取引先とやりとりする注文書は、電子帳簿保存法のもとで「どう保存すればよいか」が受け取り方・発行の仕方によって変わります。メールにPDFで届いた注文書、FAXで受け取った注文書、紙で郵送されてきた注文書、自社が発行した控えなど、経路ごとに電子データのまま保存すべきか、紙のまま保存してよいかの扱いが分かれます。
特に、電子データで受け取った注文書を紙に印刷して保存していた場合、その扱いが電子帳簿保存法に沿っているか不安に感じる担当者は少なくありません。保存期間や要件も、どれが自社のケースに当てはまるのか迷いやすいところです。
本記事では、注文書(発注書)の保存区分を受領・発行×電子・紙の早見表で整理し、電子取引データ保存の要件、スキャナ保存、保存期間、FAXで受け取った場合の扱い、要件を満たせないときの猶予措置までを解説します。あわせて、注文書を含む証憑を電子帳簿保存法の要件に沿って保存できる会計サービスも紹介します。
目次
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注文書は電子帳簿保存法の対象書類|受領・発行×電子・紙の保存区分早見表
注文書は、電子帳簿保存法が対象とする国税関係書類(取引関係書類)に含まれます。電子帳簿保存法の「電子取引」の定義には、注文書が名指しで挙げられています。
電子取引 取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。以下同じ。)の授受を電磁的方式により行う取引をいう。
出典:電子帳簿保存法 第2条第5号|e-Gov法令検索
注文書の保存方法は、「電子データで授受したか、紙で授受したか」で大きく分かれます。電子データでやりとりした注文書は電子データのまま保存する義務があり、紙でやりとりした注文書は紙のまま保存するか、任意でスキャナ保存に切り替えられます。受け取り方・発行の仕方ごとの扱いを早見表にまとめました。
| 注文書の受け取り方・発行の仕方 | メールやクラウドサービスで電子データとして受け取った注文書 | ペーパーレスFAX(複合機)でデータとして受信した注文書 | 紙(郵送・手渡し・紙に出力する従来型のFAX)で受け取った注文書 | 自社が電子データで発行した注文書の控え | 自社が紙で発行した注文書の控え |
|---|---|---|---|---|---|
| 保存区分 | 電子取引データ保存(必須) | 電子取引データ保存(必須) | 紙のまま保存/スキャナ保存(任意) | 電子取引データ保存(必須) | 紙のまま保存/スキャナ保存(任意) |
| 保存のポイント | 受け取ったデータのまま保存。改ざん防止と検索の要件が必要で、紙に印刷して紙だけで保存することは不可 | データ受信のため電子取引にあたり、電子データのまま保存 | 紙のまま保存が可能。スキャンして電子保存への切り替えも可 | 控えを電子データのまま保存 | 紙のまま保存、またはスキャナ保存への切り替えが可能 |
※保存区分は電子帳簿保存法・国税庁資料に基づく一般的な整理です。個別の判断は各社の状況に応じてご確認ください。
ここからは、それぞれの保存区分で何をすればよいかを、電子データで受け取った場合・紙で受け取った場合の順に解説します。
電子データで授受した注文書の保存方法(電子取引データ保存の要件)
メールの添付ファイルやクラウドの発注システムなど、電子データでやりとりした注文書は、電子データのまま保存しなければなりません。メールの添付ファイルで届いた場合はその添付ファイル(PDFなど)が対象で、本文に発注内容などの取引情報が記載されているときは本文もあわせて保存します。電子帳簿保存法第7条は、電子取引を行った場合の電磁的記録の保存を義務づけています。
所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。
出典:電子帳簿保存法 第7条|e-Gov法令検索
そのため、PDFで受け取った注文書を紙に印刷し、紙のファイルに綴じて保存する方法だけでは要件を満たしません。電子データ本体を、次の要件を満たした形で保存する必要があります。国税庁は、電子取引データの保存で必要な対応を3点に整理しています。
出典:電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください(令和6年1月以降用)|国税庁
- 改ざん防止のための措置をとる必要があります。
- 「日付・金額・取引先」で検索できる必要があります。
- ディスプレイやプリンタ等を備え付ける必要があります。
このうち「改ざん防止」が真実性の確保、「検索」と「ディスプレイやプリンタ等の備付け」が可視性の確保にあたります。それぞれで何をすればよいかを見たうえで、専用システムがなくても要件を満たせる方法も紹介します。

真実性の確保(改ざん防止の措置)
真実性の確保とは、保存した注文書データが後から改ざんされていないことを担保する措置です。国税庁は、システム費用をかけずに導入できる方法として「事務処理規程を定めて守る」方法を挙げています。このほか、タイムスタンプの付与や、訂正・削除の履歴が残るシステムでの授受・保存といった方法もあります。いずれか1つを満たせばよく、自社の運用に合った方法を選べます。
