サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

経理・会計業務を効率化したい

クラウド会計ソフト
の関連情報


関連サービス資料を
無料で一括ダウンロード

税理士事務所向け会計ソフト・ERP比較16選|顧問先共有と口コミの見方で選ぶ

税理士事務所向け会計ソフト・ ERP比較16選のサムネイル画像
クラウド会計ソフト比較表(2026年版)のプレビュー

主要15サービスの料金・機能を無料で一覧比較

クラウド会計ソフト比較表(2026年版)

顧問先ごとに使っている会計ソフトがばらばらで、記帳データの回収や内容の確認に毎月手間取っていませんか。入力ミスの修正や二重入力に追われ、本来の税務・経営支援に時間を割けないという声は、個人から中小規模の税理士事務所まで共通して聞かれます。

この課題を解きほぐす選択肢は、大きく2つに分かれます。ひとつは、顧問先が入力したデータを事務所が同じ画面で確認・共有できるクラウド会計ソフト。もうひとつは、事務所の税務申告・会計・顧問先管理までを一つにまとめた会計事務所向けのシステムです。どちらを軸に据えるかで、日々の運用も費用の考え方も変わってきます。

本記事では、税理士事務所(会計事務所)が顧問先と共有して使う会計ソフトと、事務所の基幹業務まで担う会計事務所向けのシステムを、機能や料金に加えて顧問先との共有のしやすさという視点で比較します。対象の16製品を2つのタイプに分け、事務所運用の視点で比べられる比較表とともに紹介するほか、口コミ・評判を事務所目線でどう読み解くかも整理しました。自事務所に合う製品を選ぶための見方としてご活用ください。

今すぐ製品を見比べたい場合は「事務所運用軸の比較表」を、どのタイプが自事務所に向くか迷う場合は、本文中の「30秒で終わる選定診断ツール」をご活用ください。

クラウド会計ソフトの関連サービス資料
PR
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】クラウド会計ソフトの資料を
一括ダウンロードする
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

本記事の対象範囲

本記事で比較するのは、税理士事務所(会計事務所)が顧問先と共有して使う会計ソフトと、事務所の税務・会計・顧問先管理まで担う会計事務所向けのシステムの2種類に当てはまる16製品です。顧問先の記帳データを事務所が確認・共有できること、または事務所自身の基幹業務に使えることを満たす製品にしぼって取り上げます。

企業が自社の経理のためだけに使う会計ソフトや、記帳から申告までをまるごと外部に委託するアウトソーシング型のサービスは、事務所が自所で選んで導入する対象とは目的が異なります。会計ソフト全般を事務所向けの条件を外して広く比べたい場合は、規模・タイプ別に主要なクラウド会計ソフトを横並びで比較した次の記事もあわせてご覧ください。

税理士事務所が使う会計ソフト・会計事務所向けERPとは

税理士事務所が扱う会計システムは、一般の企業が自社の経理に使うものとは、関わる人の構成が違います。事務所・顧問先・申告先の税務署が、同じ会計データを受け渡ししながら使う点が特徴です。まずは「事務所が使う側」と「顧問先が使う側」の関係を押さえると、以降の比較が読み解きやすくなります。

事務所版と顧問先が使う企業版の違い

会計システムの製品群には、顧問先となる事業者が記帳のために使う「企業版」と、税理士事務所が複数の顧問先をまとめて扱うための「事務所版(会計事務所向け)」が用意されていることがあります。顧問先が企業版に日々の取引を入力し、事務所がそのデータを受け取って確認・修正や申告書作成に使う、という流れです。

顧問先が企業版の会計ソフトに日々の取引を記帳し、税理士事務所が事務所版で複数の顧問先のデータを確認・修正して申告書を作成し、税務署へ申告するまでの会計データの流れを示した図。

ここで「ERP」という言葉には注意が必要です。一般にERP(基幹業務システム)は、大企業が会計・販売・生産などを統合管理する大規模なシステムを指します。一方、税理士事務所の文脈で語られる会計事務所向けのシステムは、事務所の税務申告・会計・顧問先管理・報酬請求といった「事務所の基幹業務」を一つにまとめたものを指すことが多く、対象も規模も異なります。

本記事では、この会計事務所向けの基幹システムと、顧問先と共有して使うクラウド会計ソフトの両方を比較の対象にしています。

顧問先とのデータ共有・自計化支援・関与先管理の仕組み

税理士事務所に固有の運用は、顧問先との関わり方によって大きく3つに分かれます。ひとつは、顧問先から紙やデータで資料を預かり、事務所側がまとめて入力する「記帳代行」。もうひとつは、顧問先自身が会計ソフトに入力し、事務所がその精度を指導しながらチェックする「自計化支援」です。そして、どちらの場合も、顧問先ごとの進捗や契約内容を事務所が一覧で管理する「関与先管理」が土台になります。

顧問先との関わり方を、事務所がまとめて入力する記帳代行と、顧問先が入力し事務所が指導・チェックする自計化支援の2つに分け、どちらも顧問先ごとの進捗や契約を管理する関与先管理が土台になることを示した図。

顧問先が自計化している事務所では、顧問先が入力したデータを事務所が同じ画面で確認できるかどうかが、毎月の負荷を左右します。顧問先が使う会計ソフトを事務所がそのまま共有できれば、データの書き出しや取り込みの手間が減り、入力段階での誤りにも早く気づけます。

製品によっては、事務所が顧問先の入力環境に遠隔でログインして設定や指導を行えるものもあり、こうした共有や支援の仕組みが、事務所向けに製品を選ぶときの出発点になります。

