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入金消込を効率化する方法|手作業の課題と自動化・代行の選び方を解説

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債権管理システム比較表(2026年版)

売掛金の入金を1件ずつ請求データと突き合わせる入金消込は、取引先が増えるほど手間がかさみます。振込名義が請求先の会社名と違う、複数の請求がまとめて振り込まれる、請求額と入金額が少しずれる、といった場面で手が止まり、月末月初に確認と残業が集中しがちです。

入金消込を効率化する手段は、1つではありません。振込時のルールを変えるといった今すぐ社内でできる工夫から、システムで照合を自動化する方法、消込業務そのものを外部に代行してもらう方法まで、段階の異なる選択肢があります。それぞれが「何を・どこまで楽にするのか」は違うため、自社の状況に合う手を見極めることが近道になります。

本記事では、入金消込を効率化する手段の全体像から、つまずきどころ別の対処、システムで自動化する仕組み、自社に合う選び方と料金の目安までを順に解説します。自社の入金消込を見直す手がかりとしてご活用ください。

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入金消込を効率化する3つの手段の全体像

入金消込を効率化する手段は、大きく3つに分けられます。まず全体像を掴んでおくと、自社が「社内の工夫で粘る段階か、システム化を考える段階か、代行に出す段階か」の見当をつけられます。

入金消込を効率化する3つの手段を段階的に示した図解。STEP1は社内の工夫で振込ルールや名義の対応表を整えて照合ミスを減らす、STEP2はシステムで自動照合し入金明細を取り込んで請求と自動で突き合わせ工数と属人化を減らす、STEP3は代行で消込レスとして請求から回収・消込・督促までを委託し消込業務そのものを手放す。手をかける範囲と効果が段階的に変わる。

3つの手段は、手をかける範囲と効果が段階的に変わります。それぞれが何を解決し、どんな場合に向くかを一覧にすると、次のようになります。

手段具体的な方法何を解決するか向いている場合
社内の工夫振込時に請求書番号・顧客番号を添えてもらう/振込名義と請求先の対応表(マスタ)の整備/ネットバンキングでの入金確認の即時化特定作業そのものを減らし、名義の照合ミスを起きにくくする件数がまだ多くない/システム予算を取る前に負担を軽くしたい
システムで自動照合入金明細を取り込み、請求データと自動で突き合わせて消込を提案・実行する入金消込・債権管理システムの導入突き合わせ作業の大部分を自動化し、工数とミス・属人化を減らす入金件数が多い/消込に毎月まとまった時間がかかっている
代行で消込レス請求書発行から集金・入金消込・督促までを請求代行・集金代行サービスに委託する消込業務そのものを自社から外し、回収・督促の手間も手放す経理の人手が足りない/回収・督促まで含めて任せたい

この3つは排他的なものではなく、組み合わせても使えます。まず社内の工夫で名義のばらつきを抑えつつ、件数が増えてきたらシステムで自動照合に移し、人手が足りなければ代行を検討する、という順で段階的に進めるのが現実的です。

まず費用をかけずに社内でできる工夫

システムや代行を検討する前に、費用をかけずに今日から始められる工夫があります。いずれも手作業の突き合わせを減らし、あとで自動化したときの照合の精度を上げる土台にもなります。

  • 振込時に請求書番号・顧客番号を添えてもらう:請求書に番号を記載し、振込の依頼人名や備考に添えてもらうよう取引先へ依頼します。入金とどの請求が対応するかを特定しやすくなります。
  • 振込名義と請求先の対応表(マスタ)を作る:担当者個人名・親会社名・屋号など、取引先ごとに実際に振り込まれる名義を一覧にしておきます。毎月の特定が速くなり、担当者が代わっても同じ基準で照合できます。
  • ネットバンキングで入金をこまめに確認する:月末にまとめて確認するのではなく、入出金明細をこまめに見て消し込むと、確認漏れや滞留の見落としを防げます。
  • 差額・前受金の扱いを先に決めておく:振込手数料の差額を自社と取引先のどちらが負担するか、どの請求にも紐づかない入金をどう処理するかを事前に取り決めておくと、毎月の判断に迷いません。

