新しい取引先と契約する前に「この会社は反社会的勢力と関わりがないか」を確かめるよう求められたとき、まず「反社会的勢力の企業の一覧がどこかに公開されていれば、そこに相手の名前があるか照らし合わせれば早い」と考える担当者は少なくありません。実際に「反社会的勢力 企業一覧」と検索すると、それらしい一覧ページがいくつも表示されます。
本記事では、照合に使える反社会的勢力の企業一覧が公開されているのかという結論を先に示したうえで、公的に確認できる実在の一覧(指定暴力団一覧・指名停止措置一覧など)の入口、名前が似ているだけで反社企業一覧ではない一覧との線引き、一覧が無い中で取引先を確認する具体的な手段と費用・精度、取引先が反社だと分かった場合の対処までを整理します。
自社の取引先確認を、公開情報の正しい読み方にもとづいて進められる状態になるための検討材料としてご活用ください。
目次
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反社会的勢力の企業一覧は公開されていない
結論から言うと、取引先が反社会的勢力かどうかを名前の照合だけで判定できる、網羅的な企業一覧(ブラックリスト)は公開されていません。一般に公開されているのは、後述する指定暴力団の一覧(=暴力団という団体の一覧)や、都道府県が公表する指名停止措置の一覧(=一部の事業者の一覧)などに限られ、取引先企業を丸ごと照合できる名簿は存在しません。
理由は大きく2つあります。1つは、警察が保有する暴力団情報のデータベースは、一般の企業が照合のために自由に閲覧できるものではなく、暴力団排除条例(暴排条例)にもとづく契約時の確認など限られた場面で、組織的な判断を経て提供される仕組みになっているためです(企業が公的な窓口へ直接照会できる範囲は後述します)。
もう1つは、反社会的勢力が固定した名簿で捉えられる存在ではないためで、この点は次の見出しで定義とともに確認します。
そもそも反社会的勢力とは(定義と、網羅的な一覧化が難しい理由)
反社会的勢力の企業一覧がなぜ作れないのかは、その定義を確認すると分かります。政府の犯罪対策閣僚会議幹事会が申し合わせた「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(平成19年6月19日)は、反社会的勢力を次のように説明しています。
暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である「反社会的勢力」をとらえるに際しては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である。
出典:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針|法務省
ここで示されているとおり、反社会的勢力は「どの団体に属するか」という属性要件と、「どのような行為を行うか」という行為要件の両面でとらえる概念です。暴力団のように団体として把握できるものばかりではなく、取引や資金提供を通じて関係する企業・個人まで広がるため、ある時点の企業名を固定した名簿にしても、網羅や更新が追いつきません。公開された網羅的な企業一覧が存在しないのは、こうした性質によるものです。
一方で、暴力団そのものについては公的な一覧があります。暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴力団対策法)は、「指定暴力団」を「次条の規定により指定された暴力団」と定め、同法第3条で都道府県公安委員会が一定の要件を満たす暴力団を指定すると規定しています。つまり公開されている指定暴力団の一覧は、都道府県公安委員会が指定した「団体」の一覧であって、取引先企業の一覧ではありません。
出典・参考資料(2件)
公的に確認できる一覧と、取り違えやすい一覧との線引き
反社会的勢力に関して公的に見られる一覧には、「実在して確認できるもの」と、「名前が似ているだけで反社企業一覧ではないもの」の両方があります。この2つを混同すると、本来は問題のない企業を疑ってしまう恐れがあります。ここでは、まず実在して確認できる公的な一覧と入口を示し、次に取り違えやすい一覧との線引きを整理します。

実在して確認できる公的な一覧と入口
公的に確認できる主な一覧は次の2つです。いずれも「企業一覧」ではなく、指定暴力団一覧は団体名、指名停止措置一覧は一部の事業者名が対象である点に注意してください。
| 公的な一覧 | 指定暴力団一覧 | 暴力団関係事業者に対する指名停止措置等一覧 |
|---|---|---|
