海外の仕入先や外注先への支払い、海外子会社への送金のたびに、銀行の窓口で数千円の手数料を払っていませんか。海外送金のコストは、窓口で示される送金手数料だけでは決まりません。為替レートに上乗せされるスプレッドや、経由する中継銀行の手数料、受取側で差し引かれる手数料まで含めると、相手に届く金額は想定より目減りしていることが少なくありません。
毎月の海外送金が積み重なる法人ほど、この「見えにくいコスト」の差は無視できません。銀行・ネット銀行・海外送金専門サービスのどれを使うかで、同じ金額を送っても相手の受取額は大きく変わります。では、手数料の総額が本当に安い送金手段はどう見極めればよいのでしょうか。
本記事では、法人向けの海外送金サービスを送金手数料・為替コスト・中継銀行手数料・受取手数料という総額(相手にいくら届くか)で横並びに比較し、自社の送金通貨・金額・頻度に合った安い手段を選べるように整理しました。あわせて、手数料の負担区分(OUR/SHA/BEN)や消費税・国外送金等調書といった経理実務の論点も解説します。
また、自社の送金通貨・金額・頻度から適した送金手段を絞り込めるかんたん診断ツールも用意しています。どの手段が合うか迷う場合は、あわせてご活用ください。
目次
一括ダウンロードする
海外送金でかかる手数料の内訳(送金手数料・為替コスト・中継銀行手数料・受取手数料)
海外送金の手数料を比べる前に、まず費用の全体像を押さえます。海外送金のコストは1種類ではなく、送金のしかたによって次の4つの手数料が組み合わさって発生します。比較表の各列はこの4要素に対応しているため、ここを理解しておくと「どこで差がつくか」が見えてきます。
送金手数料(1件ごとの基本料金)
送金を依頼する金融機関やサービスに支払う基本料金です。1件あたりの固定額で設定されていることが多く、銀行の窓口送金では数千円かかる一方、インターネットバンキングや海外送金専門サービスを使うと安く抑えられる傾向があります。同じ銀行でも、窓口よりオンライン(法人向けインターネットバンキング)での依頼のほうが低く設定されているのが一般的です。
為替コスト(為替手数料・為替スプレッド)
円を外貨に替えるときに発生するコストで、送金手数料と並んで総額を左右する要素です。多くの銀行では、基準となる為替レート(仲値=ミッドマーケットレート)に金融機関の利益分を上乗せしたレートが適用されます。この上乗せ分が「為替スプレッド」で、送金手数料のように明細に金額表示されないため見えにくいのが特徴です。送金額が大きいほど影響も大きくなります。
海外送金専門サービスの一部は、この仲値に近いレートを使い、為替コストを明示する料金体系を採っています。為替スプレッドが小さいほど、同じ金額を送っても相手の受取額は増えます。
中継銀行手数料(コルレス手数料)
銀行の国際送金は、SWIFT(国際銀行間通信協会)のネットワークを通じて行われます。送金銀行と受取銀行が直接の取引関係(コルレス契約)を持たない場合、間に中継銀行(コルレス銀行)が入り、その中継銀行が手数料を差し引きます。中継銀行手数料は経路によって発生の有無や金額が変わり、送金前に正確な金額が分かりにくいのが難点です。複数の中継銀行を経由すると、そのたびに差し引かれることもあります。
一方、独自の送金ネットワークを持つ海外送金専門サービスでは、SWIFTを経由せず中継銀行手数料が原則発生しない設計のものがあります。これも総額の差につながります。
受取手数料・リフティングチャージ
受取側の銀行で差し引かれるのが受取手数料です。送金人・受取人のどちらが負担するかは、後述の負担区分(OUR/SHA/BEN)の指定によって変わります。また、円を外貨に替えずに同じ通貨のまま送る場合などに「リフティングチャージ」と呼ばれる手数料がかかることもあります。これらは受取側や送金の条件で発生するため、送金手数料だけを見ていると見落としがちなコストです。
手数料相場の目安(通貨・金額別の金額例)
2026年10月時点における法人の海外送金手数料は、送金手段によって次のような水準が目安になります(各サービスの実額は後述の比較表を参照してください)。
- 銀行の窓口送金:1件あたり7,000円前後(メガバンクの仕向送金手数料の水準)
- 銀行のインターネットバンキング(法人向け外為Webサービス):1件あたり2,000〜4,000円程度
- ネット銀行:1件あたり1,000〜3,500円程度
- 海外送金専門サービス:数百円〜、または送金額に対する一定率(為替コストを含めた総額で比べる必要あり)
ただし、これらは送金手数料の目安にすぎません。為替スプレッドや中継銀行手数料を含めると順位が入れ替わることもあるため、次に説明する「総額」の考え方で比べることが重要です。
「相手にいくら届くか」で比べる(表示される送金手数料でなく実質総額で比較する)
海外送金の手数料を比較するうえで最も大切なのは、表示される送金手数料の安さではなく、同じ金額を送ったときに相手の口座にいくら届くか(実質的な総額)で見ることです。送金手数料が安くても為替スプレッドが大きければ、トータルでは割高になることがあります。
総額は、おおまかに「送金手数料+為替コスト(スプレッド)+中継銀行手数料+受取手数料」で決まります。たとえば送金手数料が1,000円安くても、為替スプレッドで数千円分多く取られていれば、相手の受取額はむしろ少なくなります。比較の際は、各手数料を別々に見るのではなく、送金額に対して最終的にいくら差し引かれ、相手にいくら届くのかという一本の物差しで並べることが、法人のコスト判断では欠かせません。