取引先ごとに専用の振込口座を割り当てる「バーチャル口座」は、社内の工夫の延長ではなく、銀行や入金消込システムが提供する仕組みです。名義のばらつきに最も効く一方で、利用には対応するサービスの契約が必要になります。こうした工夫でも手が足りなくなってきたら、次に挙げるシステムや代行で突き合わせそのものを自動化・委託する段階に進みます。

手作業の入金消込はなぜ大変か(手間の実態)

効率化に踏み切る前に、手作業の入金消込がどれくらいの負担になっているのかを、調査データで確かめておきます。自社だけの問題ではないと分かると、見直しの優先度を判断しやすくなります。

Sansan株式会社が2024年に経理担当者690名を対象に実施した調査では、入金消込の件数と時間について次の結果が示されています。

入金消込業務の件数について聞いたところ、一社あたり月間で平均2524件も発生しており、従業員数が1001名以上の企業では月間で5441件にのぼることが分かりました。

経理担当者690名に対して、入金消込業務における課題を感じているか聞いたところ、「課題を感じている」と回答した人が71.7%と、多くの経理担当者が課題を感じていることが分かりました。

出典:入金消込業務に関する実態調査|Sansan株式会社

同じ調査では、入金消込にかかる業務時間が1社あたり月間平均173時間にのぼり、入金確認の方法として88.0%が目視による確認と回答したことも示されています。最も課題に挙げられたのは「振込名義人と請求先名の突合に手間がかかる」ことで、月に2,500件規模の突き合わせを、多くの企業がいまも目視で処理しているのが実態です。

株式会社ラクスが2025年に全国の経理担当者を対象に実施した調査でも、約6割の企業が入金照合・消込などの債権管理業務を、Excelや目視といった手作業で行っているとされています。件数が増えるほど確認に時間がかかり、消込漏れや二重消込といったミスも起きやすくなります。

出典・参考資料(2件)

手作業だとこう詰まる→どの手が効く(つまずきポイント別の対応表)

ここからは、手作業の入金消込で手が止まりやすい場面を具体的に挙げ、それぞれにどの手が効くかを対応づけて整理します。自社でよく起きるつまずきから読むと、どこを効率化すべきかが見えてきます。

つまずきどころ手作業での詰まり方効く手・機能
請求額と入金額の差額振込手数料を差し引かれた、値引き・相殺が入ったなどで金額が一致せず、原因を1件ずつ調べて手が止まる差額の許容範囲を決めて手数料差額を自動で消し込む機能/値引き・相殺の都度記録
振込名義が社名と不一致担当者個人名・親会社名・屋号などで振り込まれ、どの取引先かを特定できない振込名義と請求先の対応表(マスタ)の整備/名義のばらつきを学習して自動照合する機能/取引先ごとのバーチャル口座
複数請求のまとめ入金・一部入金複数の請求が1本で振り込まれる、請求額の一部だけ入金される、といった配分を手で特定する入金額と請求の組み合わせを自動で突き合わせる機能/一部入金の残額を未回収として自動で繰り越す機能
前受金・仮受金どの請求にも紐づかない入金を一時的にどう処理するか判断に迷う前受金・仮受金への対応を備えた消込機能/入金ルールの事前整備
消込漏れ・二重消込件数が多く、消し込み忘れや同じ入金の二重消込が起き、残高が合わなくなる消込状況をシステム上で可視化し、未消込・重複を検知する仕組み
入金遅延・督促入金予定日を過ぎた請求の洗い出しと、取引先への連絡が後回しになる滞留した請求を一覧で可視化する機能/期限前リマインド・期限後催促の自動送信
属人化特定の担当者しか取引先ごとの事情や消込のやり方を把握しておらず、不在時に業務が止まる消込ルールのシステム化・文書化/複数人で同じ画面を見られる運用

この中でも多くの企業が負担に感じているのが、前掲の調査でも最大の課題に挙げられた振込名義と請求先名の突き合わせです。対応表の整備という社内の工夫でも軽減できますが、取引先ごとに専用の入金口座を割り当てるバーチャル口座や、名義のばらつきを学習する自動照合を使うと、特定作業そのものを減らせます。

