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連結決算の対象となる会社とは|義務の条件と子会社・関連会社の範囲を判定フローで解説

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子会社や関連会社を持つ企業が決算期を迎えると、「自社グループは連結決算の対象になるのか」「どの会社を連結に含めればよいのか」という判断が必要になります。連結決算の作成義務は会社法と金融商品取引法でそれぞれ定められ、どの出資先を範囲に含めるかは議決権の保有状況などをもとに判定します。

本記事では、連結決算の対象を「自社(親会社)に作成義務があるか」と「どの出資先が連結の範囲に入るか」の2つに分けて、根拠となる条文とともに判定の仕方を整理します。連結の対象外にできるケース、中小企業の扱い、対象が確定したあとの進め方まで、自社のグループに当てはめて確認できるようにまとめました。

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連結決算の「対象」とは——「義務」と「範囲」の2つで決まる

「連結決算の対象」という言葉には、2つの異なる問いが含まれています。1つは「自社(親会社)に連結決算を作る義務があるのか」という義務の問題、もう1つは「どの子会社・関連会社を連結の範囲に含めるのか」という範囲の問題です。この2つは根拠となる法律も判定の基準も別なので、分けて考えると自社のケースに当てはめやすくなります。

連結決算の対象を判定する2段階フロー図。①義務判定(自社=親会社):上場している、または非上場でも有価証券報告書の提出義務があれば連結決算の対象(会社法・金融商品取引法)。どちらにも当たらず大会社(資本金5億円以上または負債総額200億円以上)でもなければ作成義務はなく、任意での作成は可能。②範囲判定(出資先1社ごと):議決権の過半数などを所有すれば子会社で全額を合算(全部連結)、議決権20%以上で重要な影響を与えられれば関連会社で持分相当のみ反映(持分法)、支配も重要な影響もなければ対象外。

連結決算とは(単体決算との違い)

連結決算とは、親会社・子会社・関連会社からなる企業グループを1つの組織とみなして、グループ全体の財政状態や経営成績を表す財務諸表(連結財務諸表)を作成する決算のことです。1社ごとに作成する単体決算に対し、グループ内の会社の数値を合算したうえで、グループ内部の取引や未実現の利益を消去して作ります。

連結財務諸表のルールを定める連結財務諸表規則(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則)も、第4条で連結財務諸表の作成基準を定めています。そこでは連結財務諸表を「企業集団(連結財務諸表提出会社及びその子会社をいう。以下同じ。)」の財政状態・経営成績・キャッシュ・フローの状況について真実な内容を表示するものとしています。親会社単体ではなくグループをひとまとまりで見せるのが連結決算の役割です。

出典・参考資料(1件)

①自社(親会社)に連結決算の義務があるか(会社法・金融商品取引法)

まず確認したいのは、自社に連結決算(連結財務諸表・連結計算書類)を作成する法律上の義務があるかどうかです。義務は会社法と金融商品取引法の2つの制度で定められており、呼び名も会社法では「連結計算書類」、金融商品取引法では「連結財務諸表」と分かれています。それぞれ要件が異なるため、2つに分けて見ていきます。

ここでいう連結決算は会計上の連結を指します。グループ各社の法人税額を通算して申告する税務上のグループ通算制度(旧・連結納税制度)とは別の仕組みで、対象の判断も分けて考えます。

会社法上の義務(大会社かつ有価証券報告書提出会社)

会社法では、事業年度の末日に「大会社」であり、かつ金融商品取引法によって有価証券報告書の提出義務がある会社に、連結計算書類の作成を義務づけています。

事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。

出典:会社法 第444条第3項|e-Gov法令検索

ここでいう「大会社」とは、最終事業年度の貸借対照表で資本金として計上した額が5億円以上、または負債の部に計上した額の合計額が200億円以上のいずれかに当てはまる株式会社を指します(会社法第2条第6号)。資本金5億円以上と負債総額200億円以上のどちらか一方を満たせば大会社で、両方を満たす必要はありません。

注意したいのは、会社法上の連結計算書類の作成義務は「大会社であること」と「有価証券報告書の提出義務があること」の両方を満たす場合にかかる点です。大会社であっても有価証券報告書を提出していなければ、会社法を根拠とする作成義務は生じません。

