サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

AIによる契約書チェックは違法?弁護士法72条・法務省ガイドラインから適法ラインを解説

AIによる契約書チェックは違法?のサムネイル画像
契約書レビュー比較表(2026年版)のプレビュー

主要15サービスの料金・機能を無料で一覧比較

契約書レビュー比較表(2026年版)

契約書のチェックにAIを使う動きが広がる一方で、「AIに契約書をレビューさせるのは弁護士法違反(非弁行為)にならないのか」という不安の声も増えています。社内でAI契約審査サービスの導入を検討している法務・管理部門の担当者にとって、適法かどうかの線引きは導入可否を判断する前提になります。

本記事では、AIによる契約書チェックが違法になるのかという結論を先に示したうえで、自社の使い方が適法か否かを判断できる早見表、弁護士法72条の非弁行為の要件、法務省ガイドライン(2023年版と2026年の新版)の最新動向、そして適法に使える手段までを解説します。

契約書レビューの関連サービス資料
PR
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】契約書レビューの資料を
一括ダウンロードする
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

AIによる契約書チェックは違法か(結論)

結論から述べると、AIによる契約書チェックは一律に違法ではありません。弁護士でない者が法律事務を扱うことを禁じる弁護士法72条(非弁行為の禁止)の要件を満たさない限り、同条には違反しないというのが法務省の整理です。

法務省は2023年(令和5年)8月に「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」というガイドラインを公表し、AIを使った契約書関連サービスがどのような場合に72条の問題となるかの判断枠組みを示しました。

さらに2026年(令和8年)8月21日には、対象を契約書業務から法務業務全般へ広げた新ガイドライン「ビジネス分野におけるAI等法務業務支援サービス提供と弁護士法第72条の関係について」が公表されています。

ポイントは、弁護士法72条が規制するのは「報酬を得る目的で、他人の法律事務を業として扱う提供者側の行為」だという点です。企業が自社の契約書を自社でチェックする行為そのものは、原則としてこの規制の対象になりません。問題になりやすいのは、紛争が顕在化した案件にAIを使う場面や、紛争解決に特化した設計のサービスを使う場面です。次の早見表で、自社の使い方がどこに当たるかを確認してください。

【早見表】利用形態別の適法・違法ライン

ここからは、AIによる契約書チェックの代表的な4つの利用形態について、弁護士法72条(非弁行為)の観点でどう評価されるかを整理します。

そもそもAIによる契約書チェック(AI契約審査)とは(4つの利用形態の整理)

AIによる契約書チェック(AI契約審査)とは、契約書の条文をAIが解析し、抜け漏れや不利な条項、リスクのある記載を指摘する仕組みを指します。誰がどう使うかによって弁護士法72条との関係が変わるため、まず利用形態を次の4つに分けて考えます。

  • ①自社の契約書を自社でAIチェック:自社で導入したAIツールで、自社が当事者となる契約書を確認する
  • ②AIベンダーの有償サービスを利用:契約審査に特化した有償のAIサービス(ベンダー提供)を使う
  • ③弁護士が補助的に利用:弁護士がAIを補助に使い、最終的な確認・修正は弁護士自身が行う
  • ④社内で汎用生成AI(ChatGPT等)を利用:契約審査専用ではない汎用の生成AIに契約書を読ませる

