取引先への請求書を出し忘れていた、あるいは一部の費目を請求し漏らしていた——気づいた瞬間、まず頭に浮かぶのは「どう謝ればいいか」ではないでしょうか。相手に失礼のないお詫びメールを、できるだけ早く送りたい場面です。
本記事では、請求漏れが起きたときにそのまま使えるお詫びメールの文例を、「丸ごと出し忘れ」「一部の請求漏れ」「送付遅れ」「金額の誤り」の4ケースに分けて全文で用意しました。あわせて、気づいてからの動き方、締め日を過ぎて今月分と合算してよいかの判断、いつまで請求できるか(時効)、再発行の正しい作法、そして二度と起こさないための仕組みづくりまでを整理します。
読み終えるころには、自分のケースに合うメールをすぐ送れて、再請求と再発防止の段取りに迷いがなくなっている状態を目指します。
目次
一括ダウンロードする
【ケース別】請求漏れのお詫びメール文例(そのまま送れる全文)
ここからは、請求漏れが起きたときのお詫びメールを、ケース別に全文で紹介します。自社の状況に近いものを選び、〔 〕の箇所を自社の情報に置き換えてそのまま使えます。まずは全ケースに共通する「入れるべき項目」を押さえてから、個別の文例に進みます。急ぎの場合は、自分のケースの文例へ直接お進みください。
お詫びメールに入れる項目
請求漏れのお詫びメールは、謝罪の言葉だけでは足りません。相手が「結局いくらを・いつまでに払えばよいのか」を判断できる情報を、過不足なくそろえる必要があります。次の6点を入れると、謝罪と実務連絡が1通で完結します。
- 件名:ひと目で用件が分かるように「請求書」「お詫び」を含める
- 冒頭の謝罪:言い訳を先に並べず、まず自社の不手際を認めてお詫びする
- 経緯の説明:何が・いつ分の請求で漏れていたのかを簡潔に示す
- 請求書の発行日・送付方法:いつ・どの方法で請求書を送る(送った)のかを明記する
- 支払期日の相談:相手の都合に配慮し、支払時期を相談する姿勢を示す
- 再発防止の一言:チェック体制を見直す旨を添え、信頼回復につなげる
以降の文例は、この6点を織り込んだ形にしています。メールの前に電話で一報を入れておくと、より丁寧な印象になります(詳しくは対処手順で解説します)。
請求書を丸ごと出し忘れていた場合(未請求)の文例
その月の請求書自体を発行し忘れ、取引先に届いていなかったケースです。「発行が漏れていた事実」をはっきり認めたうえで、速やかに送付する旨と支払期日の相談を添えます。
一部の費目・項目を請求し漏らした場合の文例
請求書は送ったものの、一部の作業分や費目を載せ忘れていたケースです。すでに送った請求書との関係(追加請求なのか、差し替えなのか)を明確にすることが大切です。追加分だけを別途請求する場合の文例を示します。
追加請求ではなく、漏れていた分を含めた正しい金額の請求書を作り直して差し替えたい場合もあります。その場合は件名を「請求書再発行のご連絡」とし、本文で「先にお送りした請求書は破棄いただき、本日再発行した請求書でご確認ください」と伝えます。文面は後述の〔請求金額を間違えた場合〕の文例が流用でき、(誤)(正)の欄は、漏れ分を反映した正しい金額のご案内に読み替えます。
取引先がすでに元の請求書で支払い手続きに入っているときは、差し替えると経理処理が二重になりやすいため、不足分だけを追加請求するほうが無難です。どちらで対応するかは、相手の処理状況に合わせて選びます。
請求書の送付が遅れた場合の文例
請求書自体は作成していたものの、送付が予定より遅れてしまったケースです。遅延の事実をお詫びし、発送済みであること(またはこれから送ること)を伝えます。
請求金額を間違えた場合の文例
送った請求書の金額に誤りがあったケースです。誤った金額と正しい金額をはっきり書き分け、正しい請求書を再発行して送る旨を伝えます。再発行の作法は後述しますが、メールでは「訂正」ではなく「再発行した請求書をお送りする」と伝えるのが正確です。
