帳簿づけを始めようとすると、「仕訳帳」と「(総勘定)元帳」という似た名前の帳簿が2つ出てきて、何がどう違うのか・両方作らなければならないのかで手が止まりがちです。簿記を学び始めた段階や、経理の担当を引き継いだばかりの段階では、なおさら整理しておきたいところです。
結論から言うと、仕訳帳は取引を「日付順」にすべて記録する帳簿、総勘定元帳(元帳)は同じ取引を「勘定科目ごと」に並べ替えた帳簿です。2つは別物を記録しているのではなく、同じ取引を違う切り口でまとめた、表裏の関係にあります。
本記事では、仕訳帳と総勘定元帳の違いを一覧で示したうえで、それぞれの役割・記載項目・書き方、そして仕訳帳から総勘定元帳へ「転記」する流れを同じ取引の具体例で解説します。保存義務や帳簿同士の関係、手書き・Excel・会計ソフトでの作り方まで、自分で正しく帳簿を作れる状態になることを目指します。
違いが曖昧なまま進めてよいのか不安な方は、まず次の早わかり表で全体像をつかんでから読み進めてください。
目次
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【早わかり】仕訳帳と総勘定元帳(元帳)の違い
仕訳帳と総勘定元帳は、どちらも複式簿記(取引を借方と貸方の2面に分けて記録する方式)で必ず作る「主要簿」と呼ばれる帳簿です。扱う取引は同じですが、並べ方と見る目的が異なります。仕訳帳は日々の取引を発生順に追うための帳簿、総勘定元帳は勘定科目ごとの残高や内訳を把握するための帳簿、という違いをまず押さえてください。
| 項目 | 仕訳帳 | 総勘定元帳(元帳) |
|---|---|---|
| 記録の並び順 | 取引の発生順(日付順) | 勘定科目ごと |
| 記録する範囲 | すべての取引を1冊にまとめる | 同じ取引を科目別の口座に振り分ける |
| 主な目的 | 取引の全体を時系列で追う | 科目ごとの残高・内訳を把握する |
| 作成するタイミング | 取引が発生したとき(最初に書く) | 仕訳帳をもとに転記(後から書く) |
| 主なチェック用途 | 取引の記録漏れ・内容の確認 | 残高管理・試算表や決算書の作成 |
| 位置づけ | 複式簿記の主要簿(両方作成する) | 複式簿記の主要簿(両方作成する) |
要点は、同じ取引を「時系列でまとめたのが仕訳帳」「科目ごとにまとめ直したのが総勘定元帳」ということです。どちらか一方だけでは足りず、仕訳帳に書いた内容を総勘定元帳へ写す「転記」でつながっています。次章から、それぞれの役割と書き方を具体的に見ていきます。
仕訳帳と総勘定元帳、それぞれの役割と使い分け
ここからは、2つの帳簿がそれぞれ何のためにあるのか、どう使い分けるのかを見ていきます。役割を押さえておくと、このあとの記載項目や転記の説明が理解しやすくなります。
仕訳帳とは(日々の取引を時系列で記録する)
仕訳帳とは、企業のすべての取引を、発生した日付順に「仕訳」の形で記録していく帳簿です。仕訳とは、1つの取引を「借方(左側)」と「貸方(右側)」の2つの勘定科目に分けて記録する複式簿記の基本ルールで、仕訳帳はこの仕訳を時系列でまとめたものにあたります。
たとえば「10月1日に商品を現金5万円で売り上げた」なら、借方に現金50,000円、貸方に売上50,000円と記録します。仕訳帳を見れば、いつ・どんな取引があったのかを発生順にたどれるため、取引の記録漏れや内容の確認に向いています。
総勘定元帳(元帳)とは(科目ごとに残高・内訳を把握する)
総勘定元帳(元帳)とは、仕訳帳に記録した取引を、現金・売上・買掛金といった勘定科目ごとに集めて並べ替えた帳簿です。科目ごとに「口座(勘定口座)」を用意し、そこへ関係する取引を集めていくため、「現金は今いくらあるか」「売上は累計でいくらか」といった科目別の残高や内訳がひと目でわかります。
法令上も、仕訳帳と総勘定元帳はこの「並べ方の違い」で定義されています。法人税法施行規則では、青色申告法人が備えるべき帳簿として、次のように定めています。
青色申告法人は、全ての取引を借方及び貸方に仕訳する帳簿(次条において「仕訳帳」という。)、全ての取引を勘定科目の種類別に分類して整理計算する帳簿(次条において「総勘定元帳」という。)その他必要な帳簿を備え(中略)取引に関する事項を記載しなければならない。
出典:法人税法施行規則 第54条(e-Gov法令検索)