具体例で考えます。1万米ドル(1米ドル=155円の想定で約155万円)を海外の取引先の銀行口座へ送る場合、仲値を使う海外送金専門サービスでは為替への上乗せが生じず、コストは送金手数料にほぼ集約されます。
たとえばGMOあおぞらネット銀行(powered by Wise)の公式試算例では、1万米ドルの送金で送金手数料が約11,351円、為替手数料は0円(仲値)です(1米ドル=155円想定の例で、実額は送金時のレートで変わります)。
一方、銀行のインターネットバンキング送金は送金手数料が2,500〜4,000円程度と一見安く見えますが、ここに為替スプレッド(対顧客電信相場への上乗せ)と中継銀行手数料が加わります。送金手数料の表示額だけでは銀行が有利に見えても、1万米ドル規模では為替スプレッドが効き、総額では仲値の専門サービスを上回ることが少なくありません。
注意したいのは、銀行の為替スプレッドが「対顧客電信売買相場に含む」として実額を公式に示していない点です。このため銀行では、送金前に総額を正確に読みにくいという弱点があります。
総額を事前に把握して抑えたいなら、仲値を明示し手数料が一本化された専門サービスのほうが比べやすく、選びやすいといえます。この記事の比較表は送金手数料・為替コスト・中継銀行手数料・受取手数料を並べているので、表示される送金手数料だけでなく、この4要素を合わせた総額の観点で読んでください。
送金手段タイプ別の手数料の出方(銀行・ネット銀行・海外送金専門サービス)
法人が海外送金に使える手段は、大きく「銀行(メガバンク・都市銀行)」「ネット銀行」「海外送金専門サービス(資金移動業者)」の3タイプに分かれます。タイプごとに手数料の構造や為替コストの出方が異なるため、まずは自社がどのタイプを軸に検討すべきかの見当をつけておくと、比較表が読みやすくなります。
銀行(メガバンク・都市銀行)
SWIFTを通じた国際送金で、高額送金や信用状(L/C)を伴う貿易取引にも対応できるのが強みです。既存の取引銀行で送金・資金管理を一元化したい法人に向きます。一方で、送金手数料は窓口で数千円と高めで、為替スプレッドや中継銀行手数料が明細で見えにくく、総額では割高になりやすい傾向があります。
ネット銀行
店舗を持たずオンラインで送金が完結し、送金手数料・為替手数料を店舗型の銀行より抑えやすいのが特徴です。口座と海外送金を同じ画面で管理したい法人や、定型的・継続的な海外支払いがある法人に向きます。銀行口座としての安心感を保ちつつコストを下げたい場合の選択肢になります。
海外送金専門サービス(資金移動業者)
資金移動業者として登録し、独自ネットワークで中継銀行手数料を原則不要にしたり、仲値に近い為替レートを使ったりして、料金を明示しているのが特徴です。小口〜中口で頻度の高い海外送金や、海外委託費・サブスクリプションの支払いなどでコストを抑えたい法人に向きます。銀行と比べて1回あたりの送金上限が設けられている場合があるため、大口送金では上限の確認が必要です。
3タイプの手数料の出方を整理すると、次のとおりです。
| タイプ | 送金手数料 | 為替コスト | 中継銀行手数料 | 向いている法人 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行(メガバンク・都市銀行) | 高め(窓口で数千円) | スプレッドが見えにくい | 発生しやすい | 高額送金・貿易金融・既存取引の一元化 |
| ネット銀行 | 中程度 | 銀行より抑えやすい | 発生する場合あり | 定型的・継続的な海外支払い |
| 海外送金専門サービス(資金移動業者) | 低め(定額・定率) | 仲値に近い料金体系あり | 原則不要の設計あり | 小〜中口・高頻度・コスト重視 |
ここからは、自社の条件に合う手段を診断ツールで絞り込んだうえで、具体的なサービスの手数料を比較していきます。
一括ダウンロードする
【比較表】法人向け海外送金サービスの手数料を横並び比較
ここからは、法人が利用できる主な海外送金サービスの手数料を横並びで比較します。送金手数料だけでなく、為替コスト・中継銀行手数料・受取手数料・対応通貨・安全性(資金移動業の登録・銀行の別)もあわせて並べ、総額で判断できるように整理しました。自社の送金通貨・金額・頻度に照らして、どの手段が安く済むかを確認してください。
各社で料金体系が異なり(1件あたりの定額、送金額に対する定率、為替に含める方式など)、送金手数料の列だけでは単純に大小を比べられません。前述のとおり、為替コストまで含めた総額で読んでください。銀行の為替スプレッドのように実額が公表されていない項目は「公式非公表」と記載しています。
| サービス名 | Wise Business | Payoneer | SBIレミット | PayForex | GMOあおぞらネット銀行 | 楽天銀行 | ドコモSMTBネット銀行(旧 住信SBIネット銀行) | 三菱UFJ銀行 | 三井住友銀行 | SBJ銀行 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | 海外送金専門サービス(資金移動業者) | 海外送金専門サービス(受取・一括支払い基盤) | 海外送金専門サービス(資金移動業者) | 海外送金専門サービス(資金移動業者) | ネット銀行 | ネット銀行 | ネット銀行 | 店舗型・メガバンク | 店舗型・メガバンク | 店舗型銀行(在日銀行) |
