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下請法(取適法)の支払期日は受領日から60日以内|起算日の数え方と締め・支払サイトの可否を解説

下請法(取適法)の支払期日と60日ルールのサムネイル画像
債権管理システム比較表(2026年版)のプレビュー

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債権管理システム比較表(2026年版)

取引先への支払いを担当していると、「自社の締め・支払サイトは下請法に引っかからないか」と不安になる場面があります。下請法では、発注側が支払期日を「受領日から60日以内」に定めるよう義務づけており、この起算日をどこに置くかで自社の設定がセーフかアウトかが変わります。2026年1月には下請法が「取適法(中小受託取引適正化法)」へと改称され、手形払いの扱いなど一部のルールも見直されました。

本記事では、支払期日の60日ルールと起算日の数え方を条文の根拠とともに整理し、月末締め・翌月払いといった実際の支払サイトが違反にあたるかを判定できる形で解説します。支払期日を定めなかった場合や60日を超えて定めた場合の扱い、遅れたときの遅延利息・勧告・罰則、2026年改正で変わった点まで順に確認していきます。

代金を支払う側(発注側)にとっては支払フローや契約条件を見直す判断材料に、代金を受け取る側(受注側)にとっては入金の遅れを防ぎ、遅れたときに交渉や相談へ動くための材料になります。記事の後半では、支払期日や入金の管理を人手のチェックに頼らず仕組みで担保する方法にも触れます。

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下請法(取適法)の支払期日は「受領日から60日以内」

まず結論から確認します。下請法における支払期日は、発注側が納品などを受け取った日から起算して60日以内で、かつできる限り短い期間内に定めなければなりません。これは当事者の合意より優先される強い決まりで、60日という数字と「起算日はいつか」の2点が判断の軸になります。

この60日ルールは、現行法の条文にそのまま定められています。2026年1月の改正で下請法は「取適法(中小受託取引適正化法)」へと改称されましたが、支払期日を60日以内とする内容は改正の前後で変わっていません。

製造委託等代金の支払期日は、委託事業者が中小受託事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、委託事業者が中小受託事業者の給付を受領した日(役務提供委託又は特定運送委託の場合にあつては、中小受託事業者からその委託に係る役務の提供を受けた日。以下同じ。)から起算して、六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。

出典:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)第3条第1項|e-Gov法令検索

そもそも下請法(取適法)とはどんな法律か

下請法は、規模の大きい発注者が取引上の立場を利用して、受注する中小事業者に不当な負担を負わせることを防ぐための法律です。支払いの遅延や代金の不当な減額などを禁止し、公正な取引を守る役割を持ちます。2026年1月1日の改正で、正式名称が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」となり、略称は「中小受託取引適正化法」、通称は「取適法」に改められました。

あわせて呼び方も見直され、従来の「親事業者」は「委託事業者」、「下請事業者」は「中小受託事業者」、「下請代金」は「製造委託等代金」に変わりました。本記事では通称の「下請法(取適法)」を用い、代金を支払う側を「発注側(委託事業者)」、受け取る側を「受注側(中小受託事業者)」と表記します。

対象となる取引は、製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託などです。適用の可否は、発注側と受注側の資本金の規模で決まります。

たとえば製造委託・修理委託では、発注側の資本金が3億円を超え受注側が3億円以下の場合、または発注側が1,000万円超〜3億円以下で受注側が1,000万円以下の場合に対象となります(情報成果物作成委託・役務提供委託などは別の区分が定められています)。自社が発注側・受注側のどちらにあたるかは、取引の内容とお互いの資本金から確認します。

出典・参考資料(1件)

60日の起算日は「給付を受領した日」

ここからは、60日をどこから数えるのかを整理します。起算日は「給付を受領した日」、つまり物品の納品やサービスの提供を受けた日そのものが1日目です。発注日でも、検収(検査)が終わった日でも、請求書を受け取った日でもありません。前掲の条文が「検査をするかどうかを問わず……給付を受領した日……から起算して」と定めているため、社内の検収手続きが未了でも、受け取った日から60日のカウントが始まります。

この起算日を検収日と取り違えると、実際には60日を超える支払期日を設定してしまうことがあります。自社の支払サイトを確認するときは、必ず「受け取った日」を1日目に置いて数えます。

受領日から支払期限を数える(日付の具体例)

具体的な日付で数えてみます。1月10日に納品を受け取った場合、その1月10日が1日目です。ここから60日目までが支払期限で、月の日数によって着地する日は変わります(以下は平年の例で、うるう年は1日ずれます)。

