「ERPを導入したいが、まずは費用をかけずに試したい」。そう考えて「無料で使えるERP」を探し始めると、オープンソース、無料トライアル、無料プランといった言葉が入り混じり、どれが本当に無料で使い続けられるのかが見えにくくなります。ライセンス費がゼロでも、サーバーや構築、保守にお金がかかるケースも少なくありません。
無料で使えるERPには、どんな選択肢があり、それぞれ何がどこまで無料なのでしょうか。そして、ライセンス以外にかかる費用はどのくらいで、自社の体制で現実に使い続けられるのはどれなのでしょうか。
本記事では、無料で使えるERP12サービスを「無料になる仕組み」ごとに比較・解説します。何がどこまで無料かという違いに加えて、ライセンス以外にかかる費用の目安や、日本の会計・インボイス制度・電子帳簿保存法への対応、導入・運用に必要な技術スキルまで整理しました。費用を抑えてERPを導入・検討したい企業が、自社に合う一社を見極めるための材料としてご活用ください。
また、自社の体制や予算に合った無料の始め方を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
一括ダウンロードする
本記事の対象範囲(無料で使えるERPに絞って比べる)
本記事は、費用をかけずに導入・検討したい企業に向けて、「無料で使えるERP」に絞って比較します。具体的には、ライセンス費ゼロで使えるオープンソースERP、有料のクラウドERPを一定期間ためせる無料トライアル・デモ、そして小規模なら期限なく使える無料プランの3つを対象とします。
有料プランも含めてERP全体を機能や料金で広く比べたい場合は、無料という条件を外した比較が向いています。その場合は、ERPを企業規模・提供形態・費用の観点で幅広く比較した次の記事が、選択肢を俯瞰するのに役立ちます。
無料で使えるERPとは?無料になる3つの仕組み
ここからは、「無料で使えるERP」と一口に言っても仕組みが異なることを整理します。無料になる理由はおおむね3つに分かれ、どれを選ぶかで「どこまで無料か」「誰が運用を担うか」が大きく変わります。
オープンソースERP(自分で立てて無料で使う)
ソースコードが公開され、ソフトウェアのライセンス費をかけずに全機能を使えるタイプです。会計・販売・在庫・購買などの基幹業務を1つの基盤に統合できる点は有料ERPと変わりませんが、自社のサーバーやクラウド上に構築し、設定・カスタマイズ・保守を自前(または外部委託)で担うことが前提になります。
「無料で使い続けられる」という意味では、この仕組みが中心です。一方で、動かすための技術力や運用体制が必要になり、ライセンス以外の費用(後述)が発生します。
クラウドERPの無料トライアル・デモ
製品そのものは有料のクラウドサービス(SaaS)ですが、一定期間の無料トライアルやデモで、実際の業務に使えるかを費用をかけずに確かめられるタイプです。トライアル期間は製品によって1か月前後から60日程度まで幅があり、本番利用は有料の契約に移行します。
自社でサーバーを用意する必要がなく、日本の会計・インボイス制度・電子帳簿保存法への対応や保守はベンダーが担うため、技術力に不安がある場合でも始めやすいのが特徴です。「恒久的に無料で使う」のではなく、「無料で試してから有料で使う」ための無料である点には注意が必要です。
無料プラン・フリーミアム(小さく恒久的に使う)
使える機能やユーザー数を絞った範囲で、期限なく無料で使えるプランです。利用が広がると有料プランへ移る設計になっており、全機能を備えたERPを恒久的に無料で提供する例は多くありません。小さく使い始めて、必要に応じて有料へ広げたい場合の入口になります。
なぜ無料で使えるのか(それぞれの仕組みの裏側)
オープンソースERPが無料なのは、ソフトウェアがオープンソースライセンスのもとで公開されているためです。ただしライセンスの種類によって、商用利用や改変したコードの扱いが異なります。
たとえば Apache License 2.0 は、商用利用・改変・再配布を無償で認め、改変したソースコードを公開する義務はありません。
一方、GPL(GNU General Public License)はコピーレフト型で、料金の有無にかかわらず使えますが、プログラムを第三者に配布する場合は改変部分を含めて同じ条件でソースコードを提供する必要があります。
このソースコードの公開義務は「配布したとき」に生じるものです。自社のサーバーに立てて社内で使うだけであれば配布には当たらず、改変しても公開義務は原則として生じません。自社利用が前提のERPでは、過度に身構える必要はないと理解しておくと判断しやすくなります。
You may charge any price or no price for each copy that you convey.(あなたは、頒布する各複製物について、任意の価格を課しても、無償としてもよい)
出典:GNU General Public License version 3, Section 4|Open Source Initiative
クラウドERPの無料トライアルや無料プランが無料なのは、製品を体験してもらい、本番の有料契約や上位プランへの移行につなげるためです。したがって、トライアルの期間や無料プランで使える範囲には制限があり、「どこまで無料か」を申込み前に確認することが重要になります。