事務処理規程は、訂正・削除の手順や責任者を定めた社内ルールで、国税庁がサンプルを公開しています。規程には、対象とするデータの範囲、訂正・削除を行う場合の申請・承認の手順、責任者、保存期間などを定めておく必要があります。システムを導入していない企業でも、この規程を整備して運用すれば真実性の要件を満たせます。
出典・参考資料(1件)
可視性の確保(見読可能性と検索機能)
可視性の確保とは、保存した注文書データを必要なときに確認・検索できる状態にしておくことです。具体的には、ディスプレイやプリンタなどを備え付けて画面や書面で見られるようにすること(見読可能性)と、「日付・金額・取引先」の3項目で検索できるようにすることが求められます。
検索機能については、自社の状況によって必要な対応が変わります。税務調査の際にデータのダウンロードの求めに応じられるようにしている場合は、範囲を指定した検索や、2項目以上を組み合わせた検索は不要です。
さらに、基準期間(2年前)の売上高が5,000万円以下の事業者や、電子取引データをプリントアウトした書面を日付・取引先ごとに整理して提示・提出できるようにしている場合は、検索機能の確保そのものが不要になります(いずれもダウンロードの求めには応じられるようにしておく必要があります)。
これらに当てはまらない場合は、「日付・金額・取引先」で検索できる状態を整える必要があります。専用のシステムがなくても、次に紹介する索引簿やファイル名の工夫で対応できます。
出典・参考資料(1件)
専用システムがなくてもできる保存方法(索引簿・ファイル名)
真実性の要件は前述の事務処理規程で満たせるため、ここでは可視性のうち検索の要件を、専用システムなしで満たす方法を扱います。検索の要件は、表計算ソフトやファイル名の工夫で満たせます。国税庁は、簡易な方法として次の2つを示しています。
出典:電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください(令和6年1月以降用)|国税庁
- 表計算ソフト等で索引簿を作成する方法
- 規則的なファイル名を付す方法(データのファイル名に規則性をもって「日付・金額・取引先」を入力し、特定のフォルダに集約しておく)
たとえば、受け取った注文書のファイル名を「20260210_330000_国税工務店」のように「日付・金額・取引先」の順で付け、1つのフォルダにまとめておけば、フォルダの検索機能で該当の注文書を探せます。索引簿を作る場合は、連番・日付・金額・取引先・書類の種類を列にした一覧を表計算ソフトで作成し、保存したデータと対応づけておきます。国税庁の索引簿サンプルにも、注文書の行が例として含まれています。
紙で授受した注文書の保存方法(紙保存・スキャナ保存と一般書類の要件)
郵送や手渡しなど、紙で受け取った注文書や、自社が紙で発行した注文書の控えは、紙のまま保存できます。電子データで受け取ったものと違い、電子保存が義務づけられているわけではありません。
一方で、紙の注文書をスキャンして電子データで保存する「スキャナ保存」に切り替えることもできます。電子帳簿保存法第4条第3項は、国税関係書類に記録されている事項をスキャナなどで電磁的記録に記録する場合、その電磁的記録の保存をもって書類の保存に代えることができると定めています。保存スペースの削減や検索性の向上を狙う場合は、スキャナ保存が選択肢になります。
スキャナ保存では、解像度やタイムスタンプなどの要件が定められていますが、注文書は要件が相対的に緩い「一般書類」に区分されます。国税庁の資料では、書類を重要書類と一般書類に分け、注文書を一般書類に位置づけています。
出典:電子帳簿保存法 はじめませんか、書類のスキャナ保存(令和6年1月以降用)|国税庁
- 重要書類(資金や物の流れに直結・連動する書類)=契約書、納品書、請求書、領収書 など
- 一般書類(資金や物の流れに直結・連動しない書類)=見積書、注文書、検収書 など
注文書を一般書類としてスキャナ保存する場合に満たす主な要件は、次のとおりです。重要書類より要件が緩く、専用システムがなくても対応しやすくなっています。
- 解像度200dpi相当以上で読み取る(一般書類は白黒階調〈グレースケール〉での読み取りも認められます)
- タイムスタンプの付与、または訂正・削除の履歴が残るシステムへの保存など、改ざんを確認できる措置をとる
- 入力期間の制限はない(重要書類と異なり、いつ入力してもよい)
- 帳簿との相互関連性の確保は不要
- スキャナ保存に関する事務の手続を明らかにした書類(手順書)を備え付ける
出典・参考資料(1件)
FAXで受け取った注文書の扱い(ペーパーレスFAXと紙出力の分岐)
FAXで受け取った注文書は、受信の仕方によって保存区分が変わります。判断の分かれ目は「データで受け取ったか、紙で受け取ったか」です。
データで受信するペーパーレスFAX(複合機でデータとして受け取る方式)は、電子取引にあたります。国税庁は、電子取引の具体例としてペーパーレス化されたFAXを挙げています。
具体的には、いわゆるEDI取引、インターネット等による取引、電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含みます。)、ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用した取引、インターネット上にサイトを設け、当該サイトを通じて取引情報を授受する取引等をいいます。
