従業員が立て替えた交通費や、出張前に渡した仮払金の精算を会計ソフトに入力しようとして、「この費用はどの勘定科目で、借方・貸方をどう書けばよいか」と迷った経験のある経理担当者は少なくありません。立替払いと仮払いでは処理の流れが異なり、科目の当てはめにも判断が必要です。
この記事では、経費精算でよく出てくる立替・仮払・精算の場面ごとに、借方・貸方・金額・摘要をそのまま書き写せる仕訳例を示します。あわせて、経費精算で使う主な勘定科目の一覧と、交際費と会議費のように迷いやすい科目の線引きも整理します。
さらに、仕訳の日付をいつにするか、インボイス制度で消費税をどう扱うか、領収書がないときはどうするかといった、実務で引っかかりやすい点も国税庁の情報をもとにまとめました。手元の精算処理を正しく仕訳できる状態を目指す方の参考としてご活用ください。
目次
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経費精算の仕訳の基本(借方・貸方と相手科目)
場面別の仕訳例に入る前に、経費精算の仕訳を読み解くうえで最小限必要な考え方を確認します。複式簿記では、1つの取引を借方(左側)と貸方(右側)の2つの側面に分けて記録します。経費精算では、かかった費用そのものを借方に、その費用を誰が・どう負担するか(支払いの相手)を貸方に書くのが基本の形です。
借方に入るのは、旅費交通費・会議費・消耗品費といった費用の勘定科目です。一方で貸方には、支払いの状態に応じて次の相手科目が入ります。経費精算特有の判断は、この相手科目の選び方に表れます。
| 相手科目 | 使う場面 |
|---|---|
| 未払金 | 費用は発生したが、従業員への支払い(精算)がまだ済んでいないとき |
| 立替金 | 本来は他者(取引先・従業員など)が負担すべき費用を一時的に会社が支払ったときに使う資産科目。従業員の立替精算では未払金で処理する実務も多い |
| 仮払金 | 出張前などに概算額を先に渡し、使途・金額がまだ確定していないとき |
| 現金/普通預金 | その場で、または振込で実際に支払ったとき |
整理すると、従業員が先に立て替えた経費は「費用/未払金」で計上して後日「未払金/預金」で精算し、仮払いした経費は「仮払金/現金」で渡してから「費用/仮払金」で精算する、という2段階で処理します。この型を押さえておくと、次の章の仕訳例が読み取りやすくなります。
立替金は本来「他者(取引先など)が負担すべき費用を会社が一時的に支払い、後日その相手から回収する」場面で使う資産科目です。従業員の立替経費は、相手から回収するのではなく会社が従業員へ支払って精算するため、本記事の仕訳例では未払金で処理しています。どちらを使うかは、立て替えた費用を最終的に誰が負担するか(回収するのか、会社の経費にするのか)で見分けます。
【ケース別】経費精算の仕訳例(立替・仮払・精算)
ここからは、経費精算でよくある場面ごとに仕訳例を示します。金額はいずれも説明のための仮の数値で、消費税を分けない税込方式で記載しています。消費税を仮払消費税として分けて処理する税抜方式の扱いは、後半のインボイス制度の章で説明します。自社の勘定科目やルールに合わせて読み替えてご利用ください。
従業員が立て替えた経費を精算する場合
従業員が取引先訪問の交通費10,000円を立て替え、後日まとめて精算するケースです。費用が発生した時点でいったん未払金として計上し、実際に精算(支払い)した時点で未払金を消し込みます。
| タイミング | 借方 | 貸方 | 摘要 |
|---|---|---|---|
| 経費の発生時 | 旅費交通費 10,000 | 未払金 10,000 | 〇〇氏 立替・交通費 |
| 精算の支払時 | 未払金 10,000 | 普通預金 10,000 | 立替経費の精算 |
発生と精算を同じ日にまとめて処理する場合は、2行を1本にして「旅費交通費 10,000/普通預金 10,000」と記帳することもあります。月をまたいで精算する場合は、費用を発生した月に計上するために、上記のように未払金を挟む2段階で処理します。
仮払金を渡して出張後に精算する場合
出張前に概算額50,000円を現金で渡し、帰着後に実費で精算するケースです。渡した時点では使途が未確定のため仮払金(資産)で処理し、精算時に実際の費用科目へ振り替えます。実費が40,000円で10,000円の返金があった場合の仕訳は次のとおりです。
| タイミング | 借方 | 貸方 | 摘要 |
