海外の取引先への支払いや、海外拠点への送金で「思っていたより手数料が高い」と感じたことはないでしょうか。海外送金のコストは、窓口やネットバンキングに表示される送金手数料だけでは終わりません。為替レートへの上乗せ(為替コスト)、経由する中継銀行が差し引く手数料、受け取る側で引かれる手数料までが積み重なり、送金1回あたりの総額が見えにくくなっています。
同じ金額・同じ通貨を送っても、使う銀行や送金手段によって総コストは変わります。メガバンクは店頭での対応力や高額送金の信頼性に強みがある一方で手数料は高めになりやすく、ネット銀行や送金専門サービスは手数料・為替コストを抑えやすいという傾向があります。どこで送るのが自社にとって割安なのかは、費目ごとに分解して横並びで見比べないと判断できません。
この記事では、主要な銀行(メガバンク・ネット銀行)と海外送金に対応する送金専門サービスについて、送金手数料・為替コスト・中継銀行手数料・受取手数料・着金日数・送金限度額を費目ごとに整理し、送金1回あたりの総コストを見比べられるようにまとめました。為替コストを公表している手段では、総額の目安も示します。
各費目の仕組みから、自社の送金条件(通貨・金額・頻度・送金先)に合う手段の選び方、法人・事業の送金で押さえておきたい実務ポイントまで解説します。
自社の送金条件に合う手段を手早く絞り込みたい場合は、送金通貨・金額・頻度などから候補を提示する送金手段の診断ツールもご用意しています。あわせてご活用ください。
目次
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海外送金の手数料の内訳(なぜ「総額」が読みにくいのか)
ここからは、海外送金でかかる費用を費目ごとに分解して解説します。海外送金の総コストは、送金手数料・為替コスト・中継銀行手数料・リフティングチャージ・受取手数料という複数の費目で構成されます。表に出やすいのは送金手数料ですが、総額に効くのはむしろ為替コストや中継銀行手数料で、送金してから差し引かれて初めて気づくケースも少なくありません。
海外送金の仕組みと手数料が見えにくい理由
銀行からの一般的な海外送金は、世界の金融機関をつなぐ国際送金ネットワーク「SWIFT(スイフト)」を経由して行われます。送金する銀行と受け取る銀行が直接つながっていない場合、間に「中継銀行(コルレス銀行)」が入って資金を橋渡しします。
この経路の途中で、送金銀行の送金手数料、為替レートへの上乗せ、中継銀行の手数料、受取銀行の手数料がそれぞれ差し引かれます。費目ごとに差し引く主体とタイミングが異なるため、送金時に提示される金額だけでは最終的に相手へ届く金額や自社の負担総額がつかみにくい、という構造になっています。
近年は、このSWIFTを介さず独自のネットワークで送金する送金専門サービスも広がっています。経路が変わると発生する費目も変わるため、手数料を比べるときは「どの経路で送るか」もあわせて見ておくと総額を見積もりやすくなります。

送金手数料
送金手数料は、送金の都度、送金する側の銀行・サービスに支払う基本的な手数料です。1件あたり数千円程度の定額で設定されることが多く、窓口での手続きよりインターネットバンキングのほうが安く設定されている金融機関が一般的です。
同じ金融機関でも、送金方法(窓口・ネットバンキング)や送金先の国によって金額が変わる場合があります。件数の多い事業者ほど、この1件あたりの送金手数料の差が年間の負担に積み上がります。各行の具体的な金額は比較表で整理しています。
為替コスト(為替レートへの上乗せ)
為替コストは、円を外貨に替える(または外貨を円に替える)ときの為替レートに含まれる上乗せ分です。多くの銀行は、市場の実勢レート(インターバンクレート)に一定の幅を上乗せした「対顧客レート」で両替します。この上乗せ分は手数料として個別に表示されないことが多く、送金額が大きいほど総額への影響が大きくなります。
たとえば送金手数料が同じでも、為替レートの上乗せが広い銀行と狭い銀行とでは、高額送金の総コストが逆転することがあります。送金手数料の安さだけでなく、為替コストを含めた総額で見比べることが欠かせません。
中継銀行手数料(コルレス手数料)
中継銀行手数料は、送金が中継銀行(コルレス銀行)を経由する際に、その中継銀行が資金から差し引く手数料です。経由する中継銀行の数や相手国によって金額が変わり、送金する側では事前に正確な金額を把握しにくいのが特徴です。
この手数料を送金人と受取人のどちらが負担するかは、送金時に指定する手数料負担区分で変わります。送金人が全額負担する「OUR」、受取人が負担する「BEN」、双方で分担する「SHA」の3種類があり、相手に満額を届けたい取引では負担区分の選び方も総コストに関わります。
リフティングチャージ(中継銀行手数料との違い)
リフティングチャージは、両替をともなわない送金に銀行が課す手数料です。外貨建ての口座から同じ通貨で送る場合や、円を円建てのまま海外へ送る場合などが該当します。中継銀行が経路上で差し引く中継銀行手数料とは課される主体も場面も異なり、送金額に対して一定率(下限額あり)で設定されることが一般的です。
為替の両替が発生しない取引でも別途かかる費用のため、円建てで送金する場合や、送金通貨と口座の通貨が同じ場合には、このリフティングチャージの有無と料率を確認しておくと見積もりのずれを防げます。
受取手数料(被仕向送金手数料)
受取手数料は、海外から送金を受け取る側の銀行で差し引かれる手数料で、「被仕向送金手数料」とも呼ばれます。海外の取引先から代金を受け取る場合や、海外拠点から国内へ資金を戻す場合に関係します。
送る側の手数料に注目しがちですが、受け取る側でも1件あたり数千円程度の手数料がかかることがあり、受取件数が多い事業者では無視できない負担になります。送金と受取の両方が発生する取引では、受取手数料も含めて総コストを見積もることが重要です。
海外から送金を受け取る側の手数料や、被仕向送金の仕組み・着金までの日数をより詳しく知りたい場合は、受け取りに絞って解説した以下の記事が参考になります。
外国被仕向送金とは?海外送金の受け取り方と手数料の仕組み、主要サービスまで徹底解説
海外からの送金を受け取る際、「被仕向送金手数料が思った以上に差し引かれている」「着金までに日数がかかり、資金繰りに影響が出る」と感じたことはありませんか。 銀行明細に記載された「被仕向送金」という言葉の読み方や意味が分からず、不安を覚えた方…
銀行の種類別に見た海外送金の特徴
ここからは、海外送金の提供主体を3つのタイプに分けて、それぞれの手数料の傾向と向いている送金条件を解説します。自社がすでに取引している銀行の形態や、口座の開設しやすさと照らし合わせて、どのタイプが合いそうかを見極める手がかりにしてください。

