出張のホテル代を精算していて、領収書に「宿泊料」とは別に「宿泊税 200円」の行が立っているのを見て、手が止まった経理担当の方は少なくありません。この宿泊税をどの勘定科目で、消費税はどの区分で入れればよいのか——宿泊料と一緒に課税仕入れ10%で処理してよいのか、分けるべきなのかが、最初の迷いどころです。
結論を先にお伝えすると、領収書に宿泊税が別記載されている場合は宿泊税は租税公課・消費税は対象外(不課税)、宿泊料本体は旅費交通費・消費税は課税仕入れ10%で処理します。ただし、従業員が立て替えて会社が実費精算する場合は、出張旅費等特例により宿泊税を含む全額を課税仕入れとして扱えるなど、支払方法によって消費税の扱いが変わる点に注意が必要です。
本記事では、宿泊税の勘定科目と消費税区分を結論から示し、領収書の記載あり/なしで見る金額入りの仕訳例、立替精算・法人カード払いで変わる処理、2026年時点の自治体別の税額、インボイス制度との関係までを整理します。経費精算システムで宿泊税の立替精算・仕訳を効率化する方法もあわせて解説します。
目次
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【結論】宿泊税の勘定科目は租税公課・消費税は対象外
宿泊税の会計処理は、宿泊料本体とは勘定科目・消費税区分を分けて考えます。領収書に宿泊税が別記載されている場合の基本の扱いは次のとおりです。
| 区分 | 勘定科目 | 消費税区分 |
|---|---|---|
| 宿泊料本体 | 旅費交通費 | 課税仕入れ(10%) |
| 宿泊税(別記載の場合) | 租税公課 | 対象外(不課税) |
宿泊税を消費税の対象外(不課税)として扱うのは、宿泊税が宿泊サービスの対価ではなく、地方税法にもとづいて自治体に納める税金だからです。消費税の課税対象は「事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」に限られており、国税庁は課税の対象について次のように説明しています。
消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等および特定仕入れならびに保税地域から引き取られる外国貨物の引取り(輸入取引)に限られ、国外において行われる取引および資産の譲渡等に該当しない取引は、課税の対象とはなりません。
出典:No.6105 課税の対象|国税庁
宿泊税は自治体に納める税金で、宿泊という役務の対価ではないため、この「対価を得て行う取引」に当たりません。そのため消費税の課税対象とならず、「対象外(不課税)」として処理します。宿泊税は、新たに導入する自治体の制度でも「宿泊税(法定外目的税)」と位置づけられています。
消費税の区分では、「非課税」と「対象外(不課税)」は別物です。非課税は、本来は課税対象の要件を満たす取引のうち、土地の譲渡・利子・医療・教育・住宅の貸付けなど、消費税法で限定的に課税しないと定められた取引を指します。宿泊税はこの非課税の列挙に含まれず、そもそも対価性という課税の要件を満たさないため、非課税ではなく対象外(不課税)に区分します。
領収書の記載あり/なしで見る宿泊税の仕訳例(金額入り)
宿泊税の仕訳は、領収書に宿泊税の金額が別記載されているかどうかで変わります。ここからは、東京都のホテルに宿泊した場合を例に、金額入りの仕訳を記載あり・なしの2パターンで示します(税抜経理方式の場合)。
領収書に宿泊税が別記載されている場合
宿泊料15,000円(税抜)、消費税1,500円、宿泊税200円で合計16,700円を支払い、後日支払うケースでは、宿泊料本体を旅費交通費(課税仕入れ)、宿泊税を租税公課(対象外)に分けて計上します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費(課税仕入れ10%) | 15,000円 | 未払金 | 16,700円 |
| 仮払消費税等 | 1,500円 | ||
| 租税公課(対象外) | 200円 |
領収書に宿泊税の記載がない(宿泊料に含まれている)場合
領収書が「宿泊費 16,700円」のみで宿泊税の内訳が示されていない場合は、金額を切り分けられません。従業員が立て替えて会社が実費精算するケースでは、出張旅費等特例(後述)により宿泊税を含む総額を課税仕入れとして処理できるため、次のように総額を旅費交通費で計上します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 旅費交通費(課税仕入れ10%) | 15,182円 | 現金預金 | 16,700円 |