|---|---|---|---|
| 仮払金の支給時 | 仮払金 50,000 | 現金 50,000 | 〇〇氏 出張仮払い |
| 精算時(返金あり) | 旅費交通費 40,000 現金 10,000 | 仮払金 50,000 | 出張費精算・差額返金 |
逆に実費が仮払額を上回り、60,000円だった場合は、不足分10,000円を追加で支払います。このときの精算仕訳は「旅費交通費 60,000/仮払金 50,000・現金 10,000」となり、貸方で仮払金の消し込みと追加支給を同時に記録します。
その他のケース(法人カード決済・社員への振込精算)
法人クレジットカードで経費を支払った場合は、利用時に未払金で計上し、カード代金が口座から引き落とされた時点で未払金を消し込みます。消耗品費5,000円をカードで購入した例です。
| タイミング | 借方 | 貸方 | 摘要 |
|---|---|---|---|
| カード利用時 | 消耗品費 5,000 | 未払金 5,000 | 事務用品・カード決済 |
| 口座引落時 | 未払金 5,000 | 普通預金 5,000 | カード利用代金の支払 |
立替経費を給与と分けて従業員の口座へ振り込んで精算する場合は、立替分を未払金で計上しておき、振込時に「未払金/普通預金」で消し込みます。振込手数料を会社が負担するときは、その分を支払手数料として借方に加えます。
ここで出てきた立替金・仮払金の使い分けを、関連する預り金・小口現金との違いまで含めてさらに詳しく確認したい場合は、以下の記事で解説しています。
経費精算で使う主な勘定科目の一覧
経費精算では、支出の内容に対応した勘定科目を使い分けます。科目を適切に分けることで、何にいくら使ったかが決算書で把握でき、税額計算も正確になります。経費精算で登場しやすい主な勘定科目と、その科目に当たる費用の例は次のとおりです。
| 勘定科目 | 該当する費用の例 |
|---|---|
| 旅費交通費 | 電車・バス・タクシーの運賃、出張の宿泊費・新幹線代 |
| 交際費 | 取引先との接待飲食、中元・歳暮などの贈答、取引先への慶弔費 |
| 会議費 | 社内外の打ち合わせの飲食(1人あたり1万円以下)、会議室の利用料 |
| 消耗品費 | 取得価額10万円未満の事務用品・備品、文房具、消耗品 |
| 福利厚生費 | 従業員への慶弔見舞金、健康診断費、社内行事の費用 |
| 通信費 | 電話・インターネットの料金、切手・はがき代 |
| 新聞図書費 | 新聞・書籍・業界誌の購読料 |
| 租税公課 | 収入印紙代、自動車税、固定資産税 |
| 支払手数料 | 振込手数料、各種事務手数料 |
| 雑費 | どの科目にも当てはまらない少額・一時的な費用 |
雑費は便利な科目ですが、多用すると何に使ったかが決算書から読み取れなくなります。金額が大きいものや継続的に発生するものは、専用の科目を立てて分けるのが実務上の基本です。一度決めた科目の割り当ては、社内で統一し、継続して同じ基準で使うことが望まれます。
迷いやすい勘定科目の線引き
経費精算では、似た費用をどの科目で処理するか迷う場面があります。ここでは特に判断に迷いやすい3つの線引きを、国税庁の基準や実務上の考え方をもとに整理します。
交際費と会議費の違い(1人あたり1万円以下の飲食費基準)
取引先との飲食費を交際費とするか会議費とするかは、税務上の取り扱いに関わるため迷いやすい点です。交際費等は損金算入に上限がありますが、一定の飲食費は交際費等から除外でき、会議費などとして処理できます。国税庁は、交際費等から除外される飲食費の基準を次のように定めています。
その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が10,000円以下である費用(注)
出典:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁
(注)令和6年3月31日以前に支出された飲食等に係る費用についての基準金額は、5,000円以下になります。
1人あたりの金額が1万円以下の社外飲食費は交際費等から除外でき、会議費として処理できます。この基準額は2024年(令和6年)4月1日以後に支出する飲食費から1万円に引き上げられました。改正前の5,000円のまま運用している解説も見られるため、現行の基準額で判断することが大切です。
1万円を超える接待飲食費は交際費等として扱い、資本金などの規模に応じた損金算入のルール(中小法人は年800万円までなどの定額控除限度額)に従います。