取引先がすでに(誤った金額や漏れのある金額で)支払い済みの場合は、「破棄して再発行分で」ではなく差額で調整するのが基本です。請求が不足していたら不足分を追加で請求し、過大に請求していた場合は差額を返金するか次回の請求で相殺します。いずれの場合も、追加請求・返金の内容と理由をメールで明確に伝えるようにします。
請求漏れに気づいたときの対処手順(社内確認→電話→再発行→メール)
ここからは、文例を送る前後の動き方を整理します。慌ててメールだけを送るより、順序を踏んだほうが相手の心証もよく、支払いの調整もスムーズです。

まず社内で確認・上長や経理へ報告する
取引先に連絡する前に、漏れていた金額・対象の取引・契約内容を社内で確認しておくことが欠かせません。入金サイトや値引きの約束など、担当者だけが把握していない条件が隠れていることもあるためです。あわせて上長や経理部門へ報告し、対応方針をそろえておくと、連絡後のやり取りで食い違いが起きません。
取引先へまず電話で一報を入れる(メールより先に)
請求漏れのような実務的なミスは、メールだけで済ませるより、先に電話で一報を入れるほうが誠実さが伝わります。電話では言い訳を長く並べず、「請求が漏れていた事実」「これから正式な請求書とお詫びをメールで送ること」を短く伝えるにとどめます。
口頭でのやり取りは記録に残らないため、電話の後に改めてメールを送り、経緯と金額を書面で残すのが基本です。この「記録としてのメール」に、前章の文例を使います。
請求書を再発行して送付する
漏れていた分、または金額を誤っていた分の請求書を発行し直します。郵送の場合は到着を早めるため速達を使う、メール添付の場合はPDFで送るなど、相手が受け取りやすい方法を選ぶのが基本です。再発行には訂正不可・枝番といった実務上の作法があり、次章で詳しく解説します。
記録としてお詫びメールを送る
電話で一報を入れたあと、お詫びと経緯・金額・支払期日の相談をメールで送り、やり取りを書面に残しておきます。文面はケース別の文例をそのまま使えます。送付後は、相手からの支払期日の返答を待ち、合意した期日を社内でも共有しておくと安心です。
請求書を再発行するときの正しい作法
請求漏れや金額誤りの対応では、請求書の「再発行」が必要になります。ここでは、やってしまいがちな誤りを避けるための作法を、理由とともに整理します。
訂正ではなく再発行する(証憑書類のため)
すでに送った請求書に誤りがあったとき、二重線で消して書き直すような「訂正」は避け、正しい内容の請求書を新たに「再発行」します。請求書は取引の事実を示す証憑書類で、法人は原則7年間の保存義務があるため、あとから改ざんできる形にしないことが求められます。
とくにインボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応した請求書(適格請求書)の場合、国税庁は記載事項に誤りがあったときの対応を明確にしています。
売手である適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書(電磁的記録により提供を行ったものも含みます。)の記載事項に誤りがあったときは、買手である課税事業者に対して、修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなければならないこととされており、買手においては、追記や修正を行うことは認められていません。
出典:消費税の軽減税率制度・インボイス制度に関するQ&A(買手による適格請求書の修正)|国税庁
このように、売手側が修正した請求書を交付し直すのが原則で、買手が勝手に書き直すことはできません。再発行した場合でも、当初交付した請求書の控えは破棄せず保存しておきます。
枝番を振り、再発行と分かるようにする
再発行の際は、どの請求書を直したものかが分かるようにします。実務では次のような方法が使われます。
- 当初の請求書との関連が分かるよう、請求書番号に枝番を振る(例:
20260301→20260301-1) - 「再発行」である旨を請求書に明記し、当初分と取り違えられないようにする
