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VDI・SBC・RDSの違いとは?3つの関係と仕組み・ライセンス・コストを整理

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テレワークやセキュリティ対策で仮想デスクトップの導入を検討すると、VDI・SBC・RDSという似た言葉が次々と出てきます。VDIとリモートデスクトップの違いは何となく分かっても、そこにSBCが加わると「SBCとRDSは同じものなのか、それとも別物なのか」「VDIと並ぶのはどちらなのか」が急に分かりにくくなります。

この3語は、実は同じ土俵に並ぶ言葉ではありません。SBCは「方式」、RDSはその方式を実現するマイクロソフトの「製品名」、VDIはまた別の「方式」です。ここが整理できていないと、コストや性能の比較を読んでも頭に入ってきません。

本記事では、まず3語の関係を一言で整理したうえで、仕組み・ライセンス・コスト・性能・セキュリティの違いを一覧で比べ、自社のどの業務にどの方式が向くかを判断できるように解説します。あわせて、端末にデータを残さないことが目的なら、仮想デスクトップ以外に「データレスクライアント」という選択肢もあることも紹介します。

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VDI・SBC・RDSの関係を一言で整理

まず結論から整理します。SBCは「サーバーのOSを複数人で共有する方式」、RDSはその方式を製品として実現するマイクロソフトの「機能・役割の名前」、VDIは「利用者ごとにOSを割り当てる別の方式」です。このうちSBCとVDIが並ぶ「方式」で、RDSはSBCを実現する「製品側の呼び名」にあたります。

ただし、RDSはVDI方式での提供にも対応しますが、まずはSBCを実現する製品の代表として捉えると整理しやすくなります。

VDI・SBC・RDSの関係を方式と製品の2層で整理した図。方式として横に並ぶのはSBC(1つのサーバーOSを複数人で共有する方式)とVDI(利用者ごとに専用の仮想マシン・OSを割り当てる方式)の2つ。製品としてのRDS(Remote Desktop Services)はSBC方式を実現するWindows Serverの機能・役割で、VDI方式での提供にも対応する。

SBC(サーバーOSを共有する方式)とは

SBC(Server Based Computing、サーバーベースドコンピューティング)は、1台のサーバー上のOSを複数の利用者で共有し、その画面だけを手元の端末へ転送して使う方式です。利用者ごとに環境を用意するのではなく、1つのサーバーOSに全員がログインして、それぞれ独立したセッションを持つ形になります。

「SBC」という呼び方は業界で一般的に使われる方式名で、後述のリモートデスクトップサービスやターミナルサービス、プレゼンテーション仮想化などとほぼ同じ意味で語られます。

RDS(SBCを実現するマイクロソフトの製品・役割)とは

RDS(Remote Desktop Services、リモートデスクトップサービス)は、SBC方式を実現するためにWindows Serverへ組み込まれているマイクロソフトの機能・役割です。方式そのものの名前ではなく、その方式を動かす「製品側の名前」である点が、SBCとの大きな違いです。マイクロソフトはRDSを次のように説明しています。

Remote Desktop Services (RDS) in Windows Server is a built-in platform for securely delivering managed desktops and applications to users, whether they’re in the office, working from home, or connecting from branch and partner locations.

出典:Remote Desktop Services overview in Windows Server|Microsoft Learn

日本語で要点をまとめると、RDSはオフィスでも在宅でも管理されたデスクトップやアプリを安全に届けるための、Windows Serverに組み込まれたプラットフォーム(製品・役割)だと説明されています。

RDSはもともと「ターミナルサービス(Terminal Services)」と呼ばれていた機能で、Windows Server 2008 R2でRemote Desktop Servicesへと名称が変わりました。古い資料で「ターミナルサービス」と書かれているものは、現在のRDSとほぼ同じものを指していると考えて差し支えありません。

出典・参考資料(2件)

VDI(利用者ごとに個別のOSを持つ方式)とは

VDI(Virtual Desktop Infrastructure、仮想デスクトップ基盤)は、サーバー上に利用者ごとの仮想マシンを用意し、それぞれに専用のOSを割り当てる方式です。SBCが1つのOSを共有するのに対し、VDIは利用者それぞれが独立したOSを持つため、自分専用のパソコンに近い自由度で使えます。

ただし、RDSはSBC方式だけの製品ではありません。マイクロソフトのRDSは、SBC方式(セッション共有)とVDI方式(個別の仮想マシン)の両方に対応しています。そのため「RDS=SBC」と単純化せず、「RDSという製品の中に、SBC方式での提供とVDI方式での提供の両方がある」と捉えると混乱しません。