| 何が載っているか | 都道府県公安委員会が指定した暴力団(団体)の名称・所在地・代表者・勢力範囲・構成員数 | 役員等が暴力的組織の構成員である、密接な交際があるなどの理由で、公共工事等の指名停止・排除措置を受けた事業者 |
| 対象 | 団体名(企業名ではない) | 一部の事業者名(反社関係を理由とするもの) |
| 公表元・入口 | 警察庁・各都道府県警察(例:大阪府警察本部) | 各都道府県(例:福岡県) |
※掲載内容・基準日は各公表元の最新情報をご確認ください(大阪府警の指定暴力団一覧は令和7年時点の数値を掲載)。
指定暴力団一覧では、たとえば六代目山口組 約3,100人、住吉会 約2,100人、稲川会 約1,600人のように、団体ごとの推定構成員数が公表されています。ただしこれは団体の情報であり、取引先企業がこの一覧に載ることはありません。
指名停止措置一覧は事業者名で確認できますが、公共調達から排除された一部の事業者に限られます。公表は都道府県ごとに個別に行われ全国でまとまって見られるわけではないため、取引先がこの一覧に無いからといって問題がないとは言い切れません。あくまで補助として使い、取引先そのものの確認は次に述べる個別の方法で行う必要があります。
反社企業一覧と取り違えやすい一覧との線引き
「反社会的勢力 企業一覧」で検索すると、反社企業の一覧のように見えて、実際は別の目的で公表されている一覧がヒットします。これらを反社企業一覧と誤解すると、問題のない企業に不要な疑いをかけてしまいます。主なものを整理すると次のとおりです。
| 一覧 | 有価証券報告書に「反社会的勢力」の語が載る企業の一覧 | ブラック企業一覧 | 処分事業者等一覧 | 一般の指名停止措置一覧 |
|---|---|---|---|---|
| 実際は何の一覧か | 上場企業が有価証券報告書のコーポレート・ガバナンスの項目で「反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況」を開示している企業。語を含むのは排除方針を示しているため | 労働基準関係法令に違反して送検・公表された事業場の一覧(長時間労働・労働安全衛生法違反など) | 特定商取引法に違反して行政処分を受けた事業者の一覧(訪問販売・通信販売などの悪質商法) | 公共工事の指名停止一覧のうち、建設業法違反や契約違反など反社と無関係の理由を含むもの。反社関係を理由とする一覧(前掲)とは別建て |
| 反社企業の一覧か | ×(むしろ排除体制を開示した企業) | ×(労働法違反であり反社ではない) | ×(悪質商法の処分であり反社ではない) | △(反社特化の一覧とは読み方を分ける) |
| 公表元 | EDINET(金融庁) | 厚生労働省 | 消費者庁・都道府県 | 各都道府県 |
特に注意したいのが、前の見出しで入口を示した指名停止措置の一覧です。反社関係を理由とする一覧(福岡県の「暴力団関係事業者に対する指名停止措置等一覧表」など)がある一方で、一般の指名停止一覧には建設業法違反や契約上の不備といった反社と無関係の理由も含まれます。同じ「指名停止」でも、反社に特化した一覧なのか一般の一覧なのかで読み方が変わる点に気をつけてください。
出典・参考資料(3件)
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一覧が無い中で取引先を確認する手段と費用・精度
網羅的な一覧が無い以上、取引先の反社確認は、公開情報の検索や専門機関への相談を組み合わせて1社ずつ行うことになります。前掲の政府指針も、企業が平素から警察・暴力追放運動推進センター・弁護士といった外部の専門機関と連携し、反社会的勢力の情報を集約したデータベースを構築して取引先の審査を行うことを求めています。主な確認手段を、費用と精度の目安とともに整理すると次のとおりです。
| 確認手段 | 公知情報(インターネット)検索 | 新聞記事データベース検索 | 反社チェックツール | 専門調査会社への依頼 | 警察・暴力追放運動推進センター・弁護士への相談 |
|---|---|---|---|---|---|
| 費用の目安 | 無料(自社の作業時間のみ) | 有料(記事データベースの利用料。見出し・本文の閲覧ごとに課金されることが多い) | 初期費用無料〜、月額数千円〜数万円、1件あたり数百円程度(従量・最低利用料などプランによる) | 要見積もり(調査の範囲・深さによる) | 相談窓口を利用(暴追センターには賛助会員制度があり、費用は各センターで異なる) |
