請求書をPDFでメール送信したり、クラウドサービスで発行したりする機会が増えるなかで、「このデータは電子帳簿保存法のルールどおりに保存できているのか」と不安を感じていませんか。2024年1月以降、電子でやり取りした請求書などの取引データは、紙に出力するだけの保存では原則として認められなくなりました。
電子帳簿保存法への対応は、請求書を受け取る側だけの話ではありません。請求書を作成・発行して相手に送る側にも、送ったデータを要件に沿って保存する義務があります。そのため、請求書作成ツールを選ぶときは、作成・発行のしやすさだけでなく、発行したデータを電子帳簿保存法の要件を満たす形で保存できるかどうかが判断材料になります。
本記事では、電子帳簿保存法に対応した請求書作成ツール19サービスを、対応する保存区分の範囲・JIIMA認証の有無・インボイス制度対応・料金・会計ソフト連携の観点で比較します。
どの保存区分に対応すれば自社の請求書発行が電子帳簿保存法を満たせるのかを整理し、作成・発行に軸足を置いて各ツールの対応範囲を横並びで比べられます。請求書を発行する側が、自社の運用に合うツールを選ぶ材料としてご活用ください。
電子帳簿保存法に対応した請求書作成ツール19製品を、作成・発行に電子保存が一体化した型、発行から入金消込・請求管理まで自動化する型、発行・受領・保存を連携でカバーする型の3タイプに分けて整理します。
また、自社の業務に合うタイプを短時間で絞り込めるよう、かんたん診断ツールも用意しています。こちらもあわせてご利用ください。
目次
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電子帳簿保存法と請求書(3つの保存区分と2024年1月の義務化)
ツールを比べる前に、電子帳簿保存法(電帳法)が請求書の保存に何を求めているかを押さえておきます。ここを理解しておくと、各ツールの「電帳法対応」という表記が自社の業務のどこに効くのかを判断できます。
電子帳簿保存法は、国税関係の帳簿や書類を電子データで保存するためのルールを定めた法律です。国税庁の資料では、電子データによる保存を大きく次の3つの区分に分けて整理しています。
電磁的記録による保存は、大きく右の3種類に区分されています。
出典:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました(令和3年5月)」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf)
①電子帳簿等保存(電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存)
②スキャナ保存(紙で受領・作成した書類を画像データで保存)
③電子取引(電子的に授受した取引情報をデータで保存)
このうち、①電子帳簿等保存と②スキャナ保存は任意の制度です。自社の判断で電子保存に切り替えられますが、法律で義務付けられているわけではありません。一方、③電子取引のデータ保存は義務です。電子でやり取りした取引情報は、電子データのまま要件に沿って保存する必要があります。請求書作成ツールを選ぶうえで最初に意識すべきは、この③電子取引への対応です。
3つの保存区分と、任意・義務の区別を整理すると次のとおりです。

