会社の売却や事業承継、あるいは他社の買収を考え始めたとき、最初に迷うのが「どのM&A会社に相談すればよいか」という点ではないでしょうか。ひとくちにM&A会社といっても、売り手と買い手の双方を仲介する会社、売り手だけの立場で助言する会社、オンラインで相手を探すプラットフォーム、特定の業種に強い会社、公的な相談窓口まで幅があります。
相談先の種類によって、費用のかかり方も、得意な会社規模や業種も、立場の中立性も変わります。種類の違いを押さえないまま1社だけに相談すると、自社に合わない進め方になったり、費用面で想定外の負担が生じたりすることもあります。
本記事では、M&A会社を相談先の種類(仲介会社・売り手専門のFA・M&Aプラットフォーム・業種特化・公的支援機関)から整理し、費用体系と対応規模の違いで比較します。仲介とFAの立場の違いや、安全な会社の見分け方まで、中小企業庁「中小M&Aガイドライン」などにもとづいて解説します。自社に合う相談先を見極め、資料請求や無料相談の一歩を踏み出すための材料としてご活用ください。
また、自社の状況(売り手か買い手か・会社規模・業種・費用の考え方)に合う相談先の種類を知りたい方向けに、「相談先タイプ診断」をご用意しています。あわせてご活用ください。
目次
一括ダウンロードする
M&A会社とは?相談先には種類がある
M&A会社とは、企業の合併・買収(M&A)や事業承継を進める際に、相手探しから条件交渉、契約の実行までを支援する事業者の総称です。経営者が自力で相手を見つけて交渉するのは現実的に難しいため、専門の会社に相談しながら進めるのが一般的です。
ここで押さえておきたいのが、M&A会社と呼ばれる相談先には立場や提供形態の異なる種類がある点です。中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」でも、売り手・買い手の双方と契約する「仲介者」、一方とだけ契約する「FA(ファイナンシャル・アドバイザー)」、オンラインでマッチングの場を提供する「M&Aプラットフォーム」が、それぞれ別の支援形態として定義されています。
加えて、特定の業種に特化した会社や、公的な相談窓口である事業承継・引継ぎ支援センターも、M&Aの相談先に含まれます。どの種類に相談するかで費用のかかり方や進め方が変わるため、まずは種類ごとの特徴を理解することが、自社に合う会社を選ぶ出発点になります。
M&A会社の種類別の特徴と向いている企業
ここからは、M&A会社を5つの種類に分けて、それぞれの仕組み・費用の傾向・向いている企業を解説します。自社がどの種類に相談すべきかを見極める手がかりにしてください。
| 相談先の種類 | 立場・仕組み | 費用の傾向 | 向いている企業 | 該当する主なサービス |
|---|---|---|---|---|
| M&A仲介会社 | 売り手・買い手の双方と契約し、両者の間に立って成約を支援 | 着手金ありのレーマン方式が多い | 相手がまだ決まっておらず、マッチングから任せたい中小企業 | 日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライク、M&A総合研究所、fundbook |
| 売り手専門のFA | 売り手だけと契約し、売り手の立場で助言 | 完全成功報酬型もあり | 譲渡条件を自社に有利に進めたい売り手 | M&A Lead |
| M&Aプラットフォーム | オンラインで売り案件・買いニーズをマッチング | 買い手月額制・売り手無料など低コスト型が中心 | 小規模・スモールM&Aを低コストで進めたい企業 | バトンズ、TRANBI、M&Aクラウド |
| 業種・領域特化のM&A会社 | 特定業種・領域に精通した会社が支援 | 仲介・FAの体系に準じる | 業界特有の論点が多い企業(医療・IT・Web3など) | Consensus Base(Web3特化) |
| 公的な支援機関 | 国・自治体が設けた中立・無料の相談窓口 | 相談は無料 | まず中立の窓口で全体像をつかみたい企業 | 事業承継・引継ぎ支援センター、中小企業庁の登録支援機関データベース |
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、売り手と買い手の双方と契約を結び、両者の間に立ってマッチングから成約までを支援する会社です。中小M&Aガイドラインでも、仲介者は「譲り渡し側・譲り受け側の双方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関」と定義されています。相手がまだ決まっていない段階から幅広い候補を探してもらえる点が特徴で、国内の中小M&Aでは多く使われている形態です。