出典・参考資料(3件)
- 参考資料:Apache License, Version 2.0|The Apache Software Foundation(https://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0)
- 参考資料:GNU General Public License version 3|Open Source Initiative(https://opensource.org/license/gpl-3-0)
- 参考資料:GNU Lesser General Public License version 3|Open Source Initiative(https://opensource.org/license/lgpl-3-0)
3つの仕組みの違いを、無料の範囲・費用・日本対応・必要な技術スキル・向いている企業の観点で整理すると、次のようになります。
| 無料の仕組み | 何がどこまで無料か | ライセンス以外にかかる費用 | 日本の会計・インボイス対応 | 必要な技術スキル | 向いている企業 |
|---|---|---|---|---|---|
| オープンソースERP(自己ホスト) | ソフトウェアのライセンス費が無料。全機能を使える製品が多い | サーバー・構築・カスタマイズ・保守・人件費が発生 | 海外製は標準対応が弱く、カスタマイズや追加モジュールが必要な場合がある | サーバー構築・保守の技術力が必要(または外部委託) | 社内に技術者がいて、自由にカスタマイズしたい企業 |
| クラウドERPの無料トライアル・デモ | 一定期間(1か月〜60日程度)の試用が無料。期間後は有料 | 本番は月額利用料。初期の導入支援費がかかる場合あり | 国産クラウドはインボイス・電子帳簿保存法に対応する製品が多い | 基本的に不要(ベンダーが運用) | 技術者を抱えず、日本の実務にすぐ使える製品を選びたい企業 |
| 無料プラン・フリーミアム | 機能・ユーザー数を絞った範囲で期限なく無料。広げると有料 | 有料プラン移行時に月額利用料 | 製品により異なる(要確認) | 基本的に不要 | 小規模に始めて段階的に広げたい企業 |
※上記は各仕組みの一般的な傾向です。個別の製品における無料の範囲・対応状況は各社情報をご確認ください。
一括ダウンロードする
無料で使えるERP12サービスの比較表
ここからは、無料で使えるERP12サービスを1つの表で横断的に比較します。無料になる仕組み、何がどこまで無料か、ライセンス以外にかかる費用、日本の会計・インボイス制度への対応、必要な技術スキル、サポート体制を並べ、自社の体制で現実に使える製品を見極められるようにしました。
先に全体像をお伝えすると、ERPを技術者なしで恒久的に無料のまま使い続けられる選択肢は多くありません。費用をかけずに続けるならオープンソースを自社で運用する道が中心となり、運用の手間を避けたい場合は無料トライアルで試してから有料版へ進むのが現実的です。表の「無料の仕組み」列で、自社に合うタイプを見分けられます。
「日本の会計・インボイス対応」列の記号は、◎が認証取得など標準で手厚く対応、●が標準で対応(一部は要確認)、△が標準対応はなくカスタマイズや追加対応が必要、を表します。
| サービス名 | Odoo(Community / One App Free) | Odoo導入・開発・業務統合支援(マルウェブ) | ERPNext | iDempiere | Apache OFBiz | Dolibarr | ERP5 | クラウドERP ZAC | クラウドERP GEN | SmileWorks | キャムマックス | Microsoft Dynamics 365 Business Central | GRANDIT miraimil |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 無料の仕組み | オープンソース+無料プラン | 導入支援は有償(Odoo本体の無料枠を活用) | オープンソース | オープンソース | オープンソース | オープンソース | オープンソース | 無料相談・製品デモ | 無料トライアル・デモ | 無料期間(申込月の翌月末まで) | 無料トライアル(60日間) | 無料トライアル(30日間) | 無料トライアル(1か月) |
| 何がどこまで無料か | Community版(LGPLv3)はライセンスが無料(Enterprise版は商用ライセンス)。Odoo Onlineは1アプリ・ユーザー無制限が恒久無料(One App Free) | Odoo本体のOne App Free・無料トライアルは無料。日本語の導入支援自体は有償 | セルフホストはライセンス無料(全機能)。公式SaaS「Frappe Cloud」は14日間の無料トライアル | GPL-2.0でライセンス無料(全機能)。OS・DBも無償構成で揃えられる | Apache-2.0でライセンス無料(全機能)。改変ソースの公開義務なし | セルフホストはライセンス無料。クラウド版「DoliCloud」は30日以上の無料トライアル | GPLv3(広範な例外条項付き)で0ユーロ提供。日本語を含む6言語に対応 | 無料相談・製品デモで操作感を確認(無料トライアル・無料プランの公開記載なし) | 無料トライアル・ShowRoomデモあり(期間・利用範囲は公式に明記なし)。無料プランなし | 申込月の翌月末まで無料(公式表記「最大2ヶ月無料」)。無料プランなし。期間中のサポートはマニュアル・メール | 60日間の無料トライアルで標準機能すべてを確認可(公式FAQ)。無料プランなし | 30日間の無料試用(クレジットカード登録が必要)。無料プランなし | 1か月間の無料トライアル(商社・卸売/サービス業向けの環境)。無料プランなし |