メガバンク・店舗型銀行の特徴
メガバンク(都市銀行)をはじめとする店舗を持つ銀行は、店頭での相談対応や高額送金・貿易決済への対応力に強みがあります。既存の取引口座からそのまま送金でき、インボイスや契約書の確認をともなう複雑な取引にも窓口で対応してもらえる安心感があります。
一方で、SWIFT経由の送金で送金手数料・為替コスト・中継銀行手数料が重なり、総額は高めになりやすい傾向があります。送金件数が多い場合や少額送金が中心の場合は、コスト面でネット銀行・送金専門サービスと比べて割高になることがあります。大口・貿易決済中心で信頼性を重視する法人に向いたタイプです。
ネット銀行の特徴
ネット銀行は、店舗を持たずオンラインで送金が完結し、送金手数料や為替コストをメガバンクより抑えやすい傾向があります。口座の開設から送金までをWeb上で行えるため、少額〜中額の送金や、送金と口座管理を一元化したい事業者に向いています。
送金専門サービスと提携し、そのネットワークを使って送金するネット銀行もあり、銀行口座の安心感を保ちながら手数料を抑えられる選択肢になっています。対応通貨や1回あたりの送金限度額に制約がある場合があるため、送金条件と照らして確認してください。
銀行以外の送金サービス(資金移動業者・送金専門)の特徴
銀行以外の送金サービスは、資金移動業者として登録し、海外送金に特化したサービスを提供する事業者です。SWIFTを介さない独自のネットワークや、実勢レートに近い為替の提供により、送金手数料・為替コストを抑えやすいのが特徴です。
多通貨の管理や一括送金に対応するサービスもあり、送金件数が多い事業者や、少額・高頻度の送金でコストを重視する場合の選択肢になります。資金移動業は1回あたりの送金上限が法令で定められている点や、対応通貨・送金先が限られる場合がある点を押さえ、銀行と並べて比較するとよいでしょう。
海外送金の手段を、銀行に加えてネット銀行や送金専門サービスまで幅広く見比べたい場合は、主要な海外送金サービスを総合的に比較した以下の記事もあわせてご覧ください。
各タイプに該当する主なサービスは、次の比較表とサービス個別紹介で具体的に整理しています。
送金条件から最適な手段を探す診断ツール
送金する通貨・金額・頻度・送金先などの条件を選ぶと、条件に合う海外送金の手段を提示します。自社に合いそうなタイプを手早く絞り込みたいときにご利用ください。
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【比較表】主要銀行・送金サービスの送金1回あたり総コスト比較
ここからは、主要な銀行と海外送金に対応するサービスを、送金1回あたりの総コストで比較します。送金手数料だけでなく、為替コスト・中継銀行手数料・受取手数料・着金日数・送金限度額をあわせて整理し、提供主体のタイプがひと目で分かるようにしています。前提となる送金通貨・金額は表の注記に記載しています。各費目の金額は各行・各社の公式情報にもとづいて整理しています。
| サービス名 | 三菱UFJ銀行 | 三井住友銀行 | みずほ銀行 | SBI新生銀行 | SBJ銀行 | 楽天銀行 | GMOあおぞらネット銀行 | 住信SBIネット銀行(ドコモSMTB) | Wise Business | Payoneer | SBIレミット | PayForex |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供主体タイプ | メガバンク・店舗型銀行 | メガバンク・店舗型銀行 | メガバンク・店舗型銀行 | メガバンク・店舗型銀行 | メガバンク・店舗型銀行 | ネット銀行 | ネット銀行 | ネット銀行 | 送金専門 | 送金専門 | 送金専門 | 送金専門 |
| 送金手数料 | オンライン3,000円〜/窓口7,000円 +円為替取扱手数料 送金額の0.050%(最低2,500円) | オンライン2,500円〜/窓口7,000〜7,500円 +リフティングチャージ等 送金額の0.05%(最低2,500円) | オンラインは窓口より割安 +円為替取扱手数料 送金額の0.05%(最低2,500円) | 要問い合わせ(外国送金Webサービス。契約料・利用料は無料) | 円建て取扱手数料3,000円(韓国ウォン建ては2,000円) | 1,000円/件(円建ては円貨送金手数料2,500円が別途) | 送金額・通貨・国により変動(送金前にシミュレーションで確認) | 3,500円/件(別途 初期導入手数料55,000円。円建ては円貨送金時手数料2,500円) | 送金額の0.27%〜(通貨ペア・入金方法で変動、送金前にシミュレーションで確認) 設定手数料1回のみ3,000円 | Payoneerアカウント間送金 最大4.00 USD(異国宛は1%、最低4.00 USD) 任意の海外銀行への一般送金は公式に非対応 | 460円〜(送金額・送金先・受取方法で変動) | 宛先・金額・受取方法で変動(60万〜100万円帯は多くの送金方法で無料)。最低送金額7,000円 |
