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電信送金とは?銀行振込・電信振替との違いと手数料・着金日数をわかりやすく解説

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法人向け海外送金サービス比較表(2026年版)

海外の取引先への支払いや輸出代金の受け取り、あるいは個人での海外送金の場面で「電信送金」という言葉を目にすることがあります。それが何を指すのか、銀行振込と何が違うのか、手数料や日数はどれくらいかかるのかが気になっている方は多いのではないでしょうか。

電信送金とは、ひとことでいえば、銀行が保有する電子的なネットワークを通じて資金を送る方法です。英語では Wire Transfer、貿易実務では Telegraphic Transfer(T/T)とも呼ばれます。国内の銀行振込とは経路も手数料の構造も異なり、同じ「電信」でもゆうちょ銀行の「電信振替」とは別物です。

本記事では、電信送金とは何かという仕組みを結論から整理し、紛らわしい「電信振替」や貿易のT/Tとの違い、国内銀行振込との違いを解説します。送金手数料・為替手数料・中継銀行手数料といった費用の内訳と着金までの日数、送金に必要な情報も順に整理します。あわせて、銀行の電信送金より費用や手間を抑えたい場合の手段として、主に法人向けの海外送金サービスを紹介します(個人でも利用できるサービスもあります)。

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電信送金とは?銀行間ネットワーク(SWIFT)を通じた送金方法

電信送金とは、送金する銀行が、受取人の取引銀行(多くは海外の銀行)あてに支払いの指図を電信で送り、資金を届ける送金方法です。三井住友銀行は外国送金サービスの説明で、電信送金を次のように定義しています。

電信送金(Telegraphic Transfer) 送金銀行(三井住友銀行)が、送金受取人への支払指図を受取人取引銀行(海外の銀行等)あてに電信により行う方法です。

出典:外国送金サービス(SMBCダイレクト)|三井住友銀行

英語では Wire Transfer(ワイヤートランスファー)、貿易取引では Telegraphic Transfer を略して「T/T送金」と呼ばれます。いずれも、銀行どうしをつなぐ電子的なネットワークを通じて支払いの指図をやり取りし、資金を移動させる点は共通です。

出典・参考資料(1件)

電信送金の仕組み(SWIFT・中継銀行を経由する経路)

海外への電信送金を支えているのが、SWIFT(国際銀行間通信協会)と呼ばれる銀行間の通信ネットワークです。三菱UFJ銀行は、外国送金について「外国送金の基盤となるSWIFT(国際銀行間通信協会)」と説明しています。送金銀行は、このネットワークを使って受取人の取引銀行へ支払いの指図を送ります。

このとき、送金銀行と受取人の取引銀行との間に直接の取引関係がない場合は、その間を取り次ぐ「中継銀行(コルレス銀行)」を経由します。経路に複数の銀行が入るほど、後述する手数料や着金までの日数に影響します。国内の銀行振込が国内の決済ネットワークで完結するのとは、経路が大きく異なります。

電信送金の経路を示した図解。送金銀行が受取人の取引銀行あてに支払いの指図を電信で送り、送金銀行と受取人取引銀行に直接の取引関係がない場合は中継銀行(コルレス銀行)を経由して受取人取引銀行に届く流れを、SWIFT(国際銀行間通信協会)という銀行間ネットワークが支える。経路に入る銀行が増えるほど手数料や着金日数に影響する。
出典・参考資料(1件)

「電信送金」の3つの意味を整理(海外送金/貿易T/T/国内電信振替)

「電信送金」という言葉は、実際には3つの異なる場面で使われています。自分が目にした言葉がどれにあたるかを取り違えると、調べる情報も手続きもずれてしまいます。まずは全体像を整理します。

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「電信送金」と呼ばれるものの整理海外送金の手段としての電信送金(Wire Transfer)貿易決済のT/T(Telegraphic Transfer)国内の「電信振替」(ゆうちょ銀行)
内容銀行がSWIFT経由で海外の受取人へ支払指図を送る送金方法輸出入の代金決済として使う電信送金。前払い・後払い・その組み合わせで用いるゆうちょ口座間で預り金を即時に振り替える国内の送金方法。海外電信送金とは別物
着金・範囲国際・3〜4営業日以上国際・3〜4営業日以上国内・即時