この4つの利用形態を、弁護士法72条(非弁行為)の観点で評価すると次のようになります。自社のケースがどこに当たるかを確認してください。

← 横にスクロールできます →
利用形態①自社の契約書を自社でAIチェック②AIベンダーの有償契約審査サービスを利用③弁護士が補助的に利用(最終確認・修正は弁護士)④社内で汎用生成AI(ChatGPT等)でチェック(共通で要注意)紛争が顕在化した案件・和解契約書等への利用
弁護士法72条(非弁行為)の観点適法原則適法適法適法(非弁の観点)違法リスクあり
補足・注意点自社が当事者の契約を自社で処理する行為で、報酬を得て他人の法律事務を業として扱うものにあたりません。誤検出・見落としは自己責任となるため、重要・複雑な契約は弁護士の確認を併用します利用する企業は自社契約を処理する立場のため、通常の企業間契約に使う限り適法です。提供者(ベンダー)側の適法性は、紛争案件向けでない価値中立的な設計か、不適切利用を防ぐガバナンス体制があるかで決まります。弁護士監修やガバナンス体制を備えたサービスを選ぶと安心です弁護士がAIの結果を踏まえて自ら契約書を精査し、必要に応じて修正する使い方は、仮に要件に該当しても72条違反にならないと整理されています自社利用のため非弁行為の問題は生じにくい形です。ただし機密情報の入力・学習利用のリスクや、出力の誤りを鵜呑みにする危険があるため、最終判断は人が行う運用が前提です当事者間に権利義務の争いがある「事件性」のある案件は、AIにゆだねず弁護士に相談すべき領域です。紛争処理に特化した設計のサービス提供は72条に抵触し得ます

各行の根拠は、このあと解説する弁護士法72条の要件と法務省ガイドラインの整理にもとづいています。

弁護士法72条の非弁行為とは(要件の分解)

ここからは、適法・違法の分かれ目となる弁護士法72条の非弁行為について、要件を分解して確認します。条文は次のとおりです。

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七十二条|e-Gov法令検索

違反した場合の罰則は重く、2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が定められています(弁護士法77条3号)。さらに、従業員などが業務に関して違反すると、その法人にも300万円以下の罰金が科されます(両罰規定。同法78条)。だからこそ、自社の使い方が適法かを事前に押さえておくことが大切です。

法務省の2023年ガイドラインは、この条文を次の3つの要件で整理しています。AIによる契約書チェックのサービス提供がこのいずれかに該当しない場合には、弁護士法72条に違反しないという枠組みです。

← 横にスクロールできます →
要件①報酬を得る目的②事件性(一般の法律事件)③鑑定その他の法律事務
内容利用料など対価を得てサービスを提供する目的があること。無償提供は原則該当しませんが、他の有償サービスへの誘導や会費制など実質的に対価関係が認められる場合は該当し得ます訴訟事件などのほか「その他一般の法律事件」にあたること。当事者間に法律上の権利義務の争いや疑義があるかどうか(事件性)が分かれ目になります法的な専門知識にもとづいて見解を述べるなど「鑑定…その他の法律事務」にあたること

条文上は、これら3つに加えて「業とする」ことも要件になります。本記事では、法務省ガイドラインの整理にそろえて上記の3要件を軸に説明し、条文上は加えて「業として」が必要という点を補足します。

この3要件のうち、実務で特に線引きが問題になるのが②の「事件性」です。法務省ガイドラインは、紛争が生じた後に和解契約などを結ぶ場合は事件性が認められ得る一方、継続的取引の基本契約にもとづく通常の契約などは事件性を認め難いと整理しています。

親子会社やグループ会社間において従前から慣行として行われている物品や資金等のフローを明確にする場合や、継続的取引の基本となる契約を締結している会社間において特段の紛争なく当該基本契約に基づき従前同様の物品を調達する契約を締結する場合には、いわゆる「事件性」を認め難いことが通常と考えられ……通常、「その他一般の法律事件」に該当せず、同条に違反しないと考えられる。

出典:AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について(令和5年8月)|法務省大臣官房司法法制部

また、仮に3要件すべてに該当する場合でも、弁護士が自らAIの結果を踏まえて契約書を精査し、必要に応じて修正する形で利用する場合は、通常72条に違反しないとされています(早見表③の根拠)。

AIが出力した内容について、個別の事案に応じた法的リスクや具体的な修正案を示す機能は「鑑定その他の法律事務」に該当し得る一方、登録済みのひな形との字句の相違を表示するにとどまる機能は該当しないと整理されている点も、機能による線引きの手がかりになります。

