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あふれ呼対策15サービスを費用で比較|IVR・コールバック・ボイスボットの選び方と、放棄呼率の測り方

あふれ呼対策15サービス を費用で比較のサムネイル画像
自動音声応答システム(IVR)比較表(2026年版)のプレビュー

主要25サービスの料金・機能を無料で一覧比較

自動音声応答システム(IVR)比較表(2026年版)

繁忙期やキャンペーンの直後に電話がつながらず、問い合わせを取りこぼしていないでしょうか。回線がふさがって話し中になる、つながっても待たされた末に切られる、という状態が続くと、受注や予約の機会がそのまま失われていきます。

この状態は「あふれ呼」と呼ばれます。解決策として真っ先に浮かぶのはオペレーターの増員ですが、採用にも育成にも時間がかかり、繁忙期の山に間に合わないことがほとんどです。しかも山を越えれば人が余ります。

打てる手は増員だけではありません。用件ごとに電話を振り分ける、折り返しの予約だけ受けて後からかけ直す、電話をWebに逃がす、AIに一次対応させる、といった手があります。手段によって効果が出るまでの早さも、費用の出方も、現場にかかる負担も違います。

本記事では、あふれ呼への対策手段を横断して比較したうえで、受け皿になる15サービスを並べます。料金を公式に公開しているのは7サービスで、残る8サービスは非公表(要問い合わせ)です。あわせて、自社がいま何件・いくら取りこぼしているかを測る手順も整理しています。

また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

あふれ呼とは?電話が受けきれず取りこぼしている状態のこと

あふれ呼とは、かかってきた電話が回線数やオペレーターの席数を超えてしまい、受けきれずにあふれる状態を指します。業界団体である一般社団法人日本コンタクトセンター協会は、用語集で次のように定義しています。

オーバーフロー 電話回線にコールが集中して、コールが溢れること。あふれ呼ともいう。または、溢れた呼を他の電話回線に逃がして着信させること。

出典:コンタクトセンター/コールセンター用語集|一般社団法人日本コンタクトセンター協会

この定義には2つの意味が含まれています。ひとつは「電話があふれてしまう状態」そのもの、もうひとつは「あふれた電話を別の回線に逃がすこと」です。後者は対策の考え方そのもので、あふれた分をどこへ逃がすかという発想が、後述する各手段の土台になります。

あふれ呼・待ち呼・放棄呼・ブロック呼の違い

電話がつながらない状態を表す言葉は複数あり、混同されがちです。どこまでを何と呼ぶかによって、後で計算する指標の数字も変わります。日本コンタクトセンター協会の用語集の定義にもとづいて整理すると、次のようになります。

顧客の電話がどの段階で止まったかで、あふれ呼・待ち呼・放棄呼・ブロック呼が分かれることを示した図解。回線・交換機に届かなかった呼があふれ呼・ブロック呼、待ち行列で応答を待っている呼が待ち呼、応答前に顧客が切った呼が放棄呼で、応答まで届いた呼だけが用件の対応につながる
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あふれ呼(オーバーフロー)待ち呼(キュー)放棄呼(アバンダンコール)ブロック呼
どんな状態か電話回線にコールが集中して、コールが溢れること。溢れた呼を他の電話回線に逃がして着信させることも指す交換機に着信したが、応答可能なコミュニケーターがいないため、交換機内で音声ガイダンスなどを流して応答を待っている呼交換機に着信したが、応答前に顧客から電話を切断された呼回線が使用中や、ACDがキューにあるコール量が一定以上になるとブロックするプログラミングを行っている等、様々な要因で繋がらなかったコール
顧客から見た体験話し中になる、またはつながらない「お待ちください」の案内が流れ、順番を待っている待ちきれずに自分から切った呼び出し音すら鳴らず、つながらない
取りこぼしているか取りこぼしているまだ取りこぼしていない(待たせている)取りこぼしている取りこぼしている

※用語の定義は一般社団法人日本コンタクトセンター協会の用語集にもとづく

整理すると、待ち呼はまだ顧客が待ってくれている状態で、そこから顧客が自分で切ってしまうと放棄呼になります。あふれ呼とブロック呼は、そもそも待ち行列にすら入れなかった呼です。

自社の症状がどれにあたるかは、顧客側にどう見えているかで見分けられます。「お待ちください」の案内が流れた後で切られているなら放棄呼、話し中や呼び出し音が鳴らない状態で弾かれているならあふれ呼・ブロック呼です。この違いは、後で取りこぼしを数えるときにどの数字を使うかを決めるので、先に確かめておいてください。

ブロック呼の定義には注意が必要です。回線が物理的に足りない場合だけでなく、待ち行列が一定量を超えたときに意図的に接続を止めている場合も含まれます。自社の設定で「何件たまったら切るか」を決めているなら、そこで切られた呼もブロック呼にあたります。

あふれ呼を放置すると何が起きるか

電話がつながらない状態を放置すると、次の3つが同時に進行します。いずれも表面化するまでに時間差があるため、気づいたときには影響が広がっているのが厄介なところです。

つながらなかった顧客が離れ、受注・予約を取りこぼす

電話をかけてつながらなかった顧客が、後でかけ直してくれるとは限りません。注文や予約のように「今その場で済ませたい」用件であれば、つながる別の会社へ流れます。

ここで失われているのは、広告費をかけて獲得した見込み客です。電話番号にたどり着くまでの費用はすでに払い終えており、最後の一歩だけが欠けている状態といえます。実際にいくら失っているかは、後述する手順で概算できます。

「つながらない会社」という評価が積み上がる

つながらなかった経験は、その1件だけで終わらないことがあります。口コミやレビューに書かれれば、次に検討する人の目に触れます。既存顧客であれば、契約更新や追加購入の判断に影響することも考えられます。

特に、解約やトラブルの問い合わせでつながらなかった場合、顧客の不満は用件そのものからつながらないこと自体へ移ります。ようやくつながったときには、オペレーターが最初に受け止めるのが謝罪から始まる会話になり、1件あたりの対応時間も延びていきます。

つながらなかった経験が顧客側にどう残るかは、電話をかける側に聞いた調査からも確かめられます。利用者が挙げた不満の内訳と問い合わせ先に求めるものの順位に加えて、解約手続きや深夜・早朝など、人よりも自動音声のほうが話しやすいと受け止められる場面も数値で示されています。

残った電話がオペレーターに集中し、負荷と離職につながる

あふれ呼が起きている時間帯、現場は鳴り続ける電話を前に休みなく応対しています。1件終わるたびに次が入る状態が続くと、後処理の時間も取れません。

この負荷が続けば離職につながり、席数が減ればあふれ呼はさらに増えます。人が足りないからつながらない、つながらないから現場が疲弊する、という循環に入ってしまうと、増員だけでは抜け出しにくくなります。

あふれ呼が起きる原因を切り分ける|原因ごとに効く手が違う

あふれ呼への対策は、原因によって効くものが変わります。入電が一時的に集中しているのか、そもそも席数が足りていないのか、1件あたりの対応が長いのかで、打つべき手はまったく別物です。ここでは主な5つの原因を挙げます。

特定の時間帯・時期に入電が集中する(キャンペーン・障害・繁閑差)

1日のなかでも、1年のなかでも、電話は均等にはかかってきません。総務省統計局が平成27年国勢調査のコールセンターについて公表した実施状況では、総着信約160万件の分布について「一日のうち9~11時台、13~17時台に着信のピークがみられる」「月曜日及び土曜日に着信が多い」と記録されています。

年間の変動はさらに大きくなります。日本年金機構が公表した令和6年度のねんきんダイヤルの実績では、総呼数が最も多い6月は38万7,303件で応答率56.2%だったのに対し、最も少ない9月は16万9,420件で応答率86.0%でした。同じ窓口・同じ年度で、約30ポイントの開きがあります。

同じ体制のまま運用していても、入電量が2倍以上になれば応答率はこれだけ落ちます。自社の入電記録を月別・曜日別・時間帯別に並べたとき、山がどこにあるかを把握することが出発点になります。

席数・回線数が入電量に見合っていない

山があるかどうかとは別に、平常時から慢性的に足りていないケースもあります。この場合は繁忙期だけの対策では解決せず、体制そのものの見直しが必要になります。

席数と回線数は別の制約である点にも注意が必要です。オペレーターが空いていても回線が埋まっていれば電話は入ってきませんし、回線に余裕があってもオペレーターがいなければ待ち呼が積み上がります。何席必要かの見積もり方は後述します。

1件あたりの対応が長い(取り次ぎ・調べ物・保留で回転が落ちる)

入電量が変わらなくても、1件あたりの対応時間が延びれば処理できる件数は減ります。担当部署への取り次ぎ、顧客情報の検索、社内確認のための保留は、いずれも通話時間を押し上げる要因です。

一例として、前述の国勢調査コールセンターでは平均通話時間が世帯専用コールで3分42秒、調査員専用コールで4分03秒と記録されています。ただし適正な通話時間は用件の性質で大きく変わり、注文受付と技術サポートを同じ物差しでは測れません。比べるべきは他社の値ではなく、自社の平常時と繁忙期の推移です。

電話以外の窓口がない、FAQが古くて自己解決できない

問い合わせ手段が電話しかなければ、すべての用件が電話に集まります。営業時間の確認や配送状況の照会といった、本来は自分で調べれば済む用件まで電話に流れ込むと、複雑な相談を受けるための席がふさがります。

Webサイトによくある質問のページがあっても、内容が古かったり、探している質問にたどり着けなかったりすれば同じことです。電話の件数を見るときは、そのうち何割が自己解決できる用件だったかもあわせて確認しておきたいところです。

音声ガイダンスが長い・階層が深い(IVR設計の不備)

すでに音声ガイダンスを導入している場合、それ自体が取りこぼしの原因になっていることがあります。案内が長い、選択肢が多い、目的の窓口にたどり着くまでに何度も番号を押させる、といった設計では、顧客はオペレーターにつながる前に切ってしまいます。

この場合、席数を増やしても数字は改善しません。切られているのは待ち行列の中ではなく、その手前だからです。メニュー設計をどう直すかは運用のセクションで扱います。

ここまでの5つのうち、自社に当てはまるものはどれでしょうか。入電が一時的に集中しているなら山の部分だけを受け止める手が、慢性的に足りていないなら体制そのものを変える手が、1件あたりが長いなら処理を短くする手が効きます。次のセクションでは、それぞれに効く手段を横断して比べます。

出典・参考資料(2件)

あふれ呼への対策手段の全体像|増員以外に打てる手を横断して比べる

ここからは、あふれ呼に対して打てる手段を7つ取り上げます。それぞれ「何を解決する手なのか」「どの原因に効くのか」「効果が出るまでどれくらいかかるのか」という観点で見ていきます。先に全体を見比べたい場合は、このセクションの末尾に置いた手段の比較表からご覧ください。

用件ごとに電話を振り分ける(IVR)

IVR(音声自動応答)は、企業の電話窓口で音声による自動応答を行うシステムです。発信者のダイヤル操作に合わせて、あらかじめ録音してある音声を再生し、用件に応じた窓口へ振り分けます。音声認識を備え、相手の発話に応じて再生内容を決める製品もあります。

あふれ呼への効き方は2つあります。ひとつは取り次ぎ時間の削減です。用件を聞いてから担当へ回す作業がなくなる分、1件あたりの通話が短くなり、同じ席数でも処理できる件数が増えます。もうひとつは、営業時間の案内や配送状況の照会のように、自動音声だけで完結する用件を有人対応から外せることです。

「1件あたりの対応が長い」「電話以外の窓口がない」という原因に効きます。一方で、入電量そのものが席数を大きく超えている場合、振り分けても待ち行列が短くなるだけで根本的な解決にはなりません。

折り返しを予約で受ける(コールバック)

日本コンタクトセンター協会は、コールバックを「コンタクトセンターに着信した電話に対して、回線が込み合っている、回答に時間を要すなどの理由で、一度回線を切断し、改めて顧客に電話すること」と定義しています。あふれ呼対策そのものといえる手段です。