幅広い業種・規模に対応し、相手探しから交渉、契約まで一貫して任せられる一方、双方と契約する立場ゆえの論点(利益相反)もあります。この点は次の章で詳しく解説します。全国規模で成約実績を積んだ大手から、地域や業種に根ざした会社まで幅があります。
売り手専門のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)
FA(ファイナンシャル・アドバイザー)は、売り手または買い手の一方とだけ契約し、その依頼者の立場で助言する会社です。ガイドラインでもFAは「譲り渡し側又は譲り受け側の一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関」と定義されています。このうち売り手だけと契約するのが「売り手専門のFA」で、譲渡する側の条件を最大化する助言に専念できる点が特徴です。
一方とのみ契約するため、売り手と買い手の間で生じる構造的な利益相反が起きにくいと考えられます。自社の売却条件をできるだけ有利に進めたい売り手や、交渉を代理してもらいたい経営者に向いています。
M&Aプラットフォーム
M&Aプラットフォームは、オンライン上で売り案件と買いニーズをマッチングするサービスです。ガイドラインでは「インターネット上のシステムを活用し、オンラインで譲り渡し側・譲り受け側のマッチングの場を提供するウェブサイト」と定義されています。掲載されている多数の案件を自分で検索し、関心のある相手に直接交渉を申し込める点が特徴です。
買い手は月額制、売り手は無料といった料金体系が多く、仲介・FAに比べて費用を抑えやすい傾向があります。比較的小規模な案件やスモールM&Aを、まずは自分のペースで探してみたい企業に向いています。オンラインで完結し、多数の掲載案件から探せるサービスが複数あります。
業種・領域特化のM&A会社
特定の業種や領域に特化したM&A会社もあります。医療・介護、IT、建設、Web3といった分野では、業界固有の規制・商習慣・バリュエーション(企業価値評価)の勘所を理解した会社に相談することで、話が早く進むことがあります。
自社の業界に詳しい買い手候補のネットワークを持っていることも多く、一般的な会社では見つけにくい相手に出会える可能性があります。業界特有の論点が多い企業は、総合型の会社と並行して、特化型の会社も相談先の候補に入れるとよいでしょう。
本記事では業種特化の一例として、Web3・ブロックチェーン業界に強い会社を後ほど紹介します。医療や建設など自社の業界に特化した会社を探す場合は、後述の中小企業庁「M&A支援機関登録制度」のデータベースで業種・領域を絞って調べる方法もあります。
公的な支援機関
民間の会社だけでなく、公的な相談窓口もM&Aの相談先になります。各都道府県の「事業承継・引継ぎ支援センター」は、国が設けた中立・無料の相談窓口で、後継者がいない中小企業の事業引継ぎを支援しています。まず全体像をつかみたい段階や、民間会社から受けた助言の妥当性を確かめたい場面で有用です。
中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録された民間の仲介者・FAを検索できる公的データベースもあります。これらの公的な仕組みは、相談先を選ぶ際の中立的な情報源として活用できます。活用方法は安全なM&A会社の見分け方で後述します。
出典は以下のとおりです。
出典・参考資料(1件)
- 出典:中小M&Aガイドライン(第3版)-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-|中小企業庁(令和6年8月)(PDF)
仲介とFAはどう違う?利益相反と「売り手専門FA」という選択肢
相談先の種類のなかでも、仲介会社とFAの違いは、相談先選びの核心にあたる論点です。ここでは両者の立場の違いと、そこから生じる利益相反について、中小M&Aガイドラインにもとづいて整理します。

仲介会社は売り手と買い手の双方から依頼を受け、両者の間に立ちます。これに対してFAは一方とだけ契約し、その依頼者の立場で動きます。売り手と買い手は、売却価格などで利益が対立し得る関係にあるため、双方と契約する仲介では、一方の利益を優先する動機が生じうると指摘されています。
仲介者が一方当事者(特に、リピーターになり得る譲り受け側)の利益を優先して取引をまとめるように動く動機があるという構造的な利益相反のリスクが指摘されている
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)|中小企業庁(令和6年8月)p98