消耗品費と固定資産の分かれ目(10万円・30万円の基準)
パソコンや備品を購入したとき、消耗品費として全額を経費にできるか、固定資産として計上するかは取得価額で決まります。国税庁のタックスアンサーでは、取得価額が10万円未満のものは全額をその年の必要経費にでき、10万円以上のものは原則として固定資産に計上して減価償却するとされています。
中小企業者等の場合は、取得価額30万円未満の減価償却資産について、合計300万円を上限に取得した事業年度で全額を損金算入できる特例もあります。適用期限は2026年(令和8年)3月31日までで、延長されてきた経緯があるため、適用時は現行の期限を確認しましょう。経費精算の場面では、まず「10万円未満なら消耗品費などで全額費用、10万円以上なら資産計上」という線引きを押さえておくと判断しやすくなります。
出典・参考資料は以下のとおりです。
出典・参考資料(2件)
- 出典:No.2100 減価償却のあらまし|国税庁
- 出典:No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁
福利厚生費として認められる要件
従業員向けの支出を福利厚生費とするには、全従業員を対象にしていること(特定の人だけが受ける利益でないこと)と、金額が社会通念上妥当な範囲であることが目安になります。特定の役員・従業員だけを対象にした支出や、高額すぎる支出は、給与や交際費として扱われることがあります。慶弔見舞金や健康診断、社内行事の費用などは、社内規程で対象と上限を定めておくと、科目の判断がぶれにくくなります。
いずれの線引きも、判断に迷う取引は社内でルールを決めて統一し、同じ基準で継続して処理することが、誤分類を防ぐうえで重要です。
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経費精算の仕訳で押さえたい実務上の注意点(仕訳日付・インボイス・領収書なし)
仕訳の切り方が分かっても、実務では「いつの日付で起票するか」「インボイスで消費税をどう扱うか」「領収書がないときどうするか」でつまずきがちです。ここでは、この3点を国税庁の情報をもとに整理します。
経費精算の仕訳日付はいつにするか
会計は、費用が発生した事実にもとづいて計上する発生主義が原則です。この考え方に沿えば、経費は従業員が立て替えて支出した日(費用の発生日)で計上し、精算で支払った日に未払金を消し込みます。月末時点で精算が済んでいない立替経費も、発生した月に未払金として計上しておくことで、費用を正しい月に反映できます。
実務では、金額が少額な場合などに精算日(支払日)でまとめて計上する運用も見られます。どちらで処理するかは企業の会計方針によって差があるため、社内で基準を決めて統一することが大切です。
インボイス制度での仕訳(適格請求書あり/なしの仮払消費税)
消費税の仕入税額控除を受けるには、原則として適格請求書(インボイス)の保存が必要です。経費精算でも、受け取った領収書・請求書が適格請求書かどうかで消費税の扱いが変わります。適格請求書がある場合は、支払った消費税を仮払消費税として全額控除の対象にできます。
一方、適格請求書発行事業者以外(免税事業者など)からの仕入れは、原則として仕入税額控除ができません。ただし、制度開始から一定期間は、仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置が設けられています。国税庁は、この経過措置の割合を次のように定めています。
出典:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(問113)|国税庁
- 令和5年10月1日から令和8年9月30日まで 仕入税額相当額の80%
- 令和8年10月1日から令和10年9月30日まで 仕入税額相当額の70%
- 令和10年10月1日から令和12年9月30日まで 仕入税額相当額の50%
- 令和12年10月1日から令和13年9月30日まで 仕入税額相当額の30%
この経過措置では、適格請求書がない経費について、対象期間に応じた割合だけを仮払消費税として控除し、控除できない残りの金額は本体の費用に含めて処理します。2026年(令和8年)10月1日から2028年(令和10年)9月30日までは、仕入税額相当額の70%が控除の対象です。