一方で、差額処理や前受金の扱いのように、取引条件や社内ルールの取り決めが先に必要なつまずきもあります。システムを入れても、どの差額を自社が負担するか、未紐づけの入金をどう扱うかが決まっていなければ自動化しきれません。手段を選ぶ前に、こうしたルールを整理しておくことが効率化の土台になります。

システムで入金消込を自動化する仕組み

3つの手段のうち、ここでは「システムで自動照合」を取り上げ、入金消込システムが何をどう自動化するのかを見ていきます。仕組みを押さえておくと、このあとの選び方で自社に必要な機能を見極めやすくなります。

入金データの取り込みと自動照合・照合率

入金消込システムの中心にあるのが、入金データの自動取り込みと自動照合です。インターネットバンキングや全銀形式のデータ、入出金明細のCSVを通じて入金情報を取り込み、請求データ(取引先・請求額・入金予定日)と自動で突き合わせます。金額や取引先が一致した請求は消込候補として提示され、担当者は確認して確定するだけで済みます。

自動で消し込めた割合は「照合率」と呼ばれ、システムの効果を左右します。照合率が高いほど手作業で処理する例外が減りますが、振込名義のばらつきや差額の多い取引先が多いと、自動では消し込めず手作業が残ります。照合率はシステムの性能だけでなく、振込名義のばらつきを抑える入金側の整備によっても変わります。

自動照合の方式の違い(バーチャル口座・学習型照合・名義マッチ)

自動照合をどう実現するかは、システムによって考え方が異なります。大きく分けると次の3つの方式があり、自社の入金のばらつき方によって相性が変わります。

入金消込システムの自動照合の3つの方式を比較した図解。バーチャル口座方式は取引先ごとに専用の振込口座を発行し入金口座で取引先を特定し、名義のばらつきや合算入金に強い。学習型照合は過去の消込実績から名義や入金パターンを学習して照合精度を高め、複雑な請求パターン向き。名義・金額マッチングは振込名義や金額をキーに請求と突き合わせ導入のハードルが低く、マスタの整備が前提となる。
  • バーチャル口座を割り当てる方式:取引先ごとに専用の振込口座を発行し、どの口座に入金されたかで取引先を特定します。振込名義が社名と違っても、口座で判別できるため、名義のばらつきや合算入金に強いのが特徴です。
  • 学習型で照合する方式:過去の消込実績から、振込名義と請求先の対応や入金パターンを学習し、照合の精度を高めていきます。締め請求やサブスクリプション型の請求、分割入金といった複雑なパターンにも対応しやすい一方、精度が安定するまで一定の運用期間を要することがあります。
  • 名義・金額のマッチングで照合する方式:振込名義や金額をキーに請求データと突き合わせます。導入のハードルは低い反面、名義のばらつきが大きいとマスタ(対応表)の整備が前提になります。

名義のばらつきや合算入金が多い場合はバーチャル口座方式、請求パターンが複雑な場合は学習型、といった形で、自社の入金がどこでつまずくかに照らして選ぶのが実務的です。

会計ソフト連携・自動督促との連動

入金消込は、前後の業務とつながって初めて効果が大きくなります。会計ソフトと連携できるシステムなら、消込の結果から仕訳データを自動で作成し、二重入力をなくせます。消込後の売掛金残高や回収予定も自動で集計され、滞留の把握が速くなります。

また、入金予定日を過ぎた請求を一覧で可視化し、期限前のリマインドや期限後の催促メールを自動で送る督促機能を備えたシステムもあります。消込で「入金済み/未入金」を切り分けたうえで、未入金分の督促まで一続きで回せると、回収の遅れにも早く気づけます。消込だけに絞るか、請求書発行や督促まで1つでまかなうかは、製品によって対応範囲が異なります。

自動照合でどこまで手作業を減らせるかは、振込名義のばらつき・合算入金・手数料の差額といった例外をシステムがどう処理するかで変わります。こうした例外ごとに入金消込をどう自動化するか、仕組みをもう一歩踏み込んで知りたい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

