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経費精算が面倒なのはなぜ?申請・承認・経理の立場別の原因とすぐできる解消法

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毎月やってくる経費精算に、「面倒だ」「めんどくさい」という感覚がつきまとっていませんか。領収書を糊付けして申請する社員、確認項目の多さにうんざりする承認者、差し戻しと催促に追われる経理担当者と、立場によって面倒を感じる場面は違いますが、負担が積み重なっている点は共通しています。

「面倒だ」という漠然とした感覚は、実際には申請・承認・経理それぞれの具体的な作業に分解できます。原因が見えれば、今日から手をつけられる運用改善と、仕組みそのものを変える手段のどちらを選ぶべきかも判断しやすくなります。

本記事では、経費精算が面倒になる原因を申請者・承認者・経理担当者の立場別に整理し、放置したときのリスク、インボイス制度・電子帳簿保存法で近年増えた確認作業、そしてお金をかけずにできる運用改善から経費精算システム・法人カード・経理代行までの解決策を、自社の状況に合わせて選べる形で解説します。

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経費精算が面倒なのはなぜ?立場別に原因を分解

ここからは、経費精算の「面倒」を申請者・承認者・経理担当者の立場別に分解します。自分の負担がどの作業から来ているのかを確かめながら読み進めてください。

経費精算の面倒を立場別に分解した図。申請者は領収書の保管・糊付けと転記、交通費の運賃調べ、勘定科目や上限額の規程確認といった整理・入力の手間。承認者は金額の妥当性・領収書の添付・規程との整合の確認で、申請が月末に集中し不備は差し戻しになる。経理担当者は記載漏れや規程違反のチェックと差し戻し・催促、勘定科目ごとの仕訳で、締め日に負担が一極集中する。

申請者の負担:領収書の整理と入力に手間がかかる

経費を申請する社員にとって面倒なのは、本来の業務とは別に発生する事務作業です。受け取った領収書を失くさないように保管し、台紙に糊付けして、金額・日付・用途を申請書やExcelに転記していきます。

電車やバスの交通費では、利用した区間の運賃を経路検索で一つずつ調べ直す必要があります。さらに、何がどの勘定科目にあたるのか、上限額はいくらかといった社内規程を確認しながら入力するため、1件あたりの作業は小さくても、件数が増えるほど負担がふくらみます。外出や出張が多い職種ほど、この積み重ねが重くのしかかります。

承認者の負担:確認項目が多く、月末に集中する

申請を承認する管理職は、一件ごとに金額の妥当性・領収書の添付・規程との整合を確認します。確認項目が多いうえに、判断に迷うケースも少なくありません。

加えて、申請は月末や締め日の直前に集中しがちです。通常業務の合間に大量の承認依頼が届き、不備があれば差し戻しのやり取りも発生するため、承認作業が一時期に偏って負担になります。

経理担当者の負担:チェック・差し戻し・仕訳が重なる

経理担当者は、上がってきた申請を一件ずつチェックし、記載漏れや規程違反があれば申請者へ差し戻して修正を依頼します。提出が遅れている社員には催促も必要です。現金で仮払いや小口精算を回している場合は、小口現金の出納記録をつけて残高を合わせる作業も加わり、現金が合わないときの原因調べにも時間を取られます。

確認が済んだ経費は、勘定科目ごとに仕訳して会計処理へ回します。手入力や転記が多いほどミスが起きやすく、不正や重複申請がないかのチェックにも神経を使います。申請・承認・チェック・仕訳・支払いという一連の工程の負担が、締め日に向かって経理部門へ一極集中するのが、経費精算の面倒さの中心にあります。

毎月の繰り返しと月末月初の集中が負担を増幅する

これらの負担は、一度きりではなく毎月必ず発生します。締め日前後の限られた期間に申請・承認・チェックが同時に立ち上がるため、一人ひとりの作業が小さくても全体では大きな負担になります。

しかも負担は、手を動かす作業だけではありません。勘定科目の選定、社内規程や上限額との照合、インボイスの登録番号の確認といった判断が積み重なります。「やっても楽にならない」と徒労感が生まれやすいのは、この繰り返しと集中、そして判断の多さが理由です。

