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電子契約システムの費用はいくら?初期費用・月額・送信料の相場とサービス別料金比較

電子契約システムの費用はいくら?のサムネイル画像
電子契約システム比較表(2026年版)のプレビュー

主要22サービスの料金・機能を無料で一覧比較

電子契約システム比較表(2026年版)

紙の契約書は、印刷・製本・押印・郵送に手間がかかるうえ、収入印紙や郵送費、保管スペースといったコストが積み重なります。こうした負担を減らそうと電子契約システムの導入を検討し始めると、最初に突き当たるのが「結局、いくらかかるのか」という疑問です。

電子契約システムの料金は、初期費用・月額基本料・契約1件ごとの送信料・オプションなど複数の要素で構成されます。しかも料金体系はサービスによって大きく異なり、税込と税抜、年払いと月払い、無料枠の数え方まで混在するため、単純な横並び比較がしにくいのが実情です。

本記事では、電子契約システムの費用の内訳と相場を整理したうえで、主要サービスの料金を実額で比較します。あわせて、契約件数ごとの費用シミュレーション、紙と比べた費用対効果、取引先(相手方)の費用負担、費用を抑えるコツまで、導入の予算化に必要な情報をまとめて確認できます。

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電子契約システムの費用の内訳と相場

ここでは、料金比較表を読み解くために必要な費用の構成要素と、相場の目安を整理します。電子契約システムの料金は「固定でかかる費用」と「使った分だけかかる費用」に分かれる点を押さえると、各社の料金体系を同じ土俵で比べられるようになります。

費用の基本構造(初期費用・月額基本料・送信料・オプション)

電子契約システムの費用は、主に次の4つの要素で構成されます。

電子契約システムの費用の基本構造の図解。固定でかかる費用として初期費用(導入時に1回だけ発生、0円のサービスと要問い合わせのサービスがある)と月額基本料(毎月かかる利用料、プランの機能・送信件数・利用人数で金額が変わる)、使った分だけ・追加でかかる費用として送信料(契約書を1件送信するたびに発生、定額に含むサービスもある)とオプション費用(当事者型の電子証明書・SMS認証・API連携など)の4要素を示している。
  • 初期費用:導入時の初回のみ発生する費用です。WAN-Signやベクターサイン、契約大臣などは初期費用を0円と明示しています。一方、クラウドサインや電子印鑑GMOサインのように初期費用を公式サイトで公開せず「要問い合わせ」としているサービスも少なくありません。エンタープライズ向けの個別導入やオプションでは別途かかる場合もあるため、候補サービスには初期費用の有無を確認しておくと安心です。
  • 月額基本料(固定費):毎月定額でかかる利用料です。プランに含まれる機能や送信件数、利用人数によって金額が変わります。月額基本料を0円にして送信料だけで使える従量課金型のサービスもあります。
  • 送信料(従量課金):契約書を1件送信するたびに発生する費用です。使った分だけ積み上がるため、契約件数が多い企業ほど総額に効いてきます。送信料を定額に含める(追加料金なし)サービスもあります。
  • オプション費用:当事者型署名で必要になる電子証明書、SMS認証、紙の契約書の電子化代行、API連携などに対して追加でかかる費用です。基本料金だけで判断せず、自社に必要なオプションを含めて総額を見積もることが重要になります。

署名方式で変わる費用(立会人型と当事者型)

電子契約の電子署名には、大きく分けて「立会人型(事業者署名型)」と「当事者型」の2つの方式があり、どちらを使うかで費用の構造が変わります。

立会人型と当事者型の署名方式による費用構造の違いを比較した図解。立会人型(事業者署名型)は、証明書をサービス提供事業者が発行・管理し、署名する側は自分で電子証明書を用意する必要がなく、取引先の費用負担はない(メールのURLから署名)。当事者型は、当事者それぞれが認証局から証明書を取得し、自分名義の電子証明書が必要で、取引先も電子証明書の取得費用を負担する。立会人型は手軽に締結でき、当事者型は厳格な本人確認ができるが追加費用がかかる。