| 為替コスト(レート上乗せ) | レートに上乗せあり(実額は公式非公表) | レートに上乗せあり(実額は公式非公表) | レートに上乗せあり(実額は公式非公表) | 要問い合わせ(法人向けの為替コストは公式非公表) | 円建て為替手数料1,000〜1,500円(300万円超は送金額の0.05%) | 所定の為替手数料をレートに上乗せ(実額は公式非公表) | 0円(ミッドマーケットレートを上乗せなしで適用) | 米ドル1ドルあたり6銭(通貨により異なる) | 0円(ミッドマーケットレート=仲値を上乗せなしで適用) | 残高間の通貨換算0.50%/出金時の両替1.2〜4% | 要問い合わせ(公式手数料ページに記載なし) | TTSレート基準にスプレッドを上乗せ(実率は送金前にシミュレーションで確認) |
| 中継銀行手数料 | 受取人負担が原則/送金人負担時+3,000円(経由銀行手数料は別途差引の場合あり) | 依頼人負担時 2,500円/件(後日4,000円超は差額を追加請求) | コルレス先支払手数料2,500円(支払銀行から10,000円超請求時は差額を依頼人負担) | 要問い合わせ | 新韓銀行以外は中継銀行手数料が別途(実額は公式非公表) | 送金人負担時 1,000円/件(別途実費が上乗せの場合あり) | 米国以外へのUSD送金等(SWIFT利用)で発生する場合あり | 送金人負担時 2,500円/件 | 要問い合わせ(公式に明示なし) | 要問い合わせ(公式料金ページに項目なし) | 受取方法・国により異なる(OUR指定は原則追加なし) | 発生する場合あり(着金額指定サービス2,500円/回で送金人負担も可) |
| 受取手数料 | 被仕向送金手数料 最低2,500円〜(BizSTATION経由は無料) | 1,500円/件(Global e-Trade利用時は無料) | 被仕向送金手数料1,500円(非居住者円建は不要) | 要問い合わせ | 依頼人負担時 新韓銀行宛3,000円/その他銀行宛5,000円 | 2,000円/件 | ×日本から海外への送金のみ(受取は取扱なし) | 外貨で受け取る場合は受取通貨で35通貨単位/件(受取額が5万通貨単位以上なら無料) | 現地送金での受取は無料/SWIFT受取は通貨別の固定手数料(例 6.11 USD) | ローカル通貨は無料/非ローカル通貨は1%(最低1.00 USD) | ×日本からの送金専用(受取は取扱なし) | ×日本からの送金専用(受取は取扱なし) |
| 着金日数 | 店頭窓口で受付日から送金実行日まで3営業日程度 | 要問い合わせ(公式の標準日数の明示なし) | 支払指図は原則翌営業日発信(着金は経由により変動) | 要問い合わせ | 新韓銀行宛は最短1営業日 | 送金日+1〜5営業日程度(通貨・受取国により変動) | 最短同日〜(通貨により幅あり。米国以外へのUSDは2〜4営業日) | SWIFT発信から1〜3日程度 | 最短数十秒〜(約95%が24時間以内に完了) | 受取は最短1営業日(Payoneerアカウント宛) | 現金受取は最短10分程度(口座受取は国により数時間〜2日) | 最短即時〜(対象国は原則24時間以内に着金) |
| 送金限度額 | 要問い合わせ(法人の1回上限は公式非公表) | 要問い合わせ(法人の公式記載なし) | 要問い合わせ(法人の公式記載なし) | 要問い合わせ(1回200万円超・月360万円超は書類提出) | 韓国ウォン建ては米ドル換算2万ドル相当が上限(その他は要問い合わせ) | 1回 原則3,000万円未満(円換算) | 3,000万円/日 | 1取引 原則3,000万円以下(円換算) | 残高から1回100万円(第二種)/銀行振込経由で最大1.5億円(第一種) | 要問い合わせ(法人の送金上限は公式に記載なし) | 1回100万円相当(法人は1万米ドル相当かつ100万円以内)/月間原則150万円・最大20件 | 1回100万円相当額以下(利用規約) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
(注)2026年10月時点で各社が公開する法人向けの手数料・条件をもとに整理。送金手数料は特記なき場合オンライン経由の金額です。為替コスト・中継銀行手数料・着金日数は通貨・金額・送金先で変動するため、総額は各社のシミュレーション・見積もりでご確認ください。「要問い合わせ」は公式に実額開示のない項目です。Payoneerは海外からの受け取りが中心のサービスです。
為替コストを公表している手段では、送金1回あたりの総額を事前に見積もれます。たとえば仲値(上乗せのない為替レート)に送金額の一定率(下限で0.27%程度)の手数料を加える送金専門サービスなら、100万円の送金でも手数料は数千円程度に収まり、為替レートへの上乗せもありません。
為替手数料を0円とするネット銀行も、送金手数料だけで総額を把握できます。具体の料率やサービスごとの金額は、上の比較表で確認してください。
一方、メガバンクは送金手数料に加えて、為替レートへの上乗せ(多くが非公表)と中継銀行手数料が重なるため、総額は送金前の見積もりで確認する必要があります。同じ金額を送っても、為替コストが透明な手段のほうが総額を事前に把握しやすく、結果的に割安になりやすい傾向があります。
主要な銀行・送金サービスの個別紹介
ここからは、この記事で取り上げる銀行・送金サービスを提供主体のタイプ別に紹介します。それぞれの手数料の特徴や、向いている送金条件を具体的に確認してください。海外からの代金回収が中心のサービスは、受け取りの観点で後述します。
メガバンク・店舗型銀行の海外送金
店頭での対応力と高額送金・貿易決済への対応力を重視する法人に向いた、メガバンクと店舗型銀行の海外送金です。
1. 三菱UFJ銀行(法人向け海外送金)

