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法人ETCカードを無料で持つ方法|年会費・発行手数料0円のカードと選び方を比較

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社用車のETC利用料を法人でまとめて管理したいものの、年会費や発行手数料でさらに固定費が増えるのは避けたい——そう考えて「無料で持てる法人ETCカードはどれか」を探す経理・総務担当者や個人事業主は少なくありません。実際、法人カードに付帯するETCカードには、本体年会費もETCカードの年会費も発行手数料もかからず持てるものがあります。

一方で「年会費無料」とうたっていても、本体・ETCカード・発行手数料のどれが無料なのか、年1回の利用など無料を続ける条件があるのかは、カードによって異なります。審査なしで持てる協同組合発行のETCカードやETCコーポレートカードも、出資金や手数料がかかり「無料」ではありません。

本記事では、法人ETCカードの「無料」がどこまで無料かを、本体年会費・ETCカード年会費・発行手数料の内訳に分けて比較します。3つすべてが0円で持てるカードもあれば、ETCカードの発行手数料だけ550〜990円程度かかるカードもあり、その違いが一目でわかるようにしました。審査なしで持つ場合の協同組合・ETCコーポレートカードの実コストも並べ、自社に合う一枚を選ぶ材料としてご活用ください。

また、利用台数や無料へのこだわりから自社に向く「無料で持てるタイプ」と候補カードを最短で絞り込めるよう、選定診断ツールも用意しています。あわせてご利用ください。

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本記事の対象範囲

本記事は、法人ETCカードを「本体年会費・ETCカードの年会費・発行手数料をかけずに持つ」という費用の観点で絞って比較・解説します。ポイント還元の高さや付帯特典、ステータス性まで含めて法人ETCカード全般をじっくり選びたい場合は、無料かどうかにこだわらない比較のほうが向いています。本記事では、まず維持費をかけずに持てる選択肢を知りたい読者に向けて、無料の中身と条件を具体的に示すことを優先します。

ETCの無料にこだわらず、年会費・還元率・会計ソフト連携まで含めて法人カードそのものを広く比較して選びたい場合は、カテゴリ全体をまとめた次の記事が出発点になります。

法人ETCカードの「無料」はどこまで無料か

ここからは、法人ETCカードの「無料」を内訳に分けて整理します。「年会費無料」という言葉は、実際には複数の費用のうちどれが無料かを曖昧にしたまま使われることが多く、申し込んでから想定外の費用に気づくことがあります。

法人ETCカードを持つときにかかりうる費用は、大きく次の要素に分かれます。無料で持てるかを判断するには、このうちどれが0円なのかを1つずつ確認する必要があります。

法人ETCカードの無料の中身を示した図。完全無料にするには本体(親カード)の年会費・ETCカードの年会費・発行手数料の3つがすべて0円である必要があり、あわせて無料を続ける条件と無料で発行できる枚数の2つを確認する。
  • 本体(親カード)の年会費:ETCカードは単独では発行できず、法人クレジットカードに付帯する形で発行します。付帯型では、この親カードの年会費が無料かどうかが「無料で持てるか」の起点になります。
  • ETCカード自体の年会費:親カードとは別に、ETCカード1枚ごとに年会費がかかる場合があります。「本体は無料でもETCカードは年数百円」というカードもあります。
  • 発行手数料:ETCカードの新規発行時に一度だけかかる手数料です。付帯型では無料のことが多い一方、協同組合発行のカードでは1枚ごとにかかります。
  • 無料を続ける条件:「年1回以上のETC利用がないと翌年度は有料」など、無料を維持するための条件が付くことがあります。条件を満たさないと、2年目から年会費が発生します。
  • 無料で発行できる枚数:複数の社用車で使うには台数分のETCカードが必要です。親カード1枚に対して何枚まで無料で発行できるかは、カードによって1枚のみ・複数枚・無制限と差があります。

本体年会費・ETCカード年会費・発行手数料の3つがすべて0円で、必要な枚数を無料で発行できる——この状態を満たせるのは、主に法人カードに付帯するタイプです。協同組合発行のETCカードやETCコーポレートカードは、クレジット審査なしで持てる代わりに出資金や手数料がかかり、この意味での「無料」には当たりません。次章でタイプごとの費用構造を見ていきます。

無料で持てるのはどのタイプか(3タイプの費用構造)

