コンテナでアプリケーションを動かすようになり、イメージに紛れ込む既知脆弱性(CVE)や、Dockerfile・Kubernetesマニフェストの設定ミス、実行中コンテナを狙う攻撃への備えに不安を感じていませんか。従来のサーバー向け脆弱性管理ツールではコンテナ内部まで見きれず、対策の抜け漏れに気づきにくいという課題があります。
コンテナセキュリティ製品は、イメージのスキャンからレジストリ・実行環境(ランタイム)の保護までをカバーしますが、検査対象の広さやOSS・商用の別、料金体系、日本語サポートの有無は製品ごとに大きく異なります。自社のCI/CDパイプラインや運用体制に合う製品は、どのような観点で見極めればよいのでしょうか。
本記事では、コンテナセキュリティ製品15種類を同一の軸で比較・解説します。検査対象(イメージ・レジストリ・IaC・ランタイム・CSPM・SBOM)やOSS・商用の違い、料金、CI/CD連携、日本語サポートを横並びで整理し、無料のOSSで足りる範囲と、商用製品が必要になる分岐まで踏み込みました。コンテナを本番環境で運用するチームが、自社に合う製品を選ぶための材料としてご活用ください。
また、自社の環境や要件に合わせて最適な製品を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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コンテナセキュリティ製品とは|守る対象と製品で対策する理由
コンテナセキュリティ製品は、Dockerイメージやレジストリ、Kubernetesなどの実行環境に潜む脆弱性や設定ミスを検出し、実行中のコンテナを攻撃から守るためのツールです。開発段階でイメージをスキャンする製品から、本番環境の挙動を常時監視する製品まで、カバーする範囲はさまざまです。
守るべき対象は、1つのアプリケーションにとどまりません。米国国立標準技術研究所(NIST)のガイドライン「SP 800-190(アプリケーションコンテナセキュリティガイド)」は、コンテナ技術を構成する要素として次の5つを挙げ、それぞれにリスクがあると整理しています。
本節では、コンテナ技術のコアコンポーネントであるイメージ、レジストリ、オーケストレータ、コンテナ、ホスト OS の主要なリスクを特定し、分析する。
出典:アプリケーションコンテナセキュリティガイド(NIST SP 800-190 日本語訳)|情報処理推進機構(IPA)(英語原典:NIST SP 800-190)
イメージに含まれるOSパッケージやライブラリの脆弱性、レジストリへのアクセス制御、実行中コンテナの不正な挙動と、守る対象は開発から運用まで連続しています。コンテナセキュリティ製品は、これらをまとめて、あるいは特定の範囲に絞って検査・保護する役割を担います。
なぜコンテナ専用のセキュリティ対策が必要か
サーバー向けの従来型セキュリティツールをそのまま使うだけでは、コンテナ環境のリスクを捉えきれません。NIST SP 800-190 は、従来の脆弱性管理ツールがコンテナ化されたモデルと根本的に合わないことを、次のように指摘しています。
従来の脆弱性管理ツールは、ホストの耐久性やアプリの更新メカニズムや頻度について多くの想定をしているが、それはコンテナ化されたモデルとは根本的に異なる。(中略)さらに、従来のツールでは、コンテナ内の脆弱性を検知できないことが多いため、誤った安心感をもたらす。
出典:アプリケーションコンテナセキュリティガイド(NIST SP 800-190 日本語訳)|情報処理推進機構(IPA)
同ガイドは、侵入防止システム(IPS)やウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)といった従来型のソリューションでは多くの場合コンテナを適切に守れないとし、実行時のコンテナを狙う脅威に対応できる専用のセキュリティ製品を導入・使用することを勧めています。コンテナ特有の短命さ(頻繁な起動・停止)や、イメージという形で脆弱性が複製される性質に合わせた検査が、専用製品では組み込まれています。
また、コンテナに限らずサーバーやクラウド、自社コードのOSS依存まで含めて脆弱性を一元的に管理したい場合は、守りたい対象の広さで製品を選ぶ視点が役立ちます。対象範囲・SBOM対応・検出後の優先順位付けという軸で脆弱性管理ツールを横並びに整理した以下の記事もあわせてご覧ください。
脆弱性管理ツールおすすめ20選を比較|守りたい対象・SBOM対応・優先順位付けで選ぶ
年に一度の脆弱性診断は受けていても、診断の翌週に公表された脆弱性までは誰も追えていない、という状態は珍しくありません。JVN やベンダーの告知をメールで受け取り、表計算ソフトに転記し、担当者に依頼して、返事が来たら「対応済み」に色を塗ります…
検査対象で見るコンテナセキュリティ製品|イメージ・レジストリ・IaC・ランタイム・CSPM・SBOM
ここからは、製品を比べるうえで最も重要な軸となる「どこまでを検査するか」を整理します。製品ごとにカバーする範囲が違うため、この軸を押さえると各製品の比較表を読み解きやすくなります。また、関連の深いコンテナイメージとレジストリのスキャンは、ここではまとめて扱います。
各検査対象が、コンテナのライフサイクル(ビルド→レジストリ→デプロイ→実行)のどこを守るかを整理すると、次のようになります。

コンテナイメージ・レジストリのスキャン