経費精算の「面倒」を放置する5つのリスク

面倒だからと手を打たずにいると、単なる手間の問題では済まなくなります。経費精算の負担を放置したときに起こりうる代表的なリスクを5つ挙げます。

  1. 本来の業務が圧迫される:申請・確認・差し戻しに時間を取られ、営業や経営管理といった本来注力すべき業務に手が回らなくなります。
  2. 残業の増加で人件費がふくらむ:締め日前の処理集中が残業を生み、見えにくい形で人件費を押し上げます。
  3. チェックが形骸化し、不正・誤処理を招く:負担が重いと確認が甘くなり、水増し請求や重複申請、入力ミスを見逃すリスクが高まります。
  4. 経費の確定が遅れ、月次決算が遅延する:申請や差し戻しが長引くと経費が締まらず、月次決算のスピードが落ちます。
  5. 催促・差し戻しで部門間の関係が悪化する:経理からの催促や差し戻しが続くと、申請する現場との間に摩擦が生まれやすくなります。

とくに紙やExcelが中心の運用では、申請・集計・確認に多くの時間が費やされがちです。担当者一人あたりでは小さな手間でも、全社で毎月積み重なると相当な作業時間になります。

たとえば1件の申請と確認に合わせて15分かかると仮定すると、月100件で25時間、年間では約300時間に相当し、その多くは本来の業務に充てられたはずの時間です。これらのリスクは、面倒を「仕方ないもの」として放置するほど積み上がっていきます。

なぜ近年さらに面倒に?インボイス制度・電子帳簿保存法で増えた確認

ここからは、近年とくに確認作業が増えた理由を押さえます。2023年10月に始まったインボイス制度と、電子帳簿保存法への対応が、経費精算の確認・保存の手間を一段と増やしています。

インボイス制度:登録番号の確認という作業が増えた

インボイス制度により、消費税の仕入税額控除を受けるには、原則として適格請求書(インボイス)の保存が必要になりました。適格請求書には発行事業者の「登録番号」の記載が必須のため、受領側は番号の有無や正しさを確認する作業が新たに発生しています。

消費税の仕入税額控除を受けるためには、課税仕入れなどに関する一定の事項が記載した帳簿および請求書等(適格請求書等)を保存しなければなりません。適格請求書等は税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者のみが交付することができるものです。

出典:No.6625 適格請求書等の記載事項|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm)

受け取った請求書の登録番号が有効かどうかは、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で照合できます。件数が多いほど、この確認が経理の新たな負担になります。

電子帳簿保存法:電子で受け取った証憑は電子のまま保存が必要

電子帳簿保存法では、メールやWebで受け取った領収書・請求書などの電子取引データについて、電子データのまま保存することが原則として義務づけられています。

所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、一定の要件の下で、その電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないこととされています(電子帳簿保存法7)。

出典:電子帳簿保存法の概要|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/02.htm)

この電子取引データの保存は、2024年(令和6年)1月以降に本格的に適用されています。ただし、対応できないことについて相当の理由がある場合には猶予措置も設けられており、「紙での保存が一切できない」というわけではありません。いずれにせよ、受け取った証憑を紙と電子で正しく仕分けて保存する手間が増えたことが、近年の面倒さに拍車をかけています。

出典・参考資料(4件)

紙で受け取ったレシートとメールで届いたPDFの領収書とでは、電子帳簿保存法・インボイス制度で満たすべき保存要件が異なります。目の前の1件を紙・電子どちらで、いつまで、どう保存すればよいのかは、次の記事で紙・電子別の具体的な手順と保存期間までまとめています。

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まずお金をかけずにできる運用改善の手順

ここからは、システムを導入する前に、今の仕組みのままでも始められる運用改善を手順で紹介します。多くの面倒は、ルールと業務フローの整え方で一定程度まで軽くできます。

手順1:申請ルールを明文化して周知する

差し戻しの多くは、ルールが曖昧なまま運用されていることが原因です。経費の対象範囲・上限額・勘定科目の区分・領収書の要否・提出期限を一覧にまとめ、全社員がいつでも参照できる場所に置きます。判断に迷いやすいケース(交際費と会議費の線引きなど)を例示しておくと、申請者の自己判断の精度が上がり、承認・経理の確認も軽くなります。

手順2:業務フローの無駄を見直す

現在の申請から支払いまでの流れを書き出し、重複や待ち時間が生まれている箇所を探します。承認者が多すぎて滞留していないか、同じ内容を複数の帳票に転記していないか、紙の回覧で止まっていないかを点検します。承認段階を必要最小限に絞るだけでも、締め日前の滞留は和らぎます。