| ライセンス以外にかかる費用 | セルフホストのサーバー・構築・保守費は自己負担。アプリを追加すると有料プラン(ユーザー数に応じた月額) | 導入支援費用は個別見積もり(規模により数十万〜数百万円が目安)。別途Odoo本体のライセンス月額 | セルフホストのサーバー費は自己負担。Frappe Cloudはリソース課金で月額US$5〜 | サーバー・構築・保守費は自己負担 | サーバー・構築・保守費は自己負担(SaaS提供なし) | サーバー費は自己負担。DoliCloudは月額1ユーザー14ユーロ〜(税別) | 導入プロジェクトは公式FAQで5万ユーロ〜。サーバー・構築費が別途 | 初期費用10万円+モジュール×ライセンス数の月額+保守6万円〜/月(単価は要お問い合わせ) | 初期費用は要お問い合わせ。基本料金20,000円+アカウント単価3,200〜4,300円/月(税別) | 販売ERPプランは月額5,000円〜/標準プランは初期30,000円+月額10,000円〜(税別) | 初期費用100,000円+月額基本70,000円+1ライセンス20,000円/月(税抜、最小構成の月額90,000円) | ユーザー月額Essentials 11,994円〜(年払い・税別)。導入費用はパートナー見積もり | 本番は月額45万円〜(利用者10名・月1万伝票等の条件)。初期費用は個別見積もり |
| 日本の会計・インボイス対応 | △標準対応の公式記載なし。ローカライズ・追加開発が前提 | △日本の商習慣に合わせた調整を支援(標準対応範囲は要相談) | △本体標準での対応は未確認。日本窓口ERPNext.JPが有償で対応 | ●配布版「JPiere」が消費税・適格請求書に対応 | △公式対応なし・要カスタマイズ | △日本語・公式対応なし・要開発 | △日本語UIあり。適格請求書・電帳法は要カスタマイズ | ●国産ERP。会計連携・請求/債権管理に対応(適格請求書は要確認) | ●インボイス制度に対応(適格請求書・軽減税率)。電帳法は公式記載なし | ◎インボイス対応。電帳法は会計機能がJIIMA認証を取得 | △会計ソフト連携あり。電帳法は電子請求書オプションで対応。インボイスは公式記載なし | △消費税・適格請求書・日本語画面はパートナーのローカライズアプリで対応 | ●インボイス・電帳法など法改正に対応(具体的範囲は導入時に確認) |
| 必要な技術スキル | セルフホストは要(Python/PostgreSQL)。Odoo Onlineは不要 | 不要(要件定義〜運用定着までベンダーが支援) | セルフホスト要(インストールスクリプトで構築) | セルフホスト要(ソースを改修できる技術力) | セルフホスト要 | セルフホスト要(PHP/MySQL、LAMPの基本操作) | セルフホスト要(専門性が高い) | 不要(クラウド、ベンダー運用) | 不要(クラウド、サーバー購入不要) | 不要(クラウド) | 不要(クラウド) | 不要(クラウド、導入はパートナー) | 不要(クラウド、導入は販売パートナー) |
| サポート | コミュニティ・公式メール(日本語対応は導入パートナー経由) | 日本語の有償支援(要件定義・カスタマイズ・運用定着) | コミュニティ+日本窓口ERPNext.JPの有償支援 | コミュニティ+JPiereを保守する国内事業者の有償支援 | コミュニティ中心(日本の導入事業者は公式に確認できず) | コミュニティ中心 | Nexedi(日本法人Nexedi KKあり)・コミュニティ | ベンダー(東証プライム上場のオロ)。日本語 | ベンダー(標準サポートGMSPを料金に含む)。日本語 | ベンダー(日本語)。無料期間中はマニュアル・メール | ベンダー(メール・ユーザーコミュニティ)。日本語 | ベンダー+導入パートナー(日本語) | ベンダー+販売パートナー(日本語)。法改正対応は保守に含む |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
※料金・無料範囲・日本の法制度対応は2026年10月時点の各社公式情報に基づきます。トライアルの期間・条件や最新の料金は各サービスの公式情報・資料でご確認ください。
無料で使えるERPの主なサービス(仕組み別に紹介)
ここからは、無料で使えるERPを仕組みごとに紹介します。各サービスの無料で使える範囲・特徴・日本の実務への対応・有料化の経路を取り上げます。
オープンソースERP(自分で立てて無料で使う)
ライセンス費をかけずに全機能を使えるオープンソースERPです。自社で構築・運用する体制があれば、恒久的に無料で使えます。
オープンソースERPに絞って、主要製品の日本語対応や費用、向き不向きまでじっくり見比べたい場合は、オープンソースERPだけを掘り下げた次の記事もあわせてご覧ください。