| 送金手数料 | 送金額の0.27%〜(通貨・入金方法で変動) | Payoneer間送金が中心(異国間1%・最低4.00USD/同一国内は最大4.00USD) 任意の銀行宛SWIFT送金は公式に案内なし | 460円〜(送金額・国・受取方法で変動) | 宛先・金額・受取方法で変動(最低送金額7,000円) 60万〜100万円帯は多くの送金方法で無料 | 送金金額・通貨・国により変動(例: 1万米ドル送金で11,351円) | 1取引1,000円(円建ては円貨送金手数料2,500円が別途加算) | 3,500円/件(別途 初期導入手数料55,000円・税込) | 店頭・外国送金Webサポート+ 7,000円/BizSTATION・MUFG Biz 在外支店あて3,000円・他行あて3,500円 (別途 円為替取扱手数料 送金額の0.050%・最低2,500円) | 窓口 7,000〜7,500円/EB・Global e-Trade 2,500円〜 (別途 リフティングチャージ/円為替取扱手数料 送金額の0.05%・最低2,500円) | 円建て 取扱手数料3,000円+為替手数料1,000〜1,500円(金額帯別) ウォン建ては取扱手数料2,000円(2024年10月時点) |
| 為替コスト | ミッドマーケットレート(仲値)を上乗せなしで適用 | 通貨換算0.50%(銀行引き出し時は1.2〜4%、為替レートに内包) | 公式手数料ページに記載なし(送金シミュレーションで要確認) | TTS基準に0.5〜30%のスプレッドを上乗せ(規約上の幅。実率はシミュレーターで確認) | 0円(ワイズ社のミッドマーケットレートをそのまま適用) | 所定の為替手数料をレートに加算(外貨建て送金時) | 通貨ごとに定額(米ドルは1ドルあたり6銭) 外貨口座から同通貨送金は為替コストなし | 対顧客電信売買相場に含む(実額は公式非公表) | 対顧客電信売買相場に含む(実額は公式非公表) | 外貨建ての為替レート・スプレッド幅は公式非公表(円建ては上記の為替手数料) |
| 中継銀行手数料 | 公式に中継手数料の記載なし(独自ネットワークで送金) | 料金表に中継銀行手数料の項目なし(SWIFT型送金ではないため) | 送金人負担は原則追加なし/受取人負担は中継・受取銀行手数料が差し引かれる場合あり | 発生する場合あり・着金まで金額不明(送金人負担は着金額指定サービス2,500円/回) | 米国以外へのUSD送金はSWIFT利用のため発生する場合あり | 1,000円(送金人負担時)。中継・受取銀行の実費が別途加算される場合あり | 2,500円/件(送金人負担時。受取人負担時は送金額から差引) | 送金人負担時は支払銀行手数料3,000円(後日10万円超は差額追加) | 依頼人負担時 2,500円/件(後日4,000円超は差額追加) | 新韓銀行以外は中継銀行経由で別途発生(実額は公式非公表) |
| 受取手数料 | 現地(国内)送金での受取は無料/SWIFT受取は通貨別の固定手数料(例: 6.11USD) | 外貨受取はローカル通貨が無料/非ローカル通貨1%(最低1.00USD) | 受取方法(現金受取・口座受取)により送金手数料に含む | 独立記載なし(中継・受取銀行手数料に含む扱い) | 受取・中継銀行で差し引かれる場合あり(USD等のSWIFT送金時) | 受取人負担(受取銀行により変動) | 受取銀行により発生する場合あり(受取人負担) | 受取人負担が原則(海外の経由・受取銀行による) | 受取人負担(受取銀行による) | 依頼人負担時の受取銀行手数料 新韓銀行宛3,000円/その他銀行宛5,000円 |
| 対応通貨数 | 40種類以上(保有) | 受取対応20通貨(受取専用口座の開設は9通貨) | 公表なし(送金先は世界200以上の国・地域、約350,000拠点) | 40種類以上 | 9通貨 | 60通貨以上 | 10通貨 | 外国送金12通貨(米ドル・ユーロ・英ポンド 等) | 主要通貨に対応(正式一覧は公式で要確認) | 5通貨(円・米ドル・韓国ウォン〈韓国向けのみ〉・ユーロ・英ポンド) |
| 安全性 | 資金移動業者(関東財務局長第00040号) | 第二種資金移動業者(関東財務局長第00045号) | 第二種資金移動業者(関東財務局長第00008号) | 資金移動業者(関東財務局長第00010号) | 銀行(預金取扱金融機関) | 銀行(預金取扱金融機関) | 銀行(預金取扱金融機関) | 銀行(預金取扱金融機関) | 銀行(預金取扱金融機関) | 銀行(預金保険対象・預金取扱金融機関) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※手数料・対応通貨・安全性は2026年10月時点の各社公式情報に基づく目安です。送金手数料は1件あたりの実額で、別途為替コスト・中継銀行手数料・受取手数料が加算される場合があります。最新の料金・適用条件は各社公式サイトでご確認ください。
主な法人向け海外送金サービスの特徴
比較表で挙げたサービスを、送金手段のタイプ別に紹介します。それぞれの料金体系・対応通貨・向いている法人の特徴を確認し、自社に合うサービスを見極める材料にしてください。
海外送金専門サービス(資金移動業者)
独自ネットワークや明示された料金体系で、送金コストを抑えやすいサービスです。
1. Wise Business(ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社)