出典・参考資料(1件)

金融商品取引法上の義務(上場などで有価証券報告書を提出する会社)

もう1つの制度が金融商品取引法(金商法)です。金商法は、発行する有価証券が一定の区分に当てはまる会社に有価証券報告書の提出を義務づけており、その筆頭が金融商品取引所に上場されている有価証券です。

有価証券の発行者である会社は、その会社が発行者である有価証券(略)が次に掲げる有価証券のいずれかに該当する場合には、(略)事業年度ごとに、(略)有価証券報告書(略)を、(略)内閣総理大臣に提出しなければならない。

一 金融商品取引所に上場されている有価証券(特定上場有価証券を除く。)

出典:金融商品取引法 第24条第1項|e-Gov法令検索

上場企業はこの規定によって有価証券報告書の提出義務があり、その中で連結財務諸表の作成・提出が求められます。非上場でも、過去に有価証券届出書を提出した会社や、一定数以上の株主を持つ会社などが対象になる場合があります。自社が上場しているかどうかがまず大きな分かれ目で、上場していれば金商法・会社法の両面から連結決算の対象になると考えて差し支えありません。

出典・参考資料(1件)

ここまでをまとめると、自社に連結決算の作成義務があるかは、次の順で確認できます。

  1. 金融商品取引所に上場している(上場した有価証券を発行している)→ 有価証券報告書の提出義務があり、連結決算の対象
  2. 非上場でも、有価証券報告書の提出義務がある → 対象
  3. 上記に当てはまらず、大会社(資本金5億円以上または負債総額200億円以上)でもない → 会社法・金融商品取引法上の作成義務はない(任意での作成は可能)

②出資先が連結の範囲に入るか——〈議決権比率 × 判定〉で見分ける

自社に作成義務があると分かったら、次は「どの出資先を連結に含めるか」の判定です。ここで取り違えやすいのが、「対象」には2つの異なる扱いがある点です。出資先は、全額を合算する子会社(全部連結)と、親会社の持分相当だけを反映する関連会社(持分法)に分かれ、どちらにも当てはまらなければ対象外になります。出資先1社ごとに、次の表の区分に当てはめて見分けられます。

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判定区分子会社(全部連結)関連会社(持分法)対象外
議決権の目安過半数(50%超)を所有。40〜50%、または40%未満でも緊密な関係者と合わせて過半数を占め「一定の条件」を満たせば該当20%以上を所有し重要な影響を与えられる。15%以上20%未満でも一定の要件を満たせば該当支配もしておらず、重要な影響も与えられない
連結での扱い資産・負債・収益・費用の全額を合算し、グループ内部の取引や未実現利益を消去する全額は合算せず、親会社持分に相当する損益・純資産の変動だけを反映する連結・持分法のいずれも適用しない
根拠条文財務諸表等規則 第8条第3〜4項財務諸表等規則 第8条第5〜6項/連結財務諸表規則 第2条第8号—

※議決権比率は目安です。実際の判定は、比率に加えて役員構成・契約・資金調達などの実質的な支配・影響の有無で行います(下記参照)。

子会社=支配力基準(全部連結)

子会社かどうかは、議決権の比率だけで決まるわけではなく、他の会社の意思決定機関を実質的に支配しているかどうかで判断します。これを支配力基準と呼びます。連結財務諸表規則は子会社・親会社の定義を財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(財務諸表等規則)に委ねており、そこでは親会社を「他の会社等の意思決定機関を支配している会社等」と定めています。

この規則において「親会社」とは、他の会社等の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配している会社等をいい、「子会社」とは、当該他の会社等をいう。

出典:財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則 第8条第3項|e-Gov法令検索

最も分かりやすいのは、議決権の過半数(50%超)を自分で所有しているケースです。議決権の過半数を持てば、原則として子会社に当たります。子会社と判定されると、その会社の数値は全額がグループに合算されます(全部連結)。ただし、過半数に満たない保有でも、次に述べる条件を満たせば子会社になります。

40〜50%・40%未満でも子会社になる「一定の条件」5項目

議決権が過半数に届かなくても、実質的な支配があれば子会社になります。財務諸表等規則は、議決権を40%以上50%以下所有する場合に、次のイからホのいずれかに当てはまれば子会社とすると定めています。この5つを押さえると、議決権が過半数に届かない出資先でも、実質的な支配があるかを判定できます。