経過措置の適用を受けるには、帳簿にその旨(「80%控除対象」などの記載)を残す必要があります。免税事業者との取引がある場合は、どの割合が適用される時期かを確認したうえで仕訳を切る必要があります。
消費税を分けて記帳する税抜方式では、適格請求書の有無で仕訳が次のように変わります。税込11,000円(うち消費税1,000円)の消耗品を立替・未払で計上する例です。
| ケース | 借方 | 貸方 | 摘要 |
|---|---|---|---|
| 適格請求書あり(全額控除) | 消耗品費 10,000 仮払消費税 1,000 | 未払金 11,000 | 消耗品・適格請求書あり |
| 適格請求書なし(経過措置70%適用) | 消耗品費 10,300 仮払消費税 700 | 未払金 11,000 | 消耗品・免税事業者/70%控除対象 |
適格請求書がない場合は、消費税相当額1,000円のうち控除できる70%(700円)だけを仮払消費税とし、控除できない30%(300円)は本体の消耗品費に上乗せして処理します。前章までの仕訳例のように消費税を分けない税込方式で記帳している場合は、支払総額をそのまま費用計上します。
領収書がないときの対応(出金伝票と証憑の保存)
電車賃や自動販売機での購入など、領収書が発行されない支出もあります。こうした場合は、支払日・支払先・金額・内容などを記載した出金伝票を作成しておくことで、経費として処理できる場合があります。可能な範囲で、利用した経路やスケジュールなど支出を裏づける記録を残しておくと安心です。
出金伝票の各欄に実際に何をどう書くか、記入例やインボイス制度との関係まで確認したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。
一方で、メールやインターネット上で受け取った領収書・請求書は、電子帳簿保存法の電子取引に該当します。国税庁は、電子取引で授受した取引情報は電子データのまま保存しなければならないとしています。立替精算で従業員がネット通販やメールで受け取った領収書も対象になるため、紙に印刷して保存するだけでなく、電子データでの保存が必要になる点に注意します。
紙・電子それぞれの具体的な保存のしかたや保存期間、電子帳簿保存法・インボイス制度で満たすべき要件は、以下の記事にまとめています。
出典・参考資料は以下のとおりです。
出典・参考資料(1件)
経費精算の仕訳を効率化する方法(サービス活用)
ここまで見てきたように、立替・仮払・精算の仕訳は、科目の当てはめや相手科目の選択、インボイスの判定など、一件ごとに手間がかかります。件数が増えるほど、入力ミスや科目の不統一も起こりやすくなります。こうした負担は、領収書の読み取りから勘定科目の自動判定、会計ソフトへの仕訳連携までを自動化する経費精算システムで軽減できます。
以下は、ご紹介する経費精算システムの比較表です。
| サービス名 | 弥生経費 Next | マネーフォワード クラウド経費 | freee経費精算 | バクラク経費精算 | 楽楽精算 |
|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 100,000円(税抜) |
| 月額費用 | 4,200円/月〜(税抜・弥生会計 Next セット版) | 2,480円/月〜(年払い・ひとり法人) | 7,500円/月〜(税抜・年払い)+従量650円/ID | 30,000円/月〜(料金表DL制・要問い合わせ) | 30,000円/月〜(税抜・従業員数等に応じ変動) |
| AI-OCR・領収書読み取り | ● | ● | ● | ● | ● |
| 勘定科目の自動判定・自動仕訳 | ●(AI科目予測+弥生会計 Nextで自動仕訳) | ●(経費科目を条件で自動振分) | ●(勘定科目・税区分をAI予測) | ●(過去仕訳をAI学習し勘定科目・税区分を自動提案) | ●(自動仕訳) |
| 会計ソフト連携 | ●(弥生会計 Nextと自動連携/他社はCSV) | ●(クラウド会計とAPI/他社はCSV・API) | ●(freee会計とワンクリック連携/他社会計と併用可) | ●(主要会計ソフトと仕訳同期) | ●(仕訳データを会計ソフトへ出力) |
| インボイス対応 | △(公式サイトに記載なし) | ● | ● | ● | ● |
| 電子帳簿保存法対応 | ● | ● | ● | ● | ● |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
弥生経費 Next(弥生株式会社)