1つのアカウントで40種類以上の通貨を保有・両替・送金できる法人向けアカウントです。日本では資金移動業者のワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社(関東財務局長第00040号)が運営し、英国 Wise Payments Limited のグローバル送金基盤を法人向けに提供しています。
両替には上乗せのないミッドマーケットレート(仲値)を適用し、送金手数料を送金額に対する料率(0.27%〜、通貨ペアや入金方法で変動)として明示するのが料金体系の軸です。確定額は送金前のシミュレーションで提示されます。
送金限度額は、残高からの送金で1回100万円、銀行振込を経由する送金で1回最大1.5億円までに対応します。国際送金(SWIFT)での受取には通貨ごとの固定手数料がかかります。外貨建ての支払い・受取が多く、為替コストを抑えたい中小企業の選択肢になります。
2. Payoneer(ペイオニア・ジャパン株式会社)

越境ECや海外マーケットプレイスでの売上回収を主眼に、外貨の受取・保有・送金をまとめて扱えるグローバル決済プラットフォームです。日本居住者向けには、アカウントサービスを米国の Payoneer Inc. が、カード・代金支払い(メイク・ア・ペイメント)・マスペイアウトの各サービスをペイオニア・ジャパン株式会社(第二種資金移動業者、関東財務局長第00045号)が提供しています(利用規約では両社による共同提供と記載)。
日本法人からの送金は、相手も Payoneer アカウントを持つ場合の Payoneer 間送金や、190か国以上への一括支払い(マスペイアウト)が中心です。任意の海外銀行宛に SWIFT で送る用途を公式がうたう記述は確認できず、外貨の受取・支払いの基盤という位置づけになります。
料金は、残高間の通貨換算が0.50%、日本の銀行口座への引き出しが取引金額の1.2%〜4%で、受取はローカル通貨が無料・非ローカル通貨が1%です。eBay・Walmart などの海外マーケットプレイスでの外貨売上を受け取り、現地口座の感覚で保有・精算したい越境EC事業者に向きます。
3. SBIレミット(SBIレミット株式会社)

SBIグループのSBIレミット株式会社が2010年に始めた、少額の国際送金に特化したサービスです。世界200以上の国・地域にある約350,000か所の拠点で現金を受け取れるネットワークを持ち、銀行口座を持たない受取人にも送金できます。
法人会員登録をすれば法人名義でも仕向送金に利用できますが、送金額は1回100万円相当(法人は10,000米ドル相当かつ100万円以内)・月間原則150万円まで(最大20件)の少額スキームで、個人向けと共通です。大口の貿易決済には上限の面で対応しません。
送金手数料は460円〜で、送金額・送金国・受取方法によって変わります。為替レートへの上乗せは公式の手数料ページでは確認できないため、総額は送金シミュレーションで確かめる必要があります。海外拠点の少額支払いや海外委託費・講師料など、少額・高頻度の送金を想定する法人に向きます。
4. PayForex(Queen Bee Capital株式会社)

日本国内から海外へ、銀行を介さず自社ネットワークで送金できるオンラインサービスです。運営は Queen Bee Capital株式会社で、200以上の国・地域に対応し、24時間365日オンラインで送金依頼が完結します。対応通貨は40種類以上です。
送金額は利用規約上1回100万円相当額以下が対象で、送金手数料は宛先国・金額・受取方法に応じた段階制です。60万〜100万円帯は多くの送金方法で無料になり、最低送金額は7,000円です。為替は三井住友銀行等が公表するTTSレートを基準に、規約上0.5%〜30%の範囲でスプレッドを上乗せして提示されます。
中継銀行・受取銀行の手数料は発生する場合があり、着金まで金額が分からないため、送金人が負担したいときは着金額指定サービス(2,500円/回)を使えます。CSV・Excelでの一括送金、管理者・承認者・操作者の3階層の権限分割、二要素認証、履歴の一括照会を備え、多段階の承認フローや大量送金が必要な法人に向きます。
ネット銀行
オンライン完結で、銀行口座としての安心感とコストの安さを両立しやすいサービスです。
5. GMOあおぞらネット銀行 海外送金(法人)powered by Wise(GMOあおぞらネット銀行株式会社)

GMOあおぞらネット銀行の法人口座から使う海外送金サービスで、海外への仕向送金は提携先のWise Payments Limited(ワイズ社)が実行します。円普通預金口座から送金のたびに送金通貨へ両替して送る仕組みで、日本から海外への送金に対応します。
為替レートはワイズ社のミッドマーケットレート(仲値)をそのまま使い、為替手数料は0円です。送金手数料は送金金額・通貨・送金国によって変わり、公式サイトは1万米ドルを送る場合の送金手数料を11,351円と案内しています。
対応通貨は米ドル・ユーロ・英ポンドなど9通貨で、1日あたりの送金上限は3,000万円、受付は24時間365日です。米国以外への米ドル送金はSWIFTを経由するため、中継銀行手数料が発生する場合があります。為替スプレッドを抑えて海外へ送金したい法人に向きます。
6. 楽天銀行 法人向け海外送金(楽天銀行株式会社)

