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相殺請求書の書き方|相殺とは・記入例と仕訳・インボイス対応をわかりやすく解説

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クラウド請求書発行システム比較表(2026年版)

同じ取引先に対して売掛金(受け取るお金)と買掛金(支払うお金)の両方があるとき、その場で入金と支払を別々に行わず、同じ額だけ打ち消し合う「相殺」で精算する方法があります。相殺を使うと入出金の手間や振込手数料を抑えられますが、請求書への書き方や仕訳、インボイス制度での扱いに迷う場面は少なくありません。

この記事では、相殺の意味と成立要件(民法505条・506条)を押さえたうえで、相殺を反映した請求書の具体的な記入例、仕訳のパターン、インボイス制度での適格請求書の扱い、相殺領収書と収入印紙の要否までを一つにまとめて解説します。

報酬を相殺するときの源泉徴収の考え方や、相殺を反映した請求書・明細の発行に役立つサービスも取り上げます。記入例・仕訳・印紙の判定まで具体例つきで解説するので、自社の請求書作成と記帳にそのまま当てはめられます。

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相殺とは?意味と成立要件(民法505条・506条)

ここでは、相殺請求書の書き方に入る前に、相殺の意味と成立のしくみを短く確認します。

相殺の意味(売掛金と買掛金を同額で打ち消す)

相殺(そうさい)とは、互いに同じ種類の債権・債務を持つ二者が、その重なり合う金額(対当額)だけを打ち消し合い、差額だけを実際にやり取りして精算するしくみです。たとえば自社が取引先に150,000円の売掛金を持ち、同じ取引先に100,000円の買掛金があるとき、100,000円分を相殺し、差額の50,000円だけを受け取れば精算が済みます。

相殺のしくみを示した図解。取引先から受け取る売掛金150,000円と、取引先へ支払う買掛金100,000円のうち、重なり合う対当額100,000円を相殺して打ち消し合い、差額50,000円だけを受け取って精算する流れを表している。

入金と支払を別々に行う必要がなくなるため、振込手数料や入出金の手間を減らせる点が、相殺が使われる主な理由です。

相殺の前提となる売掛金・買掛金は、商品やサービスを先に渡して代金を後日まとめて支払う「掛取引」で生じる債権・債務です。掛取引の仕組みや、売掛金・買掛金それぞれの仕訳を基礎から確認しておきたい場合は、次の記事が参考になります。

相殺の成立要件(相殺適状)

相殺ができる状態(相殺適状)になるには、民法505条が定める要件を満たす必要があります。おおまかには、互いに同じ種類の債務を負っていること、双方の債務が支払期限(弁済期)を迎えていること、そして債務の性質が相殺を許すものであることの3点です。

(相殺の要件等)
第五百五条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。

出典:民法 第五百五条|e-Gov 法令検索

売掛金と買掛金はどちらも金銭を支払う債権・債務であり、支払期限が来ていれば、通常の取引ではこの要件を満たします。また、第2項のとおり当事者が契約で相殺を禁止している場合もあるため、取引基本契約などに相殺を制限する定めがないかは念のため確認しておくと安心です。

相殺の意思表示(民法506条)

相殺は、当事者の一方から相手方への意思表示によって行います。民法506条では、相殺が法律上は一方的な意思表示でできること、そしてその効力が相殺適状になった時点にさかのぼって生じることが定められています。

(相殺の方法及び効力)
第五百六条 相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
2 前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。

出典:民法 第五百六条|e-Gov 法令検索

法律上は一方的に相殺できるとはいえ、実務では相手に断りなく相殺すると認識のずれやトラブルにつながります。相殺する旨を事前に伝えて合意を得ておくのが一般的な進め方です。