VDIとSBC(RDS)の仕組みの違い

ここからは、2方式が実際にどう動くのかという仕組みの違いを見ていきます。関係の整理でも触れたとおり、分かれ目は「OSを利用者ごとに持つか、1つを共有するか」にあります。

VDIは、仮想化の土台となるソフトウェア(ハイパーバイザー)でサーバーを論理的に区切り、利用者ごとに独立した仮想マシンを立ち上げます。SBC方式は、1台のWindows Serverに複数の利用者がログインし、各自が隔離されたセッションを使います。マイクロソフトは、RDSのこの2つの提供方法を次のように説明しています。

Session-based (RDSH): Multiple users share a Windows Server instance; each gets an isolated session.

VDI personal: Each user is assigned a dedicated Windows client VM that retains changes.

出典:Remote Desktop Services overview in Windows Server|Microsoft Learn

日本語で要点をまとめると、セッションベース方式(RDSH)では複数の利用者が1台のWindows Serverを共有して各自が隔離されたセッションを持ち、VDI方式では利用者ごとに専用のWindowsクライアント仮想マシンが割り当てられる、と説明されています。

一方で、両方式には共通点もあります。どちらもサーバー側で処理した画面を端末に転送する仕組みのため、業務データは原則としてサーバーに置かれ、手元の端末には残りにくくなります。これが、仮想デスクトップが情報漏えい対策として選ばれる理由です。

出典・参考資料(1件)

VDIとSBC(RDS)の違いを一覧で比較

ここまでの違いを、観点ごとに一覧で整理します。どちらが優れているというより、業務に合うかどうかで選ぶための比較です。

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観点OSの持ち方カスタマイズ性主なライセンスコスト傾向性能の傾向セキュリティ向く業務
VDI(個別OS方式)利用者ごとに個別の仮想マシン・OS利用者ごとにアプリの個別インストールや設定変更がしやすいVDA(+仮想化基盤・サーバー)個別環境と基盤が必要で高くなりやすい利用者間でリソースを分けやすく独立性が高い画面転送で端末にデータを残しにくい(共通)高負荷の作業や、利用者ごとに異なる環境が要る業務
SBC・RDS(OS共有方式)1つのサーバーOSを複数人で共有(各自は独立セッション)原則として共通環境。個別のカスタマイズはしにくいRDS CAL(Windows Serverのセッションホストへの接続)1台を共有するため1利用者あたりを抑えやすい同時利用の負荷を共有し、誰かの高負荷が他に影響することがある画面転送で端末にデータを残しにくい(共通)負荷が軽く標準化された定型業務

この表はあくまで一般的な傾向です。同時に使う人数や扱う業務の重さによって、コストや性能の有利・不利は変わります。一般に、利用人数が多く業務が定型的なほどSBC・RDSのコスト優位が出やすく、少人数でも個別環境や高負荷の処理が要るほどVDIが選ばれやすい傾向です。

VDIとSBC(RDS)それぞれのメリット・デメリット

比較表の各違いを、方式ごとの長所と短所として読み解きます。どの差が自社にとって効いてくるかを考える材料にしてください。

VDIのメリット・デメリット

VDIの強みは、利用者ごとに独立した環境を持てる柔軟性です。部署や職種によって必要なアプリが違う場合でも、それぞれに合わせた仮想デスクトップを用意でき、専用パソコンに近い感覚で使えます。リソースを利用者ごとに割り当てられるため、重い処理を行う業務でも他の利用者の影響を受けにくい点も利点です。

一方で、利用者の数だけ仮想マシンと仮想化基盤が必要になるため、初期コストと運用の手間は大きくなりがちです。リソース設計やサーバーの構築に専門的な知識も求められ、導入のハードルは高めといえます。また、仮想化基盤そのものに障害が起きると影響が広範囲に及ぶため、基盤の冗長化や運用体制もあわせて検討する必要があります。

SBC(RDS)のメリット・デメリット

SBC方式(RDS)の強みは、1台のサーバーOSを共有することによるコストの抑えやすさと、環境を標準化しやすい点です。全員が同じ環境を使うため管理を一元化しやすく、VDIに比べて導入のハードルが低いのが特徴です。

反面、環境が共通であるため、利用者ごとにアプリを個別インストールするような使い方には向きません。同じサーバーを共有する性質上、誰かが重い処理を実行すると、ほかの利用者の動作にも影響が出ることがあります。扱える業務が定型的なものに限られやすい点にも注意が必要です。

ライセンスの違い(VDA/RDS CAL)