電子取引データ保存とスキャナ保存の違い(発行した請求書はどの区分か)
請求書を発行する側にとって中心になるのは、③電子取引データ保存です。国税庁は、電子でやり取りした請求書などの保存義務について次のように示しています。
申告所得税・法人税に関して帳簿・書類を保存する義務のある方が、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合には、その電子データ(電子取引データ)を保存しなければなりません。
出典:国税庁「電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください【令和6年1月以降用】」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf)
受け取った場合だけでなく、送った場合にも保存する必要があります。
請求書をPDFにしてメールで送ったり、クラウドサービス上で発行して相手に渡したりすると、そのデータは電子取引データにあたります。送った側にも保存義務があるため、発行した請求書を要件どおりに保存できる仕組みが必要です。多くのツールが掲げる「電帳法対応」は、まずこの電子取引データ保存に対応しているかどうかを指しています。
一方、②スキャナ保存は、紙で受け取った請求書や領収書をスキャンして画像データで保存する区分です。請求書を発行する側というより、取引先から紙で受け取った書類を電子化したい場合に関わります。発行がメインの業務であれば、まずは電子取引データ保存への対応を優先し、受領した紙書類も電子化したい場合にスキャナ保存対応を検討するという順序で考えると整理しやすくなります。
取引先から受け取った紙の請求書もスキャンして保存したい場合は、スキャナ保存に求められる解像度やタイムスタンプ、紙の原本を廃棄できる条件を次の記事で確認できます。
JIIMA認証とは(電子取引ソフト法的要件認証・電子書類ソフト認証の見方)
ツールの公式サイトでよく見かける「JIIMA認証」は、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が、市販ソフトウェアが電子帳簿保存法の要件を満たしているかを確認して認証する制度です。自社で要件への適合を一つずつ確かめなくても、認証を受けたソフトであれば法的要件を満たす機能を備えていると判断しやすくなります。
JIIMA認証にはいくつかの区分があり、請求書を発行する側にとって特に関わりが深いのは次の2つです。
(電子取引ソフト法的要件認証)国税関係書類をコンピュータで作成し電子的にやり取りする場合の当該取引情報の保存を行う市販ソフトウェア及びソフトウェアサービスが、改正電子帳簿保存法第7条の要件を満たしているかをチェックし、法的要件を満足していると判断したものを認証するものです。
出典:公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)「JIIMA認証制度」(https://www.jiima.or.jp/certification/)
(電子書類ソフト法的要件認証)国税関係書類をコンピュータで作成し紙で発行する場合の控え等を、電子データで保存を行う市販ソフトウェア及びソフトウェアサービスが電子帳簿保存法第4条第2項の要件を満たしているかをチェックし、法的要件を満足していると判断したものを認証するものです。
電子取引ソフト法的要件認証は、請求書をコンピュータで作成して電子的に送った取引情報の保存が対象で、発行側の電子取引データ保存に直結します。電子書類ソフト法的要件認証は、請求書を紙で発行し、その控えを電子データで保存する場合に関わります。
これに対してスキャナ保存ソフト認証は、受け取った紙書類をスキャンして保存する場面が対象のため、発行が中心の業務では必須ではありません。各ツールがどの区分で認証を受けているかを見ると、自社の使い方に対応しているかを判断できます。
JIIMAは2025年度(令和7年度)の電子帳簿保存法改正に合わせて、請求書などのデジタルデータを自動で保存し帳簿へ連携する仕組みを対象とする「デジタルシームレスソフト法的要件認証」も新設しました。
新しい区分のため取得している製品はまだ限られますが、発行から会計連携までを自動化するツールを検討する場合は、今後この認証の有無も選定材料になります。各製品の認証状況はJIIMAの認証製品一覧で確認できます。
JIIMA認証の区分ごとの違いや、気になる製品が認証を受けているかを調べる方法は、次の記事でより詳しく整理しています。
インボイス制度(適格請求書)と電帳法を同時に満たす
請求書を発行する側では、電子帳簿保存法とあわせてインボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応も必要になります。両者は別の制度で、電子帳簿保存法が「どう保存するか」を定めるのに対し、インボイス制度は請求書に「何を記載するか」を定めます。適格請求書として交付する側が記載すべき事項は、国税庁が次のように示しています。
①書類作成者の氏名または名称および登録番号
出典:国税庁「No.6625 請求書等の記載事項(適格請求書等保存方式)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm)
②取引年月日
③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④税率ごとに区分して合計した税込対価(又は税抜対価)の額及び適用税率
⑤税率ごとに区分した消費税額等
⑥書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
登録番号や、税率ごとに区分した適用税率・消費税額などが、従来の区分記載請求書からの追加点です。多くの請求書作成ツールはこれらの記載項目に標準で対応していますが、発行した適格請求書を電子データで送る場合は、その保存が電子帳簿保存法の要件を満たしている必要があります。記載要件(インボイス制度)と保存要件(電子帳簿保存法)は別の論点として、どちらも満たせるかを確認しておきましょう。
電子帳簿保存法に対応した請求書作成ツールの選び方
ここからは、電帳法対応の請求書作成ツールを選ぶときに確認したい観点を整理します。自社の業務に当てはめながら、どの条件を優先するかを考える材料にしてください。
対応する保存区分の範囲で選んでいるか
発行がメインであれば、まず電子取引データ保存に対応しているかを確認しましょう。電子取引データを保存する際は、改ざんを防ぐための真実性の確保が求められますが、これはタイムスタンプが必須というわけではありません。国税庁は、真実性を確保する措置として次のいずれか1つを満たせばよいとしています。
一 タイムスタンプが付された後の授受
出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」問9(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07denshi/02.htm)
二 授受後遅滞なくタイムスタンプを付す
三 データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用
四 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け
データの訂正・削除の履歴が残るシステムや、訂正削除ができないシステムを使っていれば、タイムスタンプがなくても真実性の要件を満たせます。ツールを選ぶ際は、タイムスタンプ付与機能の有無だけでなく、訂正削除の履歴が残る保存の仕組みを備えているかもあわせて確認すると選択肢が広がります。
受領した紙の請求書もスキャンして保存したい場合は、スキャナ保存への対応も必要になるため、自社が扱う書類の範囲に合わせて対応区分を見極めましょう。
タイムスタンプを使わずに真実性の要件を満たす方法(訂正削除の履歴が残るシステムの利用や事務処理規程の備付け)の具体的な条件は、次の記事で条文にもとづいて確認できます。
「日付・金額・取引先」で検索できる保存機能があるか
電子取引データ保存では、保存したデータを後から検索できる状態にしておくことが求められます。国税庁は検索要件を次のように示しています。
「日付・金額・取引先」で検索できる必要があります。
出典:国税庁「電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください【令和6年1月以降用】」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf)
・日付または金額について、範囲を指定した検索ができる
・「日付・金額・取引先」のうち2つ以上の任意項目を組み合わせて検索できる
発行した請求書のデータを、取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索できるか、範囲指定や項目の組み合わせ検索ができるかを確認しましょう。こうした検索機能を備えたツールで保存すれば、自分で検索用のファイル名を付けたり索引を作ったりする手間を省けます。ファイルをフォルダに置くだけのストレージ保管では検索要件を満たしにくいため、保存機能として検索に対応しているかどうかが実務上の差になります。
JIIMA認証の有無・区分は自社の使い方に合っているか
要件への適合を一つずつ確認するのが難しい場合は、JIIMA認証の有無が目安になります。発行側であれば、電子取引ソフト法的要件認証や電子書類ソフト法的要件認証を取得しているかを確認しましょう。認証がないツールでも、訂正削除の履歴が残る保存や検索機能を備えていれば要件を満たせる場合はありますが、認証があるとその分の確認を省けます。自社が必要とする保存区分に対応した認証かどうかまで見ると、より確実です。
料金・無料枠は発行件数や事業規模に見合うか
請求書作成ツールには、個人事業主向けに月数通まで無料で使えるものから、発行件数が多い企業向けに請求管理まで自動化する有料プランまで幅があります。毎月の発行件数と必要な機能に照らして、無料枠や最小プランで足りるのか、自動化機能まで必要なのかを見極めましょう。
また、小規模な事業者には、検索要件が緩和される特例もあります。国税庁は、基準期間(2年前)の売上高が5,000万円以下で、電子取引データをプリントアウトした書面を日付・取引先ごとに整理して提示・提出できるようにしている場合などは、システムによる検索機能が不要になるとしています。
ただし、改ざん防止の措置や電子データそのものを保存する義務は残るため、特例に該当する場合でも電子データの保存自体は必要です。