立会人型は、利用者の指示にもとづいてサービス提供事業者が署名を行う方式です。総務省・法務省・経済産業省が公表するQ&A(電子署名法第3条関係)は、この方式について「電子署名を行う際にサービス提供事業者が自動的・機械的に利用者名義の一時的な電子証明書を発行し、それに紐付く署名鍵により暗号化等を行う」ものと説明しています。

事業者側が証明書を発行・管理するため、署名する側が自分で電子証明書を用意する必要がありません。

出典・参考資料(1件)

一方の当事者型は、契約の当事者それぞれが自分名義の電子証明書を認証局から取得して署名する方式です。電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)第2条は、本人であることを証明する「認証業務」を定義しており、当事者型ではこの電子証明書の取得・維持に費用が生じます。たとえばWAN-Signの実印版(当事者型)では、電子証明書の発行費用として署名者1人あたり年間8,000円(税抜)が必要です。

このように、取引先の負担をかけずに手軽に締結したい場合は立会人型、より厳格な本人確認を求める契約には当事者型、というように、方式の選び方が追加費用の有無にも直結します。

出典・参考資料(2件)

費用相場の目安(月額基本料・送信料1件)

主要サービスの料金を見渡すと、おおよその相場が見えてきます。月額基本料は、無料から数千円で始められる小規模向けプランと、1万円前後の標準的なプランが中心で、高機能なプランでは数万円に達します。

契約1件あたりの送信料は、立会人型で1件100〜300円程度に収まるサービスが多く見られます。送信料を定額に含めて追加料金を取らないサービスもあり、料金体系はサービスごとに差があります。次章の比較表で、各社の実際の金額を横並びで確認してください。

料金を比較するときの注意点

料金を比べるときは、表示されている金額の前提をそろえることが欠かせません。見落としやすいポイントを整理します。

  • 税込と税抜の違い:公式サイトの表示は税抜のことも税込のこともあります。各社を比べるときは、どちらの表記かをそろえて確認することが大切です。
  • 年払いと月払いの違い:年払いにすると月あたりの金額が下がるサービスが多く、月払いの金額とは差が出ます。
  • 送信料の数え方:多くのサービスは「送信ボタンを1回押す操作」を1件として数えます。たとえばクラウドサインでは、宛先(署名者)の数や添付書類の枚数にかかわらず、送信操作1回が1件です。1つの契約で何件分の送信料がかかるのかを、数え方から確認することが欠かせません。
  • 無料枠の数え方:無料で送れる件数が「毎月リセットされる月次型」か「累計で数える型」かでコストが変わります。

月額基本料の安さだけで選ぶと、送信料やオプションが積み重なって想定より高くなることがあります。自社の月間契約件数を前提に、基本料と送信料を合わせた総額で判断することが、費用で失敗しないコツです。

【比較表】主要な電子契約システムの料金比較(初期費用・月額・送信料・無料枠)

主要な電子契約システムの料金を、初期費用・月額基本料・送信料・無料枠・署名方式の軸で横並びにまとめました。料金体系が従量課金型・定額型・ユーザー課金型とサービスごとに異なるため、自社の使い方に近い料金の読み方ができるよう、各社の最小の有料プランを基準に整理しています。