混雑時に自動音声が電話を受け、連絡先と用件を記録して、手が空いた時間に折り返します。顧客は待たずに切れるため、待たされた末に切られる放棄呼が、記録の残った折り返し予定に変わります。取りこぼしを予約に置き換える手だと考えると分かりやすいでしょう。

「特定の時間帯・時期に入電が集中する」という原因に最も効きます。山の部分だけを谷の時間帯へ移す仕組みだからです。逆に、慢性的に席数が足りていない場合は谷そのものが存在しないため、折り返しが溜まり続けることになります。折り返しが許される用件かどうかも判断が要ります。

電話以外の窓口へ逃がす(FAQ・チャット・Webフォーム・ビジュアルIVR)

電話に集まっている用件のうち、自分で調べれば済むものをWebへ移す考え方です。よくある質問のページを充実させる、チャットの窓口を用意する、といった施策がこれにあたります。効果が出るまでには時間がかかりますが、入電の母数そのものを減らせる点で影響は大きくなります。

この分類のなかで、あふれ呼への即効性という点で性格が異なるのがビジュアルIVRです。音声ガイダンスの選択肢をスマートフォンの画面に置き換え、かかってきた電話をその場でWebへ渡します。混雑時に自動音声で案内してSMSでURLを送る、という運用が典型です。

公的機関でも実運用されています。日本年金機構は予約受付専用電話について、令和6年9月から「混雑時や受付時間外でも予約可能なネット予約サイトのURLをSMSで送信」する取り組みを始めたと公表しています。すでにかかってきてしまった電話を、切らずにWebへ渡す動線です。

「電話以外の窓口がない」という原因に効きます。ただし、Webで完結できない相談まで無理に誘導すると、結局かけ直されて二度手間になります。どの用件を移すかの見極めが要ります。

AIが直接応対して一次対応を完結させる(ボイスボット)

プッシュ操作ではなく、話し言葉をAIが聞き取って応対する手段です。「予約を変更したいのですが」といった発話をそのまま受け取り、内容によっては最後まで自動で完結させます。有人対応に回る本数そのものを減らせる点が、振り分けにとどまるIVRとの違いです。

受付・照会・変更のように手順が決まっている用件が多いほど効果が出ます。24時間受け付けられるため、営業時間外の入電を翌営業日に持ち越さずに済む点も、あふれ呼の平準化につながります。

「席数・回線数が入電量に見合っていない」「特定の時間帯に集中する」の両方に効きます。一方で、どの用件をAIに任せてどこから人へ渡すかを設計する必要があり、導入までの手間は他の手段より大きくなります。

AIに任せる範囲をどう決めるかは、受け付ける用件の性質で変わります。予約受付や本人確認など業務ごとに、手順どおりに応答する方式と生成AIが対話する方式のどちらが向くかを整理し、導入後に認識精度や有人への引き継ぎでつまずかないための進め方まで示した資料があります。

待たせ方を変える(待ち人数・待ち時間のアナウンス)

待ち行列そのものは減らせなくても、待たせ方を変えることで切られる件数は減らせます。日本コンタクトセンター協会は「予測待ち時間アナウンス」を、接続までの予測の待ち時間を顧客に知らせることと定義しています。あと何分か分かれば、待つか掛け直すかを顧客が自分で選べます。

予測の時間まで出せない場合でも、混雑していることを伝えて選択を委ねるだけで効果はあります。日本年金機構の混雑時ガイダンスがその例です。

ご利用ありがとうございます。只今の時間は大変混みあっております。誠に恐れ入りますが、このままお待ちいただくか、改めておかけ直し下さい。なお、スムーズにご相談いただけるよう、あらかじめ基礎年金番号が分かるものをご用意下さい。

出典:コールセンター着信後にオペレーターが応答するまでの時間(第62回運営評議会 資料5)|日本年金機構

待つか掛け直すかを選ばせたうえで、待つ場合に手元に用意しておくものまで案内しています。待ち時間を通話の準備に使ってもらう設計です。

注意したいのは、伝え方によっては逆効果になることです。予測より実際の待ち時間が長くなると、待つと決めた判断を裏切ることになり、不満は待たされること以上に大きくなります。予測を出すなら、実績との差を継続して確認する必要があります。

あふれた分を外部に受けてもらう(アウトソーシング・転送)

自社で受けきれない分を、電話代行やコールセンター委託先へ転送する手段です。前述の用語集の定義にあった「溢れた呼を他の電話回線に逃がして着信させること」を、社外の受け皿で実現する形といえます。

席数の制約を自社の採用と切り離せるため、繁忙期の山に対して比較的短期間で手を打てます。一方で、委託先が自社の商品知識を持つまでには時間がかかり、一次受付までを任せて詳細は折り返す、といった線引きが必要になります。件数に応じた課金が中心のため、山が大きいほど費用も膨らみます。

人員配置と要員計画を見直す(繁閑差に合わせたシフト・スキル配置)

席数の総量は変えずに、配置の仕方で受けられる件数を増やす手段です。日本コンタクトセンター協会は、呼量予測を「過去の呼数の実績や広告媒体、天候、日柄・曜日・時間帯などの変動要因をもとに、時間帯毎・日毎・月毎などの着信呼数を予測すること」と定義しています。

予測にサービス目標を加味して要員配置計画とシフトを作り、リアルタイムで予実を管理する仕組みはWFM(ワークフォースマネジメント)と呼ばれます。ピークの時間帯に人を寄せるだけでも、同じ人数で受けられる件数は変わります。

実際の運用例もあります。日本年金機構は令和6年8月から、ねんきんダイヤルで「受電するコールセンターを発信地域別に固定する方式から、各コールセンターの席数に応じて均等に分配する方式へ変更」しました。特定の拠点だけが混雑する状態を、分配の仕方で解消した例です。

費用をかけずに始められる一方、慢性的に人が足りていない場合は、配置の見直しだけでは受けきれません。前提として、時間帯別・曜日別の入電実績が取れている必要もあります。

【手段の比較】どの手段が、どの原因に、どれくらいの早さと費用で効くか

7つの手段を、効果が出るまでの早さ・費用の出方・向いている原因・現場の運用負荷・顧客体験への影響で並べると次のようになります。Webへ逃がす手段は、時間をかけて入電の母数を減らすものと、かかってきた電話をその場でWebへ渡すビジュアルIVRとで性格が違うため、表では2行に分けています。

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用件ごとに電話を振り分ける(IVR)折り返しを予約で受ける(コールバック)電話以外の窓口へ逃がす(FAQ・チャット・Webフォーム)ビジュアルIVRでWebへ渡すAIが直接応対する(ボイスボット)待たせ方を変える(待ち時間のアナウンス)外部に受けてもらう(アウトソーシング・転送)人員配置と要員計画を見直す
効果が出るまでの早さ数日〜数週間(シナリオ設計と音声収録が必要)数日〜数週間(転送設定が要る場合あり)数か月(コンテンツの整備と定着に時間がかかる)数週間(誘導先のページが整っていることが前提)数週間〜数か月(対応範囲の設計と検証に時間がかかる)即日〜数日(既存システムの設定変更で済むことが多い)数週間(委託先の選定と引き継ぎが必要)数週間(実績データの蓄積と分析が前提)
費用の出方初期費用+月額固定が中心初期費用+月額固定+件数課金の組み合わせが多い制作・整備の工数が中心初期費用+月額固定。SMS送信は件数課金個別見積もりが中心(本記事で比較した5製品はいずれも金額を非公表)既存システムの機能で賄えれば追加費用なし件数・時間に応じた課金が中心。山が大きいほど増える追加費用なし(WFMツールを入れる場合は月額)
向いている原因1件あたりの対応が長い/電話以外の窓口がない特定の時間帯・時期に入電が集中する電話以外の窓口がない、FAQが古い電話以外の窓口がない/入電が集中する席数が足りない/入電が集中する入電が集中する(待ち行列が発生している場合)席数が足りない/入電が集中する入電が集中する(総量は足りている場合)
現場の運用負荷メニュー変更のたびに設計の見直しが要る折り返しの担当割り当てと漏れの管理が新たに発生内容の更新を続ける体制が要る誘導先ページの保守が要る任せる範囲と人へ渡す条件の設計・調整が続く低い引き継ぎと品質管理の手間が発生予測と実績の突き合わせを続ける必要がある
顧客体験への影響階層が深いと逆に切られる待たずに切れる。折り返しが遅いと不満に変わる自己解決できれば早い。解決できないと二度手間画面で選べる。スマートフォン以外からの入電には効かない24時間つながる。聞き取れないと不満につながる待つか掛け直すかを選べる。予測が外れると不満が増す人が応対する。詳細は折り返しになることがある変化なし(つながりやすさだけが改善)

※効果が出るまでの早さと費用の出方は、対象サービスの公式情報で確認できた範囲にもとづく一般的な傾向です

すぐに手を打ちたいなら待たせ方の変更から、山を平準化したいならコールバックから、入電の母数を減らしたいならWebへの誘導から検討するのが順当です。実際には複数を組み合わせることになります。

このうち、システムで受け皿を作る手段は「用件ごとに振り分けるIVR」「折り返しを予約で受けるコールバック型IVR」「Webページへ誘導するビジュアルIVR」「AIが直接応対するボイスボット」の4つです。この4タイプについては、後半の比較表でサービス単位まで見ていきます。

出典・参考資料(2件)

あふれ呼対策にかかる費用と導入期間|手段別の初期費用・月額の実額

対策を検討するうえで避けて通れないのが、増員と比べて見合うかどうかの判断です。ここでは課金の型の違いを押さえたうえで、公式に料金を公開しているサービスの実額と、導入までにかかる期間を示します。

料金体系の読み方(初期費用・月額固定・従量課金という課金の型の違い)

この領域の料金は、初期費用・月額固定・従量課金の3つを組み合わせた形が一般的です。初期費用には回線の設定やシナリオの構築が含まれ、月額固定は窓口数や席数で決まります。従量課金は処理した件数や通話時間に応じて発生します。

3つのうち、見積もりを大きく左右するのは従量部分です。月額固定が同じでも、繁忙期に処理する件数が多ければ支払総額は変わります。見積もりを取るときは、ピーク月の想定件数を伝えて総額で比べる必要があります。

もうひとつ確認しておきたいのが、月額の単位です。窓口ごとに課金されるのか、席数ごとなのか、電話番号ごとなのかで、同じ金額でも実際の負担は変わります。特に複数の窓口を持つ場合、窓口課金だと窓口を増やすたびに月額が積み上がります。

タイプ別の初期費用・月額の実額

本記事で取り上げる15サービスのうち、初期費用または月額を公式サイトで公開しているのは7サービスです。その実額を受け皿のタイプ別に並べます。

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用件ごとに電話を振り分けるIVR折り返しを予約で受けるコールバック型IVRWebページへ誘導するビジュアルIVRAIが直接応対するボイスボット
初期費用の実額0円(IVRy)
50,000円/席(BIZTEL 座席課金)
200,000円(BIZTEL ライトプラン)
300,000円〜(CT-e1/SaaS)
※Zendesk は非公表
50,000円〜(あふれ呼IVR)
50,000円〜(MediaVoice)
150,000円〜(VoiceMall・コールバック予約の費用例)
※あふれ呼対策.app は非公表
2社とも非公表(要問い合わせ)5社すべて非公表(要問い合わせ)
月額費用の実額0円(IVRy フリー・月30着電まで)/3,980円〜(IVRy スターター)
15,000円/席(BIZTEL 座席課金)/81,000円(BIZTEL ライトプラン)
外線・シート・管理者 各5,000円/ユニット(CT-e1/SaaS)
$115/エージェント(Zendesk Suite Professional・年払い。あふれ呼対応・IVR・コールバックは本プラン以上が必要)
50,000円〜・月1,000件まで(あふれ呼IVR)
30,000円・1窓口(MediaVoice)
300,000円〜(VoiceMall・コールバック予約の費用例)
2社とも非公表(要問い合わせ)5社すべて非公表(要問い合わせ)
従量課金通話料は各社とも別途実費。Zendesk は電話番号 $1/月+着信通話 $0.016/分1,001件目から25円/件(あふれ呼IVR)
20円/件(MediaVoice)
2社とも非公表(要問い合わせ)対応件数・通話時間に応じた課金が中心(単価は各社とも非公表)
実額を公開しているサービス4社中4社(Zendesk は月額のみ)4社中3社2社中0社5社中0社