ただし、この利益相反は直ちに違法となるものではありません。ガイドラインは、仲介という業態を中小M&Aにおいて不適切と断ずることは現実的ではないとし、実際にFAよりも仲介が多く使われている実情にも触れています。そのうえで、両当事者から依頼を受ける仲介者には、中立・公平であることが義務づけられています。
仲介者は両当事者から依頼を受ける以上、両当事者に対して中立・公平でなければならず、不当に一方当事者の利益又は不利益となるような利益相反行為を行ってはならない。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)|中小企業庁(令和6年8月)p98-99
つまり、仲介が一概に不利というわけではなく、中立・公平義務のもとで適切に運用されるべき形態だといえます。そのうえで、売り手の立場を徹底したい場合の選択肢になるのが「売り手専門のFA」です。売り手とだけ契約するため、両当事者間の構造的な利益相反が生じにくく、譲渡側の条件最大化に専念してもらえます。
費用の面でいえば、着手金をかけたくないという理由だけなら完全成功報酬型の仲介会社という選択肢もあります。FAならではの利点は費用そのものではなく、売り手だけの立場に立つことで利益相反が起きにくい点にあります。
どちらが優れているという話ではなく、相手探しの幅広さや進めやすさを重視するなら仲介、売り手としての立場を徹底したいなら売り手専門FA、という使い分けで考えるのが実務的です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:中小M&Aガイドライン(第3版)-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-|中小企業庁(令和6年8月)第2章Ⅱ5(PDF)
M&A会社に支払う費用・報酬体系(着手金・完全成功報酬・レーマン方式)
M&A会社に支払う費用は、会社によって体系が異なります。ここでは、どの会社でも共通して出てくる費用の種類と、報酬額の代表的な決め方であるレーマン方式を解説します。
M&A会社に支払う主な費用には、次の4種類があります。
- 着手金:契約時に発生する費用
- 月額報酬:月ごとに定額で発生する費用
- 中間金:基本合意など一定の時点で発生する費用
- 成功報酬:成約時に発生する費用
これらをすべて請求する会社もあれば、着手金・月額報酬・中間金を請求せず成功報酬だけを受け取る「完全成功報酬型」の会社もあります。
完全成功報酬型は、成約するまで費用がかからないため着手のハードルが低い一方、成功報酬の料率や最低手数料は会社ごとに異なります。費用の総額は体系だけでは決まらないため、複数の会社を比較検討することが望ましいとされています。
成功報酬の額は、取引金額に応じて料率が変わる「レーマン方式」で算定されることが多く、M&A専門業者で広く使われています。中小M&Aガイドラインが示すレーマン方式の料率は、あくまで一例として次のとおりです。
| 基準となる価額 | 乗じる割合 |
|---|---|
| 5億円以下の部分 | 5% |
| 5億円超10億円以下の部分 | 4% |
| 10億円超50億円以下の部分 | 3% |
| 50億円超100億円以下の部分 | 2% |
| 100億円超の部分 | 1% |
料率は中小M&Aガイドライン(第3版)が示す一例であり、各階層の価額・割合は会社ごとに異なります(出典は本節末尾)
この料率はあくまで一例で、実際の階層や割合は会社ごとに異なります。また、譲渡額が小さい場合に十分な報酬を確保するため、最低手数料を設けている会社も多くあります。最低手数料の水準も会社によって差があるため、小規模な案件ほど総額への影響が大きくなります。各社の実際の料率・最低手数料は、後述の比較表と各社の資料で確認してください。
出典・参考資料(1件)
- 出典:中小M&Aガイドライン(第3版)-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-|中小企業庁(令和6年8月)第2章Ⅴ(PDF)
自社に合うM&A会社の選び方
相談先の種類と費用の仕組みを押さえたら、次は自社に合う会社を2〜3社に絞り込む段階です。ここでは、立場・条件・安全性の3つの観点から選び方を整理します。
売り手か買い手か、立場で相談先を選ぶ
まず、自社が売り手か買い手かによって、向く相談先が変わります。会社を売りたい・事業を引き継ぎたい売り手は、譲渡条件を自社に有利に進めたいなら売り手専門のFA、幅広く相手を探したいなら仲介会社が候補になります。後継者不在の事業承継では、まず公的な事業承継・引継ぎ支援センターで全体像をつかむ進め方もあります。
他社を買いたい買い手は、仲介会社に相手探しを依頼する方法のほか、M&Aプラットフォームで掲載案件を自ら検索する方法もあります。買い手は月額制で多数の案件を見られるプラットフォームと、仲介会社の紹介を併用するケースも少なくありません。