三菱UFJ銀行は、三大メガバンクの一角です。法人向けインターネットバンキング BizSTATION・MUFG Biz の外為サービスから、海外への仕向送金や海外からの入金の受取、輸出入の信用状取引までをオンラインで扱えます。既存の取引口座からそのまま送金でき、貿易金融と一体で外為業務を進められます。
海外向けの送金手数料は、店頭窓口・外国送金Webサポート+で1件7,000円、BizSTATION・MUFG Biz 経由なら当行在外支店・現地法人あて3,000円、他行あて3,500円です(2026年10月時点)。これに円為替取扱手数料(送金額の0.050%、最低2,500円)が加わります。オンラインで事前受付すると、窓口より送金手数料を抑えられます。
対応通貨は米ドル・ユーロ・英ポンドなど12通貨で、店頭窓口では受付日から送金実行日まで3営業日程度かかります。海外100拠点(2025年3月末時点)のネットワークを背景に、輸出入の貿易決済や高額送金を窓口の対応も受けながら進めたい法人に向いています。
2. 三井住友銀行(法人向け海外送金)

三井住友銀行の法人向け海外送金は、窓口に加えて法人向けインターネット外為サービス「Global e-Tradeサービス」(利用には法人向け窓口 ValueDoor が必要)から依頼できます。仕向送金・被仕向送金・輸入信用状・輸出取引を一つのサービスでまとめて扱えます。
海外への送金手数料は、窓口で当行海外支店・現地法人・連携銀行あて7,000円、海外他行あて7,500円ですが、Global e-Trade経由の事前受付なら当行海外支店等あて2,500円からと下がります(2026年2月時点)。外貨建てにはリフティングチャージ(送金額の0.05%、最低2,500円または25米ドル)が別途かかります。
中継銀行手数料にあたる関係銀行手数料は、依頼人が負担する場合1件2,500円で、後日4,000円を超える請求があれば差額が追加請求されます。海外からの受取手数料は通常1件1,500円ですが、Global e-Trade利用時は無料になり、送金と受取の双方が発生する貿易取引に向いています。
3. みずほ銀行(法人向け海外送金)

みずほ銀行は、法人の外国送金を電信送金と送金小切手の2方式で扱うメガバンクです。オンラインは法人向け電子バンキング「みずほ e-ビジネスサイト」から依頼でき、処理状況の確認やSWIFT電文・計算書のダウンロードにも対応します。
送金手数料は窓口よりオンライン(みずほ e-ビジネスサイト経由)のほうが割安に設定されています。為替をともなわない送金には円為替取扱手数料(送金額の1/20%、最低2,500円)、海外からの受取には被仕向送金手数料1件1,500円がかかり、中継銀行にあたるコルレス先支払手数料も別途発生します(2026年10月時点)。
海外78拠点(2025年6月末時点)を通じ、輸出入信用状や為替予約など貿易取引に必要な外為業務を一体で提供します。オンライン依頼の支払指図は原則翌営業日(場合によっては翌々営業日)の発信で、貿易決済を含む外為取引をメガバンクの信用力のもとで進めたい法人に向いた選択肢です。
4. SBI新生銀行(法人外国送金Webサービス)

SBI新生銀行は、SBIグループ傘下の普通銀行です。法人の海外送金は、自行の口座から外国送金・国内外貨送金を行う「外国送金Webサービス」(法人向けインターネットバンキング経由)で申し込みます。かつての個人向けアプリ「Goレミット」は2025年10月20日で終了しており、現在の法人向けの経路はこのWebサービスが中心です。
1回200万円を超える、または月間・年間で360万円を超える送金では、資金の源泉や送金目的を確認する書類の提出が求められます。送金手数料や対応通貨、送金限度額などの条件は取引内容によって異なるため、利用前に公式の案内で確認しておくと安心です。
5. SBJ銀行(法人向け海外送金)

新韓金融グループの日本現地法人であるSBJ銀行は、韓国・アジア圏への送金でグループのネットワークを活かせる在日銀行です。法人の海外送金は窓口のほか、法人向けインターネットバンキング「SBJ Biz-DIRECT」からオンラインで申し込め、同サービスの利用手数料・当行内振込手数料はかかりません。対応通貨は円・米ドル・ユーロ・英ポンドと韓国ウォン(韓国向けのみ)の5通貨です。
円建て送金の取扱手数料は一律3,000円で、これに送金金額に応じた為替手数料(10万円以下は無料、100万円以下1,000円、300万円以下1,500円、300万円超は0.05%)が加わります(2024年10月時点)。
外貨建ての取扱手数料は米ドル・ユーロ・英ポンドが各3,000円、韓国ウォン建ては2,000円と低く設定されています。受取銀行手数料は依頼人負担とする場合、韓国新韓銀行宛3,000円・その他銀行宛5,000円です。
送金先が親会社の新韓銀行であれば最短1営業日で着金し(受取国や送金内容によっては1営業日で着金しない場合もあります)、韓国向けの送金でグループネットワークを活かせます。東京・大阪など国内10店舗の窓口対応もあり、韓国・アジア圏への送金が多い法人に向いています。
ネット銀行の海外送金
オンラインで送金が完結し、手数料・為替コストを抑えやすいネット銀行の海外送金です。
6. 楽天銀行(法人向け海外送金)

楽天銀行の法人向け海外送金は、法人ビジネス口座を開設した企業が、海外への送金や海外からの受取をインターネットから依頼できるサービスです。専用店舗を持たないネット専業銀行として送金手続きは原則24時間オンラインで完結し、海外送金サービスの初期導入手数料・月額使用料はかかりません。
海外への送金手数料は1件1,000円で、円建てで送金する場合は円貨送金手数料2,500円、送金人が中継銀行手数料を負担する場合は1件1,000円が加わります(2026年10月時点)。外貨建て送金では楽天銀行所定の為替手数料がレートに上乗せされ、海外からの受取は1件2,000円です。表示される送金手数料1,000円は送金という一費目の金額で、実際の総額は為替手数料や中継銀行手数料が積み上がります。
対応通貨は60通貨以上、送金先は世界約200以上の国と地域に及びます。1回あたりの送金額は円換算で原則3,000万円未満が上限で、これを超える送金は別途問い合わせが必要です。着金までの日数は通貨や受取国、経由する中継銀行の数によって変わるため、幅広い国・通貨へネットで送金したい法人・個人事業主に向いた選択肢です。
7. GMOあおぞらネット銀行 海外送金(法人)powered by Wise