※2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報にもとづきます。プランや条件により変動するため、最新の金額は各社にご確認ください

同じタイプの中でも価格の幅は大きく開きます。用件を振り分けるIVRは、初期0円・月額3,980円から使えるものと、初期30万円規模でコールセンターの基盤ごと入れ替えるものが同居しており、桁が2つ違います。まず自社が必要としているのが受付窓口だけなのか、基盤全体なのかを決めないと、見積もりの比較が成立しません。

折り返し予約を受けるタイプは、初期50,000円前後・月額30,000円台から始められるものがあります。窓口を1つに絞って繁忙期の受け皿として使うなら、小さく始められる価格帯です。

一方で、AIが直接応対するタイプは、取り上げた5社すべてが初期費用・月額とも公開していません。任せる用件の範囲によって設計工数が変わるため、個別見積もりになりやすいという事情があります。検討する場合は、想定する用件と件数を伝えたうえで見積もりを取る前提で進めることになります。

増員・アウトソーシングと比べたときの費用の出方

システムで受け皿を作る場合と、人を増やす場合とでは、費用の出方の性質が異なります。オペレーターを増やせば人件費は毎月固定で発生し、繁忙期が終わっても下がりません。採用と育成にかかる期間も加わります。

比較するには、両方を同じ形の数字にする必要があります。増員側は、給与に社会保険料・採用費・研修費を足した1席あたりの月額を自社で出してください。地域や雇用形態で幅が大きく、外部に出回っている平均値を当てはめても稟議の根拠にはなりません。ここは自社の実績から出すのが確実です。

受け皿側は、前掲の実額から総額を組み立てます。たとえば繁忙期の3か月だけ折り返し予約を受ける構成なら、初期50,000円に月額50,000円を3か月分、あふれる呼が月2,000件なら月1,000件を超えた分の従量25円が1,000件×3か月分で、合計275,000円という計算になります。この総額を、同じ3か月に人を1席増やした場合の人件費と並べれば、どちらが見合うかを判断できます。

ただし各社の公表は「50,000円〜」のような下限の表記なので、実際の見積もりはここから上振れします。最低利用期間を公式に示していないサービスもあり、繁忙期の3か月だけ契約できるとは限りません。期間を区切って使えるかどうかも、見積もりのときに確認してください。

件数課金であれば、閑散期の支払いは自然に小さくなります。人を通年で抱える場合との差はこの点に出ます。

外部委託の場合は件数や時間に応じた課金が中心で、山が大きいほど費用も増えます。繁忙期だけ切り出して委託する形であれば、人を通年で抱えるより変動費として扱いやすくなります。ただし委託先が商品知識を持つまでの引き継ぎ工数は別途かかります。

どの手段が見合うかは、自社がいくら取りこぼしているかと突き合わせて初めて判断できます。その概算方法を次のセクションで示します。

導入までの期間と、繁忙期に間に合わせる段取り

繁忙期に間に合わせたいなら、逆算して動く必要があります。折り返し予約を受けるパッケージには公式サイトで「最短5営業日」と示しているものがあり、Webへ誘導するビジュアルIVRにも発注から最短10営業日とされているものがあります。各製品の期間は後掲の比較表と個別紹介で確認してください。

一方で、コールセンター基盤そのものを入れる場合は工程が増えます。テナントの構築に5〜10日、IVRの設定に10〜20日という工程を公式に示している製品もあり、契約から稼働まで1か月以上を見ておくのが現実的です。

期間を左右するのは、システム側の作業よりも自社側の準備であることが少なくありません。どの用件をどう振り分けるか、どんな文面で案内するか、折り返しを誰が担当するかは、いずれも自社で決める必要があります。見積もりを取る段階で、これらの決定に何日かかるかも見込んでおくと計画が崩れにくくなります。

自社の取りこぼしを数字で測る|放棄呼率・機会損失額・必要席数

対策の費用が見えたら、次は自社がいくら取りこぼしているかを算出します。ここで得た数字は、社内で予算を通すための根拠になり、導入後に効果が出たかを確かめる基準にもなります。

放棄呼率の計算式と、何を分母・分子に置くか

取りこぼしを表す代表的な指標が放棄呼率です。日本コンタクトセンター協会は、放棄呼と放棄呼率を次のように定義しています。

放棄呼 コンタクトセンターの交換機に着信したが、応答前に顧客から電話を切断された呼のこと。
放棄呼率 着信呼数に対する放棄呼数の割合。

出典:コンタクトセンター/コールセンター用語集|一般社団法人日本コンタクトセンター協会

分母は着信呼数、分子は放棄呼数です。着信10,000件のうち800件が応答前に切られていれば、放棄呼率は8%になります。

ここで注意したいのは、放棄呼率が「交換機まで届いた呼」しか対象にしていないことです。前述のとおり、あふれ呼やブロック呼は待ち行列に入る前に弾かれた呼なので、自社の交換機には記録が残りません。話し中が増えているタイプの取りこぼしは、放棄呼率だけを見ていても数字に表れないことになります。

放棄呼率の分母と分子を示した図解。分母は交換機に着信した呼=着信呼数で、その内側にコミュニケーターが対応した応答呼(応答率の分子)と応答前に切断された放棄呼(放棄呼率の分子)がある。交換機に届かなかったあふれ呼・ブロック呼は着信呼数に含まれず、放棄呼率には表れない

そのため、測る前に自社の症状がどちらなのかを確かめてください。待たされた末に切られているなら放棄呼率で追えます。呼び出し音が鳴らず話し中になっているなら、弾かれた呼の件数を別途つかむ必要があります。契約している通信事業者や、PBX・コールセンターシステムの提供元に、話し中で接続できなかった呼の件数をレポートで取得できるかを問い合わせるのが最初の一歩です。

件数そのものが取得できない場合は、入電記録から推定する方法もあります。時間帯別の着信数を並べ、自社が同時に受けられる上限(回線数・席数)を超えている帯を特定すれば、その超過分がおおよその取りこぼしにあたります。厳密な数字にはなりませんが、次に示す金額換算の入力としては十分です。

ここで問題になるのが、着信してすぐ切れた呼をどう扱うかです。かけ間違いや操作ミスで数秒後に切れた呼まで放棄呼に数えると、実態より数字が大きく出ます。そこで「何秒未満は除外する」というしきい値を設ける運用が存在します。

ただし、このしきい値には業界で決まった基準がありません。日本コンタクトセンター協会の用語集にも、日本コンタクトセンター教育検定協会のCMBOK用語集にも、秒数の規定は置かれていません。実際には、通話管理システム側の設定項目として各社が値を決めているのが実情です。

さらに、除外すること自体に否定的な立場もあります。コンタクトセンターの運用標準であるCOPC CX標準を策定するCOPC Inc.は、「x秒未満で放棄されたコールを含めていないが、それでよいか」という問いに対し、明確に否定しています。

“We don’t include calls that abandon in less than “x” seconds (where “x” might be 5, 10, 20, 40). Is that okay?”
The answers to these are “not likely,” “probably not,” “no,” and “definitely not.”

出典:Service Level – Are You Measuring it the Wrong Way?(2024年9月12日)|COPC Inc.

見解が分かれている以上、他社の数字と自社の数字を直接比べても意味がありません。実務上は、自社で数え方を決めて固定し、対策の前後で同じ条件の数字を比べるのが確実です。この点は、あわせて読み替えの必要な指標にも影響します。日本コンタクトセンター教育検定協会は、平均応答時間について「放棄呼の設定によってこの指標の値が歪められてしまう場合がある」と注意を促しています。

応答率・ASA(平均応答時間)など、あわせて見る指標

放棄呼率だけでは、つながらなかった電話の全体像はつかめません。日本コンタクトセンター協会は、応答率を「着信呼数に対し、コミュニケーターが対応した数(一部、IVRでの対応も含む)の割合」と定義しています。

あわせて見たいのがサービスレベルと平均応答時間(ASA)です。前者は「着信呼数に対し、設定した時間内で応答できた呼数の割合」、後者は「着信要求があってから、コミュニケーターが応答するまでの平均時間」と定義されています。

このうちASAには扱いに注意が要ります。日本年金機構は資料のなかで、ASAについて「平均値の性質から、応答速度のばらつきが大きい場合があり、この指標だけでは顧客をどの程度お待たせしているかわかりにくいことがある」「サービスレベルと併用して活用することが望ましい指標とされている」と説明しています。

実際の水準を見ると、公表されている数字は決して短くありません。日本年金機構が令和6年度の第1〜第3コールセンター平均として公表したASAは37秒でした。同機構は同じ資料で、コールセンター業界誌『コールセンター白書2024』の調査による回答企業の平均応答時間が34.5秒であることも引用しています。

海外の調査ではさらに長い値が出ています。ContactBabelが米国のコンタクトセンター管理者189名を対象に2023年9月から12月にかけて実施した調査では平均応答時間は79秒で、同社の2026年版でも74秒とされています。日本の窓口の判断に直接当てはめる数字ではありませんが、20秒前後が当たり前の水準ではないことは読み取れます。

目標値の置き方も同様です。Web上には「一般的なASAは20秒程度」とする記述もありますが、出所は確認できません。

出所をたどれるものを見ると、日本年金機構は年金電話相談等業務のSLAで、設定時間内応答率の目標値を「60秒以内80%」、基準値を「60秒以内50%」と定めています。日本コンタクトセンター教育検定協会のCMBOK用語集がサービスレベルの説明に用いている例も「80/30」で、着信から30秒以内に応答したコールの割合が全体の80%という水準です。

自社で目標を置くときは、ASA単独ではなく「何秒以内に何%」というサービスレベルの形にしてください。平均値は一部の極端に長い呼に引きずられるため、どれだけの顧客がどこまで待たされたかは平均からは読み取れません。そのうえで、対策の前後を同じ集計条件で比べます。

目安として流通している水準と、その出所

放棄呼率について「何%以内なら良いのか」を知りたいところですが、ここには注意すべき事情があります。日本の業界団体は、放棄呼率の平均値を公表していません。日本コンタクトセンター協会が毎年実施しているコンタクトセンター企業実態調査を2020年度から2025年度まで確認しても、調査項目は売上高・従業員数・在宅オペレーションの状況などで、放棄呼率や応答率といった運用指標は扱われていません。

そのため、Web上で「一般的な目安」として流通している数値には出所を確認できないものが混ざっています。実際、5〜10%程度とする記述と、10〜20%以内が理想とする記述が併存していますが、いずれも根拠となる調査を示していません。これらを自社の目標値の根拠にするのは避けたほうが安全です。

出所をたどれる数字としては、次の3つが挙げられます。

1つ目は、米国の実測値です。ContactBabelが2012年から2023年まで毎年公表している調査では、放棄呼率は最も低い年で5.3%、最も高い年で7.3%と、12年間5〜7%台で推移しています。同社は本文で次のように述べています。

However, this has not had a noticeable effect on call abandonment rate, which continues to move between a range of 5-7%.

