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越境ECの市場規模は?世界・日本・主要国の最新データと2034年までの将来予測を解説

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越境EC支援比較表(2026年版)のプレビュー

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越境EC支援比較表(2026年版)

海外への販売を検討するとき、あるいは社内で越境ECの提案資料をまとめるとき、まず押さえておきたいのが「越境ECの市場が今どのくらいの規模で、どれだけ伸びているのか」という数字です。ところが調べ始めると、記事ごとに金額が大きく食い違い、どの数字を信じてよいか分からなくなりがちです。

数字がばらつく背景には、「越境EC」と「EC市場全体」を取り違えていたり、調査会社や集計年が違っていたりといった事情があります。出所と年をそろえて見れば、市場の全体像ははっきりと浮かび上がります。

本記事では、経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2025年8月公表)やジェトロ「世界貿易投資報告2025年版」の公表値をもとに、世界・日本・主要国(中国・米国)の越境EC市場規模と将来予測を整理します。

各数字には調査会社名と年を添えているので、社内で共有・判断する際の材料としてそのままご活用ください。

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世界の越境EC市場規模はいくら?【結論】

まず結論です。経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の世界の越境EC(BtoC)市場規模は1.01兆USドルと推計されています。同調査はこの数字が2034年には6.72兆USドルまで拡大すると予測しており、越境EC市場は今後も拡大が続くと見られています。

2024 年の世界の越境 EC 市場規模は 1.01 兆 US ドルと推計され、その値は 2034 年には 6.72 兆 US ドルにまで拡大すると予測されている。2025 年から 2034 年の年平均成長率は約 23.1%と推計されており、越境 EC の市場規模は拡大し続けていくと見られている。

出典:令和6年度 電子商取引に関する市場調査 報告書(p.103)|経済産業省(原データ:Expert Market Research)

ただし、「世界の越境EC市場規模」として示される金額は、どの調査会社の推計を使うかで大きく変わります。たとえばジェトロ「世界貿易投資報告2025年版」は、英国の調査会社ユーロモニターインターナショナルの推計として、2024年の世界の越境EC小売市場規模を5,210億USドル(2015年から約5倍)としています。

同じ「2024年・世界・越境EC」でも、経済産業省(原データはExpert Market Research)の1.01兆USドルとはおよそ2倍の開きがあります。どちらも推計手法が異なるだけで誤りではないため、本記事では金額を示すときに必ず調査会社名を併記します。数字が割れる理由は「数字が割れる理由を整理する」で詳しく解説します。

USドルを円に換算した「約150兆円」といった表記を見かけることがありますが、経済産業省は世界の越境EC市場規模をUSドルでのみ公表しています。円換算値は各社が独自のレートで算出したもので、公的な数字ではない点にご注意ください(参考までに、1USドル=150円で換算すると1.01兆USドルは約151.5兆円になります。本記事による参考換算です)。

出典:

出典・参考資料(2件)

越境ECとは?EC市場全体との違い

越境EC(クロスボーダーEC)とは、国境を越えて行われるEC取引を指します。日本の事業者が海外の消費者へ商品を販売する取引が代表例です。これに対して「EC市場全体(BtoC-EC小売市場)」は、国内取引も含めたあらゆるオンライン販売を合算した市場を指します。

両者は金額の桁が大きく異なります。ジェトロが引用する米調査会社eMarketerの推計では、2024年の世界のEC小売市場規模(EC市場全体)は6兆74億USドルです。一方、同年の世界の越境EC市場規模はユーロモニター推計で5,210億USドル、経済産業省(Expert Market Research)推計で1.01兆USドルにとどまります。

市場規模を比べるときは、その数字が「越境EC」のものか「EC市場全体」のものかを最初に確認する必要があります。

【一覧表】世界・日本・主要国(中国・米国)の越境EC市場規模

ここからは、資料にそのまま転記できるよう、主要な越境EC市場規模を一覧にまとめます。前提として、数字は大きく2種類に分かれます。1つは「世界全体の越境EC市場規模」、もう1つは経済産業省が独自に推計する「日本・米国・中国の3ヵ国間に限定した越境EC市場規模」です。範囲が違うため、混同しないよう分けて示します。