手順3:提出期限と承認動線を整える

月末への集中を防ぐには、提出のタイミングを分散させる工夫が有効です。たとえば提出を月1回に固定せず、一定額を超えたら随時申請とする、あるいは申請の締め日を給与計算から逆算して余裕を持たせるといった調整です。承認者が不在でも代理承認で止まらない動線をつくっておくと、差し戻しや催促の往復も減らせます。

これらは費用をかけずに始められる一方、件数が多い・拠点や承認段階が多い・法対応の確認が増えたといった状況では、人手の運用だけでは限界が来ます。その場合は、次に挙げる仕組みの導入を検討する段階です。

それでも限界なら:システム化・法人カード・経理代行の選び方

ここからは、運用改善だけでは追いつかない場合の3つの手段を整理します。それぞれが解決する「面倒」の種類は異なるため、自社の状況に合わせて組み合わせを考えます。

経費精算の面倒を段階的に解消する手順の図。STEP1としてまずお金をかけずに運用改善を行う(申請ルールを明文化、業務フローを見直す、提出期限と承認動線を整える)。件数・拠点・承認段階・法対応が増え、人手では限界なら、次の3つの手段を検討する。経費精算システムは入力・確認・保存を自動化する。法人カードは立替払いそのものをなくす。経理代行は確認・仕訳を外部に委ねる。

経費精算システム:入力・確認・保存を自動化する

経費精算システムは、申請・承認・仕訳・保存までをオンラインで一続きに処理する仕組みです。領収書をスマートフォンで撮影するとAI-OCR(画像から文字を読み取る技術)が日付・金額・支払先を読み取り、手入力を減らせます。交通系ICカードの読み取りやカード明細の取り込みに対応する製品なら、交通費や立替の入力も省けます。

さらに、社内規程や上限額をシステム側に設定しておけば、規程違反の申請を自動でチェックでき、重複申請の検知や承認ルートの自動化も可能です。承認済みの経費を会計ソフトへ連携すれば、仕訳の手入力もなくせます。入力・確認・保存という、面倒さの中心にある工程をまとめて軽くできるのが最大の利点です。

法人カード・立替ゼロ運用:立替払いそのものをなくす

社員に法人カードを持たせて経費をカードで支払わせると、立替払いそのものをなくせます。社員が一時的に自腹を切り、後で精算するという流れが消えるため、立替金の申請・振込の手間が減り、社員のキャッシュフロー負担もなくなります。

カードの利用明細は経費精算システムに自動で取り込めるため、「誰が・いつ・いくら使ったか」のデータが支払いと同時に残ります。ただし、カードの利用明細だけでは仕入税額控除の根拠にならず、原則として適格請求書(レシート等)の保存は引き続き必要です。立替を減らしたい企業に有効な手段です。

経理代行:確認・仕訳の業務そのものを外部に委ねる

経理代行は、経費のチェックや仕訳といった業務そのものを外部の専門会社に委託する方法です。経理の人員が足りない、担当者が総務や人事を兼務している、といった企業では、社内の負担を大きく減らせます。

一方で、社内に経費のデータやノウハウが蓄積しにくい、委託費用がかかるといった側面もあります。自社でルールや仕組みを整えるのか、業務ごと外に出すのかは、経理体制の規模や方針に応じて判断します。

自社の状況で選ぶ:工程と手段の対応表

どの手段がどの「面倒」を解くかは異なります。自社でとくに重い工程がどれかを起点に、手段を組み合わせて考えると選びやすくなります。

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重い工程 / 効く手段領収書の入力・転記、仕訳交通費の運賃調べ・入力規程違反・重複のチェック、差し戻し立替払いの申請・振込経理の人手不足・担当者の兼務インボイス・電子保存の確認・保存
主に効く手段経費精算システム経費精算システム経費精算システム法人カード・立替ゼロ運用経理代行経費精算システム
補足AI-OCR・会計連携で入力と仕訳を自動化交通系ICカード読み取り・経路検索に対応する製品を選ぶ規程をシステムに設定し自動チェック立替を発生させない。明細はシステムに連携確認・仕訳の業務ごと外部に委託登録番号の照合・電子保存に対応する製品を選ぶ

自社でもっとも重い工程から手段を選ぶのが現実的です。入力・チェックに追われているなら経費精算システム、立替の負担が大きいなら法人カード、経理の人手が足りないなら経理代行が向きます。