「全ての取引を借方及び貸方に仕訳する帳簿」が仕訳帳、「勘定科目の種類別に分類して整理計算する帳簿」が総勘定元帳です。日々の記録は仕訳帳、科目ごとの集計は総勘定元帳、という使い分けが法令の定義とも一致します。この条文は法人向けの規定ですが、2つの帳簿の役割の違い(並べ方の違い)は個人事業主の帳簿でも同じです。
総勘定元帳を作ると何がわかるか
総勘定元帳を整えておくと、日々の経理や決算で次のようなことがわかります。仕訳帳だけでは科目ごとの集計が追いにくいため、総勘定元帳が実務で欠かせません。
- 勘定科目ごとの残高:現金や預金が今いくら残っているか、売掛金がいくら未回収かを科目単位で把握できます。
- 金額の推移:特定の科目が月ごとにどう増減したかを追え、経営判断の材料になります。
- 誤りの発見:試算表や決算書の数字が合わないとき、科目ごとに記録をたどって原因を特定しやすくなります。
仕訳帳・総勘定元帳の記載項目と書き方(標準式・残高式)
ここからは、それぞれの帳簿にどんな項目を書くのかを見ていきます。このあとの転記の説明で使う「摘要」「仕丁・元丁」といった用語も、ここで意味を押さえておきましょう(「諸口」は転記の具体例の箇所で説明します)。
仕訳帳の記載項目
仕訳帳には、取引ごとに次の項目を記録します。1件の取引を借方と貸方に分けて、日付順に並べていきます。
- 日付:取引が発生した年月日
- 摘要:取引の内容や相手勘定科目を簡潔に書く欄(「摘要(てきよう)」は、その取引が何かを示すメモにあたります。本記事の仕訳帳の表では、借方・貸方の勘定科目を「(現金)/(売上)」のように示します)
- 元丁(もとちょう):転記先の総勘定元帳のページ番号(どの口座へ転記したかの対応づけ)
- 借方・貸方:借方(左)と貸方(右)それぞれの勘定科目と金額
総勘定元帳の記載項目と、標準式・残高式
総勘定元帳は、勘定科目ごとに口座を分けて記録します。各口座には、日付・相手勘定科目・摘要・仕丁・借方・貸方(・残高)を記入します。「仕丁(しちょう)」は、転記元となった仕訳帳のページ番号で、仕訳帳の「元丁」と対応し、どの仕訳から転記したかをたどれるようにするものです。
総勘定元帳の書き方には、標準式と残高式の2つの形式があります。使い分けは任意で、残高を随時確認したい場合は残高式が便利です。
- 標準式:ページの中央で左右に分け、左側に借方、右側に貸方をそれぞれ記入する形式です。借方・貸方を対照して見やすい一方、その時点の残高はひと目ではわかりません。
- 残高式:借方・貸方・残高の列を横に並べ、取引のたびに残高を計算して記入する形式です。預金通帳のように、常に最新の残高を確認できます。
仕訳帳から総勘定元帳への転記(同じ取引で見る)
仕訳帳と総勘定元帳をつなぐのが「転記」です。ここでは、同じ1件の取引が、仕訳帳と総勘定元帳でそれぞれどう書かれるかを並べて見ていきます。
転記の手順(仕訳帳が先、元帳が後)
転記とは、仕訳帳に記録した仕訳を、勘定科目ごとに総勘定元帳の各口座へ書き写す作業です。順番は必ず「仕訳帳に記入してから、総勘定元帳へ転記する」で、次の流れで進めます。
- 取引が発生したら、仕訳帳に日付順で仕訳を記入する
- 仕訳に出てきた勘定科目それぞれについて、総勘定元帳に口座があるか確認し、なければ作成する
- 仕訳帳の借方の金額は元帳の該当科目の借方へ、貸方の金額は該当科目の貸方へ、相手勘定科目や日付とともに書き写す
同じ取引を仕訳帳・総勘定元帳で書くとこうなる
「10月1日に商品を現金50,000円で売り上げた」という取引を例にします。まず仕訳帳には、次のように借方・貸方で記録します。
| 日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|---|
| 10/1 | (現金)/(売上) 商品売上 | 現金 50,000 | 売上 50,000 |
この仕訳を総勘定元帳へ転記すると、現金の口座と売上の口座の2か所に、それぞれ書き写されます。借方の現金は現金口座の借方へ、貸方の売上は売上口座の貸方へ、相手勘定科目を摘要に書いて記入します。

| 日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 10/1 | 売上 | 50,000 | 50,000 |
| 日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 10/1 | 現金 | 50,000 | 50,000 |