区分市場規模年前年比出所(調査会社)
世界全体の越境EC市場(USドル建て)
世界の越境EC市場1.01兆USドル2024年—経済産業省 令和6年度(Expert Market Research)
世界の越境EC市場5,210億USドル2024年—ジェトロ(ユーロモニター)
日米中3ヵ国間・買う側(各国の消費者が海外から購入した総額、円建て)
日本の消費者の購入(対米国・中国)4,410億円2024年+4.8%経済産業省 令和6年度(日米中3ヵ国間推計)
米国の消費者の購入(対日本・中国)2兆7,144億円2024年+7.3%経済産業省 令和6年度(日米中3ヵ国間推計)
中国の消費者の購入(対日本・米国)5兆7,769億円2024年+7.2%経済産業省 令和6年度(日米中3ヵ国間推計)
日米中3ヵ国間・売る側(海外の消費者が日本から購入した額=日本の事業者の販売額、円建て)
中国の消費者が日本から購入2兆6,372億円2024年+8.5%経済産業省 令和6年度(日米中3ヵ国間推計)
米国の消費者が日本から購入1兆5,978億円2024年+8.0%経済産業省 令和6年度(日米中3ヵ国間推計)
日本から中国・米国へ売る合計約4兆2,350億円2024年—上記2項(2兆6,372億円+1兆5,978億円)の合算
「買う側」は各国の消費者が海外から購入した額、「売る側」は海外の消費者が日本から購入した額(=日本の事業者の販売額)です。世界全体の数字(USドル)と3ヵ国間の数字(円)は対象範囲が異なるため合算できません。各数値は経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2025年8月公表)の日米中3ヵ国間推計。

この表で混同しやすいのが「買う側」と「売る側」です。たとえば中国の「買う側」5兆7,769億円は、中国の消費者が日本から購入した2兆6,372億円と、米国から購入した3兆1,397億円の合計で、日本以外からの購入も含みます。提案資料に転記するときは、どちらの向きの数字かを必ず添えてください。

日本の事業者にとって重要なのは「売る側」です。日本の消費者が海外から買う額は4,410億円にとどまる一方、中国・米国の消費者が日本から購入した額は合計で約4兆2,350億円と、およそ10倍の開きがあります。日本から見た越境ECは、海外に「売る」市場のほうが大きいことが読み取れます。

出典:

出典・参考資料(2件)

越境EC市場の将来予測(2034年・CAGR)

「市場が今後も伸びるのか」を数字で確認しておきましょう。将来予測についても、代表的な推計が2つあり、どちらも対象は「越境EC(BtoC)」です。

予測到達年年平均成長率(CAGR)調査会社・公表
6.72兆USドル(2024年は1.01兆USドル)2034年約23.1%(2025〜2034年)Expert Market Research(経済産業省 令和6年度が引用、2025年8月公表)
約7.94兆USドル(7兆9,380億USドル)2030年26.19%Facts & Factors(2023年1月公表)

いずれも年率20%超で拡大するという見立ては共通しています。金額や到達年が異なるのは、調査会社・基準年・公表時期が違うためです。より新しいのは経済産業省が引用するExpert Market Researchの推計(2025年8月公表、2024年実績を起点に2034年を予測)で、本記事ではこちらを主な基準として扱います。なぜ2つの予測で数字が割れるのかは、次章で整理します。

出典:

出典・参考資料(2件)

政策・規制が将来の見通しに与える影響

将来予測を見るうえで見落とせないのが、各国の政策・規制の変化です。これまで越境ECの成長を後押ししてきた「少額貨物の免税制度(デミニミスルール)」が、米国で見直されました。ジェトロによると、米国は2025年4月に大統領令を発表し、中国・香港原産の少額貨物について5月2日以降、申告額800ドル以下を非課税で輸入できるデミニミスルールの適用を停止しました。

中国・香港原産の少額貨物に対して課される関税率は度重なる変更を経て、最終的には、輸入申告価格の54%の従価税、または郵便物1件につき100ドルの従量税が適用されることとなった。

出典:ジェトロ世界貿易投資報告2025年版 第I章 第2節 第3項|日本貿易振興機構(JETRO)

免税の見直しは中国・香港にとどまりません。ジェトロによると、米国は2025年7月4日に成立した税制・歳出法(通称「大きく美しい1つの法」)で、2027年7月1日付でデミニミスルールを全世界からの輸入を対象に廃止することを定めました。欧州連合(EU)も2028年3月から150ユーロ未満の少額輸入品の関税免除制度を撤廃する予定で、少額貨物を非課税で送る前提そのものが各国で見直されつつあります。