法人が持てるETCカードは、発行元とクレジット機能の有無で3つのタイプに分かれます。無料で持てるかという観点では、タイプごとに費用構造が大きく異なります。まず全体像を整理します。

タイプクレジット機能審査費用(無料で持てるか)向いている企業
法人カード付帯型ETCカードありクレジット審査あり本体年会費が無料のカードを選べば、ETCカード年会費・発行手数料も無料で持てる(維持費0円が成立)クレジット審査を通せる企業・事業者。無料で持ちたい大半の読者の第一候補
協同組合発行の法人ETCカードなしクレジット審査なし(組合の独自審査)出資金(1社1万円程度)・発行手数料・走行料金への手数料がかかり、無料ではない創業間もない・信用実績が浅くクレジット審査に不安がある企業
ETCコーポレートカードなしクレジット審査なし発行手数料・年間手数料がかかり無料ではないが、大口・多頻度割引で実質コストを抑えられる高速道路の利用額・走行頻度が大きい運送・物流業

法人カード付帯型ETCカード(クレジット機能あり)

法人クレジットカードに追加発行するETCカードです。無料で持ちたい読者にとっての本命で、本体年会費が無料の法人カードを選べば、ETCカードの年会費も発行手数料もかからず維持費0円で持てるものがあります。経費はカード会社を通じて一本化され、利用明細で管理できるため、立替精算の手間も減らせます。

注意点は、親カードの発行にクレジット審査があること、カードによっては「年1回以上の利用がないと翌年度はETCカード年会費が有料」などの無料継続条件が付くこと、親カード1枚あたりの無料発行枚数に上限があることです。複数の社用車で使うなら、必要な枚数を無料で発行できるかを事前に確認しておくと安心です。

協同組合発行の法人ETCカード(クレジット機能なし・審査なし)

事業協同組合に加入して発行する、クレジット機能のないETC専用カードです。クレジット審査がないため、創業間もない企業や信用実績が浅い事業者でも持ちやすいのが特徴です。ただし「審査なし」は「無料」を意味しません。組合加入時に出資金(1社あたり1万円程度)が必要で、カード1枚ごとの発行手数料や、走行料金に対する手数料がかかります。

たとえばETC協同組合では組合加入出資金が1社につき1万円、カード発行手数料が1枚あたり880円(税込)、走行料金に対して8%の手数料がかかります。高速情報協同組合でも出資金1万円(脱退時返金)・発行手数料550円(税込)・走行料金に対する8%の手数料という構造です。費用の詳細は後述の「審査なしで持つなら」の章で整理します。

ETCコーポレートカード(NEXCO発行・大口多頻度割引)

東日本・中日本・西日本の高速道路会社(NEXCO3社)が発行するETCカードです。発行手数料・年間手数料がかかり無料ではありませんが、高速道路の「大口・多頻度割引」の対象になる点が他タイプにない特徴です。走行頻度や利用額が大きい事業者ほど割引で実質コストを抑えられます。申し込みはNEXCOに直接、または事業協同組合を通じて行います。

無料に限定せず、この付帯型・協同組合・ETCコーポレートの3タイプを年会費・審査・発行枚数の観点で横断的に比較して選びたい場合は、法人ETCカード全般を扱った次の記事も参考になります。

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自社の状況に合う「無料で持てるタイプ」と候補カードを、いくつかの質問に答えるだけで絞り込めます。

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【比較表】無料の内訳で法人ETCカードを比較

ここからは、本体年会費・ETCカード年会費・発行手数料・無料継続条件・発行できる枚数を並べ、付帯型カードを横並びで比較します。本体・ETCカード年会費・発行手数料のすべてが0円で持てるカードもあれば、ETCカードの発行手数料だけ数百円かかるカードもあります。下の表で、どこまで無料かを一目で確認できます。各料金は2026年10月時点の各公式サイト情報にもとづきます。