ここで注意したいのは、リスクや修正案を提示するAI契約審査サービスであっても、紛争のない通常の契約に使う限りは「事件性」の要件を欠くという点です。3つの要件をすべて満たさなければ違反にはならないため、修正案を出す機能があること自体が直ちに違法を意味するわけではありません。後述する適法に使える手段も、この整理のうえで紹介しています。

弁護士法72条の非弁行為にあたるかの判断構造の図。報酬を得る目的、事件性(一般の法律事件)、鑑定その他の法律事務という3つの要件を示し、3つすべてに該当すると非弁行為にあたり得る(違法リスク)、いずれか1つでも欠けると弁護士法72条に違反しない(適法)と分岐。例外として、弁護士が自らAIの結果を踏まえて精査・修正する利用は3要件すべてに該当しても違反しないことを示す。
出典・参考資料(2件)
  • 出典:AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について(令和5年8月)|法務省大臣官房司法法制部(PDF)
  • 出典:弁護士法第七十二条・第七十七条・第七十八条|e-Gov法令検索(リンク)

法務省ガイドラインと最新動向(2023年版・2026年版)

ここからは、適法性の判断の土台となる法務省ガイドラインを、2023年版と2026年の新版に分けて解説します。AIによる契約書チェックの適法性を検討するなら、最新の枠組みまで押さえておくことが欠かせません。

2023年版ガイドライン(契約書等関連業務支援サービスと弁護士法72条)

2023年(令和5年)8月に法務省大臣官房司法法制部が公表した「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」は、AIによる契約書の作成・審査・管理の各サービスが、前述の3要件のいずれかに該当しなければ72条に違反しないという判断枠組みを示したものです。

ただしこのガイドラインは、非弁行為に該当するかは個別の事案の具体的な事実関係にもとづいて判断され、最終的な解釈・適用は裁判所の判断に委ねられる、という前提に立っています。あくまで一般論としての整理であり、「これに沿えば絶対に安全」と言い切るものではない点に注意が必要です。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について(令和5年8月)|法務省大臣官房司法法制部(PDF)

2026年8月の新ガイドラインと最新動向(法務業務全般への拡大・日弁連会長談話)

2026年(令和8年)8月21日、法務省は新たに「ビジネス分野におけるAI等法務業務支援サービス提供と弁護士法第72条の関係について」を公表しました。これは2023年版(令和5年ガイドライン)の判断枠組みを踏まえつつ、対象を契約書業務から法務業務全般へ広げ、72条との関係で分水嶺となる要件の解釈とガバナンス上の留意・推奨事項を補完するものです。

新ガイドラインが対象に含める業務は、文献リサーチや書面の作成・審査・管理、コンプライアンス業務、内部通報事案の調査など、法務業務全般に広がっています。これらのサービス提供は、設計・機能が「事件性」のある案件向けでなく価値中立的であること、かつ利用者の不適切利用を回避するガバナンス体制が整備されていれば、一般に72条に抵触しないと整理されました。

具体的には、サービスの設計が事件性のある案件に利用させることを目指しておらず、そうした案件向けの特性・機能を備えていない(価値中立的である)こと、加えて不適切な利用を防ぐガバナンス措置を講じて適切な体制を整備していることが、適法と評価される目安として示されています。

反対に、法的紛争が顕在化している案件や、訴状・和解契約書など紛争を前提とした対外書面の作成に特化したサービス提供は、価値中立的とはいえず72条に該当し得るとされています。紛争案件への利用を認識しながらサービスを提供する場合も同様です。

一方で、この新ガイドラインには慎重な意見もあります。日本弁護士連合会は2026年(令和8年)9月1日の会長談話で、新ガイドラインが「事件性必要説」(事件性のある案件に限って非弁行為にあたるとする立場)を前提としている点を支持しないと表明しました。

特に中小規模の事業者が、リーガルテックサービスにより出力された訴状等を妄信し、それらを用いて自ら、法的知見に関する「ヒューマン・イン・ザ・ループ」の実質を伴わない訴訟追行をし、結果として、その権利や利益が不当に損なわれる事態を招来しかねない

