顧問先ごとに使っている会計ソフトがばらばらで、事務所側での確認やデータの取り込みに手間を感じていませんか。クラウド化やサーバー保守の負担軽減も含め、事務所に合う会計システムをどう選ぶかに悩む税理士法人・会計事務所は少なくありません。
事務所の記帳・決算・申告業務に使う会計システムと、顧問先と共有して使うクラウド会計ソフトは、それぞれ見るべき観点が異なります。実際に使っている税理士事務所や顧問先企業の口コミ・評判も手がかりにしながら、自事務所の採用と顧問先への推奨を、どのような基準で判断すればよいのでしょうか。
本記事では、税理士法人・会計事務所が使う主要な会計ソフト・会計事務所向けシステム16製品を、事務所での使い方別に3つのタイプへ分類して比較・解説します。顧問先連携・申告業務・複数顧問先の一括管理といった事務所ならではの選定観点に加え、利用者の口コミ・評判の読み解き方も整理しました。自事務所に合うシステムを判断し、顧問先への推奨材料とするための検討材料としてご活用ください。
また、記事の後半には、いくつかの質問に答えるだけで候補を絞り込める「30秒で終わる選定診断ツール」もご用意しています。
目次
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本記事の対象範囲
本記事は、税理士法人・会計事務所が「事務所自身の記帳・決算・申告業務に使う会計システム」と「顧問先と共有して使う/顧問先に勧めるクラウド会計ソフト」を選ぶための比較記事です。数名〜数十名規模の事務所で、顧問先が十数件から数百件あり、顧問先の多くがクラウド会計へ移りつつある、あるいはこれから移す段階にある事務所を想定しています。
取り上げるのは、事務所の記帳・決算・申告業務に使う会計事務所専用型、顧問先と共有して使うクラウド会計型、顧問先の規模・内部統制に応じて選ぶ高機能クラウド会計型の3タイプに整理できる16製品です。
本記事は、会計ソフト(仕訳・記帳から決算書作成までを担う財務会計)を対象に、税理士法人・会計事務所向けの主要製品を比較します。それぞれのタイプの特徴と選び方、主要製品の比較、利用者の口コミの見方までを順に解説します。
税理士事務所という業種に絞らず、クラウド会計ソフト全体を企業規模やタイプ別に広く見比べたい場合は、カテゴリ全体を俯瞰した以下の比較記事もあわせてご覧ください。
税理士法人・会計事務所の会計ソフト選びで押さえること
税理士事務所の会計ソフト選びは、一般企業が自社の経理に使うソフトを選ぶ場合と事情が異なります。事務所は自所の記帳代行・決算・申告業務を回す道具として会計システムを使う一方で、顧問先が自計化するためのクラウド会計を勧め、そのデータを受け取って指導する立場にもあります。ここでは、事務所ならではの課題と、選定の土台になる考え方を整理します。
事務所が直面しやすいのは、顧問先ごとに使う会計ソフトがばらばらで、事務所側の確認や月次データの取り込みが煩雑になる問題です。記帳代行と自計化支援が混在し、決算・申告まで事務所の会計システムと連携させたいという要望も重なります。顧問先が増えるほど、複数顧問先を横断して管理する負担や、物理サーバー・インストール型ソフトの保守負担が積み上がります。
クラウド会計・事務所専用システムへの切り替えで事務所が得られること
クラウド会計や会計事務所専用システムへ切り替えると、事務所と顧問先が同じデータを同時に見られるようになり、月次のデータ授受やファイルのやり取りが減ります。顧問先が入力した仕訳をその場で確認・修正でき、巡回監査や月次報告のリードタイムを短縮しやすくなります。
事務所専用型では、複数顧問先のデータを1つの管理画面で横断でき、記帳から決算・申告までを同一シリーズで連携させられます。インストール型から移行すれば、バージョンアップや法改正対応がベンダー側で自動更新され、サーバーの保守や設置場所にかかる負担も軽くなります。顧問先への推奨と事務所の内部業務の両方で、運用の手数を減らせる点が切り替えの実利です。
顧問先のクラウド化・自計化に、事務所の記帳・申告システムをどう合わせるか
顧問先の多くがクラウド会計へ移ると、事務所側の記帳・申告システムもそれに合わせて見直す必要が生じます。顧問先がクラウド会計で自計化している場合、事務所がインストール型の単体ソフトのままだと、データの取り込みや確認のたびに変換・転記が発生します。
合わせ方には大きく2つの方向があります。1つは、顧問先が使うクラウド会計を事務所側でも閲覧・指導できるよう、同じ製品のアカウントを共有する方向です。もう1つは、顧問先がどの会計ソフトを使っていてもそのデータを取り込める会計事務所専用システムを事務所の軸に据え、申告までを一気通貫で処理する方向です。
顧問先の自計化がどこまで進んでいるか、記帳代行の比率がどの程度かによって、どちらを主軸にするかが変わります。
導入・乗り換えで失敗しないための注意点
乗り換え時にまず確認したいのは、過去データの移行範囲です。期中での移行は仕訳データや残高の引き継ぎに手間がかかるため、決算期の切り替えに合わせて移行するのが安全です。顧問先の数だけ移行作業が発生する点も、スケジュールに織り込んでおく必要があります。
会計事務所専用システムには、ベンダーの会員制度や専用サポート契約を前提とする製品があります。導入費用だけでなく、年会費・サポート費・顧問先ライセンスなどの継続費用を含めて総額を把握しておくと、運用開始後の見込み違いを避けられます。顧問先に勧めるクラウド会計では、顧問先側の経理担当者が無理なく入力を続けられるかを、事務所の使い勝手とは別に確かめておくことが定着の分かれ目になります。
税理士事務所の会計ソフトのタイプ
税理士事務所が使う会計ソフトは、「その会計ソフトを事務所が何に・どう使うか」という観点で整理すると、自事務所に合う候補を絞り込みやすくなります。ここでは主に3つのタイプに分けて、それぞれの性格と向く事務所を解説します。