| 仮払消費税等 | 1,518円 |
記載の有無で処理が分かれるため、経費精算の際は領収書に宿泊税が区分されているかを確認し、区分されていれば宿泊税分を租税公課・対象外で切り出すのが基本です。勘定科目は宿泊料本体とまとめて旅費交通費に計上しても差し支えありませんが、その場合も宿泊税部分を消費税の課税仕入れに含めない(対象外とする)点は変わりません。区分されていない場合の消費税の扱いは、次に述べる支払方法によって変わります。
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支払方法で変わる宿泊税の消費税区分|立替精算・法人カード払いと出張旅費等特例
宿泊税の消費税区分は、「誰がどのように支払ったか」で変わります。従業員が立て替えて会社が実費精算する場合と、会社が法人カードなどで直接支払う場合とで、宿泊税を課税仕入れに含められるかどうかが分かれます。領収書に宿泊税が別記載されているかどうかにかかわらず、まず支払方法で次のように判断します。

| 支払方法 | 宿泊税の消費税区分・勘定科目(領収書への別記載の有無を問わず) |
|---|---|
| 従業員が立て替え、会社が実費精算する(出張旅費等特例を適用) | 宿泊費の総額(宿泊税を含む)を課税仕入れ・旅費交通費として処理できる。宿泊税を租税公課・対象外に分けなくてよい |
| 会社が法人カード・口座振込などでホテルに直接支払う | 宿泊税は対象外(不課税)・租税公課、宿泊料本体は課税仕入れ・旅費交通費に分ける。別記載がないときは実務上は総額を課税仕入れとして処理する |
従業員が立て替え、会社が実費精算した場合(出張旅費等特例)
出張者が立て替えたホテル代の領収書を会社が精算する、経費精算で最も多いこのケースが、ここでいう実費精算にあたります。
従業員に支給する出張旅費・宿泊費のうち、その出張に通常必要と認められる部分の金額は、出張旅費等特例により、全額を課税仕入れとして扱えます。この場合、適格請求書(インボイス)の保存がなくても、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。国税庁のQ&Aは次のように説明しています。
社員に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして取り扱われます。この金額については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(消法30⑦、消令49①一ニ、消規15の4二、基通11-6-4)。
出典:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問107(令和5年10月改訂)|国税庁
この特例は、支給した宿泊費のうち通常必要と認められる部分を分けずにまとめて課税仕入れとして扱うため、宿泊税を含めた宿泊費の総額が課税仕入れになります。国税庁の説明では、社内規程の有無や、概算払い・実費精算の別を問わず特例の対象になるとされています。
出張旅費等に係る社内規程や基準の有無にかかわらず、また、概算払いによるものか、実費精算によるものかにかかわらず、通常必要であると認められる部分は特例の対象となる。
出典:インボイス制度における特例(出張旅費等特例)|国税庁
会社が法人カード・直接払いした場合
会社が法人カードやオンライン決済でホテルに直接支払った場合は、従業員への旅費の支給ではないため出張旅費等特例の対象にはなりません。この場合は通常の取引として、宿泊料本体は課税仕入れ、宿泊税は宿泊役務の対価ではないため対象外(不課税)に区分します。領収書に宿泊税が別記載されていれば、その金額を租税公課・対象外として切り出します。
同じ出張の宿泊でも、従業員の立替を実費精算するか、会社が直接支払うかで宿泊税の消費税区分が変わります。社内で支払方法ごとの処理を整理し、経費精算システムの税区分設定もそれに合わせておくと、申請のたびに迷わずに済みます。
宿泊税に限らず、従業員が立て替えた経費そのものの処理(立替金・仮払金との違いや金額入りの仕訳、インボイス制度・電子帳簿保存法の扱い)を実務目線で整理したい場合は、以下の記事をあわせてご覧ください。