出典:法務省ガイドライン等に関する会長談話(2026年9月1日)|日本弁護士連合会会長 松田純一

このように、ガイドラインで適法とされる範囲が広がっても、AIの出力をそのまま信じて自己判断で進めることのリスクは別途残ります。適法性の枠組みと、実務での安全な使い方は分けて考える必要があります。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:ビジネス分野におけるAI等法務業務支援サービス提供と弁護士法第72条の関係について(令和8年8月21日)|法務省大臣官房司法法制部(PDF/概要)
  • 出典:法務省ガイドライン等に関する会長談話(2026年9月1日)|日本弁護士連合会(リンク)
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】契約書レビューの資料を
一括ダウンロードする

違法リスクを避けてAIで契約書チェックを行うポイント

ここからは、ガイドラインの枠組みを踏まえ、違法リスクを避けながらAIで契約書チェックを行うための実務上のポイントを整理します。

第一に、最終判断は必ず人が行うことです。AIの出力はあくまで参考情報と位置づけ、契約を締結するかどうかの判断は担当者や弁護士が行う運用にします。日弁連が懸念するとおり、出力を妄信して自己判断で進めることは、適法性とは別にトラブルの原因になります。

第二に、紛争が顕在化している案件は弁護士に相談することです。すでに相手方と争いがある、あるいは争いが生じることがほぼ避けられない案件は「事件性」があり、AIにゆだねるべき領域ではありません。こうした案件は弁護士への相談に切り替えます。

第三に、ベンダーの有償サービスを選ぶときは、適法に使える設計かを確認することです。前述のとおり、提供者側の適法性はサービスの価値中立性とガバナンス体制に左右されます。選定時は、紛争案件向けでないと明記されているか、最終判断は人が行う前提の設計か、弁護士の監修・関与や不適切利用を防ぐ体制があるか、を確認ポイントにします。

社内で汎用生成AI(ChatGPT等)を使う場合の留意点

社内でChatGPTなどの汎用生成AIを契約書チェックに使う場合、非弁行為の観点では自社利用のため問題になりにくい一方、別のリスクに注意が必要です。

最大の懸念は、機密情報である契約書を外部のAIに入力することによる情報漏えいと、入力内容が学習に利用されるリスクです。契約書のような機密性の高い文書を継続的に扱うなら、入力データが学習に使われない法人向けプランや、契約審査専用に設計されたサービスの利用が安全です。

精度の面でも違いがあります。汎用の生成AIは一般的な知識にもとづいて回答するため、契約類型ごとのリスク観点や自社の審査基準を踏まえた指摘は得意ではありません。契約審査に特化したサービスは、弁護士監修のレビュー基準や条項データベースにもとづいて、どこにどんなリスクがあるかを自社の運用基準と照らして指摘できる点が異なります。

契約書を入力する前に、利用するAIサービスの学習利用ポリシーや情報の取り扱いを確認しておくことが欠かせません。

適法に使えるAI契約書チェックの手段

ここからは、これまで整理した適法ラインに沿って使える、具体的なAI契約書チェックの手段を紹介します。適法性は、紛争のない通常の契約に使い、最終判断を人が行う限り、どの利用形態でも確保できます。

そのうえで、さらに安全性と効率を高めたい場合の選択肢が、弁護士の監修や関与を組み合わせた設計のサービスです。こうしたサービスは、法務省ガイドラインが示すガバナンス体制や弁護士が最終確認する運用に沿いやすく、適法性を気にする企業が導入を検討しやすい形です。

まずは、契約審査に対応する主要なサービスの特徴を比較します。

← 横にスクロールできます →
サービス名CLOUD LEGAL(クラウドリーガル)法務オートメーション「OLGA」LegalOn CloudLeCHECK(リチェック)クラウドサイン レビューマネーフォワード クラウドAI契約書レビューLegalBase(リーガルベース)
提供形態クラウド(法務BPaaS/ALSP)クラウド(法務オートメーション)クラウド(AI法務プラットフォーム)クラウド(AI契約書レビュー)クラウド(AI契約書レビュー)クラウド(AI契約書レビュー)クラウド(オールインワン)
AI契約レビュー●●●●●●●
弁護士監修(レビュー基準)●●●●●●△公式に明示なし
弁護士への相談・最終確認◎弁護士相談・契約書レビューに対応×××××●弁護士チャット相談「THEMIL」
月額費用11,000円〜(税込・ブロンズ)要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ(従量課金制)11,000円〜(税込・従業員10名未満プラン)
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