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サービス名マネーフォワード ビジネスカード三井住友カード ビジネスオーナーズJCB Biz ONEセゾンコバルト・ビジネス・アメックスJCB法人カードライフカードビジネスライトプラスfreeeカード UnlimitedバクラクビジネスカードUPSIDERカード
本体年会費実質無料(年1回以上の利用が必要)無料(一般・永年無料)無料(一般・永年無料)無料(永年無料)初年度無料(2年目以降1,375円/税込、一般)無料(一般)無料無料無料
ETCカード年会費無料(2年目以降、直前1年間に支払い実績がない場合1,000円+税)無料(前年度に利用がない場合550円/税込)初年度無料、2年目以降は前年に1回以上利用で無料(未利用で550円/税込)無料(未利用で年2,200円/税込のサービス手数料)無料無料無料無料無料
ETCカード発行手数料900円+税/枚無料無料無料無料無料550円(税込)/枚550円(税込)/枚550円(税込)/枚
無料を続ける条件本体・ETCとも年1回以上の利用(未利用で各1,000円+税)。発行には与信枠の利用が必要ETCを年1回以上利用(前年度未利用で550円/税込)2年目以降、前年にETC利用1回以上入会月〜翌年入会月前月末までにETC利用1回以上(未利用で2,200円/税込)本体は初年度のみ無料(2年目以降1,375円/税込)。ETCは無条件無料年1回以上の利用(入会から1年間未利用で1,650円)なしなしなし
発行できる枚数個人事業主1枚・法人は複数枚1枚(パートナーカード追加で増やせる)1枚(JCBカード1枚につき1枚)最大5枚複数枚1枚(代表者名義のみ)無制限要お問い合わせ無制限
詳細情報オンライン相談を予約公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

各カードの本体年会費・ETCカードの年会費・発行手数料は2026年10月時点の各公式サイトの情報にもとづきます。無料を続ける条件や手数料は変更される場合があるため、最新の内容は各カードの公式サイトでご確認ください。

無料で持てる付帯型カードの選び方

ここからは、付帯型カードを「無料のまま維持できるか」という観点で選ぶときの確認ポイントを解説します。無料で持ちつつ得られるポイント還元やETC割引といった価値は、選んだあとに関わる論点のため、後半の「無料でもETC割引・ポイント還元・経費の一本化はできるか」でまとめて扱います。

本体年会費が無料か・無料を続ける条件はあるか

付帯型で維持費を0円にする起点は、親カードの本体年会費が無料であることです。あわせて無料に条件が付かないかを確認します。「初年度無料・2年目以降は条件付き」「年1回以上の利用がないとETCカード年会費が有料」といった継続条件があると、社用車をあまり使わない月が続けば翌年度から費用が発生します。永年無料で条件のないカードか、条件を自社の利用頻度で確実に満たせるかを見ておきましょう。

本体年会費が無料の法人カードは、ETC用途に限らず数多くあります。永年無料と条件付き無料の違いや、無料カードそのものの選び方を詳しく確認したい場合は、次の記事で比較しています。

必要な枚数を無料で発行できるか(親カード1枚あたりの発行枚数)

社用車が複数あるなら、台数分のETCカードを無料で発行できるかが分かれ目です。親カード1枚につきETCカード1枚までのカードと、複数枚・無制限に発行できるカードがあり、1枚までのカードで台数分を揃えるには親カードを複数契約することになります。車両が多い、または今後増える見込みなら、複数枚・できれば無制限に無料発行できるカードを選ぶと増車のたびの手間を避けられます。

維持費を抑えて持てる付帯型カードの個別紹介

ここからは、本体年会費が無料または低コストで持てる付帯型カードを1枚ずつ紹介します。本体年会費・ETCカードの年会費・発行手数料のどこまでが無料かはカードごとに異なり、ETCカードの発行手数料だけは数百円かかるカードもあります。各カードの無料の中身と、無料で発行できる枚数を、自社の車両台数や利用状況に照らして確認してください。

1. マネーフォワード ビジネスカード(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード ビジネスカードの公式サイト

クラウド会計サービスを提供する株式会社マネーフォワードが発行する、Visaブランドの法人・個人事業主向けビジネスカードです。初期費用・入会費は無料で、1年に1度以上の利用があれば本体年会費もかかりません(1年間未利用の場合は1,000円・税抜)。

法人ETCカードは2025年11月に取り扱いが始まりました。年会費は無料ですが、発行手数料が1枚あたり900円+税かかります。発行には与信枠(あと払い)の利用が条件で、個人事業主は1枚、法人は複数枚まで発行できます。

カードの利用明細はマネーフォワード クラウド会計へ自動で連携され、仕訳候補として取り込めるため、経費処理の手間を減らせます。

2. 三井住友カード ビジネスオーナーズ(三井住友カード株式会社)

三井住友カード ビジネスオーナーズの公式サイト

三井住友カード株式会社が法人代表者・個人事業主向けに発行する法人カードで、一般ランクは本会員・パートナーカードともに年会費が永年無料です。満18歳以上であれば申し込め、登記簿謄本・決算書の提出は不要とされています。