事務所の記帳・決算・申告業務に使う会計事務所専用型
顧問先データの一元管理・巡回監査・申告システム連携を前提に設計され、会計事務所経由で導入するタイプです。顧問先がどの会計ソフトを使っていてもデータを取り込み、記帳から決算・申告までを同一シリーズで処理できる製品が中心となります。
複数顧問先を横断して管理する機能や、税務申告ソフトとの連携が強みで、記帳代行の比率が高い事務所や、顧問先数が多い事務所に向きます。導入にあたってベンダーの会員登録や専用サポート契約を求める製品があり、事務所スタックとして一式で運用することを想定しています。
顧問先と共有して使うクラウド会計型
顧問先が自計化し、税理士とデータを相互に共有・閲覧しやすいクラウド会計です。事務所が顧問先に勧めて一緒に使う前提で、自動仕訳や銀行・クレジットカード連携によって顧問先の入力負担を抑えられる点が特徴です。
顧問先の経理担当者がそのまま日々の記帳を続けられるため、自計化が進んでいる顧問先が多い事務所に向きます。事務所は同じデータをリアルタイムで確認し、指導やチェックに集中できます。中小規模の顧問先で導入例が多く、顧問先への推奨候補として押さえておきたいタイプです。
顧問先の規模・内部統制に応じて選ぶ高機能クラウド会計型
承認フロー・部門別管理・複数顧問先の一括管理まで備えた、中堅規模や内部統制が必要な顧問先に向くクラウド会計です。入力権限と承認権限を分けたり、部門ごとの集計を行ったりといった、組織的な経理運用に対応します。
上場準備中の顧問先や、取引量が多く統制の厳格さが求められる顧問先を抱える事務所に適しています。顧問先共有型のクラウド会計よりも機能が広い分、料金や設定の手間は大きくなるため、顧問先の規模と統制要件に見合うかを見極めて選びます。
事務所に合う会計ソフトの選び方
会計ソフトの選定軸は、事務所が「自所の業務に使う」立場で見るか、「顧問先と共有する・顧問先に勧める」立場で見るかによって変わります。ここでは2つの立場に分けて、それぞれ確認すべき軸を解説します。両方の立場で候補を見比べると、事務所の軸として据える製品と顧問先に勧める製品の役割分担が整理できます。