会計ソフトとの連携で転記の手間を減らせるか
請求書の発行後に売上を会計ソフトへ入力する作業は、連携機能があれば自動化できます。自社で使っている会計ソフトと連携できるか、同じシリーズの会計ソフトとセットで使うと仕訳までつながるかを確認すると、発行から記帳までの二重入力を減らせます。会計一体で運用したい場合は、同じ提供元の会計ソフトとの連携が強い製品を軸に検討すると効率的です。
電帳法対応の請求書作成ツールの3つのタイプ(作成中心/請求管理まで/受領・保存まで)
電子帳簿保存法に対応した請求書作成ツールは、カバーする業務範囲と電帳法の保存の守備範囲によって、大きく3つのタイプに分けられます。自社の業務がどこまでを求めるかで、適したタイプが変わります。
| タイプ | 特徴 | 電帳法の守備範囲 | 該当する主なサービス |
|---|---|---|---|
| 作成・発行に電子保存が一体化した型 | 請求書の作成・発行が中心。無料枠や会計連携が厚く、個人〜小規模・会計一体運用に向く | 発行した電子取引データの保存(検索・訂正削除履歴)に対応。製品により対応範囲に差 | freee請求書、Misoca、INVOY、board、MakeLeaps、請求QUICK、Zoho Invoice、マネーフォワード クラウド請求書 ほか |
| 発行から入金消込・請求管理まで自動化する型 | 発行・送付・入金消込・督促までを自動化。発行件数が多い中小〜中堅向け | 電子取引データ保存に加え、請求管理と一体で保存・検索に対応 | 請求管理ロボ、マネーフォワード クラウド請求書Plus、invox発行請求書、バクラク請求書発行、奉行Edge 発行請求書DXクラウド ほか |
| 発行・受領・保存を連携でカバーする型 | 発行・受領・配信をネットワークや電子保存サービスと連携して行う。受発行をまとめたい企業向け | 電子取引データ保存に加え、受領・スキャナ保存までカバーする製品もある | Bill One、マネーフォワード クラウド請求書発行、BtoBプラットフォーム 請求書、invoiceAgent、楽楽明細、@Tovas ほか |
作成・発行に電子保存が一体化した型
請求書の作成・発行を中心に、発行した電子データをそのまま電帳法の要件に沿って保存できるタイプです。無料プランや低価格のプランがそろい、同じ提供元の会計ソフトと連携できる製品が多いため、個人事業主や小規模の事業者、会計まで一体で運用したい事業者に向いています。扱う書類が自社発行の請求書中心であれば、このタイプで電子取引データ保存の要件をカバーできます。
発行から入金消込・請求管理まで自動化する型
請求書の発行・送付に加えて、入金の消込や未入金の督促までを自動化するタイプです。発行件数が多く、請求業務の工数を削減したい中小〜中堅企業に向いています。電子取引データ保存を請求管理の仕組みと一体で行えるため、発行から保存・検索までを一つのツールで完結させたい場合に適しています。
発行・受領・保存を連携でカバーする型
請求書の発行・受領・配信を、ネットワークや電子保存サービスとの連携で行うタイプです。発行だけでなく、取引先から受け取った請求書の電子保存やスキャナ保存までカバーする製品もあり、受発行の両方を電帳法に対応させてまとめて運用したい企業に向いています。既存の基幹システムを残したまま、発行や保存の部分だけを電子化したい場合にも選択肢になります。
このタイプには、請求書そのものを新規に作成するより、作成済みのデータを取り込んで発行・配信することに重点を置く製品や、受領した請求書の保存を主とする製品も含まれます。
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【比較表】電子帳簿保存法に対応した請求書作成ツール
電帳法対応の請求書作成ツール19サービスを、タイプ別に比較します。電子取引データ保存・スキャナ保存・JIIMA認証の区分・インボイス対応・タイムスタンプ・料金や無料枠・会計ソフト連携を比較軸としています。内容は各社の公式サイトとJIIMA認証製品一覧をもとにした、2026年10月時点のものです。公式に確認できなかった項目は「未確認」と記載しています。
表の記号は、●=対応、△=条件付き・一部対応、×=非対応、—=該当する機能がない(発行側では不要な区分を含む)、未確認=公式情報で対応が確認できなかったこと、を表します。JIIMA認証欄の「スキャナ保存ソフト」は受け取った紙書類向けの区分で、発行側の電子取引データ保存を直接カバーするものではありません。
作成・発行に電子保存が一体化した型の比較
| サービス名 | freee請求書 | Misoca | INVOY | board | MakeLeaps | 請求QUICK | Zoho Invoice | マネーフォワード クラウド請求書 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 電子取引データ保存 | ● | ● | ● | ●(自社発行分) | ●(無料プランは非対応) | ● | △(電子取引の範囲で利用可) | ●(クラウドBox連携) |
| スキャナ保存 | ×(freee会計が対応) | — | ● | × | — | — | × | ×(クラウドBox連携では非対応) |
| JIIMA認証 | なし(freee会計が取得) | 未確認 | スキャナ保存ソフト | なし | 取得(2022年6月) | 未確認 | なし | なし(Plus・会計が取得) |
| インボイス対応 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ●(請求書テンプレートのみ) | ● |
| タイムスタンプ付与 | — | — | — | × | — | — | — | — |
| 料金・無料枠 | 無料プランあり(有料1,980円/月〜) | 無料プランあり(月10通まで。有料8,800円/年〜) | 無料プランあり(有料980円/月) | 1,200円/月〜(30日間無料トライアル) | 無料プランあり(有料1,000円/ユーザー〜) | 月額0円〜(発行50通まで無料の従量制) | 無料(無料プランのみ。2ユーザー・年500通まで) | 個人900円/月〜・法人2,480円/月〜(1ヶ月無料トライアル) |
| 会計ソフト連携 | freee会計 | 弥生会計(freee・MFクラウドとも連携) | freee・MFクラウド・弥生会計 | freee・MFクラウド・弥生会計・勘定奉行ほか | 弥生(無料)・勘定奉行/PCA会計(オプション) | 弥生会計・勘定奉行・MFクラウド | 国内会計ソフト連携は未確認 | MFクラウド会計・確定申告 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
発行から入金消込・請求管理まで自動化する型の比較
| サービス名 | 請求管理ロボ | マネーフォワード クラウド請求書Plus | invox発行請求書 | バクラク請求書発行 | 奉行Edge 発行請求書DXクラウド |
|---|---|---|---|---|---|
| 電子取引データ保存 | ● | ● | ● | ● | ● |
| スキャナ保存 | — | — | ● | — | — |
| JIIMA認証 | 未確認 | 電子取引ソフト・電子書類ソフト | なし(invox電子帳簿保存が取得) | なし(シリーズ製品が取得) | 未確認 |
| インボイス対応 | ● | ● | ● | ● | ● |
| タイムスタンプ付与 | — | — | — | — | ● |
| 料金・無料枠 | 要問い合わせ(無料トライアルあり) | 要問い合わせ(従業員数・発行件数連動) | 無料プランあり(有料1,980円/月〜) | 要問い合わせ(無料プランあり) | 年額126,000円〜(30日間無料トライアル) |
| 会計ソフト連携 | PCA会計・勘定奉行・弥生会計・MFクラウド会計 | MFクラウド会計Plus・Salesforce | 会計システムと連携(仕訳データ出力) | 会計ソフトへ仕訳データを出力 | 勘定奉行クラウドほか奉行シリーズ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
発行・受領・保存を連携でカバーする型の比較
| サービス名 | Bill One | マネーフォワード クラウド請求書発行 | BtoBプラットフォーム 請求書 | invoiceAgent | 楽楽明細 | @Tovas |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 電子取引データ保存 | ● | △(電子書類ソフト認証) | ● | ● | ● | ●(アーカイブ電帳法オプション) |
| スキャナ保存 | ● | — | △(受取側でデータ化) | ● | — | — |
| JIIMA認証 | スキャナ保存ソフト・電子取引ソフト | 電子書類ソフト | 電子取引ソフト | スキャナ保存・電子書類・電子取引ソフト(3区分) | 電子取引ソフト | 電子取引ソフト(アーカイブオプション) |
| インボイス対応 | ● | ● | ● | ● | ● | 未確認 |
| タイムスタンプ付与 | ● | — | — | △(有償オプション) | — | — |
| 料金・無料枠 | 要問い合わせ(受領件数に応じた年額制) | 要問い合わせ(発行件数連動) | 無料プランあり(月100件発行まで。有料は要問い合わせ) | 初期20万円〜・月5.5万円〜(税別) | 初期10万円・月2.5万円〜(税抜、無料トライアルあり) | 初期12万円・月1.2万円〜(+配信従量) |
| 会計ソフト連携 | API連携・仕訳データ出力 | API連携(基幹・販売管理システム) | 弥生・MFクラウド・PCA会計ほか多数 | 基幹・外部システムと連携 | 仕訳データをCSV出力(楽楽販売経由で連携) | kintoneほか各種システムと連携 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
電帳法対応の請求書作成ツール19サービスの詳細
ここからは、各サービスの電子帳簿保存法への対応の中身を、タイプ別に紹介します。対応する保存区分やJIIMA認証の区分、料金や会計連携など、自社の使い方に照らして確認してください。
作成・発行に電子保存が一体化した型のサービス
請求書の作成・発行を中心に、発行したデータを電帳法の要件に沿って保存できるサービスです。
1. freee請求書(フリー株式会社)