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サービス名クラウドサイン電子印鑑GMOサインfreeeサインマネーフォワード クラウド契約契約大臣SMBCクラウドサインWAN-SignベクターサインシヤチハタクラウドBtoBプラットフォーム契約書paperlogic電子契約リーテックスデジタル契約サインタイム(SignTime)クラウドコントラクトDropbox SignZoho Signドキュサイン(DocuSign)
初期費用非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)0円0円非公開(要問い合わせ)0円0円非公開(要問い合わせ)公式に明記なし(導入支援・ワークフロー連携時は別途費用)非公開(要問い合わせ)0円非公開(要問い合わせ)0円0円(プラン料金のみ)0円非公開(要問い合わせ)
月額基本料(最小の有料プラン)11,000円(税抜/税込12,100円)
Lightプラン(月額・1年自動更新)
8,800円(税抜/税込9,680円)
ライトプラン(月額・年間契約)
7,180円(税抜・月払い)
Starter(年払いは月額5,980円/年額71,760円)
2,480円(税抜・年払い)
電子契約の入口プラン(月払いは3,980円)
4,400円(税込・月払い)
スタータープラン(年払いは月額換算2,020円)
10,000円(税抜/税込11,000円)
Lightプラン(月額)
0円
基本プランのみ(従量課金型)
1,200円(税抜/税込1,320円)
プラン5・月間(基本サービスは月額0円)
1,200円(税抜/税込1,320円)/10ユーザー
ワークフローLite(電子署名はオプション)
10,000円(税抜)
シルバープラン(月額固定費)
20,000円(税抜/税込22,000円)
スタンダード(月額・最大50ユーザー定額)
18,000円(税区分の公式記載なし)
TOTAL 600(年間タイムスタンプ〔契約送信〕600回までの定額プラン)
8,600円(税抜/税込9,460円)
電子契約プラン・月払い(年払いは税抜で月額換算7,880円)
1,980円(税抜・年契約)
スタータープラン(1ヶ月契約は2,380円)
15米ドル/月(USD建て・日本円の公式定価なし)
Essentials・月払い(年払いは10.05米ドル/月=120.60米ドル/年)
1,200円(税抜・年間契約)
スタンダード
1,333円/月(月払い・税区分の公式記載なし)
Personal(年払いは16,000円/年)
送信料(1件)220円(税抜/税込242円)立会人型100円(税抜/税込110円)/当事者型300円(税抜/税込330円)電子サイン100円/電子署名200円(いずれも税抜)0円(ユーザー課金型)プラン件数内は無料
(超過はスポット送信550円/通・税込)
200円(税抜/税込220円)立会人型100円/当事者型300円(いずれも税抜)400円(税抜/税込440円)
(基本サービス・都度払い)
定額制(従量課金なし)通常署名100円/長期署名200円(いずれも税抜)定額制(従量課金なし)1件あたりの送信単価は非公開
(年間タイムスタンプ消費数に応じた定額制のため、1件単位での横並び比較ができない)
無料送信枠あり。超過は事前購入100円/都度200円(1通・税区分の公式記載なし)プラン件数内は無料
(超過100円/件・税抜)
定額制(有料プランは署名依頼無制限)定額制(従量課金なし)
※プランごとに送信数上限
定額制(プランごとに送信数上限)
無料枠フリープラン 月2件
(月次・1名)
お試しフリープラン 月5件
(月次・1名・立会人型のみ)
無料プラン 月1通
(月次・3名・電子サイン)
送信できる無料枠なし
(無料プランは閲覧・DLのみ)
フリープラン 累計2件
(累計・1名)
Freeプラン 月2件
(月次・1名)
立会人型 月10件・当事者型 月3件
(いずれも月次・ユーザー無制限)
送信できる無料枠なし
(基本料0円/送信は都度440円・税込)
送信できる無料枠なし
(15日間無料トライアル)
公式料金ページで無料枠の明記なし(要確認)送信できる無料枠なし
(1ヶ月無料トライアル)
ENTRYは受信のみ無料・無制限
(送信不可・5名)
フリープラン 合計10通
(累計・3名)
送信できる無料枠なし
(無料トライアル2週間・10件)
Freeプラン 署名依頼 30日ごと3件
(自己署名は無制限)
無料プラン 月5件
(月次・1名)
フリーアカウント 送信3通
(受信・署名は無制限/周期は公式未確認)
署名方式(立会人型/当事者型)立会人型
当事者型(マイナンバー署名)
立会人型・当事者型
ハイブリッド可
立会人型(電子サイン)
当事者型(電子署名)
立会人型立会人型(事業者署名型)立会人型・当事者型立会人型(認印版)・当事者型(実印版)
ハイブリッド可
立会人型(公式の明示なし)立会人型
(セキュリティ強化オプション)
立会人型(事業者署名型)立会人型(認印)・当事者型(実印)立会人型・当事者型
(いずれも有料プラン)
立会人型(公式の明示なし)立会人型(事業者署名型)立会人型
QES(主にEU向け)
立会人型(電子サイン)
当事者型(デジタル署名)・QES
立会人型(クラウド型)
当事者型・eIDAS QES対応
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

料金は2026年10月時点の各社公式情報にもとづく。最新の金額・プラン内容は各公式サイトで確認を推奨。

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契約件数別の費用シミュレーション(月数件/数十件/数百件)