事務所の記帳・決算・申告業務に使う視点で見る軸
申告システムとの連携:記帳から決算、申告書作成までの転記を手作業で行うと、時間がかかるうえに転記ミスの温床になります。自所が使う申告ソフト(達人シリーズなど)と会計データが連携できるか、連携方式がデータ取り込みまで自動化されているかを確認することが重要です。申告まで一気通貫で処理したい事務所は、申告システム連携を備えた会計事務所専用型が有力な候補になります。
複数顧問先の一括管理:顧問先が増えると、顧問先ごとに個別ログインし、個別にデータを取り込む運用では確認工数が膨らみます。1つの管理画面で複数顧問先のデータを横断でき、月次処理の進捗を一覧で把握できるかが分かれ目です。顧問先が数十件を超える事務所では、一括管理機能の有無が日常の作業量を大きく左右します。
運用形態(クラウドかインストールか、物理サーバーの保守負担):インストール型や自社サーバー運用は、バージョンアップ・法改正対応・バックアップを事務所側で担う必要があります。クラウドで完結するか、インストール型でサーバーの設置・保守が前提になるかを確認しておきたい点です。保守にあてる人員が限られる小規模事務所ほど、更新作業がベンダー側で行われるクラウド型の利点が大きくなります。
外部専門家・ベンダーへの依存度:会計事務所専用システムには、導入・運用にベンダーの会員制度や専用サポート契約を前提とする製品があります。自所で設定・運用を自走したいのか、手厚い伴走サポートを受けたいのかで適性が変わります。サポート体制を重視するなら専用型の会員制サポートが安心材料になり、費用を抑えて自走したいなら契約条件を含めて確認しておく必要があります。
記帳から申告までを事務所内で一気通貫にしたい場合は、会計データを受け渡す法人税申告書作成ソフトそのものの選び方も判断材料になります。対応別表・会計ソフト連携・料金で比較したいときは、以下の記事もご覧ください。
顧問先と共有する・顧問先に勧める視点で見る軸
顧問先とのデータ共有のしやすさ:顧問先が自計化し、税理士が閲覧・指導する運用では、同じデータをリアルタイムで共有できるかが効いてきます。顧問先と事務所で権限を分けて同一データにアクセスできるか、事務所からまとめて顧問先の状況を確認できるかを見極めることが選定の分かれ目です。自計化が進む顧問先が多い事務所ほど、共有のしやすさを優先する価値が高くなります。
自計化支援のしやすさ:顧問先に勧めても、顧問先の経理担当者が入力を続けられなければ定着しません。自動仕訳・銀行やクレジットカードとの連携・入力画面の分かりやすさが、顧問先側の負担を左右します。簿記に不慣れな担当者が多い顧問先には、取引明細から自動で仕訳を提案するタイプが向き、ある程度経理に慣れた顧問先には入力の自由度が高いタイプが合います。
顧問先の帳簿の電子帳簿保存法・インボイス制度への対応:顧問先の証憑保存や請求書が制度要件を満たすよう、会計ソフト側の対応機能を確認することが重要です。
電子帳簿保存法(電帳法)では、所得税・法人税の保存義務者が電子取引を行った場合、その取引情報に係る電磁的記録を一定の要件の下で保存することとされています。紙に出力した書面での保存に代える扱いは認められていません。インボイス制度(適格請求書等保存方式)は2023年(令和5年)10月1日に開始しており、仕入税額控除には原則としてインボイスの保存が必要です。
顧問先の電子取引データの保存や、受領したインボイスの管理を会計ソフト側で無理なく行えるかが、推奨時の確認ポイントになります。
顧問先に電子帳簿保存法への対応を案内する前提として、3つの保存区分や保存要件、罰則までを条文ベースで確認しておきたい場合は、以下の解説記事が参考になります。
出典・参考資料(2件)
どのタイプが自事務所に適しているかの判断が難しい場合でも、自事務所の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
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【比較表】タイプ別の主要製品比較
ここからは、自事務所の課題や要件に合わせて客観的に比較できるよう、主要な製品を3つの使い方別タイプに分類してご紹介します。提供形態・料金の目安・顧問先との共有や連携・税務申告ソフト連携・複数顧問先の一括管理・電帳法やインボイスへの対応・無料体験の有無を軸に並べています。
事務所の記帳・決算・申告業務に使う会計事務所専用型
顧問先データの一元管理と申告システム連携を重視する事務所向けの製品を、提供形態と連携範囲の観点で比較します。
| サービス名 | TKC FXクラウドシリーズ | かんたんクラウド会計 | クラウド発展会計 | JDL IBEXクラウド組曲Major | 財務処理db | ACELINK NX-Pro | エプソンの財務会計 会計事務所向けプラン | e-PAP 財務会計システム | フリーウェイ経理 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | SaaS(ソフト・データはPC保存) | インストール型(Windows) | クラウド/オンプレミス | インストール型(Windows) | インストール型・クラウド | インストール型(Windows) Proは端末・クラウド併用保存 |
| 料金の目安 | 会計事務所経由・要問い合わせ | 月額2,160円〜(税抜) 初期費用無料 | 会計事務所経由・要問い合わせ | 財務 年額75,000円〜(税抜) 初期費用・更新料不要 | 基本パック月額24,800円〜(税抜) 単体料金は非公開 | 要問い合わせ | 年額60,000円〜(税抜・基本2ユーザー) 導入費用0円 | 要問い合わせ | Pro 月額1,980円〜(税抜・基本ID) 初期費用は要問い合わせ |
| 顧問先との共有・連携 | ●(巡回監査・自計化支援が前提) | ●(事務所が顧問先にログインし遠隔サポート) | ●(同時閲覧機能で共同作業) | ●(顧問先の会計ソフトを問わず取込) | △(他社データ取込・書類共有) | ●(かんたんクラウド等から顧問先データ取込) | △(データ共有は可/同時入力は不可) | ●(顧問先向け自計化ソフトと連携) | ●(Proが顧問先とデータ共有) |
| 税務申告ソフト連携 | ●(記帳〜決算・申告まで同一シリーズ) | △(ACELINK NX-Pro併用) | △(書面添付・納税予測に対応) | ●(財務〜税務・電子申告を連動) | ●(ICSATOMIIで申告連携) | ●(申告業務を標準搭載) | ●(消費税申告・電子申告に連携) | ●(税務申告システムと同シリーズ連動) | ●(達人シリーズと連動) |
| 複数顧問先の一括管理 | ● | △(ACELINK NX-Pro併用) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 電帳法・インボイス対応 | ●(電帳法JIIMA認証取得) | ● | ●(発展ストレージで対応) | △(インボイス対応/電帳法は専用ソフト) | ●(電帳法JIIMA認証取得) | ● | △(インボイス対応・証憑デジタル) | 要問い合わせ | △(インボイス対応/電帳法は対応予定) |
| 無料体験 | 要問い合わせ | ●(2か月) | ●(無料体験あり) | ●(無料体験あり) | 要問い合わせ | ●(3か月) | ●(1か月) | 要問い合わせ | △(無料版Liteあり) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
顧問先と共有して使うクラウド会計型
顧問先に勧めて一緒に使うクラウド会計を、データ共有のしやすさと自計化支援のしやすさで並べました。
| サービス名 | 弥生会計 Next | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 | ジョブカン会計 |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド |
| 料金の目安 | 月額2,900円〜(エントリー年契約・税抜) 初期費用0円 | ひとり法人 月額2,980円〜(年払い・税抜) 初期費用0円 | ひとり法人 月額2,480円〜(年払い換算・税抜) 初期費用0円 | スタートアップ 月額2,500円〜(税抜) 初期費用0円 |
| 顧問先との共有・連携 | ●(弥生PAP加入の事務所が対象) | ●(認定アドバイザーを招待・課金対象外) | ●(税理士をメンバー追加・公認メンバーは課金対象外) | ●(外部メンバーで税理士と紐付け・請求対象外) |
| 税務申告ソフト連携 | ●(達人シリーズ連携) | △(別売りのfreee申告が必要) | △(消費税申告書はビジネスプラン) | △(決算書作成まで) |
| 複数顧問先の一括管理 | △(事務所向け共有制度で対応) | △(事務所向け共有制度で対応) | △(事務所向け共有制度で対応) | △(事務所向け共有制度で対応) |
| 電帳法・インボイス対応 | ●(JIIMA「優良な電子帳簿」認証) | ●(JIIMA認証取得) | ● | ● |
| 無料体験 | ●(最大2か月) | ●(30日間) | ●(1ヶ月) | ●(30日間) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
顧問先の規模・内部統制に応じて選ぶ高機能クラウド会計型
中堅規模や内部統制が必要な顧問先向けの高機能クラウド会計を、承認フローや複数顧問先の一括管理への対応で整理しました。
| サービス名 | マネーフォワード クラウド会計Plus | 勘定奉行クラウド | PCAクラウド 会計 |
|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド |
| 料金の目安 | 要見積もり(利用ID数による) | 月額7,750円〜(Eシステム・税抜) 初期費用0〜70,000円 | 月額16,200円〜(税抜) 初期費用0円 |
| 顧問先との共有・連携 | ●(監査法人・税理士法人の外部共有に対応) | ●(専門家ライセンス標準付帯) | △(クラウドで税理士とデータ共有) |
| 税務申告ソフト連携 | △(公開API・iPaaS連携) | ●(申告奉行iクラウド等と連携) | ●(消費税e-Tax送信/法人税は別製品) |
| 複数顧問先の一括管理 | △(顧問先単位で導入) | △(顧問先単位で導入) | △(グループ企業管理に対応) |
| 電帳法・インボイス対応 | ●(JIIMA認証取得) | ●(電帳法JIIMA認証4種) | ●(電帳法JIIMA認証取得) |
| 無料体験 | ×(無料見積もり・相談のみ) | ●(30日間) | ●(2ヶ月) |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※上記は各タイプにおける一般的な機能の傾向です。個別のサービスにおける実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。
タイプ別の主要製品紹介
ここからは、各タイプの主要製品を個別に紹介します。顧問先との連携・申告連携・料金・運用形態の観点で、それぞれの特徴を確認してください。
事務所の記帳・決算・申告業務に使う会計事務所専用型
顧問先のデータを一元管理し、記帳から決算・申告までを事務所の軸として回す製品群です。申告システム連携と複数顧問先の一括管理に注目して読み進めてください。
1. TKC FXクラウドシリーズ(株式会社TKC)