税理士事務所が使う製品の2タイプ

税理士事務所が検討する製品は、使う主体と担う範囲で2つのタイプに整理できます。顧問先が入力し事務所が共有する「クラウド会計ソフト型」と、事務所の基幹業務までまとめる「会計事務所向けシステム型」です。自事務所がどちらを軸にするかで、比べるべき軸も変わります。

← 横にスクロールできます →
税理士事務所が使う製品のタイプ顧問先と共有して使うクラウド会計ソフト型会計事務所の基幹業務まで担う会計事務所向けシステム型
どんな製品か顧問先が日々の記帳に使い、事務所が同じデータを共有・確認して申告や月次に活用する会計ソフト。顧問先の自計化支援や、複数の顧問先のデータ回収を効率化したい事務所に向く。事務所の税務申告・会計・顧問先管理・報酬請求などをまとめて扱う、会計事務所向けに設計されたシステム。事務所の基幹業務を一本化し、申告や巡回監査まで一連で回したい事務所に向く。
該当する主なサービス弥生会計 Next、マネーフォワード クラウド会計Plus、freee会計、TKC FXクラウドシリーズ、勘定奉行クラウド ほかACELINK NX-Pro、TKC会計事務所向けシステム、JDL IBEXクラウド組曲Major、財務顧問R4、クラウド発展会計 ほか

とはいえ、自事務所がどちらのタイプに向くかは、顧問先の数や自計化の進み具合、事務所の業務をどこまで一本化したいかによって変わります。貴所の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しました。ぜひこちらもご活用ください。

あなたへのおすすめ
条件にマッチしたサービスを表示しています
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】クラウド会計ソフトの資料を
一括ダウンロードする

【比較表】税理士事務所向け会計ソフト・ERPを事務所運用軸で比較

ここからは、自事務所の運用に合わせて見比べられるよう、対象16製品を、提供形態・料金の目安・顧問先とのデータ共有・自計化や記帳の支援・税務申告や電子申告への対応・電子帳簿保存法やインボイス制度への対応といった、事務所運用の視点でまとめた比較表で紹介します。

← 横にスクロールできます →
サービス名弥生会計 Nextマネーフォワード クラウド会計Plusfreee会計マネーフォワード クラウド会計勘定奉行クラウドTKC FXクラウドシリーズPCAクラウド 会計かんたんクラウド会計会計王ジョブカン会計MJSLINK DX 財務大将クラウド発展会計ACELINK NX-ProTKC会計事務所向けシステムJDL IBEXクラウド組曲Major財務顧問R4
タイプ顧問先共有の会計ソフト顧問先共有の会計ソフト顧問先共有の会計ソフト顧問先共有の会計ソフト顧問先共有の会計ソフト顧問先共有の会計ソフト顧問先共有の会計ソフト顧問先共有の会計ソフト顧問先共有の会計ソフト顧問先共有の会計ソフト顧問先共有の会計ソフト会計事務所向けシステム会計事務所向けシステム会計事務所向けシステム会計事務所向けシステム会計事務所向けシステム
提供形態クラウドクラウドクラウドクラウドクラウドクラウドクラウド(オンプレ版と互換)クラウドインストール型(買い切り)クラウドクラウド・オンプレ両対応クラウドクラウド・オンプレ両対応クラウド・インストール併用SaaS型(Windows専用)インストール型+クラウド共有
料金目安初期費用0円/年額34,800円〜(エントリー・税抜)要お問い合わせ(利用ID数による個別見積もり)月額2,980円〜(法人・年払い・税抜、別途従量課金)月額2,480円〜(ひとり法人・年払い・税抜)初期費用0〜70,000円/年額93,000円〜(税抜)要お問い合わせ(事務所との顧問契約による)初期費用0円/月額16,200円〜(税抜)月額2,160円〜(税抜、3アカウント)買い切り44,000円(税込)/月額課金なし初期費用0円/月額2,500円〜(税抜)要お問い合わせ(公式非公開)要お問い合わせ(事務所経由で導入)要お問い合わせ(公式非公開)要お問い合わせ(TKC全国会入会が前提)財務ソフト年額75,000円〜(税抜、各税目は別料金)/初期費用0円年額60,000円〜(2ユーザー・税別)/導入費用0円
顧問先とのデータ共有●顧問税理士とリアルタイム共有(弥生PAP会員に限る)●監査法人・税理士法人とシステム共有(外部共有もID課金)●認定アドバイザーを招待(認定者は課金対象外)●税理士をメンバー追加(公認メンバーは従量課金対象外)●専門家ライセンス1名分を標準付帯(無償で共有)●事務所の巡回監査・指導を前提に共有△税理士専用フォルダで共有(上位プランPCA Arch)●事務所と顧問先がリアルタイム共有×公式のリアルタイム共有なし(データ受け渡しで対応)●外部メンバーで税理士と連携(請求対象外)△事務所連携の専用機能は公式明示なし●事務所と顧問先が同一画面で同時閲覧●顧問先向け製品と仕訳連動(顧問先側は別契約)●顧問先のFXクラウドを巡回監査で確認●顧問先が別ソフトでもデータセンター経由で取込△同一ソフト利用時にクラウド共有(同時入力は不可)
自計化・記帳の支援AI自動仕訳・AI取引入力・証憑OCRを標準搭載自動仕訳・AI科目提案を継承(内部統制対応の上位版)1,000超の自動連携・簿記初心者向けの設計2,300超の自動連携で明細を自動取得明細・証憑から自動起票(AI-OCRはオプション)顧問先の自計化を事務所が監査・指導する前提仕訳承認・AI搭載の上位プランあり取引例・レシートOCRで簿記不要を訴求MoneyLink取込・AIが科目や税率を予測自動仕訳・AI-OCRは別オプション(証憑管理)部門・原価管理に対応した企業向け記帳AI-BANK・MONEYでOCR自動仕訳AI-OCR入力・AI仕訳(AI監査支援はオプション)巡回監査・月次決算を前提とした記帳支援銀行明細取込・自動仕訳はオプション追加証憑OCR・金融連携は別オプション
税務申告・電子申告×会計専用(達人シリーズへ連携)×会計専用(申告機能なし)×会計専用(freee申告は別製品)×消費税申告書は作成可(ビジネスプラン)、法人税申告は非対応×消費税申告書の作成・電子申告に対応、法人税は申告奉行クラウド連携×顧問先の自計化会計(申告は事務所側TKCシステム)×法人税申告は非対応(消費税申告は要確認)×会計専用(申告機能なし)×消費税申告書・青色申告決算書を作成可、法人税申告は非対応×会計専用(申告機能なし)×会計モジュール(申告は別途)△書面添付・財務MASに対応(申告書作成は範囲外)●法人税・消費税・所得税・相続税・贈与税の申告〜電子申告●法人決算申告・電子申告まで自社製品群で対応●財務・各税目・電子申告をデータ連動で処理△消費税申告書を作成(法人税・電子申告は別ソフト)
電帳法・インボイス対応●●●●●●●●●●●●●●●△インボイス対応(電帳法対応は要確認)
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイトサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