1. Odoo(Odoo S.A.)

ベルギーのOdoo S.A.が開発する、会計・販売・在庫・製造・CRMなどの業務アプリを組み合わせて使うオープンソースERPです。必要なアプリだけを選んで追加できる構成が特徴です。
ソースコードを公開するCommunity版(LGPLv3)は、自社のサーバーに構築すればライセンス料なしで使えます。クラウドのOdoo Onlineには、アプリを1つだけ・ユーザー数無制限で使える無料枠(One App Free)があり、アプリを追加すると有料プラン(ユーザー数に応じた月額)へ移行します。
日本の会計やインボイス制度への標準対応は公式には示されておらず、ローカライズや追加開発が前提になります。無料で始めた後の設定・カスタマイズや日本の商習慣への対応、運用までを任せたい場合は、Odooの導入・開発・業務統合を支援するサービスを利用する方法があります。
無料で始めた後にどの範囲から着手し、どう広げていくかは、導入支援の現場でも判断の分かれ目になります。Odooの導入支援を提供する株式会社マルウェブの若林氏は、スモールスタートと全社統合の使い分けについて次のように説明しています。
判断の軸は大きく2点です。一つは、お客様が今どの業務をどのように運用していて、Odooのアプリで言えばどの領域を使うことになるのか。もう一つは、予算と優先順位です。この2点は要件定義とフィット&ギャップ分析の段階でお伝えしながら整理していきます。たとえば「まずは販売と在庫と会計だけでスタートしましょう」という形で始めて、使い方に慣れてきたら会計やCRMを段階的に追加していく、といった進め方をご提案することもあります。カスタマイズがあまり必要でなければスモールスタートをお勧めしますし、業務が特殊な場合はカスタマイズに時間はかかりますが、そこはしっかり作り込んでいきましょうとご提案しています。
2. ERPNext(Frappe Technologies/日本窓口 ERPNext.JP)

Frappe Framework(Python・JavaScript・MariaDB)上に構築されたオープンソースのERPで、会計・購買・販売・在庫・製造・プロジェクトなどを1つの基盤で扱えます。開発元はインドのFrappe Technologiesです。
ライセンスはGPL-3.0で、インストールスクリプトで自前のサーバーに構築すればライセンス費用はかかりません(サーバー費は自己負担)。公式のSaaS「Frappe Cloud」は14日間の無料トライアルの後に有料となり、ユーザー数ではなくリソースに応じた課金で月額US$5〜です。
海外製のため、日本の会計やインボイス制度への対応は本体標準では確認できません。日本語での導入・保守は、Frappe公式とは資本関係のない独立系事業者ERPNext.JP(合同会社MY HATCH)が有償で提供しています。
3. iDempiere

Compiere、ADempiereの流れをくむJava製のオープンソースERPで、2011年にOSGiのプラグイン機構を取り入れて独立したプロジェクトです。ERPであると同時に、業務アプリの開発基盤としても使えます。
ライセンスはGPL-2.0で、ライセンス料は無料です。OSにLinux、データベースにPostgreSQLを選べば、周辺ソフトも含めて費用をかけずに構築できます。日本向けには、消費税や適格請求書に対応するプラグイン群を同梱した配布版「JPiere」が継続的に提供されています。
導入・運用には、ソースコードを読んで改修できる技術力が求められ、提供元は商用製品以上のスキルが必要になると説明しています。日本語での導入・保守は、JPiereをメンテナンスする国内事業者などが有償で支援しています。
4. Apache OFBiz(Apache Software Foundation)

Apache Software Foundationがトップレベルプロジェクトとして公開する、会計・在庫・製造・受注管理・ECなどを共通の基盤上で扱えるオープンソースの業務システムです。
ライセンスはApache License 2.0で、商用利用・改変・再配布が認められ、改変したソースコードを公開する義務がない点が、GPL系の他のオープンソースERPと異なります。ライセンス料は発生しません。
SaaS提供はなく、配布物を入手して自社で構築・運用します。プロジェクト自体の有償サポートや日本拠点の導入事業者、日本の会計・インボイス制度への標準対応は、公式には確認できません。
5. Dolibarr

必要な機能をモジュール単位で選んで有効化できる、オープンソースのERP/CRMです。2009年設立のDolibarr associationが開発を続けており、CRM・販売、在庫、財務・請求、プロジェクトなどのモジュールを備えます。
セルフホストで使う場合、ソフトウェア本体のライセンス料はかかりません。公式が案内するクラウド版「DoliCloud」は有料で、月額はBasicが1ユーザー14ユーロ、Premiumが30ユーロに1ユーザーあたり15ユーロを加えた額です(いずれも税別、2026年10月時点)。30日以上の無料トライアルがあります。
動作にはPHPとMySQLなどのデータベースが必要で、LAMP環境の基本操作ができれば導入できます。ただし国別機能や公式の対応言語に日本は含まれず、インボイス制度・電子帳簿保存法への標準対応は公式には確認できないため、日本の会計・帳票に合わせるには追加の開発が要る見込みです。
6. ERP5(Nexedi)

銀行や政府機関などのミッションクリティカルな用途での利用を掲げる、オープンソースERPです。開発元はフランスのNexediで、日本法人Nexedi KKもあります。
ソースコードはGitLabで公開され、Nexediは自社のソフトを原則GPLv3(広範な例外条項付き)のフリーソフトウェアとして0ユーロで提供しています。公式は英語・フランス語・日本語など6言語に対応し、日本語の画面や消費税率の対応を解説する記事もあります。
ただし、適格請求書や電子帳簿保存法への標準対応は公式に示されておらず、日本の制度に合わせるにはカスタマイズが前提になります。導入は専門性が高く、公式のFAQは導入プロジェクトの予算を5万ユーロ以上からと説明しています。