海外送金の手段としての電信送金(Wire Transfer)|普通送金(M/T)・送金小切手(D/D)との違い

本記事が主に扱うのは、この海外送金の手段としての電信送金です。外国送金の方法には、電信で支払指図を送る電信送金のほかに、銀行が振り出した小切手を受取人に渡す「送金小切手(Demand Draft/D/D)」があります。三井住友銀行は、外国送金を次のように分類しています。

外国送金は、電信送金、送金小切手の2つに分けられます。SMBCダイレクトでは電信送金のみのお取扱となります。

出典:外国送金サービス(SMBCダイレクト)|三井住友銀行

かつては、支払指図を郵便で送る「普通送金(Mail Transfer/M/T)」を加えた3方式で説明されることもありました。現在は電信でのやり取りが主流で、上記のように普通送金を取り扱いの区分として挙げない銀行が多くなっています。貿易実務の用語としてT/T・M/T・D/Dが並べられることはありますが、実際に使う手段としては電信送金が中心と考えておけば十分です。

出典・参考資料(1件)

貿易決済のT/T(前払い・後払い)

輸出入の代金決済で「T/T送金」という場合、支払いのタイミングを前払い・後払い・その組み合わせで取り決めて銀行送金します。ジェトロ(日本貿易振興機構)は、T/T送金について次のように説明しています。

決済条件がT/T送金であれば、輸入者は、契約で定められた送金方法(全額前払い、全額後払い、前払いと後払いの組み合わせ等)に基づいて、銀行送金します。

出典:輸出代金の請求方法と送金に関する銀行諸費用の負担:日本|ジェトロ

前払いの比率を高くするほど、輸出者は代金を回収できないリスクが下がる一方、輸入者は代金を払ったのに品質違いや納期遅れが起きるリスクを負います。後払いの比率が高いほど、輸出者は代金回収の遅延や送金不履行のリスクを負います。双方の折り合いをつける方法として、一部を前払いにして残りを貨物の船積書類の受領後に送る、といった分割も用いられます。

信用関係がまだ確立していない取引では、銀行が支払いに関与するL/C(信用状)決済と組み合わせる方法もあります。T/TとL/Cの使い分けは、記事末尾のよくある質問でも取り上げます。

出典・参考資料(2件)

国内の「電信振替」(ゆうちょ銀行)との違い

検索で紛れ込みやすいのが、ゆうちょ銀行の「電信振替」です。これは海外への電信送金とは別物で、ゆうちょ銀行は次のように説明しています。

電信振替 送金人様の口座から受取人様の口座に、口座の預り金を即時に振り替える送金方法です。

出典:電信振替|ゆうちょ銀行

電信振替は、ゆうちょ口座どうしで預り金を即時に振り替える国内の送金で、料金は1件あたり100〜146円です。SWIFTや中継銀行を経由して数営業日かけて海外へ届ける電信送金とは、範囲(国内か国際か)・着金までの時間・費用の桁が大きく異なります。海外の取引先への支払いを考えている場合は、ゆうちょの電信振替ではなく、本記事で解説する海外への電信送金が対象になります。

出典・参考資料(1件)

電信送金と国内銀行振込の違い

海外への電信送金と、普段使う国内の銀行振込は、どちらも「口座から口座へお金を送る」点では同じですが、経路・時間・費用が異なります。国内の銀行振込は、国内の銀行をつなぐ決済ネットワークを通じて行われ、多くの場合その日のうちか翌営業日には着金し、手数料も数百円程度にとどまります。

一方、海外への電信送金は、SWIFTを通じて海外の受取人取引銀行へ支払指図を送り、必要に応じて中継銀行を経由します。そのため着金まで数営業日かかり、後述するように送金手数料に加えて中継銀行や受取銀行でも手数料がかかる多層的な費用構造になります。

為替の両替を伴う点も、同一通貨でやり取りする国内振込との大きな違いです。「海外送金は国内振込の延長」と考えると、日数や手数料の見立てを誤りやすいため、別の仕組みとして押さえておきましょう。