続いて、弁護士の監修・関与を軸に、代表的なサービスを個別に紹介します。

CLOUD LEGAL(クラウドリーガル)のウェブサイト

CLOUD LEGALは、弁護士監修・設計のリーガルAIと、弁護士・司法書士・弁理士などの士業によるスケール体制を組み合わせた、法務BPaaS(業務プロセスをまるごとクラウドで受託する形態)型の企業法務アウトソーシングサービス(ALSP)です。

契約書のAIレビューだけでなく、弁護士への相談や契約書の作成までをオンラインで受けられるため、AIの一次チェックと弁護士の確認を一つのサービス内で組み合わせられる点が特徴です。

Microsoft Word上でAIと対話しながら契約書レビューを完結できる「CloudLegal AIエディター」を備え、普段の業務導線のまま不利な条項や欠落条項の検出・修正案の提示を受けられます。弁護士相談や契約書レビューを1〜2日で返せる体制で、従来の顧問弁護士に依頼すると1〜2週間かかっていた確認を短縮した事例も示されています。

情報管理面では国際規格ISO/IEC 27001(ISMS)認証を取得しています。料金は月額11,000円(税込)からで、弁護士の関与を前提に適法ラインに沿って使いたい企業に向いています。

AIと弁護士・専門士業の役割をどう分担させるかについて、同サービスを提供するMOLTON株式会社はインタビューで次のように述べています。

金沢由樹氏
MOLTON株式会社 CSMO(最高営業・マーケティング責任者)
金沢由樹氏
独自インタビューより

現場の感覚で言うと、「どれかを置き換える」というより、必要なところに「併用・使い分けで柔軟に型をかえて導入できる」ように設計しています。社内の法務リソース状況や、顧問弁護士との役割分担に合わせて、併用や使い方を組み替えられるようにしています。

2. 法務オートメーション「OLGA」(GVA TECH株式会社)

法務オートメーション「OLGA」のウェブサイト

契約書の作成から審査、締結後の管理まで、法務業務の全プロセスを一つのクラウドでカバーするのが、GVA TECH株式会社の法務オートメーション「OLGA」です。提供元は法律事務所の経営経験を持つ弁護士が代表を務め、AIが契約書のどこにリスクがあるかを自社の運用基準と照らして検知・レビューできる点が中核機能です。弁護士の知見を反映した基準にもとづく一次チェックに向いています。

交渉条件やその理由といった法務のナレッジを自動で蓄積して組織の資産にできるほか、法務部門だけでなく事業部門も負担なく使える設計にしている点が強みです。事業部門のアカウントを無料で提供し、既存のメールやSlack、ワークフローをそのまま使いながら法務の知見を活用できます。契約件数が多く、事業を多角的に展開する企業ほど効果を実感しやすいサービスです。

3. LegalOn Cloud(株式会社LegalOn Technologies)

LegalOn Cloudのウェブサイト

AI契約審査「LegalForce」で広く知られる株式会社LegalOn Technologies(代表は弁護士)が提供するAI法務プラットフォームが、LegalOn Cloudです。LegalForceとAI契約管理「LegalForceキャビネ」で培った技術を統合し、案件受付からレビュー、契約管理、法令リサーチまでを同一プラットフォーム上で支援します。

契約審査は、弁護士監修のレビュー基準にもとづいて契約書のリスクや抜け漏れを指摘する設計で、締結前のレビューから締結後の管理までを一体で運用できます。契約業務にとどまらず法務業務全体を一つの基盤でカバーしたい企業に向いています。

ここで取り上げたのは一部です。AIレビューと弁護士レビューの違いや使い分け、費用相場、自社に合うサービスの選び方まで含めて契約書レビューサービスを比較検討したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