サービス個別紹介

比較表で挙げた各製品について、機能・料金と、税理士事務所での使い方(顧問先との共有や自計化支援への向き不向き)を中心に紹介します。顧問先との共有のしやすさは製品によって幅があり、リアルタイムに同じ画面を共有できるものから、ファイルやPDFでの受け渡しが中心のものまで含みます。

各製品の位置づけとあわせて、比較表の「顧問先とのデータ共有」の欄もご確認ください。まずは顧問先と共有して使うクラウド会計ソフト型から見ていきます。

顧問先と共有して使うクラウド会計ソフト型

1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Next の公式サイト

弥生会計 Next は、会計に加えて請求書発行・経費精算・証憑管理を1つにまとめ、これらのデータが自動で会計処理に流れる法人向けのクラウド会計ソフトです。弥生シリーズの登録ユーザーは350万を超え、長く会計ソフトを手がけてきた弥生株式会社が2025年4月に提供を始めました。

顧問税理士とは、リアルタイムで会計データを共有できます。事務所に共有権限を付与すると、USBメモリやエクセルでの受け渡しなしに、同じ画面を見ながらチェックや修正依頼を進められます。データ共有と達人シリーズへの連携は全3プランが対象で、共有できるのは弥生PAPに加入した会計事務所・税理士に限られます。

弥生PAPでは全国14,000以上の税理士・会計事務所と提携しており、自計化を進める顧問先に導入しやすい点が特徴です。料金はエントリープランが年額34,800円(税抜)からで、決算書の作成・出力を除く機能を最大2か月間無料で試せます。

2. マネーフォワード クラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計Plus の公式サイト

IPO準備や上場を見据える中堅〜上場企業に向けた上位版が、マネーフォワード クラウド会計Plus です。中小企業向けのクラウド会計で培った自動仕訳やデータ連携を備えつつ、仕訳承認フロー・権限管理・操作ログといった内部統制機能を加えています。導入実績は2,000社以上です。

監査法人や税理士法人とシステムを共有し、証憑照会などの監査手続きをWeb上で進められる設計です。監査法人・税理士法人など外部共有用のアカウントも利用ID数の1つとして数える料金体系のため、規模のある事務所が関与先と同じデータを扱う運用に向きます。

料金は利用ID数に応じた個別見積もりで、公式サイトでは金額を公開していません。無料トライアルはなく、無料の見積もりやオンライン相談が用意されています。内部統制やJ-SOX対応を整えたい中堅企業からの相談が多い製品です。

3. freee会計(フリー株式会社)

freee会計 の公式サイト

freee会計は、簿記の経験が浅くても記帳から決算書作成まで進められる設計を掲げるクラウド会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードなど1,000を超えるサービスと連携して取引データを自動で取り込み、個人事業主から上場企業まで幅広い規模に対応します。

税理士・公認会計士は、freee認定アドバイザーであれば外部メンバーとして招待でき、会計事務所の複数の職員を加えて同時に作業できます。認定アドバイザーは料金の対象となるメンバー数に含まれませんが、制度に加入していない税理士は通常のメンバー扱いとなり招待枠を消費します。

権限は管理者から閲覧のみまで6種類を招待時に指定でき、上位プランでは利用できる口座や部門も絞れます。料金は法人向けで年払い月額2,980円(税抜)から、スターター以上は従量課金が別にかかります。30日間の無料お試しを用意しています。

4. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計 の公式サイト

先に挙げた Plus の標準版にあたるのが、ひとり法人から中小企業(従業員50名以下が目安)向けの「マネーフォワード クラウド会計」です。2,300以上の金融関連サービスと連携して明細を自動取得し、振替伝票入力・簡単入力・仕訳帳入力の3方式を使い分けられるため、簿記の知識がある経理担当者が細かく調整しながら記帳できます。

税理士はマネーフォワード IDをメンバーとして追加すれば同じデータを共有でき、帳簿を確認する会計士・税理士向けの「監査」権限を含む7種類から権限を選べます。公認メンバー制度に加入し顧問先として登録された士業のアカウントは、4名以上で生じる従量課金の対象外です。