  • 1月10日に受領 → 起算日は1月10日 → 60日目は3月10日。支払期限は「3月10日まで」
  • 4月10日に受領 → 起算日は4月10日 → 60日目は6月8日。支払期限は「6月8日まで」

このように、同じ「翌々月の同じ日付」でも、間にある月の日数によって60日以内に収まるかどうかが変わります。カレンダー上で受領日を1日目として60日目を数えるのが、最も確実な確認方法です。

役務提供委託・やり直しをさせた場合の起算日

物品の納品ではなくサービス(役務)の委託では、その役務の提供を受けた日が起算日になります。継続的にサービスの提供を受けている場合は、月単位でまとめて役務の提供を受けたものとして扱う運用が一般的です。

また、いったん納品されたものにやり直しをさせた場合は、改めて受け取った日が新しい起算日になります。修正や作り直しを指示したときは、最初の納品日ではなく、やり直し後に受領した日から60日を数える点に注意します。

自社の締め日・支払サイトは違反?セーフ・アウト判定表

ここからは、実際の締め・支払サイトが60日ルールに収まるかを確認します。ポイントは、締め日ではなく「その締め期間で最も早い受領日」を基準に、支払日までの日数が60日以内かどうかを見ることです。締め期間の初日に受け取った分が60日を超えると、その締め・支払サイト全体が違反になり得ます。

以下は、月末締めを例に、最も早い受領日(各月の1日)から支払日までの最長日数と可否を整理したものです。締め日が月末以外でも考え方は同じで、締め期間で最も早く受け取った日を1日目として、支払日までの実日数が60日以内に収まるかを確認します。自社のサイクルに当てはめて確認してください。

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締め・支払サイクル(月末締めの例)翌月10日払い翌月末払い翌々月10日払い翌々月末払い
最も早い受領日その月の1日その月の1日その月の1日その月の1日
支払日翌月10日翌月末翌々月10日翌々月末
受領日から支払日までの最長日数約40日最長で約60〜61日約70日約90日
可否セーフ要確認(月により60日超)アウトアウト

※起算日は受領日そのもの(1日目)。可否は締め期間で最も早い受領日を基準にした受領日ごとの実日数で判断します。

「月末締め・翌月末払い」を「要確認」としているのは、間に31日ある月が入り、なおかつ月初に受け取った場合に、受領日から支払日までが60日をわずかに超えることがあるためです。たとえば3月1日に受け取り、4月30日に支払うケースでは、起算日を1日目として数えると60日を超えます。月末締め・翌月末払いを採用している場合は、月初の受領分について実日数を確認しておくと安全です。

一方で「翌々月払い」は、月初の受領分で受領日から支払日までが70〜90日ほどになり、60日ルールを超えます。翌々月払いのサイクルを採用している場合は、支払期日の前倒しや締め・支払条件の見直しが必要です。

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支払期日を定めなかった・60日を超えて定めた場合

次に、支払期日を適切に定めなかったときにどう扱われるかを確認します。契約で支払期日を定めなかった場合と、60日を超える支払期日を定めてしまった場合とで、法律上みなされる支払期日が異なります。いずれも当事者の合意より条文が優先されるため、社内の運用や取引先との取り決めだけで60日を超える期日を有効にすることはできません。

  • 支払期日を定めなかった場合:受け取った日が支払期日とみなされます。つまり、受領と同時に支払義務が生じます。
  • 60日を超える支払期日を定めた場合:受け取った日から起算して60日を経過した日の前日(=60日目にあたる日)が支払期日とみなされます。定めた期日そのものは効力を持ちません。

製造委託等代金の支払期日が定められなかつたときは委託事業者が中小受託事業者の給付を受領した日が、前項の規定に違反して製造委託等代金の支払期日が定められたときは委託事業者が中小受託事業者の給付を受領した日から起算して六十日を経過した日の前日が、それぞれ製造委託等代金の支払期日と定められたものとみなす。

出典:取適法 第3条第2項|e-Gov法令検索

受注側にとっては、契約書に支払期日の記載がなくても、あるいは60日を超える期日が書かれていても、法律上は受領日または受領日から60日以内が支払期日として扱われる、ということです。発注側は、契約段階で受領日を起算日とした60日以内の支払期日を明記しておく必要があります。

支払期日に遅れると何が起きる(遅延利息・勧告・罰則)