小規模で紙・Excel中心の段階なら、まずお金をかけない運用改善と経費精算システムの組み合わせから始めると取り組みやすいでしょう。立替や人手の課題が大きければ、法人カードや経理代行を足していきます。複数を組み合わせてもかまいません。

導入・定着でつまずかないための注意点

手段を選んでも、導入がうまくいかなければ効果は出ません。つまずきやすいポイントをあらかじめ押さえておきます。

  • 現場の協力を得られないまま進めてしまう:申請する社員の操作が増えると感じられると定着しません。誰の負担がどう減るかを示し、入力の手間が実際に軽くなる設計を選びます。
  • 現場と経営層の温度差を放置する:コスト削減を急ぐ経営層と、日々の運用を担う現場で優先順位がずれると、途中で運用が崩れます。導入前に目的をすり合わせておきます。
  • 自社に合わない仕組みを選んでしまう:機能の多さだけで選ぶと、使わない機能に費用を払い、必要な連携ができないことがあります。重い工程を解けるか、既存の会計ソフトと連携できるかを基準にします。

面倒を解決するサービスの活用

ここからは、面倒を解決する手段のうち経費精算システムを取り上げ、代表的なサービスを紹介します。解消のアプローチはサービスごとに異なるため、自社でもっとも重い工程と照らし合わせて選んでください。

法人カードや経理代行で具体的な製品・委託先を選ぶ段階では、それぞれの比較情報もあわせて確認すると選びやすくなります。

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サービス名Bill One経費弥生経費 Nextマネーフォワード クラウド経費
解消アプローチ(主な特徴)専用ビジネスカードで立替払いそのものをなくす設計スマホ1台で申請〜承認〜精算を完結。弥生会計との仕訳連携が前提多様なデータ連携で申請〜承認〜仕訳を自動化。会計まで一元的に処理
領収書入力の自動化(AI-OCR・明細連携)●Sansanのデータ化技術(OCR・AI・入力オペレーター)でデータ化し、カード明細と自動突合●スマホ撮影した領収書をAIが読み取り、取引先名・一部の科目名を提案。重複領収書も検知●領収書のAI-OCRに加え、2,300以上のサービスから明細データを自動取込
交通費の処理Bill Oneビジネスカードでの決済分を利用明細から取り込み/交通系モバイルアプリからの明細連携(IC読み取り・定期区間控除などの詳細は要問い合わせ)交通系ICカード9種をNFC読み取り/NAVITIMEと連携した経路検索/登録した定期区間を自動控除(電車のみ)交通系ICカードの読み取り/経路検索で運賃を自動計算/定期区間の自動控除(鉄道)
承認・規程/不正チェック申請内容を自動チェック(カスタマイズ可能な検知ルール)/確認・承認を月中に進められる設計申請・承認ワークフロー/重複領収書の検知最大10階層の承認ルート/規程違反・上限超過をアラート/二重申請を自動検知
会計連携仕訳情報をエクスポートして連携(CSV・OpenAPI対応。対応会計ソフト名は要確認)弥生会計 Nextと自動で仕訳連携/他社会計ソフトはCSV連携(エキスパートプラン)クラウド会計/会計PlusとAPIで自動仕訳連携/勘定奉行・弥生会計・PCA会計・freeeとCSV・API連携
料金の目安要問い合わせ(初期費用+年額費用、処理する経費精算の件数に応じ個別設定)弥生会計 Nextに付帯(ベーシック3名・ベーシックプラス5名まで無料、追加1名月400円・税抜)/単体利用のエキスパートプランは年額252,000円〜(税抜。月あたり約21,000円〜)初期費用0円/年払いで月2,480円〜(税抜)/無料トライアル1ヶ月
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るオンライン相談を予約

Bill One経費(Sansan株式会社)

Bill One経費のウェブサイト

Bill One経費は、名刺管理・請求書受領で知られるSansanの経費精算サービスで、法人カード機能を内蔵している点が大きな特徴です。専用のビジネスカードを社員に配って経費をそのカードで支払う運用により、立替払いそのものを発生させない設計になっています。立替を減らすのではなく、そもそも立替を生まないことを狙う点がほかの製品と異なります。

領収書はSansanのデータ化技術(OCR・AI・入力オペレーターの組み合わせ)で読み取り、カードの利用明細と自動で突合します。確認・承認を月の途中で進められる設計で、月末・月初への業務集中を避けられる点を公式が強調しています。電子帳簿保存法・インボイス制度にも対応します。ビジネスカードは発行手数料・年会費が無料で発行枚数に上限がなく、全社員への配布がしやすい点も立替ゼロの運用を後押しします。