宿泊税とは?対象・使途と自治体別の税額一覧(2026年時点)
ここでは、仕訳の前提となる宿泊税の制度の概要と、自分が精算する分の税額を確認できるよう、自治体別の税額を整理します。
宿泊税とは(地方税法の法定外目的税)
宿泊税は、ホテルや旅館などの宿泊に対して課される地方税で、地方税法にもとづき各自治体が条例で定める「法定外目的税」です。宿泊施設が宿泊者から徴収し、自治体に納める特別徴収の方式がとられています。集めた税収は、観光振興などの目的に充てられます。
2002年に東京都が全国で初めて導入し、その後、大阪府・京都市・金沢市・福岡市などに広がりました。2026年には7月1日施行の宮崎市、10月1日施行の盛岡市など、新たに導入する自治体が増えています。
導入自治体と税額一覧(2026年時点)
主な自治体の宿泊税額は次のとおりです。税額は1人1泊あたりで、金額の区分は消費税や食事代を含まない宿泊料金(素泊まり料金)で判定します。税額や施行日は改定されることがあるため、精算時は各自治体の公式情報で最新の金額を確認してください(確認日:2026年10月9日)。
| 自治体 | 税額(1人1泊・宿泊料金で判定) | 施行・改定 |
|---|---|---|
| 東京都 | 10,000円未満 課税なし/10,000〜15,000円未満 100円/15,000円以上 200円。令和9年度(2027年度)からは13,000円未満 課税なし・13,000円以上 定率3%に変更予定 | 2002年導入/令和9年度 改定予定 |
| 大阪府 | 5,000円未満 課税なし/5,000〜15,000円未満 200円/15,000〜20,000円未満 400円/20,000円以上 500円 | 2025年9月1日 改定 |
| 京都市 | 6,000円未満 200円/6,000〜20,000円未満 400円/20,000〜50,000円未満 1,000円/50,000〜100,000円未満 4,000円/100,000円以上 10,000円 | 2026年3月1日 改定 |
| 金沢市 | 5,000円未満 課税なし/5,000〜20,000円未満 200円/20,000円以上 500円 | 2019年4月 導入/2024年10月 改定 |
| 福岡市 | 20,000円未満 200円/20,000円以上 500円(うち福岡県分50円を含む) | 2020年4月 導入 |
| 北九州市 | 一律 200円(うち福岡県分50円を含む) | 2020年4月 導入 |
| 倶知安町(北海道) | 宿泊料金の3%(定率。2026年4月改定、改定前は2%) | 2019年11月 導入/2026年4月 改定 |
| 盛岡市(岩手県) | 一律 200円(免税点なし) | 2026年10月1日 導入 |
| 宮崎市(宮崎県) | 一律 200円(免税点なし) | 2026年7月1日 導入 |
出典・参考資料(9件)
入湯税・ゴルフ場利用税も同じ扱い
温泉地の宿泊で領収書に記載される入湯税や、出張先でのゴルフ場利用税も、宿泊税と同じく地方税で消費税の対象外です。領収書に別記載されていれば租税公課・対象外として処理し、宿泊料やプレー料金の本体と区分します。入湯税は地方税法の標準税率が1人1日150円とされ、金額は市区町村ごとに異なります。
インボイス制度と宿泊税の関係(適格請求書・仕入税額控除への影響)
適格請求書(インボイス)には、税率ごとに区分した税込(または税抜)対価の額と、税率ごとに区分した消費税額等を記載します。宿泊税は消費税の対象外であるため、この税率別(10%・8%)の区分には含まれず、適格請求書上の消費税額の計算に影響しません。一方、宿泊料本体は課税仕入れなので、適格請求書を保存すれば通常どおり仕入税額控除の対象になります。
前述のとおり、従業員への実費精算に出張旅費等特例を適用する場合は、適格請求書の保存がなくても帳簿の保存で仕入税額控除が認められます。ホテルが適格請求書発行事業者でない場合や、領収書に登録番号がない場合でも、特例の要件を満たせば控除できる点が、通常の取引との違いです。
宿泊費に限らず、紙・電子で受け取った領収書をインボイス制度・電子帳簿保存法に沿ってどう保存すればよいかは、以下の記事で保存期間や要件を具体的に整理しています。
出典・参考資料(1件)