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国内の銀行振込と海外電信送金の違い経路着金までの時間手数料為替
国内の銀行振込国内の決済ネットワーク(全銀システム)で完結当日〜翌営業日が中心数百円程度原則なし(同一通貨)
海外への電信送金SWIFTを通じ、必要に応じて中継銀行を経由して海外の銀行へ海外の受取銀行まで3〜4営業日以上(経由銀行・仕向国で変動)送金手数料に中継銀行・受取銀行の手数料が重なる多層構造外貨両替に伴う為替手数料(レートへの上乗せ)がかかる
出典・参考資料(1件)

電信送金の手数料|送金・為替・中継銀行・受取銀行の多層コスト

電信送金の費用は、送金手数料だけではありません。実際には複数の手数料が重なります。ジェトロは、送金に伴って発生する銀行手数料として「電信料、コルレスチャージ、リフティングチャージ、取扱料など」があると説明しています。おおまかには、次の要素が積み重なると考えると把握しやすくなります。

  • 送金手数料:送金を依頼した銀行に支払う基本的な手数料
  • 為替手数料:円を外貨に替える際などにかかる手数料。為替レートに上乗せされる形で差し引かれる(円貨で送る場合の円為替取扱手数料など)
  • 中継銀行(コルレス銀行)手数料:送金銀行と受取人取引銀行の間を取り次ぐ銀行でかかる手数料
  • 受取銀行手数料:受取人の取引銀行が入金時に受取人へ請求することがある手数料
電信送金の手数料が多層構造であることを示した図解。送る側が支払う送金額に対し、送金手数料・為替手数料・中継銀行(コルレス銀行)手数料・受取銀行手数料の4種類の手数料が重なり、受取人の手元に届く受取額が送った金額より目減りすることがあることを示す。

送金手数料そのものの目安も押さえておきましょう。三井住友銀行の場合、海外への送金手数料は、法人向け電子バンキング(EB/Global e-Tradeサービス)で1件あたり2,500〜3,500円、窓口での依頼では7,000〜7,500円です。この金額は2026年10月に確認した2026年2月付の同行公式案内によります。

これに加えて、関係銀行手数料(依頼人負担で1件2,500円から。経由銀行の請求が4,000円を超えた分は後日追加)や、円建送金の円為替取扱手数料(最低2,500円)が別途かかります。ネット銀行や送金に特化したサービスではこれより低い例もあり、記事後半で比較します。

三井住友銀行は、受取人取引銀行や経由銀行でかかる手数料を「関係銀行手数料」と呼び、これが送金手数料とは別にかかると案内しています。

関係銀行手数料とは受取人取引銀行や経由銀行等でかかる手数料のことです。
(中略)関係銀行手数料を依頼人負担とした場合、送金取組時に関係銀行手数料(2,500円)をお支払いいただきます。受取人取引銀行や経由銀行からの請求が4,000円を超えた場合、2,500円との差額を後日追加でお支払いいただきます。

出典:外国関係手数料のご案内(PDF・2026年2月付、2026年10月に確認)|三井住友銀行

上記は三井住友銀行の例で、金額や条件は銀行・時期によって異なります。共通していえるのは、同じ1万円を送っても、送金手数料だけでなく経由する銀行の手数料や為替の上乗せが重なり、送った金額と受取人が実際に受け取る金額が一致しないという点です。費用を見積もるときは、送金手数料だけでなくこれらの合計で比べることが欠かせません。

出典・参考資料(2件)

手数料の負担区分(OUR/SHA/BEN)と、受取額が目減りする仕組み

海外送金では、中継銀行や受取銀行でかかる手数料を「送金する側」と「受け取る側」のどちらが負担するかを指定します。SWIFTの様式では、この負担区分にOUR・SHA・BENというコードが使われます。三菱UFJ銀行の外国送金フォーマットでは、各コードが次のように定義されています。