料金は、2026年10月時点では初期費用と年額費用で構成され、処理する経費精算の件数に応じて個別に見積もる方式のため、一律の月額は公表されていません。導入には専任担当者による支援が付きます。Bill One経費を利用するには、あらかじめBill One本体の契約が必要です。

弥生経費 Next(弥生株式会社)

弥生経費 Nextのウェブサイト

弥生経費 Nextは、会計ソフトでおなじみの弥生が提供する、経費の申請・承認・精算をスマートフォン1台で完結できるクラウド経費精算ソフトです。領収書をスマホで撮影するとAIが取引先名や一部の科目名を提案し、重複している領収書も検知します。

交通費では、SuicaやPASMOなど9種類の交通系ICカードの読み取りに対応し、NAVITIMEと連携した経路検索や、登録した定期区間の自動控除も利用できます。領収書をアップロードする際に電子帳簿保存法に対応した形式かどうかを自動でチェックする機能も備えます。弥生会計 Nextと組み合わせれば、承認済みの経費データを自動で仕訳連携できます。

提供形態は、弥生会計 Nextに含まれるセット版(ベーシックプランで3名まで、ベーシックプラスプランで5名まで経費精算機能を無料で利用可能、追加は1名あたり月400円・税抜)と、経費精算を単体で使うエキスパートプラン(最低利用人数30ID)があり、会社の規模に合わせて選べます(料金は2026年10月時点)。

マネーフォワード クラウド経費(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド経費のウェブサイト

マネーフォワード クラウド経費は、さまざまな支払いデータを1つのシステムに集約し、申請から承認・仕訳までを自動化できる経費精算サービスです。領収書のAI-OCRに加え、交通系ICカードの読み取り、クレジットカードや各種金融機関とのデータ連携に対応し、紙・カード・ICといった複数の支払手段をまとめて扱えます。

承認ルートは最大10階層まで設定でき、二重申請の自動検知も備わります。電子帳簿保存法・インボイス制度に対応し、承認済みの経費はクラウド会計へAPIで自動連携できます。申請者・承認者・経理担当者それぞれの手間を同時に減らしながら、ガバナンスを強化できる設計です。

料金は、2026年10月時点で初期費用0円、年払いの場合は月あたり2,480円からのプランが用意されています。上位・従量のプランでは、その月に経費精算を行った利用者の人数分を課金する方式を採り、利用者数が月によって変動する企業でも無駄の少ないコスト管理がしやすい設計です。1か月の無料トライアルも利用できます。

紙ベースの運用からシステムへ切り替えた企業で作業時間や差し戻しがどう変化したか、栗本氏は導入事例を次のように紹介しています。

栗本氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本氏
独自インタビューより

紙ベースの煩雑な経費精算フローが店舗と本社双方の業務時間を圧迫していて、毎月60店舗中50店舗で申請の差し戻しが発生している企業がいらっしゃいました。しかし、クラウドの導入後は、月初の作業時間が最大60時間から約6時間へ削減されたとのお声をいただいています。電子帳簿保存法への対応とセットで導入していただくことで、紙でのレシート・領収書管理自体が店舗で不要になり、現場と経理担当者の双方で迅速な効果を感じていただいています。

まとめ

経費精算の「面倒」は、申請者の入力、承認者の確認、経理担当者のチェック・差し戻し・仕訳という具体的な工程に分解できます。放置すれば本来業務の圧迫や月次決算の遅延、不正の見逃しにつながり、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応で確認作業はさらに増えています。

まずは申請ルールの明文化や業務フローの見直しといった、お金をかけずにできる改善から着手し、それでも追いつかない場合に経費精算システム・法人カード・経理代行といった手段を検討するのが現実的です。自社でもっとも重い工程を起点に手段を選び、本格的に製品を比べたい場合は、次の記事で経費精算システム全体を比較検討してみてください。

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経費精算の面倒に関するよくある質問

Q. 経費精算システムとは何ですか?

A. 経費精算システムとは、従業員の経費の申請から承認・仕訳・保存までをオンライン上で一続きに処理するクラウドサービスです。領収書をスマートフォンで撮影するとAI-OCR(画像から文字を読み取る技術)が日付や金額を読み取り、交通系ICカードの読み取りや会計ソフトとの連携によって、手入力や転記の多くを自動化できます。