出典:The 2024 US Contact Center Decision-Makers’ Guide (16th edition)|ContactBabel

12年間を通じて5〜7%の範囲で推移しているという実測です。米国の調査であり日本の水準ではありませんが、出所と調査年、回答者数がたどれる数字として参照する価値があります。

2つ目は、目標として置くべき水準についての見解です。前出のCOPC Inc.は、「顧客に対してどの放棄呼率なら許容できるか」を問うたうえで、多くのカスタマーサービス環境では3〜5%の範囲になるとし、緊急サービスでない限りこれを下回ると顧客の期待を超えることになると述べています。実測の平均ではなく、目標設定の考え方として示された数値です。

3つ目は、日本の公的機関が公表している応答率の実測です。日本年金機構のコールセンター全体では、令和7年度の入電総呼数7,654,931件に対して応答呼数6,065,314件、応答率79.2%と公表されています。年度目標は70%以上に置かれています。年間765万呼という規模での実測値であり、日本の大規模窓口が実際にどの水準で運用されているかの参考になります。

この応答率から放棄呼率を逆算しないよう注意してください。応答されなかった約2割には、待たされて切られた放棄呼だけでなく、そもそも回線に入れなかった呼も含まれます。両者は別の指標です。

自社の目標値を決めるときは、これらを参考にしつつ、窓口の性質で調整するのが現実的です。受注や予約を受ける窓口であれば取りこぼしが直接売上に響くため厳しめに、一般的な問い合わせ窓口であれば費用とのバランスで設定します。導入後は、対策前と同じ数え方で測った数字を並べて効果を確認します。

取りこぼしが売上でいくらになるかを概算する

指標が出たら、金額に換算できます。基本の考え方は、取りこぼした件数に、その電話がつながっていれば成約していた割合と、1件あたりの平均単価を掛けるというものです。

放棄呼数 × 受注(予約)率 × 平均単価、という組み立てになります。受注率と平均単価は自社の実績から取るのが確実です。つながった電話の成約率と平均受注額が分かれば、そのまま当てはめられます。

たとえば月間の放棄呼が800件、つながった電話の受注率が20%、平均単価が30,000円であれば、800 × 0.2 × 30,000 = 4,800,000円が月間の機会損失の概算になります。前掲の費用と並べれば、対策が見合うかどうかを自分で判断できます。

この計算はあくまで概算です。つながらなかった顧客が後でかけ直す場合もあり、その分は二重に数えていることになります。逆に、口コミへの影響や既存顧客の離反までは含まれていません。厳密な数字を出すことより、意思決定に使える桁を把握することが目的です。

社内に出すときは、受注率を保守的に置いておくと説明が通りやすくなります。つながった電話には既存顧客の問い合わせや返品の連絡も混ざっており、取りこぼした電話が同じ割合で受注につながったとは限らないためです。実績の受注率をそのまま使わず、何割か割り引いた値で計算しておけば、前提を問われたときに答えられます。

今の席数で足りているかを見積もる(呼量から必要席数を出す考え方)

増員という選択肢を検討するなら、何席足りないのかを把握しておく必要があります。この見積もりに使われるのがアーラン式です。日本コンタクトセンター協会は次のように定義しています。

アーラン 通信回線におけるトラフィック量の国際単位。1回線を1時間占有した場合の通信量が1アーラン。「アーランB式」は、呼量・呼損率目標値から必要回線数を求めるもの。「アーランC式」は、呼量・平均処理時間・サービスレベル目標値から必要なコミュニケーター数を求めるもの。

出典:コンタクトセンター/コールセンター用語集|一般社団法人日本コンタクトセンター協会

押さえておきたいのは、回線数と席数で使う式が違うという点です。何回線必要かはアーランB式、何人必要かはアーランC式で求めます。回線を増やしても応対する人がいなければ待ち呼が積み上がるだけ、という状況はここから説明できます。

アーランC式に入れるのは、呼量・平均処理時間・サービスレベルの目標値の3つです。呼量は単位時間あたりの呼数に平均処理時間を掛けたもので、国際電気通信連合が公開するトラフィック工学の解説書でも、呼量A=呼の発生頻度λ×平均処理時間s と定義されています。

計算そのものは各種の計算ツールで行えます。実務で重要なのは、ピークの時間帯の呼量を入れることです。1日平均の呼量で計算すると、山の時間帯には足りない席数が出てきます。入電の山がどの帯に立つかは窓口ごとに違うので、自社の時間帯別の実績で見積もってください。

ここで出た必要席数と現在の席数の差が、埋めるべき量です。その差を人で埋めるのか、これまで見てきた受け皿で吸収するのかが、次の判断になります。

出典・参考資料(9件)

受け皿サービスを選ぶときの比較ポイント

手段の方向性が定まったら、次は個別のサービスを見ていきます。ここでは6つの観点を、自社の入電に効くか、今の電話環境に載るか、導入後を回せるかの順に並べます。後半の比較表は、この観点に対応する列で構成しています。

どの原因に効かせたいかと機能が合っているか

最初に確認したいのは、そのサービスがあふれた電話に対して何をしてくれるかです。用件で振り分けるのか、折り返しの予約を受けるのか、Webへ誘導するのか、AIが応対するのかで、解決できる原因が変わります。

ここで注意したいのが、同じ「IVR」を名乗っていても、入電が席数を超えたときに何も起きない製品があることです。平常時の振り分けや時間外の留守番案内はできても、混雑時に待たせ続けるだけであれば、あふれ呼への受け皿にはなりません。機能一覧に混雑時の挙動が書かれているかを確認してください。

もうひとつ、機能がどのプランに含まれるかも見落とせません。あふれ呼への対応やコールバックが上位プランでのみ提供され、最安プランでは使えないサービスがあります。プランごとの機能表まで確認しないと、見積もり段階で想定より高くなります。

繁忙期だけ・時間帯だけ使えるか

あふれ呼が特定の時期にだけ起きるなら、その期間だけ使える契約かどうかが費用を大きく左右します。最低利用期間が1か月単位で、必要な月だけ席数やライセンスを増減できるサービスであれば、閑散期の支払いを抑えられます。

従量課金の有無も同じ観点です。月額固定が中心のサービスは、繁閑差が大きいほど閑散期に無駄が出ます。件数課金であれば使った分だけの支払いで済みますが、ピーク月の総額は膨らみます。自社の入電の山と谷の比率を出したうえで、どちらが有利かを試算してください。

今の電話番号・PBX・コールセンターシステムのまま使えるか

すでに公開している電話番号を変えられない場合、既存の回線から転送して使えるかが前提条件になります。番号を新たに発番する方式だと、Webサイトや印刷物の表記をすべて差し替える必要が出てきます。

ところが、この条件は公式サイトに書かれていないことがほとんどです。本記事で比較した15サービスのうち、既存番号をそのまま使えると明記しているのは2サービスだけで、残りは記載がありません。後掲の比較表でもこの列は「公式に記載なし(要問い合わせ)」が並びます。公式サイトに記載がないためで、問い合わせでの確認が前提になります。

したがって、ここは製品ページを読み比べても絞り込めません。問い合わせの最初の一通で確認する項目として扱い、あわせて次の転送方式まで聞いておくのが早道です。

転送方式にも種類があります。通信事業者の転送サービスを使う方式と、自社のPBX(構内交換機)側で転送設定を行う方式があり、後者はPBXの管理者による作業が必要です。後述のとおり、転送中に自社側の回線を1本消費する仕様のものもあり、その場合は予備の回線を確保しておかないと転送自体があふれます。

回線の本数が導入の前提条件になる例として、株式会社電話放送局の話を紹介します。同社がIVRでクレジットカード決済を受け付けるサービスで、導入前のヒアリングで何を確かめているかについて次のように述べたものです。転送方式を使う受け皿に共通する確認点として読めます。

前田氏
株式会社電話放送局 営業部 営業推進課 課長
前田氏
独自インタビューより

まず、お客様の現状の運用を詳細にヒアリングして、当社のサービスが本当に合っているかを見極めることを大切にしています。というのも、このサービスを導入するには、1顧客に対して2回線を使用する必要があるんです。通話中の回線を保持したまま、もう1回線で当社に外線発信する仕組みなので、そういった設備があるかどうかの事前確認が重要になります。

既存のコールセンターシステムを使っている場合は、そちらとの併存も確認が要ります。振り分けの制御をどちらが持つのかが曖昧なまま導入すると、意図しない経路で電話が回ることになります。

既存の顧客管理・チャネルと連携できるか

折り返し予約を受けるタイプでは、受け付けた連絡先をどう扱うかが運用の手間に直結します。顧客管理システムへ自動で連携できれば、担当者は普段の画面から折り返し先を確認できます。連携がなければ、管理画面を別に開いて転記する作業が発生します。

SMSの送信可否も確認しておきたい点です。Webへ誘導する運用ではSMSが動線になりますし、折り返しの前に到着予定を伝える使い方もできます。ただしSMSの送信費用や、送信履歴がレポートに含まれるかはサービスによって扱いが分かれます。

通話を録音する場合は、音声データがどこに保存され、誰が閲覧できるかも確認してください。通話内容から特定の個人を識別できる場合、そのデータは個人情報にあたります。個人情報保護委員会は、この点について次のように示しています。

通話内容から特定の個人を識別することが可能な場合には個人情報に該当します。個人情報に該当する場合、個人情報取扱事業者は、個人情報保護法上、利用目的を通知又は公表する義務を負いますが、録音していることについて伝える義務までは負いません。

出典:「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A(Q1-10、令和4年4月更新)|個人情報保護委員会

録音の告知そのものは義務ではないものの、利用目的の通知または公表は義務です。実務では冒頭のガイダンスで録音を伝えている窓口が多く、日本年金機構も接続時に「この電話は、お客様のご相談内容を正確にお聞きする為、録音させて頂いておりますので、予めご了承下さい。」と案内しています。

設定・シナリオの保守を自社で回せるか

導入して終わりではなく、キャンペーンや料金改定のたびに案内の内容は変わります。その変更を自社の管理画面から行えるのか、ベンダーへ依頼する必要があるのかで、運用の速度と費用が変わります。

依頼制の場合は、変更にかかる日数と費用を契約前に確認してください。繁忙期の直前に文面を差し替えたいという場面で、依頼から反映まで数日かかると間に合いません。

あわせて、サポート窓口の対応時間も見ておきたいところです。電話が集中するのが土日や夜間であれば、その時間帯に問い合わせられる体制があるかどうかは実務上の差になります。

効果を測れるか

導入の効果を確かめるには、対策の前後で同じ指標を比べる必要があります。放棄呼数・待ち呼数・応答率をレポートで確認できるサービスであれば、その画面がそのまま効果測定の材料になります。

リアルタイムで待ち呼数を表示できる機能があれば、混雑が発生した瞬間に人を寄せるといった当日の運用にも使えます。振り返り用の集計だけか、その場で見られるのかは分けて確認してください。

前述のとおり、放棄呼の数え方はシステム側の設定で変わります。レポートの数字を見るときは、どの条件で集計されているかもあわせて確認しておくと、対策の前後で条件がずれることを防げます。

出典・参考資料(1件)

ここまでの6つの観点で、確認すべきことは絞れたはずです。そのうえで自社がどのタイプに向くかの見極めが難しい場合は、以下の診断をお使いください。入電の性質をいくつか選ぶだけで、候補になるタイプとサービスが絞り込まれます。

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【比較表】あふれ呼対策サービスのおすすめ比較15選

ここからは、あふれた電話の受け皿になる15サービスを、4つのタイプに分けて比較します。費用の3項目(初期費用・月額・従量課金)に加えて、あふれた電話をどう受けるか、今の番号・PBXのまま使えるか、繁忙期だけ使えるか、SMS・外部システムと連携できるか、放棄呼や応答率をレポートで見られるかを横並びにしました。

【タイプ別比較表】用件ごとに電話を振り分けるIVR

音声ガイダンスで用件を聞き、担当窓口へ自動で振り分けるタイプです。待ち呼をキューイングして順番を制御し、あふれた分を転送する機能を備えます。取り次ぎの時間を削って席の回転を上げたい企業や、コールセンターの基盤ごと見直したい企業に向いています。

