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アクセス管理のセキュリティ対策おすすめ比較|IDaaS・特権ID管理・ゼロトラストの選び方

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IDaaS(ID管理システム)比較表(2026年版)のプレビュー

主要6サービスの料金・機能を無料で一覧比較

IDaaS(ID管理システム)比較表(2026年版)

社内システムやクラウドサービスのアカウントが増えるほど、「誰が・何に・どこまでアクセスできるか」の管理は複雑になります。退職者の権限が残ったまま、管理者IDが共有されたまま、テレワークで社外からの接続が常態化したまま——こうした状態は、情報漏えいや内部不正の入り口になりかねません。

アクセス管理のセキュリティを強化する手段は一つではありません。全社のIDとアクセスを一元的に統制するIDaaS・統合ID管理、管理者権限などの特権アカウントを集中管理する特権ID管理(PAM)、接続のたびに利用者と端末を検証するゼロトラスト型のアクセス制御——自社の課題によって、効く手段は変わります。

本記事では、セキュリティ強化を目的としたアクセス管理の3つの手段(IDaaS・統合ID管理/特権ID管理/ゼロトラスト型)を横断して比較し、自社の課題にどの手段・どの製品が向くかを判断できるよう整理しました。主要なアクセス管理製品を機能・料金・対応範囲でタイプ別に比較しているので、製品選定の検討材料としてご活用いただけます。

また、自社の課題に合う手段・製品を数問で絞り込める「アクセス管理サービス診断」もご用意しています。どのタイプから検討すべきか迷う場合は、あわせてご利用ください。

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アクセス管理のセキュリティ対策とは

ここでは、アクセス管理がセキュリティ対策としてどのような役割を果たすのか、そしてなぜいま強化が求められているのかを整理します。手段の比較に入る前の土台として、記事全体で扱う範囲を共有します。

アクセス管理とは

アクセス管理とは、「誰が・何のシステムや情報に・どこまでの操作ができるか」を定義し、制御する仕組みです。社員や委託先に対して必要な権限だけを与え、不要になった権限は速やかに取り消すことで、情報資産を守りながら業務に必要なアクセスは滞りなく通します。

その中核にあるのが「最小権限の原則」です。これは、利用者やプロセスに対して、割り当てられた業務を遂行するために必要な最小限の権限だけを与えるべきだとするセキュリティ原則で、米国国立標準技術研究所(NIST)も用語集で定義しています。権限を絞るほど、万一アカウントが乗っ取られた場合でも被害範囲を限定できます。

アクセス管理は、本人確認を行う「認証」、権限の範囲を決める「認可」、誰がいつ何をしたかを残す「アクセスログ(監査証跡)」という3つの要素で成り立ちます。これらをExcelの台帳や各サービスの個別設定だけで回すと、サービスが増えるほど管理が追いつかなくなり、権限の付け忘れ・外し忘れが起こりやすくなります。

セキュリティ強化でアクセス管理が重要になっている背景

アクセス管理の強化が急がれている背景には、企業のIT環境の変化があります。業務で使うSaaSが急増し、社員一人が十数個のアカウントを持つことも珍しくありません。アカウントと権限が各サービスに分散すると、全体像の把握が難しくなります。

加えて、サーバーやデータベースの管理者権限(特権ID)は、内部不正や設定ミスが起きると被害が大きくなります。誰がいつ特権IDを使ったかを記録・制御できていないと、監査で説明責任を果たせません。テレワークの普及で社内外の境界もあいまいになり、「社内ネットワークだから安全」という前提が通用しなくなっています。

ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証の取得・維持や、取引先からのセキュリティ監査でも、アクセス権限の棚卸しやログの保全を求められる場面が増えています。こうした変化に手作業で対応し続けるのは負荷が高く、アクセス管理を仕組みで支えるサービスの導入・見直しが進んでいます。

アクセス管理を強化する3つの手段(タイプ)と使い分け

アクセス管理を強化する手段は、大きく3つのタイプに分けられます。それぞれ守る対象と効く課題が異なります。ここでは3タイプを横断して違いを整理し、自社の課題にはどれが向くかを見極められるようにします。

全社のID・アクセスを一元統制するタイプ(IDaaS・統合ID管理)

1つ目は、社内システムやクラウドサービスへのログインと権限を一元的に管理するタイプです。IDaaS(Identity as a Service=クラウドで提供されるID管理基盤)や統合ID管理と呼ばれます。

一度の認証で複数のサービスにログインできるSSO(シングルサインオン)、パスワードに加えて別の要素で本人確認するMFA(多要素認証)、入退社や異動に合わせてアカウントを自動で作成・削除するプロビジョニングなどを備えます。SaaSが増えて「どのサービスに誰のアカウントがあるか分からない」「退職者の権限が残る」といった課題に効くタイプです。

全社員が日常的に使うログインの入り口を統制するため、本記事で扱う手段の中では最も導入範囲が広く、まず検討されることが多いアプローチです。

まずはこのIDaaS・統合ID管理から着手すると決めた方に向けて、代表的な製品の選び方やメリット、導入事例までをIDaaSにしぼって掘り下げた記事もあります。

管理者権限など特権アカウントを統制するタイプ(特権ID管理/PAM)

2つ目は、サーバーやデータベース、ネットワーク機器の管理者権限(特権ID)に絞って統制するタイプです。特権ID管理やPAM(Privileged Access Management)と呼ばれます。

特権IDの利用を申請・承認制にし、いつ・誰が・どの特権IDで・何をしたかを操作ログとして記録します。パスワードを人に見せずに貸し出す、作業を録画する、といった機能で、内部不正や設定ミス、監査での説明責任といったリスクに対応します。全社員のログインを束ねるIDaaSとは守る対象が異なり、「強い権限を持つ一部のアカウント」に深く踏み込む点が特徴です。

システム運用を内製・外部委託している企業や、金融・医療など監査要件が厳しい業種で、IDaaSと併用して導入されることが多いタイプです。

接続ごとに検証してアクセスを制御するタイプ(ゼロトラスト型/IAP・ZTNA)

3つ目は、社内外を問わず接続のたびに利用者と端末を検証し、必要なアプリケーションにだけ安全に通すタイプです。ゼロトラストの考え方にもとづくアクセス制御で、IAP(Identity-Aware Proxy)やZTNA(Zero Trust Network Access)といった仕組みで実現します。

ゼロトラストとは、資産やアカウントに対して、所在するネットワークの場所(社内LANかインターネットか)や所有者だけを根拠に暗黙の信頼を与えない、という考え方です。米国国立標準技術研究所(NIST)はこれをZero Trust Architecture(SP 800-207)として体系化し、リソースへのアクセスはセッション単位で、必要最小限の権限で許可すべきだとしています。

概念自体は米Forrester のジョン・キンダーバーグ氏が2010年に提唱したものとされます。

「社内ネットワークにつながっていれば信頼する」という従来の境界型の発想から離れ、VPNに代わる安全なリモートアクセスを実現したい、クラウド移行で守るべき通信経路が増えた、といった課題に効きます。接続のたびにIDと端末の状態を確かめるため、IDaaSのMFAやデバイス管理と組み合わせて構成されることが一般的です。

出典・参考資料(3件)

自社の課題別にどの手段が向くか(目的→手段の対応)