ネット専業銀行の法人ビジネス口座に付帯する海外送金サービスです。楽天グループの楽天銀行株式会社が提供し、送金・受取の手続きは原則24時間オンラインで完結します。対応通貨は60通貨以上、送金先は200以上の国と地域に及びます。
送金手数料は1取引あたり1,000円で、初期導入手数料・月額使用料はかかりません。ただし送金人が中継銀行手数料を負担する場合は1,000円、円建て送金では円貨送金手数料2,500円が別途加算され、外貨建てでは為替手数料がレートに含まれます。
1オーダーあたりの送金額は円換算で原則3,000万円未満が上限です。送金手数料そのものを抑えつつ、銀行口座として海外送金を一元管理したい法人に向きます。
7. ドコモSMTBネット銀行 法人口座の外貨送金(株式会社ドコモSMTBネット銀行)

2026年8月に住信SBIネット銀行から商号変更した株式会社ドコモSMTBネット銀行(旧 住信SBIネット銀行)が、法人口座向けに提供する外貨送金サービスです。法人向けはNEOBANKブランドを継続し、送金の依頼・承認を店頭に出向かずインターネット上で行えます。
送金手数料は送金額によらず1件3,500円で、円建てで送る場合は円貨送金時手数料2,500円、中継銀行手数料は送金人負担時に2,500円がかかります。利用を始めるには、初期導入手数料として55,000円(税込)が固定で必要です。
為替コストは通貨ごとに定められ、米ドルは1米ドルあたり6銭です。対応通貨は日本円・米ドルなど10通貨で、外貨普通預金口座から同じ通貨のまま送る場合は為替コストがかかりません。送金件数が一定以上あり、初期費用を含めても総額を抑えたい法人に向きます。
店舗型銀行(メガバンク・在日銀行)
高額送金や貿易金融への対応、対面サポートを重視する法人に向くサービスです。
8. 三菱UFJ銀行 法人向け海外送金・外為Webサービス(株式会社三菱UFJ銀行)

三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三大メガバンクの一角で、海外100拠点(2025年3月末)のネットワークを背景に、法人の外国送金と貿易金融を扱います。オンライン依頼はBizSTATION/MUFG Bizの外為サービスから行え、ほかに店頭窓口や外国送金Webサポート+のチャネルがあります。
送金手数料は申込チャネルで変わり、店頭窓口・外国送金Webサポート+の海外向けは1件7,000円、BizSTATION・MUFG Bizの外為サービス経由では当行在外支店・現地法人あて3,000円・他行あて3,500円です。いずれも円為替取扱手数料(送金額の0.050%、最低2,500円)が加算されます。
対応通貨は米ドル・ユーロ・英ポンド・豪ドルなど外国送金で12通貨。輸出入信用状(L/C)や為替予約といった貿易金融を同じインターネットバンキングで扱えます。中継銀行手数料や為替スプレッドは発生しうるものの定額は公式非公表のため、大口送金や貿易取引をメインバンクでまとめたい法人に向きます。
9. 三井住友銀行 法人向け海外送金(株式会社三井住友銀行)

法人の仕向外国送金を、取扱店舗の窓口と法人向けインターネットバンキング(EB/Global e-Tradeサービス)で受け付けるメガバンクの送金です。Global e-Tradeサービスは仕向・被仕向送金に輸入信用状・輸出取引を加えた貿易金融を一体で扱い、利用には法人向け窓口ValueDoorの契約が前提になります。
送金手数料は受付経路で開き、窓口は当行海外支店・連携銀行あて7,000円・海外他行あて7,500円、EB/Global e-Tradeサービス経由は事前受付2,500円からです。外貨建てはリフティングチャージ、円建ては円為替取扱手数料(いずれも送金額の0.05%・最低2,500円)が別途かかります。
中継にあたる関係銀行手数料は依頼人負担時で1件2,500円(後日4,000円超の請求があれば差額を追加)、受取手数料は1件1,500円でGlobal e-Tradeサービス利用時は無料です。為替スプレッドは対顧客電信相場に含まれ実額は公式非公表のため、輸出入や高額送金を貿易金融とまとめたい法人の選択肢になります。
10. SBJ銀行 法人向け海外送金(株式会社SBJ銀行)

韓国の新韓金融グループの日本現地法人として設立された在日銀行です。法人向けインターネットバンキング「SBJ Biz-DIRECT」からオンラインで海外送金を申し込めるほか、国内10店舗の窓口でも手続きでき、預金保険の対象となる銀行法上の銀行です。
円貨建て送金は取扱手数料3,000円に、送金額に応じた為替手数料(100万円以下1,000円・300万円以下1,500円・300万円超は0.05%)が加わります。外貨建ては通貨で手数料が分かれ、韓国ウォン建ての取扱手数料は2,000円と、米ドル・ユーロ・英ポンド(各3,000円)より低く設定されています(2024年10月時点の料金で、最新は公式で要確認)。
対応通貨は日本円・米ドル・韓国ウォン(韓国向けのみ)・ユーロ・英ポンドの5通貨で、受取銀行手数料は韓国新韓銀行宛3,000円・その他銀行宛5,000円です。送金先が新韓銀行なら最短1営業日で着金するため、韓国やアジア圏への送金が多い法人に向きます。
海外からの代金回収に対応するサービス
ここまでは日本から海外へ送る「仕向送金」の手段を比較してきましたが、越境ECや輸出で海外の取引先・顧客から代金を受け取る側のニーズに応えるサービスもあります。送金とは資金の向きが逆になるため、仕向送金の手数料比較とは別の観点で位置づけて紹介します。