同じ50,000円の取引が、仕訳帳では1行、総勘定元帳では「現金」と「売上」の2つの口座に分かれて記録される、という対応関係が転記のポイントです。摘要欄には相手勘定科目(現金の口座なら「売上」、売上の口座なら「現金」)を書くと、あとから取引のつながりをたどれます。
相手勘定科目が複数ある場合(諸口)の書き方
1つの取引で相手勘定科目が複数になることもあります。たとえば「商品100,000円を売り上げ、50,000円は現金で受け取り、残り50,000円は後日受け取る(売掛金)」というケースです。この取引の仕訳は、貸方の売上に対して借方が現金と売掛金の2つになります。
このように相手勘定科目が複数ある場合、総勘定元帳の摘要欄には相手科目を1つに書けません。そこで「諸口(しょくち)」と記入します。諸口は「相手が複数あるため、まとめて示す」という意味の表記です。この取引を仕訳帳に書くと、借方が2つに分かれた次の形になります。
| 日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|---|
| 10/5 | (現金) | 50,000 | |
| (売掛金) | 50,000 | ||
| (売上) 商品売上 | 100,000 |
これを総勘定元帳へ転記すると、相手科目が複数ある売上の口座では摘要に「諸口」と書き、貸方に100,000円を記入します。一方、現金・売掛金の各口座は相手が売上の1つだけなので、摘要にはそのまま「売上」と書きます。
| 日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|---|
| 10/5 | 諸口 | 100,000 |
| 口座 | 日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|---|---|
| 現金 | 10/5 | 売上 | 50,000 | |
| 売掛金 | 10/5 | 売上 | 50,000 |
転記ミス・貸借不一致を防ぐには
手作業で転記すると、次のようなミスが起きやすくなります。転記は同じ数字を別の帳簿へ書き写す作業なので、写し間違いが入り込みやすい工程です。
- 借方と貸方を逆に書き写す
- 金額の桁や数字を書き間違える
- 転記そのものを忘れる、同じ仕訳を二重に転記する
こうしたミスは、総勘定元帳の各口座の残高を集計した「試算表」で借方合計と貸方合計が一致しないことで気づけます。合計が合わないときは、仕訳帳と総勘定元帳を突き合わせ、転記元の仕訳に戻って金額・科目・借方貸方の向きを1件ずつ確認していくのが基本です。この突き合わせの手間そのものは、後述の「会計ソフトで作る」で解説する方法によって減らせます。
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帳簿の全体地図:主要簿・補助簿・試算表・決算書の関係
仕訳帳と総勘定元帳の関係がわかったら、ほかの帳簿や決算書とのつながりも押さえておきましょう。帳簿は、1つの流れの中でそれぞれ役割を持っています。

取引はまず仕訳帳に記録され、総勘定元帳へ転記されます。この2つが複式簿記の中心となる「主要簿」です。総勘定元帳の各科目の残高を一覧にしたものが「試算表」で、ここで借方・貸方の合計が一致するかを確認します。最終的に、試算表をもとに貸借対照表や損益計算書といった「決算書」を作成します。
一方、現金出納帳・売掛金元帳・買掛金元帳・固定資産台帳などは「補助簿」と呼ばれ、特定の科目や取引を詳しく管理するために主要簿を補う帳簿です。補助簿は必要に応じて作るもので、主要簿のように必須ではありません。流れで整理すると次のようになります。
- 仕訳帳(主要簿):取引を日付順に記録
- 総勘定元帳(主要簿):仕訳帳から科目ごとに転記
- 補助簿:現金出納帳・売掛金元帳など、特定の科目を詳細に管理(任意)
- 試算表:総勘定元帳の各科目残高を集計し、貸借の一致を確認
- 決算書:試算表をもとに貸借対照表・損益計算書などを作成
仕訳帳・総勘定元帳の保存義務(保存期間と電子帳簿保存法)
仕訳帳も総勘定元帳も、作成したら一定期間の保存が法律で義務づけられています。保存期間は法人か個人事業主かで異なるため、自社がどちらに当たるかで確認してください。
法人の場合(税法7年・会社法10年)