3つの手段は排他的なものではなく、課題に応じて組み合わせて使います。自社がいま抱えている課題から、どの手段を起点に検討すべきかの目安を整理しました。

自社の課題起点となる手段理由
SaaS・社内システムのアカウントと権限がバラバラで把握できない/退職者の権限が残るIDaaS・統合ID管理SSOとプロビジョニングでログインとアカウントのライフサイクルを一元管理できる
パスワードの使い回しや単純なID/パスワードだけの認証が不安IDaaS・統合ID管理MFA(多要素認証)で本人確認を強化できる
サーバー・DBの管理者権限の不正利用や操作履歴の不備が心配/監査でログを求められる特権ID管理(PAM)特権IDの貸出申請・承認と操作ログで内部不正と説明責任のリスクを抑える
テレワークや拠点間接続のVPNを見直したい/社外からの接続を安全にしたいゼロトラスト型(IAP・ZTNA)接続のたびに利用者・端末を検証し、必要なアプリにだけ通す
クラウド移行で守るべき通信経路が増え、境界型の防御では守りきれないゼロトラスト型(IAP・ZTNA)+IDaaSIDaaSの認証基盤を土台に、接続単位の検証を重ねて多層で守る

まずは全社のログインを統制するIDaaS・統合ID管理を土台に据え、強い権限を扱うなら特権ID管理を、社外からの接続を安全にしたいならゼロトラスト型を重ねていく、という順で考えると整理しやすくなります。次に紹介する診断ツールでも、課題から適したタイプと製品を絞り込めます。

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【比較表】おすすめアクセス管理製品の機能・料金・対応範囲を比較

ここからは、アクセス管理製品を3つの手段(タイプ)ごとに比較します。公式に公開されている範囲で、料金やプランもできるだけ具体的に整理しました。

特権ID管理(PAM)は価格を公開していないベンダーが多く、料金は個別見積もりが中心です。公式の公開価格が無いものは「要お問い合わせ」と記載しています。

全社のID・アクセス一元統制タイプ(IDaaS・統合ID管理)の比較

SSO・多要素認証(MFA)・プロビジョニングの対応状況と、SaaS・社内システムとの連携範囲を中心に比較します。

なかでもログイン認証の強化そのものを主眼に据える場合は、認証方式ごとに製品を比べられる多要素認証(MFA)システムの比較記事もあわせてご覧ください。

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サービス名CloudGate UNOマネーフォワード AdminaOktaMicrosoft Entra IDHENNGE OneGMOトラスト・ログインOneLoginIIJ IDサービスSoliton OneGateGluegent GateExticJumpCloudKeycloakRSA ID PlusEntrust IdentitySafeNet Trusted Access
主な認証・制御方式(SSO・多要素認証・プロビジョニング)SSO(SAML2.0・OIDC)/MFA(FIDO2パスキー・生体・OTP、全プランでパスワードレス)/ID管理・プロビジョニング(AD連携はEnterprise Plus以上)。IP・端末・国/地域・時間帯のアクセス制限SSO・多要素認証は非搭載。SaaSアカウントの可視化・棚卸し、入退社のオフボーディング(退職者アカウントの自動停止)、シャドーIT検知を担うアカウントガバナンス型SSO(SAML・OIDC)/Adaptive MFA(Okta Verify・FIDO2・生体・OTP等)/Universal Directory/ライフサイクル管理(SCIMによる自動プロビジョニング)SSO/MFA(Authenticator・パスキー/FIDO2・Windows Hello等)/条件付きアクセス/自動プロビジョニング(SCIM2.0)/Lifecycle Workflows(Governance)SSO(連携数に応じた追加課金なし)/MFA/アクセス制御(IP制限・デバイス証明書)/ユーザープロビジョニング(JIT、対応SaaSは限定的)SSO(フォーム・SAML・OIDC・Basic)/多要素認証(アドレス/デバイス制限・OTP・証明書認証)/ID一元管理。SaaS管理(利用可視化・アカウント自動作成)SSO(SAML・OIDC・SCIM)/アダプティブMFA(SmartFactor)/アイデンティティライフサイクル管理・HR連携(AD連携でリアルタイム〜15分で自動反映)SSO(SAML2.0・OIDC)/多要素認証(FIDO2・デバイス証明書・メールOTP・SmartKey・統合Windows認証)/AD連携(Directory Sync)デジタル証明書+FIDO2・顔認証・ICカード・スマホ認証による多要素認証/SSO(SAML・OIDC、SAML連携数は無制限)SSO(SAML・OIDC・プロキシ認証)/多要素認証(OTP・ICカード・FIDO/FIDO2・生体・証明書)/統合ID管理・自動プロビジョニング/デプロビジョニングSSO(SAML2.0・フォームベース)/MFA(TOTP・メールOTP・FIDO2パスキー)/人事情報起点のID自動生成・ライフサイクル管理SSO/MFA/デバイス管理(MDM)/IDライフサイクル管理(HRIS連携・ワンクリックオフボーディング)/オンプレAD双方向同期SSO/SLO/MFA(パスキー・TOTP)/アイデンティティブローカリング/LDAP・AD連携/SCIM(プレビュー)MFA(ハード/ソフトトークン・プッシュ・生体・FIDO2・OTP)/SSO/リスクベース認証(Risk AI)/IGA(アクセスレビュー・ライフサイクル管理)MFA(OTP・プッシュ・FIDO2/パスキー・PKI証明書・スマートカード・AI顔認証)/SSO/アダプティブ認証/PKI・証明書統合MFA(OTP・プッシュ・FIDO・PKI証明書・パスワードレス)/SSO(Smart SSO)/リスクベース認証(条件付きアクセス)
連携・対応範囲(SaaS・AD・オンプレ・クラウド)Google Workspace・Microsoft 365・Salesforce・Slackなど主要SaaS、Active Directory連携連携SaaS380以上。Google Workspace・Microsoft 365・Okta等のIdPや人事DBを従業員マスターに指定OIN 8,000超のSaaS連携+オンプレAD/LDAP(ADエージェント)、HRシステム連携(Workday等)アプリギャラリーの数千のSaaS+オンプレAD(Connect/Cloud Sync)、HR連携(Workday・SuccessFactors)対応クラウドサービス480以上(公式表記)、Active Directory連携主要SaaS(連携数は公式非公開)、Active Directory連携SSO連携6,000以上、プロビジョニング対応233アプリ、AD・Entra ID・LDAP・Workday等連携数による追加費用なし、Active Directory連携・統合Windows認証保護対象はクラウド・社内システム・VPN・Wi-Fi、Active Directory連携無制限のSSO連携(Professional以上)、人事マスタ・Active Directory連携クラウド/オンプレ連携、Active Directory・LDAP・DB・CSV・SCIMSaaS・クラウドアプリ、デバイス(Windows/macOS/Linux/モバイル)、Active Directory連携(ADI)OIDC・OAuth2.0・SAML2.0に対応、LDAP/AD・外部IdP連携Webアプリ(SAML/OIDC)・Windowsログイン・VPN/RADIUS・AD・Entra IDクラウド/オンプレ、デバイス証明書・802.1X(MDM連携)。50ユーザー〜1,000万ユーザー超に対応SaaS・VPN・VDI・オンプレミスを横断保護、SCIM連携、マルチテナント
料金・プラン月額400〜600円/ユーザー(税抜、Standard Plus/Enterprise Plus/Smart Pack)
初期費用は要お問い合わせ
無料トライアル30日
50ID以下は無料/51ID以上は1IDあたり月300円
初期費用の記載なし
無料トライアル2週間
月額940円〜/ユーザー(Starter、年契約・最低24万円/年)
ライフサイクル管理はCore Essentials 2,020円〜
無料トライアル30日
Freeは無料/P1 1,049円・P2 1,499円/ユーザー/月(年払い)
初期費用0円
無料トライアル30日
Identity(IdP)月額400円〜、Suite Basic 1,000円〜(税抜、2026年10月新プラン、最小200ID)
初期費用・無料トライアルは要お問い合わせ
SSOプロ 300円・SaaS管理 290円・SSOプロ+SaaS管理 500円/ID/月(税抜、最少30ID・12か月契約)
初期費用の記載なし
初期費用2万円(税抜、代理店により異なる)
月額は要お問い合わせ
無料トライアル30日
初期費用0円
SSOのみ120円/ID、SSO+多要素認証240円/ID(税抜)
トライアルあり(期間は要確認)
月額150〜600円/ユーザー(PKI/ベーシック/スタンダード、最小40〜200ユーザー)
初期費用は要お問い合わせ(アプライアンス利用時198,000円/台)
無料トライアル30日
Connects 100円・Professional 250円・Enterprise 500円・Unlimited 1,000円/ユーザー(税抜)
初期費用無料、1年契約
Standard 300円・IdP 150円・IdM 210円/ID〜(税別、ID数で逓減)
初期費用は要確認
無料トライアルあり
Device Management $9〜・SSO $11〜/ユーザー月(年払い・USD)
国内は代理店見積もり
無料トライアル30日
ソフトウェア利用料なし(OSS、Apache License 2.0)。インフラ・運用費は自社負担。商用サポートはRed Hat/NRI OpenStandia(要お問い合わせ)ユーザー単価制(目安 $3〜$7/月・ユーザー、日本価格は代理店見積もり)
初期費用は要お問い合わせ
無料トライアルあり
要お問い合わせ(個別見積もり)要お問い合わせ(ユーザー数ベース、トークン込みのall-inclusiveライセンス)
無料評価トライアルあり
提供形態クラウド(IDaaS)クラウド(SaaS・IT管理)クラウド(IDaaS)クラウド(IDaaS)クラウド(IDaaS+メール・エンドポイントセキュリティ)クラウド(IDaaS)クラウド(IDaaS、国内は代理店経由)クラウド(IDaaS)クラウド型認証基盤(IDaaS)クラウド(IDaaS)クラウド(IDaaS)/オンプレ連携クラウド(オープンディレクトリ・プラットフォーム)OSS(セルフホスト型)クラウド/ハイブリッド/オンプレミス/エアギャップクラウド(IDaaS)/オンプレ(Identity Enterprise)クラウド(IDaaS、3プラン)
向いている企業SaaS活用を進め、ゼロトラスト型のSSO・アクセス制限を国産・日本語サポートで一体導入したい企業SaaSアカウントの可視化・棚卸しや退職者アカウントの停止漏れを運用面から解消したい情報システム部門多数のSaaSとオンプレADが混在し、入退社のアカウント自動化まで求める中〜大企業Microsoft 365・Windows・Azureを既に利用し、ID基盤に統合してMFAや自動化を有効化したい企業Microsoft 365・Google Workspace利用で、SSOにメール対策や脅威対策まで束ねたい国内企業中堅規模で、SSO・ID一元管理に加えSaaS利用の可視化を手頃な単価で始めたい企業多数のSaaSのSSOと、アダプティブMFA・ライフサイクル管理をまとめたい企業ISMAP登録を要件とする公共・統制要件の厳しい組織、国産IDaaSを求める企業証明書認証でVPN・Wi-Fiを含むネットワーク接続まで統制したい企業退職者アカウントの自動停止(幽霊ID対策)を手頃な単価で始めたい、国産IDaaSを求める企業人事情報起点のID自動生成・棚卸しを重視する教育・公共、オンプレAD資産を持つ企業ID管理とデバイス管理を1つに統合したい中小〜中堅企業自社で認証基盤を構築・運用でき、カスタマイズ性やライセンスコストの抑制を重視する企業・開発組織権限棚卸し(IGA)や政府・高保証レベルの統制まで求める大企業・公共PKI証明書や高保証の認証まで一体で求める企業SaaS・VPN・VDI・オンプレを横断して保護したい大企業
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