電子契約システムの月額費用は、次の式で見積もれます。自社の月間契約件数を当てはめると、おおよその総額をつかめます。

月額費用の目安 = 月額基本料 + 送信料 × 月間の契約件数

ここでは、送信料を1件100円と仮定し、料金体系の異なる2つのパターンで試算します。パターンAは月額基本料0円の従量課金型、パターンBは月額基本料1万円+送信料型です。送信料100円は相場(1件100〜300円)の下限寄りの設定なので、送信料が高いサービスでは総額が上振れます。無料枠や年払いの割引も加味していないため、実際の金額は各社のプランによって変わります。

月間の契約件数パターンA(月額0円+送信料100円/件)パターンB(月額10,000円+送信料100円/件)
月5件(小規模・スポット利用)500円10,500円
月30件3,000円13,000円
月100件(標準的な運用)10,000円20,000円
月300件(大量締結)30,000円40,000円
送信料100円/件で試算。無料枠・年払い割引・オプションは未加味。

実在するサービスの料金を当てはめると、総額の差がよりはっきりします。たとえば月30件を立会人型で締結する場合、クラウドサインのLightプラン(月額11,000円+送信220円、いずれも税抜)なら、月額基本料11,000円+送信料6,600円で17,600円(税抜)となります。

一方、月額基本料0円の従量課金型であるWAN-Signの立会人型(認印版、送信1件100円税抜)は、月10件の無料枠を1件でも超えると当月の送信が全件課金対象になるため、30件×100円で3,000円(税抜)です。同じ件数でも、固定費のかけ方で総額は大きく変わります。

件数が少ないうちは、月額基本料0円の従量課金型(パターンA)のほうが割安です。契約件数が増えるにつれて送信料の比重が大きくなるため、月額基本料に送信料が含まれる定額型(パターンB)のほうが総額を抑えられる場面が出てきます。自社の件数が今後どう増えるかも見込んで、料金体系を選ぶとよいでしょう。

電子契約の費用対効果(紙と比べたコスト削減)

電子契約システムには利用料がかかりますが、紙の契約でかかっていたコストが不要になります。ここでは、導入費用を正当化する材料として、紙をやめると何が削減できるのかを整理します。

印紙税が不要になる(印紙税法の根拠)

紙で作成する契約書のうち課税文書に当たるものには、収入印紙の貼付が必要です。一方、契約書を電子データで作成し、紙の現物を交付しない電子契約では、印紙税がかかりません。国税庁(福岡国税局)の文書回答事例は、電子メールで送信する場合の取り扱いについて次のように示しています。

注文請書の調製行為を行ったとしても、注文請書の現物の交付がなされない以上、たとえ注文請書を電磁的記録に変換した媒体を電子メールで送信したとしても、ファクシミリ通信により送信したものと同様に、課税文書を作成したことにはならないから、印紙税の課税原因は発生しないものと考える。

出典:請負契約に係る注文請書をPDFファイル等の電磁的記録に変換し電子メールで送信する場合の印紙税の取扱い|福岡国税局(国税庁)

これは、課税文書の「作成」が相手方への現物の交付をもって成立するという考え方にもとづくものです。電子データを送信するだけでは現物の交付がないため、課税原因が発生しないと整理されています。

ただし、注意すべき前提があります。同じ回答事例は、電子メールで送信したあとに契約書の現物を別途持参するなどして相手方に交付した場合には、課税文書の作成に該当し、現物の契約書に印紙税が課されるとしています。印紙税が不要になるのは、あくまで紙の現物を交付しない場合である点に留意してください。また、これは国税局が個別の照会に回答した見解であり、法令そのものではありません。

出典・参考資料(1件)

工事請負契約書や注文請書など、紙で作成した場合に印紙税がいくらかかるのかを具体的に知りたい場合は、契約金額ごとの印紙税額と軽減措置をまとめた次の記事で確認できます。電子契約でどれだけ削減できるかの目安にもなります。