AIによる契約書チェックは一律に違法ではなく、弁護士法72条の非弁行為の要件を満たさない限り適法に使えます。自社の契約書を自社でチェックする行為や、弁護士が最終確認を行う使い方は適法と整理されており、法務省は2023年版・2026年版のガイドラインで判断枠組みを示しています。

一方で、紛争が顕在化した案件や紛争処理に特化したサービスの利用は要注意であり、AIの出力を鵜呑みにせず最終判断は人が行うことが安全な運用の前提です。弁護士の監修・関与を組み合わせたサービスを選べば、適法ラインに沿って効率と安全性を両立できます。自社に合う契約審査サービスの資料を取り寄せて、比較検討から始めてみてください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】契約書レビューの資料を
一括ダウンロードする

よくある質問(FAQ)

Q. AIによる契約書チェック(AI契約審査)とは何ですか?

A. AIによる契約書チェック(AI契約審査)とは、契約書の条文をAIが解析し、抜け漏れや不利な条項、リスクのある記載を自動で指摘する仕組みです。弁護士監修のレビュー基準や条項データベースにもとづく専用サービスから、ChatGPTなどの汎用生成AIを使う方法まで幅広くあり、誰がどう使うかによって弁護士法72条との関係が変わります。

Q. AIによる契約書チェックは違法ですか?

A. AIによる契約書チェックは、一律に違法ではありません。弁護士でない者が報酬を得て他人の法律事務を業として扱うことを禁じる弁護士法72条(非弁行為)の要件を満たさない限り、同条には違反しないというのが法務省の整理です。自社の契約書を自社で確認する使い方や、紛争のない通常の企業間契約へのAI利用は、この適法な範囲に収まります。

Q. 非弁行為とは何ですか?

A. 非弁行為とは、弁護士・弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で、一般の法律事件に関して鑑定・代理・仲裁・和解その他の法律事務を業として取り扱うことを指し、弁護士法72条で禁止されています。AIによる契約書チェックが問題になり得るのは、この「報酬を得る目的」「事件性(一般の法律事件)」「鑑定その他の法律事務」の要件をすべて満たす場合です。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七十二条|e-Gov法令検索(リンク)

Q. 弁護士法72条に違反した場合の罰則は?

A. 弁護士法72条に違反した場合の罰則は、2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です(弁護士法77条3号)。さらに、法人の代表者や従業員などが業務に関して違反したときは、その法人にも300万円以下の罰金が科されます(両罰規定。弁護士法78条)。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七十七条・第七十八条|e-Gov法令検索(リンク)

Q. 自社の契約書を自社でAIチェックするのは違法ですか?

A. 自社の契約書を自社でAIチェックする行為は、原則として弁護士法72条の問題にはならず適法です。72条が規制するのは報酬を得て他人の法律事務を業として扱う提供者側の行為で、自社が当事者となる契約を自社で処理する行為はこれにあたらないためです。ただし誤検出や見落としは自己責任となるため、重要・複雑な契約は弁護士の確認を併用することをおすすめします。

Q. 弁護士がAIで契約書をチェックするのは非弁行為になりますか?

A. 弁護士がAIを補助的に使い、最終的な確認・修正を弁護士自身が行う使い方は、仮に72条の要件に該当しても非弁行為にはなりません。法務省ガイドラインも、弁護士が自らAIの結果を踏まえて契約書を精査・修正する形での利用を適法と整理しています。AIで一次チェックを行い、重要な契約は弁護士が最終確認する体制は、効率と安全性を両立させます。

Q. 契約書のAIチェックにおける「事件性」とはどう線引きされますか?

A. 事件性とは、当事者間に法律上の権利義務の争いや疑義があるかどうかを指し、これが適法・違法の分かれ目になります。法務省ガイドラインは、紛争が生じた後に和解契約などを結ぶ場合は事件性が認められ得る一方、継続的取引の基本契約にもとづく通常の契約や、親子会社・グループ会社間で従来どおり行われる取引は事件性を認め難いと整理しています。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について(令和5年8月)|法務省大臣官房司法法制部(PDF)