負担区分 「OUR」依頼人負担 「SHA」受取人負担 「BEN」手数料全額受取人負担

出典:被仕向外国送金 入金情報ファイル フォーマット(全銀形式)|三菱UFJ銀行

もっとも、日本の銀行の実際の申込画面では、OUR・SHA・BENの3択ではなく「依頼人(送金人)負担」か「受取人負担」かの2択で示されることが多くなっています。たとえば三井住友銀行や楽天銀行では、関係銀行手数料・中継銀行手数料を送金する側が負担するか受取人が負担するかを選ぶ形です。重要なのは、依頼人負担を選んでも、受取人の取引銀行や経由銀行が入金時に別途手数料を差し引く場合があるという点です。

関係銀行手数料を依頼人負担とした場合でも、受取人取引銀行や経由銀行によっては、受取人口座へ入金する際に、受取人に別途手数料を請求することがあります。

出典:外国送金手数料(PDF)|三井住友銀行

このため、送る側で手数料を負担したつもりでも、受取人の手元に届く金額が送金額より少なくなることがあります。取引先に満額を届けたい場合や、輸出代金を目減りさせたくない場合は、どの負担区分で送るか、経由銀行でどの程度差し引かれる可能性があるかを事前に確認しておくことが大切です。

出典・参考資料(3件)

電信送金は着金まで何営業日かかるか

海外への電信送金は、国内振込のように即日・翌日に届くとは限りません。SWIFTを通じて複数の銀行を経由するため、着金まで数営業日かかるのが一般的です。目安として、ソニー銀行は海外の金融機関への送金・受取について「3〜4営業日以上」と案内しています。

送金先 着金までの日数(目安)
国内の金融機関 当日~2営業日
海外の金融機関 3~4営業日以上

出典:海外への送金(着金までの日数の目安)|ソニー銀行

また、銀行の窓口で受け付けてから送金が実行されるまでにも日数がかかります。三菱UFJ銀行は、店頭窓口での受付日から送金実行日まで3営業日程度を要すると案内しています。

実際の着金日数は、経由する中継銀行の数・仕向国(送金先の国)・通貨によって変動します。窓口での受付から送金実行までに数営業日、そこから海外の受取銀行への着金までにさらに3〜4営業日以上かかるため、合わせて1週間程度を見込んでおくと安全です。急ぎの支払いや納期のある取引では、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

出典・参考資料(2件)

電信送金の依頼に必要な情報と手続きの流れ(SWIFT/BIC・IBAN)

電信送金を依頼するときは、受取人や受取人の取引銀行を正確に特定するための情報が必要です。青森みちのく銀行は、外国送金に必要な事項として次の項目を挙げています。

① 受取人名 ② 受取人住所(州・省、都市を含む全ての住所をご確認ください。) ③ 受取人取引銀行名 ④ BIC(SWIFT)コード(8桁または11桁) ⑤ 受取人口座番号(IBAN コードなど)

出典:外国送金 ご依頼内容(必要事項)|青森みちのく銀行

このうちBIC(SWIFT)コードは、送金先の銀行を特定するための金融機関識別コードです。IBAN(International Bank Account Number)は、主に欧州圏で使われる、受取人の口座を特定するための統一規格のコードで、IBAN採用国あてにはBIC(SWIFT)コードとあわせて必須になります。

同行は、これらの情報が未入力だと「組戻や着金遅延、追加照会の手数料発生等に繋がる可能性」があると注意を促しています。受取人からこれらの情報を正確に受け取り、入力間違いがないよう確認することが、スムーズな着金の前提になります。

依頼から着金までのおおまかな流れは、次のとおりです。

  1. 送金銀行に外国送金を申し込む(受取人名・受取人取引銀行名・BIC(SWIFT)コード・口座番号などを提出)
  2. 送金資金と手数料を払い込む
  3. 送金銀行がSWIFTを通じて受取人取引銀行へ支払いの指図を送る(必要に応じて中継銀行を経由)
  4. 受取人の口座に入金され、着金の案内が届く
出典・参考資料(2件)

電信送金で失敗しないための注意点(組戻し・BEC詐欺・受取額の目減り)