消込業務そのものを代行する選択肢(消込レス)

ここからは、3つ目の手段である「代行で消込レス」を解説します。システムを入れて自社で消し込むのではなく、請求から回収・消込・督促までを外部に委託し、消込業務そのものを自社から手放す考え方です。

請求代行・集金代行サービスは、請求書の発行・送付から代金の回収、入金の消込、未入金時の督促までを代行会社が担います。差額が出たときや振込名義が一致しないときの取引先への確認も代行会社が引き受けるため、手作業で最もつまずく部分を含めて業務を外に出せます。経理の人手が足りない、回収・督促まで含めて任せたい、という場合に向きます。

サービスによっては、与信審査を通過した取引先の売掛金を保証し、未回収のリスクを代行会社に移せる仕組みもあります。ただし保証の対象は審査を通過した債権に限られるのが一般的で、すべての未回収を防げるわけではありません。委託する範囲・手数料・保証の条件はサービスごとに異なるため、自社の請求・回収の実態に照らして見極める必要があります。

自社に合う手段・入金消込システムの選び方と料金の目安

システムや代行の検討に傾いたら、自社に合うものをどう選ぶかが次の問いになります。次の観点を自社の状況に当てはめると、候補を絞りやすくなります。

取引件数・企業規模と予算で選ぶ

最初の分かれ目は、月あたりの入金件数と、消込にかかっている時間です。取引先が少なく毎月の消込が短時間で終わっているなら、社内の工夫やExcelでの管理を続ける判断も合理的です。入金件数が多く消込に毎月まとまった時間を取られている、ミスや属人化が課題になっている、といった場合は、システム化や代行で得られる効果が大きくなります。自社の件数で費用と効果が見合うかを基準にすると、過剰な投資を避けられます。

こうした判断の参考として、実際にシステム化を相談する企業にどのような傾向があるかを、マネーフォワード クラウド債権管理を提供する株式会社マネーフォワードは次のように述べています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

ご相談は経理部門からいただくケースがほとんどで、すでに他のシステムを使っているというよりは、「手作業から脱却したい」というお悩みを持つ方からのご相談が多い印象です。まだまだアナログからデジタルへの移行ニーズが強い領域だと感じています。

裏を返せば、消込に毎月まとまった時間を取られている・ミスや属人化が課題という段階なら、システム化や代行に踏み出す目安です。自社の月あたりの入金件数と、消込にかけている時間を書き出してみて、それが費用に見合うかを判断の起点にしてください。

必要な機能で選ぶ(照合率・前受金仮受金・会計連携)

システムを選ぶなら、自社のつまずきどころに効く機能が揃っているかを確認しましょう。次の3点は、自動で消し込める範囲と、導入後に残る手作業の量を左右します。

  • 照合の仕組み:名義のばらつきや合算入金が多いなら、照合率を高めるバーチャル口座や学習型の照合に対応しているかを見ます。
  • 前受金・仮受金への対応:請求より先に受け取った代金(前受金)や、どの請求に充てるか未確定の入金(仮受金)が発生するなら、これらを売掛金と切り分けて一時的に記録し、後から正しい請求に振り替えられるかを確かめます。
  • 既存システムとの連携:会計ソフトやインターネットバンキングとの連携が、自社で使っている製品に対応しているかをそろえます。

サポート体制・操作性で選ぶ

入金消込は経理の実務担当者が毎日触れる業務のため、導入後に無理なく運用できるかが続けやすさを決めます。設定や初期データの登録を支援してもらえるか、運用中に相談できる窓口があるか、専任の担当者でなくても操作できる画面かを確認しておくと、定着しやすくなります。導入時のつまずきは、操作の難しさとサポートの薄さから生じやすいためです。