特権ID管理(PAM)タイプの比較

特権IDの貸出・承認ワークフロー、操作ログ・録画、対応する対象システムを中心に比較します。

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サービス名CyberArkOne Identity SafeguardiDoperationSecureCube Access CheckManageEngine PAM360ESS AdminONE
特権ID制御(貸出申請・承認/操作ログ・録画)認証情報の保管(Vault)・自動ローテーション、特権セッションの分離・監視・記録、危険操作の検知。最小権限・その都度検証を特権アクセスに適用特権パスワード払い出しの承認ワークフロー(時間制限・複数承認者・緊急アクセス)、特権セッションの録画・再生・検索、脅威検知・行動分析特権IDの貸出・返却の申請・承認ワークフロー、操作記録・フォレンジック追跡(いつ・誰が・何をしたかの可視化)、エンドポイントの権限昇格制御特権IDの申請・承認ワークフロー、特権パスワードの代理管理、操作ログの取得・保管(コマンド/操作証跡)。SSH一般ユーザーからの自動昇格特権パスワードの保管・自動変更、申請・承認とジャストインタイム権限付与、特権セッションの監視・画面録画・シャドウイング、SSH鍵/証明書管理、異常検知申請・承認ベースとポリシーベースのアクセス許可を併用、操作証跡(操作ログ)の取得・保管、不正アクセス検知、ファイル入出力管理
対応システム範囲サーバー・DB・クラウド、アプリ/CI/CD向けのシークレット(特権ID・認証情報全般)サーバー・ネットワーク機器などの管理者権限と認証情報。SIEM連携に対応クラウド・オンプレミス・エンドポイントを横断。ユーザー・ベンダー・マシンIDを管理サーバー・DB・ネットワーク機器(中継プロトコルはSSH・RDP・SCP)サーバー・DB・ネットワーク機器・クラウドの管理者権限。SIEM・ITSM連携オンプレ〜クラウド〜SaaS〜ネットワーク機器の特権IDを一元管理(アクセス制御はパスワード代理入力・SAML・ネットワーク制御から選択)
料金要お問い合わせ(管理対象アカウント数・機能モジュールで変動、代理店見積もり)要お問い合わせ(個別見積もり)要お問い合わせ要お問い合わせ(個別見積もり)要お問い合わせ(個別見積もり)要お問い合わせ(2021年発表時は最小構成で年額300万円〜)
提供形態(ゲートウェイ型/クライアント型/クラウド)SaaS(Privilege Cloud)/オンプレ(Self-Hosted)ハードウェア/仮想アプライアンス(オンプレ・仮想環境)クラウド版(iDoperation PAM Cloud)/オンプレミス版オンプレミス設置型のゲートウェイ(Azure上での動作にも対応)オンプレミス設置型(Azure Marketplaceでも提供)オンプレミス設置型/クラウド版 ESS AdminONE Cloud(2026年4月〜)
向いている企業特権アクセスを体系的に統制したいグローバル・大企業(Fortune 500の過半が採用と公式が訴求)パスワード払い出しの承認フローとセッション監査を一体で統制したい企業国産・日本語対応で特権ID管理と操作監視を導入したい企業(国内シェアを公式訴求)既存サーバー環境の改変を抑えつつ特権操作の証跡を残したい金融・公共などManageEngine製品群を使う情シス、PAMの価格の見通しを立てたい企業ハイブリッド環境の特権IDを国産ソフトで一元統制したい企業
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

ゼロトラスト型(IAP・ZTNA)タイプの比較

検証の単位、提供形態(IAP/ZTNA)、端末の状態チェックや既存のID基盤との連携を中心に比較します。

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サービス名Cisco Secure Access by DuoCloudflare Zero Trust
検証の単位・方式(IAP・ZTNA・端末検証)ログイン試行ごとに多要素認証+デバイスの健全性(デバイストラスト)+アダプティブ(リスクベース)ポリシーで検証。既存VPN/RDP/SSOへ後付けでMFAを付加。VPNレス接続はDuo Network Gateway(Premier)ZTNA(Cloudflare Access)で接続都度に利用者・デバイス状態・コンテキストを検証。デバイスポスチャチェック、IdP非対応アプリへ独立MFAを付加
連携・対応範囲VPN・RDP・オンプレアプリ・クラウドSSOへ後付け。既存IdP/AD連携、SCIM自動プロビジョニング(Essentials以上)Web・SaaS・SSH・RDP・VNCを保護。既存IdP(Entra ID・Okta・Google Workspace・OneLogin)を集約。IdPがなければ独自のワンタイムPINログイン
料金Free $0(10ユーザーまで)/Essentials $3・Advantage $6・Premier $9(/ユーザー/月・USD)Free 0円(最大50ユーザー)/Pay-as-you-go 1ユーザー月額7ドル前後/Enterprise 要お問い合わせ
提供形態SaaS(クラウド型)SaaS(SASEプラットフォーム「Cloudflare One」の一部)
向いている企業既存のVPN・オンプレアプリ・クラウドSSOに後付けでMFA・デバイス検証を被せたい企業VPN代替のZTNAを既存のID基盤を活かして導入したい企業(小規模は無料から)
詳細情報サービス詳細を見る公式サイト