海外から代金を受け取る際も、受取額から「被仕向送金手数料」や為替コストが差し引かれます。受け取る側の手数料の内訳や着金までの日数、より有利に受け取る方法を詳しく知りたい場合は、以下の記事で解説しています。
11. ラクヤス決済 振込(株式会社RemitAid)

越境ECや輸出で海外の取引先・顧客から代金を受け取る場面に向けたクロスボーダー決済サービスで、株式会社RemitAidが提供しています。RemitAidが海外の国・地域に用意する現地口座(デジタル上の仮想口座)を利用企業ごとに発行し、海外の取引先はその国の国内振込として代金を支払います。
日本の利用企業は、中継銀行を経由する国際送金を使わずに代金を回収でき、海外に支社や現地法人を設ける必要もありません。
ここまで紹介した仕向送金サービスとは異なり、本サービスは海外からの代金回収(受取)に対応しており、日本から海外への送金(仕向送金)には対応していません。そのため送金手数料の最安比較とは別に、海外に売上先を持つ輸出企業や越境EC事業者の入金コストを下げる選択肢として位置づけられます。
料金は初期費用が30,000円で、運用時には決済処理手数料(取引回数に応じて1回あたり1,500〜2,000円が目安)と、通貨ごとに変わる為替手数料がかかります。対応するのは11の国と地域で、海外取引先からの着金は最短即日が可能としています。
為替手数料によるコスト差が実務でどの程度の金額になるかについて、提供元の株式会社RemitAidは、既存の決済サービスから移行した輸出企業の事例を挙げています。

正直なところ、数字は条件次第なので一律には言いにくいです。ただ事例としては、3ヶ月で約8,000万〜1億円規模の輸出をしている企業が、既存の決済サービスから当社へ移行したことで、3ヶ月で約60万円のコスト削減につながったケースがあります。年換算でいうと、例えば年3億円程度の取引がある企業で、移行するだけで年間200万〜300万円の削減が見込めるケースもあります。
ただし、資金移動業の登録有無をはじめとする法的な提供形態は公開情報では確認できないため、導入前に提供会社へ直接確認することをおすすめします。
自社に合う海外送金サービスの選び方
比較表とサービスの特徴を踏まえ、自社に合う海外送金サービスを選ぶときの観点を整理します。手数料の安さだけでなく、送金の実態や安全性まで含めて判断することが、乗り換え後の後悔を防ぎます。
送金する通貨・金額・頻度に料金体系が合っているか
海外送金サービスの手数料は、送金額や通貨によって有利・不利が変わります。送金手数料が定額のサービスは1回あたりの金額が大きいほど割安になり、送金額に対する定率のサービスは少額送金で有利になります。自社の送金が「少額・高頻度」なのか「高額・低頻度」なのか、主に使う通貨は何かを棚卸しし、その条件で総額が安くなる料金体系を選ぶことが、コストを抑える近道です。
為替コスト・中継銀行手数料まで含めた総額で安いか
送金手数料の表示額だけで決めると、為替スプレッドや中継銀行手数料で総額が膨らむことがあります。とくに為替スプレッドは明細に出ないため、仲値に近いレートを使うサービスかどうかの確認が欠かせません。SWIFTを経由する銀行送金では中継銀行手数料が発生しうる一方、独自ネットワークの専門サービスでは原則不要の設計もあります。送金額が大きい法人ほど、総額での比較が効いてきます。
安全性(資金移動業の登録・利用者資金の保全)は確認できるか
海外送金専門サービスは「資金移動業者」として登録を受けた事業者です。銀行以外が為替取引(送金)を業として行うには、資金決済に関する法律(資金決済法)にもとづき内閣総理大臣(金融庁)の登録が必要とされています。
(資金移動業者の登録)
出典:資金決済に関する法律 第37条|e-Gov法令検索
第三十七条 内閣総理大臣の登録を受けた者は、銀行法第四条第一項及び第四十七条第一項の規定にかかわらず、資金移動業を営むことができる。
さらに、資金移動業者は利用者から預かった資金を保全する義務を負います。法律上は「分別管理」ではなく、預かった資金の額以上を供託所に供託する(または保全契約・信託で確保する)という仕組みで、利用者資金の保全が図られています。
(履行保証金の供託)
出典:資金決済に関する法律 第43条|e-Gov法令検索
第四十三条 資金移動業者は、次の各号に掲げる資金移動業の種別に応じ、当該各号に定めるところにより、資金移動業の種別ごとに履行保証金をその本店……の最寄りの供託所に供託しなければならない。
各サービスが実際に資金移動業の登録を受けているか、登録番号は何かは、各社の公式情報や金融庁の登録事業者一覧で確認できます。銀行を使う場合は、銀行そのものが銀行法にもとづく免許事業者であり、この点の安心感は高いといえます。
出典・参考資料(1件)
必要な法人機能・サポートが備わっているか
送金件数が多い法人では、一括送金(まとめて複数先へ送る)やAPI連携、承認権限の設定といった機能が実務の負担を左右します。また、トラブル時の問い合わせ窓口の対応時間や言語、口座開設・審査にかかる期間も、乗り換えのしやすさに関わります。手数料の安さと、こうした運用面の要件を両立できるかの確認が、乗り換え後の後悔を防ぎます。
手数料だけでなく、送金スピードや対応している国・通貨、サポート体制まで含めて送金手段そのものを一から選び直したい場合は、銀行・ネット銀行・海外送金専門サービスの主要14サービスを総合的に比較した次の記事もあわせてご覧ください。