対応規模・対応業種・費用負担で選ぶ
次に、自社の規模・業種・費用の考え方で候補を絞ります。会社によって得意な案件規模が異なり、数千万円規模のスモールM&Aに強い会社もあれば、数十億円規模を得意とする会社もあります。自社の譲渡額の目安に合う会社を選ぶことで、報酬体系や進め方のミスマッチを避けられます。
業種特有の論点が多い場合は、その業界に詳しい会社かどうかも確認します。費用面では、着手金を抑えたいなら完全成功報酬型、総額を抑えたいなら最低手数料の水準まで比較することが大切です。これらの観点は、後述の比較表で会社ごとに確認できます。
なかでも「自社の譲渡額の規模に合う会社はどこか」を軸に絞り込みたい場合は、M&Aアドバイザリー会社を小規模から大型案件まで対応規模別に比較した以下の記事が参考になります。
安全なM&A会社かどうかを見分ける
相談先の信頼性を自分で確かめる方法もあります。中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」は、中小企業が安心してM&Aに取り組めるよう令和3年8月に創設された制度で、中小M&Aガイドラインの遵守を宣言した仲介会社・FAが登録できます。登録は許認可ではなく任意のため、未登録でも業務自体は可能ですが、登録されているかどうかは安心材料のひとつになります。
登録された会社は、公的なデータベースで次のように確認できます。
同制度に登録された仲介業務又はFA業務を行う支援機関のデータベースを提供しており、登録支援機関の種類(専門業者、金融機関等の別)、M&A支援業務の開始時期や専従者数、手数料の算定基準(中略)等を確認することができるため、仲介者・FAを選定する際の情報収集手段として有用である。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)|中小企業庁(令和6年8月)p37
登録の有無に加えて、種類・支援開始時期・専従者数・手数料体系まで確認できるため、候補を比べる際の客観的な材料になります。
あわせて、契約前には手数料体系(着手金の有無・報酬方式)、専任契約かどうか、中途解約の条件を確認しておくと安心です。判断を急かされたり条件に不安を感じたりした場合は、契約前に受けた助言の妥当性を確かめる「セカンド・オピニオン」として、他の支援機関や公的な支援窓口・士業に意見を求める方法もあります。
出典・参考資料(2件)
- 出典:中小M&Aガイドライン(第3版)-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-|中小企業庁(令和6年8月)(PDF)
- 参考:M&A支援機関登録制度|中小企業庁(https://ma-shienkikan.go.jp/)
相談から成約までの流れと期間の目安
最後に、M&A会社に相談してから成約までの一般的な流れと、かかる期間の目安を確認しておきましょう。全体像が見えると、いつ・何を決めるのかがイメージしやすくなります。

一般的には、無料相談・方針整理から始まり、企業価値評価(バリュエーション)、相手探し(マッチング)、交渉・基本合意、買収監査(デューデリジェンス)、最終契約・クロージングという順で進みます。多くの会社は契約前の相談を無料としているため、まずは複数社に相談して進め方や費用感を比べるのが現実的です。
期間は案件の規模や相手の見つかりやすさによって幅がありますが、数か月から1年程度かかるのが一般的です。相手がスムーズに見つかれば半年を切る場合もあれば、条件の調整に時間がかかれば1年を超える場合もあります。スピードを重視する場合は、相談時に想定期間や過去の成約事例を確認しておくとよいでしょう。
自社に合う相談先タイプを診断する
自社の状況に合う相談先の種類がまだ定まらない場合は、次の診断ツールで整理できます。売り手か買い手か、会社規模、業種、費用の考え方の質問に答えると、合うタイプと会社の候補が分かります。
一括ダウンロードする
【比較表】主要なM&A会社を費用・対応規模・対応業種・成約実績で比較
ここまで解説した種類・費用・選び方をふまえ、主要なM&A会社を費用体系・対応規模・対応業種・成約実績で横断的に比較します。相談先の種類ごとに整理しているので、自社に合う種類のなかから候補を絞り込んでください。