法人は、総勘定元帳・仕訳帳などの帳簿を、原則として確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する必要があります(欠損金が生じた事業年度は10年間)。国税庁も、保存対象となる帳簿の例として総勘定元帳・仕訳帳を挙げています。
加えて、株式会社は会社法により、会計帳簿を10年間保存しなければなりません。税法の7年と会社法の10年の両方がかかるため、実務上は10年間保存しておくと確実です。会社法の条文は次のとおりです。
株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。
出典:会社法 第432条第2項(e-Gov法令検索)
個人事業主(青色申告)の場合(7年・一部5年)
個人事業主には会社法は適用されないため、会社法の10年保存はありません。青色申告をしている個人事業主は、所得税法施行規則により、仕訳帳・総勘定元帳などの帳簿と決算関係書類を7年間、請求書や納品書など一部の書類を5年間保存します。帳簿は7年が基本と覚えておけば、取り違えを避けられます。
電子帳簿保存法での電子保存
仕訳帳・総勘定元帳を会計ソフトなどで電子的に作成している場合、電子帳簿保存法の要件を満たせば、紙に印刷せず電子データのまま保存できます。最低限の要件(その他の電子帳簿)は、次の3点です。
- 電子計算機処理システムの概要書等の備付け
- ディスプレイ・プリンタなど見読可能装置の備付け等
- 税務職員のダウンロードの求めに応じられること
さらに、訂正・削除の履歴が残るシステムの使用、帳簿間での記録の相互関連性の確保、検索機能の確保といった要件を満たす「優良な電子帳簿」として届け出ると、過少申告加算税の軽減措置の対象になります。要件の詳細は国税庁の一問一答で確認してください。
出典・参考資料(5件)
電子帳簿保存法の要件やメリット、電子保存へ移行するときの進め方は、以下の記事でより詳しく解説しています。帳簿を紙ではなく電子データで保存することを本格的に検討する方は、あわせてご覧ください。
仕訳帳・総勘定元帳の作り方3つと、転記の自動化
仕訳帳と総勘定元帳の作り方は、大きく「手書き」「Excel・テンプレート」「会計ソフト」の3つがあります。それぞれの特徴を押さえ、自社に合う方法を選びましょう。記帳そのものを外部に任せる選択肢もあわせて、まず全体を一覧で整理します。
| 作り方 | 手書き | Excel・テンプレート | 会計ソフト | 記帳代行 |
|---|---|---|---|---|
| 仕訳帳→元帳の転記 | すべて手作業 | 関数・マクロ次第(自作は手間) | 仕訳入力だけで自動作成 | 専門家に任せる |
| 転記ミスのリスク | 高い | 数式の作り込み次第 | 起きない | 専門家が対応 |
| 費用の目安 | 帳簿・文具代のみ | 表計算ソフト代のみ(無料のテンプレートもある) | 月額制の有料(本記事の例は年額34,800円〜) | 月額制(本記事の例は月29,500円〜) |
| 向いている人 | 取引件数がごく少ない | 件数が少なくコストを抑えたい | 自社で正確に帳簿を作りたい | 記帳の手間そのものをなくしたい |
※費用の目安は2026年10月時点。各サービスの詳細は後述の個別紹介・公式情報でご確認ください。
手書きで作る
市販の帳簿やノートに手書きで記帳する方法です。道具をそろえればすぐ始められますが、仕訳帳から総勘定元帳への転記をすべて手作業で行うため、取引が増えるほど手間と転記ミスのリスクが大きくなります。取引件数がごく少ない場合に限られる方法です。
Excel・テンプレートで作る
表計算ソフトのテンプレートを使う方法です。計算式を組めば合計や残高の計算は自動化できますが、仕訳帳と総勘定元帳の転記を関数やマクロで連動させるには相応の知識が必要で、シートが壊れると原因の特定が難しくなります。無料で始められる一方、運用が属人化しやすく、転記を自動化するには手間がかかります。
自分で作る場合は、仕訳帳に「日付・摘要・借方科目・借方金額・貸方科目・貸方金額」、総勘定元帳に「日付・相手科目・摘要・借方・貸方・残高」の列を用意し、科目ごとにシートを分けるのが基本の構成です。会計ソフト各社などが無料のテンプレートを配布しているので、ゼロから組むより配布テンプレートを使うと手戻りを防げます。
会計ソフトで作る(仕訳入力だけで元帳まで自動作成)