クラウドERPの無料トライアル・デモ(技術者がいなくても始めやすい)
サーバーの用意や保守をベンダーに任せられるクラウドERPです。無料トライアルやデモで使い勝手を確かめてから、有料の本番契約に進みます。日本の会計・インボイス制度・電子帳簿保存法への対応を標準で備える製品が多いのも特徴です。
7. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

案件やプロジェクト単位で業務が進むIT・システム開発、広告・クリエイティブ、コンサルティング・士業などの業種に向けた統合型クラウドERPです。株式会社オロ(東証プライム上場)が提供し、プロジェクト別の収支管理を軸に、販売・購買・勤怠や工数・経費・管理会計・内部統制を一元化します。
無料で使う観点では、恒久的な無料プランや期間を区切った無料トライアルは公開ページに記載がなく、無料相談・製品デモで操作感を確かめる形になります。料金は初期費用10万円に、利用する機能(モジュール)×ライセンス数に応じた月額と保守費用6万円〜が加わる構成で、モジュール別の単価は製品資料で開示されます。
公式サイトでは導入実績として1,100社超と案内されています(基準時点の記載はありません)。プロジェクト単位で原価を積み上げて案件損益を可視化する設計のため、物販・在庫中心の業務よりも、知的サービス業のプロジェクト採算管理に向いています。
8. クラウドERP GEN(GEN株式会社)

商社向けの GEN TRADING、メーカー向けの GEN PRODUCTS、アパレル向けの GEN WEAR など、業種別に用意されたラインナップから選んで使うクラウドERPです。GEN株式会社が提供し、見積・受注・売上・請求から在庫・購買・生産・原価までの基幹業務をカバーします。
恒久的な無料プランはなく、無料で試す経路は無料トライアルと、東京のShowRoomでの製品デモ・デモ動画です。トライアルの期間や利用範囲は公式ページに明記されていません。料金は基本料金20,000円にアカウント単価(製品ラインにより3,200〜4,300円、いずれも税別)を加えた月額で、標準サポートを含む料金例として商社向けで5アカウント43,125円が示されています。
商社・メーカー向けのページではインボイス制度への対応を掲げ、適格請求書の発行や軽減税率への対応を機能として備えます。一方、電子帳簿保存法への対応は確認したページには記載がありません。事業規模を問わず使えるとしつつ、業種別に作り分けた構成を備えます。
9. SmileWorks(株式会社スマイルワークス)

株式会社スマイルワークスが提供する、中小企業向けの統合型クラウドERPです。販売・仕入・在庫の管理に財務会計・給与計算・経費精算・勤怠・ワークフローを組み合わせ、各業務の入力が会計仕訳まで自動で連動する設計で、プロジェクト別の収支管理も主軸の一つに据えています。
無料で使える範囲は、恒久的な無料プランではなく申込月の翌月末までの無料期間(公式表記は「最大2ヶ月無料」)です。Web申込の当日から使え、期間内に解約を申し出なければ有料の本契約へ移行します。無料期間中のサポートはオンラインマニュアルとメールに限られます。
料金は、販売管理に絞った販売ERPプランが月額5,000円から、販売・会計・給与を機能単位で選べる標準プランが初期費用30,000円+月額10,000円〜(いずれも税別)です。インボイス制度に対応し、電子帳簿保存法では会計機能(会計ワークス)がJIIMAの電子帳簿ソフト法的要件認証を取得しています。
10. キャムマックス(株式会社キャム)

製造業・卸売業・小売業など有形商材を扱う中小企業に向けたクラウドERPで、株式会社キャムが提供します。販売・購買・在庫/倉庫・財務会計を1つのシステムで一元管理し、EC・卸・実店舗など複数チャネルの受注を集約して見積から入金までを扱えます。
無料で試せる範囲として、標準機能をすべて確認できる60日間の無料トライアルが公式FAQに明記されています。トライアル期間からサポートも利用でき、Zoomなどでのデモ・個別相談にも対応します。無料のまま継続利用できるプランは料金ページに記載がありません。
料金は初期費用100,000円(税抜・一律)に、月額基本料金70,000円と1ライセンス20,000円(税抜、5アカウント分)を加えた構成で、最小構成の月額は90,000円です。生産管理や各種Web-EDIは別料金のオプションになります。会計ソフトへの仕訳データ連携に対応し、電子帳簿保存法は電子請求書オプションで対応します。
11. Microsoft Dynamics 365 Business Central(日本マイクロソフト株式会社)

Microsoft が提供する、小中規模企業向けのクラウドERPです。日本では日本マイクロソフト株式会社と導入パートナーが窓口となり、財務管理・販売・購買・在庫・プロジェクト管理・製造を1つの製品で扱います。Power BI や Excel との連携を公式機能として備えます。
無料で試す経路は30日間の無料試用で、申込にはクレジットカードの登録が必要です。料金はユーザー単位の月額で、Essentials が11,994円、Premium が16,491円、Team Members が1,199円(いずれも年払い・税別)です。導入費用はパートナーの見積もりによります。
日本で利用するうえで確認したいのが、消費税や適格請求書への対応、日本語のアプリ画面は、Microsoft の標準機能だけでは不足し、パートナーが提供するローカライズアプリで補う点です。Microsoft 公式でも購入や導入はパートナーを通じて行う案内になっており、導入時には、どのパートナーのアプリで何に対応するのかを個別に確認する必要があります。
12. GRANDIT miraimil(GRANDIT株式会社)

国産の統合型ERP「GRANDIT」の業務知見を継いだ、中堅・中小企業向けのクラウドERP(SaaS)です。経理・債権・債務・販売・調達在庫・継続契約・プロジェクト原価・経費・資産管理・人事・給与の11業務を単一の共通マスタで連携させ、Webブラウザから利用します。