ETCカードの年会費も無料で、前年度に一度も利用がない場合のみ550円(税込)がかかります。発行はビジネスカード1枚につき1枚のため、社用車が複数あるときは年会費無料のパートナーカードを追加し、その枚数分のETCカードを発行します。

3. JCB Biz ONE(株式会社ジェーシービー)

JCB Biz ONEの公式サイト

JCBが2024年9月に投入した、個人事業主・フリーランス・法人代表者向けの法人カードです。一般カードは年会費が永年無料で、Web完結の「モバ即」なら法人の決算書を提出せず、顔写真付き本人確認書類だけで最短5分でカード番号が発行されます。

ETCカードはJCBカード1枚につき1枚まで発行でき、発行手数料は無料です。一般カードのETC年会費は初年度無料で、2年目以降は前年に1回以上の利用があれば無料、利用がない年は1枚550円(税込)がかかります。

4. セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード(株式会社クレディセゾン)

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの公式サイト

株式会社クレディセゾンが発行する、国際ブランドにAmerican Expressを採用した年会費永年無料のビジネスカードです。決算書・登記簿謄本の提出が不要で、オンラインで申し込みが完結します。

ETCカードは発行手数料・年会費とも無料で、最大5枚まで発行できます。ただし入会月から翌年の入会月前月末までにETCカードの利用が一度もないと、年1回2,200円(税込)のサービス手数料がかかるため、年に一度は使っておく必要があります。

5. JCB法人カード(株式会社ジェーシービー)

JCB法人カードの公式サイト

株式会社ジェーシービーが中小企業・個人事業主向けに用意する、一般・ゴールド・プラチナの3グレードからなる従来型の法人カードです。一般カードはオンライン入会で初年度の年会費が無料になり、2年目以降は1,375円(税込)がかかります。

ETCカード(ETCスルーカードN)は全グレードで年会費・発行手数料とも無料で、本体カードの発行枚数とは別に複数枚を発行できます。社用車や従業員ごとにカードを分け、有料道路の利用分を本体カードとまとめて請求できます。

6. ライフカードビジネスライトプラス(ライフカード株式会社)

ライフカードビジネスライトプラスの公式サイト

ライフカード株式会社が法人代表者・個人事業主向けに発行するビジネスカードです。決算書・登記簿の提出が不要で、本人確認書類のみ・最短3営業日で発行でき、一般カードは年会費が無料です。

ETCカードは年会費・発行手数料とも無料ですが、発行できるのは代表者名義の1枚のみで、従業員カード名義では発行できません。社用車ごとにETCカードを分けたい場合は、発行枚数に上限のない上位カード「ビジネスプラス」が選択肢になります。

また、入会から1年間カードの利用がないと、1,650円のカードサービス手数料が発生します。

7. freeeカード Unlimited(フリー株式会社)

freeeカード Unlimitedの公式サイト

クラウド会計のfreeeが提供する法人専用のカードで、年会費・カード発行手数料とも無料です。対象は法人に限られ、個人事業主は申し込めません。

freee会計などに同期した銀行口座の入出金データを独自の与信モデルで分析して審査するため、決算書を提出せずに申し込め、設立直後で決算実績のない法人も対象になります。

追加カードは物理・バーチャルとも無料で、枚数の上限なく発行できます。2026年9月に始まったETCカードは年会費が無料で、発行手数料は1枚あたり550円(税込)です。

8. バクラクビジネスカード(株式会社LayerX)

バクラクビジネスカードの公式サイト

経費精算や請求書受取などを手がける株式会社LayerXの「バクラクシリーズ」に属する法人カードで、年会費は無料です。カードの利用明細をリアルタイムで同期し、AIによる自動仕訳で会計ソフトへ連携できます。

発行手数料はバーチャルカードが無料で、リアルカードは1枚1,540円(税込)、ETCカードは1枚550円(税込)がかかります。対象は法人のみで、個人事業主は利用できません。

通常の後払いプランは独自与信の審査がありますが、利用枠に相当する額を先に預ける保証金プランなら、与信審査なしで利用できます。

9. UPSIDERカード(株式会社UPSIDER)

UPSIDERカードの公式サイト

株式会社UPSIDERが提供する法人向けVisaカードです。年会費・発行手数料とも無料で、カードの発行枚数にも原則として上限がありません。

2026年8月に始まったETCカードは年会費が無料で、発行手数料は1枚550円(税込)です。クレジットカードへの紐付けが不要で単体でも発行でき、社用車の台数に応じて必要な枚数を発行できます。