電信送金は便利な一方で、情報の間違いや詐欺による損失が起きやすい取引でもあります。送金前に、次の3点を押さえておくと失敗を防ぎやすくなります。

1つ目は、受取人情報の間違いによる組戻し(送金の取り消し・返金手続き)です。受取人名・口座番号・BIC(SWIFT)コードなどに誤りがあると、後日、受取人取引銀行からの連絡を受けて内容変更や組戻しの手続きが必要になり、追加の手数料や着金の遅れにつながります。三井住友銀行も「受取人の方に正確な情報をご確認のうえ、お手続きください」と案内しています。

2つ目は、ビジネスメール詐欺(BEC)です。取引先を装った偽のメールで送金先口座の変更を求め、攻撃者の口座へ送金させる手口で、海外と取引する企業で多く確認されています。情報処理推進機構(IPA)は、口座変更などの通常と異なる依頼を受けた場合の対策として、次のように勧めています。

振込先の口座の変更といった、通常とは異なる対応を求められた場合は、送金を実施する前に、電話やFAX などメールとは異なる手段で、取引先に事実を確認することを勧めます。メールに書かれている署名欄は攻撃者によって偽装されている可能性があるため、信頼できる方法で入手した連絡先を使ってください。

出典:ビジネスメール詐欺(BEC)対策|情報処理推進機構(IPA)

一定金額以上の海外送金には複数人の承認を必須にするなど、社内のダブルチェック体制も有効です。3つ目は、先ほど触れた受取額の目減りです。負担区分の指定と、経由銀行で差し引かれる可能性を事前に確認し、取引先に届けるべき金額が不足しないよう見込んでおくことが実務上のポイントになります。

出典・参考資料(2件)
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銀行と法人向け海外送金サービス、どちらで送る・受け取るのが安く確実か

ここまで見てきたように、銀行の電信送金は、送金手数料に加えて中継銀行・受取銀行の手数料や為替の上乗せが重なり、着金まで数営業日かかります。このコストや時間を抑える手段として、銀行以外にも資金移動業者が提供する法人向けの海外送金サービスがあります。立場によって選ぶ手段が分かれるため、2つの読者像に分けて整理します。

1つは、海外の取引先へ支払う側です。送金手数料や為替コストを抑えたい場合、独自の送金ネットワークや明示的な手数料体系を持つ海外送金サービスが選択肢になります。もう1つは、海外から輸出代金を受け取る側です。受け取りに特化したサービスを使うと、中継銀行を介さずに現地の国内送金で受け取れる仕組みなどにより、手数料や着金の見通しを改善できる場合があります。

受け取る側では、海外からの入金が銀行明細に「被仕向送金」として表れ、受け取り時にも手数料が差し引かれます。この受け取り側の手数料の内訳や着金日数の目安を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

以下は、それぞれの用途に適したサービスの比較です。いずれも手数料や為替の仕組みに違いがあるため、送金額・通貨・送金か受取かという自社の用途に照らして選ぶことが大切です。

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海外送金サービスの比較(送る側・受け取る側別)ラクヤス決済 振込Wise BusinessPayoneer(ペイオニア)PayForex(ペイフォレックス)
対応する方向受け取り(海外からの代金受取専用。海外への支払いには非対応)送金・受け取りの両方(1つの多通貨アカウントで完結)受け取り中心(送金はユーザー間送金・請求書払いに対応)送金(日本から海外への支払い。1回100万円相当以下)
主な手数料・為替コスト初期費用30,000円+決済処理手数料1回あたり1,500〜2,000円。為替手数料は通貨により変動(料率非公開)。中継銀行を経由しない受取で費用を抑えるアカウント開設無料(外貨口座情報の設定は1回3,000円)。送金手数料0.27%〜(通貨ペア・入金方法で変動)。為替はミッドマーケットレート(仲値)を上乗せなしで適用アカウント開設無料(年間手数料29.95USDは直近12か月の受取が6,000USD未満の場合のみ)。現地通貨の受取アカウント経由の受取は無料、その他通貨は一律または1%。日本の銀行への出金は手数料なし(為替に上乗せあり)登録料・月額使用料は無料。送金手数料は宛先・金額で変動(米国向けはACH1,480円・SWIFT1,980円、60万円以上は無料の帯あり)。為替はTTSレート基準に原則0.5〜30%のスプレッド
対応通貨・範囲11の国と地域の現地口座(USD・EUR・HKD・SGD・THBなど。ASEANを含む)40種類以上の通貨を保有可能、支払い・受け取りは21通貨に対応受取アカウントは20通貨、150以上の国・地域で決済40種類以上の通貨、200以上の国・地域への送金に対応
向いているケース海外取引先からの輸出代金を、現地口座への国内振込で受け取りたい輸出企業海外への支払いと受け取りを1アカウントでまとめ、為替の上乗せを抑えたい企業マーケットプレイスや海外取引先からの売上を外貨で受け取りたい企業日本から海外の取引先へ少額〜中額(1回100万円以下)の支払いをしたい企業
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