システムのタイプと自社への合い方

入金消込に対応したシステムは、成り立ちによっていくつかのタイプに分かれます。どのタイプから入るかは、いま請求書発行や会計をどう回しているかによって変わります。

  • 消込特化型:入金消込と債権管理に機能を絞ったタイプ。請求書の発行は今の仕組みを続けたまま、消込工程だけを自動化したい場合に向きます。
  • 請求書発行一体型:請求書の発行・送付から集金・入金消込・督促までを1つでまかなうタイプ。請求から回収までをまとめて見直したい場合に向きます。
  • 会計ソフト搭載型:会計ソフトの機能の一部として消込を備えるタイプ。会計と一体で処理したい小規模〜中小の事業者に向きます。
  • 基幹システム一体型:販売管理やERPの一機能として消込を持つタイプ。基幹システムの刷新とあわせて検討する場合の選択肢です。
  • 代行型:前章の消込レスにあたる、請求・回収・消込を外部に委託するタイプ。人手をかけずに業務ごと手放したい場合に向きます。

タイプごとの具体的な製品名や機能・料金を横並びで比較したい場合は、入金消込システムを網羅的に比較した記事もあわせてご覧ください。本記事の後半では、入金消込の効率化に対応した代表的なサービスを紹介します。

料金の目安

入金消込システムや債権管理システムの料金は、月ごとの請求・入金の件数に応じた従量制が中心です。費用感はタイプによって幅があります。会計ソフトや請求書発行サービスに付帯する型には、月額基本料0円や無料プランから始められ、入金消込は有料の上位プランで対応する製品もあります。

2026年10月時点の各社公表情報では、消込に特化した型や独立した債権管理型は、初期費用が無料〜10万円程度、月額が数千円〜3万円程度から始まる製品があります。ただし件数や利用範囲によって金額は変わり、公表価格を掲げず自社の件数に応じた見積もりを提示するサービスもあります。

代行サービスの場合は、月額の利用料に加えて、回収額や請求件数に応じた手数料がかかるのが一般的で、手数料は1%台からの料率を示すサービスもあります。

金額の起点だけで決めると、件数が増えたときの従量分を見落とすことがあります。候補を2〜3社に絞って資料を取り寄せ、自社の件数での総額と、消込の自動化・委託でどれだけ工数が減るかをあわせて見比べると、費用対効果を判断しやすくなります。

自動化しても消込がラクにならない原因と対策

システムを入れても「思ったほど消込がラクにならない」「照合率が上がらない」という声は少なくありません。自動化の効果は、仕組みだけでなく、入金のばらつきをどこまで抑えられるかで変わります。効果を出す前提となる運用上のポイントを押さえておきます。

前掲のSansanの調査でも最大の課題が「振込名義人と請求先名の突合」だったように、照合率が上がらない最大の原因は入金側のばらつきです。社名と違う名義での振込、振込手数料の差額、どの請求にも紐づかない入金といったケースは、システムだけでは自動で消し込めません。

先に挙げた社内の工夫——振込名義の対応表づくり、請求書番号の記載依頼、差額・前受金の扱いの取り決め——を導入とあわせて進めておくと、照合率を押し上げられます。

もう1つは属人化です。消込のやり方や取引先ごとの事情が特定の担当者に偏ったままだと、システムを入れても運用が定着しません。消込のルールを文書化し、複数人が同じ手順で処理できる状態にしておくことが、効果を持続させる鍵になります。

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入金消込の効率化に対応したサービス

最後に、入金消込の効率化に対応した代表的なサービスを紹介します。システムで自動照合するものから、請求・回収・消込をまとめて代行するものまで、アプローチの異なるサービスを取り上げます。自社の取引件数や、どこまでを自社で行いたいかに照らして、資料で比較してみてください。

以下はご紹介するサービスの比較表です。提供範囲・入金消込の方式・料金体系などを並べています。料金はいずれも請求・入金の件数に応じた個別見積もりのため「要問い合わせ」としており、具体的な金額は各社の資料で自社の件数に当てはめて確認してください。