海外送金の手数料を安く抑えるコツ
送金手段を選んだあとでも、運用の工夫で総額をさらに抑えられます。毎月の海外送金が積み重なる法人ほど、次のような工夫の効果は大きくなります。
- 為替スプレッドの小さい手段を選ぶ:送金額が大きいほど、為替コストの差が総額に効きます。
- 送金をまとめる:送金手数料が1件ごとにかかるため、少額の送金を頻繁に行うより、可能な範囲でまとめて送るほうが手数料の回数を減らせます。
- 手数料の負担区分を取引先と取り決める:後述のOUR/SHA/BENの指定によって、中継銀行手数料・受取手数料の負担が変わります。
- オンラインで依頼する:同じ銀行でも、窓口より法人向けインターネットバンキングからの送金のほうが手数料が低いのが一般的です。
海外送金手数料は送金人・受取人どちらが負担する?(OUR/SHA/BEN)
SWIFTを通じた海外送金では、送金手数料・中継銀行手数料・受取手数料を送金人と受取人のどちらが負担するかを「OUR」「SHA」「BEN」の3つの区分で指定します。この指定によって、相手に届く金額(着金額)が変わります。各区分の負担者は次のとおりです。
手数料負担区分 「OUR」依頼人負担 「SHA」受取人負担 「BEN」手数料全額受取人負担
出典:被仕向到着案内(全銀フォーマット)フォーマット仕様|三菱UFJ銀行
実務では、OURは依頼人(送金人)が送金にかかる手数料を全額負担し、受取人に満額を届けたいときに使います。SHAは送金人が自行(仕向銀行)の送金手数料だけを負担し、中継銀行手数料・受取手数料は受取人が負担する「分担(shared)」が一般的で、多くのサービスの既定値になっています。BENは受取人が手数料を全額負担します。
SHAやBENでは中継銀行手数料・受取手数料が送金額から差し引かれるため、相手の受取額が目減りする点に注意が必要です。取引先との間で、どちらが手数料を負担するかをあらかじめ取り決めておくと、着金額の行き違いを防げます。
海外送金手数料の消費税と税務上の注意(国外送金等調書)
法人の経理処理では、海外送金にまつわる消費税の扱いと、一定額を超える送金で金融機関が作成する法定調書を押さえておく必要があります。社内説明や仕訳の根拠として整理します。
海外送金手数料の消費税は「非課税」
金融機関や海外送金サービスに支払う送金手数料は、消費税の課税対象外(不課税)ではなく、消費税が非課税となる取引です。海外送金は「外国為替業務に係る役務の提供」に当たり、国税庁は非課税となる取引の一つとしてこれを挙げています。
6−5−3 法別表第二第5号ニ《外国為替業務等》の規定により非課税とされる外国為替業務に係る役務の提供は、次に掲げる業務に係るもの(当該業務の周辺業務として行われる役務の提供を除く。)が該当するのであるから留意する。
出典:消費税法基本通達 6-5-3(非課税とされる外国為替業務に係る役務の提供の範囲)|国税庁
(1) 外国為替取引
(2) 対外支払手段の発行
(3) 対外支払手段の売買又は債権の売買(本邦通貨をもって支払われる債権の居住者間の売買を除く。)
「非課税」と「課税対象外(不課税)」は別の概念です。非課税は、本来は国内の課税取引だが政策的に消費税をかけない取引で、送金手数料がこれに当たります。一方、送金する金額(元本)そのものの移動には対価性がなく、これは課税対象外です。経理上は、送金手数料を「非課税仕入れ」、元本の移動を「対象外」として区分することになり、課税売上割合の計算にも影響するため、取り違えないよう注意します。
出典・参考資料(2件)
100万円を超える送金は「国外送金等調書」の対象
1回の金額が100万円を超える海外送金(および海外からの受領)については、金融機関がその内容を記載した「国外送金等調書」を税務署長に提出することが法律で定められています。送金する側は、送金の際に金融機関へ氏名・名称や送金原因などを記載した「告知書」を提出し、金融機関はそれをもとに調書を作成します。送金依頼書の送金目的欄などがこれに対応します。
金融機関は、その顧客……が当該金融機関の営業所等を通じてする国外送金等(その金額が政令で定める金額以下のものを除く。)に係る為替取引を行つたときは、その国外送金等ごとに……調書(以下「国外送金等調書」という。)を……所轄税務署長に提出しなければならない。
出典:内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律 第4条第1項|e-Gov法令検索
この「政令で定める金額」は同法の施行令で100万円と定められており、1回100万円を超える国外送金・受領が調書の対象になります(ちょうど100万円は対象外です)。送金額が非課税・対象外であっても調書の対象になる点は変わらないため、高額の海外送金を行う法人は、送金目的を正確に申告できるようにしておくと手続きがスムーズです。
出典・参考資料(2件)
まとめ
法人の海外送金の手数料は、表示される送金手数料だけでなく、為替コスト(スプレッド)・中継銀行手数料・受取手数料を含めた「相手にいくら届くか」の総額で比べることが肝心です。銀行・ネット銀行・海外送金専門サービスはそれぞれ手数料の出方が異なり、自社の送金通貨・金額・頻度によって最適な手段は変わります。
安全性(資金移動業の登録・利用者資金の保全)や、消費税・国外送金等調書といった経理実務もあわせて押さえ、総額で安く・安心して使える手段を選びましょう。
一括ダウンロードする
海外送金の手数料に関するよくある質問(FAQ)