- 修正した事項が分かるよう、当初交付分との関連性を明らかにして交付する(国税庁は、全記載事項を記載し直す方法と、当初分との関連を示し修正点のみ明示する方法の双方を認めています)
発行日は、当初の請求書との対応が分かるよう当初の日付を据え置くのが実務では一般的です。ただし相手の締め処理に影響しそうな場合は、どの日付で処理するかを事前に確認しておくと安全です。
送付方法(郵送・メール)の注意
再発行した請求書は、早く確実に届く方法で送ります。郵送なら速達の利用、メール添付ならPDFでの送付が一般的です。メールで送る場合も、本文に経緯とお詫びを添え、ファイル名に「再発行」や対象月を入れておくと、相手が当初分と区別しやすくなります。いつ送るかは、気づいたらできるだけ早く送るのが原則です(締め日後や合算の扱いは次章で説明します)。
締め日後・月をまたいだ場合に今月分と合算してよいか
請求漏れに気づいたのが締め日を過ぎてから、あるいは月をまたいでからだと、「漏れていた分を今月分と合算して1枚で送ってよいか」で迷いがちです。結論から言えば、合算できるかどうかは取引先の運用次第です。
合算できるかは取引先の運用次第(事前に相談する)
取引先の経理は、月ごとの締め・支払サイト(締め日から入金までの期間)に沿って処理しています。過去の月に属する請求を今月分と合算されると、どの月の費用として計上するかで処理が煩雑になることがあります。一方で、合算のほうが処理の手間が少ないと歓迎する取引先もあります。
どちらがよいかは相手の運用に左右されるため、勝手に合算して送らず、「別々に請求するか、今月分と合算するか」を事前に相談するのが確実です。電話やメールで一言確認してから請求書を発行すれば、処理のやり直しを避けられます。
合算して請求する場合のメールの一文(文例)
合算してよいかを確認する、あるいは合算した請求書を送る際には、次のような一文を本文に添えます。
請求漏れ発覚後、いつ送るべきか(送付タイミング)
送付のタイミングは「気づいたらできるだけ早く」が原則です。先延ばしにするほど、相手の締め処理に間に合わず入金がさらに先になります。合算の可否を相談する場合も、まず電話で一報を入れ、相手の返答を待ってから請求書を発行・送付すると、二度手間になりません。
請求書はいつまで請求できるか(時効・民法166条)
「今さら請求してよいのか」と不安になる方もいますが、請求漏れに気づいた時点で、多くの場合はまだ請求できます。請求できる期間は、債権の消滅時効で決まります。
債権の消滅時効は原則5年(民法166条)
売掛金などの取引で生じる代金債権は、民法166条の定める消滅時効にかかります。条文は次のとおりです。
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)第百六十六条|e-Gov法令
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
第1号と第2号は起算点が異なり、単純な二択ではありません。売掛金のように支払期日が決まっている債権では、支払期日が来れば権利を行使でき、債権者(請求する側)もそのことを通常は知っています。そのため実務上は、第1号の「権利を行使することができることを知った時から5年」で時効にかかると考えるのが一般的です。請求漏れに気づいたのが支払期日から数か月後程度であれば、まだ十分に請求できます。
請求できても入金時期は別問題
時効にかかっていなくても、請求し直した代金がすぐ入金されるとは限りません。入金のタイミングは、相手の締め・支払サイトに従います。過去の月の分を今ごろ請求すれば、相手の処理の都合で入金が翌月以降にずれることもあるため、支払時期は請求とは切り離して相談するのが現実的です。
入金時期の見通しとして補足すると、発注側が支払う側として負う支払期日には、フリーランス法や取適法(旧・下請法)により「給付の受領日から60日以内」といった上限が定められている場合があります。これは支払う側に課される義務で、請求し漏らした売り手の請求可否を縛るものではありません(詳しくはよくある質問をご覧ください)。
