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連結決算の義務があるのはどんな会社?中小・非上場の判定基準を会社法の条文でわかりやすく解説

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子会社を持つグループ企業の経理・財務担当者にとって、「自社は連結決算をやらなければならないのか」は、まず確かめておきたい論点ではないでしょうか。連結決算には会社法と金融商品取引法という2つのルールが関わり、インターネット上の解説も記事によって結論が分かれているため、自社が対象なのか判断に迷いやすいところです。

結論から言えば、連結決算の作成が法律上の義務となる会社は、条文上はっきりと限定されています。非上場の中小企業の多くは、原則としてその対象には当たりません。

本記事では、連結決算の義務がある会社の条件を結論から示し、その根拠となる会社法・金融商品取引法の条文を原文で確認します。あわせて「大会社」の判定基準の当てはめ方、連結の対象になる子会社・関連会社の範囲、義務がなくても連結決算を行う意味までを整理します。自社に当てはめて義務の有無を判断するための材料としてご活用ください。

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連結決算とは

連結決算とは、親会社と子会社・関連会社をひとつのグループとみなし、グループ全体の財政状態や経営成績をまとめて示す決算手続きです。その成果物として作成される書類が連結財務諸表で、連結貸借対照表・連結損益計算書・連結キャッシュ・フロー計算書などで構成されます。会社法の枠組みでは、同種の書類を「連結計算書類」と呼びます。

どの会社を連結に含めるか、どのように合算・調整するかは、企業会計基準委員会が定める企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」などに沿って運用されます。ここでは連結決算の全体像を押さえたうえで、次章から「自社に作成義務があるのか」を具体的に確認していきます。

連結決算の義務があるのはどんな会社か

連結決算の作成を義務づける法律は、会社法と金融商品取引法の2つです。会社法のルートでは「連結計算書類」を、金融商品取引法のルートでは「連結財務諸表」を作成します。どちらのルートで義務が生じるかは、次の表の条件で決まります。

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2つのルート会社法ルート(連結計算書類)金融商品取引法ルート(連結財務諸表)
義務が生じる会社① 大会社〈資本金5億円以上 または 負債200億円以上〉であり、かつ ② 有価証券報告書の提出義務がある会社(①②の両方が必要)② 有価証券報告書の提出義務がある会社(子会社がある場合。大会社かどうかは問わない)
根拠となる条文会社法第444条第3項・第2条第6号金融商品取引法第24条第1項・連結財務諸表規則

※有価証券報告書の提出義務は上場企業だけでなく、非上場でも過去の募集・売出しや株主数により生じる場合があります(後述)。

会社法ルートは、①大会社であり、かつ②有価証券報告書の提出義務がある会社の両方を満たす場合に、連結計算書類の作成義務が生じます(会社法第444条第3項)。どちらか一方だけでは、この義務は生じません。

一方、金融商品取引法ルートは、②有価証券報告書の提出義務がある会社が子会社を持つ場合に、大会社かどうかを問わず連結財務諸表の作成が求められます。たとえば大会社に当たらない上場企業でも、このルートで連結決算が必要になります。

いずれのルートも、出発点は①大会社か②有価証券報告書の提出義務があるかです。資本金・負債がこの基準に届かず、株式も上場していない非上場の中小企業は、通常どちらにも当たらないため、連結決算の作成義務は原則としてありません。

①②の組み合わせで、作成義務は次の3つに分かれます。

連結決算の作成義務を判定する2つの軸(①大会社=資本金5億円以上または負債合計200億円以上、②有価証券報告書の提出義務)と、その組み合わせによる3つの結果を示した図。②の提出義務がなければ作成義務なし、②があり大会社でない場合は金融商品取引法ルートで連結財務諸表、①大会社かつ②ありの場合は会社法ルートの連結計算書類と金融商品取引法ルートの連結財務諸表の両方を作成する。

中小企業・非上場企業に連結決算の義務はあるか

資本金が5億円未満で負債合計も200億円未満の中小企業は、①の大会社に当たりません。また、株式を上場していない非上場企業は、②の有価証券報告書の提出義務がないのが通常です。したがって、どちらのルートでも連結決算の作成義務は原則として生じません。

ただし「非上場なら必ず義務がない」と言い切れるわけではありません。金融商品取引法第24条第1項は、上場会社(第1号)だけでなく、過去に株式の募集や売出しのために有価証券届出書を提出したことがある会社(第3号)にも、有価証券報告書の提出を求めています。たとえば、以前に不特定多数へ株式を公募した会社がこれに当たります。