株式会社TKCが提供するFXクラウドシリーズは、TKC全国会に所属する会計事務所(税理士・公認会計士)の月次巡回監査・経営助言とセットで使うことを前提に設計されたクラウド会計システム群です。市販はされず、TKC会員事務所を介して導入します。
小規模企業向けのFXまいスタークラウドから上場企業向けのFX5クラウドまで顧問先の規模に応じた製品がそろい、記帳から決算・申告までを同一シリーズで連携できます。会計事務所の月次巡回監査を前提に、決算書の適時性・正確性を記帳適時性証明書やTKCモニタリング情報サービスで金融機関に示せる仕組みも備えます。
証憑保存機能は電子帳簿保存法に対応し、2026年2月20日付でJIIMAの「デジタルシームレスソフト法的要件認証」を国内第1号および第2号の一社として取得しています。料金は会計事務所との顧問契約条件に依存し、公式サイトには金額の記載がありません。シリーズ累計の利用企業数は33.5万社(2026年3月31日現在)と公表されています。
2. かんたんクラウド会計(株式会社ミロク情報サービス)

株式会社ミロク情報サービスのかんたんクラウド会計は、会計事務所が顧問先に導入し、遠隔からサポートする運用に対応したクラウド会計ソフトです。事務所と顧問先が同じデータをリアルタイムで共有でき、事務所職員が顧問先のシステムにログインして確認・修正できます。
同社の会計事務所向け基幹システムACELINK NX-Proを使う事務所では、事務所データからかんたんクラウドのデータを作成し、顧問先が入力したデータを事務所システムへ取り込めます。取引例があらかじめ登録され、レシート画像からの自動仕訳にも対応するため、簿記に不慣れな顧問先の担当者でも入力を進められます。
料金はBasicが月額2,160円、Plusが月額3,000円(いずれも税抜)で、初期費用は無料、申込後2か月間は無料で試用できます(クレジットカードの登録は不要)。標準で3アカウントまで利用でき、追加は1アカウントあたり月額240円です。
3. クラウド発展会計(日本ビズアップ株式会社)

会計事務所と顧問先の連携を前提にしたクラウド会計システムで、同時閲覧機能によって事務所と顧問先が同じデータを見ながら共同作業できます。提供元は日本ビズアップ株式会社で、全国1,400件の会計事務所が利用していると公表されています。
自動仕訳から財務資料の自動作成、部門別業績管理、納税予測や決算診断などの経営助言(財務MAS)、書面添付(第9号様式)の自動作成までを扱えます。通帳をAI-OCRで読み取って仕訳するAI-BANKに加え、2025年12月には証憑のデータ化や業績分析を行う生成AIオプション(有償)も公開されました。
会計事務所経由での導入が基本のため、実際の課金条件は事務所との契約形態によって変わり、料金は要問い合わせです。IT導入補助金の対象にもなっています。
4. JDL IBEXクラウド組曲Major(株式会社日本デジタル研究所)

会計事務所向けの財務・税務ソフトをまとめた製品群で、申し込み時に税理士登録番号の入力を求める会計事務所専用のシステムです。提供元は株式会社日本デジタル研究所で、SaaS方式ながらソフトとデータは利用者のパソコンに置くため、通信障害時もローカルで業務を続けられると説明されています。
財務から法人税・所得税・消費税の申告、年末調整・給与、相続税などの資産税、報酬管理までを1本単位で選んで利用できます。顧問先が使う会計ソフトの種類を問わずJDLデータセンター経由でデータを取り込め、財務・税務・電子申告までをデータ連動で処理できます。
料金は使うソフトを積み上げる方式で、財務が年額75,000円、法人税申告書が年額32,500円など(いずれも税抜)です。別途パソコン1台あたり3,000円のインストールライセンスがかかり、初期導入費用とバージョンアップ料は不要とされています。
5. 財務処理db(日本ICS株式会社)