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サービス名請求管理ロボBill One債権管理請求まるなげロボマネーフォワード クラウド債権管理
提供範囲請求書発行〜集金〜入金消込〜督促まで一気通貫(システムで自社運用)請求書発行〜入金消込〜督促(システムで自社運用)与信審査〜請求書発行・送付〜代金回収〜入金消込〜督促までを代行。適格かつ与信通過した債権に限り売掛金を100%保証入金消込〜債権残高管理〜回収予定〜滞留督促(請求書発行は含まず、システムで自社運用)
請求書発行●発行・送付に対応●発行・送付に対応●発行・送付も代行×消込特化(既存の請求システム・Excelを残せる)
入金消込の方式金融機関の入金情報を自動取得して請求と自動照合。バンクチェック(バーチャル口座)で取引先を自動特定し、振込名義のブレはAI消込学習で対応。前月未入金は翌月へ繰越取引先ごとに固有のバーチャル口座を割り当てて消込。合算入金・振込名義のずれも事前マスタ登録なしで自動処理。入金データの取込は不要(Bill One Bank/NEOBANK基盤)請求・回収ごと代行し消込も同社が実施(消込レス)。差額発生・振込名義相違時も代行会社が取引先対応・引き当て機械学習(ML)による自動照合。締め請求・サブスク型請求・分割入金など複雑なパターンにも対応(目安3ヶ月で精度が安定)
督促・滞留管理自動催促メール(期限前リマインド/期限後催促を日数で設定)。電話・SMS・IVRの多チャネル督促は債権回収ロボ連携で対応リマインド対象の請求書を選んでメールで一括通知。発行済み請求書の入金状況をリアルタイムで確認督促も代行(担当窓口のメール・電話に加え、弁護士法人が対応)滞留請求を一覧と回収予定表で明細単位に可視化。営業担当へメール・チャット(Teams連携)で通知
対象企業規模公式に明示なし(導入1,000社以上)大企業〜中小企業法人(BtoB取引)売上規模の大きい企業・取引件数の多い企業
料金体系要問い合わせ
(月額+請求件数の従量制、3ヵ月オンボーディング)
要問い合わせ
(発行する請求書の件数に応じた年額制、ユーザー数課金なし)
要問い合わせ
(月額利用料+手数料1.0%〜。商材・金額により個別算出)
要問い合わせ
(請求・入金の件数従量制)
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1. 請求管理ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求管理ロボのウェブサイト

請求管理ロボは、東証グロース市場に上場する株式会社ROBOT PAYMENTが提供する、請求書の発行から集金・入金消込・催促までを自動化するクラウドサービスです。導入企業は1,000社以上と公式に案内されています。

入金消込では、金融機関から入金情報を取得して請求と自動照合し、バーチャル口座を使って入金元の取引先を自動で特定します。前月に未入金だった請求の翌月への繰り越しにも対応します。

期限前のリマインドと期限後の催促を日数で設定できる自動催促メールを備え、電話やSMSを含む多チャネルの督促は同社の「債権回収ロボ」との連携で拡張できます。会計ソフトやSalesforceなどとも連携し、請求から仕訳までをつなげられる点も特徴です。

2. Bill One債権管理(Sansan株式会社)

Bill One債権管理のウェブサイト

名刺管理や請求書受領で知られるSansan株式会社が、Bill Oneプラットフォーム上の債権管理機能として提供しているのがBill One債権管理です。請求先ごとに固有のバーチャル口座を割り当てる方式で、入金消込を自動化します。

取引先ごとに専用の振込口座を用意するため、複数の請求をまとめて振り込む合算入金や、請求先名と振込名義が一致しない入金といった、従来の自動消込が苦手とするケースも自動で処理できると案内されています。手作業の消込で最もつまずきやすい名義の特定を、口座の割り当てという仕組みで解決する点が特徴です。請求書の発行から入金消込、リマインドによる督促までをBill One上で一元管理できます。

3. 請求まるなげロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求まるなげロボのウェブサイト

請求まるなげロボは、株式会社ROBOT PAYMENTが提供する、企業間取引の請求業務を代行するサービスです。与信審査・請求書の発行と送付・代金回収・入金消込・督促までを同社が引き受けるため、消込業務そのものを自社から手放せます。差額が発生したときや振込名義が請求先と一致しないときの取引先対応も、同社が代行します。