| サービス名 | 日本M&Aセンター | M&Aキャピタルパートナーズ | ストライク | M&A総合研究所 | fundbook | M&A Lead | バトンズ | TRANBI | M&Aクラウド | Consensus Base |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 相談先のタイプ | M&A仲介会社 | M&A仲介会社 | M&A仲介会社 | M&A仲介会社 | M&A仲介会社 | 売り手専門FA(セルサイド) | M&Aプラットフォーム | M&Aプラットフォーム | M&Aプラットフォーム | 業種特化アドバイザリー(Web3) |
| 報酬体系 | 着手金100万〜500万円 レーマン方式(売り手最低2,000万円) | 着手金無料 株価レーマン方式(中間報酬+成功報酬) | 着手金無料 レーマン方式(最低2,000万円) | 完全成功報酬制(売り手) レーマン方式 | 完全成功報酬制 レーマン方式(5億円以下は定額2,500万円) | 完全成功報酬制 レーマン方式(最低2,000万円・売主のみ負担) | 売り手無料 買い手は成約価格の2%(最低35万円〜) | 売り手無料 買い手は月額制(3,980円〜)・成約手数料なし | 売り手無料 買い手は成功報酬制(最低100万円〜) | 要問い合わせ (無料相談あり) |
| 対応規模・案件規模 | 中堅・中小企業 (後継者不在のオーナー系が中心) | 中小〜中堅企業 (売上1億円未満〜50億円以上) | 中堅・中小企業の事業承継が中心 | 売上約1億円〜100億円の中堅・中小企業 | 中堅・中小企業 | 中小〜中堅企業 (成約事例は売上約5,000万〜10億円) | 小規模〜中小 (年商1億円未満の成約が多い) | 小規模案件中心 (数十万円〜数億円) | スタートアップ〜中小企業 | Web3事業の売り手・買い手 |
| 得意な業種・領域 | 幅広い業種 (地銀・信金ネットワーク) | 幅広い業種(事業承継全般) | 幅広い業種 (公認会計士が多数在籍) | 幅広い業種 | 幅広い業種 | 幅広い業種 (IT・EC・美容・製造ほか) | スモールM&A全般 | 小規模案件全般 (レンタルスペース・民泊ほか) | IT・スタートアップ | Web3・ブロックチェーン (GameFi/NFT/DeFi等) |
| 主な実績 | 累計成約11,000件超 | 累計成約1,000組以上 | 創業以来3,700件以上の成約 | 平均成約7.2ヶ月・最短43日 | 成約実績は非公開(要問い合わせ) | 成約事例7件を公開 | 掲載案件10,000件以上 買い手登録30万人以上 | 登録ユーザー22万者超 年間成約529件(2025年3月期) | 売り手8,900社以上・買い手3,100社以上が登録 | 成約実績は非公開(要問い合わせ) |
| 対応エリア | 全国 | 全国 | 全国 | 全国 | 全国 | 全国 | 全国(オンライン) | 全国(オンライン) | 全国(オンライン) | 国内外 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式資料を見る |
各社の公式情報・公表資料にもとづく(2026年10月時点)。報酬体系・実績は変動するため、最新情報は各社の資料・公式サイトでご確認ください。
種類別の代表的なM&A会社
ここからは、相談先の種類ごとに代表的なM&A会社を紹介します。各社の特徴・得意領域・費用の考え方を確認し、気になる会社は資料請求や無料相談で詳細を確かめてください。
M&A仲介会社
売り手・買い手の双方と契約し、マッチングから成約まで一貫して支援する仲介会社です。相手がまだ決まっていない段階から幅広く相談したい企業に向いています。
1. 日本M&Aセンター(株式会社日本M&Aセンターホールディングス)

日本M&Aセンターは、1991年に設立され東証プライム市場に上場するM&A仲介会社です(証券コード2127)。全国の地方銀行の約9割、信用金庫の約8割と提携し、会計事務所などのネットワークから譲渡・譲受の案件情報を集める体制をとっています。
売り手・買い手の双方と契約し、双方から手数料を受け取る仲介モデルをとります。費用は着手金100万〜500万円に加え、成約時にレーマン方式の成功報酬が発生し、譲渡側(売り手)の最低手数料は2,000万円です。
対象は、後継者不在のオーナー系企業を含む中堅・中小企業が中心です。公式サイトでは、累計成約件数が11,000件を超えると記載しています。
2. M&Aキャピタルパートナーズ(M&Aキャピタルパートナーズ株式会社)

M&Aキャピタルパートナーズ株式会社は、中小企業オーナーの事業承継・会社売却を主な対象としています。2005年に設立され、東証プライム市場に上場する仲介会社です(証券コード6080)。
料金面では、着手金・月額報酬・企業価値評価がいずれも無料で、譲渡先候補が決まった時点の中間報酬(手数料総額の約10%)と、最終契約時の成功報酬(残りの約90%)で構成されます。成功報酬は株式譲渡対価を基準とする株価レーマン方式で、売り手・買い手で同一の体系です。
