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小口現金管理とは?仕訳・勘定科目・出納帳の書き方と効率化・廃止の進め方

小口現金管理のサムネイル画像

日々の少額支払いに使う小口現金について、「設定・精算・補充の仕訳をどう書くのか」「出納帳と現金残高が合わない」「毎日の確認や月末の照合に手間がかかる」といった悩みを抱えていませんか。

小口現金の管理は、管理方法の選び方・勘定科目・仕訳・出納帳の付け方という基本を押さえれば、迷わず正確に回せるようになります。そのうえで、管理の手間や紛失・不正のリスクそのものを減らしたい場合は、経費精算システムや法人カードへの切り替えという選択肢もあります。

本記事では、小口現金の管理方法と勘定科目、設定時・精算時・補充時の仕訳を金額入りの例で解説し、小口現金出納帳の付け方や日々の運用ルールまで整理します。さらに、小口現金の管理を効率化・廃止するための具体的な方法もご紹介します。

自社の記帳が正しいかを確認しながら、必要に応じて運用の見直しまで進められる内容です。まずは小口現金の基本から押さえていきましょう。

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小口現金とは

小口現金とは、交通費や事務用品代などの日常的な少額の支払いにすぐ対応できるよう、各部署や担当者の手元に用意しておく現金のことです。経理部門が管理する会社全体の現金とは別に、少額の経費精算を現場で素早く処理する目的で運用します。

会計上、小口現金は貸借対照表の流動資産「現金及び預金」に含まれる資産です。会社の資金の一部を小口現金として切り出し、担当者(小口現金係)が出納帳に記録しながら管理します。

小口現金と現金・普通預金の違い

「現金」は会社が保有する資産全体を指し、通常は経理部門が一元管理します。これに対して小口現金は、現場での少額支払いに充てるために現金の一部を切り出したもので、担当者が日々の入出金を管理します。管理の主体と目的が異なる点が両者の違いです。

普通預金との違いは、支払いの即時性にあります。普通預金からの支払いは振込や引き出しの手続きが必要ですが、小口現金は手元にあるため、切手代や少額の備品購入などをその場で精算できます。一方で、現物の現金を扱うため、残高管理や保管の手間が発生します。

小口現金の管理方法(定額資金前渡制度・随時補給制度)

小口現金の管理方法には、大きく分けて「定額資金前渡制度(インプレストシステム)」と「随時補給制度」の2つがあります。どちらで運用するかによって、残高管理のしやすさが変わります。それぞれの仕組みと向き不向きを見ていきましょう。

定額資金前渡制度(インプレストシステム)

定額資金前渡制度は、あらかじめ一定額を小口現金として用意し、一定期間(1週間や1か月など)ごとに、使った金額と同じ額を補充して残高を元の定額に戻す方法です。補充後の残高が常に一定になるため、「今いくらあるべきか」が明確で、残高の確認やズレの発見がしやすいのが特徴です。運用の手順がシンプルで、小口現金管理の基本的な進め方といえます。

随時補給制度

随時補給制度は、小口現金が不足したタイミングで、必要な額をその都度補充する方法です。補充の時期や金額が固定されないため柔軟に運用できますが、残高が一定にならず、いくら補充したかを都度記録しないと管理が煩雑になりやすい面があります。支出額の変動が大きい部署などで使われることがあります。

残高管理を楽にしたい、ズレを早く見つけたいという場合は定額資金前渡制度が向いています。支出額が月によって読みにくい部署では、随時補給制度のほうが柔軟に対応できます。最初に用意する金額は、1週間から1か月程度で使い切る額を目安にすると、補充の頻度と手元の現金量のバランスを取りやすくなります。多すぎると紛失・不正のリスクが増え、少なすぎると補充の手間が増えます。

小口現金を補充する流れ

定額資金前渡制度では、担当者が一定期間の支払いを小口現金から行い、出納帳に記録します。期間の締め日に、使った金額と領収書を経理へ報告します。経理は内容を確認し、使った金額と同額を当座預金や普通預金から補充して、残高を元の定額に戻します。