ここからは、支払期日を守らなかった場合の帰結を確認します。支払いが遅れると、遅延利息の支払い義務、公正取引委員会などによる勧告、そして書面に関する義務違反があった場合の罰則が問題になります。発注側にとっては是正の対象となり、受注側にとっては遅延利息の請求や相談の判断材料になります。

遅延利息は年14.6%(計算例つき)

支払期日までに代金を支払わなかった場合、発注側は遅延利息を支払う義務を負います。対象となる期間は、受領日から起算して60日を経過した日から、実際に支払う日までです。契約で60日より前の支払期日を定めていても、この遅延利息の計算の起点は受領日から60日を経過した日である点に注意します。利率は法律そのものではなく公正取引委員会の規則で定められており、年14.6%とされています。

製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第六条第一項及び第二項の公正取引委員会規則で定める率は、年十四・六パーセントとする。

出典:取適法第6条第1項及び第2項の率を定める規則(令和7年公正取引委員会規則第9号)|e-Gov法令検索

たとえば未払いの代金が100万円で、受領日から60日を経過した日からさらに30日遅れて支払った場合、遅延利息は「100万円 × 14.6% × 30日 ÷ 365日」で約12,000円になります。金額や日数が大きくなれば、遅延利息の負担も相応に膨らみます。受注側は、支払期日を過ぎた代金についてこの遅延利息を請求できます。

出典・参考資料(1件)

公正取引委員会による勧告と事業者名の公表

支払いの遅延などの禁止行為があると認められた場合、公正取引委員会は発注側に対し、速やかに代金や遅延利息を支払うなどの必要な措置をとるよう勧告します(取適法第10条)。勧告が行われた場合には、あわせて事業者名などが公表される運用がとられており、社名が公表されれば取引先や社会からの信用にも影響します。

受注側は、支払遅延を受けている場合、公正取引委員会や中小企業庁の相談窓口に申告することができます。申告を理由に取引を打ち切るなどの報復は禁止されているため、まずは事実を整理して相談することが選択肢になります。

罰金が科されるのは「書面の不交付」など手続き違反

50万円以下の罰金という罰則もありますが、この対象は支払いの遅延そのものではありません。発注時に交付すべき書面(発注書面)を交付しなかった場合や、取引の記録を作成・保存しなかった場合など、手続き上の義務違反が罰金の対象です。支払遅延には、勧告と遅延利息の仕組みで対応する建て付けになっています。

とはいえ、支払期日の管理と発注書面の交付・保存はいずれも発注側の義務です。支払いのタイミングだけでなく、書面の交付・保存も含めて取引全体を適正に管理することが求められます。

出典・参考資料(1件)

支払期日の例外・特則

60日ルールには、実務で迷いやすい例外や、別の法律による特則があります。自社の状況が該当するかを確認しておきます。

支払日が金融機関の休業日にあたる場合は、発注側と受注側があらかじめ書面で合意していれば、直後の営業日への繰り延べ(原則2日以内)が認められています。逆に、事前の書面合意がないまま休業日を理由に支払いを先送りすると、それ自体が支払遅延として扱われるおそれがあります。休業日を見込んだうえで支払期日を設定しておくと安全です。

出典・参考資料(1件)

特定建設業者は下請代金50日以内(建設業法)

建設工事の下請取引では、下請法ではなく建設業法が適用され、支払期日のルールも異なります。特定建設業者が注文者となる下請契約では、下請代金の支払期日を「50日以内」で、かつできる限り短い期間内に定めなければなりません。日数が下請法の60日より短いだけでなく、起算日も異なります。

建設業法の50日は、受領日ではなく、元請が工事の完成を確認して引渡しの申出を受けた日から起算します。適用の対象も特定建設業者が注文者となる下請契約に限られます。建設業の取引では、下請法の60日ルールをそのまま当てはめず、建設業法の50日ルールで確認する必要があります。

出典・参考資料(1件)

2026年の改正(取適法)で支払期日ルールはどう変わったか

2026年1月1日に施行された改正で、下請法は「取適法(中小受託取引適正化法)」へと改称されました。ここでは、支払いに関して押さえておきたい変更点と、変わらなかった点を整理します。

まず、変わらなかった点として、支払期日を「受領日から60日以内」とする基本ルールはそのまま維持されています。改称によって60日ルールが緩和されたり厳格化されたりしたわけではありません。一方で変わった点としては、遅延利息の対象が広がりました。従来は支払いの遅延に対して遅延利息が課される仕組みでしたが、改正で、正当な理由なく代金を減額した場合にも年14.6%の遅延利息が課されることになりました。