Q. 社内でChatGPTを使って契約書をチェックするのは違法ですか?

A. 社内でChatGPTなどの汎用生成AIを契約書チェックに使うこと自体は、自社利用のため非弁行為(弁護士法72条)の問題は生じにくく、適法です。ただし、機密情報である契約書を外部のAIに入力することによる情報漏えいや、入力内容が学習に利用されるリスクには注意が必要です。

機密性の高い文書を継続的に扱うなら、入力データが学習に使われない法人向けプランや、契約審査専用に設計されたサービスの利用が安全です。

Q. AIによる契約書チェックは無料でできますか?

A. AIによる契約書チェックは、ChatGPTやClaudeなどの汎用生成AIの無料プランでも、条項の抜け漏れ確認や要約といった簡易なチェックは試せます。ただし無料プランは入力内容が学習に利用される場合があるため、機密性の高い契約書を継続的に扱うなら、学習に使われない法人向け有料プランや契約審査専用サービスが安全です。

専用サービスにも無料トライアルはありますが、本格運用は有料が前提のものが多くなっています。

Q. AI契約審査サービスの費用相場はいくらですか?

A. AI契約審査サービスの費用は、汎用AIの有料プランなら月額数千円台から、契約審査に特化した専用サービスでは月額1万円程度から利用できるものがあります。ただし専用サービスは要問い合わせの料金体系も多く、統一的な相場は示しにくいのが実情です。

本記事で紹介したCLOUD LEGALのように月額11,000円(税込)から使えるサービスもあるため、複数社の資料や見積もりを取り寄せて比較するのが確実です。

Q. AIに契約書を読み込ませるリスクは何ですか?

A. AIに契約書を読み込ませる主なリスクは、①機密情報の漏えい、②誤検出・見落としを信じてしまうこと、③AIの一般的な回答をそのまま最終結論にしてしまうことの3つです。入力データが学習に使われない法人向けプランや専用サービスを使い、最終判断は必ず人が行う運用にすることで、これらのリスクは軽減できます。

Q. 法務省ガイドラインに沿えば完全に安全ですか?

A. 法務省ガイドラインに沿っていても、「これに沿えば絶対に安全」と言い切れるものではありません。ガイドラインはあくまで一般論としての整理であり、非弁行為に該当するかは個別の事案の具体的な事実関係にもとづいて判断され、最終的な解釈・適用は裁判所の判断に委ねられるという前提に立っているためです。紛争性のある案件は弁護士に相談し、重要な契約は弁護士の確認を組み合わせることが安全です。

Q. 2023年版と2026年版の法務省ガイドラインは何が違いますか?

A. 2023年版が契約書業務(作成・審査・管理)に限って弁護士法72条との関係を整理したものであるのに対し、2026年8月21日の新ガイドラインは対象を法務業務全般へ広げ、サービスの設計・機能が価値中立的でガバナンス体制が整っていれば72条に抵触しないという判断枠組みを示した点が異なります。

一方で、日本弁護士連合会は2026年9月1日の会長談話で、新ガイドラインが「事件性必要説」を前提としている点を支持しないと表明しています。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:ビジネス分野におけるAI等法務業務支援サービス提供と弁護士法第72条の関係について(令和8年8月21日)|法務省大臣官房司法法制部(PDF)
  • 出典:法務省ガイドライン等に関する会長談話(2026年9月1日)|日本弁護士連合会(リンク)

契約書レビューサービスの料金・資料を一括チェック

MCB FinTechカタログでは、弁護士監修のAI契約審査サービスをはじめとする契約書レビューサービスの最新資料を無料で一括請求できます。料金・AIレビュー機能・弁護士の関与体制を比べて、自社に合う手段を検討できます。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】契約書レビューの資料を
一括ダウンロードする

MCB FinTechカタログに掲載しませんか?

MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

関連記事

新着記事

契約書レビュー
おすすめの診断サービス