さらに、株主など有価証券の所有者数が一定数以上の会社(第4号)も提出義務の対象です。この「一定数」は、株券(株式)の場合、金融商品取引法施行令第3条の6第6項により1,000人とされています(株式以外の有価証券は500人)。

これらに当たる非上場会社は、②有価証券報告書の提出義務が生じるため、子会社があれば金融商品取引法ルートで連結財務諸表の作成が必要になります。加えて大会社でもあれば、会社法ルートの連結計算書類も作成しなければなりません。

出典・参考資料(2件)

「原則として親会社に義務が生じる」という説は正しいか

解説の中には「原則として親会社に連結決算の義務が生じる」と説明するものも見られますが、会社法の条文に沿うと、これは正確ではありません。会社法第444条は、第1項で会計監査人設置会社が連結計算書類を「作成することができる」と定め(任意)、第3項で大会社かつ有価証券報告書提出会社に「作成しなければならない」と定めています(義務)。

このため、作成義務があるのは第3項に当たる会社に限られ、それ以外の会社は、会計監査人設置会社であれば任意で作成できるにとどまります。親会社であることだけを理由に義務が生じるわけではありません。条文の根拠は次章で原文を示します。

連結決算の義務を定める法律(条文原文)

連結決算の作成義務は、2つの法律に根拠があります。1つは会社法で、大会社に連結計算書類の作成を求めるルートです。もう1つは金融商品取引法で、有価証券報告書の中で連結財務諸表の開示を求めるルートです。会社法ルートの成果物を「連結計算書類」、金融商品取引法ルートの成果物を「連結財務諸表」と呼び分けます。ここでは、義務の線引きに直接関わる条文を原文で確認します。

まず、連結決算の作成を「義務」として定めているのが会社法第444条第3項です。

事業年度の末日において大会社であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、当該事業年度に係る連結計算書類を作成しなければならない。

出典:会社法 第444条第3項|e-Gov法令検索

この条文に、会社法ルートの義務の対象が「大会社」であり、かつ「金融商品取引法第24条第1項により有価証券報告書を提出しなければならない会社」であるという2つの要件が、そのまま書かれています。

第444条第3項が義務の対象とする「大会社」の定義は、会社法第2条第6号に置かれています。

六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。
 イ 最終事業年度に係る貸借対照表〔中略〕に資本金として計上した額が五億円以上であること。
 ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。

出典:会社法 第2条第6号|e-Gov法令検索

イとロは「いずれかに該当」とあるとおり、どちらか一方を満たせば大会社です。引用中、イの貸借対照表の定義にあたる括弧書きは、読みやすさのため〔中略〕として省略しています。

もう一方の要件である有価証券報告書の提出義務は、金融商品取引法第24条第1項が定めています。

有価証券の発行者である会社は、その会社が発行者である有価証券〔中略〕が次に掲げる有価証券のいずれかに該当する場合には、内閣府令で定めるところにより、事業年度ごとに〔中略〕有価証券報告書〔中略〕を、〔中略〕内閣総理大臣に提出しなければならない。
 一 金融商品取引所に上場されている有価証券(特定上場有価証券を除く。)

出典:金融商品取引法 第24条第1項|e-Gov法令検索

提出義務の対象は、本項各号のいずれかに当たる会社です。第1号は上場有価証券を発行する会社で、これが典型例です。提出期限などを定める括弧書きは〔中略〕として省略しています。

「大会社」と有価証券報告書提出義務の中身(自己判定)

ここでは、前章の条文を自社に当てはめる視点で整理します。まず①大会社に当たるかは、自社の最新の貸借対照表で資本金と負債合計から確認できます。会社法第2条第6号の基準は、前章のとおり資本金5億円以上または負債合計200億円以上で、どちらか一方を満たせば大会社です。

たとえば資本金1億円・負債合計50億円の会社は、いずれの基準にも届かないため大会社に当たりません。資本金3億円でも負債合計が210億円あれば、負債基準で大会社に該当します。多くの中小企業はこの金額基準に届かず、①の大会社には当たりません。

増資によって資本金が5億円以上になり大会社になっても、それだけで義務が生じるわけではありません。会社法ルートは①大会社と②有価証券報告書の提出義務の両方を満たして初めて義務になるため、②に当たらなければ会社法ルートの作成義務は生じません。