規制の対象となる取引の範囲も広がりました。物流問題への対応として運送委託の一部(特定運送委託)が新たに対象取引に加わり、従来の資本金区分に加えて、従業員数(役務提供委託等は100人、その他は300人)による適用基準も新設されています。これまで対象外だった取引が改正後は対象に含まれることもあるため、自社の取引があらためて対象にあたらないか確認しておくと安心です。

出典・参考資料(1件)

手形払いの一律禁止と手形サイトの扱い

支払いのタイミングに関わる大きな変更が、手形払いの扱いです。改正前は、支払期日までに60日以内で手形を交付し、その手形の期間(手形サイト)を経て現金化するという運用が行われていました。この場合、支払期日までの60日に手形サイトが加わり、受注側が実際に現金を受け取るまでに最長で120日ほどかかることがありました。

改正では、この手形払いが一律で禁止されました。あわせて、電子記録債権(でんさい)やファクタリング(売掛債権の買い取りによる資金化)など、支払期日までに代金相当額の金銭と引き換えることが困難な支払手段を使うことも、支払遅延にあたる禁止行為に含まれます。

受注側にとっては、支払期日の60日がそのまま現金を受け取るまでの期間となる方向への見直しです。手形での受け取りが続いている場合は、現金(振込)による支払いへの切り替えを発注側に相談する材料になります。

出典・参考資料(2件)

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支払期日・入金管理を仕組みで担保する(債権管理システム)

ここまでは、支払期日のルールと自社サイトの確認方法を見てきました。取引件数が増えると、請求書の発行から入金の確認、遅れたときの催促までを手作業で管理するのは負担が大きくなります。

特に代金を受け取る側(受注側)にとっては、入金の遅れを早く把握し、支払期日を過ぎたら催促・回収する運用を仕組みにできると、未回収のリスクを抑えられます。こうした請求から入金・回収までの管理を人手に頼らず仕組みで担保するのが、次に紹介する債権管理システムや請求管理サービスです。

ここからは、支払遅延の防止や入金消込(入金と請求内容を照合して消し込む作業)・催促の自動化に強みを持つサービスを紹介します。それぞれ得意とする範囲が異なるため、自社が「請求から回収までを一気通貫で仕組み化したいのか」「入金消込を効率化したいのか」「回収リスクそのものを移したいのか」を軸に見比べてください。

また、以下の記事では債権管理システム全体を、消込・請求一体・与信督促・ERP統合といったタイプ別に整理し、選び方や機能を詳しく解説しています。ここで取り上げる数サービスにとどまらず幅広く比較して自社に合うものを選びたい方は、こちらもご覧ください。

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サービス名請求管理ロボ請求まるなげロボBill One債権管理債権回収ロボマネーフォワード クラウド債権管理
提供会社株式会社ROBOT PAYMENT株式会社ROBOT PAYMENTSansan株式会社株式会社ROBOT PAYMENT株式会社マネーフォワード
提供形態クラウドシステム代行サービスクラウドシステムクラウドシステムクラウドシステム
請求書発行●●(代行)●×(督促・回収に特化)×(外部の請求データを取込)
入金消込●(自動照合。バーチャル口座で取引先を特定)●(代行。差額・名義相違も対応)●(バーチャル口座方式。合算入金・名義不一致も自動)×●(機械学習で自動照合。複雑な入金にも対応)
督促・催促の自動化●(期限前後を日数設定して自動送信)●(督促を代行。弁護士法人まで対応)△(対象を選びメールで一括リマインド)◎(メール・SMS・IVRの多チャネル督促シナリオを自動実行)●(滞留を検知し担当へ通知)
督促チャネルメール(多チャネルは債権回収ロボ連携)メール・電話・弁護士法人メールメール・SMS・オートコール(IVR)メール・チャット通知(社内・営業向け)
売掛金保証×●(適格・与信通過債権を100%保証)×××
料金要問い合わせ(月額+請求件数の従量)要問い合わせ(月額+手数料1.0%〜)要問い合わせ(発行件数に応じた年額)要問い合わせ要問い合わせ(件数従量制)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る公式資料を見るオンライン相談を予約オンライン相談を予約