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サービス名BIZTEL コールセンターCT-e1/SaaSIVRy(アイブリー)Zendesk(Zendesk Talk)
初期費用50,000円/席(座席課金)
200,000円(ライトプラン)(税抜)
300,000円〜(初期導入設定費)0円非公表(要問い合わせ)
月額費用15,000円/席(座席課金)
81,000円(ライトプラン)(税抜)
外線・シート・管理者 各5,000円/ユニット
(例: 外線10ch・シート20席・管理4席で170,000円)
フリー 0円(月30着電まで)
スターター3,980円〜/スタンダード6,480円〜/アドバンス10,480円〜(月払い・税抜)
$115/エージェント(Suite Professional、年払い)
あふれ呼対応・IVR・コールバックは本プラン以上が必要(最安のSuite Team $55では利用不可)
従量課金通話料・オプション費用は別途実費通話料などキャリア費用は別途実費電話番号の維持費と通話料が別途(単価は公式に記載なし)電話番号 $1/月+着信通話 $0.016/分
あふれた電話をどう受けるか待ち呼キューイング(待ち人数のアナウンス)
折り返し呼の登録・管理
待ち呼キューイング(オリジナルガイダンス再生・待ち時間に応じた動作定義)
折り返し予約の専用機能は公式に記載なし
混雑時のAIによる一次対応(公式機能一覧に「あふれ呼対応」)
用件を録音・文字起こし・要約して通知
待ち呼数・待機時間が設定値を超えると発信者がコールバックを予約
デジタル回線には設定不可、予約は60分で失効
今の番号・PBXのまま使えるか公式に記載なし(要問い合わせ)
営業時間外は外部番号・携帯電話への転送を設定可
公式に記載なし(要問い合わせ)公式に記載なし(要問い合わせ)
外部への電話発信・転送はスタンダード以上
SIP-IN回線でIVRを利用可(コールバックは発信者番号の設定が必要)
日本の電話番号の対応可否は公式に記載なし
繁忙期だけの利用1か月単位で利用可(最低利用期間1か月)
無料トライアルは公式に記載なし
最低利用期間1か月。ライセンス数を1か月ごとに増減可
無料トライアルあり(サービス料金は無料、通話料は実費)
フリープラン(月30着電まで0円)から利用可
最低利用期間は公式に記載なし
無料トライアル14日間(Suite Professionalの全機能)
公式の料金表示は年払いのみで、月払いの金額は非公表
SMS・外部システム連携SMS送信に対応(手動・自動)
CRM/SFA連携・API連携はオプション
Salesforceなど16種類のCRM/SFAと連携(追加費用なし)
SMS送信は公式に記載なし
SMS送信に対応
Slack・LINE・Teams・メールへ通知(チャットツール連携はスターター以上)
Zendesk Suiteのチケット管理・他チャネルと統合
SMS送信は公式に記載なし
放棄呼・応答率のレポート待ち呼数・応答率・放棄呼数をリアルタイム表示
コールセンター別・エージェント別の統計レポート
レポート出力・ダッシュボードを標準搭載
放棄呼・応答率の項目は公式に記載なし
受電履歴を確認可。ダッシュボード(AI解析)は月10,000円のオプション
放棄呼・応答率の項目は公式に記載なし
待ち呼数・待機時間の追跡に対応
利用できるプランは公式に記載なし
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報にもとづきます。プランや提供形態(標準・オプション等)により異なる場合があるため、最新の内容は各社にご確認ください。

IVRには番号操作で振り分けるタイプのほかに、発話を認識して応対するAI型、画面へ誘導するビジュアル型があります。

どのタイプを選ぶかで、費用の出方も既存のPBX・CRMとの連携条件も変わります。あふれ呼対策に限らず、電話業務の自動化そのものを目的にIVRを選びたい場合は、25製品をタイプ別に整理した次の記事をご覧ください。

1. BIZTEL コールセンター(株式会社リンク)

BIZTEL コールセンターのウェブサイト

PBXを社内に置かずに、ブラウザの管理画面から着信の振り分けと待ち行列を設定できるクラウド型のコールセンターシステムです。株式会社リンクが2006年から提供しており、IVRやACDに加えて、待ち呼のキューイングと折り返し呼の管理を機能として備えています。

あふれた電話への対処は、待たせ方と折り返しの両面で設計できます。コールキューイングでは待っている人数をアナウンスでき、つながらなかった顧客は折り返し呼として登録してかけ直せます。営業時間外は外部番号への転送や携帯電話での受電も設定できますが、営業時間内に全席が埋まったときの自動転送については公式サイトに記載がないため、問い合わせで確認してください。

稼働状況モニタリングでは待ち呼数・応答率・放棄呼数をリアルタイムに表示でき、対策の前後で同じ指標を見比べられます。料金は税抜で、座席課金が1席あたり初期50,000円・月額15,000円、回線課金のライトプランが初期200,000円・月額81,000円です。契約は1か月単位で、2026年6月には大規模センター向けのプランも追加されています。

2. CT-e1/SaaS(株式会社コムデザイン)

CT-e1/SaaSのウェブサイト

外線・シート・管理者の3種類のライセンスを、必要な数だけ1か月ごとに増減できる料金体系のクラウド型CTIプラットフォームです。株式会社コムデザインが自社開発しており、ACD・IVR・通話録音・待ち呼のキューイングを追加課金なしの標準機能として提供しています。

待ち呼のキューイングでは、回線数に対して応対できる人数が少ないときの着信順を管理し、オリジナルのガイダンス再生や待ち時間に応じた動作の切り替えができます。一方で、待ち呼から顧客自身が折り返しを予約する専用機能は公式サイトに見当たらず、公式が挙げているのはボイスメールで用件と折り返し先を記録する機能です。折り返しを軸に運用するなら、この点は事前に確認してください。

費用は初期導入設定費が300,000円から、各ライセンスが5,000円/ユニットです。公式サイトは外線10ch・シート20席・管理機能4席の構成で月額170,000円という例を示しています。最低利用期間は1か月で、無料トライアル(サービス料金は無料、通話料は実費)にも対応するため、繁忙期に合わせて席数を増減する使い方と相性があります。

3. IVRy(アイブリー)(株式会社IVRy)

IVRy(アイブリー)のウェブサイト

公式の機能一覧に「あふれ呼対応(混雑時のAI一次対応)」が挙げられているのが、株式会社IVRyのIVRyです。固定電話番号での自動応答にAIの音声対話を組み合わせ、電話の一次受付を人を介さずに処理します。累計アカウント数は60,000件を超えています(2026年4月末時点)。

プッシュ操作による分岐に加えて、AIが用件を聞き取る受付や、営業時間の設定による夜間・休日の自動応答に対応します。受けた用件は録音・文字起こしのうえ要約され、Slack・LINE・Teams・メールへ通知されるため、手が空いてから折り返す運用の起点にできます(IVRyから発信・転送する場合はスタンダード以上のプランが必要です)。

初期費用は0円で、月払いの料金はフリー(月30着電まで)が0円、スターターが3,980円から、スタンダードが6,480円から、アドバンスが10,480円から(いずれも税抜)です。ただし電話の発信・転送に対応するのはスタンダード以上で、フリーとスターターでは外部への転送ができません。このほかに電話番号の維持費と通話などの従量料金がかかります。

4. Zendesk Talk(Zendesk, Inc.)

Zendesk(Zendesk Talk)のウェブサイト

メール・チャット・電話・SNSの問い合わせを1つの画面で扱う統合型のカスタマーサービスプラットフォームで、電話は音声チャネル機能のZendesk Talkが担います。Talkは単体では販売されておらず、Zendesk Suite(または Support + Talk アドオン)の契約が前提になります。

あふれ呼対策として使う場合は、必要なプランに注意が必要です。IVRメニューの作成・あふれ呼対応・コールバックはSuite Professional(1エージェントあたり月額$115、年払い)以上の機能で、最安のSuite Team(同$55)では利用できません。これに加えて電話番号が$1/月、着信通話が$0.016/分の従量課金がかかり、いずれもUSD表記で円建ての価格は公式に記載がありません。

コールバックは、待ち呼数や待機時間が設定値を超えたときに発信者が折り返しを予約できる機能です。ただしデジタル回線には設定できず、SIP回線では発信者番号の設定が必要で、予約は60分で自動的に失効します。無料トライアルは14日間あり、Suite Professionalの全機能を試せます。

【タイプ別比較表】折り返しを予約で受けるコールバック型IVR

混雑時にあふれた電話を自動音声が受け、連絡先と用件を記録して、手が空いた時間に折り返すタイプです。待たされた末に切られる放棄呼を、記録の残った折り返し予定に変えられます。入電が特定の時期や時間帯に集中し、折り返しでも構わない用件が多い企業に向いています。

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サービス名VoiceMall(ボイスモール)あふれ呼IVRMediaVoiceあふれ呼対策.app
初期費用150,000円〜(コールバック予約の費用例、税別)50,000円〜50,000円〜(あふれ呼IVR)非公表(要問い合わせ)
月額費用300,000円〜(コールバック予約の費用例、税別)50,000円〜(月1,000件までの着信を含む)30,000円/1窓口(あふれ呼IVR)非公表(要問い合わせ)
従量課金アウトバウンド・転送は別途従量課金
フリーダイヤル等の通信料はNTTコミュニケーションズから別請求
1,001件目から25円/件
通信キャリアの工事費・回線使用料・通話料は別途
着信1件あたり20円非公表(要問い合わせ)
あふれた電話をどう受けるかあふれ呼・時間外の入電を受け付け、折り返し先の情報を取得するコールバック予約
同時着信は最大92chまたは184ch
大量回線のIVRで一次受付し、連絡先を取得して混雑解消後に順次コールバック
部署名・担当者名や用件の録音はオプション
あふれた入電にコールバック予約を自動で受付自動音声ガイダンスがコールバックリクエストを受付(プッシュ入力または最大30秒の伝言)
録音の保存期間は90日
今の番号・PBXのまま使えるか公式に記載なし(要問い合わせ)0120・0570を含む番号の着信に対応(複数キャリア対応)
転送に必要な回線側の条件は公式に記載なし
公式に記載なし(要問い合わせ)キャリアの話中時転送、またはPBX側の設定変更で転送
いずれも転送中に1回線を消費するため予備の回線が必要
繁忙期だけの利用1か月単位で利用可
無料トライアルは公式に記載なし
最低利用期間・無料トライアルとも公式に記載なし最低利用期間・無料トライアルとも公式に記載なし
窓口ごとの契約のため、月額は受け皿にする番号の数で増える
最低利用期間は公式に記載なし
申し込みから最短5営業日で利用開始
SMS・外部システム連携SMS配信に対応(50円/通)
FAX連携にも対応(SMSは空電プッシュ、FAXはBizFAXと組み合わせ)
API連携で受付データを自社のコールセンターシステムへ取り込み可
SMS送信・Web誘導は別サービス「あふれ呼IVR SMS」
Salesforce・kintone・Slack・Teamsとの連携を掲載(メニュー別の対応範囲は要確認)
SMS送信は公式に記載なし
SMSはコールバックの確認・案内に利用可(固定電話宛の送信は無料)
外部システム連携は公式に記載なし
放棄呼・応答率のレポート運用ツールで受付データを可視化・ダウンロード。レポート/分析ダッシュボードあり
放棄呼・応答率の項目は公式に記載なし
受付データを管理画面へリアルタイム反映・CSV出力
日別・時間帯別レポート、切断箇所レポート
公式に記載なし(要問い合わせ)あふれ呼数・対応件数を集計出力
SMS送信履歴は集計の対象外
詳細情報サービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報にもとづきます。プランや提供形態(標準・オプション等)により異なる場合があるため、最新の内容は各社にご確認ください。

5. VoiceMall(NTTテクノクロス株式会社)

VoiceMall(ボイスモール)のウェブサイト

VoiceMall(ボイスモール)は、NTTテクノクロス株式会社のクラウド型IVRです。音声認識・音声合成・SMS・FAXなどの機能を必要な分だけ組み合わせて使う構成で、公式の利用シーンには、あふれ呼と時間外の入電を受け付けて折り返しの情報を取得するコールバック予約が挙げられています。