無料で使う観点では、恒久的な無料プランはなく、1か月間の無料トライアル(商社・卸売業とサービス業向けの環境)が用意されています。本番利用は有料で、公表されている月額は45万円から(利用者10名・月間1万伝票、財務管理と販売管理を使う想定条件)、初期費用は個別見積です。導入期間は3〜6か月とされています。
インボイス制度や電子帳簿保存法といった法制度の改正に迅速に対応すると公式に記載があり、運用面の法改正対応も保守・運用サポートに含みます。導入は販売パートナーを経由するため、適格請求書や電子帳簿保存法への具体的な対応範囲は導入時に確認するとよいでしょう。
無料でERPを使うメリット・デメリット
ここでは、無料でERPを使うことの便益と、見落としやすい注意点を一対で整理します。費用と日本対応は後の章で具体的に掘り下げるため、ここでは全体像をつかむことに絞ります。
無料でERPを使うメリット
最大のメリットは、ソフトウェアのライセンス費をかけずに基幹業務の統合を始められることです。まとまった初期投資の稟議を通さずに検証でき、導入のハードルが下がります。
オープンソースERPでは、ソースコードが公開されているため、自社の業務に合わせて自由にカスタマイズできる柔軟性も利点です。利用者のコミュニティが情報や拡張機能を公開していることも多く、課題解決の手がかりを得やすい面があります。クラウドERPの無料トライアルでは、実際のデータを入れて操作感や自社業務との相性を、費用をかけずに確かめられます。
無料でERPを使うデメリット・注意点
オープンソースERPでは、構築・運用・保守を自社で担うのが前提です。サーバーの設定、セキュリティのパッチ適用、バージョンアップの検証などを継続する必要があり、これらを担える技術者がいないと運用が滞ります。
サポートもコミュニティ頼みになりやすく、トラブル時に自社で原因を調べて解決する場面が増えます。日本語の情報が限られる海外製では、この負担がさらに大きくなります。クラウドERPの無料トライアルは、期間が限られ、試用中は一部機能が使えない場合もあるため、評価したい機能がトライアルの範囲に含まれるかを事前に確認することが欠かせません。
無料でも「ライセンス以外にかかる費用」
「ライセンスが無料=総額ゼロ」ではありません。とくにオープンソースERPを自社で運用する場合、ライセンス以外にいくつかの費用が発生します。無料で始めても結局いくらかかるのかを見積もるために、主な費目を整理します。

ライセンス以外にかかる費用は、おおむね次の費目に分かれます。金額は企業規模・要件・委託先によって幅が大きいため、以下はあくまで一般的な目安で、正確な額は各製品の見積もりでご確認ください。
- サーバー・クラウドの利用料:オープンソースERPを動かす基盤の費用。自社サーバーの増強費や、クラウド上に構築する場合の月額利用料が継続して発生します。小規模なら月数千円〜数万円程度から始まり、利用者数やデータ量が増えると月数万円以上になることもあります。
- 初期構築・カスタマイズ費:インストール、初期設定、自社業務に合わせた設定・改修の費用。社内の技術者が対応すれば人件費に収まりますが、外部ベンダーへ委託する場合は小規模でも数十万円から、要件が複雑だと数百万円規模になることも一般的です。
- 保守・運用費:障害対応、セキュリティのパッチ適用、バージョンアップの検証、データのバックアップなどを継続するための費用や人件費。月額または年額で継続して発生します。
- 日本の実務への対応費:海外製のオープンソースERPを、日本の会計・インボイス制度・電子帳簿保存法に合わせるためのカスタマイズや追加モジュール、連携サービスの費用。
たとえばオープンソースERPを外部ベンダーの支援で小規模に導入する場合、初期の構築・カスタマイズに数十万円規模、稼働後もサーバー代と保守で毎月の費用が続きます。これを1〜3年の総額でならすと、ライセンスが無料でも決して小さい金額ではありません。
社内に技術者がいない場合は、日本の実務対応やサポートを含めて月額料金で提供される有料のクラウドERP(比較表の月額を参照)のほうが、総額(総所有コスト)では見通しが立てやすく、結果的に安くつくケースもあります。無料という入口だけで判断せず、ライセンス以外の費用を含めた1〜3年の総額で見比べることが重要です。
日本の会計・インボイス制度・電子帳簿保存法への対応
日本でERPを使ううえで見落とせないのが、会計・税務の実務要件への対応です。無料という理由で対応が不十分な製品を選ぶと、後からカスタマイズ費がかさんだり、実務に使えなかったりします。確認すべき制度と、仕組みごとの傾向を整理します。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)
インボイス制度は、2023年(令和5年)10月1日に開始された、複数税率に対応した仕入税額控除の方式です。国税庁は適格請求書を次のように説明しています。
適格請求書とは、「売手が買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類するものをいいます。
出典:適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き(令和4年9月版)|国税庁
ERPや会計機能が「インボイス対応」とは、登録番号や税率ごとの区分記載、消費税額など、適格請求書の記載事項を満たす請求書を発行・保存できることを指します。買手が仕入税額控除を受けるには、原則として帳簿と適格請求書等の保存が要件になるため、受け取った請求書を要件どおりに保存できるかも確認しておくことが重要です。
電子帳簿保存法
電子帳簿保存法は、国税関係の帳簿・書類を電子データで保存する際のルールを定めた法律です。国税庁の一問一答では、制度が3つの区分で整理されています。
所得税(…)及び法人税の保存義務者がいわゆるEDI取引やインターネットを通じた取引等の電子取引を行った場合には、電子取引により授受した取引情報(注文書、領収書等に通常記載される事項)を電磁的記録により保存しなければなりません(法7)。
出典:電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】(令和3年7月)問1|国税庁