相殺が使える具体的なケース

相殺は、次のような場面で使われます。

  • 仕入先に対する売上と仕入が相互にあり、売掛金と買掛金が両方立っている
  • 販売した商品の返品や値引きが生じ、売掛金の一部を差し引く
  • 外注先への報酬と、その外注先への立替金・販売代金が両方ある
  • 取引先からの過入金(払いすぎ)を、次回の請求額から差し引く

相殺請求書の書き方(相殺前・相殺額・差引後の記入例)

ここからは、この記事の中心である相殺を反映した請求書の書き方を、記入例とともに解説します。

相殺請求書に記載する項目

相殺を反映した請求書の様式そのものは、法律で決まっているわけではありません。読み手が迷わないように、通常の請求書に「相殺前の請求額・相殺額・差引後の請求額」の3つを加えるのが基本の形です。

  1. 相殺前の請求額(本来の売上金額。税込・税率ごとの内訳を含む)
  2. 相殺額(差し引く金額。マイナスとわかるよう「△」や「▲」を付けて表記するのが一般的)
  3. 差引後の請求額(実際に支払ってもらう金額)

あわせて、備考欄に「どの取引と相殺したか」を書き添えると、取引先が内容を確認しやすくなります。「△」「▲」のマイナス表記は法律上の決まりではなく、実務で広く使われている書き方です。

また、相殺を反映した請求書も、適格請求書(インボイス)として交付する場合は、登録番号・適用税率・税率ごとに区分した消費税額などの記載事項を満たす必要があります。インボイス制度での具体的な扱いは後半で解説します。

相殺請求書の記入例

自社の売掛金(相殺前の請求額)が330,000円(税込)で、同じ取引先への買掛金110,000円を相殺する場合の記入例です。

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記載項目ご請求額(相殺前)相殺額差引ご請求額備考
記入例330,000円(税込)△110,000円220,000円(税込)上記相殺額は、貴社への買掛金(2026年9月分 外注費)と相殺しております。

売掛金の全額を相殺して差引後の請求額が0円になる場合は、請求額が残らないため、支払が不要であることを明確に伝えます。このときの記入例は次のとおりです。

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記載項目ご請求額(相殺前)相殺額差引ご請求額備考
記入例110,000円(税込)△110,000円0円相殺により精算済みのため、お振込みは不要です。

備考欄に「相殺により精算済みのため、お振込みは不要です」と一文を添えると、取引先が誤って振込をしてしまう行き違いを防げます。

相殺のやり取りの一連の流れ

相殺は、次の流れで進めると認識のずれが起きにくくなります。

相殺のやり取りの一連の流れを示した4ステップの図解。STEP1は相殺する金額と対象の取引を取引先に伝えて合意、STEP2は相殺額と差引後の請求額を反映した請求書を発行、STEP3は必要に応じて相殺の事実を示す領収書を取り交わす、STEP4は自社・取引先の双方で相殺の仕訳を記帳する、という順序を表している。
  1. 相殺する旨を取引先に伝え、金額と対象の取引について合意する
  2. 相殺額と差引後の請求額を反映した請求書を発行する
  3. 相殺した分について、必要に応じて相殺領収書(相殺の事実を示す書面)を取り交わす
  4. 自社・取引先の双方で、相殺の仕訳を記帳する

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相殺の仕訳(同額で消し込む場合と差額がある場合)

ここからは、相殺を帳簿に記帳するときの仕訳を、同額で消し込む場合と差額がある場合に分けて解説します。相殺では、受け取る側の売掛金と、支払う側の買掛金を、重なり合う金額だけ消し込みます。

同額で消し込む場合

自社の売掛金と買掛金がどちらも110,000円で、全額を相殺するケースです。売掛金と買掛金を同額で消し込むだけで、現預金の動きはありません。

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借方科目買掛金
借方金額110,000円
貸方科目売掛金
貸方金額110,000円

差額がある場合(差額を受け取る)

書き方の記入例と同じ取引で考えます。自社の売掛金が330,000円、同じ取引先への買掛金が110,000円のケースです。重なる110,000円を相殺し、差額の220,000円を入金で受け取ります。相殺で消し込む部分と、差額を受け取る部分を分けて記帳します。