GMOあおぞらネット銀行の「海外送金(法人)powered by Wise」は、同行の円普通預金口座を持つ法人が、提携先のワイズ社(Wise Payments Limited)のネットワークを通じて海外へ送金できるサービスです。日本から海外への送金に対応し、海外からの受取や外貨建て送金は取り扱いません。
送金の際はワイズ社が提示する実勢の為替レート(ミッドマーケットレート)を上乗せなしで適用するため、為替手数料は0円です。送金手数料は送金額・通貨・送金国によって変わり、送金前にシミュレーターや送金画面で金額を確認する仕組みで、固定額ではありません。
対応通貨は米ドル・ユーロ・英ポンドなど9通貨、1日あたりの送金上限は3,000万円で、受付は24時間365日(メンテナンス時間を除く)です。円普通預金口座から送金通貨へ都度両替して送る仕組みで、着金までの日数は通貨により幅があり、米国以外あての米ドル送金はSWIFTを利用して2〜4営業日程度かかります。為替コストを抑えて少額から海外送金したい法人に向く一方、個人・個人事業主は対象外です。
8. 住信SBIネット銀行(法人口座の外貨送金・現ドコモSMTBネット銀行)

法人口座から外貨送金を依頼できるネット銀行のサービスで、運営会社は2026年8月3日に住信SBIネット銀行株式会社から株式会社ドコモSMTBネット銀行へ商号を変更しました(法人向けはNEOBANKブランドを継続)。店頭窓口を持たず、送金の依頼・承認はインターネット上で行います。
送金手数料は1件3,500円(非課税)で、送金額に比例しない定額です。これに米ドルなら1米ドルあたり6銭といった為替コストがレートに含まれ、円建てで送金する場合は円貨送金時手数料2,500円、送金人が中継銀行手数料を負担する場合は1件2,500円が加わります(2026年4月時点)。別途、初期導入手数料として55,000円(税込)がかかります。
対応通貨は日本円・米ドル・ユーロなど10通貨で、外貨普通預金口座からは外貨のまま為替コストなしで送金できます。1取引あたりの送金額は原則、円換算で3,000万円以下で、送金依頼は送金指定日の2営業日前の16:00までに行う必要があります。着金はSWIFT発信日からおおむね1〜3日が目安で、外貨預金とあわせて資金を管理したい法人に向いています。
銀行以外の送金サービス(資金移動業者・送金専門)
海外送金に特化し、独自ネットワークや実勢レートに近い為替で手数料を抑えやすい送金専門サービスです。少額・高頻度の送金や、個人事業主・個人の送金にも使えるサービスが含まれ、海外からの代金回収に対応するサービスもあります。
9. ラクヤス決済 振込(株式会社RemitAid)

ラクヤス決済 振込は、株式会社RemitAidが提供する、海外の取引先からの代金を受け取るためのクロスボーダー決済サービスです。ここまでの銀行・サービスが日本から海外へ送る仕向送金なのに対し、本サービスは輸出代金や海外拠点からの資金を回収する受取の場面で使います。
同社が海外の国・地域に用意する現地口座(デジタル上の仮想口座)を利用企業ごとに発行し、海外の取引先はその国の国内振込で代金を支払う仕組みです。中継銀行を経由する国際送金を使わないため国際送金手数料やコルレス銀行手数料がかからず、着金は最短で即日とされています。
料金は初期費用30,000円に、決済処理手数料が1回あたり1,500〜2,000円、為替手数料は通貨により変動します。対応するのはアメリカ・香港・シンガポールやインドネシア・フィリピンなど11の国と地域で(2026年10月時点)、日本から海外へ支払う仕向送金ではなく、海外からの代金回収を国内口座への振込で受け取りたい輸出企業に向いた選択肢です。
銀行の国際送金から切り替えたときに総コストがどう変わるかは、送金する通貨や金額などの取引条件によって変わります。提供元の株式会社RemitAidは、独自インタビューで移行事例のコスト差に次のように触れています。

正直なところ、数字は条件次第なので一律には言いにくいです。ただ事例としては、3ヶ月で約8,000万〜1億円規模の輸出をしている企業が、既存の決済サービスから当社へ移行したことで、3ヶ月で約60万円のコスト削減につながったケースがあります。年換算でいうと、例えば年3億円程度の取引がある企業で、移行するだけで年間200万〜300万円の削減が見込めるケースもあります。
10. Wise Business(ワイズ・ビジネス法人アカウント)

Wise Business は、英国の Wise Payments Limited が展開するグローバル送金プラットフォーム「Wise」の法人版で、日本ではワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が第一種・第二種資金移動業者(関東財務局長第00040号)として運営します。1つのアカウントで40種類以上の通貨を保有・受取・両替・送金できます。
両替には為替マージンを上乗せしないミッドマーケットレート(仲値)を適用し、送金手数料は通貨ペアや入金方法で変わる変動制(0.27%〜)で、送金前のシミュレーションで確定額を確認します。アカウント開設は無料、外貨の口座情報を取得する設定手数料が1回限り3,000円で、月額の口座維持費はかかりません。
送金限度額は、残高からの送金が1回100万円まで(第二種)、銀行振込を経由すると1回最大1.5億円まで(第一種)と段階的に適用されます。最大1,000件の一括送金やAPI連携、会計ソフト連携、法人デビットカードも備え、法人のほか個人事業主・フリーランサーも開設できます。
11. Payoneer(ペイオニア)