マッチングから交渉、契約、クロージングまでを専任のアドバイザーが一貫して担当します。公式サイトでは、累計1,000組以上の成約実績を記載しています。
3. ストライク(株式会社ストライクグループ)

ストライクは、公認会計士の荒井邦彦氏が1997年に創業したM&A仲介会社です。運営する株式会社ストライクグループが東証プライム市場に上場しており(証券コード6196)、社内に公認会計士・税理士などの有資格者が在籍します。
着手金は無料で、基本合意の締結までは費用が発生しません。基本合意時には資産総額に応じて100万〜300万円の報酬が、最終契約時にはレーマン方式の成功報酬(最低2,000万円)が発生します。この成功報酬は、譲渡側オーナーの受取額を基準に算出する「オーナー受取額レーマン」方式を採用しています。
1998年には国内初のM&A仲介プラットフォーム「SMART」を開設し、現在も自社で運営しています。後継者不在の中堅・中小企業の事業承継を主軸とし、公式サイトでは創業以来3,700件以上の成約実績を記載しています。
4. M&A総合研究所(株式会社M&A総合研究所)

M&A総合研究所は、独自のAIマッチングシステムと企業データベースを活用して相手探しを進めるM&A仲介会社です。事業会社の株式会社M&A総合研究所は非上場ですが、親会社の株式会社クオンツ総研ホールディングスが東証プライム市場に上場しています(証券コード9552)。
譲渡企業(売り手)向けには、着手金・中間金・月額報酬をすべて無料とする完全成功報酬制を採用し、成功報酬は譲渡代金をもとにレーマン方式で算定します。譲受企業(買い手)は着手金が無料で、中間金が発生します。
対象は売上規模およそ1億円〜100億円の中堅・中小企業です。公式サイトでは、平均成約期間7.2ヶ月・最短43日、2024年度の年間問い合わせ件数15,000件以上と記載しています。
5. fundbook(株式会社fundbook)

fundbookを運営する株式会社fundbookは、東証プライム市場に上場する株式会社チェンジホールディングスのグループ企業で、2017年に設立されました。中堅・中小企業のオーナーを主な対象に、M&A仲介を手がけています。
独自のM&A特化型システム「fundbook cloud」を仲介サービスに組み合わせ、企業概要書の閲覧や契約手続きの申請、書類のやり取りをオンライン化しています。
料金は、相談料・企業価値算定・着手金・月額報酬が発生しない完全成功報酬制です(合意により中間報酬が発生する契約形態を選ぶ場合があります)。成功報酬はレーマン方式で、譲渡側は譲渡対象資産額5億円以下の部分が定額2,500万円と設定されています。
売り手専門のFA
売り手だけの立場で助言し、譲渡条件の最大化に専念するFAです。売り手としての立場を徹底したい経営者に向いています。
6. M&A Lead(M&A Lead株式会社)

M&A Leadは、M&A Lead株式会社が運営する売主(譲渡企業)専属のM&Aアドバイザリーです。売り手と買い手の双方に立つ仲介ではなく、売主側だけに立つセルサイド特化のFAとして、譲渡価格や従業員の雇用条件など売主の希望の実現に向けて交渉を進めます。
報酬は売主からのみ受け取り、買主からは受け取りません。着手金・中間金・月額報酬は0円で、費用は成約時の成功報酬だけが発生します。成功報酬はレーマン方式で、譲渡対価のうち5億円以下の部分の5%から100億円超の部分の1%まで段階的に料率が下がり、最低手数料は2,000万円です。
買い手候補は、会社の垣根を越えた100名超の独立アドバイザーや、地方銀行を中心とする20行超の金融機関のネットワークを通じて探し、複数の候補から条件提示を受ける簡易オークション型で進めます。スキーム検討から企業価値評価、交渉、最終契約のクロージングまでを一気通貫で支援し、相談は無料で全国に対応します。
M&Aプラットフォーム
オンラインで売り案件・買いニーズをマッチングするサービスです。費用を抑えつつ、自分のペースで相手を探したい企業に向いています。
7. バトンズ(株式会社バトンズ)

2018年に日本M&Aセンターから分社化した株式会社バトンズが運営する、オンライン型のM&Aプラットフォームです。2026年4月には東京証券取引所グロース市場へ上場しています。売り手が案件を登録し、買い手候補からの応募を受けてマッチングする仕組みで進みます。
料金面では、売り手は着手金・月額・中間金・成約手数料のいずれも無料で、買い手のみ成約時に成約価格の2%(税込2.2%、最低35万円〜)の利用料がかかります。公式サイト(2026年8月時点)では、掲載案件10,000件以上、買い手登録者数30万人以上と公表しています。