| 精度・カバー範囲 | 手軽だが、同姓同名や関連性の低い情報が大量に混ざり、見極めに手間がかかる | 過去の報道を遡って確認でき、ネット検索より情報源の信頼性が高い | 新聞記事・独自の反社データベース・Web情報を横断し、AIでノイズを絞り込める。確認履歴を証跡として残せる | 人手による踏み込んだ調査が可能。グレーな案件や重要取引の精査に向く | 不当要求を受けた場合の対応や、暴排条例にもとづく確認など、専門的な助言を得られる |
| 向く場面 | まず自社で一次確認をしたいとき | 報道ベースで裏付けを取りたいとき | 確認件数が多く、継続的・標準的に運用したいとき | 重要取引やツールで判断しきれない案件を精査したいとき | 疑わしい取引先への対応や有事の相談をしたいとき |
※費用は各サービス・各機関の公表情報による目安です。最新の金額は各提供元でご確認ください。
確認手段として挙げた警察や暴力追放運動推進センターへの相談は、どの窓口に何をどこまで照会できるのかが分かりにくい部分です。企業が公的窓口に反社情報を直接照会できるのか、暴追センターにはどこまで相談できるのかは、以下の記事で可否と実務の進め方を整理しています。
反社チェックは警察に照会できる?企業が使える公的窓口と実務の調べ方
取引先や採用候補の反社チェックを任されると、「警察に問い合わせれば、その相手が反社かどうかすぐ分かるのではないか」と考える担当者は少なくありません。しかし、企業が警察や暴力追放運動推進センター(暴追センター)に直接照会して反社かどうかの回答…
個社を見極める際は、業種や所在地といった属性で判断するのではなく、商業登記情報で役員・株主を確認し、代表者・役員名と報道・公知情報を照合する、といった個別の事実にもとづく確認が基本です。確認件数が多い場合は、こうした作業を自動化・標準化できる反社チェックツールが実務では使われています。
取引先を1社ずつ確認するといっても、相手方の名前を調べるだけで十分とは限りません。弁護士の阿部由羅氏は、会社名や代表者名の検索だけでは背後にいる反社会的勢力までは把握できないとして、次のように指摘しています。

インターネット検索や新聞記事のデータベースなどを利用して、相手方の会社名や代表者名を検索しても、背後にいる反社会的勢力の存在は判明しません。相手方の実質的な支配者まで遡って徹底的に反社チェックを行い、少しでも疑わしい要素があれば取引中止を検討するといった厳密な取り組みが求められます。
ただし、ツールで検索すれば背後の反社会的勢力まで必ず分かるわけではありません。ツールは公知情報や新聞記事を横断した一次的なスクリーニングと証跡化を担う手段で、実質的支配者まで遡る踏み込んだ調査が必要な場合は、専門調査会社や外部の専門機関と組み合わせます。手軽な確認で疑わしい点が見つかれば深掘りする、という重ね方が現実的です。

確認を行う際の注意点
反社チェックは一度行えば終わりではありません。取引開始後に相手の状況が変わることもあるため、既存の取引先も定期的に再確認するのが望ましいとされています。また、同姓同名による誤認を避けるため、人名の照合では生年月日や登記情報などの補足情報を組み合わせて確認します。
一方で、調べてよい情報には限りがあります。出身地や思想・信条など、反社チェックの目的を超えて差別につながりうる情報を収集・確認の対象にすることは避けなければなりません。確認する範囲は、取引判断に必要な事実にとどめることが重要です。
取引先が反社会的勢力だと分かった場合の対処
確認の結果、取引先が反社会的勢力だと分かった場合や、取引開始後に判明した場合は、契約を解除して関係を遮断することになります。その法的な足場となるのが、契約書にあらかじめ盛り込んでおく暴力団排除条項(反社排除条項)です。前掲の政府指針は、暴排条項の有効性を次のように説明しています。
契約自由の原則が妥当する私人間の取引において、契約書や契約約款の中に、(1)暴力団を始めとする反社会的勢力が、当該取引の相手方となることを拒絶する旨や、(2)当該取引が開始された後に、相手方が暴力団を始めとする反社会的勢力であると判明した場合や相手方が不当要求を行った場合に、契約を解除してその相手方を取引から排除できる旨を盛り込んでおくことが有効である。
出典:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針|法務省
暴力団排除条例も、事業者に対して契約時の措置を求めています。たとえば東京都暴力団排除条例は第18条で、契約が暴力団の活動を助長するおそれがあると認める場合に、事業者が契約の相手方等が暴力団関係者でないことを確認するよう努めることを定めています。
あわせて、契約書に「相手方が暴力団関係者であることが判明した場合には催告することなく契約を解除することができること」を定めるよう努めることも規定しています(いずれも努力義務)。契約段階で暴排条項を備えておくことが、有事の解除・排除の根拠になります。