会計ソフトを使うと、仕訳を1回入力するだけで、総勘定元帳・試算表・決算書まで自動で作成されます。転記そのものをソフトが行うため、借方貸方の逆転や写し間違いといった転記ミスが起きません。銀行口座やクレジットカードの明細を取り込んで仕訳を提案する機能を備えたソフトも多く、記帳の手間を減らせます。取引件数が一定以上ある事業者には、会計ソフトでの作成が現実的な選択肢です。
自社に合うクラウド会計ソフトを具体的に選びたい方に向けて、以下の記事では主要なソフトを規模・タイプ別の選び方とあわせて比較しています。料金や自動仕訳などの機能を見比べて、どのソフトで帳簿を自動作成するかを検討する材料にしてください。
【2026年】クラウド会計ソフト比較15選|規模・タイプ別の選び方と料金を解説
クラウド会計ソフトの導入を検討するとき、「製品が多すぎて自社に合うものが分からない」「インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しているか不安」「手入力やExcelでの記帳から早く脱却したい」といった悩みに突き当たる担当者は少なくありません。 選…
1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextは、弥生株式会社が提供する法人向けのクラウド会計ソフトです。仕訳日記帳(仕訳帳)や総勘定元帳・補助元帳の作成・編集に対応し、作成した帳簿はPDF・Excel形式で出力できます。仕訳を入力すれば総勘定元帳や残高試算表が自動で作られるため、転記作業そのものが不要になります。
取引内容を会話するように入力するとAIが仕訳を生成する「AI取引入力」や、金融機関の入出金明細を自動で取り込む連携機能を備え、日々の記帳の手間を抑えられます。料金は年額34,800円(税抜)のエントリープランから用意され(2026年10月時点)、最大2か月の無料体験で使い勝手を確認できます。日々の記帳から決算書作成まで、自社で帳簿を正確に作りたい法人に向いています。
記帳そのものを任せたいなら記帳代行という選択肢
「仕訳や転記の判断に自信がない」「本業に集中したい」という場合は、記帳そのものを専門家に任せる記帳代行という選択肢もあります。会計事務所が仕訳・記帳から決算・申告まで引き受けるため、帳簿づくりの正確さを担保しながら経理の負担を減らせます。
2. Tenbook(シンアカウンティングサービス株式会社)

記帳代行から決算・申告までをワンストップで任せられるオンライン完結型の会計サービスが、Tenbook(テンブック)です。運営するのは公認会計士・税理士のシンアカウンティングサービス株式会社で、会計帳簿の記帳を会計事務所が代行するため、仕訳帳・総勘定元帳の作成を自社で抱え込む必要がありません。
契約者には、公認会計士がプロデュースしたクラウド会計ソフト「10book」が無料で提供され、資料共有や相談もオンラインで完結するため全国から利用できます。料金は月額29,500円から(2026年10月時点)で、「記帳は自社で行い申告だけ任せたい」といった部分的な依頼にも対応します。帳簿づくりや経理の体制づくりに手が回らない事業者に向いています。
どのような企業で記帳代行が特に効くのかについて、同社の上田氏は次のように話します。
分かりやすいのは、経理リソースが不足している企業です。特に新設法人だと、経理に時間も人も割けないですし、経理フローを構築する知識や経験も不足しがちです。
それと、経理担当者の退職などで業務が不安定になるケースもよくあります。属人的なフローになっていると引き継ぎが大変ですし、退職に伴って経理が回らなくなるリスクが出てきます。そこを専門家に任せることで、経理業務の安定性を提供したいと考えています。
まとめ
仕訳帳は取引を日付順に記録する帳簿、総勘定元帳は同じ取引を勘定科目ごとに並べ替えた帳簿で、どちらも複式簿記の主要簿です。仕訳帳に記録した内容を総勘定元帳へ「転記」することで2つはつながり、総勘定元帳の残高が試算表・決算書へと集計されていきます。
手書きやExcelでは転記を手作業で行うため写し間違いが起きやすい一方、会計ソフトを使えば仕訳を入力するだけで総勘定元帳まで自動作成され、転記ミス自体がなくなります。記帳そのものを任せたい場合は記帳代行という選択肢もあります。自社の取引量や体制に合わせて、無理なく正確に帳簿を作れる方法を選んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 仕訳帳と総勘定元帳は両方作る必要がありますか?