もう一方の②有価証券報告書の提出義務は、金融商品取引法第24条第1項に基づきます。株式を証券取引所に上場している会社(第1号)が典型です。非上場でも、過去に株式の募集・売出しのために有価証券届出書を提出したことがある会社(第3号)は、提出義務の対象になります。

さらに、有価証券の所有者数が一定数以上の会社(第4号)も対象です。株券(株式)の場合は、金融商品取引法施行令第3条の6第6項により所有者数1,000人が基準です。自社が有価証券報告書を提出しているか、提出義務があるかの確認が、②の判定になります。

出典・参考資料(2件)

上場企業・IPO準備企業の場合

株式を上場している会社は、金融商品取引法第24条第1項により有価証券報告書の提出義務があり、その中で連結財務諸表を開示します。大会社の要件もあわせて満たすことが多いため、会社法・金融商品取引法の両ルートで連結決算が求められるのが一般的です。

会社法ルートで連結計算書類の作成義務がある会社は、作成した連結計算書類について監査役(監査等委員会・監査委員会)と会計監査人の監査を受けます(会社法第444条第4項)。その後、定時株主総会に提出して監査の結果を報告します(同条第7項)。義務は作成だけでなく、監査と株主総会への報告まで含みます。

これから上場を目指す企業も、早い段階から連結決算の体制づくりが必要になります。上場審査では、申請期の前の2期間(直前々期・直前期)について金融商品取引法に準ずる監査が求められ、連結子会社があれば連結ベースで決算を整えておく必要があるためです。日本公認会計士協会のガイドブックも、上場会社は子会社の業績を含む連結決算を開示するとして、子会社の管理水準を高めて決算体制を整備するよう促しています。

出典・参考資料(1件)

連結の対象になる子会社・関連会社の範囲(自己判定)

連結決算を行うと決めたら、次に確定させるのが「どの会社を連結に含めるか」です。判定は議決権の所有割合だけでなく、実質的に意思決定機関を支配しているか(支配力基準)という観点でも行います。金融商品取引法ルートでは財務諸表等規則、会社法ルートでは会社法施行規則が、いずれも同じ考え方で子会社を定義しています。

議決権割合による連結対象の区分

連結に含める子会社かどうかは、議決権の所有割合を軸に、次のように区分されます。過半数を所有していなくても、実質的に支配していると判断される場合は子会社に含める点が特徴です。

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議決権の所有割合過半数(50%超)を所有40%以上50%以下を所有し、一定の要件に該当40%未満でも、緊密な関係者と合わせて過半数を占め、一定の要件に該当20%以上を所有(または15%以上20%未満+一定の要件)
連結上の扱い子会社(連結の対象)子会社(連結の対象)子会社(連結の対象)関連会社(持分法の対象)
補足原則として連結財務諸表に合算する役員構成・融資・契約などで意思決定機関を支配している場合実質的に意思決定機関を支配していると判断される場合重要な影響を与えられる場合。持分法で取り込む

※金融商品取引法ルートの区分は財務諸表等規則第8条(第4項が子会社、第5〜6項が関連会社)、会社法ルートは会社法施行規則第3条によります。

この区分の根拠は、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(財務諸表等規則)第8条に定められています。

前項に規定する他の会社等の意思決定機関を支配している会社等とは、次の各号に掲げる会社等をいう。〔ただし書き略〕
 一 他の会社等〔中略〕の議決権の過半数を自己の計算において所有している会社等
 二 他の会社等の議決権の百分の四十以上、百分の五十以下を自己の計算において所有している会社等であつて、かつ、次に掲げるいずれかの要件に該当する会社等〔以下、要件イ〜ホ略〕

出典:財務諸表等規則 第8条第4項|e-Gov法令検索

表の「一定の要件」とは、財務諸表等規則第8条第4項が定める次のような事実です。自社の役員・使用人(またはその経験者)が相手会社の取締役会の構成員の過半数を占めていること、相手会社の資金調達額の総額の過半を融資していることが代表例です。ほかに、重要な財務・営業・事業の方針の決定を支配する契約があることなどが挙げられます。

議決権が40%未満でも、緊密な関係者と合わせて議決権の過半数を占め、こうした要件のいずれかに当たれば子会社になります(同条第4項第3号)。たとえば議決権45%の会社なら、役員の派遣や融資などの要件に該当するかを確認することになります。