この設定から補充までの流れを図にすると、次のようなサイクルになります。

定額資金前渡制度(インプレストシステム)の運用サイクルを示した図解。STEP1で一定額を小口現金として用意し、STEP2で担当者が小口現金から支払い、STEP3で小口現金出納帳に記録、STEP4で締め日に使用額と領収書を経理へ報告、STEP5で経理が使用分と同額を補充する流れを示す。補充すると残高は元の定額に戻り、次の期間もSTEP1から同じサイクルを繰り返すことを表している。

小口現金管理で使う主な勘定科目

小口現金から支払った経費は、支出の内容ごとに適切な費用科目で処理します。小口精算で頻繁に使われる主な勘定科目は次のとおりです。いずれも一般的な費用科目です。このうち旅費交通費・消耗品費・通信費・雑費は、国税庁の青色申告決算書(損益計算書)にも印字科目として並びます。

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旅費交通費消耗品費通信費会議費新聞図書費雑費
主な用途の例電車・バス・タクシー代、近距離の出張旅費文房具・事務用品、少額の備品切手・はがき、宅配便の送料来客用のお茶・茶菓子、少額の会議用飲食新聞・書籍・資料の購入上記のいずれにも当てはまらない少額の支出

どの科目で処理するか社内で基準を決めておくと、担当者によって科目がばらつくのを防げます。

出典・参考資料(1件)

小口現金の仕訳(設定時・精算時・補充時の金額入り例)

小口現金の仕訳は、「①小口現金を用意したとき(設定時)」「②小口現金から支払った経費の報告を受けたとき(報告時)」「③減った分を補充したとき(補給時)」の3つの場面に分かれます。定額資金前渡制度を前提に、金額を入れた具体例で確認します。

以下の例では、当座預金から小口現金を用意する前提で記載しています。当座預金を使わず普通預金から用意している場合は、仕訳の「当座預金」を「普通預金」に読み替えてください。

小口現金を用意したとき(設定時)

当座預金から50,000円を引き出し、小口現金として担当者に前渡しした場合の仕訳です。会社の資金を小口現金という資産に振り替える処理になります。

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借方貸方
勘定科目小口現金当座預金
金額50,000円50,000円

支払いを精算したとき(報告時)

担当者から、1か月間に小口現金で支払った経費の報告を受けたときの仕訳です。例えば旅費交通費8,000円・消耗品費5,000円・通信費2,000円の合計15,000円を支払っていた場合、支出の内容ごとに費用科目へ振り替えます。

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借方借方借方貸方
勘定科目旅費交通費消耗品費通信費小口現金
金額8,000円5,000円2,000円15,000円

この報告を受けた時点で、使った分だけ小口現金(資産)が減り、代わりに各費用が計上されます。

減った分を補充したとき(補給時)

定額資金前渡制度では、報告で使ったと確認できた15,000円と同額を当座預金から補充し、小口現金の残高を元の50,000円に戻します。

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借方貸方
勘定科目小口現金当座預金
金額15,000円15,000円

報告と補充を同じ日に行う場合は、精算時の仕訳と補充時の仕訳をまとめて「借方:各費用科目/貸方:当座預金」と記帳することもあります。日々の支払いの都度は仕訳せず、報告のタイミングでまとめて費用計上するのが一般的な運用です。

小口現金出納帳の付け方(項目・残高計算・記帳の流れ)

小口現金の入出金は、小口現金出納帳に記録します。出納帳をつけることで、手元の現金残高と帳簿上の残高を照合でき、ズレの早期発見や月末の報告がスムーズになります。基本の記帳項目は次のとおりです。

  • 日付:入出金が発生した日
  • 摘要:支払先や支払内容、勘定科目
  • 受入金額:補充などで小口現金に入った金額
  • 支払金額:経費として支払った金額
  • 差引残高:その時点での手元残高

差引残高は、「前の行の残高 + 受入金額 − 支払金額」で計算し、1行ごとに更新します。記帳の流れは、支払いが発生したらその都度、日付・摘要・支払金額を記入して残高を計算し、補充を受けたら受入金額を記入して残高を戻す、という順です。1日の終わりに、帳簿上の差引残高と手元の現金有高が一致するかを確認します。