方式選びでつまずきやすいのがライセンスです。VDIとSBC(RDS)では、Windowsを使うために必要なライセンスの種類が異なります。社内説明やコスト試算のために、何が・どの単位で必要になるかを押さえておきましょう。

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ライセンスRDS CAL(Remote Desktop Services クライアントアクセスライセンス)VDA(Windows Virtual Desktop Access)
主な用途Windows Serverのセッションホスト(SBC・RDS方式)に接続する利用者・端末に必要VDIでWindowsのクライアントOSにアクセスする際に必要
課金単位ユーザー単位、またはデバイス単位従来はアクセスする端末(デバイス)単位が基本。現在は利用者単位の「Windows VDA per user」もある

SBC・RDS方式で必要になるRDS CALについて、マイクロソフトは2つの種類があると明記しています。

There are two types of RDS CALs: per device and per user. The type of RDS CAL you need depends on how your users or devices access the session host.

出典:License Remote Desktop Services with Client Access Licenses (CALs)|Microsoft Learn

デバイス単位は、1台の端末を複数人が交代で使う職場(シフト勤務など)に向きます。ユーザー単位は、一人ひとりが自分の端末からアクセスする環境に適しています。自社の使い方に合わせて種類を選ぶことで、無駄のないライセンス購入ができます。

一方、VDIで必要になるVDAは、従来はアクセスする端末ごとに購入するデバイス単位が基本でした。ただし現在は、利用者単位で割り当てる「Windows VDA per user」も用意されています。VDAを「端末単位だけ」と思い込むと現状とずれるため、最新のライセンス条件を確認してから見積もることをおすすめします。

出典・参考資料(3件)

周辺の方式との関係(DaaS・HDI)

VDI・SBC・RDSを調べていると、DaaSやHDIという言葉にも出会います。3語の関係に、この2つを簡単に重ねておきます。

DaaS(Desktop as a Service)は、仮想デスクトップをクラウド事業者のサービスとして使う形です。マイクロソフトはDaaSを「デスクトップ仮想化の一形態」とし、事業者が自社のデータセンターから仮想デスクトップを配信・管理すると説明しています。自社でVDIの基盤を構築・運用する代わりに、その運用をクラウド事業者に任せるのがDaaSと捉えると分かりやすいでしょう。

HDI(Hosted Desktop Infrastructure、ホスト型デスクトップインフラ)は、各利用者に専用の物理マシンをデータセンター側で割り当てる方式です。仮想マシンを共有するVDIと違い物理マシンを専有するため、仮想化によるオーバーヘッドがありません。CADや動画編集など、VDIでは処理能力が足りない高負荷の用途で選ばれます。

ただし利用者ごとに物理マシンを用意するため、利用者数が増えるほどコストは高くなりがちです。呼び方や定義がベンダーによって分かれる業界用語である点にも注意が必要です。

出典・参考資料(2件)

自社に向く方式の選び方

ここまでの違いを踏まえ、自社にどの方式が向くかの目安をまとめます。業務の性質から考えると選びやすくなります。

  • SBC・RDSが向くケース:全員が同じアプリで定型業務を行う、処理の負荷が比較的軽い、コストと運用の手間をできるだけ抑えたい場合。コールセンターや事務作業など、標準化された業務に適しています。
  • VDIが向くケース:部署や職種ごとに使うアプリや環境が異なる、設計・開発など負荷の高い処理がある、利用者ごとの独立性を重視する場合。カスタマイズ性と性能の独立性が求められる業務に適しています。
  • クラウドで運用負荷を抑えたいケース:自社でサーバーを抱えたくない、短期間で始めたい場合は、VDIをクラウド事業者に任せるDaaSも検討候補になります。

いずれの方式も、インターネット経由で利用する以上、不正アクセスへの備えやアクセス制御の見直しは欠かせません。方式の選定とあわせて、セキュリティ対策もセットで検討しましょう。

仮想デスクトップは、社内の情報を守る数ある手段の一つにすぎません。端末・データ・アクセスなど「何を守りたいか」から対策を見渡したうえで自社の全体像を組み立てたい場合は、守る対象別にソリューションのタイプと代表サービスを整理した以下の記事が参考になります。

端末にデータを残さないなら別の選択肢「データレスクライアント」も

ここまで仮想デスクトップの方式を比べてきましたが、「端末にデータを残さず情報漏えいを防ぎたい」というのが本当の目的であれば、VDI・SBC・RDSにこだわる必要はないかもしれません。その目的をかなえる別のアプローチとして「データレスクライアント」があります。