連結の対象から除外できるケース

原則として、支配している子会社はすべて連結の範囲に含めます。ただし、一定の子会社は範囲から外すことが認められています。根拠は連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(連結財務諸表規則)第5条です。

連結財務諸表提出会社は、その全ての子会社を連結の範囲に含めなければならない。ただし、次の各号の一に該当する子会社は、連結の範囲に含めないものとする。
 一 財務及び営業又は事業の方針を決定する機関〔中略〕に対する支配が一時的であると認められる子会社
 二 連結の範囲に含めることにより連結財務諸表提出会社の利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる子会社

出典:連結財務諸表規則 第5条|e-Gov法令検索

支配が一時的な子会社や、連結に含めると利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれがある子会社は、連結の範囲に含めません。また、資産・売上高・損益などから見て重要性が乏しい子会社は、連結の範囲から除くことができます。どの子会社を含め、どれを外すかは、連結決算の最初の重要な判断になります。

関連会社と持分法

議決権の過半数には届かなくても、財務や事業の方針に重要な影響を与えられる会社は「関連会社」として扱います。目安は議決権の20%以上の所有で、15%以上20%未満でも役員の派遣や重要な融資などの要件に当てはまれば関連会社になります。

関連会社は、子会社のように財務諸表をそのまま合算するのではなく、持分法という方法で連結に取り込みます。保有割合に応じた関連会社の損益などを、連結財務諸表に反映させる処理です。連結の対象には、支配している子会社だけでなく、この関連会社も含まれる点を押さえておくとよいでしょう。

義務がなくても連結決算を行う意味はあるか

連結決算の作成義務がない中小企業・非上場企業でも、任意で連結決算を行う企業は少なくありません。グループ全体の業績や財政状態を正確に把握できるため、経営判断の精度が上がるからです。単体の決算書だけでは見えない、子会社を含めた実態をつかめます。

金融機関からの融資審査やM&A(企業買収・合併)の場面でも、グループ全体の数字を示せることは有利に働きます。将来の上場を見据える企業にとっては、早い段階から連結決算に慣れておくことが、上場準備の負担を分散させることにもつながります。

一方で、任意の連結決算には相応の手間がかかります。子会社からのデータ収集、内部取引の消去、連結修正仕訳といった作業が毎期発生するためです。義務がないからと連結決算を行わないままグループが拡大すると、全体像を把握できず、資金繰りや投資判断を見誤るおそれもあります。義務の有無にかかわらず、グループ経営の段階に応じて実施を検討する価値があります。

連結決算の進め方とExcelの限界

連結決算は、おおまかに次の流れで進みます。まず各社が個別決算を確定し、親会社がそれらを単純合算します。次に、グループ内の内部取引の消去や未実現利益の消去、投資と資本の相殺といった連結修正仕訳を加えます。最後に、連結精算表を経て連結財務諸表を作成します。

この一連の作業をExcelで行う企業は多いものの、グループ会社が増えるほど課題が目立ちます。各社から集めたファイルの様式がばらつき、集計に手間がかかること、連結修正仕訳が複雑になりミスが混入しやすいこと、作業が特定の担当者に集中して属人化しやすいことなどです。決算の締めが遅れれば、経営判断に使える数字の鮮度も落ちます。

こうしたExcel運用の負担を抑える手段が、連結会計システムの導入です。義務の有無を確かめた先で、実務をどう回すかを検討する段階になったら、活用を検討する価値があります。

連結決算を効率化する連結会計システム

ここからは、これから連結決算を始める、あるいは小さく始めたい非上場・中堅中小グループに向いた連結会計システムを紹介します。いずれもクラウド型で、グループ各社のデータ収集から連結仕訳、連結財務諸表の作成までを支援します。