弥生経費 Next は、申請・承認・精算をスマートフォン1台で完結できるクラウド経費精算ソフトです。領収書を撮影するとAIが取引先名や勘定科目の候補を提案するため、科目の当てはめにかかる手間を抑えられます。交通系ICカードの読み取りによる交通費精算や、電子帳簿保存法への対応チェックも備えています。
弥生会計 Next と組み合わせると、経費データを会計へ自動で連携して仕訳まで流せるため、入力の二度手間を減らせます。経費精算を単体で使えるプランも用意されています。
マネーフォワード クラウド経費(株式会社マネーフォワード)

株式会社マネーフォワードのクラウド経費は、領収書を読み取るAI-OCRに加え、クレジットカード・交通系ICカード・金融機関・旅行予約サイトなどとのデータ連携で、経費の入力自体を自動化する点が特徴です。公式の領収書を外部サービスから自動で取り込めるため、申請者の入力負担を抑えられます。
同社は会計ソフトや給与計算も提供しており、経費精算の後に会計システムへデータを連携して月次決算まで一気通貫でつなげられます。立替経費の従業員への振込も、給与計算と連携して処理できます。
経費精算をシステム化した前後で現場の処理がどう変わるかについて、株式会社マネーフォワードの栗本氏は、ある導入企業の事例を次のように紹介しています。

紙ベースの煩雑な経費精算フローが店舗と本社双方の業務時間を圧迫していて、毎月60店舗中50店舗で申請の差し戻しが発生している企業がいらっしゃいました。しかし、クラウドの導入後は、月初の作業時間が最大60時間から約6時間へ削減されたとのお声をいただいています。電子帳簿保存法への対応とセットで導入していただくことで、紙でのレシート・領収書管理自体が店舗で不要になり、現場と経理担当者の双方で迅速な効果を感じていただいています。
freee経費精算(フリー株式会社)

フリー株式会社が提供するfreee経費精算(freee支出管理 経費精算Plus)は、スマートフォンやアプリからの経費申請、AI-OCRによる領収書のデータ化、承認ワークフロー、会計連携までをカバーするクラウド型の経費精算システムです。
経費精算のほか、購買申請・支払依頼・受取請求書の管理・法人カード連携までを一本化した支出管理サービスの一部として提供されており、経費精算に絞って導入できるプランも選べます。
バクラク経費精算(株式会社LayerX)

株式会社LayerXのバクラク経費精算は、領収書を撮影するとAI-OCRが金額・日付・科目を自動で読み取り、過去の仕訳をAIが学習して勘定科目・税区分を自動で提案する点に強みがあります。仕訳の入力負荷を下げたい経理部門に向いています。
インボイスの登録番号の読み取り・照合や、電子帳簿保存法への対応、法人カード明細の自動取得、主要な会計ソフトとの仕訳同期にも対応しています。
楽楽精算(株式会社ラクス)

株式会社ラクスの楽楽精算は、申請から承認・処理・保存までを一元管理するクラウド型の経費精算システムです。AI-OCRや画像認識による領収書の自動読み取り・入力補完・不備チェックに対応し、紙やExcelでの精算業務を効率化します。
処理した経費は伝票・仕訳データとして出力でき、会計ソフトへの取り込みにつなげられます。交通系ICカード連携などをオプションで追加することもできます。
ここで取り上げた5サービスのほかにも経費精算システムは数多くあります。料金・機能・使いやすさ・導入方法まで含めて全体を比較し、自社に合う製品をじっくり選びたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
経費精算の仕訳は、費用を借方に、支払いの相手(未払金・仮払金・現金など)を貸方に置くのが基本です。立替払いは「費用/未払金」で計上して後日精算し、仮払いは「仮払金/現金」で渡してから精算する、という2段階の流れを押さえると、場面ごとの仕訳を迷わず切れます。
勘定科目は支出の内容に合わせて使い分け、交際費と会議費の1万円基準や、消耗品費と固定資産の10万円基準など、迷いやすい線引きは国税庁の基準で判断します。仕訳日付・インボイスの経過措置・領収書がないときの対応といった実務上の論点も押さえておくと、処理の抜け漏れを防げます。件数が多く手作業の負担が大きい場合は、科目の自動判定や会計連携に対応した経費精算システムの活用も検討するとよいでしょう。
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よくある質問(FAQ)