料金は各社の公式公開情報にもとづく2026年10月時点の情報です。最新の料金・仕様は各社の公式情報をご確認ください。

【タイプ別】おすすめアクセス管理製品

比較表で全体像を把握したうえで、各製品の特徴を手段(タイプ)ごとに詳しく紹介します。自社の課題に近いタイプから読み進めてください。

全社のID・アクセス一元統制タイプ(IDaaS・統合ID管理)の製品

全社のログインと権限を一元管理するIDaaS・統合ID管理の製品です。SSO・MFA・プロビジョニングの範囲や、連携できるサービスの数に違いがあります。

1. CloudGate UNO(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

CloudGate UNOのウェブサイト

株式会社インターナショナルシステムリサーチが100%自社開発する国産のIDaaSです。SSO・多要素認証・アクセス制限・ID管理(プロビジョニング)を1つのプラットフォームに統合し、Google Workspace・Microsoft 365・Salesforce・Slackなど多数のクラウドサービスと連携します。契約数は1,400社以上(公式サイト、2026年10月時点)です。

アクセス制限を「端末・場所・時間」の3軸で設定でき、私用端末からのアクセス禁止や業務時間外の制限などを細かく指定できます。パスキー(FIDO2)によるパスワードレス認証は全プラン・全ユーザーで無制限に利用可能です。

料金はStandard Plusが月額400円/ユーザー(税込440円)から、Active Directory連携を含むEnterprise Plusが月額500円(税込550円)で、30日間の無料トライアルも用意されています。

パスワードレス認証を推し進める背景について、提供元の株式会社インターナショナルシステムリサーチはMCB FinTechカタログの取材で次のように説明しています。

平澤氏
株式会社インターナショナルシステムリサーチ 営業本部マーケティング部
平澤氏
独自インタビューより

当社が採用しているパスキーのパスワードレス認証は、フィッシング攻撃に対して非常に強い耐性を持ちます。SMS認証やワンタイムパスワードなどの一般的な多要素認証を突破する攻撃手法が顕在化する中、より安全な認証環境を提供します。

2. マネーフォワード Admina(マネーフォワードi株式会社)

マネーフォワード Adminaのウェブサイト

マネーフォワード Admina は、SSO・多要素認証を備える認証基盤そのものではなく、IDaaS・統合ID管理に併用してSaaSアカウントの可視化・棚卸しを担うアカウントガバナンス型のツールです。退職者の権限残りやシャドーIT対策を運用面から補います。

「情シス向け業務OS」を掲げるマネーフォワードi株式会社のSaaS・IT資産管理プラットフォームです。従業員を軸にSaaSアカウントを可視化し、入退社時のアカウント発行・停止、シャドーIT検知、デバイス管理までを一元化します。IdPや人事データベースを従業員マスターに指定してアカウントを紐づける設計で、連携できるSaaSは380以上(公式サイト、2026年1月時点の付記あり)です。

退職済みアカウントはアラートで表示され、ボタン操作や退職時ワークフローで削除を自動化できます。「誰が・いつ・どのSaaSを使っているか」を把握できるため、権限の棚卸しや退職者の権限残りへの対策に向きます。50ID以下は全機能を無料で利用でき、51ID以上は1IDあたり月300円です(公式料金ページ、税区分の明示なし)。全企業を対象とした2週間の無料トライアルがあります。

3. Okta(Okta Japan株式会社)

Okta(Workforce Identity Cloud)のウェブサイト

Okta, Inc.のサービスは世界で2万社を超える組織に導入されており、その従業員向けIDプラットフォームが「Okta Workforce Identity Cloud」です。日本法人はOkta Japan株式会社で、SSO・多要素認証・ユーザーディレクトリ・IDライフサイクル管理を統合的に提供します。

事前構築済みの連携(Okta Integration Network)は8,000を超え、SCIM標準による自動プロビジョニングに対応します。

Workday・SAP SuccessFactorsなどの人事システムやActive Directoryと連携し、入社・異動・退職に合わせてアカウントの作成・権限変更・即時失効を自動化できます。この入社・異動・退職の自動化(Lifecycle Management)はCore Essentials(月額2,020円/ユーザー)以上に含まれます。

料金はStarterが月額940円/ユーザーから利用でき、いずれも年単位の契約で年間契約の最低額は240,000円です。

4. Microsoft Entra ID(日本マイクロソフト株式会社)

Microsoft Entra IDのウェブサイト

Microsoft 365やAzureの認証基盤を担うクラウド型のID・アクセス管理(IAM)サービスで、旧称はAzure Active Directory(Azure AD)です。SSO・多要素認証・条件付きアクセス・パスワードレス認証に加え、人事イベントを起点としたアカウントの自動プロビジョニング/デプロビジョニングを提供します。

公式サイトには「720,000を超える組織が使用している」との記載があります。

SCIM 2.0に対応し、Entra Connect SyncまたはEntra Cloud Syncを使ってオンプレミスのActive Directoryと同期できる点が特徴です。Microsoft 365やAzureを利用している組織は、追加導入なしで多要素認証・条件付きアクセス・アカウント自動化を利用できます。

無料プランに加え、Microsoft Entra ID P1(月額1,049円/ユーザー)・P2(月額1,499円/ユーザー)などの有償プランが用意されています。条件付きアクセスやID保護など、必要な機能に応じてプランを選びます。

5. HENNGE One(HENNGE株式会社)

HENNGE Oneのウェブサイト

契約ユーザー数300万を超える、HENNGE株式会社のクラウドセキュリティ基盤です。SSO・多要素認証・アクセス制御によるID統制を軸に、メール誤送信対策やエンドポイントセキュリティを統合しています。契約企業数は3,731社(2026年3月末時点)で、東京証券取引所の上場企業の約20%が利用しているとされます(いずれもHENNGE公式サイト)。

IPアドレス制限やデバイス証明書によるアクセス制御、Active Directory連携によるID一元管理に対応し、対応クラウドサービスは480以上(公式サイト)です。連携先のクラウドサービス数が増えても、SSOの利用自体に追加費用は発生しません。

料金は2026年10月1日からの新プランで、Identity EditionのIdPが月額400円、全機能統合のSuite Basicが月額1,000円(いずれも税抜・最小200IDから)です。

6. GMOトラスト・ログイン(GMOグローバルサイン株式会社)

GMOトラスト・ログイン(TrustLogin by GMO)のウェブサイト

SSL電子証明書の認証局事業を長く手がけるGMOグローバルサイン株式会社が提供する、クラウド型のID管理サービス(IDaaS)です。Google Workspace・Microsoft 365・サイボウズ・SalesforceなどへのシングルサインオンとID・パスワードの一元管理を軸に、多要素認証・Active Directory連携を備えます。

SSO機能に加えてSaaS利用状況の可視化やアカウント自動作成・管理を行う「SaaS管理」機能群も提供しています。

認証方式はSAML・OIDC・フォームベース・Basic認証に対応し、操作ログの取得・可視化で監査にも使えます。SSOを中心とする「SSOプロ」は月額300円/ID、SaaS管理機能まで含む最上位プランは月額500円/ID(いずれも税抜、最少30ID・12か月契約)と料金を公開しています。棚卸し(台帳)・シャドーIT対策・コスト分析機能は「近日追加実装予定」とされています。