以下は、本記事で取り上げる連結会計システムの比較表です。

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サービス名マネーフォワード クラウド連結会計BizForecast FCfreee連結会計Consoleasy(コンソリイージー)
提供形態クラウド(SaaS)Standard:クラウド(SaaS)
Enterprise:プライベートクラウド・オンプレミス
クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)
対象規模の目安IPO準備・中堅〜上場企業向け
(年商10億〜500億円未満)
Standard:中堅・中小企業
(グループ会社数が少なく資本関係がシンプルな企業)
上場準備・M&Aで子会社が増えた成長・中堅企業
(少人数の経理チームでも運用可)
上場・非上場問わず
(Excelや他社システムから連結を始める企業)
主な連結機能データ収集(Excel・クラウド入力・API連携)
AI勘定科目サジェスト
内部取引消去
外貨換算
連結精算表・連結CF精算表
※持分法対応は公式明記なし(要問い合わせ)
子会社パッケージ収集・API連携
連結の集計・消去処理
制度連結・管理連結の並行運用
外貨換算(在外子会社対応)
※持分法対応は公式明記なし(要問い合わせ)
API連携でデータ自動収集
内部取引の自動マッチング・相殺消去
連結精算表・連結財務諸表・CF作成
為替換算(海外子会社対応)
連結パッケージ取込・科目マッピング
連結仕訳の自動作成(開始仕訳・内部取引消去・のれん償却・持分法ほか)
連結精算表・連結CF
外貨換算
AI異常検知・MCPサーバー対応
料金要お問い合わせ
(公式サイトに金額の記載なし)
月額100,000円〜(税抜・年払い、連結対象5社まで)
初期費用(標準導入サポート)1,000,000円〜
要お問い合わせ
(30日間の無料トライアルあり)
月額15,000円〜(税別・年次プラン、グループ5社まで)
初期費用は要お問い合わせ

※料金・機能は2026年10月時点の各社公式情報に基づきます。最新の内容は各社の公式サイトでご確認ください。

また、以下の記事では連結会計システム全体について、選び方や機能、料金などを詳しく比較・解説しています。カテゴリ全体から比較検討したい方は、あわせてご覧ください。

1. マネーフォワード クラウド連結会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド連結会計のウェブサイト

グループ各社がこれまで使ってきた会計システムやExcelをそのまま残したまま、個別の財務諸表を集めて連結できるクラウド型の連結会計システムが、株式会社マネーフォワードのマネーフォワード クラウド連結会計です。IPO準備・中堅〜上場企業向けと位置づけられ、年商10億円〜500億円未満の市場を主な対象に掲げています。

データ収集は、子会社担当者によるクラウド入力、各社独自のExcelフォーマットのままの取り込み、同社のクラウド会計とのAPI連携に対応します。AIによる勘定科目の自動サジェスト変換、内部取引の抽出・照合から消去仕訳作成までの支援、外貨換算、連結精算表・連結キャッシュ・フロー精算表の作成といった連結決算特有の処理を備えています。

導入は「最短1ヶ月から」とうたわれています。導入事例のニューラルグループ株式会社では、表計算ソフトで約6営業日かかっていた連結決算業務が、導入後は単体決算の締め日から3営業日程度で完了する体制に短縮したと報告されています。

出典・参考資料(1件)

料金は公式サイトに金額の記載がなく、子会社の利用数に応じた個別案内となるため、要お問い合わせです。持分法適用会社への対応可否は公式情報で明示されておらず、こちらも要お問い合わせとなります。

2. BizForecast FC(プライマル株式会社)

BizForecastのウェブサイト

プライマル株式会社のグループ経営管理システム「BizForecast」シリーズのうち、連結決算・連結会計を担うのがFCモジュールです。FCにはエディションがあり、グループ会社数が少なく資本関係もシンプルな中堅・中小企業向けのStandard Editionは、ブラウザだけで使えるクラウド(SaaS)として提供されています。

機能面では、子会社からのパッケージ収集、ファイルインポートや会計システムとのAPI連携によるデータ収集、連結の集計・消去処理、レポーティングに対応します。法定開示向けの制度連結と、月次業績管理などの管理連結を同一システムで並行運用できる設計が訴求されています。

在外子会社の外貨換算機能も2025年6月に追加されました。複数会計基準に対応するとされていますが、対応する具体の基準名は公式ページで明示されていないため、詳細は要お問い合わせです。

Standard Editionの料金は月額100,000円〜(税抜、年払い契約)で、連結対象グループは親会社を除き最大5社まで、6社以上は要お問い合わせです。標準導入サポートはオプションで初期費用1,000,000円〜(税抜)となっています。

株式会社アイ・ティ・アール(ITR)の調査では、年商100億〜500億円未満の連結会計市場でシェア1位と公表されています(2025年7月公式発表、2022〜2024年度予測の売上金額シェア)。

出典・参考資料(1件)