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宿泊税の経費処理を効率化する|経費精算システムでの立替精算・税区分設定・自動仕訳
ここまでで、宿泊税の勘定科目・消費税区分と仕訳は確定できます。仕訳のルール自体はシンプルですが、現場では自治体ごとに異なる税額の確認や、現地払いの立替精算が毎回の手間になりがちです。ここからは、その手間を減らしたい場合に向けて、宿泊税の処理で経理の手が止まるポイントと、経費精算システムで効率化する方法を解説します。
宿泊税は現地払いで立替精算に残る(経理の手が止まるポイント)
宿泊税は、宿泊予約を事前決済していても、チェックイン・チェックアウト時に現地で別途支払う運用が多く、出張者が立て替えて領収書を持ち帰り、後日精算するケースが少なくありません。そのため、宿泊料本体はまとめて請求されても、宿泊税だけが立替精算として残ります。
さらに自治体ごとに税額が異なり、領収書に宿泊税が区分されている場合とそうでない場合が混在するため、申請・確認のたびに勘定科目と消費税区分の判断が発生します。
出張旅費規程・精算マニュアルへの宿泊税の追記(社内ルール整備)
判断を担当者ごとにばらつかせないために、出張旅費規程や経費精算マニュアルに宿泊税の扱いを明記しておくと運用が安定します。具体的には、次の3点を加えておくと精算のたびに迷いません。
- 宿泊税は租税公課・対象外で処理する
- 領収書に宿泊税が区分されているときは、宿泊料本体と分けて入力する
- 従業員の立替を実費精算する場合は、出張旅費等特例で宿泊費の総額を課税仕入れとして扱う
こうした立替精算と税区分の判断を仕組みで支えるのが経費精算システムです。ここでは、宿泊費を含む経費の申請・承認・仕訳をオンラインで完結できるサービスを紹介します。以下はご紹介する経費精算システムの比較表です。
| サービス名 | Bill One経費 | 弥生経費 Next | マネーフォワード クラウド経費 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ(金額非公開) | 0円(弥生会計 Next セット版)/エキスパートプラン(単体版)は要問い合わせ | 0円 |
| 月額費用(料金体系) | 要問い合わせ(初期費用+年額費用。経費精算の件数に応じた個別見積もり) | セット版: 弥生会計 Next に付帯(ベーシックプラン月4,200円〜・税抜、経費3名無料、追加1名400円/月) 単体版: 年28,000円〜(税抜) | 2,480円/月〜(ひとり法人・年払い)、ビジネスは6,480円/月〜+6名以降500円/名 アクティブユーザー課金 |
| 領収書のデータ化・OCR | ●Sansanのデータ化技術でデータ化(規定条件下で精度99.9%) | ●スマホ撮影した領収書をAIが読み取り(重複領収書の検知あり) | ●AI-OCR入力に加え2,300超のサービスから明細を自動取込 |
| 勘定科目・税区分の設定 | ●費用タイプを勘定科目に連動させて設定 | ●申請タイプごとに勘定科目を設定 | ●条件に沿って経費科目(借方)を自動振分・経費科目ごとに特例区分を設定 |
| 会計ソフトへの仕訳連携 | ●仕訳をCSV/OpenAPIでエクスポートし既存の会計システムに連携 | ●弥生会計 Next へ自動で仕訳連携(他社会計ソフトはCSV連携) | ●クラウド会計/会計PlusへAPIで自動仕訳連携(他社会計ソフトはCSV/API) |
| 電子帳簿保存法・インボイス対応 | ●電子帳簿保存法対応・適格請求書の判定を機能ページに記載 | ●領収書アップロード時に電帳法対応形式を自動チェック(インボイスの登録番号確認は付帯の弥生証憑 Next) | ●スキャナ保存・電子取引に対応(JIIMA認証)/登録番号を国税庁APIで判定 |
| 立替精算への対応 | ●専用ビジネスカードで立替を極小化(カードで払えない経費は立替申請に対応) | ●スマホ1台で立替申請〜承認を完結(出張経費の一括申請に対応) | ●申請〜承認〜振込(振込API)まで一気通貫で対応 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 |
※2026年10月時点の各社公式情報による。料金・機能の詳細は各サービスの最新情報をご確認ください。
1. Bill One経費(Sansan株式会社)