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借方科目買掛金普通預金
借方金額110,000円220,000円
貸方科目売掛金
貸方金額330,000円

差額がある場合(差額を支払う)

逆に、買掛金のほうが売掛金より多いケースです。自社の売掛金が110,000円、買掛金が330,000円の場合、重なる110,000円を相殺し、差額の220,000円を自社から支払います。売掛金を全額消し込み、残りの買掛金を普通預金などで支払う形です。

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借方科目買掛金
借方金額330,000円
貸方科目売掛金普通預金
貸方金額110,000円220,000円

上記は、売掛金・買掛金に消費税を含めて計上する税込経理の場合の仕訳です。相殺で消える部分と、現預金で動く部分を分けて考えると整理しやすくなります。

インボイス制度での相殺(適格請求書の扱い)

ここでは、インボイス制度のもとで相殺を反映した請求書をどう扱うかを解説します。結論として、相殺額を差し引いた後の金額だけを書くのではなく、相殺前の対価の額と消費税額を記載し、相殺はそれと区別して示すのが基本の考え方です。

適格請求書(インボイス)には、次の事項を記載する必要があると国税庁が示しています。

インボイスは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。具体的には、以下の事項が記載された書類やデータをいいます。なお、請求書に限らず、所定の事項が記載された書類であれば、領収書や納品書など書類の名称を問わず、インボイスとなります。
① インボイスの交付先である相手方の氏名または名称
② 売手(自社)の氏名又は名称及び登録番号
③ 取引年月日
④ 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
⑤ 10%・8%それぞれの対象となる対価の総額及び適用税率
⑥ 10%・8%それぞれの消費税額等

出典:インボイス制度について(インボイスの記載事項について)|国税庁

記載事項の⑤・⑥は、その取引(売上)の対価の総額と消費税額です。相殺は、この売上代金を回収する一つの手段にあたります。そのため、相殺額を引いた純額だけを対価の額として書くと、本来の取引の対価や消費税額が正しく伝わらないおそれがあります。相殺前の対価の額・消費税額を記載し、相殺額は差引計算や備考として区別して示すと、記載事項を満たしながら相殺後の請求額も伝えられます。

先ほどの記入例(相殺前330,000円・相殺額110,000円)を、適格請求書として交付する場合の記入例は次のとおりです。相殺前の税率ごとの対価の額・消費税額と登録番号を記載し、相殺額はそのあとに差し引く形で示します。

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記載項目登録番号取引内容(10%対象)対価の額(税抜・10%対象)消費税額(10%)ご請求額(相殺前・税込)相殺額差引ご請求額備考
記入例T+13桁(自社の適格請求書発行事業者の登録番号)9月分 制作業務 一式300,000円30,000円330,000円△110,000円220,000円上記相殺額は、貴社への買掛金(2026年9月分 外注費)と相殺しております。

軽減税率(8%)の対象品目がある場合は、10%と8%の対価の額・消費税額を税率ごとに分けて記載します。相殺そのものはインボイス制度の特別なルールではなく、通常の適格請求書の記載要件に沿って作成すれば問題ありません。

相殺領収書と収入印紙は必要か

相殺したときに取り交わす相殺領収書に、収入印紙が必要かどうかを解説します。国税庁の質疑応答事例では、相殺による領収書の扱いが次のように示されています。

金銭の受取書とは、金銭の引渡しを受けた者がその受領事実を証明するものをいい、ご質問の場合は、「領収書」、「領収」という文言の記載はありますが、相殺による売掛債権の消滅を証明するものであって、金銭の受領事実を証明するものではありませんから、第17号文書(金銭の受取書)には該当しません(基通別表第一第17号文書の20)。
また、金銭又は有価証券の受取書に相殺に係る金額を含めて記載しているものについては、当該文書の記載事項により相殺に係るものであることが明らかにされている金額は、記載金額に含めません。