影響はすでに数字に表れています。ジェトロによれば、米国向けに格安品を直送してきた中国系プラットフォームのTemuは、米国の1日あたりアクティブユーザー数が2025年3月から5月にかけて48%減少し、4月下旬からは中国から発送する商品について130〜150%の輸入手数料を顧客から徴収し始めました。

SHEINも米国で値上げに踏み切り、美容・健康分野の売上上位100品目では平均価格が値上げ前日比で51%上昇しています。

これらの制度変更は、低価格・小口の直送で伸びてきた越境ECモデルのコストを押し上げ、価格優位性を弱める要因とされています。市場予測はこうした政策の影響を完全には織り込めないため、特に単価の低い商材を扱う場合は、将来の数字を一定の幅を持って捉えておくのが現実的です。

出典:

出典・参考資料(1件)
  • 出典:ジェトロ世界貿易投資報告2025年版 第I章 第2節 第3項 世界のEC市場(米国のデミニミスルール撤廃・各国の少額貨物課税・中国系プラットフォームへの影響)|日本貿易振興機構(JETRO)(https://www.jetro.go.jp/world/gtir/2025/ch1/sec2/sub3.html)

数字が割れる3つの理由(越境ECとEC市場全体の違い・調査会社や年度の違い)

ここまで見てきたとおり、越境ECの市場規模は記事によって数字がばらつきます。原因は大きく3つあり、これらを区別すれば混乱は解消できます。

  1. 「越境EC」か「EC市場全体」かの違い:世界のEC市場全体は6兆USドル規模(2024年、eMarketer)で、越境EC(0.5〜1兆USドル規模)とは桁が異なります。両者を同じ土俵で並べると実態を見誤ります。
  2. 調査会社の違い:同じ「2024年・世界・越境EC市場規模」でも、Expert Market Research(経済産業省が引用)は1.01兆USドル、ユーロモニター(ジェトロが引用)は5,210億USドルと、推計手法の違いでおよそ2倍の差が生じます。
  3. 基準年・公表時期の違い:将来予測の「6.72兆USドル(2034年)」と「7.94兆USドル(2030年)」は、どちらも越境EC(BtoC)が対象ですが、調査会社・起点年・公表年がそれぞれ異なります。古い予測ほど市場規模を高めに見積もっている場合もあるため、公表年を確認することが欠かせません。

特に紛らわしいのが、Facts & Factorsの「約7.94兆USドル(2030年・越境EC)」と、eMarketerの「7兆8,860億USドル(2028年・EC市場全体)」です。金額が近いため混同されがちですが、片方は越境EC、もう片方はEC市場全体で、まったくの別物です。

資料に引用するなら、日本の公的調査である経済産業省の数字(世界1.01兆USドル、2025年8月公表)を主に据え、注記で別推計(ユーロモニターの5,210億USドルなど)もある旨を添えておくと、根拠を問われても説明しやすくなります。

越境EC市場規模とEC市場シェアランキングは別物

「越境EC市場規模」と混同されやすいのが「国別のEC市場シェアランキング」です。これはEC市場全体(国内取引を含む)における各国のシェアで、越境ECの金額とは別の指標です。経済産業省がeMarketerのデータをもとに示すランキングは次のとおりです。

中国が全世界の 50.4%、続いて米国は 19.6%、英国は 3.6%、日本の 2.8%、韓国の 2.2%と続く。中国の市場規模の大きさが際立っており 1 国で市場の 50%以上を占め、米国を加えると上位 2 ヵ国で世界の 70.0%のシェアとなっている。

出典:令和6年度 電子商取引に関する市場調査 報告書(p.102)|経済産業省(原データ:eMarketer)
国別EC市場シェア(2024年、経済産業省令和6年度・原データeMarketer)の横棒グラフ。EC市場全体に占める各国の割合は、中国50.4%、米国19.6%、英国3.6%、日本2.8%、韓国2.2%。上位2ヵ国(中国・米国)で世界の70.0%を占める。これはEC市場全体のシェアで越境EC単体の金額とは別の指標。

中国と米国の2ヵ国でEC市場全体の約7割を占めるという構図は、どの調査でもおおむね共通しています(ジェトロが引用するeMarketerの別集計では中国50.5%・米国19.8%)。これは「どの国のEC市場が大きいか」を示すもので、越境ECで狙う販売先を考えるうえでの参考にはなりますが、前述の越境EC市場規模(金額)とは分けて理解してください。