先ほどの仕訳例(定額50,000円で運用し、旅費交通費8,000円・消耗品費5,000円・通信費2,000円を支払って月末に補充)を出納帳に記入すると、次のようになります。

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10/110/510/1210/2010/31
摘要前渡し(小口現金の設定)電車代(旅費交通費)文房具代(消耗品費)切手代(通信費)補充(使用分15,000円)
受入金額50,000円———15,000円
支払金額—8,000円5,000円2,000円—
差引残高50,000円42,000円37,000円35,000円50,000円

支払いのたびに差引残高が減り、月末に使用分と同額を補充することで、残高が元の50,000円に戻ります。月末時点の差引残高(この例では補充後の50,000円)と、手元の現金有高が一致していれば、記帳と現金が合っている状態です。

小口現金を管理するときの運用ルール・注意点

小口現金は現物の現金を扱うため、記帳の正確さだけでなく、日々の残高確認や保管のルールも重要になります。トラブルを防ぐための主な注意点を見ていきましょう。

毎日の残高確認と出納帳との照合

1日の業務の終わりに、出納帳の差引残高と手元の現金有高が一致しているかを確認します。毎日照合しておくと、ズレが生じてもその日のうちに原因を特定しやすくなります。月末にまとめて確認する運用では、ズレが見つかっても、いつ・何が原因かをさかのぼるのに時間がかかります。

残高が合わないとき(現金過不足)の対処と仕訳

帳簿上の残高と実際の現金有高が合わないときは、まず原因を探します。よくある原因は、おつりや支払額の数え間違い、領収書の受け取り漏れ・紛失、出納帳への記帳漏れや二重記帳、小さな立替の精算忘れなどです。当日の取引を出納帳と領収書で1件ずつ照らし合わせると、多くはこの段階で原因が見つかります。

その場で原因が分からない場合は、いったん「現金過不足」という勘定で差額を処理し、帳簿残高を実際の有高に合わせます。例えば帳簿残高が35,000円なのに実際の有高が34,000円で、1,000円不足していた場合の仕訳は次のとおりです。

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借方貸方
勘定科目現金過不足小口現金
金額1,000円1,000円

反対に実際の有高が帳簿より多い(過剰な)場合は、借方を「小口現金」、貸方を「現金過不足」として同様に処理します。後日、原因が判明したときは、現金過不足を正しい勘定科目へ振り替えます。先ほどの不足分が通信費の記帳漏れだったと分かった場合は、借方を「通信費」、貸方を「現金過不足」とします。

決算日になっても原因が分からず現金過不足が残ったときは、不足分は「雑損失」、過剰分は「雑収入」へ振り替えて精算します。頻繁にズレが出る場合は、数え間違いや記帳漏れが起きにくいよう、精算のたびに領収書と出納帳を突き合わせる運用に見直すとよいでしょう。

マニュアル化で属人化を防ぐ

精算の手順・対象となる経費の範囲・1回あたりの支払い上限・補充のタイミングなどをルールとして文書化し、運用マニュアルにまとめておきます。手順が担当者の頭の中だけにあると、担当者が不在のときや交代したときに業務が止まったり、処理の基準がぶれたりします。マニュアル化は属人化の防止につながります。

現金の保管・権限分離で紛失・不正を防ぐ

小口現金は施錠できる金庫などで保管し、鍵や保管場所にアクセスできる人を限定します。あわせて、支払いを行う担当者と、残高や出納帳をチェックする担当者を分けておくと、記録の誤りや不正を牽制できます。現物の現金は紛失・盗難・使い込みのリスクを伴うため、保管と権限分離のルールは欠かせません。

帳簿書類の保存期間(法人は原則7年)

小口現金出納帳は、法人税法上の帳簿にあたり、保存義務があります。法人は、帳簿書類を原則として7年間保存する必要があります。国税庁は帳簿の例として「現金出納帳」を挙げており、小口現金出納帳もこの保存対象に含まれます。