ここで取り上げたのは代表的な4サービスです。銀行・ネット銀行・海外送金専門サービスを横断して、より多くの選択肢を手数料・為替コストで比較検討したい場合は、以下の記事で法人向け海外送金サービスを比べています。

1. ラクヤス決済 振込(株式会社RemitAid)

ラクヤス決済 振込の公式サイト

株式会社RemitAidが提供する「ラクヤス決済 振込」は、海外からの入金(受け取り)に対応する海外送金サービスです。日本の輸出企業が海外の取引先から代金を受け取る用途に向いています。

海外の取引先が現地の国内送金で支払う形をとり、中継銀行を介さない仕組みにより、受け取り時のコストや着金の透明性を高められる点を特徴としています。一方で、公開されている情報の範囲では、日本から海外への送金(仕向送金)には対応していないため、海外へ支払う手段としてではなく、輸出代金を受け取る側の選択肢として位置づけられます。

銀行の電信送金で重なる手数料を、現地口座での受け取りに切り替えた場合にどの程度変わるのか。株式会社RemitAidの枝氏は、既存の決済サービスから移行した企業のコスト面について次のように述べています。

枝氏
株式会社RemitAid 事業推進責任者
枝氏
独自インタビューより

正直なところ、数字は条件次第なので一律には言いにくいです。ただ事例としては、3ヶ月で約8,000万〜1億円規模の輸出をしている企業が、既存の決済サービスから当社へ移行したことで、3ヶ月で約60万円のコスト削減につながったケースがあります。年換算でいうと、例えば年3億円程度の取引がある企業で、移行するだけで年間200万〜300万円の削減が見込めるケースもあります。

具体的な手数料やサービスの提供条件、安全性に関わる登録状況などは、導入前に資料や公式の案内で確認することをおすすめします。

2. Wise Business(ワイズ・ビジネス法人アカウント)

Wise Business(ワイズ・ビジネス法人アカウント)の公式サイト

Wise Business(ワイズ・ビジネス法人アカウント)は、海外への送金・受け取り・外貨への両替を1つの法人アカウントでまとめて扱えるサービスです。日本ではワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が資金移動業者として提供しています。

為替には銀行間で使われる実勢の中間レートを用い、送金手数料を別途わかりやすく提示する方式をとっています。銀行の電信送金では為替レートへの上乗せや関係銀行手数料が見えにくいのに対し、費用の内訳を把握しやすい点が、海外へ支払う側・受け取る側の双方にとっての特徴です。

3. Payoneer(ペイオニア)

Payoneer(ペイオニア)の公式サイト

海外の取引先やマーケットプレイスからの代金受け取りを主な用途とするのが、Payoneer(ペイオニア)です。日本では Payoneer Inc. とペイオニア・ジャパン株式会社が共同で提供し、日本居住者向けサービスはペイオニア・ジャパン株式会社が資金移動業者として登録を受けています。

受け取り用の現地通貨アカウントを持てるほか、残高からの送金や、請求書にもとづく支払い(Make-a-Payment)にも対応しています。手数料は、受け取りや両替、年間のアカウント手数料などが用途ごとに定められています。海外から売上を回収する機会が多い企業に向いたサービスといえます。