同時着信は最大92chまたは184chに対応します。受け付けたデータは運用ツールで可視化・ダウンロードでき、コールフローの編集やレポートの確認も管理画面から行えます。公式の製品ページには、約300サービスの導入実績と記載されています。

費用は公式の費用例ページに用途別で示されており、コールバック予約は初期150,000円〜・月額300,000円〜(いずれも税別、下限の目安)です。1か月単位で利用できるため、繁忙期だけ受け皿を用意する使い方にも合います。フリーダイヤルなどの通信料は、NTTコミュニケーションズから別請求となります。

6. あふれ呼IVR(株式会社電話放送局)

あふれ呼IVRのウェブサイト

ピーク時に受けきれなかった入電を大量回線のIVRへ転送し、コールの集中が終わった時点から順次折り返す運用を前提としたサービスです。提供元の株式会社電話放送局は1978年創業でIVRを用いたクラウドサービスを手がけており、公式サービスページには導入500社以上、年間処理件数4,000万件以上、対応回線数7,000回線以上と記載があります。

IVRが受け付けるのは発信者の連絡先番号で、オプションで折り返し先の部署名・担当者名や簡単な用件も録音できます。受付データは管理画面にリアルタイムで反映され、CSVでの書き出しや日別・時間帯別のレポート確認も可能です。無人受付は24時間365日に対応します。

費用は初期50,000円〜・月額50,000円〜で、月額には月1,000件までの着信が含まれ、1,001件目からは1件25円の従量課金になります。カスタマイズ費用や通信キャリアの工事費・回線使用料・通話料は別途かかります。

API連携により、受付データを自社のコールセンターシステムへ取り込むこともできます。通信販売のスカイネット株式会社の導入事例では、コールバックの平均所要時間55%短縮、受注率6%向上、売上2,700万円の増加が公表されています。

7. MediaVoice(メディアリンク株式会社)

MediaVoiceのウェブサイト

メディアリンク株式会社が2011年から提供しているクラウド型のIVRで、用途別のメニューから必要なものを選んで契約します。あふれた入電にコールバック予約を自動で受け付ける「あふれ呼IVR」のほか、オートコール、24時間対応の自動受付IVR、応対後のCSアンケートIVRが用意されています。

あふれ呼IVRの費用は、初期50,000円〜、月額30,000円(1窓口)、着信1件あたり20円です。窓口ごとの契約となるため、月額は受け皿にする電話番号の数に応じて増えていきます。

公式サイトでは、月間600万コールを超える処理実績があると記載され、2011年の販売開始以来の継続利用率は97%(廃業による解約を除く)としています。IVRの設定変更は標準装備のメニューエディタから行え、問い合わせ窓口は平日9:00〜19:00の電話対応です。

8. あふれ呼対策.app(株式会社ネクストジェン)

あふれ呼対策.appのウェブサイト

株式会社ネクストジェンのコミュニケーションAPI基盤「U-cube CPaaS」の上に、あふれ呼のコールバック管理へ用途を絞って構築されたパッケージアプリです。公式ページには、TV通販の受付、夜間のコールセンター、テクニカルサポートの3つが活用シーンとして挙げられています。

あふれた着信は自動音声ガイダンスへ流れ、発信者はプッシュダイヤル入力か、氏名や用件を吹き込む最大30秒の伝言でコールバックリクエストを残します。リクエストはWeb管理画面の「コールリクエスト一覧」に表示され、オペレーターは録音を確認したうえで折り返します。録音の保存期間は90日で、古いものから自動削除されます。

あふれた呼をこのIVRへ渡す方法は、契約キャリアの話中時転送サービスを使う方式と、PBX側の設定を変更する方式の2種類です。いずれも転送中に1回線を消費するため、確実に転送するには予備の回線を別途用意する必要があります。

SMSはコールバックの確認や案内に使え、固定電話宛の送信に費用は発生しませんが、送信履歴はレポートの集計対象外です。利用開始は申し込みから最短5営業日で、カスタマイズ要件があれば日数が加わります。料金は公式サイトに金額の記載がなく、非公表(要問い合わせ、2026年8月時点)です。

【タイプ別比較表】Webページへ誘導するビジュアルIVR

音声ガイダンスの選択肢をスマートフォンの画面に置き換え、FAQや手続きのページへ誘導するタイプです。電話をかけずに済む用件を電話の外へ逃がし、入電の母数そのものを減らします。自己解決できる用件が多く、Web側の案内が整っている企業に向いています。

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サービス名モバイルウェブ ビジュアルIVRVisual IVR
初期費用非公表(要問い合わせ)非公表(要問い合わせ)
月額費用非公表(要問い合わせ)非公表(要問い合わせ)
従量課金非公表(要問い合わせ)非公表(要問い合わせ)
あふれた電話をどう受けるか電話がつながらないときにSMSでURLを送り、スマートフォンのWebメニューへ誘導
誘導先はFAQ・チャットボット・有人チャット・LINE・コールバック予約フォームなど
Webサイトの電話番号ボタンを起動ボタンに置き換え、電話・FAQ・チャット・LINEなどを画面に一覧表示
ボイスボット連携時は通話後にSMSでメニューを案内
今の番号・PBXのまま使えるか誘導の起点は着信後のSMS送信で、電話交換機側の呼制御は行わない
既存番号の扱いは公式に記載なし
Webサイト側の導線を変える方式で、PBXの改修を前提としない
PBX・CTIとの連携要件は公式に記載なし
繁忙期だけの利用最低利用期間は公式に記載なし
発注から最短10営業日で導入
最低利用期間・無料トライアルとも公式に記載なし
SMS・外部システム連携SMSでビジュアルIVRのURLを送付(メール送信にも対応)
そのほかの外部システム連携は公式に記載なし
ボイスボット(MOBI VOICE)連携時にSMSでメニューを案内
そのほかの外部システム連携は公式に記載なし
放棄呼・応答率のレポートビジュアルIVR画面のアクセス数・利用状況を分析
放棄呼・応答率の項目は公式に記載なし
アクセス集計・流入元分析・ユーザー行動分析
放棄呼・応答率の項目は公式に記載なし
詳細情報公式サイト公式サイト

※2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報にもとづきます。プランや提供形態(標準・オプション等)により異なる場合があるため、最新の内容は各社にご確認ください。

9. モバイルウェブ ビジュアルIVR(NTTドコモビジネスX株式会社)

モバイルウェブ ビジュアルIVRの公式サイト

電話をかけてきた相手にSMSでURLを送り、スマートフォンの画面に表示したメニューから用件を選んでもらう仕組みです。NTTドコモビジネスX株式会社(2026年1月にNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションから社名変更)が「モバイルウェブ」ブランドで提供しています。誘導の起点は着信後で、待ち呼を電話交換機の側で制御するのではなく、つながらなかった相手をWebへ逃がす対策にあたります。

誘導先はFAQ・チャットボット・有人チャット・LINE・コールバック予約フォームなどから選べ、メニューのレイアウトや色は管理画面で編集して即時公開できます。導入期間は、提供元が公開している製品情報では発注から最短10営業日とされています。初期費用・月額とも公式サイトでは公開されていません。費用は問い合わせで確認してください。

あふれ呼が起きている局面での導入が、公式プレスリリースで複数公表されています。アニコム損害保険は電話が集中する時間帯と営業時間外の問い合わせ対応を課題に導入し、西武・プリンスホテルズワールドワイドは繁忙期に予約センターがつながりにくくなる状況への対応として採用しました。タカラスタンダードの事例では、モバイルウェブへ誘導した顧客の約半数が再入電もなく自己解決したと担当者が述べています。

10. Visual IVR(モビルス株式会社)

モビルスのVisual IVR公式サイト

モビルス株式会社が2020年6月に提供を始めたビジュアルIVRです。Webサイト上の問い合わせ用電話番号ボタンをVisual IVRの起動ボタンに置き換える方式をとり、電話・FAQ・Webチャット・LINE・チャットボットといった窓口を画面に一覧表示して選んでもらいます。顧客が受話器を取る前の段階で働きかけるため、入電そのものの母数を減らす方向の対策になります。

ポップアップや小窓の形で表示できるため、既存Webページの構成を変えずに設置できると公式サイトは説明しています。メニューはドラッグ&ドロップで編集でき、デザインテンプレートは最大50パターン。オペレーターの混雑状況に応じて案内を出し分けることもできます。

公式のケーススタディでは、明治安田生命保険相互会社が1件あたり約35秒の応対時間短縮、SOMPOひまわり生命保険が手続き方法の選択でインターネット手続きを選んだ割合45%、ファイバーゲートが月330件の利用を挙げています。初期費用と月額は公式サイトで非公表(要問い合わせ)です。

同社がAIによる電話自動応答として提供するMOBI VOICE(後述)とは別の製品です。Visual IVRは問い合わせ窓口を画面に並べてWebへ渡す役割を担い、両者を連携させれば、電話のあとにSMSでVisual IVRのメニューを案内する使い方もできます。

【タイプ別比較表】AIが直接応対するボイスボット(自動電話応答)

AIが発信者の話した内容を聞き取り、受付や照会を人を介さずに完結させるタイプです。有人対応に回る本数そのものを減らせるため、席数が慢性的に足りない場合にも効きます。受付・照会・変更のように手順が決まった用件が多い企業に向いています。

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サービス名DHK CANVASPKSHA VoiceAgentAIコンシェルジュcommubo(コミュボ)MOBI VOICE
初期費用非公表(要問い合わせ)非公表(要問い合わせ)非公表(要問い合わせ)非公表(要問い合わせ)非公表(要問い合わせ)
月額費用非公表(要問い合わせ)非公表(要問い合わせ)非公表(要問い合わせ)
月額に稼働レポート・改善提案・精度チューニングを含む
非公表(要問い合わせ)非公表(要問い合わせ)
従量課金件課金(1コール単位。架電は応答した分のみ)
ボリュームディスカウントあり
非公表(要問い合わせ)非公表(要問い合わせ)従量課金制(インスタンス数・利用時間帯に応じた個別見積もり。単価は非公表)電話番号利用料・通話料が従量課金(単価は非公表)
あふれた電話をどう受けるかAIが用件を聞き取り、FAQ回答や申込・解約などの定型手続きは自動で完結
クレーム等は指定条件でオペレーターへ転送(最大同着300ch以上)
AI-IVRプランは用件を把握して窓口へ自動振り分け+一次応答
自動応答プランは注文受付などの定型業務を電話だけで完結
AIが電話を受けてフロー分岐・FAQ回答・本人認証まで対応
完結しない用件はオペレーターへ転送
AIが自然会話で受け付け、対応しきれない用件はオペレーターへ転送
発話からコールリーズンを特定して窓口を分類(ver.4)
AIが話し言葉のまま用件を受け取り、対応できない用件は折り返し予約の受付かオペレーター転送に分岐
今の番号・PBXのまま使えるか0120・0800・0570を含む既存の番号を、キャリア側のルーティングで引き継げるAvaya・BIZTEL・CT-e1/SaaS・GENESYSへの対応を公式に明示
既存番号をそのまま使えるかは公式に記載なし
PBX/CTI連携に対応。SIP対応版はAIの応対内容をオペレーターのシステムへ引き継ぎ
既存番号をそのまま使えるかは公式に記載なし
契約中の電話番号をそのまま使う構成が可能
BIZTEL・Genesys Cloud・Zoom Phone・CT-e1/SaaSなどと連携
PBX/CTI連携に対応
既存番号をそのまま使えるかは公式に記載なし
繁忙期だけの利用繁忙期だけのスポット利用・一時休止に対応
無料トライアルあり(期間・条件は要問い合わせ)
最低利用期間・無料トライアルとも公式に記載なし
導入期間は最短1〜2か月
最低利用期間・無料トライアルとも公式に記載なし最低利用期間は公式に記載なし
稼働まで最短1か月。従量課金のため待機コストはかからないと公式が説明
最低利用期間・無料トライアルとも公式に記載なし
シナリオは管理画面で作成し最短5分で公開
SMS・外部システム連携SMS送信に対応
API連携で自社システムとデータ連携(連携先の製品名は公式に記載なし)
SMS・メール送信に対応
PBX/CTI・CRM・API連携に対応
SMS・Eメール送信に対応
データベース・API連携に対応(連携先の製品名は公式に記載なし)
CTI/PBXの連携先を公式に列挙(CRM・予約台帳の製品名は記載なし)
SMS送信は公式に記載なし
API連携による認証・在庫確認・予約管理、CRM・PBX/CTI・RPA・Visual IVRとの連携
SMS送信は公式に記載なし
放棄呼・応答率のレポート通話の録音・文字起こし・AI要約に対応
放棄呼・応答率の項目は公式に記載なし
入電理由分析に対応
放棄呼・応答率の項目は公式に記載なし
毎月の稼働レポートと改善提案を月額に含む
放棄呼・応答率の項目は公式に記載なし
公式に記載なし(要問い合わせ)全通話を録音しテキスト化(人による確認・修正が可能)
放棄呼・応答率の項目は公式に記載なし
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト

※2026年8月時点の各社公式サイトの公開情報にもとづきます。プランや提供形態(標準・オプション等)により異なる場合があるため、最新の内容は各社にご確認ください。

ここで挙げた5製品は、あふれた電話の受け皿になるものに絞っています。ボイスボットにはコンタクトセンターの基盤ごと置き換えるものから、代表電話の一次受けだけを月数千円で任せられるものまで幅があり、月額固定型と1件ごとの従量課金型では想定コール数によって費用が大きく変わります。ボイスボット単体で導入先を絞り込む段階なら、料金を公開している製品を実額で並べた次の記事が判断材料になります。

11. DHK CANVAS(株式会社電話放送局)

DHK CANVASのウェブサイト

約7,000回線の通信基盤を自社運用する株式会社電話放送局が提供する、電話業務向けのノーコードAIエージェントです。入電した用件をAIが聞き取り、FAQへの回答や申込・解約といった定型手続きはAI側で完結させ、クレームなど人が出るべき用件は指定した条件でオペレーターへ転送します。用件を振り分けて人につなぐだけでなく受付そのものを終わらせるため、有人対応に回る本数自体が減ります。

0120・0800・0570を含む既存の番号は、キャリア側のルーティングで引き継げるため、番号を変えずに受け皿を足せます。課金は通話時間ではなく1コール単位の件課金で、架電では応答した分だけが対象です。繁忙期だけのスポット利用や一時休止にも対応しており、初期費用・月額の実額は公表されていないため問い合わせで確認します。

導入先では、自動で完結した割合が数値で公表されています。日本予防医薬では年間7万件の解約電話のうち40.9%が完全自動で完結し、受付の対応工数は年間3,800時間削減されました。倉敷市市民課では2026年7月から24時間365日・最大300人同時対応の体制で稼働し、AIで扱いきれない用件は内容を要約して職員へ引き継ぐ設計をとっています。

12. PKSHA VoiceAgent(株式会社PKSHA Communication)

PKSHA VoiceAgentのウェブサイト

コールセンターの電話対応を自動化するボイスボットで、用途に応じて2つのプランから選びます。入電の用件を把握して窓口へ振り分けながら一次応答まで行うAI-IVRプランと、注文受付などの定型業務を電話だけで完結させる自動応答プランです。氏名・住所・電話番号・日時など、電話で聞き取る項目に絞った日本語の音声認識補正を備えています。

AIで終わらない用件は、対話の内容を引き継いだままオペレーターへ転送します。三井住友海上火災保険では2023年度の年間着信110万件のうち15万件をボイスボットが受け、聞き取り項目の見直しや有人対応へ分岐する位置の調整によって、導入当初約30%だった完結率が60%まで改善したと公表されています。

PBX・CTIはAvaya、BIZTEL、CT-e1/SaaS、GENESYSへの対応を公式に明示しており、既存のコールセンター基盤に載せられるかを事前に確認できます。初期費用・月額は公表されておらず、実額は問い合わせが必要です。富士キメラ総研の2026年の市場調査では、ボイスボット部門で2024年度実績のシェア24.7%と報告されています。

13. AIコンシェルジュ(株式会社TACT)

AIコンシェルジュのウェブサイト

2016年9月の提供開始以来、電話窓口の定型的な問い合わせを自動化してきたボイスボットです。AIが電話を受けてフロー分岐やFAQ回答を行うほか、電話番号・生年月日・氏名による本人認証にも対応するため、契約者の確認を伴う受付も電話の中で完結できます。再配達受付や督促といった発信業務にも使えます。

AIから人へ渡すときの引き継ぎにも手当てがあります。2024年1月に提供が始まった「AIコンシェルジュ with MediaVoice」はSIPに対応し、AIが応対した内容とヒアリングした情報を、オペレーターが使うシステムへそのまま引き継げます。転送後に同じことを聞き直す手間が起きにくくなります。

導入先では、ニッセンが返品受付の70%以上を自動化し、プレミアムウォーターが月3,000件以上の再配達受付に対応しています。リコーリースでは2025年2月から8つの問い合わせの自動対応が本格稼働しました。料金は初期費用・月額とも公表がなく、月額には毎月の稼働レポートと改善提案・精度チューニングが含まれると公式に記載があります。

14. commubo(コミュボ)(株式会社ソフトフロントジャパン)

commubo(コミュボ)のウェブサイト

公式が対応業務のひとつに「あふれ呼対策」を挙げているクラウド型のAIボイスボットです。契約中の電話番号をそのまま使う構成にでき、AIで対応しきれない用件は人のオペレーターへ転送できるため、今の電話環境を組み替えずに受け皿だけを足せます。手続き受付・予約受付・代表電話の受付にも同じ仕組みを使えます。

2025年11月のver.4では、発話の内容からコールリーズンを特定して窓口を分類する機能と、社内のマニュアルを参照して回答し解決しない場合にオペレーターへつなぐFAQ対応が加わりました。連携できるCTI・PBXは、BIZTEL、Genesys Cloud、Zoom Phoneなどが公式の一覧で公開されています。

料金は従量課金制で、公式は待機コストがかからないと説明しています。ただし初期費用・月額・単価はいずれも非公表で、利用するインスタンス数と時間帯に応じた個別見積もりとなります。稼働までは最短1か月、導入は400社以上と公表されています。

15. MOBI VOICE(モビルス株式会社)

MOBI VOICEのウェブサイト

電話の一次対応を24時間365日自動化するAI電話自動応答システムです。生成AIと音声認識により、番号を押させる形式ではなく「返品方法を教えてほしい」といった話し言葉のまま用件を受け取ります。AIで対応できない用件は、折り返し予約の受付かオペレーターへの転送に分岐します。

金融機関での効果が数値で公表されています。SBI証券の書類請求受付では、従来のIVRで20%だった完了率が68〜69%に上がりました。横浜銀行の証明書発行申請では自動受付の完了率が約9割に達して放棄呼がゼロになり、年間約445時間の削減見込みが示されています。

シナリオは管理画面上でノーコードで作成・編集でき、公式は最短5分で公開できるとしています。API連携による認証や予約管理のほか、CRM・PBX/CTI・RPAとの連携、別製品であるWeb誘導型のビジュアルIVRとの連携にも対応します。料金は公式に金額の記載がなく、電話番号利用料と通話料は従量課金と案内されています。

対策を入れたあとにつまずかないための運用

受け皿を導入しても、設計や運用の仕方によっては取りこぼしが減らないことがあります。導入後につまずきやすい3つの点を整理します。

IVRの階層を深くすると、かえって切られる

用件を細かく振り分けようとすると、メニューの選択肢が増え、階層も深くなります。目的の窓口にたどり着くまでに何度も番号を押させる設計では、顧客はオペレーターにつながる前に切ってしまいます。振り分けを精緻にするほど取りこぼしが増える、という逆転が起きます。

この現象には、業界標準として定まった「階層は何段まで」「選択肢は何個まで」という基準がありません。Web上にはそうした数字を挙げる記述もありますが、業界団体の用語集や運用標準に該当する規定は見当たりません。数字を借りてくるより、自社の実績で判断するほうが確実です。

確認したいのは、メニューのどの段階で切られているかです。ガイダンスの再生中に切られているのか、選択肢を聞き終えた後なのか、次の階層へ進んだ後なのかが分かれば、削るべき箇所が特定できます。入電の多い用件を最初の選択肢に置き、めったにない用件は後ろへ回すだけでも数字は動きます。

折り返し前提の運用は、折り返し漏れの管理まで設計する

コールバックを導入すると、これまで存在しなかった作業が生まれます。予約された折り返しを、誰が、いつまでにかけるかという管理です。ここが曖昧なままだと、記録は残っているのに誰もかけていない状態が起きます。

顧客から見れば、待たずに切れた代わりに折り返しを約束されたわけですから、かかってこなければ不満は待たされる以上に大きくなります。受付から折り返しまでの目標時間を決め、超過している件数を毎日確認する仕組みが要ります。

折り返してもつながらなかった場合の扱いも決めておきます。何回かけ直すのか、つながらなければSMSやメールに切り替えるのかを事前に決めておかないと、判断が担当者ごとにばらつきます。

入れたあとに何を見て、どう直すか

導入したら、対策前と同じ条件で測った数字を並べて比べます。放棄呼率と応答率が主な確認対象で、どちらも数え方を変えずに比べることが前提です。集計条件がずれると、改善したのか設定が変わっただけなのか判別できません。

全体の数字だけでなく、時間帯別・曜日別に分けて見ると打ち手が具体的になります。特定の時間帯だけ数字が悪いなら、その帯に人を寄せるか、その帯だけ受け皿を厚くするかという判断ができます。

あわせて、受け皿が実際に使われているかも確認します。折り返し予約の利用率が低ければ案内の文面が伝わっていない可能性がありますし、Web誘導の到達率が低ければ誘導先のページが期待に応えていない可能性があります。取りこぼしの数字と、受け皿の利用状況の両方を見ることで、次に直す箇所が見えてきます。

まとめ

あふれ呼への対策は、まず原因を切り分けるところから始まります。入電が特定の時期に集中しているのか、席数が慢性的に足りていないのか、1件あたりの対応が長いのか、電話以外の窓口がないのか、既存の音声ガイダンスが原因になっているのかで、効く手はそれぞれ違います。

打てる手は増員だけではありません。すぐに手を打ちたいなら待たせ方の変更から、山を平準化したいなら折り返し予約から、入電の母数を減らしたいならWebへの誘導から検討できます。システムで受け皿を作るなら、用件で振り分けるタイプ、折り返しを予約で受けるタイプ、Webへ誘導するタイプ、AIが直接応対するタイプの4つが候補になります。

判断の材料になるのは、自社の数字です。放棄呼率を自社の定義で固定して測り、取りこぼしを金額に換算すれば、対策の費用と並べて見合うかどうかを自分で判断できます。目安として流通している数値には出所が確認できないものも混ざっているため、他社の数字ではなく自社の前後比較を基準にしてください。

読み終えたら、次の順序で進めてください。まず入電記録を月別・曜日別・時間帯別に並べ、山がどこに立つかと、自社の症状が待たされて切られているのか話し中で弾かれているのかを確かめます。次に放棄呼率の数え方を決めて固定し、取りこぼしを金額に換算します。ここまでが予算を取るための材料です。

そのうえで、6つの観点で候補を絞り、ピーク月の想定件数を伝えて総額の見積もりを取ります。既存番号のまま使えるか、転送の方式と必要な回線数はどうなるかは、最初の問い合わせで必ず確認してください。導入後は、対策前と同じ集計条件で数字を測り続けます。