与信審査を通過した適格債権については、回収状況にかかわらず売掛金を100%保証する仕組みがあり、未回収のリスクを同社に移せます。ただし保証の対象は審査を通過した債権に限られ、すべての取引先の未回収を防げるわけではありません。与信を通過しなかった取引先の請求も、同じプラットフォーム上で自社管理できます。

毎月5営業日までに依頼した請求は当月末に支払われるサイクルで、手数料は料率に応じて個別に算出されます。

4. マネーフォワード クラウド債権管理(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド債権管理のウェブサイト

マネーフォワード クラウド債権管理は、入金消込・債権残高管理から回収予定管理・滞留督促管理までをカバーする、消込に特化したクラウドサービスです。請求書の発行機能は持たないため、すでに別システムやExcelで請求書を発行している企業が、消込工程だけを効率化する使い方に向きます。

消込には機械学習による自動照合を用い、締め請求やサブスクリプション型の請求、分割入金といった、実務で頻発する複雑なパターンにも対応します。得意先ごとの残高を発生経過月数別に表示する管理帳票や、未消込請求の入金遅延を可視化する回収予定表を備え、滞留した請求は営業担当へメールやチャットで通知して回収を促せます。会計やSalesforceとの連携で、経理と営業が回収・滞留の状況を共有できる点も特徴です。

【前提整理】入金消込とは?業務の流れと仕訳

ここでは、効率化の前提として、入金消込とは何かと業務の流れ、仕訳をあらためて整理します。すでに実務で扱っている場合は読み飛ばしてかまいません。

入金消込とは(意味・読み方)

入金消込(にゅうきんけしこみ)とは、通帳やインターネットバンキングで確認した入金が、どの請求に対する支払いかを特定し、その分の売掛金を帳簿から消していく作業です。突き合わせるのは「請求のデータ(取引先・請求額・入金予定日)」と「実際の入金(振込人名義・入金額・入金日)」の2つで、両者が一致すればその請求を回収済みとして処理します。

入金消込と支払消込の違い

消込には、入金消込のほかに支払消込があります。入金消込が「自社が受け取る売掛金」を入金と突き合わせる作業であるのに対し、支払消込は「自社が支払う買掛金」を、実際に支払った出金と突き合わせる作業です。向きが逆で、入金消込は回収側、支払消込は支払側の管理にあたります。

業務の流れと仕訳・勘定科目

入金消込は、売掛金の計上から回収までの流れの一部にあたります。まず商品の出荷やサービスの提供が完了した時点で売掛金を計上し、締め日ごとに請求書を発行・送付します。入金予定日に入金を確認し、どの請求への入金かを特定して消し込みます。

仕訳では、売上を計上した時点と、入金を消し込む時点の2段階で記帳します。売上計上時は売掛金(資産)が増え、入金・消込時は売掛金が減って預金が増える形です。

場面借方貸方
売上計上時売掛金売上高
入金・消込時普通預金売掛金

売掛金は「将来お金を受け取る権利」を表す資産の勘定科目です。売上を計上した時点で売掛金(借方)が増え、入金を消し込んだ時点で普通預金(借方)に振り替わって売掛金(貸方)が減ります。消込とは、この売掛金を回収済みとして帳簿から落とす記帳にあたると押さえておくと、作業の意味が分かりやすくなります。

また、消込の対象となる請求書は、電子帳簿保存法やインボイス制度に沿った保存・記載が求められます。インボイス制度では、仕入税額控除を受けるために、登録番号などを記載した適格請求書の保存が必要です。電子帳簿保存法では、メールやクラウドで電子的に受け取った請求書を、電子データのまま保存することが求められます。

効率化を進める際は、こうした保存要件も満たせる運用になっているかを、あわせて確認しておくと安心です。制度の詳細は国税庁の案内を参照してください。

出典・参考資料(2件)

まとめ

入金消込を効率化する手段は、振込ルールの整備といった社内の工夫、入金明細を取り込んで自動照合するシステムの導入、請求から回収・消込・督促までを委託する代行の3段階に整理できます。それぞれ手をかける範囲と効果が違うため、自社の入金件数や人手の状況に照らして選ぶのが近道です。