Bill One経費は、名刺管理や請求書受領のサービスを提供するSansan株式会社のクラウド経費精算サービスです。専用の「Bill Oneビジネスカード」を社員に配布し、経費をカードで直接決済する運用にすることで、従業員による立替払いそのものを減らす設計を中核に据えています。カードで支払えない近距離交通費や日当などの立替申請にも対応します。
領収書はSansanのデータ化技術でデータ化し、カードの利用明細と自動で突合します。費用タイプを勘定科目と連動させて設定でき、申請内容の自動チェックやワンクリックでの仕訳入力まで行えます。宿泊費と宿泊税のように科目や税区分を分ける処理も、あらかじめ設定したルールにそって入力を進められます。
機能ページでは電子帳簿保存法への対応と適格請求書の判定も掲げています。料金は初期費用と年額費用で構成され、経費精算の件数に応じた個別見積もりです。
2. 弥生経費 Next(弥生株式会社)

会計ソフトを手がける弥生株式会社の弥生経費 Nextは、経費の申請・承認・精算をスマートフォン1台で完結できるクラウド経費精算ソフトです。領収書をスマホで撮影するとAIが取引先名や科目を提案し、同じ領収書の重複提出を検知したり、交通系ICカードの読み取りで交通費を入力したりできます。
出張経費などをまとめて申請でき、申請タイプごとに勘定科目を設定できるため、宿泊費の精算で科目をあらかじめ紐づけておけます。承認済みの経費データは弥生会計 Nextへ自動で仕訳連携されます。弥生会計 Nextに含まれるセット版と、従業員20名以上向けに経費精算を単体で使えるエキスパートプランがあり、自社の規模や会計ソフトの利用状況に合わせて選べます。
3. マネーフォワード クラウド経費(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド経費の強みは、領収書のAI-OCR入力に加え、クレジットカード・交通系ICカード・金融機関・旅行予約サイトなど幅広い外部サービスとのデータ連携にあります。株式会社マネーフォワードが提供し、各サービスが発行する公式領収書の自動取り込みまで行えます。
設定した条件にそって経費科目(借方科目)を自動で振り分けられます。経費科目ごとに特例区分(適格請求書がなくても仕入税額控除ができる区分)を設定できるため、宿泊費と宿泊税の税区分を分けた運用をシステム側で支えられます。
承認済みの経費は会計ソフトへ仕訳連携され、立替精算の振込まで一気通貫で扱えます。料金は初期費用0円で、1か月に経費精算に関わった人数に対して課金されるアクティブユーザー課金を採用しています。
紙での立替精算をシステムに切り替えた場合に経費処理の負担がどう変わるかについて、同社は導入事例を次のように紹介しています。

紙ベースの煩雑な経費精算フローが店舗と本社双方の業務時間を圧迫していて、毎月60店舗中50店舗で申請の差し戻しが発生している企業がいらっしゃいました。しかし、クラウドの導入後は、月初の作業時間が最大60時間から約6時間へ削減されたとのお声をいただいています。電子帳簿保存法への対応とセットで導入していただくことで、紙でのレシート・領収書管理自体が店舗で不要になり、現場と経理担当者の双方で迅速な効果を感じていただいています。
ここで紹介した3サービスを含め、経費精算システムを料金・機能・使いやすさで広く比較したい場合は、以下の記事で主要サービスを横断的に解説しています。宿泊費の立替精算を仕組みで効率化するための導入検討にあわせてご覧ください。
まとめ
宿泊税は、領収書に別記載されていれば租税公課・消費税は対象外、宿泊料本体は旅費交通費・課税仕入れ10%で処理するのが基本です。宿泊税が消費税の対象外になるのは、宿泊という役務の対価ではなく自治体に納める地方税だからで、「非課税」ではなく「対象外(不課税)」に区分します。
一方で、従業員が立て替えて会社が実費精算する場合は、出張旅費等特例により宿泊税を含む宿泊費の総額を課税仕入れとして扱え、帳簿の保存で仕入税額控除ができます。会社が直接支払った場合は宿泊税部分が対象外になるなど、支払方法によって処理が変わる点に注意が必要です。自治体ごとに税額が異なり現地払いで立替精算にも残るため、社内ルールの整備と経費精算システムの活用で、処理の手間とばらつきを抑えられます。
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宿泊税の経費処理に関するよくある質問(FAQ)