郵送費・印刷費・保管費・人件費の削減

印紙税のほかにも、紙の契約運用では次のような費用が発生しています。電子契約に切り替えると、これらを削減できます。

  • 郵送費:契約書の郵送にかかる切手・封筒・レターパック代が不要になります。往復のやり取りが発生する契約では、1件あたりの負担も小さくありません。
  • 印刷費:用紙代・インク代・製本の手間が不要になります。
  • 保管費:紙の契約書を保管するファイル・キャビネット・倉庫のスペースや、文書管理の費用を抑えられます。
  • 人件費:印刷・製本・押印・封入・発送・ファイリングといった作業時間が短縮され、担当者の負担が軽くなります。

たとえば、1件あたりのコストを「郵送費(往復)+用紙・封筒代+製本・封入・発送の作業時間」として仮に合計500円と見積もると、月100件を紙で締結している企業では月5万円の削減余地があります。印紙が必要な契約が含まれていれば、1件あたり数百円〜数千円の印紙税がさらに上乗せで削減されます。

この500円はあくまで仮定の積み上げで、実際の金額は郵送方法や作業時間によって変わります。自社の1件あたりコストに置き換えて試算すると、電子契約の導入費用を上回る効果が出るかを判断しやすくなります。契約件数が多い企業ほど、削減効果は大きくなります。

電子契約の費用は相手方(取引先)にもかかる?

電子契約を導入するとき、取引先に費用や手間の負担が発生しないかは、よくある不安のひとつです。結論は、採用する署名方式によって変わります。

立会人型(事業者署名型)の場合、取引先は費用を負担する必要がありません。多くのサービスでは、取引先はアカウント登録をしなくても、メールで届いたURLから契約内容を確認して署名できます。前述のとおり、立会人型ではサービス提供事業者が署名のための証明書を発行・管理するため、取引先が自分で電子証明書を用意する必要がないからです。

一方、当事者型では、契約の当事者それぞれが自分名義の電子証明書を取得して署名します。この場合、取引先も電子証明書の取得費用を負担することになります。取引先が電子契約に不慣れだったり、相手に負担をかけたくなかったりする場合は、立会人型に対応したサービスを選ぶと導入のハードルを下げられます。

出典・参考資料(1件)

電子契約の費用を抑えるコツ

電子契約システムは、使い方を工夫すればコストを抑えられます。無料枠の活用から料金体系の見極めまで、実務的なポイントを紹介します。

無料枠・無料プランの活用と「無料」の落とし穴

契約件数が少ないうちは、無料枠や無料プランから始めると固定費を抑えられます。ただし「無料」の中身はサービスによって異なるため、何がどこまで無料なのかを確認することが大切です。

無料で送信できる件数は、毎月リセットされる月次型と、累計で数える型があります。たとえばクラウドサインのフリープランは月2件まで(毎月リセット)、電子印鑑GMOサインのお試しフリープランは月5件まで送信できます。これに対して契約大臣のフリープランは累計2件までで、使い切ると追加で無料送信はできません。

注意したいのは、「無料」と表示されていても送信ができないケースがある点です。マネーフォワード クラウド契約の「無料」プランは契約書の閲覧・ダウンロードが中心で、送信(締結)はできません。また、ベクターサインは月額基本料0円で始められますが、送信そのものに無料枠はなく、1通440円(税込)の送信料がかかります。

「無料プランあり」とまとめて捉えず、送信できる無料枠なのか、受信・保管だけの無料なのかを見分けることが大切です。

無料で使えるサービスをもっと広く見比べたい場合は、無料枠のあるサービスだけを集めて、送信できる件数・数え方・上限を超えたときの費用で比較した次の記事が参考になります。

小規模プラン・一括送信・従量と定額の見極め

有料プランに移る段階でも、コストを抑える余地があります。

  • 小規模プランから始める:低価格の小規模向けプランで始め、利用が増えてから上位プランへ移ると、初期のコストを抑えられます。
  • 従量課金型と定額型を使い分ける:契約件数が少ないうちは送信料だけで済む従量課金型、件数が増えてきたら送信料が定額に含まれるプランへ切り替えると、総額を抑えやすくなります。
  • オプションを必要な分だけ使う:当事者型の電子証明書やSMS認証などのオプションは、契約の重要度に応じて必要なものだけを選ぶと、無駄な費用を避けられます。