法人は、帳簿(注1)を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成または受領した書類(注2)を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間(注3)保存しなければなりません。

(注1)「帳簿」には、例えば総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などがあります。

出典:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁

ただし、青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた事業年度などは、保存期間が10年間(平成30年4月1日前に開始した事業年度は9年間)になります。原則は7年で、10年はこうした例外にあたる点に注意してください。

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小口現金の管理を効率化・廃止する方法(経費精算システム・法人カード・振込)

ここまで解説した小口現金の管理には、毎日の残高確認や記帳、現金の保管といった手間が伴います。こうした手間やリスクそのものを減らすために、小口現金の運用を見直す動きもあります。ここでは、管理を効率化する方法と、小口現金そのものを廃止する方法を解説します。

小口現金管理の課題・リスク(経理・申請者双方の負担、紛失・不正)

小口現金の運用には、経理担当者と申請者の双方に負担が生じます。経理担当者は、毎日の残高確認・出納帳への記帳・定期的な補充といった作業を継続的に行う必要があります。申請者も、立替払いをして領収書を提出し、精算を受けるという手続きが発生します。

さらに、現物の現金を扱う以上、紛失・盗難・使い込みのリスクが常に伴います。残高が合わないときの原因調査にも時間がかかります。これらの課題は、現金の受け渡しや手作業の記帳をなくすことで軽減できます。

経費精算システムで立替精算・振込データ生成をオンライン化する

経費精算システムを使うと、申請・承認・仕訳・支払いまでをオンラインで完結できます。領収書はスマートフォンで撮影してデータ化し、承認もシステム上で行えるため、現金での精算や手書きの出納帳が不要になります。立替分の精算では、総合振込用のデータ(FBデータ)を自動で作成し、従業員の口座へまとめて振り込める製品もあります。

小口現金で行っていた「立替分の現金返金」や「仮払いの現金渡し」を振込に置き換えることで、現金の受け渡し自体をなくせます。会計ソフトへの仕訳連携に対応していれば、記帳の手間も削減できます。

法人カード・振込で現金そのものを減らす

経費の支払いを法人カード(コーポレートカード・ビジネスカード)に切り替えると、立替払いそのものが発生しなくなります。カードの利用明細がそのまま経費データになるため、領収書とカード明細の突合も効率化できます。業者への定例的な支払いを口座振替や振込に切り替える、少額でも振込で精算する、といった運用も、現金の取り扱いを減らす方法です。

小口現金を廃止する進め方と注意点

小口現金の廃止は、段階的に進めるのが現実的です。まず現在どのような少額支払いが発生しているかを洗い出し、それぞれを「法人カード払い」「口座振替・振込」「経費精算システムでの立替精算」のいずれに置き換えられるかを検討します。置き換え先を決めたら、運用ルールを更新し、関係者へ周知するとよいでしょう。

注意点として、小口現金には「少額の支払いにその場で柔軟に対応できる」という利点があります。廃止する際は、急な少額支出への対応方法(仮払金の運用や立替精算のルール)をあらかじめ決めておくと、現場が困りません。自社の支払いの実態に合わせて、無理のない範囲から切り替えていくとよいでしょう。

小口現金を仮払金や立替精算に置き換えるときは、立替金・仮払金・小口現金それぞれの違いと仕訳を押さえておくと、運用ルールを決めやすくなります。これらの使い分けは以下の記事で詳しく解説しています。

小口現金管理に役立つ経費精算システム

小口現金の効率化・廃止に役立つ経費精算システムは、それぞれ現金を減らすアプローチが異なります。立替精算のオンライン化・振込データの自動生成・専用カードによる立替払いの撤廃・小口現金管理機能の内蔵など、自社の課題に合うものを選ぶことが大切です。ここでは代表的なサービスを紹介します。