データレスクライアントは、仮想デスクトップを経由せず、いつものパソコンをそのまま使いながら端末側にデータを残さない仕組みです。ユーザーデータをクラウドや社内サーバーへ預けたり、データを分散して保管したりすることで、PCの紛失・盗難時にも中身が読み取られないようにします。仮想化基盤を用意しない分、導入の手数やコストを抑えやすく、ここでは代表的な3つのサービスを紹介します。

データレスクライアント3サービスの比較

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サービス名Shadow DesktopZENMU Virtual DriveFlex Work Place Passage Drive
提供会社アップデータ株式会社株式会社ZenmuTech横河レンタ・リース株式会社
データレス化の方式データをクラウド等へ自動アップロードし
PC本体から削除(仮想化)
秘密分散でデータを無意味化し
PC内とクラウドに分散
ローカル書き込みを禁止・不可視化し
OneDriveへ集約
主な保存先Amazon S3/Azure/
Microsoft 365/オンプレ等
から選択
PC内とクラウド(サーバー)に
分散保管
OneDrive for Business
(Microsoft 365)のみ
対応OSWindows
(Mac・スマホ非対応)
Windows 10(20H2以降)/11
(Mac版は開発中)
Windows 10/11
(Pro・Enterprise)
オフライン利用●△ZEEのみ対応(ZLEは非対応)△公式に明示なし
月額費用950円〜/ユーザー
(Standard、税抜)
1,800円〜/ユーザー
(ZEE、税抜)
ZLEは500円
500円/ユーザー
(本体、税抜)
無料トライアル最大30日間あり(期間限定)公式に明示なし
詳細情報オンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見る

※料金・各社の対応状況は2026年11月時点の各社公式情報によります。最新の内容は各公式サイトでご確認ください。

1. Shadow Desktop(アップデータ株式会社)

Shadow Desktop の公式サイト

Shadow Desktopは、既存のWindowsパソコンにインストールして使うデータレスクライアントです。デスクトップやドキュメントなどのユーザーデータをクラウドや社内サーバーへ自動的に預け、パソコン本体にはデータを残しません。OSやアプリを仮想化しないため、ふだんのパソコンと同じ操作感のまま利用できます。

開いたファイルの一時キャッシュはAES256bitで暗号化され、ファイル名も変換されるため、パソコンを紛失してもディスクを取り出して中身を読み取られない設計です。

保存先はAmazon S3、Azure Blob Storage、Microsoft 365(OneDrive)、オンプレミスサーバーなどから選べます。オフラインでの作業や、ランサムウェア対策としての復旧(Backup Option)にも対応しています。

2. ZENMU Virtual Drive(株式会社ZenmuTech)

ZENMU Virtual Drive の公式サイト

秘密分散という考え方でデータを守るのがZENMU Virtual Driveです。暗号化のように鍵で復元する方式ではなく、データを複数の断片に分けてパソコン内とクラウド(サーバー)に分散保管し、両方の断片がそろわないと元に戻せない「無意味化」でデータを保護します。ZenmuTechはこれをVDIに代わる「セキュアFATクライアント」と位置づけています。

既存のVDI環境を残したまま、パソコンに残るデータだけを保護したい企業向けに、月額500円の低価格エディション(ZLE)も用意されています。ISO/IEC 27001(ISMS)を自社取得しており、金融機関をはじめ多様な企業・団体での導入が公式サイトの導入事例で公表されています。

出典・参考資料(1件)

3. Flex Work Place Passage Drive(横河レンタ・リース株式会社)

Flex Work Place Passage Drive の公式サイト

Microsoft 365をすでに使っている企業に向くのがFlex Work Place Passage Driveです。パソコンのローカルディスクへの書き込みを禁止・不可視化し、ユーザーデータをOneDrive for Businessへ集約することで、端末にデータを残さないデータレスPCを実現します。

既存のパソコンにインストールするだけで、パソコンの入れ替えやAD連携・VPN設定なしで導入できると訴求しています。

対応OSはWindowsパソコンで、保存先としてOneDrive for Business(Microsoft 365)の契約が別途必要です。公式サイトでは、VDIと比べておおよそ10分の1のコストで同等のセキュリティ対策ができると説明しています(金額の前提は自社調べ)。

データレスクライアントは、ここで取り上げた3サービス以外にも製品の幅があり、データレス化の方式(クラウド集約型・秘密分散型など)によって向き不向きが分かれます。VDIとの違いや方式ごとの選び方を踏まえて複数製品を比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