料金はひとり法人が年払いで月額2,480円(税抜)から、中小企業向けのビジネスプランが年払いで月額6,480円(税抜)です。1か月の無料トライアルがあり、クレジットカードの登録は不要です。仕訳の承認や操作ログといった内部統制機能は備えないため、必要な場合は上位版の Plus を検討する流れになります。

5. 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

勘定奉行クラウド の公式サイト

金融機関の入出金明細や領収書、Excelデータから仕訳を自動で起票し、標準で50種類を超える帳票を備えるのが勘定奉行クラウドです。給与奉行や固定資産奉行など同社の奉行シリーズとデータ連携できます。

契約には、税理士・会計事務所と無償でリアルタイムに共有できる専門家ライセンスが1ユーザー分標準で付きます。小規模向けのEシステムから管理会計向けのSシステムまで、処理できる伝票明細件数や機能でエディションが分かれており、顧問先の規模に合わせて選べます。

料金はEシステムが年額93,000円(税抜)からで、エディションにより初期費用は0〜70,000円です。30日間の無料体験を用意しています。OBCから直接ではなく、取り扱いのあるパートナー企業経由での販売となる点は確認しておきたいところです。

6. TKC FXクラウドシリーズ(株式会社TKC)

TKC FXクラウドシリーズ の公式サイト

TKC FXクラウドシリーズは、他の会計ソフトと提供のしかたが異なります。TKC全国会に所属する税理士・公認会計士が毎月訪問して会計帳簿を検証する巡回監査・経営助言とセットで使うことを前提に設計され、市販されていません。導入は会計事務所を介して行い、小規模向けの「FXまいスタークラウド」から上場企業向けの「FX5クラウド」まで規模に応じた製品がそろいます。

経営者や経理担当者が自社で日々記帳する自計化を、事務所が監査・指導する役割分担を前提に機能が組まれています。月次決算後の業績はスマートフォンへ配信され、記帳が適時・正確であることをTKCが第三者として証明する「記帳適時性証明書」や、決算書を金融機関へ開示する無償サービスも備えます。

料金は会計事務所との顧問契約の条件によるため、公式サイトには金額の記載がありません。証憑を読み取るAI-OCRオプション(公式は読み取り精度90%超と記載)も用意されています。シリーズ累計の利用企業数は33.5万社(2026年3月末時点)です。

7. PCAクラウド 会計(ピー・シー・エー株式会社)

PCAクラウド 会計 の公式サイト

1980年設立のピー・シー・エー株式会社が、老舗パッケージソフト「PCA会計」をクラウドで提供するのが PCAクラウド 会計です。オンプレミス型のサブスク版と操作画面・データの互換を保っている点が特徴で、在宅勤務でデータを共有したくなった際にバックアップをそのまま移して使えるとしています。

仕訳の承認機能を備え、担当者が入力し責任者が確認する組織的な運用に向きます。AI機能を搭載した上位プラン「PCA Arch」では、40GBの無料ストレージにフォルダ単位でセキュリティを設定でき、取引先や税理士専用のフォルダを作って共有する使い方ができます。

料金は標準の会計が月額16,200円(税抜)から、中堅企業向けのhyperが月額19,200円(税抜)で、初期費用は0円、2か月の無料体験があります。グループ全体の会計データをクラウドで一元化し、月次決算を11日間短縮した導入事例も公表されています。

8. かんたんクラウド会計(株式会社ミロク情報サービス)

かんたんクラウド会計 の公式サイト

かんたんクラウド会計は、スタートアップや小規模事業者を主な対象に、ミロク情報サービスが提供するクラウド会計ソフトです。取引例があらかじめ登録されており、銀行・カード連携やレシート画像の読み取りと合わせて、簿記の経験がなくても入力できる設計を掲げています。

会計事務所が顧問先に導入し、遠隔からサポートする運用に対応している点が、事務所にとっての使いどころです。事務所と顧問先が同じデータをリアルタイムに共有できます。同社の事務所向け基幹システム「ACELINK NX-Pro」を使う事務所なら、事務所側のデータからかんたんクラウドのデータを作成でき、ログイン情報を伝えるだけで顧問先の利用を始められます。

顧問先が入力したデータを事務所システムへ取り込むこともできます。料金は会計・給与ともBasicが月額2,160円(税抜)、Plusが月額3,000円(税抜)で、標準で3アカウントまで利用でき、2か月の無料試用期間があります。

9. 会計王(ソリマチ株式会社)

会計王 の公式サイト

ここまでのクラウド型と提供形態が異なるのが会計王です。Windowsパソコンにインストールして使う買い切り型のパッケージソフトで、本体は税込44,000円、月額課金はありません。銀行・クレジットカードのWeb明細を取り込む「MoneyLink」や、摘要の入力からAIが勘定科目・部門・税率を予測する機能など、クラウド連携も備えます。

一方で、顧問税理士にアカウントを渡して同じ画面をリアルタイムに共有する仕組みは公式には用意されていません。事務所とのやり取りは、同じバージョンのソフト同士でのデータ受け渡しや、クラウドストレージ「安心データバンク」に元帳のPDFを置いて共有する形が基本になります。

本体価格には最大15か月のサポートが含まれ、2年目以降は年間保守「バリューサポート」(標準版・税込38,500円)を任意で更新します。30日間の無料体験版を試せます。対応OSはWindows 11のみで、Macには対応していません。

10. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

ジョブカン会計 の公式サイト

勤怠管理や給与計算で知られるジョブカンシリーズの会計製品が、株式会社DONUTSのジョブカン会計です。ダウンロード不要のクラウドでありながら、キーボード中心の入力と自動集計など、パッケージソフトに近い操作感を掲げています。初期費用は0円、月額2,500円(税抜)からと費用を抑えやすい価格帯です。

税理士との共有には2つの経路があります。通常のユーザーとして登録すると利用人数の1名として数えますが、2026年に案内が始まった「外部メンバー」で税理士のアカウントと紐づけると、請求対象に含まれずプランの人数上限にも影響しません。権限は管理者から監査員まで6種類で、権限管理はビジネスプラン以上で使えます。

証憑を読み取るAI-OCRや仕訳の自動作成は、有償オプション「ジョブカン証憑管理」側の機能です。料金はスタートアップが月額2,500円(税抜、3ユーザーまで)、ビジネスが月額5,000円(税抜)からで、30日間の無料トライアルを用意しています。

MJSLINK DX 財務大将 の公式サイト

MJSLINK DX 財務大将は、ミロク情報サービスが中堅・中小企業向けERPとして展開する MJSLINK DX シリーズの会計モジュールで、顧問先となる企業が自社で記帳・決算を行うために使います。クラウド(Microsoft Azure基盤)とオンプレミスの両方に対応し、月額・年額のサブスクリプションと5年間の買取プランから選べます。

部門会計や本支店会計、セグメント・プロジェクト別の原価管理に対応し、インボイス制度・電子帳簿保存法にも準拠します。顧問先が企業版で入力したデータを会計事務所が同じように扱える運用が想定されます。ただし、事務所連携の専用機能として公式サイトに明示された記載は確認できていません。

本体の初期費用・月額料金は公式サイトで公開されておらず、資料請求や問い合わせでの確認が必要です。シリーズ全体では、矢野経済研究所の調査で、年商50億円未満の企業向け財務・会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア1位(2025年10月時点で16年連続)とされています。

会計事務所の基幹業務まで担う会計事務所向けシステム型

続いて、事務所の税務・会計・顧問先管理までを一つにまとめる、会計事務所向けシステム型の製品を紹介します。

12. クラウド発展会計(日本ビズアップ株式会社)

クラウド発展会計のサービスサイト

会計事務所と顧問先が同じ画面でデータを参照しながら作業できる同時閲覧機能を前提に設計された、日本ビズアップ株式会社のクラウド会計システムです。1999年の設立以来、会計事務所向けのシステムを提供しており、公式サイトでは全国1,400件の会計事務所が利用すると案内されています。

入力の自動化に機能を広げている点が特徴です。インターネットバンキングの明細を取り込むBANK、通帳をAI-OCRで読み取って仕訳するAI-BANK、請求書やレシートを読み取るMONEYが使え、手書きの現金出納帳を読み取るAI-MONEYは開発中と案内されています。2025年12月には、証憑のデータ化から業績分析レポートの作成までを担う生成AIオプション(有償)も公開しました。

記帳だけでなく、電子帳簿保存法・インボイスに対応する発展ストレージ、納税予測や決算診断などの財務MAS、書面添付(第9号様式)を自動作成する発展税理まで扱えます。公式サイトに料金表の掲載はなく、顧問先は契約する会計事務所を経由して導入する構造のため、料金は要問い合わせです。

ACELINK NX-Proのサービスサイト

事務所管理・会計業務(会計大将)・給与業務・申告業務・顧問先連動の5領域を、会計事務所向けに一つにまとめた統合業務パッケージです。提供元は会計・税務システムを手がける株式会社ミロク情報サービスで、公式サイトでは導入実績を8,400事務所と記載しています。

会計大将での仕訳から消費税申告書までを同じ製品群で作成でき、申告業務は法人税・消費税・所得税・相続税・贈与税をカバーします。紙や画像から仕訳を起こすAI-OCR入力、銀行・クレジットカード明細から仕訳するAI仕訳に対応し、仕訳の処理ミスや漏れを検知するAI監査支援はオプションで追加できます。

顧問先連動では、かんたんクラウドやACELINK NX-CEなどの顧問先向け製品から仕訳データを取り込めます。ただし顧問先が使うこれらの製品は別契約が前提です。料金は要問い合わせで、MJSのシステムを使っていない税理士・公認会計士・税理士法人は3か月間の無料おためし利用ができます。

14. TKC会計事務所向けシステム(株式会社TKC)

TKC会計事務所向けシステムのサービスサイト

税理士・公認会計士でつくるユーザー団体「TKC全国会」の会員事務所向けに、株式会社TKCが提供する業務システム群です。会員は2026年3月末時点で11,600名、TKCシステムで法人税の電子申告を行う企業は65万社を超えると公式が案内しています。

法人決算申告(TPS1000)から電子申告(e-TAX1000)、巡回監査支援、経営助言の継続MAS、事務所管理のOMSクラウドまでを自社の製品群でそろえ、相互に連携させて使えます。毎月の巡回監査と月次決算を前提に、決算・電子申告の完了後、会計帳簿作成の適時性(会社法第432条)を示す記帳適時性証明書を発行できる点は、TKC独自の仕組みです。

利用はTKC全国会への入会が前提で、料金は公式サイトに記載がなく問い合わせが必要です。顧問先の自計化に使うFXクラウドシリーズは顧問先企業向けの別製品で、事務所は巡回監査でそのデータを確認する位置づけになります。

15. JDL IBEXクラウド組曲Major(株式会社日本デジタル研究所)

JDL IBEXクラウド組曲Majorのサービスサイト

会計事務所専用の財務・税務ソフトを、必要なものだけ1本単位で選んで導入できる、株式会社日本デジタル研究所のSaaS型の製品群です。申し込みには税理士登録番号の入力が必要で、事業会社や個人事業主が直接契約する製品ではありません。