  • イ 自己の計算において所有している議決権と自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、他の会社等の議決権の過半数を占めていること。
  • ロ 役員(略)若しくは使用人である者、又はこれらであつた者で自己が他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者が、当該他の会社等の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること。
  • ハ 他の会社等の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること。
  • ニ 他の会社等の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。)の総額の過半について融資(略)を行つていること(略)。
  • ホ その他他の会社等の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。
出典:財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則 第8条第4項第2号|e-Gov法令検索

イからホを平たく整理すると、次のいずれかに当てはまる場合です。

  • 緊密な関係者と合わせて議決権の過半数を占める(イ)
  • 取締役会など意思決定機関の構成員の過半数を、自社の役員・元役員などが占める(ロ)
  • 事業や財務の方針の決定を支配する契約などがある(ハ)
  • 資金調達額の過半を自社が融資している(ニ)
  • その他、意思決定機関を支配していると推測される事実がある(ホ)

保有比率によって、当てはめる条件の範囲が変わる点にも注意が必要です。議決権40〜50%の場合はイからホのいずれかを満たせば子会社になります。

一方、議決権が40%未満でも、自社と緊密な関係者などの議決権を合わせて過半数を占める場合は、上のロからホのいずれかを満たせば子会社です(この場合はイに代えて「緊密な関係者と合わせて過半数」が入口の要件になります)。いずれも、形式的な比率ではなく実質的な支配の有無で判定するのが基本です。

出典・参考資料(1件)

関連会社=影響力基準(議決権20%以上・持分法)

子会社ほどの支配はなくても、重要な影響を与えられる会社は関連会社に当たります。これを影響力基準と呼び、子会社とは扱いが変わります。関連会社は全額を合算するのではなく、持分法という方法で親会社持分に相当する部分だけを連結に反映します。

この規則において「関連会社」とは、会社等及び当該会社等の子会社が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該子会社以外の他の会社等をいう。

一 子会社以外の他の会社等(略)の議決権の百分の二十以上を自己の計算において所有している場合

出典:財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則 第8条第5〜6項|e-Gov法令検索

原則として議決権の20%以上を所有し重要な影響を与えられれば、関連会社に当たります。加えて、15%以上20%未満の保有でも、役員の派遣や重要な融資・取引など一定の要件を満たせば関連会社になります。

ここでいう持分法とは、連結財務諸表規則で「投資会社が、被投資会社の純資産及び損益のうち当該投資会社に帰属する部分の変動に応じて、その投資の金額を各事業年度ごとに修正する方法」と定義されています(連結財務諸表規則第2条第8号)。

このように、同じ「連結決算の対象」でも、子会社は全額を取り込み、関連会社は持分相当のみを反映するという違いがあります。出資先を一律に「対象/対象外」で切り分けるのではなく、子会社か関連会社かまで見分けることが、正しい連結の範囲の確定につながります。

出典・参考資料(2件)

連結の対象外にできるケース(非連結子会社と重要性の原則)

子会社は原則としてすべて連結の範囲に含めますが、例外として範囲から外せるケースがあります。ここは「必ず外すもの」と「外してよいもの」で性質が分かれており、連結財務諸表規則が整理しています。

連結財務諸表提出会社は、その全ての子会社を連結の範囲に含めなければならない。ただし、次の各号の一に該当する子会社は、連結の範囲に含めないものとする。

一 財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(略)に対する支配が一時的であると認められる子会社
二 連結の範囲に含めることにより連結財務諸表提出会社の利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる子会社

出典:連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則 第5条第1項|e-Gov法令検索

支配が一時的な子会社や、連結に含めると利害関係者の判断を著しく誤らせる子会社は、連結の範囲に含めてはならないとされています(強制的な除外)。これに対し、小規模で重要性が乏しい子会社は、連結の範囲から除くことができる(任意の除外)という扱いです。

前項の規定により連結の範囲に含めるべき子会社のうち、その資産、売上高(略)、損益、利益剰余金及びキャッシュ・フローその他の項目からみて、連結の範囲から除いても企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性の乏しいものは、連結の範囲から除くことができる。