手作業でつまずきやすいのは、振込名義のずれ、まとめ入金や一部入金、差額処理、前受金の扱いといった場面です。これらは、対応表の整備やバーチャル口座、学習型の自動照合で軽減できます。ただしシステムを入れても、入金側の整備と差額・前受金のルールづくり、消込手順の明文化を進めないと、照合率が上がらず効果が出にくくなります。

入金件数が増えて消込の負担や属人化が課題になってきたら、入金消込に対応したシステムや代行の導入も選択肢に入ります。まずは各社の資料で、自社の件数での費用感と効率化の効果を見比べてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 入金消込とは何をする作業ですか?

A. 入金消込とは、入金された金額がどの請求に対する支払いかを特定し、その分の売掛金を帳簿から消していく作業です。請求データ(取引先・請求額・入金予定日)と実際の入金(振込名義・入金額・入金日)を突き合わせ、両者が一致すればその請求を回収済みとして処理します。読み方は「にゅうきんけしこみ」で、自社が受け取る売掛金を対象とする点で、支払う買掛金を出金と突き合わせる支払消込とは向きが逆になります。

Q. 入金消込を自動化すると、どこまで手作業が減りますか?

A. 入金消込を自動化すると、入金明細の取り込みと請求データとの突き合わせの大部分が自動で行われ、担当者は提示された消込候補を確認・確定するだけで済むようになります。

ただし自動で消し込める割合(照合率)は入金のばらつき方によって変わり、振込名義が社名と違う入金や差額のある入金などは例外として手作業が残ることがあります。どこまで楽になるかは、システムの照合方式と、振込名義のばらつきを抑える入金側の整備の両方で決まります。

Q. 振込名義が請求先の社名と違う入金は、どう処理すればよいですか?

A. 振込名義が社名と違う入金は、振込名義と請求先の対応表(マスタ)を整えるか、取引先ごとに専用のバーチャル口座を割り当てる方法で特定できます。

対応表の整備は社内でできる工夫ですが、名義のばらつきが大きいと手間がかかります。バーチャル口座方式なら、どの口座に入金されたかで取引先を判別するため、担当者個人名や親会社名で振り込まれても照合でき、名義のばらつきを学習して自動照合するシステムを使う方法もあります。

Q. 入金消込システムと請求代行は、どちらを選ぶべきですか?

A. 入金消込システムと請求代行のどちらが向くかは、消込を自社で続けたいか、業務ごと外部に手放したいかで分かれます。

入金件数が多く消込に時間がかかっているが経理の体制は自社で維持したい場合は、入金明細を取り込んで自動照合する入金消込システムが向きます。経理の人手が足りず、請求書の発行から回収・消込・督促までまとめて任せたい場合は、請求代行・集金代行による消込レスが向きます。自社の件数での費用感と、どこまでを自社で担いたいかを基準に選ぶのが実務的です。

Q. Excelでの入金消込には、どんな限界がありますか?

A. Excelでの入金消込は、件数が増えるほど目視での突き合わせに時間がかかり、消込漏れや二重消込といったミスが起きやすくなる点が限界になります。

入金明細と請求データの照合を手作業で行うため、振込名義のずれやまとめ入金・一部入金の配分を1件ずつ調べる必要があり、特定の担当者しかやり方を把握していない属人化も起きやすくなります。取引件数が増えて確認と残業が月末月初に集中してきたら、自動照合できるシステムや代行への切り替えが選択肢になります。

Q. 入金消込の照合率を上げるには、どうすればよいですか?

A. 入金消込の照合率を上げるには、システムの導入だけでなく、入金側のばらつきを抑える整備をあわせて進めることが欠かせません。

具体的には、振込名義と請求先の対応表を整える、請求書に振込時の名義を揃えてもらうよう依頼する、取引先ごとのバーチャル口座を使う、といった工夫が照合率を押し上げます。あわせて、振込手数料の差額を自社と取引先のどちらが負担するか、どの請求にも紐づかない入金をどう扱うかといった入金ルールを事前に決めておくと、例外処理が減り、自動化の効果が出やすくなります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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