サイト上で自ら相手を探すセルフサービスが基本ですが、士業や金融機関などの支援専門家に交渉や契約の一部・全工程を委託することもできます。中小企業庁のM&A支援機関登録制度にも登録しています。
8. TRANBI(株式会社トランビ)

株式会社トランビが運営するM&Aプラットフォームで、売り手と買い手が匿名交渉から実名交渉(NDA締結)、基本合意、デューデリジェンスまでを原則当事者間で進めます。登録ユーザー数は22万者を超え(2026年2月時点)、常時3,500件以上の案件が掲載されています。
売り手は掲載から成約まで完全無料で、買い手は交渉できる案件規模に応じた月額制です。〜500万円のベーシックが月額3,980円(税込4,378円)、〜3,000万円のビジネスが月額9,800円(税込10,780円)、上限なしのエンタープライズが月額19,800円(税込21,780円)で、いずれも成約手数料はかかりません。
当事者間の交渉に不安がある場合は、有償の交渉サポート(1案件30万円・税別)や交渉代行プラン(月額5万円・税別)を追加できます。問い合わせは電話を設けずフォームのみで、2026年3月にISO/IEC 27001認証を取得しています。中小企業庁のM&A支援機関登録制度にも登録しています。
9. M&Aクラウド(株式会社M&Aクラウド)

買い手企業が自社の買収ニーズを掲載し、売り手がその情報を見て直接打診できる「買い手掲載型」が特徴のM&Aプラットフォームです。運営は株式会社M&Aクラウドで、IT・スタートアップ領域の案件を中心に、売り手企業8,900社以上・買い手企業3,100社以上が登録しています(公式サイト2026年8月時点)。
売り手は登録料・成約時手数料ともに無料で、買い手企業が支払う手数料で運営する仕組みです。買い手には、会社情報を非公開のまま売り手へアプローチできるクローズドプランもあり、初期費用・月額利用料は0円、成功報酬は売買価格の1〜10%(最低手数料100万円)です。
どの買い手企業に打診すべきか迷う場合は、M&Aクラウドのアドバイザーに無料で相談できます。中小企業庁のM&A支援機関登録制度にも登録しています。
業種・領域特化のM&A会社
特定の業種・領域に精通した会社です。業界固有の論点が多く、その分野に詳しい相手を探したい企業に向いています。
10. Consensus Base(コンセンサス・ベイス株式会社)

コンセンサス・ベイス株式会社は、ブロックチェーンの受託開発・技術コンサルティングを主力とする企業です。その技術知見を土台に、2023年からWeb3・ブロックチェーン業界に特化したM&Aアドバイザリー事業を手がけています。
買収・売却・提携候補の探索から基本合意書(LOI・MOU)の締結支援、デューデリジェンス、契約交渉、PMI(統合後の実務)までを一つのチームで支援します。Web3事業の買収で新規参入したい企業や、自社のWeb3アセットを売却・資本提携したい企業を主な対象に、国内外の案件に対応します。
GameFi・NFT・DeFiなどWeb3特有の技術領域を対象に、技術面からの調査・評価(技術DD)やスマートコントラクト監査観点でのアセスメントに対応できる点が、一般的なM&A仲介会社との違いです。トークンの取扱いに関する法務的な整理も支援範囲に含みます。着手金・成功報酬は非公開で、まずは無料相談から始められます。
まとめ
M&A会社は、仲介会社・売り手専門のFA・M&Aプラットフォーム・業種特化・公的支援機関と種類があり、それぞれ立場・費用・対応規模が異なります。双方と契約する仲介と、一方だけと契約するFAの違い(利益相反)を理解したうえで、自社が売り手か買い手か、どの規模・業種か、費用負担をどう考えるかで候補を絞り込むのが選び方の基本です。
相談先の信頼性は、中小企業庁のM&A支援機関登録制度のデータベースで確認でき、契約前の無料相談やセカンド・オピニオンも活用できます。まずは種類の異なる複数社に相談し、費用感と進め方を比べることが、納得できるM&Aへの近道です。気になる会社の資料を請求して、具体的な比較から始めてみてください。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. M&A会社とは何ですか?
A. M&A会社とは、企業の合併・買収や事業承継にあたり、相手探しから条件交渉・契約の実行までを支援する事業者の総称です。売り手・買い手の双方を仲介する「仲介会社」、一方だけの立場で助言する「FA(ファイナンシャル・アドバイザー)」、オンラインで相手を探す「M&Aプラットフォーム」、業種・領域に特化した会社、公的な支援機関まで幅があり、相談先の種類で費用のかかり方や立場の中立性が変わります。