出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問2|国税庁
そのため、ペーパーレスFAXで受け取った注文書は、電子データのまま保存し、前述の電子取引データ保存の要件(真実性・可視性)を満たす必要があります。受信データを紙に出力した書面だけを保存する方法は認められていません。
一方、FAX機で紙に出力して受け取る従来型のFAXは、紙で受け取った書類として扱えます。この場合は紙のまま保存するか、スキャナ保存に切り替えるかを選べます。
注文書の保存期間(法人・個人事業主・起算日)
注文書の保存期間は、法人と個人事業主で異なります。保存期間は注文書を受け取った日ではなく、確定申告書の提出期限の翌日から数える点に注意が必要です。
法人の場合は原則7年(欠損金が生じた事業年度は10年)
法人の場合、注文書を含む取引関係書類の保存期間は原則7年です。国税庁は、保存期間の起算点を確定申告書の提出期限の翌日としています。
法人は、帳簿(注1)を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成または受領した書類(注2)を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間(注3)保存しなければなりません。
出典:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁
ただし、青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた事業年度などは、保存期間が10年間(平成30年4月1日前に開始した事業年度は9年間)になります。国税庁の保存対象書類の例にも、注文書が挙げられています。
個人事業主の場合は原則5年
個人事業主(青色申告者)の場合、取引先から受け取った注文書は原則5年間の保存で足ります。所得税法施行規則では取引関係書類を起算日から原則7年間保存するとしつつ、そのうち現金預金取引等関係書類に該当しないもの(注文書は通常これに当たります)は5年間でよいと定めているためです。
所得税法施行規則第63条は、保存すべき書類として「取引に関して相手方から受け取つた注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類」を挙げ、現金預金取引等関係書類以外のものは「五年間」と規定しています。ただし、帳簿や決算関係の書類は7年間の保存が必要なため、書類を種類で細かく分けて管理するのが難しい場合は、まとめて7年間保存しておくと確実です。
起算日は、法人が「事業年度の確定申告書の提出期限の翌日」、個人事業主が「その年の翌年3月15日の翌日」です。いずれも書類を作成・受領した日ではない点に注意してください。
出典・参考資料(2件)
- 出典:所得税法施行規則(第63条)|e-Gov法令検索
- 出典:法人税法施行規則(第59条・第67条)|e-Gov法令検索
保存要件を満たせないときの猶予措置
電子取引データの保存要件への対応が間に合わない場合に備えて、令和6年1月以降は猶予措置が設けられています。令和5年末までの宥恕措置(経過措置)に代わるもので、一定の条件を満たせば、原則的な保存要件を満たせなくても電子データの保存が認められます。
猶予措置の対象になるには、保存要件に対応できなかったことについて「相当の理由」があることが前提です。国税庁は、相当の理由の例と、認められない場合を示しています。
例えば、システム等の整備が間に合わない場合など、原則的なルールに従って電子取引データの保存を行うための環境が整っていない事情がある場合が該当します。ただし、システム等の整備が整っていて…資金繰りや人手不足等の特段の事情がなく、電子取引データをルールに従って保存していない場合には、相当の理由があるとは認められませんので、猶予措置の適用は受けられません。
出典:電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください(令和6年1月以降用)|国税庁
そのうえで、税務調査などの際に、電子取引データをプリントアウトした書面を提示・提出できるようにしており、かつ電子取引データのダウンロードの求めに応じられるようにしている場合に、猶予措置の適用を受けられます。相当の理由がある状態は恒久的な免除ではないため、最終的には原則的な保存要件に対応することが求められます。
電子帳簿保存法は注文書だけでなく請求書や領収書など取引に関わる多くの書類を対象とし、対応には社内ルールの整備やシステム導入といった負担が伴う一方で、事務作業の効率化などのメリットもあります。注文書への対応をきっかけに、電子帳簿保存法への対応全体のメリットと注意点、導入の進め方を押さえておきたい場合は、次の記事で整理しています。
電子帳簿保存法はデメリットしかない?メリットと導入のポイントを徹底解説
電子帳簿保存法への対応、「正直メリットがなくデメリットしかないのでは?」と感じていませんか。 2024年からはメールやWeb上でやり取りした請求書など電子取引データの保存が完全に義務化され、対応を避けられない状況になりました。(参照:国税庁…