Q. 宿泊税とは何ですか?
A. 宿泊税は、ホテルや旅館などへの宿泊に対して各自治体が条例で課す地方税(法定外目的税)です。宿泊施設が宿泊者から徴収して自治体に納める特別徴収の方式がとられ、集めた税収は観光振興などの目的に充てられます。2002年に東京都が全国で初めて導入し、現在は大阪府・京都市・金沢市・福岡市などに広がっているほか、2026年には盛岡市・宮崎市など新たに導入する自治体が増えています。
Q. 宿泊税は経費として処理できますか?
A. 宿泊税は、業務や出張のための宿泊で支払ったものであれば、全額を経費に計上できます。勘定科目は、領収書に宿泊税が別記載されていれば、宿泊料本体(旅費交通費)とは分けて「租税公課」で処理するのが基本です。消費税は、宿泊税が宿泊という役務の対価ではなく自治体に納める税金であるため、「対象外(不課税)」に区分します。
Q. ホテルの領収書に登録番号がない・ホテルが適格請求書発行事業者でなくても、宿泊費を仕入税額控除できますか?
A. 従業員が立て替えた宿泊費を会社が実費精算する場合は、領収書に登録番号がなくても、またホテルが適格請求書発行事業者でなくても、仕入税額控除ができます。これは出張旅費等特例により、その出張に通常必要と認められる宿泊費は、適格請求書(インボイス)の保存がなくても、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められるためです。
一方、会社が法人カードなどでホテルに直接支払った取引は、この特例の対象外で、原則どおり適格請求書の保存が必要になります。
Q. 宿泊費の領収書を紛失した場合でも宿泊税を精算できますか?
A. 従業員の立替を実費精算する場合、出張旅費等特例では適格請求書(領収書)の保存は仕入税額控除の要件ではなく、一定の事項を記載した帳簿の保存で控除が認められます。そのため、消費税の計算上は領収書の紛失が直ちに控除不可につながるわけではありません。
ただし、支払いの事実を確認するために出張旅費規程で領収書の提出を求めている会社も多く、紛失時は出張報告書やクレジットカードの利用明細など、支払いを裏づける代替資料での対応が必要になることがあります。
Q. 宿泊税は消費税の「非課税」と「対象外(不課税)」のどちらで処理しますか?
A. 宿泊税は「非課税」ではなく「対象外(不課税)」で処理します。非課税は、土地の譲渡・利子・医療・教育・住宅の貸付けなど、本来は課税対象の要件を満たす取引のうち、消費税法で限定的に「課税しない」と定められたものを指します。宿泊税は自治体に納める税金で、そもそも「対価を得て行う取引」という課税対象の要件を満たさないため、非課税の列挙に含まれず、「対象外(不課税)」に区分します。
出典・参考資料(2件)
Q. 海外出張のホテル代にも宿泊税はかかりますか?
A. 本記事で解説している日本の宿泊税は、海外のホテルには課されません。ただし海外では、国や都市ごとに「ホテルタックス」「シティタックス」などの名称で同種の税が課されることがあります。海外での宿泊は国外取引にあたり、そもそも日本の消費税の課税対象外です。また、従業員の立替を実費精算する際の出張旅費等特例は国内出張の宿泊費を対象とするため、海外出張分は特例の対象になりません。
出典・参考資料(1件)
Q. 朝食付きプランなど宿泊料金に付帯サービスが含まれる場合、宿泊税はどう判定しますか?
A. 宿泊税の税額は、消費税や食事代などを含まない宿泊料金(素泊まり料金)で判定します。朝食付きプランのように宿泊料と食事代が一体で請求されている場合は、食事など宿泊と直接関係しない料金を除いた宿泊部分で課税の有無や税額の区分を判定します。領収書で内訳が分かれていないときは、精算前に各自治体の公式情報で判定の基準を確認してください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