Q. 中小企業向けのM&A会社でおすすめはどこですか?
A. 中小企業に向くM&A会社は一社に限られず、自社が売り手か買い手か・会社規模・業種・費用負担の考え方によって、最適な種類と会社が変わります。幅広く相手を探したい売り手は仲介会社、譲渡条件を徹底したい売り手は売り手専門のFA、小規模・スモールM&Aを低コストで進めたい場合はM&Aプラットフォームが候補です。本記事の比較表や診断で、自社に合う種類のなかから候補を2〜3社に絞り込めます。
Q. M&A会社は仲介とFAのどちらに頼むべきですか?
A. 仲介とFAはどちらが優れているという話ではなく立場の違いで選ぶもので、相手探しの幅広さや進めやすさを重視するなら仲介会社、売り手としての立場を徹底したいなら売り手専門のFAが向いています。仲介は双方と契約するため構造的な利益相反が指摘される一方、中立・公平義務のもと中小M&Aで最も多く使われています。FAは一方とだけ契約するため利益相反が起きにくいのが特徴です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:中小M&Aガイドライン(第3版)-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-|中小企業庁(令和6年8月)第2章Ⅱ5(PDF)
Q. M&Aプラットフォームと仲介会社は何が違いますか?
A. 両者の違いは支援の形と費用にあり、仲介会社は担当者が相手探しから交渉・契約までを代行するのに対し、M&Aプラットフォームはオンライン上で自ら案件を検索し、相手に直接交渉を申し込む仕組みです。プラットフォームは買い手月額制・売り手無料など低コストの料金が多く、小規模M&Aを自分のペースで進めたい企業に向きます。手厚く任せたいなら仲介、費用を抑え主体的に探すならプラットフォームが目安です。
Q. M&A会社の手数料や着手金の相場はどのくらいですか?
A. M&A会社に支払う費用は、着手金・月額報酬・中間金・成功報酬で構成され、成功報酬は取引金額に応じて料率が下がる「レーマン方式」で算定されることが多いです。着手金などを取らず成功報酬のみの「完全成功報酬型」の会社もあり、成約まで費用がかからず着手しやすいのが利点です。ただし料率や最低手数料は会社ごとに異なり、小規模な案件ほど最低手数料が総額に響くため、複数社の料金比較が大切です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:中小M&Aガイドライン(第3版)-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-|中小企業庁(令和6年8月)第2章Ⅴ(PDF)
Q. M&A会社に相談してから成約までどのくらいの期間がかかりますか?
A. M&Aは、相談から成約まで数か月から1年程度かかるのが一般的です。相手がスムーズに見つかれば半年を切る場合もあれば、条件の調整に時間がかかれば1年を超える場合もあります。無料相談・方針整理から企業価値評価、相手探し、交渉・基本合意、デューデリジェンス、最終契約・クロージングという順で進むため、スピードを重視する場合は相談時に想定期間や過去の成約事例を確認しておくとよいでしょう。
Q. 株式を譲渡した後、経営者の個人保証はどうなりますか?
A. 会社の借入に対する経営者の個人保証(経営者保証)は、株式を譲渡しても自動的に解除されるわけではなく、金融機関との交渉で買い手への引き継ぎや解除を取り決める必要があります。中小M&Aガイドラインでも重要な論点とされ、M&A会社や金融機関と連携して解除・引き継ぎを進めるのが一般的です。相談時に自社の保証の状況を伝え、見通しを確認しておきましょう。
出典・参考資料(1件)
- 参考:中小M&Aガイドライン(第3版)-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-|中小企業庁(令和6年8月)(PDF)
Q. まだ売却を決めていない段階でもM&A会社に相談できますか?
A. 多くのM&A会社は、売却や事業承継を決断する前の情報収集段階でも無料で相談を受け付けています。「自社がいくらで売れそうか」「どのような進め方になるのか」を知ってから判断したいという相談は一般的で、企業価値の目安や想定スケジュールを聞いたうえで検討を続けられます。中立の立場で全体像をつかみたい場合は、各都道府県の公的な事業承継・引継ぎ支援センターの無料相談を利用する方法もあります。
Q. 地方の企業でもM&A会社は対応してもらえますか?
A. 地方の企業でもM&A会社に相談でき、全国対応やオンライン相談を掲げる会社が多くあります。大手の仲介会社は地方銀行・信用金庫と広く提携し、地域の譲渡・譲受案件のネットワークを持っています。各都道府県に設置された公的な事業承継・引継ぎ支援センターも身近な相談窓口になるため、所在地にかかわらず相談先を確保できます。
M&A会社の資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、M&Aアドバイザリー・FAをはじめとする法人向けサービスの最新資料を無料で一括請求できます。費用体系や対応規模、得意領域を資料で見比べて、自社に合う相談先を効率的に探せます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