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注文書の電子保存を効率化するサービス
注文書を含む証憑を、要件を満たしながら手作業で保存・管理し続けるのは負担が大きい作業です。会計サービスの中には、受け取った証憑をAI-OCR(書類の文字を自動で読み取る技術)で読み取り、電子帳簿保存法の要件に沿って保存できるものがあり、注文書の電子保存と記帳をあわせて効率化できます。ここでは、注文書を含む証憑の電子保存に対応する会計サービスを紹介します。
以下は、紹介する会計サービスの比較表です。
| サービス名 | 弥生会計 Next | マネーフォワード クラウド会計 |
|---|---|---|
| 対象ユーザー | 法人向け | ひとり法人〜中小(50名以下が目安) |
| 注文書を含む証憑のAI-OCR読取・電子保存 | ●注文書を含む証憑をAI-OCRで読取・電子保存 | ●受領・電子取引の証憑をAI-OCRで読取・電子保存 |
| 電子帳簿保存法対応(JIIMA認証) | ●JIIMA「優良な電子帳簿」認証を取得 | ●電子取引・スキャナ保存等でJIIMA認証を取得 |
| 初期費用 | 0円 | 0円 |
| 月額費用 | 月額2,900円〜(エントリー年契約の月額換算・税抜) | 月額2,480円〜(ひとり法人年払いの月額換算・税抜) |
| 無料体験 | 最大2か月(ベーシックプラス相当・決算書等は対象外) | 1か月(クレジットカード登録不要) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る |
1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextは、弥生株式会社が2025年4月に提供を開始した法人向けのクラウド会計サービスです。会計(帳簿・決算書の作成)に加え、見積書・請求書の発行、経費精算、証憑管理を1つにまとめ、これらのデータが自動で連携する点を特徴としています。
証憑管理の「弥生証憑 Next」では、領収書・請求書・納品書・注文書・見積書などをアップロードするとAI-OCRが自動で情報を読み取り、電子帳簿保存法の要件に沿って保存します。公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)による「優良な電子帳簿」認証(認証番号107300-00)を取得しており、電子帳簿保存法への対応を公式に示しています。
料金は初期費用0円で、エントリープランが年額34,800円(税抜)から用意されています。ベーシックプラス相当の機能を最大2か月無料で試せる体験プランもあり、導入前に操作感を確認できます(決算書の作成・出力など一部機能は体験の対象外、2026年9月時点の公式情報)。
2. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計は、株式会社マネーフォワードがひとり法人・中小企業向けに提供するクラウド会計ソフトです。銀行・クレジットカードなど2,300以上の金融関連サービスと連携して明細を自動取得し、AIが勘定科目を提案して仕訳を自動化します。
受領した請求書・領収書や、電子データで受け取った証憑をAI-OCRで読み取り、仕訳を作成する機能を備えています。証憑は電子帳簿保存法に対応した形で保存でき、電子帳簿等保存・電子取引データ保存・スキャナ保存の各区分でJIIMA認証を取得しています。注文書を含む証憑を会計処理とあわせて電子保存したい場合に向いています。
料金は初期費用0円で、ひとり法人プランが月額3,980円(年払いの場合は月額換算2,480円、いずれも税抜)から用意されています。1か月間の無料トライアルはクレジットカードの登録なしで利用できます(2026年9月時点の公式情報)。
ここで紹介した会計サービスは注文書を含む証憑の電子保存に対応しますが、財務管理の仕組みには決算・資金繰り・予実管理まで対応する製品もあります。証憑の保存にとどまらず財務管理システム全体を比較して選びたい場合は、次の記事で機能・料金やタイプ別の選び方を解説しています。
まとめ
注文書は電子帳簿保存法の対象書類であり、保存方法は「電子データで授受したか、紙で授受したか」で分かれます。メールやクラウド、ペーパーレスFAXなど電子データで受け取った注文書は、改ざん防止(真実性)と検索・見読(可視性)の要件を満たして電子データのまま保存する必要があります。紙で受け取った注文書は紙のまま保存できるほか、一般書類として比較的緩い要件でスキャナ保存にも切り替えられます。
保存期間は法人が原則7年(欠損金が生じた事業年度は10年)、個人事業主は原則5年で、起算日は確定申告書の提出期限の翌日です。要件への対応が間に合わない場合は、相当の理由があり書面提示とダウンロードの求めに応じられれば、猶予措置の対象になります。手作業での対応に負担を感じる場合は、証憑をAI-OCRで読み取り電子保存できる会計サービスの資料を取り寄せ、自社の運用に合うかを確認してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 注文書は電子帳簿保存法の対象ですか?