7. OneLogin(One Identity LLC)

OneLoginのウェブサイト

米国発のクラウド型ID管理サービス(IDaaS)で、2021年に米One Identity(One Identity LLC)の傘下に入りました。SSO・多要素認証・ディレクトリ連携・ユーザープロビジョニングを統合し、Box・Microsoft 365・Salesforceなどへのアクセスとアカウントの発行・変更・削除を集中管理します。日本国内では複数の正規代理店を通じて提供されています。

SCIM 1.1/2.0に対応し、AD Connectorを使ってActive Directoryの追加・変更・削除を連携先クラウドサービスへ自動反映できます。SSOで連携できるアプリは6,000以上、そのうち自動プロビジョニング(作成・削除)まで対応するアプリは233件(国内代理店ペンティオの集計)です。日本円建ての料金は公式に明示がなく、具体的な価格は要お問い合わせとなります。

8. IIJ IDサービス(株式会社インターネットイニシアティブ)

IIJ IDサービスのウェブサイト

国内通信事業者のIIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)が自社で開発・運用するクラウド型のID管理・認証サービス(IDaaS)です。SAML 2.0・OpenID Connect準拠のSSOを中核に、多要素認証・Active Directory連携・アクセス制御を提供します。

公式サイトは「日本の法律の下でIIJが一貫した管理・開発・運用を行う」と説明しており、導入社数は5,000社以上(公式サービスページ)です。

多要素認証はFIDO2・デバイス証明書・メールOTP・スマートフォンアプリ「IIJ SmartKey」に対応し、認証方式ごとの追加料金は発生しません。初期費用は0円で、料金はSSOのみが月額120円/ID、多要素認証を含むプランが月額240円/ID(いずれも税抜)です。連携サービス数を増やしても料金は変わりません。

9. Soliton OneGate(株式会社ソリトンシステムズ)

Soliton OneGateのウェブサイト

デジタル証明書(クライアント証明書)による多要素認証を軸に、SSOとID管理を組み合わせた株式会社ソリトンシステムズの国産IDaaSです。認証局(CA)機能を標準搭載し、社内システム・クラウドサービス・VPN・Wi-Fiの認証一元管理までを1製品でカバーします。公式は「ゼロトラスト時代に最適な認証基盤」と位置づけています。

認証局機能を標準搭載するため、外部のPKI基盤を別に構築せずに、クライアント証明書の発行・配布・失効管理を社内で完結できます。多要素認証はデジタル証明書に加えてFIDO2/WebAuthn・スマホ認証・顔認証・ICカードを組み合わせられ、SSOはSAML連携数が無制限です。オフィスWi-Fiや有線LANのIEEE802.1X EAP-TLS認証、VPN認証にも対応します。

料金はクラウド版が月額150〜600円/ユーザー(PKI・ベーシック・スタンダードの3プラン、最小40〜200ユーザー)で、オンプレミス用のアプライアンスは1台198,000円です(2026年10月時点)。

10. Gluegent Gate(サイオステクノロジー株式会社)

Gluegent Gate(グルージェント ゲート)のウェブサイト

2011年に提供を開始した、サイオステクノロジー株式会社の国産IDaaSです。SSO・多要素認証・統合ID管理を軸に、累計25万ユーザーの導入実績(公式ランディングページ)を持ちます。人事マスタやActive Directoryと連携した自動プロビジョニング/デプロビジョニングにより、退職者・異動者のアカウント削除漏れ(幽霊ID)対策を図れます。

SSOはSAML(SP/IdP)・OpenID Connect・プロキシ認証に対応し、多要素認証はOTP・ICカード・FIDO/FIDO2・生体認証などをサービスごとに組み合わせられます。初期費用は無料で、1ライセンスから購入できます。

ユーザー単位課金の「Professional」(月額250円/ユーザー、税別)はSSO連携が無制限で、使うSaaSが増えても接続対象を追加費用なしで拡張できます。人事基盤連携が必要な場合はEnterprise(月額500円)が対象となります。

11. Extic(エクスジェン・ネットワークス株式会社)

Extic(エクスティック)のウェブサイト

統合ID管理製品で実績を持つエクスジェン・ネットワークス株式会社が、オンプレミス型パッケージ「LDAP Manager」のノウハウをクラウド化した国産IDaaSです。人事情報を起点としたID自動生成・プロビジョニング(ライフサイクル管理)を中核に、その上にSSO・多要素認証を載せる「統合ID基盤」型の製品です。

日本国内リージョンで構築・運用され、ISO/IEC 27001・27017を取得、SLA 99.9%を掲げています。

SSOはSAML 2.0に対応し、多要素認証の第2要素としてTOTP・メールOTP・パスキー(FIDO2)を利用できます。Active Directory・LDAP・データベース・CSVとの連携でオンプレミス環境ともID同期が可能です。料金はID管理と認証のフル機能を含むStandardが1IDあたり月300円(税別・ID数で逓減)から。

公共機関向け・教育機関向け・GIGAスクール向けの特別料金プランが用意されている点も特徴で、横浜市教育委員会での28万人規模の導入事例(公式サイト)があります。

12. JumpCloud(JumpCloud, Inc.)

JumpCloudのウェブサイト

クラウドディレクトリを中核に、SSO・多要素認証・デバイス管理(MDM)・IT資産管理・パスワード管理を1つに統合した米国企業JumpCloud, Inc.の「オープンディレクトリ・プラットフォーム」です。公式サイトは250,000を超える組織が利用していると開示しています。日本法人はなく、株式会社アクトなどの正規代理店を通じて提供されます。

Windows・macOS・Linux・iOS・iPadOS・Androidをクロスプラットフォームで管理でき、Active Directoryとの同期(双方向・片方向を選択可)により、AD資産を維持したまま段階的にクラウドID基盤へ移行する使い方にも対応します。

SAML・OIDC・SCIMに対応し、HRIS連携によるID自動プロビジョニングやワンクリックでのオフボーディングも行えます。エディション制で、Platform Essentialsは最大300ユーザーの上限があり、上位のPlatform/Platform Primeは要問い合わせです。

13. Keycloak(Keycloakプロジェクト/Red Hat ほか)

Keycloakのウェブサイト

Apache License 2.0で公開されているオープンソースのID・アクセス管理(IAM)ソフトウェアです。CNCF(Cloud Native Computing Foundation)のインキュベーティングプロジェクトとしてコミュニティ主導で開発され、Red Hatが主要スポンサーとして関与しています。

販売されるSaaSではなく、自社のサーバー・コンテナ環境に構築して運用するセルフホスト型である点が、ほかのクラウドサービスとの大きな違いです。

OpenID Connect・OAuth 2.0・SAML 2.0に対応し、SSO・多要素認証(パスキー・TOTP)、LDAP/Active Directoryとのユーザーフェデレーション、外部IdP連携などIAM全般をカバーします。

ソフトウェア自体は無償で利用・改変・商用利用できますが、サーバー構築・データベース・SSL・アップグレード・脆弱性対応といった運用は自社で負担します。商用サポートはRed Hatの製品やNRI(OpenStandia)などを通じて別途利用でき、料金は要問い合わせです。

14. RSA ID Plus(RSA Security LLC)

RSA ID Plus(SecurID / Unified Identity Platform)のウェブサイト

ハードウェアトークンによるワンタイムパスワード認証を源流とする、米RSA Security LLCの認証・アクセス管理プラットフォームです。現在は「RSA Unified Identity Platform」として、クラウド型IDaaS「ID Plus」・オンプレミス型「SecurID」・アイデンティティガバナンス(IGA)を統合的に提供します。