VDI・SBC・RDSは、同じ土俵に並ぶ言葉ではありません。SBCはサーバーOSを共有する「方式」、RDSはその方式を実現するマイクロソフトの「製品・役割」、VDIは利用者ごとに個別OSを持つ別の「方式」です。RDSはSBC方式とVDI方式の両方に対応する点も押さえておくと、資料を読むときに迷いません。

方式選びは、業務の性質で考えるのが近道です。標準化された定型業務が中心ならSBC・RDS、利用者ごとに環境が異なる業務や高負荷の処理があるならVDIが向きます。ライセンス(RDS CAL・VDA)の課金単位も、コスト試算の際に忘れず確認しましょう。そして、端末にデータを残さないこと自体が目的なら、データレスクライアントという選択肢も含めて比べてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. VDI・SBC・RDSの3つはどのような関係ですか?

A. VDI・SBC・RDSは、SBCがサーバーのOSを複数人で共有する「方式」、RDSはその方式を実現するマイクロソフトの「製品・機能名」、VDIは利用者ごとにOSを割り当てる別の「方式」という関係です。横並びで比べられる「方式」はSBCとVDIで、RDSはSBCを実現する製品側の呼び名にあたります。

また、RDSはSBC方式だけでなくVDI方式での提供にも対応しているため、「RDS=SBC」と単純化しないほうが資料を読むときに混乱しません。

Q. SBCとRDSは同じものですか?

A. SBCとRDSは、厳密には同じではなく、SBCが「方式」の名前、RDSはその方式を実現するマイクロソフトの「製品・機能」の名前です。SBC(Server Based Computing)は1台のサーバーOSを複数人で共有する方式全般を指す一般的な呼び方で、RDS(Remote Desktop Services)はWindows Serverに組み込まれてその方式を動かす機能を指します。

実務ではほぼ重ねて語られますが、方式名と製品名という層の違いを押さえておくと、ベンダーとの会話や社内説明で取り違えずに済みます。

Q. VDIとSBC(RDS)の違いは何ですか?

A. VDIとSBC(RDS)の最大の違いは、OSの持ち方で、VDIは利用者ごとに個別のOSを割り当て、SBC(RDS)は1つのサーバーOSを複数人で共有する点です。そのためVDIは利用者ごとのカスタマイズや高負荷の処理に向く一方で、コストが高くなりやすい傾向です。SBC(RDS)は標準化された定型業務でコストを抑えやすい反面、利用者ごとの個別アプリ導入には向きません。

どちらも画面だけを端末に転送する仕組みのため、端末にデータが残りにくい点は共通です。

Q. VDIとSBC(RDS)では結局どちらが安いですか?

A. 一般的には、1台のサーバーOSを共有するSBC(RDS)のほうが、利用者ごとに環境と仮想化基盤が必要なVDIよりも1利用者あたりのコストを抑えやすい傾向です。ただし、これは同時に使う人数や業務の重さによって変わります。高負荷の処理で利用者ごとにリソースを分ける必要がある場合などは、必ずしもSBC(RDS)が有利とは限らないため、自社の利用規模を前提に見積もることが大切です。

Q. VDAとRDS CALの違いは何ですか?

A. VDAとRDS CALの違いは、VDAがVDIでWindowsのクライアントOSにアクセスするためのライセンス、RDS CALがSBC・RDS方式でWindows Serverのセッションホストに接続するためのライセンスである点です。RDS CALはユーザー単位とデバイス単位の2種類から選べます。

VDAは従来アクセスする端末(デバイス)単位が基本でしたが、現在は利用者単位の「Windows VDA per user」も用意されています。ライセンス条件は変わることがあるため、見積もり前に最新のライセンス情報を確認してください。

Q. ターミナルサービスとRDSは別物ですか?

A. ターミナルサービスとRDSは、名称が変わっただけで、ほぼ同じものを指します。もともと「Terminal Services(ターミナルサービス)」と呼ばれていた機能が、Windows Server 2008 R2でRemote Desktop Services(RDS)へと名称変更されました。古い資料で「ターミナルサービス」と書かれていても、現在のRDSと同じものと考えて差し支えありません。

Q. データレスクライアントはVDIと何が違いますか?

A. データレスクライアントとVDIの違いは、VDIがサーバー上の仮想デスクトップに接続して使うのに対し、データレスクライアントはいつものパソコンをそのまま使いながら端末にデータを残さない点です。VDIのような仮想化基盤を用意しない分、導入の手数やコストを抑えやすいのが特徴です。

「端末に業務データを残さず情報漏えいを防ぎたい」ことが本当の目的であれば、仮想デスクトップにこだわらず、データレスクライアントも比較候補になります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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