越境EC市場が成長している理由

年率20%超という高い成長が予測される背景を整理します。経済産業省は市場拡大の要因として、越境ECの認知度の上昇、自国にない商品や限定品への需要、自国より安価に入手できる商品の存在、商品やメーカーへの信頼性、多様な決済手段などを挙げています。加えて、物流レベルの向上やAIを活用した自動翻訳・不正検知・在庫管理といった技術面の進歩も、越境ECを後押しする要因としています。

消費者基盤の拡大も見逃せません。経済産業省によれば、2024年時点でインターネット経由で商品を購入したことがある人口は、中国が9億2,261万人、インド3億6,786万人、米国2億2,206万人と推計されています。オンラインで買い物をする消費者そのものが世界的に増えていることが、越境ECの土台となっています。

日本の事業者にとって特に大きいのが、円安とインバウンド(訪日外国人)の影響です。2024年は円安傾向が続き、訪日客数も中国から約698万人(前年比2.9倍)、米国から約272万人(同1.3倍)と大きく増加しました。訪日時に気に入った商品を帰国後に越境ECで再購入する動きも強まっています。

BEENOS グループが 2024 年 11 月に実施した「越境 EC の利用意向に関する意識調査」によれば、外国旅行中に気に入って購入した現地の商品やブランドを、帰国後に越境 EC で再度購入した経験者は 44.0%(N=1,312)であった。

出典:令和6年度 電子商取引に関する市場調査 報告書(p.109〜110、BEENOSグループ調査を引用)|経済産業省

訪日客のリピート購入は、2023年調査の35.4%から8.6ポイント上昇しており、インバウンドと越境ECが連動して伸びている様子がうかがえます。円安が続く局面では、日本製品の割安感が海外消費者の購買を後押しする構図です。

出典:

出典・参考資料(1件)

主要国(中国・米国)の越境EC市場の特徴

ここからは、市場規模の大きい中国・米国について、越境ECの特徴を見ていきます。どちらを狙うかを考える際の手がかりになります。

中国市場の特徴

中国は、日本の事業者にとって最大の越境EC販売先です。経済産業省はeMarketerの推計として、2024年の中国の越境EC市場規模を1,773億USドル(前年比7.4%増)とし、2026年には2,028億USドルに達すると見込んでいます。

このeMarketerの1,773億USドルは、中国の消費者が取引相手を限定せず海外から購入した越境EC全体の規模を指します。一方、先ほどの一覧表で示した「中国の買う側」5兆7,769億円(1USドル=150円の参考換算で約385億USドル)は、経済産業省が日本・米国からの購入だけを対象に推計した3ヵ国間の数字です。

測っている範囲(相手国)が違うため、この2つの金額は別の指標として扱い、単純に比較しないでください。

中国国内のEC事業者はアリババグループ(Alibaba)が39.8%、京東(JD.com)が16.5%、拼多多(ピンドゥオドゥオ:Pinduoduo)が16.4%、抖音(ドウイン:Douyin)が14.3%と、上位4社で全体の87.0%を占めます(2024年、eMarketer)。

日本企業が中国向けに販売する際は、天猫国際(Tmall Global)などの大手モールへの出店が一般的な選択肢となります。

前述のとおり、中国の消費者が日本の事業者から購入した額は2024年に2兆6,372億円(前年比8.5%増)に上り、円安とインバウンド需要が追い風となっています。

出典:

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米国市場の特徴

米国も日本の事業者にとって重要な販売先です。海外(日本・中国)から商品を購入する米国の越境BtoC-EC市場規模は、2024年に2兆7,144億円(前年比7.3%増)と推計されています(経済産業省の日米中3ヵ国間推計)。

一方、米国のEC市場全体(国内取引を含む)は2024年に1兆1,902億USドル(前年比約6.7%増)、EC化率は約16.1%で、2028年には20%を超えると予想されています。これはEC市場全体の数字で、越境EC単体ではない点に注意が必要です。

米国市場の最近の特徴として、経済産業省はTemu・SHEIN・TikTok Shopといった中国系の格安通販の急拡大と、低所得層を中心としたBNPL(後払い決済)の利用増加を挙げています。EC事業者別のシェアはAmazonが40.86%で最も高く、Walmartが8.39%で続きます(2024年、eMarketer予測)。