政府機関・金融機関・重要インフラなど、高い保証レベルを求める組織を主なターゲットとしています。

FIDO2/パスキー・生体認証・プッシュ認証・OTP・ハードウェアトークンといった幅広い認証方式に対応し、リスクベース認証エンジン「RSA Risk AI」によるアダプティブ認証を備えます。クラウド・ハイブリッド・オンプレミスのいずれの構成でも展開できます。

料金は公式サイト掲載のユーザー単価が目安で月3〜7米ドル(C1〜E2)、日本での実際の価格は国内代理店の見積もりによります。IGAやガバメント向け製品は個別見積もりです。

15. Entrust Identity(Entrust Corporation)

日立ソリューションズによるEntrustシリーズ(Entrust Identity)の製品紹介ページ。認証強化・デジタル証明書・データプロテクションを中心に強固なセキュリティを実現することを掲げる。

PKI(公開鍵基盤)を長年の中核事業としてきた米Entrust Corporationが提供する、ID・アクセス管理(IAM)/多要素認証(MFA)の製品群です。クラウド型の「Entrust Identity as a Service」と、オンプレミス/ハイブリッドで導入できる「Entrust Identity Enterprise」の2つの提供形態があります。

公式ページでは50ユーザーから1,000万ユーザー超までの規模に対応するとしています。

多要素認証はOTP・モバイルプッシュ・FIDO2/パスキー・AI顔認証などに対応し、SSO(SAML/OIDC)やアダプティブ認証も備えます。証明書ベース認証・スマートカードといった高保証の認証方式と、パスキーなどクラウド時代の認証方式を単一ベンダーで両立できる点が特徴です。

日本市場へはエントラストジャパン株式会社や販売パートナーを通じて提供され、価格はいずれも個別見積もり(要お問い合わせ)となります。

16. SafeNet Trusted Access(タレスDISジャパン株式会社)

SafeNet Trusted Access(STA)のウェブサイト

決済カードやハードウェアセキュリティモジュールなどで実績を持つタレス(Thales)が開発し、日本法人タレスDISジャパン株式会社が提供するクラウド型アクセス管理サービス(IDaaS)です。SSO・多要素認証・シナリオベース(条件付き)のアクセスポリシーを1つのプラットフォームに統合し、SaaS・VPN・VDI・オンプレミスアプリケーションへの保護されたアクセスを実現します。

SafeNetブランドのOTPトークンやFIDOデバイス、X.509証明書ベースのトークンなど幅広い認証手段をそろえ、最上位のSTA Premiumプランでは証明書ベース認証(PKI/X.509)に対応します。Smart SSOはセッション履歴とポリシーに基づき、必要なときだけ追加認証を求めます。

料金はトークン費用やサポート費用を含むall-inclusiveライセンスと公式が訴求していますが、具体額は公表されておらず要お問い合わせです。無料評価トライアルが用意されています。

特権ID管理(PAM)タイプの製品

サーバー・DBの管理者権限を統制する特権ID管理の製品です。対象とするシステムや、ゲートウェイ型・クライアント型といった実装方式に違いがあります。

特権ID管理は、全社のID統制(IDaaS)に重ねて導入するのが一般的です。

そのため、まず土台となるIDaaS・統合ID管理の資料を請求し、特権IDの統制は次の段階として検討する進め方が無理がありません。特権ID管理そのものを深く比べたい場合は、専用の比較記事もあわせてご覧ください。

17. CyberArk Identity Security Platform(CyberArk Software Ltd.)

CyberArk Identity Security Platformのウェブサイト

特権アクセス管理(PAM)の専業ベンダーとして世界的に知られる製品です。管理者やシステム・アプリケーションが使う特権ID・認証情報(パスワード・鍵・シークレット)を保管庫(Vault)で一元管理し、パスワードの自動ローテーション、特権セッションの分離・記録、危険な操作の検知までを担います。

近年はSSO・適応型MFA・IDライフサイクル管理を含むIdentity Security Platformとして統合され、特権アクセスに「最小権限・その都度検証」というゼロトラスト前提を適用する設計が軸になっています。提供形態はSaaS版(Privilege Cloud)と自己管理型(オンプレミス)の両方があり、国内は代理店経由での販売・導入支援が中心です。

料金は管理対象アカウント数や機能モジュールに応じた個別見積もりとなります。

18. One Identity Safeguard(One Identity LLC)

国内販売代理店ジュピターテクノロジーによるOne Identity Safeguardの製品紹介ページ。特権アクセスを保存・管理・記録・分析する特権アクセス管理(PAM)ソリューションとして紹介されている。

特権パスワードの払い出しをワークフローで統制する「Safeguard for Privileged Passwords」と、特権セッションを記録・監視・分析する「Safeguard for Privileged Sessions」を組み合わせて提供する特権アクセス管理(PAM)製品です。提供元はQuest Softwareグループの One Identity LLC(米国)です。

時間制限・複数承認者・緊急アクセスに対応する承認ワークフローでパスワードの払い出しを制御し、セッションの録画・検索や脅威検知・行動分析によって異常な特権操作をリアルタイムに捉えます。日本語のデータシートと国内代理店があり、国内での導入・サポートの入り口が確保されています。提供形態はオンプレミス/仮想アプライアンスが中心で、料金は個別見積もりとなります。

19. iDoperation(NTTテクノクロス株式会社)

iDoperation(PAM / EPM / SC)のウェブサイト

NTTテクノクロス株式会社が開発・提供する、特権IDの管理と操作監視を担うソリューション群です。特権アクセス管理の「iDoperation PAM」、エンドポイント権限管理の「iDoperation EPM」、ユーザー操作監視の「iDoperation SC」の3製品で構成され、クラウド版とオンプレミス版の両方を提供します。

特権IDの貸出・返却を申請・承認ワークフローで管理し、クラウド・オンプレミス・エンドポイントを横断して「いつ・誰が・何をしたか」を記録・追跡できます。公式サイトでは、特権アクセス管理分野で国内シェアNo.1を12年連続と訴求しています。料金は公式サイトに記載がなく、要問い合わせです。

20. SecureCube Access Check(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)

SecureCube Access Checkの公式サイト。特権ID管理市場でベンダー別売上金額シェアNo.1(ITR Market View)を掲げ、サーバーやネットワーク機器の特権IDアクセスをゲートウェイで統制する製品のトップページ。

サーバーやネットワーク機器への管理者(特権)アクセスを、専用のゲートウェイ(中継サーバー)経由に限定して統制する特権アクセス管理(PAM)製品です。提供元は野村総合研究所グループのNRIセキュアテクノロジーズ株式会社で、申請・承認・記録の流れで「誰が・いつ・どの特権IDで・何をしたか」を一元管理します。

管理対象機器にエージェントを入れず中継ゲートウェイで統制するため、既存のサーバー環境への改変を小さく抑えられるのがゲートウェイ型の特徴です。中継できるプロトコルはSSH・RDP・SCPで、SSHで一般ユーザーとしてログイン後に特権ユーザーへ自動昇格する機能や、ServiceNowなどのITSMツールとのWebAPI連携も備えます。

アクセス制御・ログ取得・監査補助の3機能に絞った「Access Check Essential」などの派生製品もあり、料金は構成・管理対象規模による個別見積もりです。

21. ManageEngine PAM360(ゾーホージャパン株式会社)

ManageEngine PAM360の公式サイト。特権アクセスの利用承認・申請フロー、セッション管理、画面操作の録画などを1つに統合した特権アクセス管理(PAM)ソリューションのトップページ。

ManageEngineのIT運用管理スイートの一角を成す特権アクセス管理(PAM)製品で、提供元はゾーホージャパン株式会社です。特権パスワードの保管(Vault)と自動変更、特権セッションの監視・画面記録、リモートアクセス制御、ジャストインタイム(必要なときだけ)の権限付与を1つのプラットフォームに統合しています。