出典:相殺による領収書|国税庁 質疑応答事例

全額を相殺した場合は、実際にお金を受け取ったわけではないため、収入印紙は不要です。金銭の受取書(第17号文書)に当たらないためです。一方、一部を相殺し、差額を現金で受け取った場合は、相殺した分を除いた現金受取分が記載金額となります。この現金受取分が5万円未満であれば非課税、5万円以上であれば記載金額に応じた印紙税(記載金額100万円以下の場合は200円)が必要です。

重要なのは、文書の記載から相殺によるものだと明らかにしておくことです。相殺である旨が示されていないと、金銭を受け取ったことの証明とみなされ、課税文書として扱われるおそれがあります。

相殺領収書には、相殺である旨と金額の内訳を書き添えます。たとえば全額相殺なら「2026年9月分の買掛金110,000円と相殺のうえ、全額を領収いたしました」、一部相殺で差額を現金受領するなら「110,000円を買掛金と相殺し、差額220,000円を現金にて領収いたしました」のように書きます。

相殺した金額と現金で受け取った金額を分けて記載しておくと、現金受取分だけが印紙税の記載金額として扱われます。

出典・参考資料(2件)

相殺のメリット・デメリット

相殺を使うかどうかを判断できるよう、メリットとデメリット、そして実務上の注意点を整理します。

相殺のメリット

相殺の主なメリットは、入出金にかかる手間とコストを抑えられる点です。具体的には次の4つが挙げられます。

  • 振込手数料を削減できます(入金と支払を別々に行わずに済みます)
  • 入出金処理をまとめられ、経理の手間が減ります
  • 差額だけをやり取りするため資金の動きが小さく、資金繰りの見通しを立てやすくなります
  • 売掛金の一部を確実に回収でき、貸し倒れのリスクを抑えられます

相殺のデメリット

一方で、相殺には注意すべき面もあります。主なデメリットは次のとおりです。

  • 相殺額の計算や、相殺を反映した請求書・仕訳の作成が加わり、経理の作業が増えます
  • 金額や対象の認識が取引先とずれると、後からトラブルになりやすくなります
  • 個々の取引金額が帳簿や通帳の動きだけでは見えにくく、取引の記録を別に残す必要があります
  • 取引先の合意が得られないと、実務上は進めにくくなります

相殺を行うときの注意点

相殺を行うときは、取引先の承諾を得てから進めるのが安全です。相手に断りなく行うと、支払を巡る認識のずれにつながります。相殺額と対象の取引について合意を得ておくと、後からの行き違いを防げます。

書類の面では、相殺した事実が第三者から見てもわかるように残しておくことが大切です。請求書の備考や相殺領収書に、どの取引をいくら相殺したかを明記しておくと、税務や監査の際にも説明しやすくなります。

源泉徴収と相殺の関係(報酬を相殺するとき)

原稿料やデザイン料、士業への報酬など、源泉徴収の対象となる報酬を相殺する場合は、源泉徴収の順序に注意が必要です。源泉徴収の対象となる報酬は、所得税法204条により、支払う際に所得税を差し引いて納めることが定められています。

ここでいう「支払」には、現金を渡す行為だけでなく、相殺のように支払の債務が消滅する行為も含まれると、所得税基本通達(181〜223共-1「支払の意義」)で示されています。そのため、報酬を相殺で清算する場合も、源泉徴収が必要になります。

手順としては、まず報酬総額から源泉所得税を差し引き、その源泉徴収後の金額をもとに相殺します。源泉徴収を飛ばして報酬の全額をそのまま相殺しないよう注意してください。

たとえば原稿料やデザイン料など源泉徴収の対象となる報酬が100,000円(税抜)の場合、源泉所得税は10,210円(税率10.21%)です。これを差し引いた89,790円が、相殺や支払に充てる金額になります。この取引先への買掛金があれば、89,790円とその買掛金を相殺します。報酬の相殺は税務上の判断を伴う場面もあるため、金額が大きい場合や判断に迷う場合は、税理士などの専門家に確認すると確実です。