請求書・見積書・納品書などをオンラインで作成できる、フリー株式会社のクラウド請求書作成サービスです。無料プランでも件数無制限で帳票の作成・PDF出力ができ、小規模の事業者や個人事業主が無料で使い始められます。
作成した書類は電子データとして自動保存され、電子帳簿保存法が求める訂正・削除履歴の保持や検索要件に対応します。インボイス制度にも対応し、登録番号や税率ごとの消費税額を記載した適格請求書を無料プランでも作成できます。
同じグループのfreee会計と連携すると、発行した請求書を会計側の取引として登録できます。JIIMA認証はグループのfreee会計が電子取引ソフト法的要件認証・スキャナ保存ソフト法的要件認証を取得しており、freee請求書単独での取得は公表されていません。
2. Misoca(弥生株式会社)

月10通までは無料で請求書を作成できるクラウド請求書作成ソフトです。提供元は弥生会計などを手がける弥生株式会社で、見積書・納品書・請求書・領収書・検収書などの帳票に対応します。
電子帳簿保存法には「スマート証憑管理」機能で対応し、発行控えや受領した証憑を電子保存して検索要件・訂正削除の要件を満たせます。インボイス制度にも対応し、登録番号の設定や適格返還請求書の作成ができます。
弥生会計など弥生製品と連携し、請求書のステータスを「請求済」にすると売掛金の仕訳データが自動で送信されます。freee・マネーフォワード クラウドとの連携案内も公式に用意されています。
3. INVOY(FINUX株式会社)

FINUX株式会社が運営するクラウド請求書プラットフォームで、累計登録者数は10万ユーザーと公式サイトに記載されています(時点は2023年2月のプレスリリースに基づきます)。請求書・見積書・納品書・発注書・領収書の作成・発行・管理を無料プランで利用できます。
請求書を作成・発行するツールとして、発行した請求書などの電子データを電子帳簿保存法の電子取引データ保存の要件に沿って保存できます。あわせて、受け取った紙書類をスキャンして保存する区分にあたるJIIMAのスキャナ保存ソフト法的要件認証(令和3年改正法令基準)を取得しています。
見積書から納品書・請求書へワンクリックで変換でき、明細の再入力が不要です。有料のStandardプラン(月額980円・税込)では、口座自動連携や資金繰り表の作成が追加されます。
4. board(ヴェルク株式会社)

在庫を扱わない受託・サービス業の個人事業主〜中小企業を対象に、見積書・請求書の発行から入金・支払管理までを案件単位で一元管理するクラウドサービスです。提供元はヴェルク株式会社です。
電子帳簿保存法については、自社が発行する請求書・合計請求書・支払通知書を、登録・更新・削除のログや削除できない保管によってboard単体で保存できる設計です。一方、取引先から受領した書類の保存やスキャナ保存には対応しておらず、認定タイムスタンプの付与もできません。
承認ワークフローは最大4段階・金額条件による分岐に対応します。freee会計・マネーフォワード クラウド会計・弥生会計などとの連携やAPIも用意されています。
5. MakeLeaps(メイクリープス株式会社)

株式会社リコーの100%子会社であるメイクリープス株式会社が提供する請求管理クラウドです。見積書・請求書・納品書・支払通知書など10種類の書類を作成・発行でき、無料プランから法人・エンタープライズプランまで段階的に用意されています。
電子帳簿保存法には個人プラン以上で対応し、2022年6月にJIIMA認証を取得しています。インボイス制度にも対応し、Peppol(デジタルインボイスの国際標準)での送信も法人プラン以上で利用できます。
請求書の発行だけでなく、銀行口座連携(Moneytree)やバーチャル口座(楽天銀行)による入金消込の自動照合まで1サービスでカバーします。
6. 請求QUICK(SBIビジネス・ソリューションズ株式会社)

月額基本料0円・初期費用0円から使えるクラウド請求書発行・管理システムで、SBIグループのSBIビジネス・ソリューションズ株式会社が提供しています。請求書の作成・発行から入金消込、仕訳データ出力までを1つのシステムで行えます。
電子帳簿保存法に対応し、作成・送付した書類の控えを保存して検索できます(令和4年1月施行の基準)。インボイス制度にも対応し、消費税計算や登録番号の自動挿入ができます。
インターネットバンキングとのAPI連携でワンクリックで入出金明細を取得し、発行済みの請求データと自動で突き合わせます。対応帳票は請求書のみで、見積書・納品書・領収書の作成機能は持ちません。
7. Zoho Invoice(ゾーホージャパン株式会社)