SSH鍵やSSL/TLS証明書のライフサイクル管理、AI・機械学習による異常操作の検知、SIEM・ITSMとの外部連携まで備えます。ManageEngineの運用管理製品群と組み合わせやすく、すでに同社製品を使う情報システム部門は導入・運用の学習コストを抑えやすい構成です。提供形態はオンプレミス設置型が中心で、無料トライアルがあります。料金は承認者数・構成に応じた個別見積もりとなります。

22. ESS AdminONE(エンカレッジ・テクノロジ株式会社)

ESS AdminONEのウェブサイト

オンプレミスからクラウド・SaaS・ネットワーク機器まで、幅広いシステムの特権IDを1製品で一元管理する国産の特権ID管理ソフトです。開発・提供はエンカレッジ・テクノロジ株式会社で、2026年4月からはクラウド版「ESS AdminONE Cloud」の提供も始まっています。

申請・承認ベースのアクセス許可と、都度申請を要さないポリシーベースの許可を併用でき、対象システムごとに運用負荷と統制の強さを調整できます。アクセス制御はパスワードの代理入力・SAML認証・ネットワーク制御から選べ、操作証跡の取得・不正アクセス検知・ファイル入出力管理まで1パッケージで備えます。100%自社開発の国産ソフトで、料金は構成・ノード数に応じた個別見積もりです。

ゼロトラスト型(IAP・ZTNA)タイプの製品

接続ごとに検証してアクセスを制御するゼロトラスト型の製品です。IDaaSと組み合わせて使うものも多く、既存のID基盤との連携のしやすさが選定のポイントになります。

ここで個別に紹介するのは専用の2製品ですが、前のタイプで取り上げたIDaaS・統合ID管理の多くも、ゼロトラスト型のアクセス制御を内包しています。実際には認証基盤と組み合わせて構成することが多く、ゼロトラスト型だけを単独で選ぶというより、IDaaSの延長で検討する手段と捉えると整理しやすくなります。

23. Cisco Secure Access by Duo(シスコシステムズ合同会社)

Cisco Secure Access by Duoのウェブサイト

Cisco Secure Access by Duo(Cisco Duo)は、Duo Securityが開発し2018年にシスコが買収した、クラウド型のアクセスセキュリティ製品です。アプリケーションへアクセスするユーザーとデバイスに対し、多要素認証・デバイスの健全性チェック・適応型のアクセスポリシーを組み合わせて接続の可否を判定します。

新規にIDaaS基盤を構築しなくても、既存のVPN・RDP・オンプレミスのアプリ・クラウドSSOに後付けで多要素認証とアクセス制御を重ねられる点が選定の軸になります。ログインのたびにOSのバージョンやパッチ適用状況、ジェイルブレイク/root化の有無といったデバイスの状態を確認し、要件を満たさない端末のアクセスを制限できます。

料金は10ユーザーまで恒久無料のFreeプランに加え、Essentialsが1ユーザー月額3ドル、Advantageが6ドル、Premierが9ドル(いずれもUSD・年契約前提)です。VPNを介さないリモートアクセス(Duo Network Gateway)は上位のPremierで提供されます。

24. Cloudflare Zero Trust(Cloudflare, Inc.)

Cloudflare Zero Trust(Cloudflare Access)のウェブサイト

社内アプリやSaaSへのアクセスを、VPNに代えてユーザーの身元・デバイスの状態・コンテキストから都度検証するZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)製品です。中核となるCloudflare Accessは、統合SASE基盤「Cloudflare One」を構成するコンポーネントの一つに位置づけられます。

Microsoft Entra ID・Okta・Google Workspace・OneLoginといった既存のIDプロバイダーと連携し、その手前にアクセスポリシーの層を追加する設計です。IdPを持たない組織向けにはワンタイムPINのメールログインも用意され、IdPがMFAに対応していないアプリにもAccess側で独立して多要素認証を付加できます。

料金は最大50ユーザーまで無料のFreeプランがあり、ZTNA・DNSフィルタリング・WARPクライアントといった中核機能を利用できます。50ユーザーを超える場合やログ保持期間の延長が必要な場合は、従量課金のPay-as-you-goプラン(単価は要問い合わせ)やEnterpriseプラン(個別見積)への移行が必要です。

アクセス管理を強化するメリットと導入時の注意点

製品を選ぶ前に、アクセス管理を強化することで何が得られ、導入・運用でどこにつまずきやすいかを押さえておきます。

強化で得られる効果(メリット)

最大の効果は、情報漏えいや内部不正のリスクを下げられることです。権限を業務に必要な最小限に保ち、不要になった権限を速やかに取り消せる仕組みがあれば、アカウントの乗っ取りや退職者の権限悪用による被害を抑えられます。

運用面の負荷も軽くなります。SSOでパスワード問い合わせが減り、入退社に伴うアカウントの作成・削除を自動化できれば、情報システム部門の作業は大きく削減されます。誰がいつ何にアクセスしたかのログが自動で残るため、ISMS認証や取引先からの監査への対応も進めやすくなります。社員にとっても、ログインの手間が減りながらセキュリティは高まるという両立が期待できます。

こうした運用負荷の軽減は、導入現場でどの程度の効果につながるのでしょうか。IDaaS「CloudGate UNO」を提供する株式会社インターナショナルシステムリサーチは、MCB FinTechカタログの取材で導入後の効果を次のように語っています。

平澤氏
株式会社インターナショナルシステムリサーチ 営業本部マーケティング部
平澤氏
独自インタビューより

導入と同時にパスワードレス認証に切り替えた企業では、IT部門の業務の約20%を占めていたパスワード関連のヘルプデスク業務が「0%」になったという事例があります。また、他社サービスからの乗り換え事例もございます。通常、設定の移行には時間がかかるものですが、当社のサポートによりわずか1週間で完了させたケースもあります。

導入・運用で押さえたい注意点

一方で、導入前に確認しておきたい点もあります。まず、既存の環境との連携です。自社が使っているSaaSや、オンプレミスのActive Directory(社内のID基盤)、業務システムに製品が対応しているかを確認しないと、一部のシステムが一元管理の外に取り残されます。

導入は「入れて終わり」ではありません。権限の設計、アカウントの棚卸し、ポリシーの定期的な見直しといった運用が続きます。多要素認証や接続ごとの検証は、設定を厳しくしすぎると業務の妨げになり、緩めるとセキュリティが下がるため、自社の実態に合わせた調整が要ります。手段を一度にすべて導入しようとせず、課題の大きいところから段階的に広げると、現場の負担を抑えながら定着させやすくなります。

自社に合うアクセス管理製品の選び方

検討する手段(タイプ)を絞ったら、同じタイプの製品を次の観点で比べて絞り込みます。ここでは製品レベルの判断材料に絞って解説します。

その前提として、複数の手段を1つの製品で統合するか、手段ごとに専業製品を組み合わせるかという分かれ道があります。運用をできるだけ一本化し情報システム部門の負担を抑えたいなら、SSO・MFA・アクセス制御を束ねる統合型のIDaaSが向きます。各領域で機能の深さを優先するなら、特権ID管理やゼロトラスト型の専業製品を認証基盤に重ねる形が選択肢になります。

機能・既存環境との連携範囲は足りるか

最初に確認したいのは、自社が使っているシステムに製品が対応しているかです。連携したいSaaSが標準で対応リストに入っているか、オンプレミスのActive Directoryや業務システムと連携できるか、SCIM(アカウント連携の標準規格)に対応しているかを見ます。

対応していないシステムがある場合、個別の連携開発が必要になり、費用と期間が膨らみます。将来的に使うサービスが増えることも見込んで、連携の幅と拡張のしやすさを確認しておくと安心です。