仕訳入力から決算書作成までを同じシステムで扱える、日本ICS株式会社の財務会計システムです。同社は2023年4月にTISインテックグループの傘下に入っており、公式には12,000件の導入実績を掲げています。
会計事務所向けの製品群「ICSATOMII」を構成する製品で、財務処理db・法人税申告書db・給与処理db・電子申告システムⅡなどをまとめた基本パックは月額24,800円(税抜)です。財務処理db単体の料金は公式に示されていません。
金融機関の預貯金データやクレジットカード明細のCSV取り込み、Moneytreeとの連携による取引データの自動受信に対応し、電子帳簿保存法についてはJIIMA認証を取得しています。公益法人・宗教法人・学校法人・社会福祉法人向けの専用システムや、建設業・病院・運送業向けの版も用意されています。
6. ACELINK NX-Pro(株式会社ミロク情報サービス)

税理士・公認会計士・税理士法人向けの統合業務パッケージとして、株式会社ミロク情報サービスが提供する製品です。事務所管理・会計業務・給与業務・申告業務・顧問先連動の5領域で構成され、公式には8,400事務所の導入実績を掲げています。
会計業務を担う「会計大将」は、紙や画像から仕訳を生成するAI-OCRや、銀行・クレジットカード明細から仕訳を作るAI仕訳に対応します。法人税・消費税・所得税・相続税・贈与税の申告書作成から電子申告までを扱い、かんたんクラウド会計やACELINK NX-CEなど顧問先側の製品から仕訳データを取り込めます。
提供形態はクラウド(MJS DX Cloud)が中心で、製品一覧ではオンプレミスとの両対応も案内されています。料金は導入する機能や事業規模によって変わるため要問い合わせですが、MJS製品を未利用の事務所は3か月間無料で試せます。
7. エプソンの財務会計 会計事務所向けプラン(エプソン販売株式会社)

「財務顧問R4」からリニューアルした、エプソン販売株式会社(セイコーエプソングループ)の会計事務所向け会計ソフトです。記帳から決算・申告・給与・報酬請求までを、同社の会計シリーズ製品間でデータ連携できます。
会計事務所向けのプロフェッショナルプランは、顧問先の会計データを受け取る「共有元」になれる点が特徴で、顧問先が同じ「エプソンの財務会計」を使っていればクラウド経由でデータを共有できます。ただし顧問先とデータを同時入力することはできないと公式に明記されています。監査支援機能は異常な取引・残高や仕訳の重複、不正な消費税区分・税率を自動でチェックします。
料金は年額のサブスクリプションで、プロフェッショナルの基本ライセンス料は年額60,000円(税抜・基本2ユーザー)です。3〜29名では1ライセンスあたり年額10,000円の追加、30名以上は年額339,000円で人数無制限となります。導入費用は0円で、1か月の無料体験も用意されています。
8. e-PAP 財務会計システム(株式会社エッサム)

株式会社エッサムが会計事務所向けに提供するe-PAPシリーズのうち、財務会計を担うシステムです。エッサムが提供する会計事務所向けソフトで、財務会計・税務申告・給与などを同じシリーズで組み合わせ、データを連動させて使えます。
顧問先が使う自計化ソフトも用意され、事務所と顧問先の双方で同じシリーズを前提に運用できます。公式サイトでは具体的な料金が示されていないため、利用形態や顧問先数に応じた費用は資料請求で確認することになります。
9. フリーウェイ経理(株式会社フリーウェイジャパン)

個人事業主向けの無料版から会計事務所向けの有料版まで、複数のエディションを持つ会計ソフトです。提供元は株式会社フリーウェイジャパンで、会計事務所向けの「フリーウェイ経理Pro」は、事務所内の端末やサーバーとクラウド上の両方にデータを保存でき、クラウド保存を必須としない設計です。
Proは顧問先企業とのデータ共有機能を備え、顧問先向けのエディションと組み合わせて使えます。料金は基本IDが月額1,980円、追加IDが月額1,000円(いずれも税抜)で、保守料やバージョンアップ料は月額利用料に含まれます。初期費用は導入ID数などによって変わるため要問い合わせです。
電子帳簿保存法の「優良な電子帳簿」の要件に対応する版(Ver8.00)は2026年10月以降のリリース予定とされ、2026年10月時点ではリリース時期が確定していません。対応対象はProと顧問先版で、無料版と企業版は対象外です。インボイス制度には追加費用なしで対応しています。
顧問先と共有して使うクラウド会計型
顧問先が自計化し、税理士とデータを共有して使うクラウド会計です。自動仕訳や銀行連携による顧問先側の入力負担の軽さと、事務所からの確認のしやすさに注目してください。
10. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生株式会社が2025年4月に提供を開始した法人向けのクラウド会計ソフトです。会計に請求・経費・証憑管理を加え、これらのデータが自動で会計処理に流れる構成で、弥生会計 オンラインの後継にあたります。
顧問先が弥生会計 Next 上で税理士へ共有権限を付与すると、事務所は同じ画面を見ながらチェックや修正依頼をリアルタイムで行えます。この共有は弥生PAPに加入している会計事務所・税理士が対象で、決算メニューの達人連携から法人税の達人などへデータを渡して申告まで進められます。
料金は年契約でエントリー34,800円・ベーシック50,400円・ベーシックプラス84,000円(いずれも税抜・年額)、初期費用は0円です。会計事務所とのデータ共有と達人連携は3プランすべてが対象で、無料体験は最大2か月まで用意されています。
11. freee会計(フリー株式会社)