Q. 経費精算が面倒なのはなぜですか?

A. 経費精算が面倒なのは、領収書の入力や糊付けといった「作業」だけでなく、運賃調べ・勘定科目の選定・規程や上限額の確認・インボイス番号のチェックといった「判断」が、毎月の締め日に向けて一度に集中するからです。一件ごとの手間は小さくても、申請者・承認者・経理担当者それぞれで積み重なり、毎月必ず繰り返される点が徒労感につながります。

Q. 経費精算をExcelで管理するのはいつ限界を迎えますか?

A. 経費精算をExcelで管理する限界は従業員数だけでは決まらず、申請件数・承認段階・拠点数・法対応・例外処理の頻度が増え、入力や確認、進捗管理を人の目だけで追えなくなった時点が見直しの目安です。差し戻しや集計に毎月まとまった時間がかかっている、月次決算が遅れがちといった兆候が出てきたら、システム化を検討する段階といえます。

Q. 経費精算システムのAI-OCRの精度はどこまで信用できますか?

A. AI-OCRは日付・金額・支払先などの手入力を大きく減らせますが、画像の傾きや汚れ、文字のかすれ、手書きなどによって読み取り結果が変わるため、申請前に内容を確認する工程は残ります。読み取った結果を申請者自身が確認してから申請する運用を組み合わせれば、入力ミスのリスクを抑えやすくなります。

Q. 領収書を紛失した場合、経費精算システムではどう対応できますか?

A. 多くの経費精算システムでは、「領収書の添付なし」を原則エラーとして制御したうえで、紛失時の救済として上長の特別承認ルートや紛失理由書の添付を必須にする専用フローを設定できます。例外対応のルールをあらかじめシステムに組み込んでおくことで、個別判断のばらつきや手間を減らせます。対応できる範囲は製品によって異なるため、導入前に確認しましょう。

Q. インボイス制度の登録番号の確認は経費精算システムで自動化できますか?

A. 一部の経費精算システムでは、AI-OCRで適格請求書の登録番号を読み取り、国税庁のデータベースと自動で照合できます。受領した請求書が有効な登録番号かどうかの確認を効率化できますが、取引内容や経過措置の適用可否など人による確認が必要な事項も残るため、システムと社内運用の両方を整えることが大切です。登録番号は国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」でも確認できます。

出典・参考資料(2件)

Q. 電子帳簿保存法に対応するには経費精算のデータをどう保存すればよいですか?

A. 電子帳簿保存法では、メールやWebで受け取った領収書・請求書などの電子取引データは、原則として電子データのまま保存することが義務づけられています。この電子取引データの保存は2024年(令和6年)1月以降に本格的に適用されており、保存要件に対応した経費精算システムを使えば、要件に沿った形での保存を自動化できます。ただし、対応が難しいことに相当の理由がある場合には猶予措置も設けられています。

出典・参考資料(1件)

Q. 少人数の会社でも経費精算システムを導入する価値はありますか?

A. 従業員が少ない会社でも、申請件数や確認の負担、担当者の兼務状況によっては十分に導入効果が見込めます。とくに一人の担当者が総務・経理・人事などを兼ねている場合、催促や差し戻し、例外対応に奪われる時間の影響が相対的に大きくなります。早めに仕組み化しておくと、少人数のバックオフィスが経費精算以外の業務に時間を回しやすくなります。

Q. 経費精算システムの費用相場はどれくらいですか?

A. クラウド型の経費精算システムは、初期費用0円から始められる製品が多く、月額は利用する人数に応じた従量課金が一般的です。会計ソフトに付帯して少人数まで無料で使えるものから、月数千円程度のもの、処理件数に応じて個別見積もりとなるものまで幅があります。無料トライアルを用意する製品も多いため、料金はカスタマイズやサポート範囲も含めて、自社の利用規模で見積もって比較することをおすすめします。

Q. 経費精算システム・法人カード・経理代行のどれを選べばよいですか?

A. 自社でもっとも重い工程を起点に選ぶのが現実的で、紙やExcelの入力・チェックに追われているなら経費精算システム、立替払いの負担が大きいなら法人カード、経理の人手が足りないなら経理代行が向いています。いずれか一つに絞る必要はなく、法人カードで立替をなくしつつ明細を経費精算システムに取り込むなど、組み合わせて使うこともできます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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