3. freee連結会計(フリー株式会社)

freee連結会計のウェブサイト

「数名の経理チームや、はじめての連結決算でも大丈夫」とうたい、M&Aで子会社が増えた成長企業や上場準備企業を主な対象に掲げるのが、フリー株式会社のfreee連結会計です。2025年12月1日に提供を開始したクラウド(SaaS)型のサービスです。

子会社がfreee会計などの対応する会計ソフトを使っている場合は、API連携で試算表や勘定科目マスタを自動取得します。API連携できない会計システムのデータは、CSV・Excelインポートまたは手動入力で取り込みます。グループ内の債権債務・売上仕入といった内部取引の自動マッチングと相殺消去、連結精算表・連結財務諸表・キャッシュ・フロー計算書の作成支援、海外子会社向けの為替換算機能を備えています。

導入期間は「最短1ヶ月」と明記され、30日間の無料トライアルも用意されています。初期設定はfreee側が代行し、連結範囲の決定など会計上の専門判断は提携先の税理士法人などへの紹介で対応する体制です。料金は公式サイトに金額の記載がなく、資料請求後に案内される形式のため、要お問い合わせとなります。

4. Consoleasy(コンソリイージー)(エールアカウンティング株式会社)

Consoleasy(コンソリイージー)のウェブサイト

公認会計士とエンジニアが共同で開発し、「連結を、カンタンに。」を掲げるクラウド(SaaS)型の連結会計システムが、エールアカウンティング株式会社のConsoleasy(コンソリイージー)です。公式が掲げる対象は、Excelで連結決算をしている会社やこれから連結決算を始める会社で、上場・非上場のいずれも対象とされています。

機能は、各社の会計システムの出力形式のまま取り込める連結パッケージ取込と科目マッピング、開始仕訳・グループ内取引消去・のれん償却・持分法などを含む連結仕訳の自動作成、連結精算表、連結キャッシュ・フロー計算書、外貨換算、財務諸表間の整合性の自動チェック、AIによる異常検知まで対応します。

ChatGPTやClaudeなどのMCP(AIが外部のデータやツールを参照するための接続規格)に対応した生成AIからデータを参照・入力できるMCPサーバー機能を、全プランに標準搭載している点も特徴です。

料金はグループ会社数と支払頻度の組み合わせで決まり、年次プランならグループ会社5社まで月額換算15,000円〜(税別)から利用できます。会社数が5社増えるごとに料金が上がり、50社超は要お問い合わせです。初期費用は公式サイトに記載がなく要お問い合わせ、無料トライアルの記載もありません。導入実績は公表されていません。

まとめ

連結決算の作成義務には、会社法ルート(連結計算書類)と金融商品取引法ルート(連結財務諸表)の2つがあります。会社法ルートは大会社かつ有価証券報告書の提出義務がある会社に、金融商品取引法ルートは有価証券報告書の提出義務がある会社(大会社かどうかを問わない)に生じます。

資本金5億円未満・負債200億円未満で株式を上場していない非上場の中小企業は、通常どちらのルートにも当たらず、原則として義務の対象ではありません。ただし、過去の募集・売出しや株主数によって非上場でも有価証券報告書の提出義務が生じる場合があり、その会社は連結財務諸表の作成が必要になります。

義務がない場合でも、グループ経営の把握や融資審査・上場準備の観点から、任意で連結決算を行う意義はあります。連結の対象は、議決権の所有割合と支配力基準で判定し、子会社を合算し、関連会社は持分法で取り込みます。まずは自社の資本金・負債と有価証券報告書の提出義務の有無を確認し、連結の対象になる子会社・関連会社を洗い出すことが出発点です。

連結決算を実際に回す段階では、Excel運用の属人化や決算遅延が課題になりやすく、連結会計システムの活用が負担を抑える手段になります。自社の規模や始め方に合うシステムを、料金や機能を並べて比較しながら検討してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 連結決算とは何ですか?