Q. 海外送金の手数料にはどんな種類がありますか?
A. 海外送金の手数料は、「送金手数料」「為替コスト(為替スプレッド)」「中継銀行手数料」「受取手数料」の4種類に大きく分かれます。送金手数料は1件ごとの基本料金、為替コストは円を外貨に替えるときにレートへ上乗せされる差額、中継銀行手数料はSWIFT送金で経由する銀行が差し引く費用、受取手数料は受取側の銀行で引かれる費用です。
表示される送金手数料だけが安くても、残り3つで総額が膨らむことがあるため、4要素を合わせて比べることが大切です。
Q. 海外送金の手数料が最も安い手段はどうやって選べばいいですか?
A. 海外送金で最も安い手段は、表示される送金手数料の額ではなく、同じ金額を送ったときに相手の口座へ最終的にいくら届くか(総額)で比べて選びます。送金手数料が安くても、為替スプレッドや中継銀行手数料が大きいと総額では割高になることがあります。自社の送金通貨・1回あたりの金額・頻度を棚卸しし、その条件で送金手数料・為替コスト・中継銀行手数料・受取手数料の合計が小さくなる手段を選ぶのが近道です。
Q. 法人の海外送金は個人向けのサービスと何が違いますか?
A. 法人の海外送金は、個人向けと比べて送金限度額が大きく、一括送金・承認権限の分割・取引履歴の一元管理といった業務機能を使える点が主な違いです。一方で、利用を始めるには登記事項証明書などの書類提出や法人口座の開設・審査が必要になり、個人向けより手続きに時間がかかる傾向があります。少額・単発であれば個人向けでも足りますが、継続的な海外支払いがある法人は、法人機能と手数料の両面で選ぶのが実務的です。
Q. 海外送金の手数料は送金人と受取人のどちらが負担しますか?(OUR/SHA/BEN)
A. 海外送金の手数料の負担は、送金時に指定する「OUR(送金人が全額負担)」「SHA(送金手数料は送金人、中継銀行・受取手数料は受取人が負担)」「BEN(受取人が全額負担)」の3区分で決まります。多くのサービスの既定はSHAで、この場合は中継銀行手数料・受取手数料が送金額から差し引かれ、相手の受取額が目減りします。
受取人に満額を届けたいときはOUR、手数料を相手に持ってもらうときはBENを選び、どちらが負担するかは取引先とあらかじめ取り決めておくと着金額の行き違いを防げます。
Q. 海外送金の手数料に消費税はかかりますか?
A. 金融機関や海外送金サービスに支払う送金手数料は、消費税が「非課税」となる取引です(課税対象外=不課税ではありません)。海外送金は「外国為替業務に係る役務の提供」に当たり、国税庁も非課税となる取引の一つとして挙げています。経理上は送金手数料を「非課税仕入れ」として処理し、対価性がなく課税対象外である送金元本の移動とは区分します。
非課税と不課税では課税売上割合の計算への影響が異なるため、取り違えに注意が必要です。
出典・参考資料(1件)
Q. 100万円を超える海外送金は税務署に報告されますか?
A. 1回の金額が100万円を超える海外送金(および海外からの受領)は、金融機関が内容を記載した「国外送金等調書」を税務署長に提出することが法律で定められています。これは正規の取引であれば問題になるものではなく、送金の際に金融機関へ送金目的などを正しく申告しておけば手続きは滞りません。
送金額が消費税の非課税・対象外であっても調書の対象になる点は変わらないため、高額送金を行う法人は送金原因を説明できるようにしておくと安心です(ちょうど100万円は対象外です)。
出典・参考資料(2件)
Q. 海外送金の着金が遅れるのはなぜですか?
A. 海外送金の着金が遅れる主な原因は、SWIFT送金で複数の中継銀行を経由すること、送金内容の確認(マネーロンダリング対策の審査)、相手国との時差や金融機関の休業日です。銀行のSWIFT送金は着金まで数営業日かかることがある一方、独自ネットワークを持つ海外送金専門サービスでは当日〜数日で届く場合もあります。
急ぎの送金では、受付の締め時間・着金目安・相手国の休日を事前に確認しておくと行き違いを防げます。
Q. 海外送金サービスの審査は厳しいですか?
A. 海外送金では、銀行・資金移動業者のいずれでもマネーロンダリング対策として本人確認や取引目的の確認が必須で、近年は審査が厳格化しています。法人の場合は登記事項証明書や実質的支配者の確認に加え、高額送金では資金の出所や取引内容を示す書類(請求書・契約書など)を求められることがあります。
口座開設・利用開始に一定の期間がかかる前提でスケジュールを組み、送金目的を説明できる書類を用意しておくと手続きがスムーズです。
法人向け海外送金サービスの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、法人向け海外送金サービスの最新資料を無料で一括請求できます。送金手数料・為替コスト・対応通貨・安全性をまとめて比較し、自社に合う送金手段を効率的に見つけられます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