日本の事業者が米国で販売する際は、こうした大手モールの存在感と、価格競争の激しさを踏まえた戦略が求められます。

出典:

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市場規模を把握した次の一歩|越境ECへの参入手段

市場規模と成長性を把握したら、次に気になるのは「自社はどう参入するか」です。ここでは参入手段の概観と、海外展開を支援するサービスを紹介します。

越境ECの参入手段にはどんな選択肢があるか

越境ECへの参入手段は、大きく3つに整理できます。1つ目は、天猫国際やAmazonなど現地の大手モールに出店する方法で、集客力を借りられる一方、手数料やモールのルールに従う必要があります。

2つ目は、自社で海外向けECサイトを構築・運営する方法で、ブランド体験や顧客データを自社でコントロールできる反面、集客や多言語・多通貨対応、物流・決済の整備を自前で担う負担があります。3つ目は、既存の国内ECサイトに越境機能(多言語・海外配送・海外決済)を付与する方法です。

どの方法を選ぶにせよ、出店先の決め方から初期費用、決済・物流の整え方まで、実際の進め方を順を追って確認したい場合は、始め方を7ステップで整理した次の記事が参考になります。

いずれの方法でも、多言語・多通貨対応、海外向け決済、国際配送・通関、現地マーケティングといった実務の整備が成否を分けます。自社だけで担うのが難しい場合は、越境EC・グローバルEC展開を支援するサービスの活用も選択肢です。

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サービス名Lingble Global GuideLingble Link
タイプフルマネージド型のグローバルEC支援グローバルEC統合インフラ
特徴戦略立案からサイト構築・運営・物流・多言語カスタマーサポートまで一気通貫で支援複数国のストア・倉庫・物流・決済・商品データを1つの管理基盤に統合
向いている企業海外展開を丸ごと任せたい企業複数チャネルで海外展開済みで運用を一元管理したい企業
サイト構築・運営●(統一ドメインでD2C〔自社ブランドの直接販売〕サイトを構築・運営)△(構築済みチャネルの運用統合が中心)
外部プラットフォーム・決済連携△(統一ドメインでの自社運営が中心)●(Shopify・Amazon・楽天・Adyen・Stripe等)
多言語・多通貨対応●●
国際配送・通関●(DDP/関税前払い対応)●(FedEx・DHL・UPS等と連携)
導入実績34カ国で販売・170カ国へ配送
コクヨ・デサント・ブラザー工業・ダスキン等
45社のアパレルブランドに提供
(2026年3月時点)
初期費用要お問い合わせ要お問い合わせ
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1. Lingble Global Guide(Lingble Pte. Ltd.)

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Lingble Global Guideは、ブランドの海外展開を戦略立案からサイト構築・運営、国際配送・通関、多言語カスタマーサポートまで一気通貫で支援するフルマネージド型のグローバルEC支援サービスです。運営するLingble Pte. Ltd.は2019年にシンガポールで設立され、代表の原田真帆人氏が自社のデニム越境EC「DENIMIO」の運営で培った知見をもとにサービスを設計しています。

特徴は、複数国にサイトを分散させず、統一した自社ドメイン上でブランド体験を保ちながら海外展開できる点です。国・地域別の決済手段の最適化、国際配送・通関・DDP(関税前払い)対応、市場ごとの価格・広告費・在庫の最適化までをカバーし、34カ国での販売実績・170カ国への配送実績を公表しています。

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同じLingble Pte. Ltd.が提供するLingble Linkは、複数国のストア・倉庫・物流・決済・商品データを1つの管理基盤に統合するグローバルEC統合インフラです。受注管理・出荷・返品対応・在庫管理・価格や税の設定・商品データ管理を一元化し、複数拠点の在庫を統合して注文ごとに最適な配送元を割り当てる仕組みを備えます。

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まとめ

越境ECの市場規模は、2024年時点で世界1.01兆USドル(経済産業省/Expert Market Research)、別の調査では5,210億USドル(ジェトロ/ユーロモニター)と、調査会社によって幅があります。将来予測は2034年に6.72兆USドル・年平均成長率約23.1%(経済産業省)とされ、年率20%超の成長が見込まれています。

数字を扱うときは、「越境ECかEC市場全体か」「どの調査会社か」「いつの数字か」を確認することが欠かせません。日本の事業者にとっては、中国の消費者による日本からの購入額が2兆6,372億円(2024年)に達するなど、円安・インバウンドを追い風に海外販売の機会が広がっています。市場規模を把握したら、次は自社に合った参入手段を具体的に検討してください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 越境ECとは何ですか?