料金と運用負荷は自社の規模に見合うか

料金はユーザー数に応じた月額課金が一般的ですが、機能の範囲でプランが分かれる製品も多く、必要な機能が上位プランに含まれると想定より費用がかさみます。初期費用や、連携設定・権限設計を支援する導入支援の有無もあわせて確認します。

見落としがちなのが、導入後の運用を誰が担うかです。自社の情報システム部門で設定・運用を回せるのか、専門知識が要るためベンダーの支援が必要なのかで、総コストは変わります。管理画面の分かりやすさや、日本語でのサポート体制も、運用負荷を左右します。

各製品の料金をより具体的に突き合わせたい場合は、主要なID管理システムの月額・初期費用・オプション費用を公式料金ページ準拠で一覧にした記事が参考になります。

サポート・トラブル時の対応は十分か

アクセス管理は、止まると全社の業務が止まりかねない基盤です。認証が通らなくなるとログインできなくなるため、障害時の対応窓口や復旧の体制は重要な選定基準になります。

日本語でのサポートがあるか、対応時間は自社の勤務形態に合うか、導入時の初期設定を支援してもらえるかを確認します。海外製品の場合は、国内に代理店やサポート拠点があるかどうかで、トラブル時の安心感が変わります。

アクセス管理の導入・運用の進め方(既存環境との連携)

最後に、導入をスムーズに進めるための手順を整理します。アクセス管理は既存の環境に深く関わるため、順序を踏んで進めることが、現場の混乱を防ぐうえで大切です。

まず、現状のアカウントと権限を棚卸しします。どのシステムに誰のアカウントがあり、どの権限が付いているかを洗い出すと、不要なアカウントや過剰な権限が見つかり、導入の効果が出る範囲も見えてきます。この棚卸し自体が、残ったままの退職者権限などのリスクをあぶり出す機会になります。

次に、連携する対象を決めます。利用中のSaaSやActive Directory、業務システムのうち、どれを製品とつなぐかを決め、優先順位をつけます。いきなり全システムを対象にせず、利用者の多いサービスや権限管理が煩雑なところから始めると、効果を確かめながら広げられます。

その後、権限のルール(ポリシー)を設計し、小さな範囲で試験導入してから全社へ展開します。導入後も、アカウントの棚卸しと権限の見直しを定期的に続けることで、「導入したのに権限が増えっぱなし」という状態を防げます。既存環境との連携が複雑な場合は、ベンダーの導入支援を活用するのも有効です。

まとめ

アクセス管理のセキュリティ強化は、一つの製品で完結するものではなく、自社の課題に合った手段(タイプ)を選ぶことから始まります。全社のログインと権限を一元管理したいならIDaaS・統合ID管理、管理者権限の不正利用や監査対応が課題なら特権ID管理(PAM)、社外からの接続を安全にしたいならゼロトラスト型が起点になります。

多くの企業では、IDaaS・統合ID管理を土台に、必要に応じて特権ID管理やゼロトラスト型を重ねていく形が現実的です。まずは自社のアカウントと権限を棚卸しし、どの課題から着手すべきかを見極めたうえで、対応範囲・料金・サポートの観点で製品を比較してください。

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よくある質問(FAQ)

Q. アクセス管理とID管理はどう違うのですか?

A. アクセス管理とID管理は、ID管理が「誰のアカウントがあるか」を管理するのに対し、アクセス管理は「そのアカウントが何にどこまでアクセスできるか」を制御する点で役割が異なります。ID管理はアカウントの作成・変更・削除や属性情報の整理を担い、アクセス管理は認証・認可・ログによって権限の範囲と利用を統制します。

両者は密接に関わるため、IDaaS・統合ID管理の製品では、アカウントのライフサイクル管理とアクセス制御を1つの基盤でまとめて提供するのが一般的です。

Q. アクセス管理はIDaaS・特権ID管理・ゼロトラストのどれから始めるべきですか?

A. アクセス管理の強化は、まず全社のログインと権限を一元管理するIDaaS・統合ID管理を土台に据え、課題に応じて特権ID管理やゼロトラスト型を重ねる順序が現実的です。全社員が毎日使うログインの統制は効果が広く及ぶため、最初の一歩に向きます。

そのうえで、サーバーやデータベースの管理者権限の不正利用・監査対応が課題なら特権ID管理(PAM)を、テレワークや社外からの接続を安全にしたいならゼロトラスト型を追加します。3つは排他的ではないため、自社でいま被害や運用負荷が大きい課題から着手するのが選び方の基本です。

Q. アクセス管理のサービスは既存のActive Directoryと併用できますか?

A. 多くのアクセス管理のサービスは、既存のオンプレミスActive Directory(AD)と連携・同期して併用できます。多くのIDaaS・統合ID管理は、オンプレミスのADのユーザー情報をクラウド側へ同期する専用コネクタや、SCIMによる連携でADと接続でき、ADを認証のよりどころに保ったまま利用できます。

ADと双方向に同期しながら、ADを残したまま段階的にクラウドID基盤へ移行できる製品もあります。ADを維持して使うか将来的にクラウドへ寄せるかで適した製品が変わるため、自社のAD運用方針に合わせて連携方式を確認してください。

Q. 無料で使えるアクセス管理のサービスはありますか?

A. アクセス管理のサービスには、一定の範囲までを無料で使えるプランや、ソフトウェア自体が無償のものがあります。IDaaS・統合ID管理やゼロトラスト型の中には、一定の範囲まで無料で使えるプランや無料枠を持つ製品があり、オープンソースで無償のものもあります。具体的な製品と無料の範囲は、比較表やサービス個別紹介でご確認ください。

オープンソースのKeycloakはソフトウェア自体が無償ですが、サーバー構築や運用・保守は自社で負担します。無料枠は利用人数や機能に制限があるため、本格導入時の有償プランの料金もあわせて確認しておくと安心です。

Q. アクセス管理のサービスの導入にはどのくらいの期間と体制が必要ですか?

A. アクセス管理の導入期間と体制は、連携する対象システムの数と範囲によって大きく変わります。一つの手段を利用者の多い一部のサービスから小さく始める場合は短期間で立ち上げられますが、全社の多数のシステムを一度に対象にすると、権限設計や試験導入に相応の時間がかかります。

進め方としては、現状のアカウントと権限の棚卸し→連携対象の選定→ポリシー設計→小さな範囲での試験導入→全社展開という順序を踏むのが基本です。体制は情報システム部門が主導し、既存環境との連携が複雑な場合はベンダーの導入支援を活用すると負担を抑えられます。

Q. 中小企業でもアクセス管理のサービスは必要ですか?

A. アクセス管理のサービスは、企業規模を問わず有効で、むしろ情報システムの担当者が少ない中小企業ほど自動化による負担軽減の効果が大きくなります。SaaSの利用やテレワークは企業規模にかかわらず広がっており、アカウントや権限の管理をExcel台帳や手作業で続けると、退職者の権限残りや設定ミスのリスクは規模が小さくても生じます。

無料・低価格から始められるサービスもあるため、まずは利用の多いクラウドサービスのログイン統制(IDaaS・統合ID管理)から小さく導入する進め方が現実的です。

Q. IDaaS・特権ID管理・ゼロトラストは、それぞれ別の製品で導入する必要がありますか?

A. 必ずしも別製品が必要とは限らず、複数の手段を1つの製品・プラットフォームでまとめてカバーできる場合があります。たとえばIDaaSの中にはゼロトラスト型のアクセス制御や接続ごとの検証を備えるものがあり、特権ID管理の製品にもSSOやMFAを統合したものがあります。一方で、特権ID管理やゼロトラスト型はそれぞれ専業ベンダーの製品が機能面で先行している領域でもあります。

まずはIDaaS・統合ID管理で土台を作り、足りない領域を専用製品で補うか統合製品で一本化するかを、自社の課題の深さと運用体制に合わせて判断してください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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