簿記や経理の経験が浅い顧問先でも記帳を続けやすいよう、ガイド付きの入力画面と銀行・クレジットカード連携による自動仕訳を軸に設計されたクラウド会計ソフトです。フリー株式会社が提供し、1,000を超える金融機関・サービスと連携します。
事務所は認定アドバイザー(税理士・公認会計士)として顧問先に外部メンバー招待で参加し、複数の職員を追加して同時に作業できます。権限は管理者・一般(経理)・閲覧のみなど6種類から選べ、認定アドバイザーは料金の発生するメンバー数に含まれません(アドバイザー制度に未加入の税理士は招待枠を消費します)。
料金は法人向けで、ひとり法人2,980円・スターター5,480円・スタンダード8,980円(いずれも年払いの月額・税抜、スターター以上は従量課金別)など事業規模別の5プラン構成です。無料トライアルは30日間で、申告は別売りのfreee申告(法人税申告ソフト、年額29,800円〜・税抜)で対応します。
12. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

複式簿記を前提に、振替伝票入力・簡単入力・仕訳帳入力の3方式を備え、経理経験者が自由度高く記帳できる法人向けクラウド会計ソフトです。株式会社マネーフォワードが提供し、ひとり法人から50名規模までの中小企業を主な対象としています。
顧問先が税理士のマネーフォワードIDをメンバー追加すると同じデータを共有でき、公認会計士・税理士向けの「監査」を含む7種類の権限やカスタム権限で操作範囲を絞れます。通常メンバーは月末に4名以上で1名月300円(税抜)の従量課金が発生しますが、公認メンバー制度に加入した士業アカウントは従量課金の対象外です。
料金は年払い換算でひとり法人2,480円・スモールビジネス4,480円・ビジネス6,480円(いずれも月額・税抜)、初期費用0円・無料トライアル1ヶ月です。消費税申告書の作成はビジネスプランが対象となります。
13. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

勤怠・給与・経費精算などのジョブカンシリーズを展開する株式会社DONUTSが提供するクラウド型会計ソフトです。キーボード中心の入力やタブでの複数帳簿の同時表示など、インストール型に近い操作感をクラウドで再現しています。
税理士を通常ユーザーとして登録するとユーザー1名に数えられます。ただし2026年5月に案内された「外部メンバー」で税理士アカウントと顧問先アカウントを紐づけると、顧問先の請求対象に含まれず人数上限にも影響しません(利用にはDONUTS側の事前設定が必要)。権限は管理者・会計担当者・監査員など6種類で、権限管理機能はビジネス・エンタープライズのみに備わります。
料金はスタートアップ2,500円(3ユーザー)・ビジネス5,000円〜(5ユーザー5,000円・10ユーザー10,000円・15ユーザー15,000円の段階制)・エンタープライズ50,000円(ユーザー数上限なし)で、いずれも月額・税抜、初期費用0円・無料トライアル30日間です。AI-OCRや仕訳の自動作成は有償オプションのジョブカン証憑管理で提供されます。
顧問先の規模・内部統制に応じて選ぶ高機能クラウド会計型
承認フローや複数顧問先の一括管理まで備えた、中堅規模や内部統制が必要な顧問先に向く製品です。組織的な経理運用への対応範囲に注目してください。
14. マネーフォワード クラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計Plusは、IPO準備企業や中堅〜上場企業、上場企業の子会社を対象にした上位版のクラウド会計です。無印「マネーフォワード クラウド会計」の自動仕訳やデータ自動取得の利便性を保ちながら、仕訳承認フロー・権限設定・操作ログ(仕訳更新履歴)といった内部統制機能を追加しています。
料金は利用ID数に応じた要見積もり方式で、監査法人や税理士法人など外部共有用のアカウントもIDの1つとして数えます。公開APIやiPaaSで既存の基幹システムと接続できるため、顧問先が基幹システムを使い続けたまま不足する機能を補う形での導入にも対応します。
内部統制や監査対応が求められる規模の顧問先を抱える事務所に向く一方、無料トライアルはなく、料金は個別見積もりとなるため、顧問先の利用ID数や共有範囲を踏まえて見積もりを取る形になります。導入社数は2,000社以上とされています。
どのような企業から導入相談が多いのかについて、提供元のマネーフォワードはMCB FinTechカタログの独自インタビューで次のように述べています。

最も多いのは、IPOや上場を目指していて内部統制をしっかり整えたい、J-SOX対応の必須要件に対応したいという中堅企業からのご相談です。導入の主導は経理の責任者が中心になることが多く、IPO準備など全社的な取り組みの文脈ではCFOが関与されるケースも少なくありません。
これは提供元から見た導入企業の傾向ですが、IPO準備や内部統制の強化を進める顧問先を抱える事務所にとっては、どの顧問先に上位版を勧めるべきかを見極める手がかりになります。
15. 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

勘定奉行クラウド(勘定奉行iクラウド)は、株式会社オービックビジネスコンサルタントが奉行シリーズの一つとして提供するクラウド会計です。小規模向けのEシステムから管理会計向けのSシステムまで、処理できる伝票明細件数や機能に応じて5つのエディションが段階的に用意されています。
税理士・会計事務所とリアルタイムにデータを共有できる専門家ライセンスが標準で1ユーザー分付帯し、部門別の試算表集計や管理会計にも対応します。給与奉行・固定資産奉行・申告奉行iクラウド[法人税・地方税編]など同社シリーズと連携し、記帳から電子申告までをデータ連携で処理できます。
本体の料金は年額93,000円〜(Eシステム、税抜。月額換算で約7,750円〜)で、上位のSシステムは年額336,000円〜、初期費用はエディションにより0〜70,000円、30日間の無料体験があります。中堅・上場・グループ企業向けには上位の奉行V ERPクラウドが別に用意されており、顧問先の規模に応じて製品系列の中で選べます。
16. PCAクラウド 会計(ピー・シー・エー株式会社)