対象は法人に限られます。後払いプランには独自与信の審査がありますが、保証金を預ける保証金プランなら、与信審査なしで持てます。

審査なしで持つなら:協同組合・ETCコーポレートカードの実コスト(無料ではない)

クレジット審査に不安がある場合の選択肢が、協同組合発行の法人ETCカードとETCコーポレートカードです。いずれもクレジット審査はありませんが、出資金や手数料がかかり「無料」ではありません。ここでは、付帯型と同じ費用の観点で、実際にいくらかかるかを整理します。

発行元出資金発行手数料(1枚)走行料金への手数料審査
ETC協同組合1社につき1万円880円(税込)走行料金の8%クレジット審査なし
高速情報協同組合1社につき1万円(脱退時返金)550円(税込)走行料金の8%クレジット審査なし(組合の独自審査)
ETCコーポレートカード(NEXCO)申込経路により異なる発行手数料あり年間手数料あり(大口・多頻度割引の対象)クレジット審査なし

表のとおり、審査なしの協同組合型やコーポレートカードは出資金や手数料がかかり、無料ではありません。審査に不安があっても、決算書なしや設立直後でも申し込める法人カードはあり、審査を通せれば無料の付帯型を選べます。まずは無料で持てる付帯型を軸に検討し、審査が難しい場合に協同組合型を候補にするのが、コストを抑える順序です。

ETC協同組合

クレジット審査なしで法人ETCカードを発行できる事業協同組合です。開業したばかりで確定申告がまだの事業者でも、開業届や契約書類の写しなどの事業確認書類で申し込めます。費用は組合加入出資金が1社につき1万円、カード発行手数料が1枚あたり880円(税込)、走行料金に対して8%の手数料です。審査に不安がある場合の選択肢ですが、走行料金が増えるほど8%の手数料も積み上がります。

高速情報協同組合

同じくクレジット審査なしで法人ETCカードを発行する事業協同組合です。組合加入出資金は1社につき1万円で、脱退時に返金されます。カード発行手数料は1枚550円(税込)、走行料金に対して8%の手数料がかかります。ETCコーポレートカードの取り扱いもあり、高速利用額が大きい事業者には大口・多頻度割引を含めた提案を行っています。費用構造はETC協同組合と近く、付帯型の「無料」とは異なります。

ETCコーポレートカード(NEXCO発行)

東日本・中日本・西日本の高速道路会社(NEXCO3社)が発行するETCカードで、大口・多頻度割引の対象になる点が最大の特徴です。発行手数料・年間手数料がかかり無料ではありませんが、割引率は車両単位・契約単位で積み上がり、ETC2.0搭載の事業用車では最大40%程度まで拡大します。申し込みはNEXCOに直接、または事業協同組合経由で行います。高速を多用する運送・物流業に向くタイプです。

ETCコーポレートカードの発行手数料・年間手数料は申込経路で異なります。事業協同組合を通じて申し込む場合は、その組合の出資金・発行手数料・走行料金への手数料(前掲の表の体系)に準じるのが一般的です。高速利用額が大きいほど、大口・多頻度割引が手数料を上回りやすくなります。

審査が難しく協同組合型を候補にする場合は、各組合の出資金・発行手数料・走行料金への手数料や申込方法を一覧で比べられる次の記事が、具体的な検討に役立ちます。

無料でもETC割引・ポイント還元・経費の一本化はできるか

ここからは、無料で持てる付帯型カードでも、経費削減や経理の効率化といったメリットを得られるのかを整理します。結論として、ETC割引・ポイント還元・経費の一本化はいずれも無料のカードで両立できます。

無料のカードでも使えるETC割引

ETCの時間帯割引は、クレジットカード付帯のETCカードでも対象になります。無料で持てるカードでも、高速道路会社が実施する次の割引を利用できます。割引の適用には車種や時間帯の条件があり、一部はETCマイレージサービスへの事前登録が必要です。

  • 平日朝夕割引:平日の6〜9時と17〜20時の地方部区間が対象です。ETCマイレージサービスへの登録が必要で、割引は月間の対象走行回数に応じて、通行料金の約30%または約50%相当がマイレージとして還元されます。
  • 休日割引:土日祝日の地方部区間が約30%割引になります。対象は普通車・軽自動車等に限られ、トラックなどの中大型車は対象外です。社用車の車種によっては使えない点に注意します。
  • 深夜割引:毎日0〜4時の走行が約30%割引になります。深夜に高速を使う運行では経費削減につながります。
出典・参考資料(2件)