顧問先とのデータ受け渡しから財務・税務・電子申告までをデータ連動で処理でき、顧問先が別の会計ソフトを使っていても、JDLデータセンター経由の独自ツールで取り込めます。料金は積み上げ式で、財務ソフトが年額75,000円(税抜)、各税目のソフトは別料金として加わり、初期導入費用やバージョンアップ料はかかりません。動作環境はWindows専用です。

一方、通帳読取や業務処理簿・進捗管理など6本のソフトは、2026年9月末で新規・追加・利用継続の申し込み受付を終了し、利用期限をもって順次提供を終える案内が出ています。

16. 財務顧問R4(エプソン販売株式会社)

財務顧問R4のサービスサイト

エプソン販売株式会社が会計事務所向けに提供する財務会計ソフトで、2025年7月に「エプソンの財務会計 会計事務所向けプラン(プロフェッショナル)」へリニューアルしました。同時に、買い切り・年間保守から導入費用0円の年額サブスクリプションへ移行しています。

記帳から決算、消費税申告書の作成、監査支援までを、同じメーカーのR4系製品の連携でカバーします。監査支援では、異常な取引や残高、仕訳の重複、不正な消費税区分・税率を自動でチェックできます。証憑をAI-OCRで仕訳化する証憑デジタルや、ネットバンキングと連携する金融連携は、別契約のオプションです。

顧問先が同じ「エプソンの財務会計」を使っていれば、クラウド上で会計データや証憑を共有できます。ただし顧問先とのデータの同時入力はできないと公式に明記されています。料金はプロフェッショナルで基本ライセンスが年額60,000円(税別・2ユーザー)、3人目以降は1名あたり10,000円の追加です。

口コミ・評判をどう読むか(事務所目線のチェック観点)

製品を選ぶとき、口コミや評判は有力な判断材料になります。ただし、同じ会計ソフトでも、一般企業の経理担当者が書いた評価と、税理士事務所が複数の顧問先を回す立場で書いた評価では、重視する点が違います。事務所目線で口コミを読むときは、次の観点に注目すると、自所の運用に効く情報を取り出しやすくなります。

顧問先とのデータ共有が本当に楽になるか

事務所にとって効果が大きいのは、顧問先のデータ回収や受け渡しの手間がどれだけ減るかです。「顧問先とのデータのやり取りが効率化した」「書き出しや取り込みの作業がなくなった」といった声は、自計化を進める事務所には特に参考になります。反対に、共有の設定が複雑だった、顧問先側の操作でつまずいたという声があれば、導入初期の負担として見積もっておく材料になります。

仕訳・自動仕訳の精度と修正の手間はどうか

銀行明細やレシートからの自動仕訳は便利な一方、精度が低いと事務所側の修正が増え、かえって手間になります。口コミでは「自動仕訳の学習が進むと楽になった」「推測された勘定科目の修正が多い」など、精度に関する実感が分かれやすい部分です。顧問先に入力を任せる前提なら、誤った仕訳をどれだけ事務所側で拾って直せるか、チェック機能の使い勝手まで見ておくと安心です。

入力画面の使いやすさと、所内・顧問先での定着

どれだけ機能が豊富でも、顧問先が入力を続けられなければ自計化は定着しません。「簿記の知識がなくても入力できた」という声は顧問先への展開のしやすさを、「慣れると早いが最初は戸惑った」という声は導入時の指導コストを示します。事務所の職員が日々使う製品でもあるため、所内で無理なく定着するかという視点も欠かせません。

サポートと、評価の立場・件数を確かめる

制度改正への対応や操作の疑問は、事務所の繁忙期に集中します。問い合わせへの回答の速さや、研修・マニュアルの充実度に関する口コミは、繁忙期の安心感に直結します。あわせて、その評価が一般企業の利用者のものか、税理士事務所の立場からのものか、件数は十分かも確かめておくと、自所に当てはまる情報かを見極めやすくなります。

良い評価も悪い評価も、少数の声だけで判断せず、資料請求や無料体験で自分の運用に照らして確かめることをおすすめします。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】クラウド会計ソフトの資料を
一括ダウンロードする

税理士事務所向けの選び方

ここからは、口コミの読み方で得た視点も踏まえて、税理士事務所が製品を選ぶときに確認したい評価軸を整理します。顧問先との関わり方や事務所の業務範囲によって、重視すべき軸は変わります。以下の観点を自所の状況に当てはめながら読み進めてください。

顧問先と同じデータを共有できるか

自計化を進める事務所では、顧問先が入力したデータを事務所がそのまま確認・修正できるかが、月次の負荷を最も左右します。顧問先が使う会計ソフトを事務所が共有できる仕組みがあるか、共有は追加料金なのか標準なのか、事務所が顧問先の環境に遠隔でログインして支援できるかまで確認しておきたい点です。

顧問先が別の会計ソフトを使っている場合に、そのデータを取り込めるかどうかも、乗り換えを無理なく進められるかの分かれ目です。

事務所の税務・会計・顧問先管理をどこまで一つで回すか

会計ソフトで顧問先のデータを扱うだけでよいのか、税務申告・電子申告・報酬請求・巡回監査の記録までを一つのシステムでつなぎたいのかで、選ぶタイプが変わります。業務を一本化すると二重入力は減りますが、その分だけ導入の範囲と費用は大きくなります。いま手作業や別々のソフトで回している工程のうち、どこを統合したいかを先に決めておくと、過不足のない範囲を選べます。