同じ請求漏れを防ぐ再発防止策(請求業務の仕組み化)
お詫びと再請求が済んだら、次は同じミスを繰り返さない仕組みづくりです。請求漏れは「気をつける」だけでは防ぎきれません。原因を押さえ、業務の流れとツールで防ぐのが根本的な対策です。
請求漏れが起こる主な原因(属人化・手作業の転記・チェック不在)
請求漏れの多くは、特定の担当者しか請求状況を把握していない属人化、表計算ソフトへの手作業の転記、発行前の確認が一人任せになっているチェック不在から生まれます。請求件数が増えたり、担当者が不在になったりしたときに、こうした弱点が一気に表面化します。
チェック体制・一元管理・ナンバリングで防ぐ
まず着手しやすいのは、仕組みの整備です。発行前に第三者が確認するダブルチェック、見積・納品・請求を共通の番号で結びつけるナンバリング、取引先ごとに売掛金を記録して未請求・未入金を可視化する管理表の運用が有効です。これらは、どの請求が済んでいてどれが残っているかを一目で分かる状態にし、漏れを早い段階で気づけるようにします。
毎月の定期請求ではなく都度の取引が多い場合は、受注・納品のたびに請求予定を管理表へ起票し、月末に「請求済み・未請求」を突き合わせる運用にすると、単発の請求漏れを拾えます。チェックのタイミングを締め作業に組み込んでおくと、担当者が替わっても漏れに気づける体制になります。
定期請求は自動発行で根本から防ぐ(継続課金・サブスク事業者向け)
毎月同じ取引先に請求する継続課金・サブスクリプション型の事業では、請求書の自動発行が最も確実な再発防止策です。あらかじめ請求内容と周期を登録しておけば、人の手を介さずに毎月の請求書が作られるため、「発行し忘れ」という原因そのものがなくなります。
入金消込(入金データと請求データを照合して消し込む作業)や未入金の検知・催促まで自動化できるサービスを使えば、請求してから入金を確認するまでの抜け漏れも減らせます。
請求書の発行・送付や入金管理を自動化するクラウドサービスは複数あり、対応する機能や料金はサービスごとに異なります。
一括ダウンロードする
ここからは、請求漏れの再発防止に役立つクラウド請求サービスを紹介します。まずは主な候補を一覧で比較します。
| サービス名 | 請求管理ロボ | freee請求書 | バクラク請求書発行 | 請求QUICK | invox発行請求書 |
|---|---|---|---|---|---|
| 定期・継続請求の自動発行 | ◎定期定額・定期従量に対応 | ●請求書の定期的な自動作成に対応 | ●書類の定期作成で自動生成・送付 | ●定型取引の自動化・送付予約に対応 | ●定期的な請求書の自動生成に対応 |
| 入金消込 | ◎AI学習・バーチャル口座で自動消込 | △アドバンスプランで対応 | ×帳票発行特化のため非対応 | ●銀行API連携で自動突合(消込QUICK) | △ベーシックプラン以上で対応 |
| 未入金の検知・催促 | ●自動催促メール・未入金の可視化 | △入金状況をステータスで管理 | ●作成・送付・督促をAIで自動化 | △督促ステップの担当者を設定可能 | ●督促・計上処理まで自動化 |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 0円 | 0円 |
| 月額費用 | 要問い合わせ | 0円〜 無料プランあり(スタンダード1,980円/月〜) | 要問い合わせ | 0円〜(従量課金制) | 0円〜(フリープランあり) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※2026年10月時点の各社公式サイトの情報にもとづきます。最新の料金・機能は各社公式サイトでご確認ください。