既存の契約書に暴排条項が入っていない場合でも、関係を遮断する手立てがないわけではありません。実際に不当要求を受けた場合や、解除の進め方に迷う場合は、自社だけで対応せず、警察・暴力追放運動推進センター・弁護士といった外部の専門機関に相談しながら進めます。
取引先が反社会的勢力だと確定しないグレーな段階では、取引を続けるべきか判断に迷うこともあります。阿部氏は、疑いが晴れないときにどう判断すべきかについて、次のように述べています。

反社会的勢力に該当する疑いが晴れないときは、契約締結前であれば締結を断念し、取引期間中であれば暴排条項に基づいて契約を解除すべきです。取引停止にはコストがかかるとしても、反社会的勢力との関係を断ち切って企業としての信頼を維持することを優先しましょう。
一覧が無い反社確認を効率化するサービス
ここまで見てきたとおり、取引先を照合できる反社企業一覧は存在せず、確認は公開情報や報道を1社ずつ照らし合わせて行う必要があります。この照合作業を効率化するのが反社チェックツールで、新聞記事・独自の反社データベース・Web情報を横断して検索し、AIでノイズを絞り込み、確認履歴を証跡として残せます。
数多くある反社チェックツールを料金・データソース・判定精度で横断的に比較し、自社の取引先確認に合うものの選び方まで知りたい場合は、以下の比較記事が参考になります。本記事では、その中から代表的な4サービスを取り上げます。
反社チェックツールおすすめ16選を比較|料金・データソース・精度で失敗しない選び方
取引先や株主、採用候補の反社チェックを、担当者が新聞記事やインターネットを手作業で検索して進めていませんか。1件ずつ調べる方法は時間がかかるうえ、調べ漏れ(見落とし)と、同姓同名による誤判定(過検知)の両方が起きやすく、調査の質が担当者の経…
| サービス名 | RiskAnalyze(リスクアナライズ) | RISK EYES(リスクアイズ) | パワーサーチ | RoboRoboコンプライアンスチェック |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
| 月額費用 | 27,500円〜(ライトプラン/年間600検索) | 15,000円〜(税別・最低利用料) | 3,000円〜(ポイント制) | 0円〜(従量プラン) |
| 1件あたりの費用 | 月額に年間検索数分を含む(プロプランは約116〜175円/件) | 300円/件(1媒体ごと) | 500円〜/件(調査範囲で4段階) | 250円〜/件(インターネット検索) |
| 無料トライアル | あり(期間・件数は要相談) | あり | 30日間 | あり(10件まで) |
| 主なデータソース | 国内約1,000媒体+官報 海外240以上の国・地域 PEPs・制裁情報 | WEBニュース・新聞 ブログ/掲示板 独自反社DB・制裁リスト | 専門調査会社情報 新聞記事・WEB情報 (約500万社のデータ) | ネット検索・新聞DB 海外情報DB SP RISK SEARCH・官報破産者情報 |
| API連携 | ●無料(Salesforce・kintone・freee連携) | ●追加費用なし | △エンタープライズプランのみ | ●オプション(20,000円〜) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
RiskAnalyze(リスクアナライズ)(KYCコンサルティング株式会社)

RiskAnalyzeは、個人名・企業名を入力すると、反社会的勢力とのつながり・逮捕歴・行政処分・訴訟歴・風評などを調査し、判定済みの調査レポートを表示するWebサービス型のツールです。危機管理の専門家が選別した判定済みデータベースを参照するため、1件あたり最短0.4秒で結果が表示され、CSVによる一括検索では1,000件を約1分で処理できます。
国内約1,000媒体を1時間おきに自動収集し、2026年5月には官報情報データベースも追加しました。海外は240以上の国・地域のリスク情報やPEPs(重要な公的地位にある人物)・制裁情報に対応します。CRM・基幹システムと連携するAPIは利用料無料で、Salesforce・kintone・freee会計などとの連携にも対応します。
調査の証跡はクラウド上に7年間自動保存されます。料金は初期費用無料で、月額27,500円(年間600検索)のライトプランから用意されています(2026年9月時点の公式料金ページによる)。
RISK EYES(リスクアイズ)(ソーシャルワイヤー株式会社)