出典・参考資料(2件)

外注先やフリーランスへの報酬を相殺するときは、源泉徴収税額を差し引いたうえで支払明細書に反映します。源泉徴収税額(10.21%)の具体的な計算方法や、支払明細書への記入例を知りたい場合は、次の記事で詳しく解説しています。

相殺を反映した請求書・明細の発行に役立つサービス

ここからは、相殺を反映した請求書や明細の作成・発行を効率化できるサービスを紹介します。相殺の計算や承諾の取り付けは自社で行う前提で、相殺額の行や備考を記載した請求書・明細を作成・発行する部分を支えるサービスを取り上げます。ここでは相殺への対応を軸に絞って比較します。まずは主なサービスを比較し、その後に各サービスの特徴を見ていきます。

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サービス名楽楽明細invox発行請求書boardバクラク請求書発行Misocafreee請求書
作成・発行できる主な帳票請求書・納品書・領収書・支払明細(支払通知書)ほか請求書・見積書・納品書・支払通知書見積書・請求書・納品書・検収書など11種以上請求書・見積書・納品書・支払通知書など見積書・納品書・請求書・領収書・検収書ほか(支払明細書は非対応)請求書(作成・発行が中核)
相殺を反映した請求書・明細への対応●相殺明細書を発行帳票として明記(確定データを取込・発行)●自由レイアウトで相殺額・備考を記載●明細・備考で相殺を反映●柔軟なレイアウトで相殺額・備考を記載△明細行と備考で記載(列・項目の追加は不可)●明細・備考で相殺を反映
インボイス制度対応●●●●●●
初期費用100,000円(税抜)0円0円要問い合わせ0円要問い合わせ
月額費用25,000円(税抜)〜0円〜(フリー、有料は2,178円〜/税込)1,200円〜(税抜)要問い合わせ0円〜(無料枠、有料は500円〜/税込)4,750円〜(送付料金・アドバンス)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※上記は各社の公式情報(2026年6〜9月時点)にもとづく比較です。月額費用は各社の基準が異なり、freee請求書は送付料金の起点(基本料金とは別基準)です。相殺額の自動計算など一部の機能や最新の料金・仕様は、各社の資料・公式サイトでご確認ください。

ここまでは相殺への対応を軸に絞って比較しました。請求書発行システムをタイプ別の選び方やインボイス・電子帳簿保存法への対応も含めて幅広く比較検討したい場合は、次の記事もあわせてご覧ください。

1. 楽楽明細(株式会社ラクス)

楽楽明細のサービスサイト

楽楽明細は、株式会社ラクスが提供する電子帳票発行システムです。請求書・納品書・領収書・支払明細などの帳票を、Web発行・メール送付・郵送代行・FAXの4つの手段から取引先ごとに選んで自動で配信できます。

基幹システムや表計算で確定させた帳票データ(CSVやPDF)を取り込んで発行するしくみで、相殺明細書も発行できる帳票の一つとして案内されています。相殺額を反映した明細を、取引先ごとの希望に合わせた方法で届けられる点が特徴です。

料金は、初期費用が100,000円(税抜)、月額が25,000円(税抜)からで、帳票の発行件数やオプションによって変わります。無料のトライアル環境も用意されています(2026年9月時点の公式情報)。

2. invox発行請求書(株式会社invox)

invox発行請求書のサービスサイト

invox発行請求書は、株式会社invoxが開発する請求書発行システムです。請求書に加えて見積書・納品書・支払通知書を、自由なレイアウトで作成・発行できます。

レイアウトを自分で組めるため、相殺前の金額・相殺額・差引後の金額や、相殺内容の備考を記載した請求書を作成できます。ただし、作成できるカスタムレイアウトの数はプランで異なり、無料のフリープランは標準レイアウトのみ、上位プランほど登録できる数が増えます。