個人事業主・フリーランス・中小企業向けに、ゾーホージャパン株式会社が提供するクラウド請求書作成・管理ソフトです。請求書・見積書の作成、支払期日の自動通知、多言語・多通貨対応などを備えます。
公式では無料プランのみを提供しており、2ユーザー・年間500通・3プロジェクトまでの上限があります。iOS・Androidのネイティブアプリも用意されています。
電子帳簿保存法について公式は、請求書発行ツールとして電子取引の範囲で利用する限り問題ないとしつつ、スキャナ保存の要件には対応していないと説明しています。インボイス制度には、登録番号のカスタム項目や税率ごとの表示で対応します(請求書テンプレートのみ)。
8. マネーフォワード クラウド請求書(株式会社マネーフォワード)

請求書・見積書・納品書・領収書の作成から、メール送信・郵送代行での送付、送付履歴・ステータス管理までを一元管理できるクラウドサービスです。提供元は株式会社マネーフォワードです。
電子帳簿保存法には、クラウドBoxとの連携で電子取引データ保存に対応します。発行した書類を発行者側のクラウドBoxに保存できる一方、紙で受領した請求書のスキャナ保存はこの連携では対応していません。JIIMA認証は、別製品のクラウド請求書Plusやクラウド会計で取得されています。
マネーフォワード クラウド会計・クラウド確定申告へ自動仕訳で連携でき、個人向けは月額900円から、法人向けは月額2,480円から(いずれも年払いの月額換算・税抜)利用できます。無料プランはなく、1ヶ月の無料トライアルが用意されています。
発行から入金消込・請求管理まで自動化する型のサービス
発行・送付から入金消込・督促までを自動化し、請求管理と一体で電帳法対応を行えるサービスです。
9. 請求管理ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求書の発行・送付から集金、入金消込、未入金の督促までを一つのサービスで自動化する、株式会社ROBOT PAYMENTのクラウド請求管理システムです。単発・定期定額・定期従量の請求タイプを設定でき、希望の周期で請求書を自動発行できます。
電子帳簿保存法については、電子取引データ保存の要件に沿った請求書の管理に対応し、インボイス制度の適格請求書の発行・保存もできます。発行した請求と入金情報は、全銀データ・CSV・バンクチェック(バーチャル口座、追加オプション)で取り込んで自動消込でき、消込精度99%以上はバンクチェック利用時の自社データとして公表されています。
会計ソフトはPCA会計・勘定奉行・弥生会計・マネーフォワード クラウド会計と連携できます。初期費用・月額費用は公式サイトで非公開で、導入・運用支援費用に月額と請求件数に応じた従量課金を加えた構成のため、具体的な金額は資料請求や問い合わせで確認します。無料トライアルも用意されています。
10. マネーフォワード クラウド請求書Plus(株式会社マネーフォワード)

中堅・上場企業やIPO準備企業を対象に、株式会社マネーフォワードが提供するクラウド請求管理システムです。CRMや販売管理システムと連携して受注データを分割・合算し、契約期間に応じた売上の按分や申請・承認ワークフローにも対応します。
電子帳簿保存法には、JIIMAの電子取引ソフト法的要件認証と電子書類ソフト法的要件認証の2区分を取得して対応しています。インボイス制度の適格請求書にも対応し、作成できる帳票は請求書と見積書の2種類です(納品書・領収書は非対応)。
消込機能では、送付済みの請求書の債権データと登録した入金データを突き合わせて消し込み、消込仕訳を自動で作成します。売上仕訳はマネーフォワード クラウド会計Plusへワンクリックで連携できます。初期費用・月額料金は公開されておらず、従業員数または発行件数に応じて決まるため、問い合わせで確認します。
販売管理や会計との連携が請求業務の現場で何を変えるのかについて、提供元の株式会社マネーフォワードは独自インタビューで次のように説明しています。

特に『Salesforce』とセットでお使いいただいているお客様からは、営業側が持っている「どのお客様に何の商品をいつ売り上げた」という情報をもとに、そのままシームレスに売上処理と請求書の発行業務につなげられる点を高く評価いただいています。この連携がない場合、経理の方が営業側のシステムに情報を拾いに行ったり、営業の方から経理に請求書の送信対応をお願いしたりと、人を介したやり取りが発生してしまいます。
11. invox発行請求書(株式会社invox)

請求データを取り込むだけで、紙・電子を問わずインボイス制度に対応した請求書を発行できる、株式会社invoxの請求書発行システムです。請求書に加えて見積書・納品書・支払通知書も発行でき、見積書から納品書・請求書へ情報を引き継ぐ運用にも対応します。
電子帳簿保存法には、電子取引情報の保存とスキャナ保存の両面で対応します。JIIMAの法的要件認証(電子取引ソフト・スキャナ保存ソフト)は姉妹サービス『invox電子帳簿保存』が取得しており、invox発行請求書自体はISMS(ISO/IEC 27001)認証を取得しています。
発行後の売上計上・入金消込・督促まで自動化できるため、発行だけで完結しない運用を組めます。
料金は初期費用0円で、月額基本料金はフリー0円、ミニマム1,980円、ベーシック9,800円、プロフェッショナル29,800円(いずれも税抜)、発行は1件50円(税込55円)の従量です。入金消込やオンラインバンク連携はベーシックプラン以上で使え、無料のフリープランでは請求書発行を毎月15件まで試せます。
12. バクラク請求書発行(株式会社LayerX)

株式会社LayerXが提供する「バクラク」シリーズの帳票発行システムです。基幹システムや既存の業務を変えずに、請求書・見積書・納品書・支払通知書などの作成・送付・管理を電子化でき、CSV・PDFの取り込みによる一括作成や申請・承認ワークフローに対応します。
電子帳簿保存法とインボイス制度に対応し、シリーズの「バクラク請求書」「バクラク電子帳簿保存」が電子取引ソフト法的要件認証とスキャナ保存ソフト法的要件認証を取得しています(バクラク請求書発行自体は認証製品の名義ではありません)。
入金消込と督促は姉妹製品「バクラク債権管理」の機能で、請求書発行と組み合わせることで発行から消込・督促までをカバーする設計です。郵送代行は1通180円から利用でき、無料での試用導線もあります。初期費用・月額費用は公式サイトで非公開のため、資料請求で確認します。
13. 奉行Edge 発行請求書DXクラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