ソーシャルワイヤー株式会社が提供するRISK EYESは、法人名・人名とネガティブワードを組み合わせ、WEBニュース・新聞記事・ブログ/掲示板・独自の反社データベース・制裁リストなどを1画面で横断検索できる反社・コンプライアンスチェックツールです。反社会的勢力との関係・犯罪関与・不祥事の有無を確認できます。
特徴は、検索結果をただ増やすのではなく、担当者が確認すべき記事を絞り込める点にあります。生年・住所などの補足情報や除外ワード、AIによる記事の関連度・懸念度判定でノイズを減らし、同姓同名の別人情報を絞り込めます。
検索履歴や確認結果を証跡として残せるため、担当者が変わっても同じ基準で運用しやすく、既存取引先の差分検索(前回以降に追加・更新された情報の確認)にも対応します。料金は初期費用無料で、月間最低15,000円(税別)+検索ごとの従量課金です(2026年9月時点の公式料金ページによる)。
導入後の工数削減について、同社は具体的な数値を挙げています。

導入事例では、広報支援会社で検索業務を約93%削減、オンラインマッチングサービスを運営する企業で反社チェック業務を約95%削減、採用管理システムを提供する企業で従来比約85%の工数削減を実現しています。採用管理システムを提供する企業では、日次20~30件の確認に100~150分かかっていた業務が大幅に短縮されました。
パワーサーチ(アラームボックス株式会社)

パワーサーチは、新規取引先の与信判断・反社チェック・企業調査を、会社名の入力だけで実施できる与信管理クラウドサービスです。提供元のアラームボックス株式会社は2025年7月に弥生グループへ加わっています。反社チェックは専門調査会社情報・新聞記事・WEB情報を組み合わせて実施でき、1件500円(ワンコイン)から、調査範囲に応じて4つのプランを使い分けられます。
反社チェック単体ではなく、新規取引時の与信判断から継続的なモニタリング、売掛保証までを一体で扱える点が特徴です。AIが情報を収集・解析したうえで、専任の調査担当者が与信判断の見解・アドバイスを付します。料金は初期費用無料で、月額3,000円(ポイント制)のライトプランから用意されています(2026年9月時点の公式料金ページによる。カタログ経由では月額1,000円の弥生プランも案内されています)。
RoboRoboコンプライアンスチェック(オープン株式会社)

Excelデータをドラッグ&ドロップで取引先を一括登録し、1クリックでまとめて検索できるのがRoboRoboコンプライアンスチェックです。取引先や採用候補者に法令違反や社会規範に反する活動がないかを自動でチェックし、生成AIが記事を要約・解析して注目度を高・中・低の3段階で自動判別します。
インターネット記事・新聞記事データベースに加え、エス・ピー・ネットワークの反社データベース「SP RISK SEARCH」や官報破産者情報データベースと連携し、多層的な調査が1つのプラットフォームで完結します。上場企業に求められるコンプライアンスチェックの要件についてSBI証券の監修を受けており、導入社数は10,000社を突破しています(2026年2月発表)。
料金は初期費用無料で、1件250円(インターネット検索)からの従量プランがあり、無料トライアルで実際の取引先を10件まで確認できます(2026年9月時点の公式情報による)。
反社チェックでは、結果が白か黒かではっきり分かれないケースもあります。グレーゾーンの情報の扱いについて、同社は次のように述べています。

単体の反社チェックのスピードだけを比較すると、データベース検索に特化した他社ツールの方が速い場合もあります。ただし当社はリアルタイムのネット検索も行うため、白黒だけでなくグレーゾーンの情報まで取得できます。会社によってはグレーゾーンでも取引を進める判断もあれば、取引しないという判断もある。
まとめ
取引先が反社会的勢力かどうかを照合できる、網羅的な企業一覧は公開されていません。公的に確認できるのは、都道府県公安委員会が指定した暴力団(団体)の一覧や、反社関係を理由とする指名停止措置の一覧などに限られます。有価証券報告書に「反社会的勢力」の語が載る企業一覧やブラック企業一覧、特商法の処分事業者一覧は、いずれも反社企業一覧ではないため、取り違えないよう注意が必要です。
一覧が無い以上、取引先の確認は公開情報・報道の照合や専門機関への相談を組み合わせ、個別の事実にもとづいて1社ずつ行うことになります。確認件数が多い場合は反社チェックツールで作業を効率化し、契約書には暴力団排除条項を備えておくことで、万一のときの解除・排除の根拠を確保できます。自社の取引実態に合った確認手段を選ぶ検討材料として、各サービスの資料もあわせてご確認ください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 反社会的勢力とは何ですか?