1. 請求管理ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求管理ロボのウェブサイト

請求管理ロボは、請求書の発行・送付から集金、入金消込、未入金の自動催促メールまでを一つの画面で自動化するクラウド型の請求・債権管理システムです。単発・定期定額・定期従量といった請求タイプを設定でき、希望の周期で請求書を自動発行できます。

入金情報を金融機関から取得して請求と自動で照合するため、消込作業の手間を減らせます。支払期日前のリマインドや期限後の催促メールも自動で送れるので、「入金の遅れを防ぎ、遅れたら催促する」運用を仕組みにできる点が特徴です。電話やSMS、自動音声を使った本格的な督促は、同社の「債権回収ロボ」と連携して補えます。電子帳簿保存法や適格請求書(インボイス)の要件にも対応しています。

2. 請求まるなげロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求まるなげロボのウェブサイト

企業間取引の請求業務そのものを代行してもらいたい場合に向くのが、請求まるなげロボです。与信審査・請求書の発行と送付・代金回収・入金消込・督促までを ROBOT PAYMENT が代行し、自社の審査で適格債権と判断され、かつ与信を通過した債権については売掛金を100%保証します。

与信を通過した取引先分については、実際の入金を待たずに指定の営業日に代金が支払われる運用のため、受注側の資金繰りの安定にもつながります。督促は同社の窓口によるメール・電話に加え、弁護士法人による対応まで含みます。未回収のリスクを自社で抱えたくない、回収の手間を丸ごと外に出したい、という受注側のニーズに直接応えるサービスです。

3. Bill One債権管理(Sansan株式会社)

Bill One債権管理のウェブサイト

入金消込の自動化を軸にしたいなら、Bill One債権管理が選択肢になります。請求先ごとに固有のバーチャル口座番号を自動で割り当て、その口座を振込先とした請求書を発行することで、入金情報と債権情報を自動でマッチングする仕組みが中核です。

複数の請求をまとめて振り込まれた入金や、債権の名義と振込人の名義が一致しない入金など、従来の自動消込が苦手としてきたケースも自動で処理できると訴求しています。請求書の発行から入金消込、社内での照会・連携までを一つのプラットフォームで管理でき、入金状況をリアルタイムに把握してリマインドにつなげられます。名刺管理サービスなどを手がける Sansan が提供しています。

4. 債権回収ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

債権回収ロボのウェブサイト

支払期日を過ぎた未入金への催促を自動化したい場合に向くのが、債権回収ロボです。2026年3月に提供が始まったサービスで、メール・SMS・オートコール(自動音声)といった複数のチャネルを組み合わせた督促シナリオを自動で実行します。

債務者の属性や債権額に応じて督促のシナリオを設計でき、督促の状況や履歴を一元的に管理できます。同社の請求管理ロボと連携させれば、請求から督促・回収までを一つの流れで扱えます。手作業に頼りがちだった催促業務を仕組み化し、支払遅延が起きた後の回収を後押しするサービスです。

5. マネーフォワード クラウド債権管理(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド債権管理のウェブサイト

マネーフォワード クラウド債権管理は、入金の照合・消込を自動化することに重心を置いたサービスです。請求データの取り込みから債権残高の管理、入金照合、消込、仕訳連携までを一連の流れで効率化します。銀行の入出金データと連携し、実際に入金された金額との照合を機械学習によって自動化する点が中心的な機能です。

締め請求やサブスクリプション型の請求、分割入金といった、実務で頻繁に発生する複雑なパターンの照合にも対応します。未入金が発生した際に営業部門へ通知して確認を促すといった運用と組み合わせることで、回収の遅れに早く気づける体制をつくれます。エクセルと銀行明細を突き合わせて手作業で消込をしている企業が、仕組み化の第一歩として検討しやすいサービスです。

機械学習による照合は、導入した初日から完成した精度で動くわけではなく、運用を重ねるなかで精度が上がっていく仕組みでもあります。この立ち上がりについて、同サービスを提供する株式会社マネーフォワードの栗本賢人氏は次のように説明しています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

機械学習を使っているため、最初から100点を目指すというよりは、使い続けていくことで照合精度が上がっていく仕組みです。目安としては3ヶ月程度で精度が安定してきますが、、お客様のシチュエーションによっても異なります。継続的にお取引をされる企業が中心なのか、新規の取引先が多く入ってくるのかによっても学習のスピードは変わってきます。

まとめ

下請法(取適法)の支払期日は、受け取った日を1日目として起算し、60日以内で、かつできる限り短い期間に定める必要があります。起算日は検収日でも請求書の受領日でもなく、給付を受け取った日そのものです。月末締め・翌々月払いのようなサイクルは60日を超えやすく、支払期日を定めなかった場合や60日を超えて定めた場合は、法律上、受領日または受領日から60日以内が支払期日とみなされます。