1. 請求管理ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求管理ロボは、請求書の発行・送付から集金、入金消込、未入金の催促までをまとめて自動化するクラウドサービスです。単発・定期定額・定期従量の請求タイプを設定でき、希望の周期で請求書を自動発行できるため、継続取引での「発行し忘れ」を仕組みで防げます。
入金データを取り込んで請求と自動で突き合わせる消込機能や、未入金を一覧で可視化して次回への繰越・再発行をワンクリックで処理できる機能もあり、請求してから入金確認までの抜け漏れを減らせます。SFA/CRM(営業支援・顧客管理システム)や会計ソフトとの連携にも対応し、請求から会計までのデータをつなげられます。
2. freee請求書(フリー株式会社)

クラウド会計で知られるフリー株式会社が提供する請求書サービスです。無料から使えるプランで見積書・請求書の作成や定期的な自動作成(無料プランは1件まで)に対応し、上位のアドバンスプランでは入金消込・債権管理・入金情報と債権の突合まで機能が広がります。
請求書の作成から入金管理までを1つの流れで扱えるため、発行漏れと入金確認漏れの両方を抑えたい事業者に向いています。すでにfreeeの会計を使っている場合は、データを引き継いで導入しやすい点も利点です。
3. バクラク請求書発行(株式会社LayerX)

請求書をはじめとする帳票の作成から送付、保存までをデジタル化できるのが、株式会社LayerXの「バクラク」シリーズの帳票発行サービスです。インボイス制度・電子帳簿保存法に対応し、定期的な請求書の作成にも対応するため、毎月の発行作業を省力化できます。
経費精算や請求書受取など同シリーズの他サービスと組み合わせると、支払・受取・発行を一体で扱え、経理業務全体の抜け漏れを減らせます。帳票の発行・送付を効率化したい事業者に適しています。
4. 請求QUICK(SBIビジネス・ソリューションズ株式会社)

SBIビジネス・ソリューションズ株式会社が提供する、請求書の発行から入金消込、代金回収までをカバーするクラウドソフトです。初期費用・月額基本料が0円で、使った分だけの従量課金のため、請求件数が多くない事業者でも始めやすい料金体系になっています。
請求書の作成・発行に加えて入金消込まで1つのサービスで扱えるため、未入金の見落としを防ぎたい場合に向いています。費用を抑えつつ請求業務を仕組み化したい小規模事業者の選択肢になります。
5. invox発行請求書(株式会社invox)

請求データをもとに請求書を作成し、送付・売上計上・入金消込までをつなげて自動化するのが、株式会社invoxのinvox発行請求書です。経理業務の自動化を手がける同社の「invox受取請求書」などと組み合わせれば、受け取りと発行の両面を効率化できます。
請求書の発行から入金確認までの手作業を減らしたい事業者に向くサービスです。定型的な請求を自動化することで、発行漏れや消込漏れのリスクを抑えられます。
請求書発行システムを、タイプ別の選び方や機能・料金まで広く見比べて選びたい場合は、以下の記事で主要サービスをまとめて比較しています。あわせてご覧ください。
まとめ
請求漏れに気づいたら、まず電話で一報を入れ、請求書を再発行し、記録としてお詫びメールを送る——この順序で動けば、相手の心証を損ねずに対応できます。お詫びメールは、自社のケースに合う文例をそのまま使い、金額と支払期日の相談を忘れずに添えましょう。
再発行は訂正ではなく新たに発行し直すのが原則で、売掛金は民法166条により通常は支払期日から5年は請求できます。締め日後や月をまたいだ合算は、相手の運用に合わせて事前に相談するのが確実です。そして同じミスを繰り返さないために、チェック体制の整備と、継続請求の自動発行による仕組み化まで進めておくと安心です。請求業務を仕組みで支えるサービスは、下記からまとめて資料請求できます。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. 請求漏れとは何ですか?