奉行シリーズの会計・販売管理システムとのAPI連携を前提に、請求書の発行業務(作成・送付・保管)をデジタル化する、株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)のクラウドサービスです。販売管理システムと連携し、請求書データの出力・取込以降の作業を自動化します。
対応する帳票は請求書・納品書・支払明細書・支払通知書・注文書などで、見積書の作成には対応していません。送付はWeb配信・メール配信・郵送代行(オプション)に加え、デジタルインボイスのPeppol配信にも対応します。
電子帳簿保存法には、発行した請求書の控えへのタイムスタンプ自動付与と検索機能で対応します。料金は初期費用0円の年額制で、300件/年の126,000円から(税抜)、600件/年は198,000円、1,200件/年は284,400円と続き、月25件から利用できます。30日間の無料トライアルがあります。
発行・受領・保存を連携でカバーする型のサービス
発行・受領・配信を連携で行い、受発行の両方を電帳法に対応させたい企業に向くサービスです。
14. Bill One(ビルワン)請求書受領(Sansan株式会社)

Sansan株式会社が運営する、取引先からの請求書を代理受領してデータ化するクラウドサービスです。紙・メール・PDF・アップロード・デジタルインボイス(Peppol)など形式を問わず一つの窓口で受け取り、クラウド上で一元管理できます。請求書の発行機能は別途申し込みのオプションとして用意されています。
JIIMAの認証は、受領した請求書の保存に関わる「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」に加え、2022年4月に「電子取引ソフト法的要件認証」を取得しています。紙で受け取った請求書のスキャナ保存と、電子でやり取りした取引データの保存の両区分に対応します。
インボイス制度では、適格請求書の判定や、国税庁のシステムとのAPI連携による登録番号の照会、消費税額の検算に対応します。料金は初期費用と、受領する請求書の年間件数に応じた年額費用で構成され、金額は問い合わせで確認します。発行だけでなく、取引先から受け取る請求書の保存まで含めて電帳法に対応させたい企業に適しています。
15. マネーフォワード クラウド請求書発行(株式会社マネーフォワード)

請求書・納品書・支払通知書などの帳票を送付する業務に特化したクラウドサービスで、2026年8月に「マネーフォワード クラウドインボイス」から現名称へ変更されました。CSV・PDF・APIで取り込んだ帳票データを、取引先ごとにWeb送付・メール送付・郵送代行へ自動で振り分けて一括送付できます。
電帳法対応としては、JIIMAの電子書類ソフト法的要件認証(認証番号402100-00)を取得しており、自社で作成して送る取引関係書類の作成・電子保存が認証の対象です。取引先から受け取る電子取引データの保存を対象とする電子取引ソフト認証の区分では確認できないため、発行した帳票の電子保管・検索を軸に対応範囲を見ておくと安心です。
すでに50万以上の事業者がマネーフォワードIDを利用しており(2026年10月時点)、送付先の受取環境を整えやすい点も特徴です。料金は月ごとの請求書発行件数に応じて設定され、実額は問い合わせで確認します。既存の基幹システムはそのままに、送付業務だけを切り出して電子化したい中小〜中堅企業に向きます。
送付業務を電子化すると実務でどの程度の効果が出るのかについて、提供元の株式会社マネーフォワードは独自インタビューで具体的な数値を挙げています。

船井総研デジタル様では請求書発行コストの30%削減、メイコー様では債権関連業務の約3割の工数削減、奈良機械製作所様では月間33時間以上の郵送業務削減といった成果が出ています。一番わかりやすい効果は、郵送や紙で行っていた送付業務をデジタルに置き換えることによる業務コストと郵送コストの削減です。送付していた帳票の件数が多いほど、導入効果は大きくなります。
16. BtoBプラットフォーム 請求書(株式会社インフォマート)

東証プライム上場の株式会社インフォマートが運営する電子請求書サービスで、請求書の発行・受取・支払通知書の発行まで請求業務全体をクラウド上でデータ化します。PDFなどに変換せずデータのままやり取りする方式を採用し、受取側では紙やPDFの請求書もAI-OCRでデータ化して一元管理できます。
電帳法には改正法に対応した保管機能で対応し、電子データを最長12年間保管できます。JIIMAの電子取引ソフト法的要件認証を取得しているほか、インボイス制度やPeppol(デジタルインボイス)にも対応しており、発行・受取の両面で電子取引データ保存を進められます。
料金は初期費用があり、月額は発行通数やオプションに応じて変動する仕組みで、金額は問い合わせで確認します。月間100件の発行まで(受取は無制限)使える無料プランもあり、取引先は発行・受取とも無料で利用できます。発行と受取をまとめて電子化したい企業で選択肢になります。
17. invoiceAgent(ウイングアーク1st株式会社)

自社で使っている帳票のフォーマットを変えずに、取引先ごとに異なる配信方法で請求書や納品書などを電子交付できる帳票流通プラットフォームです(2026年4月に「SVF Transact」へ名称が変わり、カタログ上は旧称のinvoiceAgentで掲載しています)。Web配信・メール・郵送・Peppolなどを取引先ごとに使い分けられます。
運営元は帳票基盤「SVF」を手がけるウイングアーク1st株式会社です。電帳法対応では、JIIMAのスキャナ保存・電子書類・電子取引の3区分すべての法的要件認証を取得しており、発行側の電子取引データ保存から受け取った紙書類のスキャナ保存まで、認証にもとづいて確認できます。
料金は初期費用20万円〜・月額5.5万円〜(いずれも税別)で、配信数700通/月・10ユーザー・ストレージ5GBを含み、超過分は配信通数に応じた従量制です。AI-OCRやタイムスタンプは別途の有償オプションになります。月2万通規模の大量配信から、既存の基幹システムを残して配信・保存だけを電子化したい企業まで対応します。
18. 楽楽明細(株式会社ラクス)