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サービス名Bill One経費マネーフォワード クラウド経費楽楽精算freee経費精算
小口現金を減らす主なアプローチ専用ビジネスカードで
立替払いそのものをなくす
立替返金・仮払を
振込・カードに置き換え
請求書支払のFBデータ生成と
業務集約で現金払いを削減
小口現金管理機能+法人カードで
段階的に現金レス化
立替精算のオンライン化(申請〜承認〜仕訳)●●●●
立替返金・仮払の振込(FB・総合振込データ生成)×立替を発生させない設計のため非搭載◎FBデータ自動作成・ワンクリック振込△請求書支払のFBデータ生成に対応(立替返金は用途外)●一括振込ファイルを作成
法人カード・専用カードで立替を削減◎専用カードを全社員に配布●ビジネスカード・コーポレートカード連携●クレジットカード・楽楽ビジネスカード連携●法人カード連携
小口現金管理機能(内蔵)×××●freee支出管理で対応
会計ソフト連携●●●●
初期費用要問い合わせ0円100,000円(税抜)要問い合わせ
(公式に記載なし)
月額費用要問い合わせ
(初期費用+年額費用、件数に応じ個別設定)
2,480円〜
(年払い月額、プラン・人数で変動)+アクティブユーザー従量
30,000円〜
(税抜、従業員数・オプションで変動)
7,500円〜
(経費精算Plus・年払い月額、税抜)+従量650円/ID
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見る

※料金・機能は2026年10月時点の各社公式サイトの公表情報に基づきます。「要問い合わせ」は金額が公開されていない項目です。立替返金・仮払の振込(FBデータ生成)や小口現金管理機能の対応範囲は契約プラン・連携製品により異なるため、導入前に各社へご確認ください。

1. Bill One経費(Sansan株式会社)

Bill One経費の公式サイトトップページ

Bill One経費は、名刺管理サービスで知られるSansan株式会社が提供するクラウド経費精算サービスです。サービスのコンセプトは「立替経費をなくし、月次決算を加速する」に置かれています。専用の「Bill Oneビジネスカード」を社員に配布し、経費をこのカードで支払う運用にすることで、従業員による立替払いそのものをなくす点を中核に据えています。

領収書はSansanのデータ化技術で読み取り、カードの利用明細と自動で突合します。ビジネスカードは発行手数料・年会費が無料で、発行枚数に上限がない点も特徴です。現金の受け渡しをなくして小口現金を廃止したい企業にとって、直接的な選択肢になります。

料金は初期費用と年額費用で構成され、処理する経費精算の件数に応じて個別に設定されるため、詳細は問い合わせが必要です。利用にはBill One本体の契約が必要です。

2. マネーフォワード クラウド経費(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド経費の公式サイトトップページ

マネーフォワード クラウド経費は、領収書のスマホ撮影によるOCR入力から承認ワークフロー、会計ソフトへの仕訳連携までを一気通貫で扱うクラウド型の経費精算システムです。株式会社マネーフォワードが提供しています。

小口現金の削減という観点では、総合振込用のデータ(FBデータ)の自動作成やワンクリック振込に対応しており、立替分の精算や仮払いを現金渡しから振込へ置き換えられます。コーポレートカード連携や、給与計算システムと連携した立替経費の従業員振込にも対応します。料金は、実際に経費精算に関わった人数に対して課金する「アクティブユーザー課金」を採用しています。

3. 楽楽精算(株式会社ラクス)

楽楽精算の公式サイトトップページ

楽楽精算は、公式プレスリリースによると単体の累計導入社数が20,000社以上(2025年9月時点)にのぼる、導入規模の大きいクラウド型の経費精算システムです。株式会社ラクスが提供しています。

経費精算に加えて、請求書支払処理(ファームバンキングデータの生成)や汎用ワークフロー、会計ソフト連携まで業務を1サービスに集約できます。AI-OCRによる領収書の自動読み取りに対応し、手入力や紙の出納帳を減らせます。料金は初期費用100,000円(税抜)、月額30,000円〜(税抜、利用人数やオプションに応じて変動)です。

4. freee経費精算(フリー株式会社)

freee経費精算の公式サイトトップページ

freee経費精算は、料金プラン上は「freee支出管理 経費精算Plus/Full」として提供される、フリー株式会社の経費精算サービスです。スマートフォンやアプリからの経費申請、AI-OCRによる領収書のデータ化、承認ワークフロー、会計連携までをカバーします。