A. 請求漏れとは、取引先に請求すべき代金の請求書を発行し忘れたり、一部の費目を請求し損ねたりすることです。
請求書を丸ごと出し忘れる未請求、一部の作業・費目だけが抜ける一部漏れ、作成済みの請求書の送付遅れ、記載した金額の誤りなどのケースがあります。いずれも気づいた時点で速やかに謝罪し、請求書を発行・再発行して請求し直すのが基本です。
Q. 請求漏れに気づいた請求書は、いつまで請求できますか?
A. 請求漏れの代金は、支払期日から通常5年が経過するまでは請求できます(民法166条)。
売掛金などの代金債権は、民法166条により「権利を行使することができることを知った時から5年」で消滅時効にかかります。支払期日が定まっている取引では、期日の到来を請求する側も通常は把握しているため、実務上はこの5年で考えるのが一般的です。
請求漏れに気づいたのが支払期日から数か月後程度であれば、まだ十分に請求できます。ただし時効にかかっていなくても、入金のタイミングは相手の締め・支払サイトに従うため、支払時期は請求とは切り離して相談するのが現実的です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)第百六十六条|e-Gov法令
Q. 請求漏れに気づいた分を、今月分の請求書と合算して送ってもよいですか?
A. 請求漏れの分を今月分と合算してよいかは、取引先の経理運用によって異なるため、勝手に合算せず事前に相談するのが確実です。
過去の月に属する請求を今月分と合算されると、どの月の費用として計上するかで相手の処理が煩雑になることがある一方、合算のほうが手間が少ないと歓迎する取引先もあります。どちらがよいかは相手次第なので、「別々に請求するか、今月分と合算するか」を電話やメールで一言確認してから請求書を発行すると、処理のやり直しを避けられます。
Q. 再発行した請求書は、どのように送ればよいですか?
A. 再発行した請求書は、早く確実に届く方法で送り、当初分と取り違えられないようにするのが基本です。
郵送なら速達、メール添付ならPDFでの送付が一般的です。メールで送る場合は、本文に経緯とお詫びを添え、ファイル名に「再発行」や対象月を入れておくと、相手が当初分と区別しやすくなります。再発行後も、当初交付した請求書の控えは破棄せず保存しておきます。
Q. 請求漏れの分を後から請求する場合、消費税やインボイスの扱いはどうなりますか?
A. 請求漏れの分についても、買手が仕入税額控除を受けられるよう、適格請求書(インボイス)を改めて交付する必要があります。
インボイス制度では、買手が仕入税額控除(仕入れにかかった消費税を納付税額から差し引く仕組み)を受けるために適格請求書の保存が求められます。そのため、請求し漏れていた分も、記載事項を満たした適格請求書を発行して交付します。
金額を誤っていた場合は、買手が勝手に追記・修正することは認められておらず、売手が修正した適格請求書を交付し直すのが原則です。いずれの場合も、当初交付分の控えは保存しておきます。
出典・参考資料(1件)
Q. フリーランス法や取適法(旧・下請法)の支払期日は、請求し漏らした側の請求可否に関係しますか?
A. フリーランス法や取適法(旧・下請法)が定める「給付の受領日から60日以内」の支払期日は、報酬を支払う発注側に課される義務であり、請求し漏らした売り手がいつまで請求できるかを縛るものではありません。
フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、従業員を使わない個人などに業務委託した発注者に対し、給付を受領した日から起算して60日以内に支払期日を定めることを求めています。
資本金・従業員などの基準を満たす委託取引では、取適法(中小受託取引適正化法。2026年1月1日施行の改正で旧・下請法から改称)にも同様の60日ルールがあります。いずれも「支払う側」に課される義務なので、売り手の請求可否ではなく、請求し直した後の入金時期の見通しを立てる際の参考になります。
出典・参考資料(2件)
- 出典:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(第四条)|e-Gov法令
- 出典:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(中小受託取引適正化法)|e-Gov法令
クラウド請求書発行システムの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、請求書の発行・送付から入金消込・定期請求の自動化まで対応するクラウド請求サービスの最新資料を無料で一括請求できます。料金や機能を比べて、請求漏れを防ぐ仕組みづくりの検討に役立ちます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