Payoneer(ペイオニア)は、越境ECやマーケットプレイスでの海外取引が多い事業者向けの決済プラットフォームです。米国のPayoneer Global Inc.(NASDAQ上場)が開発し、日本居住者向けのカード・送金などはペイオニア・ジャパン株式会社(第二種資金移動業者、関東財務局長第00045号)が提供します。
Amazon・eBay などのマーケットプレイスや海外の取引先から、現地口座のような口座情報で外貨の売上金・代金を受け取り、日本の銀行口座へ引き出せる点が中心です。受取はローカル通貨なら無料、残高間の通貨換算は0.50%で、アカウント開設は無料です。
海外の委託先などへの一括送金(マスペイアウト)は190以上の国・地域に対応します。一方で、公式が案内するのはPayoneerアカウント間の送金や残高の銀行引き出しが中心で、任意の海外銀行口座への一般的な仕向送金用途は公式に明示されていないため、受取や越境ECの資金回収を主目的とする事業者に向いています。
12. SBIレミット(SBIレミット株式会社)

SBIレミットは、SBIグループ傘下のSBIレミット株式会社が2010年に始めた、少額の国際送金に特化した第二種資金移動業者(関東財務局長第00008号)のサービスです。世界200以上の国・地域、約350,000拠点の現金受取ネットワーク(MoneyGram社)を通じて、銀行口座を持たない受取人にも送金できます。
送金手数料は460円からで、送金額・送金先・受取方法によって変わります。法人名義での会員登録もできますが、送金の仕組みは個人向けと共通で、1回あたり100万円相当(法人は10,000米ドル相当かつ100万円以内)、月間は原則150万円・最大20件までという少額スキームです。
フィリピン・ベトナム・インドネシア向けでは、Ripple社の仕組みを使った送金も手がけています。1回100万円の上限があるため大口の貿易決済には向かず、在日従業員の母国送金や海外拠点への少額・高頻度の支払いといった用途に適しています。
13. PayForex(ペイフォレックス)