料金は初期費用が0円で、月額基本料金はフリーが0円、ミニマムが2,178円、ベーシックが10,780円、プロフェッショナルが32,780円(いずれも税込)です。発行は1件55円(税込)の従量制で、フリープランは無料の範囲で利用できます(2026年8月時点の公式情報)。

3. board(ヴェルク株式会社)

boardのサービスサイト

見積から請求までの書類作成と経営管理をまとめて行えるのが、ヴェルク株式会社のboardです。在庫管理機能を持たず、受託開発やコンサルティングなど、在庫を持たない事業を主な対象にしています。

見積書・請求書・納品書など複数の書類を作成でき、相殺を反映した明細や備考を記載した請求書も作れます。インボイス制度に対応し、登録番号の表示や、税率別の金額・消費税額の表示にも対応しています。

料金は初期費用が0円で、月額はPersonalが1,200円、Basicが2,400円、Standardが4,900円、Premiumが7,900円(いずれも税抜)です。30日間の無料トライアルが用意されています(2026年9月時点の公式情報)。

4. バクラク請求書発行(株式会社LayerX)

バクラク請求書発行のサービスサイト

株式会社LayerXの「バクラク」シリーズに含まれる帳票発行プロダクトが、バクラク請求書発行です。基幹システムや今の業務を大きく変えずに、請求書・見積書・納品書・支払通知書などの帳票の作成・送付・管理を電子化できます。

柔軟なレイアウト設定で既存の帳票フォーマットを再現でき、相殺額の行や相殺内容の備考を記載した請求書の作成に対応します。CSV・PDFの取り込みによる一括作成、発行前の申請・承認ワークフロー、売上仕訳の自動作成にも対応しています。

料金は公式サイトに金額の記載がなく、要問い合わせです。資料請求で詳しい料金やプランを確認できます(2026年9月時点の公式情報)。

5. Misoca(弥生株式会社)

Misocaのサービスサイト

見積書・納品書・請求書をクラウドやスマホアプリで作成できる、弥生株式会社の請求書作成ツールがMisocaです。パソコンからもスマホアプリからも手軽に発行・送付できます。

明細行と備考を使って、相殺前の金額・相殺額・差引後の金額を反映した請求書を作成できます。テンプレートへの列の追加や源泉徴収税額欄の追加といったカスタマイズには対応していないため、相殺の内容は明細行と備考で表す形になります。

無料プランでは請求書を月10通まで作成でき、有料プランは月額500円(税込)からです。見積書と納品書は無料プランでも無制限に作成できます(2026年9月時点の公式情報)。

6. freee請求書(フリー株式会社)

freee請求書のサービスサイト

freee請求書は、フリー株式会社が提供する電子請求書発行システムです。請求書の作成・発行・送付を中心に、インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しています。

相殺を反映した明細や備考を記載した請求書を作成でき、2023年に提供が始まったアドバンスプランでは、入金消込や債権管理、仕訳の自動作成まで広げられます。freee会計と組み合わせると、請求書の発行から会計処理までを一つの流れで扱えます。

料金は、送付料金が月額4,750円から(アドバンスプランの送付関連料金の起点)で、消込機能を含むプランの詳細は公式の料金ページで確認できます(2026年6月時点の公式情報)。

まとめ

相殺は、同じ取引先との売掛金と買掛金を同額だけ打ち消し、差額だけを精算するしくみです。民法505条・506条の要件を満たせば行え、請求書には相殺前の金額・相殺額・差引後の金額を分けて記載し、備考でどの取引と相殺したかを示すのが基本の書き方です。