電子帳簿等保存とスキャナ保存は希望する企業向けの任意の制度ですが、メールやクラウドでやり取りした請求書・領収書などの電子取引データの保存は義務です。ERPが「電子帳簿保存法対応」とは、こうした要件、とくに電子取引データを法の求める形で保存できることを指します。
市販ソフトがこの要件を満たすかを日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が確認する「JIIMA認証」を取得した製品もあり、法令への適合を判断する目安になります。
出典・参考資料(3件)
- 出典:適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き(令和4年9月版)|国税庁(PDF)
- 出典:電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】(令和3年7月)問1|国税庁(PDF)
- 参考資料:JIIMA認証制度|公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(https://www.jiima.or.jp/certification/)
仕組みごとの傾向としては、海外製のオープンソースERPは日本の会計基準やインボイス・電子帳簿保存法への標準対応が弱く、カスタマイズや追加モジュール、連携サービスで補う必要が出やすい点に注意が必要です。
一方、国産のクラウドERPはインボイス・電子帳簿保存法への対応を標準で備える製品が多く、無料トライアルの段階から日本の実務に沿って試せるものがあります。各製品の具体的な対応状況は、上記の比較表で確認してください。
無料で使えるERPの選び方
ここからは、無料で使えるERPを自社に当てはめて選ぶための観点を解説します。無料という条件のもとでは、価格よりも「自社の体制で現実に使い続けられるか」が選定の分かれ目になります。
社内に構築・運用できる技術者がいるか
最初に確認したいのが、サーバー構築やカスタマイズ、保守を担える技術者が社内にいるかです。技術者がいて自由にカスタマイズしたいならオープンソースERPが選択肢になり、いなければ運用をベンダーに任せられるクラウドERPの無料トライアルから検討するほうが現実的です。ここで仕組みの方向性が決まるため、最初に見極めることが大切です。
日本の実務対応と総額で見合うか
仕組みの方向性が決まったら、日本の会計・インボイス制度・電子帳簿保存法への対応と、ライセンス以外を含めた総額の2点で絞り込むとよいでしょう。いずれも前の章のとおり、海外製のオープンソースERPは日本対応と運用コストで負担が増えやすく、国産クラウドは月額に実務対応が含まれます。
自社で必要な対応範囲を書き出し、オープンソースの「無料」とクラウドの月額を1〜3年の総所有コストで並べると、どちらが見合うかを判断できます。
想定する利用規模や業務範囲に合うか
利用するユーザー数や、会計・販売・在庫・購買など対象とする業務の範囲が、製品の無料範囲や想定規模に収まるかも確認しておきましょう。無料プランはユーザー数や取引件数に上限があることが多く、事業の成長に伴って有料へ移る前提で見ておくと、後の移行がスムーズです。
無料版と有料版の違い/有料版・導入支援を検討すべきケース
無料で始めても、事業が広がれば有料版や導入支援が視野に入ります。ここでは無料版と有料版の違いを押さえたうえで、有料への切り替えや専門家の支援を検討すべきケースを整理します。
無料版と有料版の違い(機能制限・サポート・セキュリティ)
クラウドERPの無料トライアルや無料プランと有料版の違いは、主に使える機能の範囲、サポートの手厚さ、セキュリティやコンプライアンス要件への対応に表れます。無料の範囲ではユーザー数や処理件数に上限があったり、電話・メールでのサポートが限られたりすることがあります。
オープンソースERPの場合は、ソフトウェア自体に有料版という区分はないことが多い一方、保守・サポートや日本対応を担う商用サービスが別途提供されていることがあります。無料のまま自社で運用を抱えるか、サポートを買うかという違いとして捉えると整理しやすくなります。
有料版・導入支援を検討すべきケース
次のような場合は、無料にこだわらず有料版や導入支援を検討するほうが、結果的にコストと時間を抑えられます。社内に構築・運用を担う技術者がいない、セキュリティやコンプライアンスの要件が厳しい、運用の人件費が無料のメリットを上回りそう、日本の会計・インボイス制度への対応を確実にしたい、といったケースです。
無料にこだわらずERPを本格的に選ぶ段階に入ったら、導入を判断する観点、必要な機能の整理、クラウドとオンプレミスの違い、導入の手順や避けたい失敗までを体系的に押さえておくと、選定の抜け漏れを防げます。
とくにオープンソースERPを自社の業務に合わせて使いたいものの運用体制に不安がある場合は、導入・開発・運用を支援するサービスを利用する方法があります。無料で始めつつ、必要な部分だけ専門家に任せることで、自由度とコストのバランスを取れます。自社の課題に合うサービスの資料は、記事内の比較表やサービス紹介から請求できます。
まとめ
無料で使えるERPには、オープンソース、クラウドの無料トライアル・デモ、無料プランの3つの仕組みがあり、「何がどこまで無料か」「誰が運用を担うか」が大きく異なります。
オープンソースERPはライセンス費をかけずに恒久的に使えますが、サーバー・構築・保守・日本対応といったライセンス以外の費用と技術力が必要です。クラウドERPの無料トライアルは、技術者がいなくても始めやすく、日本の実務にすぐ使える製品が多い一方、本番は有料になります。
選ぶときは、無料という入口だけでなく、社内の技術者の有無・日本の会計/インボイス対応・ライセンス以外を含めた総額・利用規模の4点で、自社の体制に合うものを見極めることが大切です。自社に合う一社を効率的に探すなら、記事内の比較表や選定診断ツール、各サービスの資料をあわせてご活用ください。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. 無料で使えるERPとは何ですか?