上位の統合サービス「freee支出管理」は、経費精算・購買申請・支払依頼・受取請求書/債務管理に加えて、小口現金の管理機能や法人カード連携を一本化しています。小口現金の運用をシステム側で管理しながら、段階的に現金の取り扱いを減らしていける点が特徴です。利用中の会計ソフトを変えずに経費精算だけを単独で導入することもできます。

料金は経費精算Plusの場合、基本料金が月額7,500円〜(税抜)に、1IDあたりの従量課金が加わる体系です。

ここで紹介したのは代表的な4サービスです。料金・機能・対応範囲をより幅広く比較して自社に合うものを選びたい場合は、以下の記事で主要な経費精算システムを詳しく解説しています。

まとめ

小口現金の管理は、定額資金前渡制度か随時補給制度かという管理方法を決め、適切な勘定科目で設定時・精算時・補充時の仕訳を行い、出納帳で残高を管理する、という基本の流れを押さえれば正確に回せます。あわせて、毎日の残高確認・マニュアル化・保管や権限の分離・帳簿の保存(法人は原則7年)といった運用ルールを整えることで、ズレやトラブルを防げます。

そのうえで、毎日の確認や現金の取り扱いの手間、紛失・不正のリスクが負担になっている場合は、経費精算システム・法人カード・振込への切り替えで、小口現金の管理を効率化したり廃止したりできます。自社の支払いの実態に合わせて、運用の見直しを検討してみてください。

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小口現金管理に関するよくある質問(FAQ)

Q. 小口現金とは何ですか?

A. 小口現金とは、交通費や事務用品代などの日常的な少額の支払いにすぐ対応できるよう、各部署や担当者の手元に用意しておく現金のことです。経理部門が管理する会社全体の現金とは別に、少額の経費精算を現場で素早く処理する目的で運用し、会計上は貸借対照表の流動資産「現金及び預金」に含まれます。

Q. 小口現金はいくらまで用意すればよいですか?

A. 小口現金の金額に法律上の上限はなく、過去の支出実績や部署の業務内容をもとに、1〜2週間から1か月程度で使い切る見込みの額を目安に設定します。多すぎると紛失・不正のリスクや管理の手間が増え、少なすぎると補充の頻度が上がるため、実際の支出額に合わせて適正額を定期的に見直すのが基本です。

Q. 小口現金でよく使う勘定科目は何ですか?

A. 小口現金の支払いでよく使う勘定科目は、旅費交通費・消耗品費・通信費・会議費・新聞図書費・雑費などの少額の費用科目です。支出の内容ごとに科目を分けて処理し、どれにも当てはまらない少額の支出は雑費でまとめます。社内で科目の基準を決めておくと、担当者による処理のばらつきを防げます。

Q. 小口現金と現金の違いは何ですか?

A. 「現金」が会社の資産全体を指し経理部門が一元管理するのに対し、小口現金は現場での少額支払いに充てるために現金の一部を切り出し、担当者が日々管理するものです。管理の主体(経理か現場担当か)と目的(会社全体の資産管理か少額支払いへの即時対応か)が異なる点が両者の違いです。

Q. 小口現金は日々の支払いの都度に仕訳が必要ですか?

A. 日々の少額支払いのたびに仕訳する必要はなく、担当者からの報告を受けたタイミングでまとめて費用科目へ振り替えるのが一般的です。日々の入出金は小口現金出納帳に記録しておき、定額資金前渡制度であれば期間の締め日に、報告・補充のタイミングで仕訳します。これにより、仕訳の件数を抑えながら正確に記帳できます。

Q. 小口現金出納帳の保存期間は何年ですか?

A. 小口現金出納帳は法人税法上の帳簿にあたり、法人は原則として7年間保存する必要があります。国税庁も帳簿の例として「現金出納帳」を挙げており、小口現金出納帳もこの保存対象に含まれます。ただし、青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた事業年度などは保存期間が10年間になる例外がありますが、原則は7年です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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