Q. 経費精算の仕訳とは何ですか?
経費精算の仕訳とは、従業員が立て替えた費用やあらかじめ仮払いした費用を、勘定科目を使って借方・貸方に記録する会計処理です。かかった費用を借方に、その支払いの相手(未払金・仮払金・現金など)を貸方に置くのが基本の形で、立替払いと仮払いでは処理の流れが異なります。
Q. 経費精算で立替払いと仮払いの仕訳はどう違いますか?
経費精算の仕訳は、立替払いが「費用/未払金」で計上して後日精算するのに対し、仮払いは「仮払金/現金」で先に渡してから費用科目へ振り替える点が異なります。立替払いはすでに金額が確定しているため費用を直接計上でき、仮払いは使途・金額が未確定のため、いったん仮払金(資産)で処理し、精算時に実費へ振り替えて差額を戻し入れ・追加支給します。
Q. 交通費と旅費交通費の違いは何ですか?
交通費と旅費交通費は、会計上の明確な区分ではなく、社内の運用で使い分けるのが一般的です。近距離の電車・バス代などを「交通費」、出張など遠方への移動費や宿泊費を「旅費交通費」として分ける企業が多く、どちらも勘定科目としては旅費交通費にまとめて処理して問題ありません。社内で基準を決めて継続して使うことが大切です。
Q. 取引先との飲食費は1人いくらまでなら会議費にできますか?
取引先との飲食費は、1人あたりの金額が1万円以下であれば交際費等から除外でき、会議費などとして処理できます。この基準額は令和6年4月1日以後に支出する飲食費から1万円に引き上げられました(それ以前は5,000円)。1人あたり1万円を超える接待飲食費は交際費等として扱い、資本金などの規模に応じた損金算入のルールに従います。
出典・参考資料(1件)
- 出典:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁
Q. 10万円以上のパソコンは経費精算で消耗品費にできますか?
取得価額が10万円以上のパソコンは、原則として消耗品費で全額を経費にはできず、固定資産に計上して減価償却します。取得価額が10万円未満であれば、消耗品費などで取得した年に全額を費用にできます。中小企業者等には、取得価額30万円未満の減価償却資産を合計300万円まで取得した事業年度で全額損金算入できる特例もあります(適用時は現行の適用期限を確認しましょう)。
出典・参考資料(2件)
- 出典:No.2100 減価償却のあらまし|国税庁
- 出典:No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁
Q. インボイスがない経費の消費税は今どのくらい控除できますか?
適格請求書(インボイス)がない経費の消費税は、令和8年10月1日から令和10年9月30日までは仕入税額相当額の70%を控除できます(経過措置)。制度開始から令和8年9月30日までは80%でしたが、現在はこの期間に該当します。控除できない残りの金額は本体の費用に含めて処理し、帳簿に経過措置の適用である旨を記載しておく必要があります。
出典・参考資料(1件)
Q. 経費精算で領収書がないときはどう処理すればよいですか?
領収書がない経費は、支払日・支払先・金額・内容などを記載した出金伝票を作成しておくことで、経費として処理できる場合があります。電車賃や自動販売機での購入など、領収書が発行されない支出で用いられる方法です。利用した経路やスケジュールなど、支出を裏づける記録もあわせて残しておくと確実です。
Q. 経費精算の領収書にはどんな項目が必要ですか?
経費精算で受け取る領収書には、日付・支払先(発行者)・金額・取引内容・宛名などの記載が必要です。インボイス(適格請求書)として消費税の仕入税額控除に使う場合は、これらに加えて適格請求書発行事業者の登録番号と、税率ごとに区分した消費税額などの記載も求められます。
Q. 経費精算で雑費はどこまで使ってよいですか?
経費精算の雑費は、どの科目にも当てはまらない少額・一時的な費用に限って使い、多用は避けるのが基本です。雑費が増えると何に使ったかが決算書から読み取れず、税務調査で内容を問われやすくなります。金額が大きいものや継続的に発生するものは、専用の勘定科目を立てて分けるようにします。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