4. PayForex(ペイフォレックス)

PayForex(ペイフォレックス)の公式サイト

PayForex(ペイフォレックス)を運営するのは、Queen Bee Capital株式会社です。40種類以上の通貨、200以上の国・地域への送金に対応し、法人アカウントも用意しています。資金移動業者として関東財務局長の登録を受けています。

送金手数料は宛先や金額帯によって異なり、たとえば米国向けではACHで1,480円、SWIFTで1,980円、一定額(60万円)以上では無料になる帯が設けられています。これとは別に為替のスプレッド(上乗せ)がかかるため、費用は送金手数料だけでなく為替分も含めた総額で比較することが大切です。

現時点では、1回あたりの送金上限が100万円相当以下に設定されています。金額・条件は変更されることがあるため、利用前に公式の最新情報を確認してください。

まとめ

電信送金とは、銀行がSWIFTという銀行間ネットワークを通じて、受取人の取引銀行へ支払いの指図を電信で送る送金方法です。海外送金の手段としての電信送金、貿易決済のT/T、そして名前の似たゆうちょ銀行の国内「電信振替」は区別して捉える必要があります。

費用は、送金手数料に加えて中継銀行・受取銀行の手数料や為替の上乗せが重なる多層構造で、負担区分の指定によっては受取人の手元に届く金額が目減りします。着金までは、海外の受取銀行まで3〜4営業日以上、銀行での受付からの通算では1週間程度を見込んでおくと安全です。送金の際は受取人情報を正確に確認し、口座変更の依頼はメール以外の手段で裏取りすることで、組戻しやビジネスメール詐欺による損失を防げます。

銀行の電信送金のコストや手間を抑えたい場合は、海外へ支払う側・受け取る側それぞれに適した法人向けの海外送金サービスも選択肢になります。自社の用途・送金額・通貨に合わせて、手数料と着金の見通しを比べて選びましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 電信送金とは何ですか?

A. 電信送金とは、送金する銀行が、受取人の取引銀行あてに支払いの指図を電信で送って資金を届ける送金方法です。海外への送金では、SWIFT(国際銀行間通信協会)という銀行間ネットワークを通じて指図をやり取りし、送金銀行と受取人取引銀行に直接の取引関係がない場合は中継銀行を経由します。

英語では Wire Transfer、貿易実務では Telegraphic Transfer を略して「T/T送金」とも呼ばれます。

出典・参考資料(2件)

Q. 電信送金と電信振替はどう違いますか?

A. 電信送金はSWIFT経由で海外の銀行へ資金を送る国際送金、電信振替はゆうちょ銀行の口座間で預り金を即時に振り替える国内送金で、名前は似ていますが別物です。ゆうちょ銀行の電信振替は料金が1件あたり100〜146円で即時に完了しますが、海外への電信送金は着金まで数営業日かかり、送金手数料に加えて中継銀行・受取銀行の手数料も重なります。

海外の取引先への支払いを考えている場合に対象となるのは、電信振替ではなく海外への電信送金です。

出典・参考資料(1件)

Q. 電信送金の手数料には何がどれくらいかかりますか?

A. 電信送金では、依頼した銀行に払う送金手数料のほかに、為替手数料・中継銀行(コルレス銀行)手数料・受取銀行手数料が重なってかかります。ジェトロは、送金に伴う銀行手数料として電信料・コルレスチャージ・リフティングチャージ・取扱料などがあると説明しています。

金額は銀行・時期・送金先によって異なり、たとえば三井住友銀行では、受取人取引銀行や経由銀行でかかる関係銀行手数料を依頼人負担にすると送金時に2,500円(本記事リサーチ時点・2026年10月の公式PDF記載。請求が4,000円を超えた場合は差額を後日追加負担)とされています。

送金手数料だけで比べず、為替レートへの上乗せも含めた総額で見積もることが大切です。

出典・参考資料(2件)

Q. 電信送金で受取人に届く金額が送金額より少なくなるのはなぜですか?

A. 中継銀行や受取銀行が入金時に手数料を差し引くことがあり、送金額の満額が受取人に届かない場合があるためです。海外送金では、これらの手数料を送る側と受け取る側のどちらが負担するかを指定します。

SWIFTの様式ではOUR(依頼人負担)・SHA・BENというコードが使われますが、日本の銀行の申込画面では「依頼人(送金人)負担か受取人負担か」の2択で示されることが多くなっています。三井住友銀行は、依頼人負担を選んでも、受取人取引銀行や経由銀行が入金時に受取人へ別途手数料を請求することがあると案内しています。