A. 反社会的勢力とは、暴力や威力、詐欺的な手法を使って経済的利益を追求する集団または個人の総称です。政府指針では、暴力団・暴力団関係企業・総会屋などの「属性要件」と、暴力的な要求行為や不当な要求といった「行為要件」の両面でとらえるとされています。特定の団体に属しているかどうかだけで決まるものではないため、確定した企業名簿として一覧化することが難しい概念です。
出典・参考資料(1件)
Q. 反社会的勢力の企業一覧は公開されていますか?
A. 反社会的勢力かどうかを取引先の名前の照合だけで判定できる、網羅的な企業一覧(ブラックリスト)は公開されていません。警察が保有する暴力団情報のデータベースは一般企業が自由に閲覧できるものではなく、反社会的勢力自体も固定した名簿でとらえられる存在ではないためです。公的に確認できるのは、指定暴力団(団体)の一覧や、反社関係を理由とする一部事業者の指名停止措置一覧などに限られます。
Q. 指定暴力団の一覧はどこで見られますか?
A. 指定暴力団の一覧は、警察庁や各都道府県警察のウェブサイトで公表されており、団体の名称・所在地・代表者・推定構成員数などを確認できます。これは暴力団対策法にもとづき都道府県公安委員会が指定した「団体」の一覧であり、取引先となる一般企業の名前が載るものではない点に注意してください。
Q. 反社会的勢力とフロント企業は何が違いますか?
A. 反社会的勢力が暴力団などの組織やその構成員そのものを指すのに対し、フロント企業(企業舎弟)は、反社会的勢力が関与している事実を隠して合法的な事業活動を装う企業を指します。登記上は通常の会社として存在し、表面的には見分けがつきにくいため名簿による一覧化が特に難しく、取引先の確認では登記情報の役員・株主や報道などの個別の事実を照合する必要があります。
Q. 取引先が反社会的勢力だと分かったらどうすればよいですか?
A. 契約書にあらかじめ定めておいた暴力団排除条項(反社排除条項)にもとづいて契約を解除し、取引関係を遮断します。政府指針も暴排条項を契約に盛り込むことが有効としており、東京都暴力団排除条例などは事業者に対し、契約の相手方が暴力団関係者でないことの確認や暴排条項を契約書に定めることを努力義務として求めています。
不当要求を受けた場合や解除の進め方に迷う場合は、自社だけで対応せず、警察・暴力追放運動推進センター・弁護士といった外部の専門機関に相談しながら進めます。
Q. 反社会的勢力の反社チェックは無料でできますか?
A. 公知情報(インターネット)の検索や暴力追放運動推進センターへの相談など、無料で始められる確認手段はあります。ただし無料の手段は同姓同名などのノイズが多く見極めに手間がかかるため、確認件数が多い場合や継続的・標準的に運用する場合は、新聞記事データベースや独自の反社データベースを横断できる反社チェックツールを組み合わせるのが実務的です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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