PayForex(ペイフォレックス)は、Queen Bee Capital株式会社が運営する海外送金サービスです。資金移動業者(関東財務局長第00010号)として銀行を介さず自社のネットワークで200以上の国・地域へ送金でき、個人・法人・個人事業主が24時間365日オンラインで送金を依頼できます。
登録料・月額使用料は無料で、送金手数料は宛先国・金額・受取方法によって変わり、60万〜100万円の金額帯は多くの送金方法で無料になります。為替コストは三井住友銀行などが公表するTTSレートを基準に一定のスプレッドを上乗せして提示され、1回あたりの送金額は100万円相当額以下です(利用規約)。
法人向けには、CSVやExcelでの一括送金、管理者・承認者・操作者の3階層の権限分割、二要素認証、送金履歴の一括照会といった機能を備えます。受取方法は銀行口座入金のほか現金受取やE-ウォレットなどから選べ、大量の海外送金を複数人の承認体制で扱いたい法人が、銀行窓口を介さずオンラインで送金を完結できる選択肢です。
海外送金の銀行・手段の選び方
ここからは、自社の送金条件に合う手段を選ぶための観点を解説します。送金する通貨・金額・頻度・送金先によって割安な手段は変わるため、自社の送金の実態に当てはめて見極めることが大切です。
送金する通貨・金額・頻度で総コストを見るか
海外送金の手段は、送金する通貨・金額・頻度によって割安な選択肢が変わります。少額・高頻度の送金が中心なら、1件あたりの送金手数料と為替コストが低い手段ほど年間の負担を抑えられます。高額送金が中心なら、送金手数料よりも為替コストの上乗せ幅が総額を左右するため、為替レートの条件を重視して選ぶと効果的です。
送金する通貨も判断材料になります。主要通貨は多くのサービスが低コストで対応する一方、取扱いの少ない通貨は対応するサービスが限られ、手数料も割高になりがちです。自社が送る通貨・金額・頻度を書き出したうえで、その条件での総コストを比べると選びやすくなります。
着金スピードと確実性で選ぶか
取引の支払期日に間に合わせる必要がある場合は、手数料だけでなく着金までの日数も選定基準になります。SWIFT経由の送金は中継銀行を経由するぶん数営業日かかることがあり、独自ネットワークのサービスは着金が早い傾向があります。
一方で、着金の早さだけでなく、確実に相手へ満額が届くかも確認しておきたい点です。中継銀行手数料の負担区分(OUR・SHA)の選び方によって相手への着金額が変わるため、支払期日と満額着金のどちらを優先するかで手段を選ぶことが重要です。
資金移動業の登録や安全性は確認できているか
銀行以外の送金サービスを使う場合は、資金移動業者として登録された事業者かを確認しておくと安心です。資金移動業者は資金決済に関する法律にもとづいて登録され、利用者から預かった資金を自社の資産と分けて管理する分別管理などが求められています。
登録の有無は金融庁が公表する登録業者の一覧で確認できます。手数料の安さだけでなく、登録事業者か、資金の管理体制はどうか、送金トラブル時の問い合わせ窓口があるかといった運営面もあわせて見ておくと、取引を安心して任せられる手段を選べます。
総コストを抑える工夫はあるか
同じ銀行・サービスでも、送り方の工夫で総コストを抑えられる場合があります。窓口よりインターネットバンキングのほうが送金手数料が安く設定されていることが多く、オンラインで完結する手段を選ぶだけでも1件あたりの負担を下げられます。
また、少額の送金を複数回に分けるより、可能な範囲でまとめて送るほうが、1件あたりの定額手数料の影響を抑えられます。中継銀行手数料の負担区分(OUR・SHA)の選び方で相手への着金額と自社負担のバランスも変わるため、送金の目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
法人・事業者が海外送金で押さえる実務ポイント
ここからは、法人・事業者が海外送金を行う際に、手数料以外で押さえておきたい実務上のポイントを解説します。件数の多い事業送金や高額送金、貿易決済では、初期費用や必要書類、法令上の手続きも手段選びに関わります。
初期導入手数料と件数あたりコスト(一括送金・API)
法人向けの送金サービスでは、1件あたりの送金手数料だけでなく、初期導入手数料や月額の利用料がかかる場合があります。送金件数が多い事業者ほど、1件あたりのコストに加えて、こうした固定費も含めた総額で比べることが大切です。
給与や取引先への支払いを多数まとめて送る場合は、一括送金(一括振込)やAPI連携に対応しているかも確認したい点です。会計・基幹システムと連携できれば、送金データの作成や入金の消込にかかる手間を減らせます。件数の多い事業送金では、手数料の安さと運用の省力化の両面で手段を選ぶと効果的です。
高額送金の上限額と超過時の手続き
1回あたりの送金限度額は、銀行・サービスや送金方法(窓口・ネットバンキング)によって異なります。インターネットバンキングでは1回あたりの上限が設定されていることが多く、高額送金を予定している場合は、利用する手段の上限額を事前に確認しておく必要があります。各行・各サービスの送金限度額は比較表に整理しています。
金額が大きくなると、法令上の手続きがともなう場合があります。外国為替及び外国貿易法(外為法)では、本邦から外国への支払など一定の支払等をした場合、政令で定める場合を除いて、その内容を主務大臣に報告することが求められています。日本銀行の案内によると、この報告(支払等報告書)は3,000万円相当額以下の場合は不要とされています。
出典・参考資料(2件)
- 出典:外国為替及び外国貿易法 第55条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228)
- 参考資料:外国為替法令に基づく報告・届出等|日本銀行(https://www.boj.or.jp/about/services/tame/t-houkoku.htm)
また、100万円を超える国外への送金をした場合は、送金を取り扱った金融機関が税務署へ「国外送金等調書」を提出する仕組みがあります。これは送金できる上限ではなく、税務上、一定額を超える国外送金が税務署へ把握される仕組みです。
金融機関は、(中略)国外送金等(その金額が政令で定める金額以下のものを除く。)に係る為替取引を行ったときは、その国外送金等ごとに(中略)調書(以下「国外送金等調書」という。)を、(中略)当該為替取引に係る金融機関の営業所等の所在地の所轄税務署長に提出しなければならない。
内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律 第4条第1項|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000110)
この「政令で定める金額」は100万円とされており、国税庁が公表しています。高額送金や大口の事業送金を行う際は、利用する手段の送金限度額とあわせて、こうした報告・調書の仕組みも念頭に置いておく必要があります。
貿易決済(T/T等)と送金目的の確認
輸入代金の支払いなど、貿易取引の決済で用いられる電信送金はT/T(Telegraphic Transfer)と呼ばれます。銀行は外為法にもとづき、顧客の支払等が許可・届出を要する取引に当たらないかを確認したうえで為替取引を行うことが求められており、送金の目的や取引内容の確認がともないます。
このため、貿易決済ではインボイス(送り状)や契約書など、取引の内容を示す書類の提示を求められることがあります。送金目的の確認や書類の提示にどこまで対応が必要かは取引の内容によって変わるため、貿易取引の送金が多い場合は、窓口での相談や書類対応のしやすさも手段選びの観点になります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:外国為替及び外国貿易法 第17条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228)
法人が海外送金で準備する書類
海外送金では、本人確認のための書類が必要になります。外為法では、銀行等が本邦から外国への支払等に係る為替取引(特定為替取引)を行う際に、顧客の本人確認を行うことが定められています。
あわせて、犯罪収益移転防止法にもとづく取引時確認の制度もあり、法人の場合は名称・所在地などの確認が行われます。口座を通じて送金する場合は、口座開設時に本人確認が済んでいるため、送金のたびに必ず本人確認が発生するわけではありません。
加えて、100万円を超える国外送金では、送金する側が金融機関へ「告知書」を提出する仕組みがあります。告知書の提出にあたっては、法人は登記事項証明書などの書類の提示と、法人番号の記載・確認が求められます(個人の場合は住民票の写しなどと個人番号)。
前述の送金目的の確認でインボイスや契約書の提示を求められることもあわせると、法人の海外送金では、本人確認書類・取引を示す書類・送金目的の確認が必要になると理解しておくとよいでしょう。具体的に求められる書類は金融機関によって異なるため、利用する手段ごとに確認してください。
出典・参考資料(3件)