費用で選ぶ電子契約システム

ここからは、費用面で特徴のある電子契約システムを個別に紹介します。料金体系や無料枠の考え方はサービスごとに異なるため、自社の契約件数や使い方に合うものを選ぶ参考にしてください。各社の詳しい比較や機能面での選び方は、関連記事もあわせて確認すると判断しやすくなります。

料金だけでなく、機能・サポートやタイプ別の選び方まで含めて自社に合う一社を見極めたい場合は、電子契約システム全体を比較した次の記事が役立ちます。

1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサインのウェブサイト

弁護士ドットコム株式会社が運営する立会人型の電子契約サービスです。送信ボタン1回を1件として数えるシンプルな料金体系で、相手方はアカウント登録なしにメールのURLから署名できます。

月2件まで送信できるフリープランがあり、小さく試せます。有料プランは最小のLightが月額11,000円(税抜)で、送信料は1件220円(税抜)です。まずは無料で使い勝手を確かめ、件数が増えてきたら有料プランへ移行する流れが取りやすいサービスです。

2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

電子印鑑GMOサインのウェブサイト

立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の両方に対応し、1つのサービスで契約の重要度に応じて署名方式を使い分けられるのが特徴です。両方式を組み合わせたハイブリッド署名も利用できます。

お試しフリープランは月5件まで送信でき、有料のライトプランは月額8,800円(税込9,680円)からです。送信料は契約印タイプが1件100円、実印タイプが1件300円(いずれも税抜)で、立会人型を中心に使えば送信コストを抑えやすい構成になっています。

3. マネーフォワード クラウド契約(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド契約のウェブサイト

会計・請求書・経費など、バックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」の一つとして提供される電子契約・契約書管理サービスです。同社の他サービスと同一のアカウント・プラン体系で利用でき、バックオフィス業務を一体で効率化したい企業に向いています。

料金面では、契約書の送信料・保管料が0円で、送信件数や保管件数による従量課金や上限設定がない点が特徴です。電子契約から始める場合のプランは法人向けで月額2,480円から(税抜)利用できます。契約件数が多く、送信料の積み上がりを避けたい企業に向いた料金体系です。

4. WAN-Sign(株式会社NXワンビシアーカイブズ)

WAN-Signのウェブサイト

文書保管・文書管理を本業とする株式会社NXワンビシアーカイブズが提供するサービスで、立会人型(認印版)と当事者型(実印版)の両方に対応します。電子契約だけでなく、紙の契約書も含めた一元管理を得意としています。

初期費用・月額基本料が0円の基本プランに主要機能が標準搭載され、送信した分だけ費用がかかる従量課金型です。立会人型(認印版)は月10件まで無料で、超過分は1件100円、当事者型(実印版)は月3件まで無料で超過分は1件300円(いずれも税抜)。固定費をかけずに始めたい企業に向いています。

5. 契約大臣(株式会社TeraDox)

契約大臣のウェブサイト

株式会社TeraDoxが提供する、立会人型を基本とした電子契約システムです。契約書の作成・送付・締結・保管をクラウド上で完結でき、中小企業・個人事業主・スタートアップ向けに低価格帯のプランをそろえています。

累計2件まで送れるフリープランがあり、締結した契約書は無料で保管されます。低価格でスモールスタートしやすく、まず電子契約を小さく導入してみたい企業に向いています。全プランでタイムスタンプが付与される点も安心材料です。

まとめ

電子契約システムの費用は、初期費用・月額基本料・送信料・オプションで構成され、立会人型か当事者型かという署名方式によっても変わります。月額基本料の安さだけでなく、自社の月間契約件数を前提に、送信料まで含めた総額で比べることが選定のポイントです。

紙の契約をやめれば、印紙税・郵送費・印刷費・保管費・人件費を削減でき、契約件数が多い企業ほど導入費用を上回る効果が見込めます。まずは無料枠のあるサービスで使い勝手を確かめ、件数の伸びに合わせて料金体系を見直していくとよいでしょう。各サービスの最新の料金や資料は、まとめて取り寄せて比較してください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 電子契約システムの費用相場はいくらですか?