A. 連結決算とは、親会社と子会社・関連会社をひとつのグループとみなし、グループ全体の財政状態や経営成績をまとめて示す決算手続きです。成果物として連結財務諸表(会社法の枠組みでは連結計算書類)を作成し、連結貸借対照表・連結損益計算書・連結キャッシュ・フロー計算書などで構成されます。単体の決算書では見えない、子会社を含めたグループ全体の実態を把握できます。

Q. 連結決算の作成義務があるのはどんな会社ですか?

A. 連結決算の作成義務には2つのルートがあります。会社法ルート(連結計算書類)は、大会社であり、かつ有価証券報告書の提出義務がある会社の両方を満たす場合に生じます(会社法第444条第3項)。

金融商品取引法ルート(連結財務諸表)は、有価証券報告書の提出義務がある会社が子会社を持つ場合に、大会社かどうかを問わず生じます。資本金5億円未満・負債200億円未満で非上場の中小企業は、通常どちらにも当たらず、原則として義務はありません。

出典・参考資料(1件)

Q. 中小企業・非上場企業に連結決算の義務はありますか?

A. 資本金5億円未満・負債合計200億円未満で株式を上場していない中小企業・非上場企業には、連結決算の作成義務は原則としてありません。大会社の基準にも、有価証券報告書の提出義務にも当たらないためです。ただし、非上場でも有価証券報告書の提出義務が生じることがあり、その場合は子会社があれば連結財務諸表の作成が必要になる点には注意が必要です。

Q. 非上場でも親会社なら連結決算の義務が生じるのですか?

A. 連結決算の義務は、親会社であることだけを理由に生じるわけではありません。「原則として親会社に義務がある」と説明する解説も見られますが、会社法第444条第3項は大会社かつ有価証券報告書提出会社に限って作成を義務付けており、それ以外の会社は会計監査人設置会社であれば任意で作成できるにとどまります。

もっとも、非上場会社でも、金融商品取引法第24条第1項に基づいて有価証券報告書の提出義務が生じることがあります。過去の募集・売出しのための有価証券届出書の提出(第3号)や、株主など有価証券の所有者数(第4号)が該当します。その場合は子会社があれば連結財務諸表の作成が必要になり、大会社でもあれば連結計算書類の作成義務も加わります。

Q. 「大会社」は資本金と負債の両方の基準を満たす必要がありますか?

A. 「大会社」は、資本金として計上した額が5億円以上、または負債の部に計上した額の合計が200億円以上のいずれか一方を満たせば該当します(会社法第2条第6号)。両方を満たす必要はありません。たとえば資本金3億円でも負債合計が210億円あれば、負債基準で大会社に当たります。反対に資本金1億円・負債合計50億円の会社は、いずれの基準にも届かないため大会社には当たりません。

出典・参考資料(1件)

Q. 連結決算(連結計算書類)と連結財務諸表は何が違うのですか?

A. 両者は根拠となる法律と開示の場が異なります。会社法に基づき大会社が作成するのが「連結計算書類」、金融商品取引法に基づき有価証券報告書の中で開示するのが「連結財務諸表」です。内容は近いものの、作成を求めるルートが別々に定められており、上場企業は両方のルートが関わるのが一般的です。自社がどちらに当たるかを押さえておくと、義務の範囲を混同せずに整理できます。

Q. 連結決算の対象になる子会社はどのように判定しますか?

A. 連結の対象は、議決権の所有割合と、実質的に意思決定機関を支配しているか(支配力基準)の両面で判定します。議決権の過半数を所有する会社は原則として子会社として連結し、40%以上50%以下でも役員構成や融資・契約などで意思決定機関を支配している場合は子会社に含めます。

議決権の過半数に届かなくても重要な影響を与えられる会社(目安は議決権20%以上)は関連会社として持分法で取り込みます。過半数を所有していなくても実質的に支配していれば連結対象になる点が判定のポイントです。

Q. 連結の範囲から外せる子会社はありますか?

A. 原則としてすべての子会社を連結の範囲に含めますが、支配が一時的な子会社、連結すると利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれがある子会社、資産・売上高・損益から見て重要性が乏しい子会社は、連結の範囲から除くことができます。どの子会社を含め、どれを外すかは、連結決算を始めるときの最初の重要な判断になります。

出典・参考資料(1件)

Q. 義務がなくても連結決算を行う意味はありますか?

A. 作成義務がない中小企業・非上場企業でも、グループ全体の経営把握、金融機関の融資審査やM&A、将来の上場準備の観点から、任意で連結決算を行う意義があります。単体の決算書では見えないグループの実態をつかめるため、経営判断の精度が上がります。一方で、子会社からのデータ収集や内部取引の消去、連結修正仕訳といった作業が毎期発生するため、グループ経営の段階に応じて実施を検討するとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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