これらの時間帯割引はカードの種類によらず利用できる一方、走行頻度が非常に高い事業者向けの「大口・多頻度割引」は、前章のETCコーポレートカードの利用が前提になります。自社の走行量が割引の手数料を上回る水準かで、付帯型とコーポレートカードのどちらが有利かが分かれます。

無料で持ちつつポイント還元を得られるか

付帯型ETCカードの利用額は、親カードのポイント還元の対象になります。無料で持てるカードでも高速代の支払いでポイントが貯まり、実質的な経費削減になります。さらにETCマイレージサービス(登録無料)に登録すれば、通行料金に応じたマイレージも別途貯まります。還元率やポイントの使い道はカードごとに異なるため、無料の候補の中では還元の条件もあわせて見ると価値に差が出ます。

出典・参考資料(1件)

立替精算の解消・請求の一本化・経費計上

法人ETCカードを使う最大の実務メリットは、社員が高速代を立て替えて後日精算する手間をなくせることです。利用分は法人の口座からまとめて引き落とされ、カード会社の利用明細で車両・利用者ごとの通行料金を把握できるため、経理と現場双方の精算作業を減らせます。

インボイス制度のもとでは、ETCの仕入税額控除に必要な書類の扱いに注意が必要です。料金所で受け取る「利用証明書」だけでは要件を満たさず、ETC利用照会サービスでダウンロードできる「利用証明書」と、クレジットカードの利用明細をあわせて保存することで仕入税額控除に対応できます。無料で持てるかどうかにかかわらず、経費計上の実務としておさえておきましょう。

出典・参考資料(1件)

無料で使うときの注意点

ここからは、「無料」で持つつもりが後から費用やトラブルにつながりやすい点を整理します。申し込み前に確認しておくと、想定外の出費や運用の混乱を避けられます。

  • 無料継続条件の見落とし:「初年度無料」「年1回以上の利用で無料」など、無料に条件が付くカードがあります。条件を満たさないと2年目から年会費が発生するため、永年無料か、条件を確実に満たせるかを確認します。
  • 追加発行分(枝番カード)の有料化:ETCカードを複数枚発行するとき、2枚目以降は年会費がかかるカードがあります。1枚目は無料でも、台数分を揃えると費用が発生することがあるため、必要な枚数まで無料かを見ておきましょう。
  • 社内での使いまわし・不正利用:ETCカードを車両に載せたまま共有すると、私的利用や紛失・盗難時の不正利用のリスクがあります。カードと車両・利用者の対応を記録し、利用明細を定期的に確認する運用を決めておくと安心です。
  • 協同組合型の「審査なし」と「無料」の混同:審査なしで持てる協同組合発行のカードは、出資金・発行手数料・走行料金への手数料がかかり無料ではありません。審査を通せるなら、無料で持てる付帯型のほうがコストを抑えられる場合があります。

法人ETCカードの作り方・必要書類

ここからは、無料で持てる付帯型カードと、審査なしの協同組合型それぞれの発行手順と必要書類を説明します。すでに法人カードを持っている場合は、より短い手順でETCカードを追加できます。

付帯型:法人カードを新規発行する場合

法人カードとETCカードを同時に申し込みます。申込時には、法人の本人確認書類(登記簿謄本など)と、法人代表者の本人確認書類が必要になるのが一般的です。親カードのクレジット審査を経て、カードと同時またはその後にETCカードが発行されます。無料で持ちたい場合は、本体年会費が無料で、ETCカードの年会費・発行手数料もかからないカードを選ぶとよいでしょう。

付帯型:すでに持っている法人カードに追加する場合

すでに法人カードを持っているなら、そのカードにETCカードを追加発行します。この場合、新たに親カードの審査を受ける必要がないため、短期間でETCカードを発行できます。追加発行の手数料・年会費がかからないカードであれば、追加のコストなく社用車分のETCカードを増やせます。