仕訳では売掛金と買掛金を重なる分だけ消し込み、差額があれば現預金で調整します。インボイス制度では相殺前の対価の額・消費税額を記載し、全額相殺の相殺領収書は収入印紙が不要です。報酬を相殺するときは源泉徴収を先に行う点にも注意しましょう。相殺を反映した請求書・明細の発行を効率化したい場合は、各社の資料を比較して自社に合うサービスを選ぶのがおすすめです。

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よくある質問(FAQ)

Q. 相殺(そうさい)とは何ですか?

A. 相殺とは、同じ取引先に対する売掛金と買掛金のように、互いに同じ種類の債権・債務を対当額(重なり合う金額)だけ打ち消し合い、差額だけを精算するしくみです。民法505条が定める要件(互いに同種の債務を負い、双方の債務が弁済期にあることなど)を満たせば行えます。入金と支払を別々に行わずに済むため、振込手数料や入出金の手間を抑えられる点が、相殺が使われる主な理由です。

Q. 相殺するのに取引先の合意は必要ですか?

A. 相殺は法律上、当事者の一方からの意思表示だけででき、取引先の同意がなくても成立します(民法506条)。ただし実務では、事前に金額と対象の取引を伝えて合意を得てから進めるのが安全です。相手に断りなく相殺すると、支払を巡る認識のずれやトラブルにつながるためです。相殺する旨と、どの取引をいくら相殺するかを共有しておくと、後からの行き違いを防げます。

出典・参考資料(1件)

Q. 相殺額のマイナスは「△」と「▲」のどちらで書けばよいですか?

A. 「△」「▲」のどちらを使っても構いません。マイナス表記に法律上の決まりはなく、どちらも実務で広く使われている書き方です。大切なのは記号の種類よりも、相殺前の請求額・相殺額・差引後の請求額を分けて記載し、備考欄にどの取引と相殺したかを明記することです。取引先や第三者が見て相殺の内容がわかるようにしておくと、確認やトラブル防止に役立ちます。

Q. 売掛金の全額を相殺して請求額が0円になるとき、請求書には何と書けばよいですか?

A. 請求額が0円であることと、相殺により精算済みで振込が不要である旨を明記します。備考欄などに「相殺により精算済みのため、お振込みは不要です」と一文を添えると、取引先が誤って振込をしてしまう行き違いを防げます。相殺前の請求額・相殺額・差引後の0円がわかるように記載する点は、一部だけ相殺する場合と同じです。

Q. インボイス(適格請求書)では、相殺前と相殺後のどちらの金額を記載しますか?

A. 相殺前の対価の額と消費税額を記載し、相殺額はそれと区別して差引計算や備考で示します。適格請求書の記載事項は、その取引(売上)の税率ごとの対価の総額と消費税額です。相殺は売上代金を回収する一つの手段にあたるため、相殺額を差し引いた純額だけを書くと、本来の取引の対価や消費税額が正しく伝わらないおそれがあります。記載事項を満たしたうえで、相殺後の請求額を示しましょう。

出典・参考資料(1件)

Q. 相殺領収書に収入印紙は必要ですか?

A. 全額を相殺した場合は、実際にお金を受け取っていないため収入印紙は不要です。金銭の受取書(第17号文書)に該当しないためです。一部を相殺して差額を現金で受け取った場合は、相殺分を除いた現金受取分が5万円以上であれば印紙税が必要です(5万円未満は非課税)。どちらの場合も、文書に相殺である旨を明記しておくことが大切です。

出典・参考資料(1件)

Q. 源泉徴収の対象になる報酬を相殺するとき、源泉徴収はどうなりますか?

A. 報酬を相殺で清算する場合も源泉徴収は必要です。報酬総額から源泉所得税を差し引き、その源泉徴収後の金額をもとに相殺します。源泉徴収の対象となる「支払」には、相殺のように債務が消滅する行為も含まれるためです(所得税基本通達181〜223共-1)。報酬の全額をそのまま相殺しないよう注意してください。判断に迷う場合は税理士などの専門家に確認すると確実です。

出典・参考資料(2件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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