取引先に満額を届けたい場合は、どの負担区分で送るか、経由銀行でどの程度差し引かれる可能性があるかを事前に確認しておくことが大切です。

出典・参考資料(2件)

Q. 電信送金は着金まで何営業日かかりますか?

A. 海外の受取銀行への着金まで3〜4営業日以上、銀行での受付からの通算では1週間程度を見込んでおくのが安全です。ソニー銀行は海外の金融機関への送金・受取を「3〜4営業日以上」、三菱UFJ銀行は店頭窓口での受付日から送金実行日まで3営業日程度と案内しています。

実際の着金日数は、経由する中継銀行の数・仕向国(送金先の国)・通貨によって変動するため、納期のある取引や急ぎの支払いでは余裕を持ったスケジュールを組んでください。

出典・参考資料(2件)

Q. 電信送金を依頼するには何の情報が必要ですか?

A. 受取人名・住所、受取人の取引銀行名、BIC(SWIFT)コード、受取人の口座番号(IBAN採用国あてはIBANコード)が必要です。BIC(SWIFT)コードは送金先の銀行を特定する8桁または11桁の金融機関識別コード、IBANは主に欧州圏で使われる口座特定用の統一規格コードです。

青森みちのく銀行は、これらが未入力だと組戻しや着金遅延、追加照会の手数料発生につながる可能性があるとしており、受取人から情報を正確に受け取り、入力間違いがないよう確認することがスムーズな着金の前提になります。

出典・参考資料(1件)

Q. 貿易の支払いで、T/T送金とL/C(信用状)はどう使い分けますか?

A. 信頼関係のできた継続取引では手続きが簡便なT/T送金、代金回収の確実性を高めたい初回・未確立の取引では銀行が間に入るL/C(信用状)決済、という使い分けが一般的です。ジェトロは、前払いの比率を高くするほど輸出者の代金回収リスクは下がる一方で輸入者は品質違い・納期遅れのリスクを負い、後払いの比率が高いほど輸出者が回収や送金不履行のリスクを負うと整理しています。

リスクを抑える方法として、一部を前払い送金し残金を信用状決済にするなど、T/TとL/Cを組み合わせる形も実務で用いられます。

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Q. 電信送金で送金ミスやビジネスメール詐欺(BEC)を防ぐにはどうすればよいですか?

A. 送金先口座の変更など通常と異なる依頼を受けたら、送金する前に必ず電話などメール以外の手段で取引先に事実を確認することが最も重要です。情報処理推進機構(IPA)は、メールの署名欄は攻撃者に偽装されている可能性があるため、信頼できる方法で入手した連絡先(メール記載ではなく既知の電話番号)を使うよう勧めています。

あわせて、一定金額以上の海外送金には複数人の承認を必須にするダブルチェック体制が有効です。受取人名・口座番号・BIC(SWIFT)コードの入力間違いは組戻し(送金の取り消し・返金手続き)や着金遅延を招くため、受取人情報を正確に確認することも欠かせません。

出典・参考資料(2件)

Q. 電信送金は銀行と海外送金サービスのどちらが安いですか?

A. 一概にどちらが安いとはいえず、送金額・通貨・送金か受取かという自社の用途ごとに、送金手数料と為替の上乗せを合わせた総額で比べて選ぶのが確実です。銀行の電信送金は、送金手数料に中継銀行・受取銀行の手数料や為替レートへの上乗せが重なり、費用の内訳が見えにくくなりがちです。

一方、資金移動業者が提供する法人向けの海外送金サービスには、中継銀行を介さずに受け取れる仕組みや、実勢レートと手数料を分けて提示する方式など、コストや透明性に工夫を凝らしたものがあります。本記事で紹介したサービスのように、海外へ支払う側・受け取る側それぞれの用途に適した選択肢を、手数料と着金の見通しで比較するとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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