A. 注文書は電子帳簿保存法の対象書類です。電子帳簿保存法第2条第5号は「電子取引」の定義のなかで注文書を名指しで挙げており、取引先と授受する注文書は国税関係書類(取引関係書類)として保存義務の対象になります。相手方から受領した注文書だけでなく、自社が発行した注文書の控えも対象です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:電子帳簿保存法 第2条第5号|e-Gov法令検索
Q. 電子データで受け取った注文書を紙に印刷して保存してもよいですか?
A. メールやクラウドで電子データとして受け取った注文書は、紙に印刷した書面だけで保存することはできません。電子取引にあたるため、受け取ったデータそのものを、改ざん防止(真実性)と検索・見読(可視性)の要件を満たして電子データのまま保存する必要があります。印刷した紙は補助として残せますが、データ本体の保存が必須です。
出典・参考資料(1件)
Q. 注文書の保存期間は何年ですか?
A. 注文書の保存期間は、法人が原則7年、個人事業主が原則5年です。法人は青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた事業年度などは10年間になります。起算日はいずれも注文書を受け取った日ではなく、確定申告書の提出期限の翌日(個人事業主はその年の翌年3月15日の翌日)です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁
Q. 専用の会計システムがなくても注文書の電子保存に対応できますか?
A. 専用システムを導入していなくても、事務処理規程の整備と検索できる形での保存により、注文書の電子保存に対応できます。国税庁は改ざん防止の方法として、費用をかけずに導入できる事務処理規程の整備を挙げています。検索の要件も、表計算ソフトで索引簿を作る方法や、規則的なファイル名を付ける方法で満たせます。
出典・参考資料(1件)
Q. 注文書の電子データはどんなファイル名で保存すればよいですか?
A. 「日付・金額・取引先」を規則的に並べたファイル名を付け、1つのフォルダにまとめる方法が国税庁から示されています。たとえば「20260210_330000_国税工務店」のように付けておけば、フォルダの検索機能で該当の注文書を探せます。ファイル名ではなく、表計算ソフトで索引簿を作成して保存データと対応づける方法も認められています。
出典・参考資料(1件)
Q. 紙で受け取った注文書もスキャナ保存しなければならないのですか?
A. 紙で受け取った注文書は、スキャナ保存をせず紙のまま保存しても問題ありません。スキャナ保存は任意の制度です。注文書は要件が比較的緩い「一般書類」に区分され、白黒階調(グレースケール)での読み取りや入力期間の制限なしでのスキャナ保存も認められています。保存スペースの削減や検索性の向上を狙う場合の選択肢として、紙保存とどちらかを選べます。
出典・参考資料(1件)
Q. 保存要件に対応できない場合、注文書の電子データはどうすればよいですか?
A. 保存要件に対応できないことに相当の理由があり、書面の提示とデータのダウンロードの求めに応じられる場合は、猶予措置の対象になります。令和6年1月以降、システムの整備が間に合わないなどの相当の理由があれば、原則的な保存要件を満たせなくても電子データの保存が認められます。ただし恒久的な免除ではないため、最終的には原則的な要件への対応が求められます。
出典・参考資料(1件)
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