株式会社ラクスが提供する電子帳票発行システムで、請求書・納品書・領収書・支払明細などを、取引先ごとにWeb発行・メール・郵送代行・FAXの4手段から選んで自動配信できます。既存の販売管理システムが出力するCSVやPDFを取り込んで発行する仕組みで、帳票そのものを新規に作成する機能は持ちません。
電帳法には、日付・金額・取引先での検索や、訂正履歴が残り削除できない運用で電子取引の要件に対応し、最大12年間の長期保存ができます。JIIMAの電子取引ソフト法的要件認証を取得しているほか、既存のレイアウトをほぼ変えずに、登録番号や税率区分を加えた適格請求書を発行できます。
料金は初期費用100,000円・月額25,000円〜(いずれも税抜)で、郵送代行は1通198円〜(税抜)、無料で試せるトライアル環境も用意されています。累計導入は16,000社以上(2026年3月末時点)で、既存の帳票フォーマットを保ったまま発行・送付を電子化したい企業に向いています。
19. @Tovas(コクヨ株式会社)

文具・オフィス家具で知られるコクヨ株式会社が提供する電子帳票配信システムです。請求書・納品書・支払通知書などのデータ(CSV等)をアップロードすると帳票を自動生成し、取引先ごとに電子ファイル(Web・メール)・FAX・郵送から受け取り方法を選んで配信できます。
2025年5月からは「送る」機能に加えて、AI-OCR連携やBPOによる入力代行を含む「受け取る」機能の提供も順次始まっています。電帳法対応では、「アーカイブ電子帳簿保存法オプション」がJIIMAの電子取引ソフト法的要件認証(認証番号612900-00)を取得し、送信側のデータ保管を対象に改ざん防止や検索機能を備えます。
料金は@Tovas Master+ スタンダードプランで初期費用120,000円・月額12,000円を一例とし、配信通数に応じた従量課金が加わります(帳票の種類や件数により個別見積り)。郵送と電子配信を宛先ごとに使い分けながら、受発行をまとめたい企業に向きます。
電子帳簿保存法対応でよくある失敗と注意点
電帳法対応は「ツールを導入すれば完了」とは限りません。対応しているつもりで要件を満たせていない、という事態を避けるために、発行側が見落としやすい点を整理します。
「紙に出力して保存」では原則認められない
電子でやり取りした請求書を紙に印刷して保存するだけでは、原則として認められません。2023年末までの経過措置(宥恕措置)はすでに終了し、現在は相当の理由があり、データの提示などに応じられる場合に認められる猶予措置に変わっています。国税庁は、この「相当の理由」について次のように説明しています。
例えば、システム等の整備が間に合わない場合など、原則的なルールに従って電子取引データの保存を行うための環境が整っていない事情がある場合が該当します。ただし、システム等の整備が整っていて原則的なルールに従って電子取引データの保存ができるにもかかわらず、資金繰りや人手不足等の特段の事情がなく、電子取引データをルールに従って保存していない場合には、相当の理由があるとは認められませんので、猶予措置の適⽤は受けられません。
出典:国税庁「電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください【令和6年1月以降用】」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf)
「宥恕措置があるから紙保存でよい」という理解は現在の制度とずれています。原則は電子データでの保存であり、ツールを使って要件に沿った保存の体制を整えておくのが基本と考えておきましょう。
タイムスタンプがないと対応できない、という誤解
真実性の確保はタイムスタンプが必須ではなく、訂正削除の履歴が残るシステムの利用などでも満たせます。タイムスタンプの有無だけでツールの候補を狭めず、保存の仕組み全体で要件を満たせるかを見るのが大切です。
「電帳法対応」が指す範囲を確認する
ツールが掲げる「電帳法対応」は、対応している保存区分がサービスによって異なります。自社が発行した請求書の電子取引データ保存までなのか、受領した書類のスキャナ保存まで含むのか、発行した電子データの保存は本体の機能なのか別の保存サービスとの連携が前提なのかを確認します。
JIIMA認証を掲げている場合も、どの区分の認証かまで見ると、自社の使い方に合っているかを判断できます。会計ソフトに保存するのか請求書ツール側に保存するのかで運用も変わるため、保存先と検索のしやすさもあわせて見ておくとよいでしょう。
電子帳簿保存法やインボイス制度の要件は改正されることがあります。自社の運用が要件を満たしているかの最終的な判断は、国税庁の最新情報や顧問税理士への確認とあわせて行うことをおすすめします。
電子帳簿保存法対応に限らず、請求書発行システム全体の選び方やタイプ別の比較は、関連記事でも詳しく解説しています。発行件数や機能・料金など、電帳法以外の軸も含めて幅広く見比べたい場合は、次の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
請求書を発行する側にとって、電子帳簿保存法への対応の中心は、電子で送った請求書データを要件どおりに保存できるかどうかです。真実性の確保は訂正削除の履歴が残る保存や事務処理規程でも満たせ、保存したデータを「日付・金額・取引先」で検索できることも求められます。JIIMA認証の区分や、自社が扱う書類がスキャナ保存まで必要かどうかも、ツール選びの判断材料になります。
発行件数が少なく無料や低コストで始めたい個人事業主・小規模企業は作成・発行に電子保存が一体化した型から、発行件数が多く入金消込や督促まで自動化したい中小〜中堅企業は請求管理まで自動化する型から候補を絞ると選びやすくなります。
作成・発行が中心なのか、請求管理まで自動化したいのか、受発行をまとめて電子化したいのかによって、適したタイプは変わります。本記事の比較表や診断ツールを使って、自社の業務と事業規模に合うサービスを絞り込み、気になるツールの資料を取り寄せて具体的に比較してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 電子帳簿保存法とは何ですか?
A. 電子帳簿保存法とは、国税関係の帳簿や書類を電子データで保存するためのルールを定めた法律です。電子データによる保存は「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の3区分に整理され、このうち電子でやり取りした取引データの保存(電子取引)だけが義務化されています。請求書を発行する側では、電子で送った請求書データをこの区分の要件に沿って保存する必要があります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました(令和3年5月)」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf)
Q. 電子帳簿保存法では、発行した請求書も電子データで保存する義務がありますか?
A. 電子帳簿保存法では、請求書をPDFメールやクラウドで電子的に送った場合、送った側にも電子データのまま保存する義務があります。国税庁は「受け取った場合だけでなく、送った場合にも保存する必要があります」と示しており、紙に印刷しただけの保存は原則として認められません。発行した請求書を要件どおりに保存できる仕組みを持つツールを選ぶことが出発点になります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:国税庁「電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください【令和6年1月以降用】」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf)
