサポートを付与できる「Buyee Connect」を中核とした越境EC支援サービスです。運営はBEENOSグループのBEENOS Solutions株式会社です。
Buyee Connectは事業者側の初期費用・月額費用・販売手数料が0円で、海外の購入者が1注文あたり500円を負担する料金設計です(分析用ダッシュボードは月額5,500円)。海外顧客向けのサポートは最大18言語に対応します。
自社ECの越境化のほか、ShopeeやeBayなど海外ECモールへの出店支援、現地販路の開拓やマーケティング支援まで、3つのソリューションを用意しています。越境EC支援の累計件数は7,000件以上と公表しています。
8. WorldShopping BIZ(株式会社ジグザグ)

既存の国内ECサイトを作り替えることなく、越境対応を付与できる購入代行型のサービスです。運営元は東京証券取引所グロース市場に上場する株式会社ジグザグです。
ECサイトにタグを1行追加するだけで、海外顧客向けの多言語カート表示・海外決済・国際配送・問い合わせ対応を代行でき、228の国と地域への販売に対応します。海外顧客からの問い合わせには、英語・簡体字・繁体字・韓国語・フランス語・日本語の6言語で対応します。
料金は初期費用33,000円(税込)・月額5,500円(税込)で、EC事業者側に売上手数料はかかりません(購入代行手数料10%は海外購入者が負担します)。2026年7月時点で約3,000ショップの導入実績を公表しています。
9. エフカフェ(株式会社エフカフェ)

天猫国際(Tmall Global)を主軸とした中国向け越境ECに特化し、出店申請から店舗運営までを代行する支援会社です。目的に応じてJD国際を併用し、小紅書(RED)や抖音(Douyin)はKOL(影響力の大きい発信者)施策・ライブコマースなどのプロモーションで活用します。
2010年設立の上海現地法人のスタッフが店舗運営やカスタマーサポートを直接担い、日本側は日本人ディレクターが日本語で窓口対応する体制です。越境EC歴は19年、支援実績は100社以上、累計流通総額は150億円以上と公表しています。
料金は、市場調査が20万円〜、初期費用が250万円〜(モール・商品数・支援範囲により変動)で、出店から販売開始までの目安は3〜6ヶ月です。中国市場を本格的に狙う事業者に向いています。
10. Live Commerce(株式会社デジタルスタジオ)

越境EC専用のECサイト構築・運営プラットフォーム(ASP型カート)です。構築支援ツール「ストアマネージャー」を使い、多言語・多通貨に対応した自社越境ECサイトを構築できます。運営は株式会社デジタルスタジオです。
決済・物流・レビュー依頼メール・カート離脱対策メールなど、越境EC運営に必要な機能を1つのプラットフォームでまかなえます。関税を商品代金とあわせて事前に徴収できる関税前払いプラグイン(有償オプション、Zonos API連携)を備える点が特徴です。
初期費用が無料のプランや30日間の無料体験が用意されており、累計1,000サイト以上の利用実績を公表しています。情報セキュリティのISO/IEC 27001とソフトウェア品質のISO 9001の認証を取得しています。
まとめ
越境ECは、国境を越えて海外の消費者に商品を販売する販路で、言語・通貨・決済・関税・配送の面で国内ECとは異なる実務が生じます。始め方は自社サイト型・海外モール出店型・既存ECへの越境機能付与型・運営代行型の4パターンがあり、自社の商材・体制・予算に合うやり方を選ぶことが出発点です。
海外需要の大きさや市場の成長性は追い風ですが、輸送コスト・各国規制・為替・トラブルへの備えも欠かせません。関税は原則購入者が負担し、日本からの販売は輸出免税の対象になる基本を押さえ、販売先ごとの規制や免税限度額の最新ルールを確認して進めましょう。自社で整えにくい部分は、支援会社の構築・運営代行・集客支援を選択肢に検討できます。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. 越境ECとは何ですか?
A. 越境ECとは、インターネット上のECサイトやモールを通じて、国境を越えて海外の消費者に商品を販売するビジネスです。実店舗や現地法人を持たなくても、ECの仕組みを使って海外へ商品を届けられるため、初期投資を抑えて海外販売を始めやすい販路として広がっています。
Q. 越境ECと国内ECの違いは何ですか?
A. 越境ECと国内ECの違いは、顧客が海外にいることから、言語・決済通貨・決済手段・関税・配送のすべてで異なる実務が生じる点です。国内ECが日本語・日本円・国内宅配で完結するのに対し、越境ECでは販売先の国の言語や外貨、現地で普及した決済手段への対応が必要で、配送は通関を伴う国際配送となり日数と送料が増えます。
Q. 越境ECの関税は誰が負担するのですか?
A. 越境ECの関税は、原則として商品を輸入する購入者(輸入者)が負担します。税関も納税義務者を「貨物を輸入する者」と定めています。ただし販売条件によっては販売者が負担する形も選べるため、どちらが負担するのかを購入者に事前に明示しておくとトラブルを防げます。
出典・参考資料(1件)
Q. 越境ECで消費税はかかりますか?
A. 越境ECで日本から海外の消費者へ商品を販売する取引は輸出取引に当たるため、日本の消費税は免除されます(輸出免税)。これは、内国消費税である消費税を外国で消費されるものには課税しないという考えに基づくものです。ただし、免税の適用を受けられるのは課税事業者で、輸出許可書など輸出の事実を証明する書類を保存しておく必要があります。
出典・参考資料(1件)
Q. 越境ECを始めるのにどれくらいの費用がかかりますか?
A. 越境ECの費用は、選ぶ出店方法によって大きく異なり、既存ECにツールを追加する方法は初期費用数万円程度から、中国市場向けに専用店舗を本格的に構える方法は初期費用250万円以上と幅があります。主なコスト項目は初期費用・月額利用料・決済手数料・販売手数料・国際配送費で、実額はサービスごとに差が大きいため、候補の料金体系を資料で見比べることが欠かせません。
Q. 越境ECは自社で始めるのと支援会社に任せるのと、どちらを選べばよいですか?
A. 越境ECを自社でやるか支援会社に任せるかは、自社に越境ECのノウハウ・人材・予算がどれだけあるかで判断します。自社で多言語化・決済・物流・各国規制に対応できるなら自前運用、ノウハウがなくまとめて任せたいなら運営代行型、小さく手軽に始めたいなら既存ECへの越境機能付与型が向きます。どこを自社で行いどこから任せるかで、適した支援形態が変わります。
Q. 越境ECではどのような商品が海外で売れていますか?
A. 越境ECでは、アニメ・ホビー関連、化粧品、食品、雑貨など、日本ならではの魅力を持つ商材が海外の消費者に選ばれやすい傾向があります。品質やデザイン、「日本製」への信頼が評価され、国内では当たり前の商品が海外では希少価値を持って受け入れられるケースも少なくありません。自社商材の需要が高い国・地域に販売先を絞ることが出発点です。
越境ECの構築・運営代行サービスの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、越境ECの構築・運営代行・集客を支援するサービスの最新資料を無料で一括請求できます。対応国や支援範囲、費用感を比べて、自社に合う進め方を検討できます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