ピー・シー・エー株式会社のクラウド型財務会計システムで、老舗パッケージ「PCA会計」をクラウド形態で提供するものです。中小企業向けの標準グレードと、中堅企業向けの上位グレード「PCAクラウド 会計 hyper」があり、顧問先の規模に応じて選べます。
上位のhyperでは、複数会社を企業グループとして登録する合算領域・子会社領域の作成、セグメントマスターによる事業別・地域別管理、部門の階層管理に対応します。仕訳の承認機能や予算管理、分析帳票も備え、担当者が入力し責任者が確認する組織的な運用に合わせられます。
料金は会計が月額16,200円〜、会計hyperが月額19,200円(いずれも税抜)で、初期費用0円、2ヶ月の無料体験があります。電子帳簿保存法はJIIMA認証「電子帳簿ソフト法的要件認証」を取得し、消費税申告書は会計シリーズからe-Taxで送信できます(法人税・地方税の申告は別製品のPCAクラウド 法人税が担います)。
グループ会社を含む顧問先での効果について、提供元のピー・シー・エーはMCB FinTechカタログの独自インタビューで、ある企業グループでの導入事例を次のように紹介しています。

導入後は、グループ全体の会計データをクラウドでリアルタイムに一元化・連携したことで、月次決算の期間を11日間短縮することに成功しました。これにより月初7営業日以内にグループ全体の正確な経営状況を可視化できるようになり、経営陣の意思決定スピードが大きく向上しています。
これは導入先企業での効果の一例ですが、グループ経営や月次決算の早期化に課題を抱える顧問先に、事務所がクラウド会計への移行を提案する際の説明材料として活かせます。
利用者の口コミ・評判の見方(税理士事務所・顧問先の声)
製品の機能・料金を比べたあとは、実際に使っている税理士事務所や顧問先企業の口コミ・評判で裏を取ると、採用と推奨の判断がぶれにくくなります。会計ソフトの口コミは立場によって評価が割れやすいため、「誰が・どの立場で・どの場面について書いているか」を見極めて読むことが大切です。
事務所の実務で回るかという視点で口コミを読む
事務所自身が使うシステムの口コミでは、日常業務の作業量に直結する点に注目したいところです。複数顧問先のデータを取り込む手間、巡回監査や月次処理の進めやすさ、申告ソフトとの連携でつまずきがないか、法改正時の更新対応がスムーズか、といった実務の勘所に触れた声は、採用後の作業イメージをつかむ手がかりになります。
評価が高い・低いという総評だけでなく、書き手の事務所規模や顧問先数が自事務所と近いかを合わせて見ると、自所に当てはまるかを判断しやすくなります。導入直後の設定の手間と、運用が軌道に乗ってからの使い勝手は分けて読み、短期の不満か継続的な課題かを見分けます。
顧問先に勧めて使ってもらえるかという視点で口コミを読む
顧問先に勧めるクラウド会計の口コミでは、顧問先側の経理担当者が無理なく入力を続けられるかに注目したい点です。自動仕訳の精度、銀行やクレジットカードとの連携の安定度、入力画面の分かりやすさに関する声は、顧問先に定着するかどうかの目安になります。簿記に不慣れな担当者の口コミと、経理経験者の口コミでは評価の観点が異なる点にも注意が必要です。
税理士とのデータ共有のしやすさや、事務所からの確認・指導のしやすさに言及した口コミは、事務所と顧問先の双方の使い勝手を測るうえで価値があります。良い評価と改善を求める評価の両方に目を通し、自所の顧問先構成に当てはめて読み解くと、推奨の根拠を具体的に説明できるようになります。
税理士事務所が使う会計ソフトの料金の考え方
会計ソフトの料金は、タイプと運用形態、顧問先数によって考え方が変わります。実際の金額は製品ごとに幅があるため、ここでは目安となる相場観と、費用が増減する要因を整理します。具体的な金額は前掲の比較表と各社の資料で確認してください。
顧問先と共有して使うクラウド会計型は、1顧問先あたり月額数千円程度(税抜)から利用できるプランが中心で、顧問先の数だけライセンス費用が積み上がる構造です。顧問先の規模・内部統制に応じて選ぶ高機能クラウド会計型は、承認フローや複数顧問先の一括管理といった機能が広い分、上位プランでは月額数万円規模(税抜)になることもあります。
事務所の記帳・決算・申告業務に使う会計事務所専用型は、ベンダーの会員制度や専用サポート契約を前提とする製品が多く、料金を個別見積もりとするものが少なくありません。導入費用に加えて、年会費・サポート費・顧問先ライセンスなどの継続費用が総額を左右します。
費用を比べるときは、月額料金の表面的な安さだけでなく、顧問先数の増加に伴うライセンスの増え方や、サーバー保守・更新にかかる手間までを含めて見積もると、運用開始後の見込み違いを避けられます。料金が公開されていない製品は「要お問い合わせ」として、資料請求で条件に応じた見積もりを取るのが確実です。
まとめ
税理士法人・会計事務所の会計ソフト選びは、「事務所自身の記帳・決算・申告業務に使う」立場と「顧問先と共有する・顧問先に勧める」立場を分けて考えると、候補を絞り込みやすくなります。記帳代行の比率が高く顧問先数が多い事務所は、申告システム連携と複数顧問先の一括管理に強い会計事務所専用型を軸に据えるのが基本です。
顧問先の自計化が進んでいる事務所は、データ共有と自計化支援に優れた顧問先共有型のクラウド会計を推奨候補とし、中堅規模や内部統制が必要な顧問先には高機能クラウド会計型を検討します。最終的な判断は、機能・料金の比較に加えて、同じ立場の利用者の口コミで裏を取ると確度が上がります。気になる製品は、資料を取り寄せて条件に応じた見積もりと機能の詳細を確認してください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 会計事務所専用型の会計ソフトとは何ですか?
A. 会計事務所専用型の会計ソフトとは、顧問先データの一元管理・巡回監査・申告システム連携を前提に設計され、会計事務所を通じて導入する会計システムです。