Q. 電子帳簿保存法に対応するには、請求書作成ツールにタイムスタンプ機能が必須ですか?
A. 電子帳簿保存法の対応に、タイムスタンプ機能は必須ではありません。真実性を確保する措置は、タイムスタンプの付与のほかに、訂正・削除の履歴が残る(または訂正削除ができない)システムの利用や、訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付けでも満たせます。そのため、タイムスタンプ機能がないツールでも、履歴が残る保存の仕組みを備えていれば電子取引データ保存に対応できる場合があります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」問9(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07denshi/02.htm)
Q. 電子帳簿保存法対応の請求書作成ツールに求められる「検索要件」とは何ですか?
A. 検索要件とは、保存した電子取引データを「取引年月日・取引金額・取引先」の3項目で検索できるようにしておく要件です。日付または金額についての範囲指定検索と、3項目のうち2つ以上を組み合わせた検索ができることも含まれます。フォルダにファイルを置くだけのストレージ保管では満たしにくいため、この3項目で検索できる保存機能を備えたツールを選ぶと、索引づけの手間を省けます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:国税庁「電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください【令和6年1月以降用】」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf)
Q. 電子でやり取りした請求書を紙に印刷して保存するだけでは、電子帳簿保存法違反になりますか?
A. 電子帳簿保存法では、電子でやり取りした請求書を紙に印刷して保存するだけの対応は、原則として認められません。2023年末までの経過措置(宥恕措置)はすでに終了しており、現在は、相当の理由があり、データのダウンロードの求めと書面の提示に応じられる場合に認められる猶予措置に変わっています。原則は電子データでの保存のため、要件に沿って保存できる体制を整えておくのが基本です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:国税庁「電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください【令和6年1月以降用】」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf)
Q. 個人事業主や小規模事業者でも、電子帳簿保存法の検索要件に対応する必要がありますか?
A. 個人事業主や小規模事業者は、一定の条件を満たせば、システムによる検索機能(検索要件)が不要になる場合があります。
国税庁は、基準期間(2年前)の売上高が5,000万円以下で、電子取引データをプリントアウトした書面を日付・取引先ごとに整理して提示・提出できるようにしている場合などを挙げています。ただし、改ざん防止の措置と、電子データそのものを保存する義務は残るため、電子保存が不要になるわけではありません。
出典・参考資料(1件)
- 出典:国税庁「電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください【令和6年1月以降用】」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf)
Q. インボイス制度と電子帳簿保存法は、請求書作成ツールで両方に対応する必要がありますか?
A. 請求書を発行する側は、インボイス制度と電子帳簿保存法の両方に対応する必要があり、両者は別の制度です。インボイス制度は請求書に「何を記載するか」(登録番号や税率ごとの消費税額など)を定め、電子帳簿保存法は送受信したデータを「どう保存するか」を定めます。記載要件と保存要件は別の論点のため、適格請求書を作成でき、かつ発行したデータを要件どおりに保存できるツールかを、両面で確認します。
出典・参考資料(1件)
- 出典:国税庁「No.6625 請求書等の記載事項(適格請求書等保存方式)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm)
Q. 電子帳簿保存法対応の請求書作成ツールに、JIIMA認証は必須ですか?
A. JIIMA認証は、法律上の必須条件ではなく、ツールが電子帳簿保存法の要件を満たしているかを確認するための目安です。認証がないツールでも、訂正削除の履歴が残る保存や検索機能を備えていれば要件を満たせる場合があります。
ただし認証があると自社での適合確認の手間を省けるため、請求書を発行する側では、電子取引ソフト法的要件認証や電子書類ソフト法的要件認証の有無と区分を確認すると、自社の使い方に合っているかを判断しやすくなります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)「JIIMA認証制度」(https://www.jiima.or.jp/certification/)
Q. 無料で使える電子帳簿保存法対応の請求書作成ツールはありますか?
A. 無料で使える電子帳簿保存法対応の請求書作成ツールはあります。本記事で紹介したなかでは、無料プランでも件数無制限で作成できるfreee請求書、月10通まで無料のMisoca、無料プランのあるINVOYやinvox発行請求書などが該当します。ただし、郵送代行や大量発行、入金消込などの上位機能は有料プランで提供されることが多いため、自社に必要な機能が無料枠に含まれるかをあわせて確認します。
Q. 個人事業主やフリーランスにおすすめの電子帳簿保存法対応の請求書作成ツールはどれですか?
A. 発行件数が少なくコストを抑えたい個人事業主には、無料プランや低価格のプランがそろい、電子取引データ保存に対応した「作成・発行に電子保存が一体化した型」が向いています。
月10通まで無料のMisocaや、無料プランのあるfreee請求書・INVOY・Zoho Invoiceなどが候補です。会計ソフトもあわせて検討している場合は、同じ系列の会計ソフトと連携できる製品を選ぶと、発行から記帳までの仕訳がつながり効率的です。
Q. 電子帳簿保存法対応の請求書作成ツールは、使っている会計ソフトと連携できますか?
A. 多くの電子帳簿保存法対応の請求書作成ツールは、会計ソフトと連携して、発行後の売上計上や仕訳作成を自動化できます。
freee請求書はfreee会計、マネーフォワード クラウド請求書はマネーフォワード クラウド会計と同一シリーズで連動し、Misocaは弥生・freee・マネーフォワードの会計へ仕訳連携できます。会計一体で運用したい場合は、同じ提供元の会計ソフトとの連携が強い製品を軸に選ぶと、二重入力を減らせます。
Q. 電子帳簿保存法対応の請求書作成ツールを導入・乗り換えるときの注意点は何ですか?
A. 導入・乗り換えでまず確認したいのは、各ツールの「電帳法対応」がどの保存区分まで、本体の機能でカバーするのか別の保存サービスとの連携が前提なのかという点です。自社が発行した請求書の電子取引データ保存までなのか、受領した書類のスキャナ保存まで含むのかを見極めたうえで、月間発行件数・必要な機能・既存の会計ソフトとの連携可否・取引先が紙を求める場合の郵送代行の可否を洗い出し、料金は総額で比較します。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