A. 仕訳帳と総勘定元帳は、どちらも複式簿記の「主要簿」で、両方とも作成する必要があります。どちらか一方だけでは足りません。仕訳帳に日付順で記録した取引を総勘定元帳へ転記してはじめて、勘定科目ごとの残高把握や試算表・決算書の作成ができるためです。青色申告(複式簿記)で65万円・55万円の特別控除を受ける場合も、仕訳帳と総勘定元帳の備付けが前提になります。
Q. 仕訳帳と総勘定元帳は、どちらを先に書きますか?
A. 先に書くのは仕訳帳で、その内容を総勘定元帳へ「転記」します(仕訳帳が先、元帳が後)。取引が発生したら、まず仕訳帳に日付順で仕訳を記入し、その仕訳に出てきた勘定科目ごとに、総勘定元帳の各口座へ金額を書き写していきます。総勘定元帳は仕訳帳をもとに作る帳簿なので、順番が逆になることはありません。
Q. 「元帳」には総勘定元帳のほかに種類がありますか?
A. 「元帳」には、主要簿である総勘定元帳のほかに、売掛金元帳・買掛金元帳などの「補助元帳」があります。総勘定元帳は全取引を勘定科目ごとに記録する主要簿で必ず作成しますが、補助元帳は特定の取引先や科目の内訳を詳しく管理するための補助簿で、必要に応じて作成する任意の帳簿です。現金出納帳や固定資産台帳なども、総勘定元帳を補う補助簿に含まれます。
Q. 総勘定元帳と試算表は何が違いますか?
A. 総勘定元帳は取引を勘定科目ごとに記録した「帳簿」、試算表はその各科目の残高を一覧に集計した「確認表」です。試算表は総勘定元帳をもとに作成し、借方の合計と貸方の合計が一致するかを確かめて記帳ミスを発見したり、貸借対照表・損益計算書といった決算書を作ったりする前段で使います。元帳が日々の記録、試算表がその集計結果という関係です。
Q. 仕訳帳・総勘定元帳の保存期間は何年ですか?
A. 法人は税法上7年・会社法上10年(実務上は10年)、個人事業主(青色申告)は帳簿7年の保存が必要です。法人は欠損金が生じた事業年度については税法上も10年間の保存が求められます。個人事業主には会社法が適用されないため、仕訳帳・総勘定元帳などの帳簿は7年が基本で、請求書など一部の書類は5年保存です。
出典・参考資料(2件)
Q. 仕訳帳・総勘定元帳は電子データで保存できますか?
A. 電子帳簿保存法の要件を満たせば、紙に印刷せず電子データのまま保存できます。会計ソフトなどで作成した帳簿は、システム概要書等の備付け・ディスプレイやプリンタでの見読可能性の確保・税務職員のダウンロードの求めに応じられること、という最低限の要件を満たせば電子保存が認められます。
さらに、訂正削除の履歴が残る仕組みや検索機能などの要件を満たす「優良な電子帳簿」として届け出ると、過少申告加算税の軽減措置の対象になります。
出典・参考資料(1件)
Q. 会計ソフトを使えば総勘定元帳は自動で作れますか?
A. 会計ソフトを使えば、仕訳を入力するだけで総勘定元帳・試算表・決算書まで自動で作成されます。転記はソフトが行うため、借方貸方の取り違えや金額の写し間違いといった転記ミスが起きません。銀行口座やクレジットカードの明細を取り込んで仕訳を提案する機能を備えたソフトも多く、取引件数が一定以上ある事業者ほど、手書き・Excelより記帳の手間とミスを減らせます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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