A. 越境EC(クロスボーダーEC)とは、国境を越えて行われるEC取引のことで、日本の事業者が海外の消費者へ商品を販売する取引が代表例です。国内取引も含めたあらゆるオンライン販売を合算した「EC市場全体(BtoC-EC小売市場)」とは範囲が異なり、市場規模の金額も桁が違います。市場の数字を調べるときは、まずその数字が「越境EC」のものか「EC市場全体」のものかを確認することが欠かせません。

Q. 越境EC市場規模は世界全体でいくらですか?

A. 世界の越境EC市場規模は、2024年時点で1.01兆USドルと推計されています(経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」2025年8月公表、原データはExpert Market Research)。

別の調査では5,210億USドル(ジェトロ「世界貿易投資報告2025年版」、ユーロモニターインターナショナル推計)とされ、同じ「2024年・世界・越境EC」でもおよそ2倍の開きがあります。

どちらも推計手法が異なるだけで誤りではないため、金額を引用するときは必ず調査会社名と年を併記するのが安全です。

Q. 日本の越境EC市場規模はどのくらいですか?

A. 日本の消費者が海外(米国・中国)から購入した越境BtoC-EC市場規模は、2024年で4,410億円(前年比4.8%増)です(経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」独自推計)。

一方で、日本の事業者にとっては海外の消費者へ「売る側」の市場のほうが大きく、中国の消費者が日本から購入した額は2024年に2兆6,372億円(前年比8.5%増)に達し、日本にとって最大の越境EC販売先となっています。

社内資料では「日本から海外へ売る市場」と「日本の消費者が海外から買う市場」を分けて示すと誤解を招きません。

Q. 越境EC市場で最も大きいのはどの国ですか?

A. EC市場全体で最も大きいのは中国で、世界シェアの50.4%を1国で占め、米国の19.6%と合わせると上位2ヵ国で世界の約7割(70.0%)になります(経済産業省令和6年度、原データはeMarketer。以下、英国3.6%・日本2.8%・韓国2.2%と続く)。

これは国内取引を含むEC市場全体のシェアで、越境EC単体の金額とは別の指標ですが、狙う販売先を考える手がかりになります。実際の越境EC販売先としても、日本の事業者にとっては中国・米国が中心的な市場です。

Q. 越境EC市場は今後も成長が見込めますか?

A. 越境EC市場は今後も拡大が見込まれており、世界の市場規模は2024年の1.01兆USドルから2034年には6.72兆USドルへ、年平均成長率(CAGR)は約23.1%(2025〜2034年)と予測されています(経済産業省令和6年度、Expert Market Research)。

別の調査(Facts & Factors)でも2030年に約7.94兆USドル・年率26.19%とされ、いずれも年率20%超の高成長という見立ては共通しています。

ただし、米国の少額貨物免税(デミニミス)制度の見直しなど各国の政策変化は予測に完全には織り込まれていないため、将来の数字は一定の幅を持って捉えるのが現実的です。

Q. 越境EC市場規模の数字が記事によって割れるのはなぜですか?

A. 数字が割れる主な原因は、「越境EC」と「EC市場全体」の取り違え、調査会社の違い、基準年・公表時期の違いの3つです。EC市場全体は2024年で6兆USドル規模(eMarketer)あり、越境EC(0.5〜1兆USドル規模)とは桁が異なります。

また同じ「2024年・世界・越境EC」でもExpert Market Researchは1.01兆USドル、ユーロモニターは5,210億USドルと約2倍の差が出ます。

混乱を避けるには、各数字が「越境ECかEC市場全体か」「どの調査会社か」「いつの数字か」を必ず確認してください。

Q. 越境EC市場規模を円に換算するといくらですか?

A. 経済産業省は世界の越境EC市場規模をUSドルでのみ公表しており、「約150兆円」などの円換算値は公的な数字ではありません。円換算値は各社が独自のレートで算出したものです。参考として、1USドル=150円で換算すると2024年の1.01兆USドル(経済産業省令和6年度)は約151.5兆円になります(本記事による参考換算)。

円換算値を資料に使うときは、換算レートと「参考値」である旨を併記しておくと誤解を避けられます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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