電子帳簿保存法・インボイス制度に対応しているか

顧問先に導入する会計ソフトは、制度への対応状況を必ず確認しておきたい点です。電子帳簿保存法では、注文書・請求書・領収書などを電子データでやり取りした場合、そのデータを保存することが法人・個人事業者に求められています。顧問先が日々やり取りする電子データを、会計ソフト側できちんと保存・管理できるかは、事務所が指導する上での前提になります。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)は令和5年(2023年)10月1日に始まり、買い手が仕入税額控除を受けるには、帳簿に加えて適格請求書などの保存が必要です。登録番号や税率区分を正しく扱えるか、適格請求書の記録を残せるかといった対応は、製品選びで確認しておきたい機能です。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁(リンク)
  • 出典:適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-|国税庁(リンク)

料金は事務所負担と顧問先負担をどう見るか

会計事務所向けの製品の料金は、事務所が支払う契約料と、顧問先が使う分の費用を分けて考えると見通しが立ちます。顧問先に無償または割安で使ってもらえる仕組みがある製品もあれば、顧問先ごとにライセンスが必要な製品もあります。ソフト単位で必要な機能だけを積み上げて契約する方式では、所員数や扱う税目によって総額が変わるため、自所の構成に当てはめた見積もりで比べることが大切です。

注意したいのは、顧問先が使う会計ソフトの利用料とは別に、事務所側にも費用がかかる場合があることです。提携制度への加入が前提の製品では会費が、会計事務所向けシステムでは事務所ごとの契約料がかかります。

こうした事務所側の費用は公式に公開されておらず、要お問い合わせとなることも少なくありません。顧問先が払う分と事務所が払う分を分け、提携や契約に必要な費用まで含めて見積もると、費用面での比較がしやすくなります。

サポート・運用負荷と、外部専門家への依存をどう抑えるか

制度改正のたびに自動で更新されるか、繁忙期に問い合わせへ早く回答が得られるか、導入時の初期設定を支援してもらえるかは、事務所の運用負荷に直結します。顧問先への展開まで含めると、顧問先が迷わず使える操作性や、顧問先向けの説明資料があるかも確認したい点です。導入後に特定のベンダーへ過度に依存せず、顧問先のデータを無理なく移せるかという視点も持っておくと安心です。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】クラウド会計ソフトの資料を
一括ダウンロードする

導入のメリットと運用の注意点

会計事務所向けの製品を導入すると、日々の運用は確かに変わります。一方で、定着までの手間や費用の負担など、あらかじめ見込んでおきたい点もあります。効果と注意点の両面を押さえたうえで検討を進めましょう。

税理士事務所が導入して得られるメリット

最も大きい効果は、顧問先と事務所が同じデータを扱えることによる、二重入力やデータ受け渡しの解消です。顧問先が入力したデータをそのまま事務所が確認できれば、書き出しや取り込みの作業が減り、入力段階の誤りにも早く気づけます。

事務所の基幹業務まで担うシステムであれば、会計と税務申告、顧問先管理、報酬請求までが一連でつながり、別々のソフト間での転記が不要になります。制度改正への対応も製品側でまとめて更新されるため、改正のたびに事務所が個別に対応する負担を抑えられます。

導入・運用で注意すべきポイント

一方で、顧問先に新しい会計ソフトを使ってもらうには、操作の指導や初期設定の支援が必要です。自計化を広げるほど、顧問先ごとの習熟度の差が事務所の負担として表れるため、導入初期は余裕を持った体制で臨むのが現実的です。

費用の面では、事務所の契約料に加えて顧問先が使う分の費用が発生する製品もあり、誰がどこまで負担するかを顧問先と事前にすり合わせておく必要があります。既存のソフトから乗り換える場合は、過去データの移行が滞りなくできるか、移行の支援があるかを確認しておくと、切り替え時のつまずきを減らせます。

まとめ

税理士事務所が使う製品は、顧問先と共有して使うクラウド会計ソフトと、事務所の基幹業務まで担う会計事務所向けシステムの2タイプに分けて考えると、比べる軸が定まります。顧問先の自計化を進めたいなら顧問先とのデータ共有のしやすさを、事務所の業務を一本化したいなら統合できる範囲と費用を、それぞれ軸に据えるとよいでしょう。

口コミや評判は、一般企業の利用者の声か、税理士事務所の立場からの声かを見極めながら、自所の運用に照らして読むことが大切です。気になる製品が見つかったら、資料請求や無料体験で、顧問先とのデータ共有や入力の使い勝手を実際に確かめてから判断することをおすすめします。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】クラウド会計ソフトの資料を
一括ダウンロードする

よくある質問(FAQ)

Q. 会計事務所向けのERP・基幹システムとは何ですか?

A. 会計事務所向けのERP・基幹システムとは、事務所の税務申告・会計・顧問先管理・報酬請求といった基幹業務を一つにまとめた、会計事務所向けに設計されたシステムを指します。

大企業が会計・販売・生産などを統合管理する一般的なERP(基幹業務システム)とは、対象も規模も異なります。税理士事務所の文脈では、事務所の基幹業務を一本化するシステムを指すことが多く、顧問先と共有して使うクラウド会計ソフトとあわせて検討されます。自事務所の業務をどこまで一つのシステムで回したいかによって、どちらを軸に選ぶかが変わります。