- 出典:外国為替及び外国貿易法 第18条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228)
- 出典:内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律 第3条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000110)
- 参考資料:犯罪収益移転防止法の概要|警察庁 JAFIC(https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/data/hougaiyou20260807.pdf)
まとめ
海外送金の総コストは、送金手数料だけでなく、為替コスト・中継銀行手数料・リフティングチャージ・受取手数料が積み重なって決まります。送金手数料の安さだけで選ぶと、為替コストや中継銀行手数料で総額が逆転することもあるため、費目ごとに分解して送金1回あたりの総コストで比べることが大切です。
メガバンクは対応力と信頼性、ネット銀行は手数料の抑えやすさ、送金専門サービスは独自ネットワークによる低コストと、タイプごとに強みが異なります。自社が送る通貨・金額・頻度・送金先を書き出し、その条件での総コストと着金スピード、必要な手続きを見比べて、割安で確実な手段を選びましょう。各社の最新の手数料や詳しい条件は、資料を取り寄せて比較することをおすすめします。
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よくある質問(FAQ)
Q. 海外送金の為替コスト(為替レートへの上乗せ)とは何ですか?
A. 海外送金の為替コストとは、円を外貨に替える(または外貨を円に替える)ときの為替レートに、銀行・送金サービスが上乗せする実質的な手数料のことです。
送金手数料のように個別の金額で表示されないことが多く、市場の実勢レート(仲値)と顧客に適用されるレートの差がこれにあたります。送金額が大きいほど総額への影響が大きく、送金手数料が同じでも為替コストの広い銀行と狭い銀行とで高額送金の総コストが逆転することがあります。
Q. リフティングチャージとは何ですか?
A. リフティングチャージとは、両替をともなわない送金で銀行が課す手数料のことです。外貨建ての口座から同じ通貨で送る場合や、円を円建てのまま海外へ送る場合などが該当します。
送金額に対して一定率(下限額あり)で設定されるのが一般的で、中継銀行が経路上で差し引く中継銀行手数料とは、課される主体も場面も異なります。円建てで送金する場合や、送金通貨と口座の通貨が同じ場合は、料率と下限額を確認しておくと見積もりのずれを防げます。
Q. 銀行の海外送金で、送金手数料や為替コストが安いのはどのタイプですか?
A. 海外送金のコストは、一般にネット銀行と送金専門サービスが低く抑えやすく、メガバンクは送金手数料・為替コスト・中継銀行手数料が重なって総額が高めになりやすい傾向です。
ただし割安な手段は、送金する通貨・金額・頻度によって変わります。少額・高頻度の送金なら1件あたりの送金手数料と為替コストが低い手段が、高額送金なら為替コストの上乗せ幅が小さい手段が有利になりやすく、送金手数料の安さだけでは判断できません。
Q. 海外送金で「最も安い方法」を1つに決めることはできますか?
A. 海外送金の最も安い方法は、送金する通貨・金額・送金先や経由する中継銀行によって変わるため、どの手段が最安かを一律に断定することはできません。
中継銀行手数料は経由する銀行の数が事前に分からず、送金が完了するまで総額が確定しないこともあります。だからこそ、送金手数料だけでなく為替コスト・中継銀行手数料・受取手数料を含めた「送金1回あたりの総コスト」を、自社の送金条件に当てはめて比べることが欠かせません。
Q. 海外送金の中継銀行手数料は、送金人と受取人のどちらが負担しますか?
A. 海外送金の中継銀行手数料をどちらが負担するかは、送金時に指定する手数料負担区分で決まり、送金人が全額負担する「OUR」、受取人が負担する「BEN」、双方で分担する「SHA」の3種類から選びます。
相手に満額を届けたい取引ではOURを選ぶと受取人側での差引きを避けられますが、送金人の負担は増えます。経由する中継銀行の数や送金先国によって金額が変わり、送金前に正確な額を把握しにくい点にも注意しておくとよいでしょう。
Q. 海外から送金を受け取る側にも手数料はかかりますか?
A. はい、海外送金は受け取る側の銀行でも「受取手数料(被仕向送金手数料)」が1件あたり数千円程度かかることがあります。
輸出代金の回収や海外拠点からの資金移動など受取件数が多い事業者では、無視できない負担になります。送る側の手数料に注目しがちですが、送金と受取の両方が発生する取引では、受取手数料も含めて総コストを見積もることが大切です。各行・各社の受取手数料は比較表に整理しています。
Q. 銀行の海外送金は着金まで何日かかりますか?
A. 銀行のSWIFT送金は一般に数営業日(目安として2〜5営業日程度)かかり、SWIFTを介さない送金専門サービスでは最短即日〜数時間で着金する場合があります。
着金までの日数は、経由する中継銀行の数や送金先国、通貨によって変動します。支払期日のある取引では、手数料だけでなく着金日数も手段選びの基準になります。各行・各社の目安は比較表にも整理しています。
Q. 銀行の海外送金に1回あたりの上限額はありますか?
A. 銀行の海外送金は、インターネットバンキングで1回あたりの送金上限が設けられていることが多く、上限を超える送金は窓口での手続きが必要になるのが一般的です。
上限額は各行や送金方法(窓口・ネットバンキング)によって異なります。銀行以外の送金サービス(資金移動業者)は資金決済に関する法律で1回あたりの送金額に上限があり、第二種資金移動業者は1回100万円までです。高額送金を予定する場合は、利用する手段の上限を事前に確認しておきましょう。
Q. 100万円を超える海外送金では、どんな手続きや書類が必要ですか?
A. 100万円を超える国外送金では、金融機関が税務署へ「国外送金等調書」を提出し、送金する側は「告知書」に個人番号(法人は法人番号)を記載して本人確認書類を提示する必要があります。
これは国外送金等調書法にもとづく税務上の仕組みで、100万円が送金できる上限という意味ではありません。100万円を超える国外送金が税務署に把握される制度です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律 第3条・第4条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000110)
Q. 法人が銀行で海外送金する際に準備する書類は何ですか?
A. 法人の海外送金では、本人確認のための書類(登記事項証明書など)、送金目的・取引内容を示す書類(インボイスや契約書など)、100万円を超える送金では告知書と法人番号が必要になるのが一般的です。
海外向けの送金では、外国為替及び外国貿易法(外為法)にもとづく本人確認(特定為替取引)や犯罪収益移転防止法にもとづく取引時確認が制度化されており、銀行は送金目的が許可・届出を要する取引に当たらないかの確認も行います。
ただし口座を通じた送金は口座開設時に本人確認が済んでいるため、送金のたびに必ず本人確認が発生するわけではありません。具体的に求められる書類は金融機関によって異なるため、利用前に確認してください。
出典・参考資料(3件)
- 出典:外国為替及び外国貿易法 第18条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000228)
- 出典:内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律 第3条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000110)
- 参考資料:犯罪収益移転防止法の概要|警察庁 JAFIC(https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/data/hougaiyou20260807.pdf)
Q. 銀行の海外送金と送金専門サービス(Wiseなど)は何が違いますか?
A. 両者の違いは、銀行はSWIFTと中継銀行を経由するため手数料や為替コストが積み上がりやすく高額送金・貿易決済に強い一方、送金専門サービスはSWIFTを介さない独自ネットワークで低コスト・少額高頻度の送金に向く点です。
送金専門サービスは1回あたりの送金上限や対応通貨に制約がある場合があるため、送金額が大きい取引には銀行が向くこともあります。利用する際は、資金移動業者として登録された事業者かを金融庁の登録一覧で確認しておくと安心です。送金額・頻度・送金先に応じて使い分けるとよいでしょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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