支払いが遅れれば年14.6%の遅延利息や公正取引委員会の勧告・公表の対象となり、2026年の改正では手形払いが禁止され、代金減額にも遅延利息が及ぶようになりました。まずは自社の締め・支払サイトを受領日基準で確認し、必要であれば支払フローや契約条件を見直すことが第一歩です。

取引件数が多く手作業での管理に限界を感じている場合は、請求・入金・催促を仕組みで担保する債権管理システムの導入もあわせて検討してみてください。

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下請法の支払期日に関するよくある質問(FAQ)

Q. 下請法(取適法)の支払期日とは何ですか?

A. 下請法(取適法)の支払期日とは、発注側が納品などの給付を受け取った日から起算して60日以内で、かつできる限り短い期間内に定めなければならない、代金を支払う期限のことです。当事者の合意より優先される強い決まりで、取適法第3条第1項に定められています。60日という日数と、その起算日をどこに置くかの2点が、自社の支払サイトがルールに収まるかを判断する軸になります。

Q. 下請法の支払期日の60日は、いつから起算しますか?

A. 下請法の支払期日の60日は、給付を受領した日(納品やサービスの提供を受けた日)そのものを1日目として起算します。発注日でも、検収(検査)が終わった日でも、請求書を受け取った日でもありません。条文が「検査をするかどうかを問わず……給付を受領した日……から起算して」と定めているため、社内の検収手続きが未了でも、受け取った日から60日のカウントが始まります。

起算日を検収日と取り違えると、気づかないうちに60日を超える支払期日を設定してしまうことがあります。

Q. 月末締め・翌月末払いは下請法の支払期日に違反しますか?

A. 月末締め・翌月末払いは原則として60日以内に収まりますが、月初に受け取った分は60日をわずかに超える場合があり、注意が必要です。たとえば3月1日に受領し4月30日に支払うケースでは、受領日を1日目として数えると60日を超えます。

一方で翌々月払いは、月初の受領分で受領日から支払日までが70〜90日ほどになり、60日ルールを超えます。締め日ではなく「締め期間で最も早い受領日」から支払日までの実日数で確認してください。

Q. 支払期日を定めなかった場合、下請法ではどう扱われますか?

A. 支払期日を定めなかった場合は、給付を受け取った日が支払期日とみなされ、受領と同時に支払義務が生じます。また、60日を超える支払期日を定めてしまった場合は、受領日から起算して60日を経過した日の前日(=60日目にあたる日)が支払期日とみなされます(取適法第3条第2項)。当事者の合意や契約書の記載で60日を超える期日を有効にすることはできません。

Q. 下請法の支払期日に遅れると、どんなペナルティがありますか?

A. 支払期日に遅れると、受領日から60日を経過した日から実際に支払う日まで年14.6%の遅延利息が発生し、公正取引委員会などによる勧告・事業者名の公表の対象にもなります(遅延利息は取適法第6条)。

なお50万円以下の罰金(第14条第1項)は、発注書面の不交付や取引記録の不作成など手続き上の義務違反が対象で、支払遅延そのものへの罰則ではありません。支払遅延には、勧告と遅延利息の仕組みで対応する建て付けになっています。

Q. 2026年の改正(取適法)で、支払期日のルールは変わりましたか?

A. 2026年1月の改正で下請法は「取適法(中小受託取引適正化法)」へ改称されましたが、支払期日を「受領日から60日以内」とする基本ルールは変わっていません。変わった点は、手形払いが一律禁止されたこと、電子記録債権など期日までに現金化が難しい支払手段も禁止行為に含まれたこと、正当な理由のない代金減額にも年14.6%の遅延利息が及ぶようになったことです。

手形での受け取りが続いている場合は、現金(振込)による支払いへの切り替えを発注側に相談する材料になります。

Q. 支払いが遅れている下請事業者は、どこに相談すればよいですか?

A. 支払遅延を受けている受注側(中小受託事業者)は、公正取引委員会や中小企業庁の相談窓口に申告できます。申告を理由に取引を打ち切るなどの報復は禁止されているため、まずは受領日・支払期日・遅延日数などの事実を整理して相談するのが安全です。支払期日を過ぎた代金については、年14.6%の遅延利息もあわせて請求できます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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