出典:連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則 第5条第2項|e-Gov法令検索

この重要性は資産・売上高・損益・利益剰余金・キャッシュ・フローなどから総合的に判断しますが、条文に「何%以下なら除外できる」といった明確な数値基準は定められていません。グループ全体の中での影響度を見て個別に判断することになります。

注意したいのは、重要性が乏しいとして連結(全部連結)の範囲から外した子会社でも、完全に対象外になるとは限らない点です。連結財務諸表規則は、非連結子会社と関連会社への投資について、原則として持分法を適用しなければならないと定めています。

非連結子会社及び関連会社に対する投資については、持分法により計算した価額をもつて連結貸借対照表に計上しなければならない。

出典:連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則 第10条第1項|e-Gov法令検索

このように、連結の範囲から外した非連結子会社も、まずは持分法の対象になります。そこからさらに持分法の適用も省けるのは、損益や利益剰余金などからみて連結財務諸表に重要な影響を与えないものに限られます。「連結から外す」と「完全に対象外」は同じではないという点が、範囲の判定で見落とされやすいところです。

出典・参考資料(1件)

中小企業に連結決算の義務はあるか(任意適用という選択)

ここまでの判定を自社に当てはめると、上場しておらず、大会社にも当たらない中小企業の多くは、会社法・金融商品取引法のいずれの要件にも該当せず、法律上の連結決算の作成義務はありません。義務は「大会社かつ有価証券報告書提出会社」(会社法)または「上場などで有価証券報告書を提出する会社」(金融商品取引法)にかかるためです。

一方で、義務がなくても任意で連結決算を行うことはできます。会社法でも、会計監査人設置会社は各事業年度に係る連結計算書類を作成することが「できる」と定められています(会社法第444条第1項)。上場準備を進める企業や、金融機関・投資家にグループ全体の状況を示したい企業が、義務化の前から任意で連結決算を始めるケースがあります。

上場して金融商品取引法上の有価証券報告書の提出義務が生じると、その事業年度から連結決算は義務に変わります。IPOを見据える企業は、義務化を待たずに任意適用で連結決算の体制を整えておくと、移行がスムーズです。

任意で行う場合のメリットとしては、グループ全体の経営成績や財政状態を正確に把握できること、金融機関からの融資や投資家からの評価の場面でグループの実態を示しやすくなることが挙げられます。

会計監査人を置かない中小企業が管理目的で任意に作成する場合は、その連結決算自体が法定の監査の対象になるわけではありません。自社の成長段階や資金調達の予定を踏まえて、義務化を待たずに体制を整えておくかどうかを検討するとよいでしょう。

出典・参考資料(1件)

対象を確定したあとの連結決算の進め方

連結の対象(義務の有無と範囲)が確定したら、次は実際に連結決算を作る作業に入ります。大きな流れとしては、まず親会社と各子会社がそれぞれの個別財務諸表を作成し、次に親会社が各社の財務諸表を収集して合算し、連結調整前の数値をまとめます。そこへ資本連結や、グループ内部の取引・未実現利益の消去といった連結修正仕訳を加え、最後に連結貸借対照表・連結損益計算書などの連結財務諸表を仕上げます。

子会社ごとに勘定科目の体系や使っている会計システムが違ったり、海外子会社で会計基準や通貨が異なったりすると、合算や消去の作業は複雑になります。多くの企業がExcelで連結作業を行っていますが、グループ会社が増えるほど集計やチェックに時間がかかり、属人化しやすくなるのが実情です。そこで、対象が確定した次の段階として、連結決算そのものを効率化する手段が検討されます。

連結決算を効率的に回すには(連結会計システムという手段)

連結会計システムは、グループ各社からの財務データの収集、連結仕訳や内部取引の消去、連結財務諸表の作成までを支援するシステムです。決算の早期化・精度向上や、属人化の解消を目的に導入されます。ここでは、連結の対象を確定した企業が実際に連結決算を回す手段として、連結会計システムを2つ紹介します。

1. マネーフォワード クラウド連結会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド連結会計のウェブサイト