繁忙期に間に合わせたい場合は、逆算して動き出す時期を決めておきます。公式に示されている導入期間は最短5営業日から1か月以上まで幅がありますが、実際には自社側で決めることのほうが時間を要します。どの用件をどう振り分けるか、折り返しを誰が担当するかを決める日数まで含めて、山の何か月前に着手するかを逆算してください。

各タイプの資料は一括で取り寄せられます。費用や対応できる用件の範囲は各社の資料に詳しく記載されているため、気になるサービスをまとめて比較し、自社の入電に合う受け皿を見つけてください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】自動音声応答システム(IVR)の資料を
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あふれ呼対策に関するよくある質問(FAQ)

Q. あふれ呼とは何ですか?

A. あふれ呼とは、かかってきた電話が回線数やオペレーターの席数を超えてしまい、受けきれずにあふれている状態のことです。一般社団法人日本コンタクトセンター協会は用語集で、オーバーフローを「電話回線にコールが集中して、コールが溢れること」と定義し、あふれ呼を同義としています。

顧客から見ると、話し中になるか、呼び出し音すら鳴らずにつながらない状態です。順番を待っている「待ち呼」や、待ちきれずに切られた「放棄呼」とは異なり、あふれ呼はそもそも待ち行列にすら入れなかった呼を指します。同じ用語集は「溢れた呼を他の電話回線に逃がして着信させること」もオーバーフローの意味に含めており、あふれた分をどこへ逃がすかという発想が各種の対策の土台になっています。

出典・参考資料(1件)

Q. あふれ呼は、電話回線を増やせば解決しますか?

A. あふれ呼は、回線を増やしても応対する人がいなければ待ち呼が積み上がるだけで、解決しません。回線数と席数は別の制約であり、必要数を求める計算式も分かれています。

日本コンタクトセンター協会の用語集は、必要回線数を求めるのがアーランB式、必要なコミュニケーター数を求めるのがアーランC式であると定義しています。アーランC式に入れるのは呼量・平均処理時間・サービスレベルの目標値で、回線数の計算とは入力そのものが違います。

回線に余裕があっても席が足りなければ待ち呼が伸び、席が空いていても回線が埋まっていれば電話は入ってきません。自社がどちらの制約に当たっているかを先に切り分けてください。

出典・参考資料(1件)

Q. あふれ呼対策のなかで、最も早く効果が出るのはどの手段ですか?

A. あふれ呼対策で最も早いのは、待ち人数や予測待ち時間を伝えるアナウンスを足すなど、既存システムの設定変更で済む手段です。既存の機能で賄えれば追加費用もかからず、即日から数日で反映できます。

次に早いのが、折り返しの予約を受けるタイプの受け皿です。転送設定が必要な場合を含めて数日から数週間が目安で、混雑時にあふれた電話を自動音声が受け止めます。一方、オペレーターの増員は採用と育成に時間がかかるため、繁忙期の山には間に合わないことが少なくありません。Webへの誘導によって入電の母数を減らす施策は効果が大きいものの、コンテンツの整備と定着に数か月かかります。

ただし、早く効く手段が根本的な解決になるとは限りません。待たせ方の変更は待ち行列そのものを短くするわけではないため、当座の取りこぼしを止めながら、原因に応じた手段を並行して検討することになります。

Q. あふれ呼対策サービスの導入とオペレーターの増員では、どちらが費用を抑えられますか?

A. 費用の出方の性質が異なり、増員の人件費は繁忙期を過ぎても毎月固定で発生し続けるのに対し、あふれ呼対策サービスは公開されている実額で月額30,000円台・1窓口から始められるものがあり、山の部分だけを吸収できます。件数課金であれば、閑散期の支払いは自然に小さくなります。

ただし、どちらが得かは金額の大小だけでは決まりません。慢性的に席数が足りていない場合、折り返しを受け付けても手が空く時間帯がないため、折り返し予定が溜まり続けます。この場合は体制そのものの見直しが必要です。

判断の材料になるのは自社の数字です。放棄呼数に受注率と平均単価を掛けて機会損失額を概算し、対策の費用と並べれば、どちらにいくらかけるべきかを自分で判断できます。

Q. 小規模なコールセンターや少人数の電話窓口でも、あふれ呼対策サービスを導入できますか?

A. 導入できます。折り返しを予約で受けるタイプには、初期50,000円前後・月額30,000円(1窓口)から契約できるものがあり、席数の規模ではなく受け皿にする電話番号の数で費用が決まります。用件ごとに振り分けるタイプにも、初期費用0円・月30着電までは無料のプランを持つサービスがあります。

契約期間の面でも小さく始めやすくなっています。最低利用期間が1か月単位のサービスや、繁忙期だけのスポット利用・一時休止に対応するサービスがあり、閑散期の支払いを抑えられます。

注意したいのは従量課金です。着信1件ごとに20円かかるもの、月1,000件までを月額に含み1,001件目から25円になるものなど、条件はサービスごとに異なるため、ピーク月に想定される件数を伝えたうえで総額の見積もりを取ってください。

Q. あふれ呼対策サービスの導入には、どれくらいの期間がかかりますか?

A. あふれ呼対策サービスの導入期間は、公式に期間を示しているもので、折り返し予約型のパッケージが最短5営業日、Webへ誘導するビジュアルIVRが最短10営業日、コールセンター基盤そのものを入れる場合は契約から稼働まで1か月以上が目安です。

期間を左右するのは、システム側の作業よりも自社側の準備であることが少なくありません。どの用件をどう振り分けるか、どんな文面で案内するか、折り返しを誰が担当するかは、いずれも自社で決める必要があります。転送設定にPBX管理者の作業が要る場合や、通信事業者の転送サービスを別途申し込む場合は、その日数も加わります。

繁忙期に間に合わせたいなら、これらの決定に何日かかるかまで見込んで逆算してください。

Q. あふれ呼対策サービスは、今使っている電話番号やPBXのまま導入できますか?

A. 転送で使える製品が多い一方、可否を公式サイトに明記している製品はごくわずかです。本記事で調べた15サービスのうち、既存番号をそのまま使えると公式に確認できたのは2サービスにとどまり、残りは記載がなく問い合わせが必要でした。Webサイトや印刷物の表記を差し替える手間に直結する条件なので、最初の問い合わせで必ず確認してください。

転送の方式は2種類あります。通信事業者の転送サービスを使う方式と、自社のPBX側で転送設定を行う方式で、後者はPBX管理者による作業が必要です。方式によっては転送中に自社側の回線を1本消費するため、その場合は予備の回線を確保しておかないと転送自体があふれます。契約前に確認しておきたい点です。

すでにコールセンターシステムを使っている場合は、併存のさせ方も確認してください。振り分けの制御をどちらが持つのかが曖昧なまま導入すると、意図しない経路で電話が回ることになります。

Q. あふれ呼対策の目標として、放棄呼率はゼロを目指すべきですか?

A. 放棄呼率は、ゼロを目指すべき指標ではありません。コンタクトセンターの運用標準であるCOPC CX標準を策定するCOPC Inc.は、「顧客に対してどの放棄呼率なら許容できるか」を問うたうえで、多くのカスタマーサービス環境では3〜5%の範囲になるとし、緊急サービスでない限りこれを下回ると顧客の期待を超えることになると述べています。

放棄には、別の電話が入った、後で掛け直すことにしたといった、企業側では避けようのないものが一定数含まれます。ゼロに近づけようとすれば、あらゆる時間帯で入電を上回る席を張り続けることになり、費用が見合いません。

実務上は、窓口の性質に応じて目標を置き分けるのが現実的です。受注や予約を受ける窓口は取りこぼしが直接売上に響くため厳しめに、一般的な問い合わせ窓口は費用とのバランスで設定します。

出典・参考資料(1件)

Q. あふれ呼対策の目標にする放棄呼率は、何%以内が目安ですか?

A. 日本の業界団体は放棄呼率の平均値を公表しておらず、「何%以内なら適正」という国内共通の目安は存在しません。日本コンタクトセンター協会のコンタクトセンター企業実態調査を2020年度から2025年度まで確認しても、調査項目は売上高・従業員数・在宅オペレーションの状況などで、放棄呼率や応答率といった運用指標は扱われていません。

そのため、Web上で目安として流通している「5〜10%」「10〜20%」といった数値には、根拠となる調査を示していないものが混ざっています。これらを自社の目標値の根拠にするのは避けたほうが安全です。

出所をたどれる水準としては、英国の調査会社ContactBabelが米国のコンタクトセンターを対象に2012年から2023年まで毎年公表した実測値があり、放棄呼率は5.3%から7.3%の範囲で推移しています。米国の調査であり日本の水準ではありませんが、調査年と回答者数がたどれる数字として参照できます。目標として置く水準は前述のCOPC Inc.の3〜5%が参考になります。

他社の数字より確実なのは、自社の数え方を決めて固定し、対策の前後で同じ条件の数字を比べることです。

出典・参考資料(3件)

Q. あふれ呼の対策効果を測るとき、かかってすぐ切れた電話も放棄呼に数えるのですか?

A. 数え方に業界共通の基準はなく、「何秒未満は放棄呼から除外する」というしきい値を通話管理システム側の設定として各社が決めているのが実情です。日本コンタクトセンター協会の用語集にも、日本コンタクトセンター教育検定協会のCMBOK用語集にも、秒数の規定は置かれていません。

除外すること自体に否定的な立場もあります。COPC Inc.は「x秒未満で放棄されたコールを含めていないが、それでよいか」という問いに対して明確に否定しています。一方で、しきい値を製品の設定項目として持つ通話管理システムは実在し、見解は分かれたままです。

数え方が変われば、放棄呼率だけでなく平均応答時間の値も動きます。日本コンタクトセンター教育検定協会は、平均応答時間について「放棄呼の設定によってこの指標の値が歪められてしまう場合がある」と注意を促しています。

他社の数字と直接比べても意味がないため、自社で数え方を決めて固定し、対策の前後で同じ条件の数字を比べてください。導入するサービスのレポートがどの条件で集計しているかも、あわせて確認しておきたい点です。

出典・参考資料(3件)

Q. あふれ呼対策として折り返し(コールバック)を導入すると、顧客に迷惑がられませんか?

A. 折り返しの予約を受ける仕組みは、顧客が待たされずに電話を切れるため、つながらないまま待たせ続けるより体験は改善します。ただし折り返しが遅れると、不満は待たされること以上に大きくなります。顧客から見れば、待たずに切れた代わりに折り返しを約束されたことになるためです。

導入するなら、折り返し漏れの管理まで設計してください。受付から折り返しまでの目標時間を決め、超過している件数を毎日確認する仕組みが要ります。折り返してもつながらなかったときに何回かけ直すのか、つながらなければSMSやメールに切り替えるのかも、事前に決めておかないと判断が担当者ごとにばらつきます。

用件との相性もあります。今すぐ答えが要る用件や、その場で完了させたい注文では折り返しが受け入れられにくいため、Webへの誘導やAIによる一次対応など別の受け皿を検討することになります。

Q. あふれ呼対策で通話を録音する場合、録音していることを相手に伝える義務はありますか?

A. 録音していること自体を伝える義務はありませんが、利用目的の通知または公表は義務です。個人情報保護委員会は、通話内容から特定の個人を識別することが可能な場合には個人情報に該当し、個人情報取扱事業者は個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)上、利用目的を通知又は公表する義務を負うが、録音していることについて伝える義務までは負わないと示しています。

実務では、冒頭のガイダンスで録音を伝えている窓口が多く見られます。日本年金機構も接続時に「この電話は、お客様のご相談内容を正確にお聞きする為、録音させて頂いておりますので、予めご了承下さい。」と案内しています。

サービスを選ぶ際は、音声データがどこに保存され、保存期間はどれくらいで、社内の誰まで閲覧できるかもあわせて確認してください。折り返し予約の受付で用件を録音する仕組みでは、保存期間を過ぎたデータが自動削除される仕様のものもあります。

出典・参考資料(2件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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