A. 無料で使えるERPとは、ソフトウェアのライセンス費をかけずに導入・利用できるERP(統合基幹業務システム)の総称です。
無料になる仕組みは、ソースコードが公開され自社サーバーに構築して使うオープンソースERP、有料のクラウドERPを一定期間ためせる無料トライアル・デモ、小規模なら期限なく使える無料プラン・フリーミアムの3つに大きく分かれます。どれを選ぶかで「どこまで無料か」「誰が運用を担うか」が変わります。
Q. 無料で使えるERPは、本当に無料で使い続けられますか?
A. 無料で使えるERPは、ソフトウェアのライセンス費が無料でも、サーバー・構築・カスタマイズ・保守・人件費といったライセンス以外の費用が別にかかります。
とくにオープンソースERPを自社で運用する場合は、これらを担う技術者や委託先の費用が継続して発生します。無料という入口だけで判断せず、1〜3年の総額(総所有コスト)で見比べることが大切です。社内に技術者がいない企業では、日本の実務対応や保守を含めて月額で提供される有料のクラウドERPのほうが、結果的に安くつくケースもあります。
Q. オープンソースERPを改変すると、ソースコードを公開する義務がありますか?
A. オープンソースERPの改変コードを公開する義務は、そのソフトを第三者に配布したときに生じるもので、自社サーバーに立てて社内で使うだけなら原則として公開義務は生じません。
GPLなどのコピーレフト型ライセンスは、改変版を第三者へ配布(convey)する場合に同じ条件でソースコードを提供する必要がありますが、社内利用はこの配布には当たりません。また、Apache OFBizが採用するApache License 2.0のように、改変したソースコードの公開義務がないライセンスもあります。自社利用が前提のERPでは、過度に身構える必要はありません。
出典・参考資料(2件)
- 参考資料:Apache License, Version 2.0|The Apache Software Foundation(https://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0)
- 参考資料:GNU General Public License version 3|Open Source Initiative(https://opensource.org/license/gpl-3-0)
Q. 無料で使えるERPは、日本の会計・インボイス制度・電子帳簿保存法に対応できますか?
A. 無料で使えるERPの日本対応は製品によって大きく異なり、国産のクラウドERPは標準で対応する製品が多い一方、海外製のオープンソースERPは標準対応が弱く、カスタマイズや追加モジュールが前提になりやすいです。
インボイス制度では、適格請求書の記載事項(登録番号・税率ごとの区分記載・消費税額など)を満たす請求書を発行・保存できるかを確認しておきましょう。電子帳簿保存法では、メールやクラウドでやり取りした請求書・領収書などの電子取引データを要件どおりに保存できるかが要点です。市販ソフトがこれらの要件を満たすかを判断する目安として、JIIMA認証の取得状況も参考になります。
出典・参考資料(3件)
- 出典:適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き(令和4年9月版)|国税庁(PDF)
- 出典:電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】(令和3年7月)問1|国税庁(PDF)
- 参考資料:JIIMA認証制度|公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(https://www.jiima.or.jp/certification/)
Q. 社内に技術者がいなくても、無料のERPは使えますか?
A. 社内に技術者がいない場合は、運用をベンダーに任せられるクラウドERPの無料トライアル・デモから検討するのが現実的です。
オープンソースERPは、サーバーの構築・設定、セキュリティのパッチ適用、バージョンアップの検証などを自前で担うのが前提で、これらを担える人材がいないと運用が滞ります。どうしてもオープンソースERPを使いたい場合は、導入・開発・運用を支援する有償サービスを利用し、必要な部分だけ専門家に任せる方法もあります。
Q. 無料トライアルと無料プランは何が違いますか?
A. 無料トライアルは一定期間だけ有料製品をためせる「お試し」で、期間が終わると有料契約に移行するのに対し、無料プランは機能やユーザー数を絞った範囲で期限なく無料で使い続けられる点が違います。
無料トライアルは全機能を試せることが多い反面、期間(製品により1か月〜60日程度)が過ぎると使えなくなります。無料プランは恒久的に使えますが、利用が広がると有料へ移る設計で、ERPの全機能を無料プランのまま恒久提供する例は多くありません。恒久的に無料で使い続けたい場合は、オープンソースERPを自社で構築する方法が中心になります。
Q. 無料で使えるERPは中小企業でも導入できますか?
A. 無料で使えるERPは中小企業でも導入でき、初期費用を抑えて基幹業務の統合を始めたい中小企業に向いた選択肢です。
ただし、オープンソースERPは構築・運用を担う体制が必要なため、専任の情報システム担当がいない企業では、クラウドERPの無料トライアルや、機能を絞った無料プランから小さく始めるほうが無理がありません。自社の技術者の有無と利用規模に合わせて、無料になる仕組みを選ぶことが大切です。
無料で使えるERPの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、無料トライアルや資料請求に対応したERP・基幹システムの最新資料を無料で一括請求できます。無料の範囲・料金・日本の会計やインボイス制度への対応を比べて、自社に合う一社を効率的に選べます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