株式会社マネーフォワードが提供する、グループ会社の連結決算に特化したクラウド型のシステムです。グループ各社が使っている会計システムやExcelのフォーマットをそのまま使い続けながら個別の財務諸表を集められます。勘定科目の変換・内部取引の消去・連結精算表の作成までをAIの補助付きで進められる点を公式が訴求しています。

公式サイトが対象として挙げるのは、年商10億円〜500億円未満の、IPO準備・中堅〜上場企業です。海外子会社を含むグループ向けに全画面の英語表示や連結通貨の切り替えにも対応し、導入は最短1か月からと案内されています。

料金は子会社の利用数に応じた個別見積もりで、公式の料金ページに具体額の記載はないため、詳細は問い合わせで確認する形です。親会社の既存の会計システムを入れ替えずに連結対応を始めたいグループに向いています。

2. BizForecast FC(プライマル株式会社)

BizForecastのウェブサイト

BizForecast は、プライマル株式会社が提供するグループ経営管理システムのシリーズ名で、このうち連結決算・連結会計を担うのが「FC」です。法定開示のための制度連結と、月次の業績管理などの管理連結を同じシステム上で並行して運用できることを公式が訴求しています。

エディションは2つに分かれています。1つは、グループ会社数が少なく資本関係がシンプルな中堅・中小企業向けのクラウド版「FC Standard」で、月額100,000円〜(税抜・年払い、連結対象は親会社を除き最大5社まで)です。もう1つは、グループ会社数の多い大手・中堅向けの「FC Enterprise」で、プライベートクラウドまたはオンプレミスで提供され、料金は個別見積もりです。

在外子会社の外貨換算にも対応します。会計基準については「複数会計基準対応」と案内されていますが、IFRSや米国基準といった個別の基準名は公式ページで明示されていないため、必要な場合は問い合わせで確認するのが確実です。

以下はご紹介した連結会計システムの比較表です。

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サービス名マネーフォワード クラウド連結会計BizForecast FC
提供形態クラウド型(SaaS)クラウド型(SaaS)
Enterprise版はプライベートクラウド・オンプレミスも選択可
料金目安要問い合わせ
(子会社の利用数に応じた個別見積もり)
Standard版:月額100,000円〜
(税抜・年払い、連結対象は親会社を除き最大5社)
Enterprise版:要問い合わせ
対象規模年商10億円〜500億円未満
IPO準備・中堅〜上場企業
Standard版:資本関係がシンプルな中堅・中小企業
Enterprise版:グループ会社数の多い大手・中堅企業
制度連結・管理連結●制度連結に対応、管理会計目的の利用実績も公式が訴求●制度連結と管理連結を同一システムで並行運用
外貨換算(海外子会社)●期中平均・期末日レートで換算。全画面英語表示・連結通貨切替にも対応●期中平均・決算日・発生時レートで換算、為替換算調整勘定も算出
対応会計基準公式情報での明記なし「複数会計基準対応」と公式表記
IFRS・米国基準など個別の基準名は明記なし
既存の会計システムとの連携自社のクラウド会計/会計PlusとAPI連携。他社システムはExcel・CSVインポートで取り込み(他社とのAPI連携は順次対応予定)ファイルインポートと会計システムとのAPI連携に対応
持分法対応公式情報での明記なし公式情報での明記なし
(資本連結は導入事例で確認)
導入期間の目安最短1か月〜(公式訴求)標準導入サポートで2〜3か月が目安(Standard版)
詳細情報オンライン相談を予約サービス詳細を見る

※各社の公式情報(2026年9〜10月時点)をもとに作成。料金・機能は改定される場合があり、持分法対応や対応会計基準など公式に明記のない項目は資料請求・問い合わせでご確認ください。

ここで取り上げたのは2サービスですが、連結会計システムは対応できる会計基準や連結の範囲、海外子会社への対応などで製品ごとに特徴が分かれます。選び方とあわせて主要な製品を幅広く比較検討したい方は、次の記事をご覧ください。

まとめ

連結決算の「対象」は、自社(親会社)に作成義務があるかという「義務」と、どの出資先を含めるかという「範囲」の2つで決まります。義務は、会社法では大会社かつ有価証券報告書提出会社、金融商品取引法では上場などで有価証券報告書を提出する会社にかかります。

範囲の判定では、出資先を子会社(全部連結)・関連会社(持分法)・対象外に分けます。議決権の過半数、または40〜50%・40%未満でも一定の条件を満たせば子会社、20%以上で重要な影響を与えられれば関連会社です。小規模で重要性の乏しい子会社は連結の範囲から外せますが、その場合も原則として持分法の対象になります。

自社のグループ図に1社ずつ当てはめて、対象と扱いを確定させることが連結決算の出発点です。対象が固まったら、連結決算を効率よく回す手段として、連結会計システムの比較・検討を進めてください。資料は以下からまとめて請求できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 連結決算とは何ですか?