顧問先がどの会計ソフトを使っていてもデータを取り込み、記帳から決算・申告までを同一シリーズで処理できる製品が中心です。複数顧問先の横断管理や申告システム連携が強みで、記帳代行の比率が高い事務所や顧問先数が多い事務所に向きます。該当する製品は本記事の比較表・診断で確認できます。
Q. 税理士事務所が使う会計ソフトは、どのような基準で選べばよいですか?
A. 税理士事務所の会計ソフトは、「事務所自身の記帳・決算・申告業務に使う」立場と「顧問先と共有する・顧問先に勧める」立場を分けて選ぶのが基本です。
前者の立場では申告システムとの連携・複数顧問先の一括管理・運用形態(クラウドかインストールか)を、後者の立場では顧問先とのデータ共有のしやすさ・自計化支援・電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を軸に確認します。記帳代行の比率が高く顧問先数が多い事務所は会計事務所専用型を、顧問先の自計化が進んでいる事務所は顧問先共有型のクラウド会計を軸に据えると、候補を絞り込みやすくなります。
Q. 税理士事務所の会計ソフトは、顧問先と同じデータを共有できますか?
A. 税理士事務所が顧問先とデータを共有できるかは製品ごとに仕組みが異なり、多くのクラウド会計では事務所が共有権限を付与されて同じデータをリアルタイムに確認・修正できます。
顧問先と共有して使うクラウド会計型では、事務所が共有権限や専門家向けの枠で顧問先のデータに参加し、同じ画面をリアルタイムに確認・修正できるのが一般的です。一方で、顧問先のデータを受け取る「共有元」にはなれても同時入力はできない製品もあります。共有の方式はタイプや製品で異なるため、本記事の比較表で確認してください。
Q. 税理士事務所の会計ソフトは、申告ソフトと連携できますか?
A. 税理士事務所の会計ソフトの多くは、会計データを申告システムへ渡して申告書作成・電子申告まで一気通貫で処理できる連携を備えています。
会計事務所専用型は、財務から法人税・所得税・消費税の申告・電子申告までを同一シリーズでデータ連動できる製品が多く、顧問先と共有して使うクラウド会計型も申告ソフトへデータを渡して申告まで進められます。対応する申告ソフトや連携方式はタイプや製品で異なるため、本記事の比較表で確認できます。
申告まで事務所内で完結させたい場合は、自所が使う申告ソフトと会計データが自動で連携できるかを確認してください。
Q. 税理士事務所の会計ソフトで、複数の顧問先をまとめて管理できますか?
A. 複数顧問先の一括管理は主に会計事務所専用型が得意とし、1つの管理画面で顧問先のデータを横断して確認できるのが特徴です。
顧問先が数十件を超えると、顧問先ごとに個別ログインして個別にデータを取り込む運用では確認工数が膨らみます。会計事務所専用型は複数顧問先のデータを一元管理し、月次処理の進捗を一覧で把握できるため、顧問先数が多い事務所ほど一括管理機能の有無が日常の作業量を大きく左右します。
Q. 税理士事務所向けの会計ソフトは、料金はどのくらいかかりますか?
A. 税理士事務所向けの会計ソフトの料金は、会計事務所専用型は会員制度や契約条件に応じた個別見積もり(要問い合わせ)が多く、顧問先と共有して使うクラウド会計型は1顧問先あたり月額数千円程度(税抜)からが目安です。
会計事務所専用型は会計事務所経由で導入するため、導入費用に加えて年会費・サポート費・顧問先ライセンスなどの継続費用が総額を左右し、公式サイトに金額を載せず要問い合わせとする製品が少なくありません。顧問先の数だけライセンス費用が積み上がる点も含め、資料請求で条件に応じた見積もりを取るのが確実です。製品ごとの料金の目安は本記事の比較表で確認できます。
Q. 税理士事務所の会計ソフトは、クラウド型とインストール型のどちらを選ぶべきですか?
A. 税理士事務所の会計ソフトは、バージョンアップや法改正対応をベンダー側に任せ顧問先とデータを共有したい事務所はクラウド型、特定の端末中心で運用したい場合はインストール型が選択肢になります。
インストール型や自社サーバー運用は、バージョンアップ・法改正対応・バックアップを事務所側で担う必要があり、保守にあてる人員が限られる小規模事務所ほどクラウド型の利点が大きくなります。なかには、事務所内の端末やサーバーとクラウド上の両方にデータを保存でき、クラウド保存を必須としない設計の製品もあります。対応状況は本記事の比較表で確認できます。
Q. 税理士事務所の会計ソフトは、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応していますか?
A. 主要な税理士事務所向けの会計ソフトは、電子帳簿保存法・インボイス制度に対応しており、電子帳簿保存法についてはJIIMA認証を取得している製品が多くあります。
電子帳簿保存法についてJIIMA認証を取得している製品がある一方、電帳法対応版を準備中の製品もあり、証憑のデータ化や電子取引データの保存の実装度には製品差があります。JIIMA認証の取得状況や対応状況はタイプや製品で異なるため、本記事の比較表で確認できます。
顧問先の電子取引データの保存や、受領したインボイスの管理を会計ソフト側で無理なく行えるかが、顧問先への推奨時の確認ポイントになります。
Q. 税理士事務所向けの会計ソフトに、無料体験はありますか?
A. 税理士事務所向けの会計ソフトの多くは、30日〜数か月の無料体験や無料トライアルを用意しています。
無料体験の期間は30日程度から数か月までと幅があり、タイプや製品によって異なります。製品ごとの無料体験の有無と期間は、本記事の比較表で確認できます。
一方で、無料トライアルがなく個別見積もりとなる高機能クラウド会計型の上位版もあるため、気になる製品は無料体験の有無を資料で確認してください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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