協同組合型:組合に加入して発行する場合

クレジット審査なしで持つ場合は、事業協同組合に加入してETCカードを発行します。加入時に出資金(1社につき1万円程度)を預け入れ、事業実態を確認する書類を提出します。開業して確定申告済みの事業者は直近の確定申告書の控え、開業したばかりの事業者は開業届や契約書類の写しなどで申し込めます。発行手数料や走行料金への手数料がかかるため、無料ではない点を踏まえて検討しましょう。

まとめ

法人ETCカードを無料で持ちたい場合、本体年会費・ETCカード年会費・発行手数料のすべてが0円で、必要な枚数を無料で発行できる付帯型カードを選ぶのが基本です。「年会費無料」の言葉だけで判断せず、無料に継続条件がないか、台数分を無料で発行できるかまで確認すると、申し込み後の想定外の費用を避けられます。

クレジット審査に不安がある場合は、審査なしの協同組合発行カードやETCコーポレートカードが選択肢になりますが、出資金や手数料がかかり無料ではありません。審査を通せるなら、まずは無料で持てる付帯型を軸に、自社の車両台数・利用状況に合う一枚を選ぶのが堅実です。候補カードの資料は、まとめて取り寄せて比較できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 本体年会費・ETCカードの年会費・発行手数料がすべて無料の法人ETCカードはありますか?

A. 本体年会費・ETCカードの年会費・発行手数料のすべてが0円で持てる付帯型カードは実在します。本体年会費が永年無料で、ETCカードの発行手数料も無料のカードが該当します。ただしETCカードの年会費は「年1回以上の利用で無料」など継続条件が付くことがあり、無料で発行できる枚数の上限もカードごとに異なります。どのカードが該当するかは本記事の比較表で確認できます。

Q. 法人ETCカードと個人用ETCカードの違いは何ですか?

A. 利用分が法人・事業用の口座からまとめて引き落とされ、車両や利用者ごとに経費を管理できる点が個人用との最大の違いです。個人用が個人名義・個人口座で精算されるのに対し、法人ETCカードは法人名義(個人事業主は屋号)で発行され、社員が高速代を立て替える手間をなくせます。1枚の親カードから複数枚のETCカードを発行でき、社用車の台数に応じて使い分けられます。

Q. 審査なしで持てる協同組合発行の法人ETCカードは無料ですか?

A. クレジット審査はありませんが、出資金・発行手数料・走行料金への手数料がかかり「無料」ではありません。協同組合発行のカードは、組合加入の出資金が1社あたり1万円程度(脱退時に返金される組合もあります)、発行手数料が1枚550〜880円(税込)、走行料金に8%程度の手数料がかかるのが一般的です。審査を通せるなら、維持費0円で持てる付帯型のほうがコストを抑えられる場合が多いです。

Q. 無料で持てる法人ETCカードは何枚まで発行できますか?

A. カードによって1枚のみ・最大5枚・無制限と差があります。親カード1枚につきETCカード1枚までのカードもあれば、数枚〜上限なく発行できるカードもあります。社用車の台数や増車の見込みに合わせて、必要な枚数を無料で発行できるカードを選ぶとよいでしょう。カードごとの発行枚数は本記事の比較表で確認できます。

Q. 年会費無料の条件(年1回以上の利用など)を満たさないとどうなりますか?

A. 翌年度から年会費やサービス手数料が発生します。付帯型カードには「年1回以上の利用がないとETCカード年会費が有料になる」といった継続条件が付くものがあり、満たさないと数百円〜2,000円程度がかかります。一方、利用実績を問わずETCカードが無料のカードもあります。各カードの継続条件は本記事の比較表で確認できます。

Q. 個人事業主でも無料の法人ETCカードを作れますか?

A. 個人事業主でも無料の法人ETCカードを作れます。付帯型カードには個人事業主・フリーランスも申し込めるものが多く、決算書や登記簿謄本の提出を不要とするカードもあります。ただし法人専用で個人事業主が申し込めないカードもあるため、申し込み条件を確認しましょう。個人事業主が申し込めるかは本記事の比較表で確認できます。

Q. 無料で持てる法人ETCカードでもETC割引は使えますか?

A. 高速道路会社が実施するETCの時間帯割引はそのまま利用できます。毎日0〜4時の深夜割引(約30%)、土日祝の休日割引(約30%)、平日朝夕割引が対象です。ただし休日割引は普通車・軽自動車に限られ中大型車は対象外、平日朝夕割引はETCマイレージサービスへの事前登録が必要です。走行頻度が非常に高い事業者向けの「大口・多頻度割引」だけはETCコーポレートカードの利用が前提です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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