A. 連結決算とは、親会社・子会社・関連会社からなる企業グループを1つの組織とみなして、グループ全体の財政状態や経営成績を表す連結財務諸表を作成する決算のことです。1社ごとに作成する単体決算と違い、グループ内の会社の数値を合算したうえで、グループ内部の取引や未実現利益を消去して作成します。

連結財務諸表規則も、連結財務諸表は「企業集団(連結財務諸表提出会社及びその子会社)」の状況を表示するものと定めています。

出典・参考資料(1件)

Q. 連結決算とグループ通算制度(連結納税制度)は同じものですか?

A. 連結決算(会計上の連結)とグループ通算制度は別の仕組みです。連結決算はグループ全体の財政状態・経営成績を連結財務諸表として示す会計の制度であるのに対し、グループ通算制度はグループ各社の法人税額を通算して申告する税務の制度で、適用の範囲も目的も異なります。本記事で扱う「連結決算の対象」は会計上の連結の話で、税務のグループ通算制度の適用可否とは切り分けて判断します。

Q. 連結決算が義務付けられるのはどんな会社ですか?

A. 連結決算の作成義務は、会社法では「大会社かつ有価証券報告書の提出義務がある会社」、金融商品取引法では「上場などで有価証券報告書を提出する会社」にかかります。会社法でいう大会社とは、資本金5億円以上または負債総額200億円以上のいずれかに当てはまる株式会社です。上場企業は会社法・金融商品取引法の両面から対象になると考えて差し支えありません。

出典・参考資料(2件)

Q. 中小企業や非上場企業に連結決算の義務はありますか?

A. 上場しておらず大会社にも当たらない中小企業の多くは、会社法・金融商品取引法のいずれの要件にも該当せず、法律上の連結決算の作成義務はありません。ただし義務がなくても任意で連結決算を行うことはでき、会社法でも会計監査人設置会社は連結計算書類を作成できると定められています(第444条第1項)。上場準備や金融機関・投資家への説明を見据えて、義務化の前から任意で始める企業もあります。

出典・参考資料(1件)

Q. 連結決算の対象になるのは議決権何%からですか?

A. 議決権の過半数(50%超)を所有すれば原則として子会社(全部連結)、20%以上を所有し重要な影響を与えられれば関連会社(持分法)として対象になります。さらに、40〜50%の所有でも一定の条件を満たせば子会社、15%以上20%未満でも一定の要件を満たせば関連会社になります。比率はあくまで目安で、実際には役員構成・契約・資金調達などから実質的な支配・影響の有無を見て判定します。

出典・参考資料(1件)

Q. 連結決算で子会社と関連会社(持分法)は扱いがどう違いますか?

A. 子会社は資産・負債・収益・費用の全額を合算する「全部連結」、関連会社は親会社の持分に相当する損益・純資産の変動だけを反映する「持分法」で扱います。同じ「連結決算の対象」でも、子会社は数値を丸ごと取り込み、関連会社は持分相当のみを反映する点が異なります。出資先を一律に「対象/対象外」で切り分けず、子会社か関連会社かまで見分けることが正しい連結範囲の確定につながります。

出典・参考資料(2件)

Q. 連結の範囲から外した子会社は、完全に対象外になりますか?

A. 完全に対象外になるとは限らず、重要性が乏しく全部連結の範囲から外した非連結子会社も、原則として持分法の対象になります。連結の範囲から外せるのは、支配が一時的な子会社など(強制的な除外)と、重要性の乏しい小規模な子会社(任意の除外)です。後者も持分法の適用が原則で、持分法からさらに外せるのは、損益や利益剰余金などからみて連結財務諸表に重要な影響を与えないものに限られます。

出典・参考資料(1件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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