A. 電子契約システムの費用相場は、初期費用0円・月額基本料が無料〜1万円前後・契約1件あたりの送信料が100〜300円程度が目安です。

初期費用は0円と明示するサービスがある一方、公式サイトで公開していないサービスもあります。月額基本料は無料から数千円で始められる小規模向けプランと、1万円前後の標準プランが中心で、高機能なプランでは数万円に達します。

送信料は立会人型で1件100〜300円程度に収まるサービスが多く、定額に含めて追加料金を取らないサービスもあります。自社の月間契約件数を前提に、基本料と送信料を合わせた総額で見積もることが大切です。

Q. 電子契約システムの導入に初期費用はかかりますか?

A. 電子契約システムの初期費用は、0円と明示するサービスがある一方、公式サイトで公開せず「要問い合わせ」としているサービスもあります。

WAN-Signやベクターサイン、契約大臣なども初期費用を無料としており、導入時の初回だけ発生する費用をかけずに始められます。ただし、エンタープライズ向けの個別導入や一部のオプションでは別途初期費用がかかる場合があるため、見積もり時に確認してください。

Q. 電子契約システムは無料で使えますか?

A. 電子契約システムは、月数件までなら無料枠・無料プランで使えるサービスがあります。

たとえばクラウドサインのフリープランは月2件まで(毎月リセット)、電子印鑑GMOサインのお試しフリープランは月5件まで、契約大臣のフリープランは累計2件まで送信できます。

ただし「無料」の中身はサービスによって異なり、マネーフォワード クラウド契約の「無料」プランのように閲覧・ダウンロードが中心で送信(締結)ができないケースもあります。送信できる無料枠なのか、受信・保管だけの無料なのかを見分けてください。

Q. 電子契約システムの費用は取引先(相手方)にもかかりますか?

A. 電子契約システムの費用が取引先にかかるかは署名方式によって決まり、立会人型なら取引先の費用負担はなく、当事者型では取引先も電子証明書の取得費用を負担します。

立会人型なら取引先はアカウント登録なしでメールのURLから署名でき、費用もかかりません。取引先に負担をかけたくない場合は立会人型に対応したサービスを選ぶとよいでしょう(詳しくは本文「電子契約の費用は相手方(取引先)にもかかる?」を参照)。

Q. 電子契約システムの費用を抑えるにはどうすればよいですか?

A. 電子契約システムの費用は、無料枠の活用・小規模プランからの開始・従量課金型と定額型の使い分け・オプションの絞り込みで抑えられます。

契約件数が少ないうちは無料枠や低価格の小規模プランで固定費を抑え、利用が増えてから上位プランへ移ると初期のコストを抑えられます。当事者型の電子証明書やSMS認証などのオプションは、契約の重要度に応じて必要なものだけを選ぶと無駄な費用を避けられます。月額基本料の安さだけで選ぶと送信料やオプションが積み重なって想定より高くなることがあるため、総額で判断してください。

Q. 費用で選ぶなら従量課金型と定額型のどちらがよいですか?

A. 電子契約システムを費用で選ぶなら、月間の契約件数が少ないうちは月額基本料0円の従量課金型、件数が増えたら送信料が定額に含まれるプランのほうが総額を抑えやすいです。

費用の目安は「月額基本料+送信料×月間の契約件数」で見積もれます。件数が少ないうちは送信料だけで済む従量課金型が割安ですが、件数が増えると送信料の比重が大きくなり、送信料が定額に含まれるプランのほうが安くなる場面が出てきます。自社の契約件数が今後どう増えるかも見込んで料金体系を選ぶとよいでしょう。

Q. 電子契約にすると印紙税は本当に不要になりますか?

A. 電子契約は、契約書を電子データで作成し紙の現物を交付しない限り、印紙税がかかりません。

国税庁(福岡国税局)の文書回答事例は、注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信する場合、現物の交付がなされない以上、課税文書を作成したことにはならず印紙税の課税原因は発生しないとしています。

ただし、電子メールで送信したあとに契約書の現物を別途相手方に交付した場合は課税文書の作成に該当し、現物の契約書に印紙税が課されます。印紙税が不要になるのは、あくまで紙の現物を交付しない場合である点に留意してください。また、これは国税局が個別の照会に回答した見解であり、法令そのものではありません。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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