Q. 税理士事務所が使う会計ソフトの「事務所版」と、顧問先が使う「企業版」は何が違いますか?

A. 会計ソフトの事務所版と企業版は、企業版は顧問先となる事業者が日々の記帳のために使い、事務所版は税理士事務所が複数の顧問先をまとめて扱うために使う点が違います。

顧問先が企業版に日々の取引を入力し、事務所がそのデータを受け取って確認・修正や申告書作成に使う、という流れが基本です。製品群によっては、顧問先向けの企業版と事務所向けの事務所版が別々に用意され、それぞれ別契約になることがあります。顧問先の入力環境を事務所がどこまで共有・支援できるかは、製品によって差があります。

Q. 税理士事務所は顧問先とどのようにデータを共有しますか?

A. 税理士事務所と顧問先のデータ共有は、事務所と顧問先が同じ画面・データをリアルタイムに共有する方式と、データを書き出して受け渡す方式に大きく分かれます。

クラウド型の会計ソフトでは、顧問先が事務所に共有権限を付けると、USBメモリやExcelでの受け渡しなしに同じ画面でチェックや修正依頼を進められるものが多くあります。一方、インストール型や買い切り型では、同じバージョンのソフト同士でのデータ受け渡しや、クラウドストレージにPDFを置いて共有する形が基本になります。

製品によっては、事務所が顧問先の入力環境に遠隔でログインして設定や指導を行えるものもあります。

Q. 顧問先と共有する会計ソフトと、会計事務所向けシステムは、どちらを選べばよいですか?

A. 両者の選び分けは、顧問先の自計化支援やデータ回収の省力化が主目的なら顧問先と共有して使うクラウド会計ソフト型、事務所の税務・会計・顧問先管理まで一本化したいなら会計事務所向けシステム型が向きます。

顧問先が入力したデータを事務所が確認・修正できれば足りる段階なら、会計ソフト型から始めるのが導入しやすい選択です。税務申告・電子申告・報酬請求・巡回監査の記録までを一つでつなぎたい場合は、会計事務所向けシステム型が候補になります。

業務を一本化するほど二重入力は減りますが、導入の範囲と費用は大きくなるため、いま別々のソフトや手作業で回している工程のうちどこを統合したいかを先に決めておくと、過不足のない範囲を選べます。

Q. 税理士事務所向けの会計ソフトは、費用を事務所と顧問先のどちらが負担しますか?

A. 税理士事務所向けの会計ソフトの費用は、事務所が支払う契約料と、顧問先が使う分の費用に分かれ、どちらが負担するかは製品や契約のしかたによって異なります。

税理士・会計事務所向けの共有ライセンスが無償または標準で付く製品もあれば、顧問先ごとにライセンスが必要な製品もあります。ソフト単位で必要な機能だけを積み上げて契約する方式では、所員数や扱う税目によって総額が変わります。誰がどこまで負担するかは顧問先との間で事前にすり合わせておく必要があるため、自所の構成に当てはめた見積もりで比べることをおすすめします。

Q. 税理士事務所が会計ソフトの口コミ・評判を読むときは、何に注意すればよいですか?

A. 会計ソフトの口コミを事務所目線で読むときは、その評価が一般企業の経理担当者のものか、税理士事務所が複数の顧問先を回す立場のものかを見極めることが大切です。

事務所にとって効果が大きいのは、顧問先とのデータ回収や受け渡しの手間がどれだけ減るか、自動仕訳の精度と修正の手間がどうかといった点です。評価の立場に加えて、口コミの件数が十分かも確かめると、自所に当てはまる情報かを見極めやすくなります。良い評価も悪い評価も少数の声だけで判断せず、資料請求や無料体験で自分の運用に照らして確かめるのが確実です。

Q. 税理士事務所が使う会計ソフトは、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応していますか?

A. 税理士事務所向けの会計ソフトは、多くの製品が電子帳簿保存法・インボイス制度への対応をうたっていますが、対応の範囲は製品によって差があるため、導入前に個別の確認が必要です。

電子帳簿保存法では、注文書・請求書・領収書などを電子データでやり取りした場合、その電子取引データを保存することが法人・個人事業者に求められています。インボイス制度(適格請求書等保存方式)は令和5年(2023年)10月1日に始まり、買い手が仕入税額控除を受けるには、帳簿に加えて適格請求書などの保存が必要です。

顧問先が日々やり取りする電子データをきちんと保存・管理できるか、登録番号や税率区分を正しく扱えるかは、顧問先に導入する会計ソフトを選ぶうえで確認しておきたい機能です。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁(リンク)
  • 出典:適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-|国税庁(リンク)

Q. 既存の会計ソフトから別の製品へ乗り換えるとき、過去のデータは移行できますか?

A. 既存ソフトから別製品への乗り換えでは、過去データを移行できる製品が多いものの、移行できる範囲やデータの形式は製品ごとに異なります。

顧問先が別の会計ソフトを使っている場合に、そのデータを取り込めるかどうかは、乗り換えを無理なく進められるかの分かれ目になります。移行支援の有無や、移行できるデータの範囲を事前に確認しておくと、切り替え時のつまずきを減らせます。あわせて、導入後に特定のベンダーへ過度に依存せず、将来また顧問先のデータを無理なく移せるかという視点も持っておくと安心です。

税理士事務所向け会計ソフト・会計事務所向けシステムの料金・資料を一括チェック

MCB FinTechカタログでは、税理士事務所が顧問先と共有して使う会計ソフトや、事務所の基幹業務まで担う会計事務所向けシステムの最新資料を無料で一括請求できます。顧問先とのデータ共有や料金、事務所向けの機能をまとめて比較できます。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】クラウド会計ソフトの資料を
一括ダウンロードする

MCB FinTechカタログに掲載しませんか?

MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

関連記事

新着記事

クラウド会計ソフト
おすすめの診断サービス