最も基本となるのが、コンテナイメージに含まれるOSパッケージやライブラリの既知脆弱性(CVE)を洗い出すスキャンです。開発時にビルドしたイメージを検査するほか、Amazon ECRやHarborなどのコンテナレジストリに保管されたイメージを定期的にスキャンし、新たに公表された脆弱性を検出し続ける製品もあります。
イメージには、OSパッケージの脆弱性だけでなく、埋め込まれたマルウェアや機密情報(APIキー・認証情報)が紛れ込むこともあります。検査が脆弱性に限られるのか、マルウェアや機密情報の検出まで含むのかは、製品によって差があります。
IaC(構成ファイル)の検査
DockerfileやKubernetesマニフェスト、Terraformなどのコード(IaC=Infrastructure as Code)に含まれる設定ミスを、デプロイ前に検出する機能です。root権限での実行や過剰な権限付与といった危険な設定を、コードの段階で指摘します。
設定ミスをどこまで検出すべきかの目安として、非営利団体CIS(Center for Internet Security)が策定するセキュア構成ガイドライン「CIS Docker Benchmark」「CIS Kubernetes Benchmark」があります。多くの製品は、これらのベンチマークへの準拠状況をチェックする機能を備えています。
出典・参考資料(2件)
ランタイム保護
実行中のコンテナ内で起きる不審な挙動(想定外のプロセス起動、ファイル改ざん、外部への不正通信など)を検知・ブロックする機能です。イメージのスキャンが「動かす前」の対策であるのに対し、ランタイム保護は「動かした後」に侵入や悪用を捉えます。
実行中のコンテナやKubernetesを狙う攻撃手法は、MITRE ATT&CKのコンテナ向けマトリクスとして体系化されており、初期アクセスから影響(Impact)までの戦術が整理されています。ランタイム保護は、こうした攻撃の検知を独立した検査対象として担います。
出典・参考資料(1件)
CSPM(クラウド設定ミスの検査)
コンテナが動くクラウド基盤(AWS・Azure・Google Cloudなど)そのものの設定ミスを検査する機能を、CSPM(クラウドセキュリティポスチャ管理)と呼びます。公開範囲が広すぎるストレージや、過剰な権限を持つIAMロールなど、クラウド側の設定不備を洗い出します。
コンテナ単体の対策だけでなく、それを載せるクラウド基盤まで含めて守りたい場合に効いてきます。CSPMを標準で備える統合型の製品もあれば、コンテナのイメージスキャンに特化してCSPMを持たない製品もあり、ここが製品選びの分かれ目になります。
CSPMはCWPPやCNAPPなど似た用語と混同されやすいため、仕組みや守る対象の違いを整理したい場合は以下の記事が参考になります。
CSPMとは?クラウドの設定ミスを防ぐ仕組みとCWPP・SSPM・CASB・CNAPPとの違いを解説
自社のシステムをAWSやMicrosoft Azure、Google Cloudといったパブリッククラウドに載せる企業が増えるなかで、「CSPMを導入したほうがよい」という言葉をベンダーの提案書や社内の議論で見かける機会が多くなりました。と…
ソフトウェアサプライチェーン対策(SCA・SBOM・マルウェア検出)
コンテナイメージは、ベースイメージや多数のOSSライブラリを積み重ねて作られます。どのコンポーネントを使っているかを一覧化したものがSBOM(ソフトウェア部品表)で、脆弱性やライセンスリスクを持つOSSを特定するのがSCA(ソフトウェアコンポジション解析)です。
SBOMは各社が独自形式で出すのではなく、確立した標準で表現されます。代表的なのはCycloneDX(OWASP FoundationとEcma Internationalが推進。ECMA-424)とSPDX(Linux Foundationがホストし、国際標準ISO/IEC 5962:2021として標準化)です。製品がどの形式に対応するかは、既存のツールと連携するうえで確認したい点です。
サプライチェーンの完全性(ビルド工程の改ざん対策)については、業界合意で策定されたフレームワークSLSA(Supply-chain Levels for Software Artifacts)がレベル制の指標を定めています。SBOMで「何を使っているか」を可視化し、SLSAで「改ざんされていないか」を担保する、という整理ができます。
出典・参考資料(3件)
OSSツールと商用製品の違い|どこまで無料で足りるか
コンテナセキュリティには、無料で使えるOSS(オープンソースソフトウェア)のツールが数多くあります。まず無料で始めたい場合に、OSSで足りる範囲と、商用製品が必要になる分岐を整理します。

イメージの脆弱性スキャンや設定ミスの検査であれば、OSSツールで実用的に始められます。コンテナイメージ・ファイルシステム・IaCを幅広く検査できるOSSのCLIスキャナや、KubernetesネイティブにランタイムをOSSで保護する製品などがあります。いずれも導入費用はかからず、自社のCI/CDに組み込んで使えます(具体的な製品は後述の比較表・個別紹介で紹介します)。
一方で、OSSツールは自社で構築・運用する前提のため、検出結果を一元管理するダッシュボードや、検知件数が増えたときの優先順位付け、日本語での導入・運用サポートは基本的に付きません。クラウド基盤まで含めたCSPM、レジストリの継続スキャン、組織全体での統制といった要件が出てきたときが、商用製品を検討する分岐点になります。
また、商用製品の中にはOSSを土台にしたものもあり、同じ開発元が無料のOSSと商用プラットフォームの両方を提供しているケースもあります。OSSで検証してから同系統の商用版へ移行する、という進め方も現実的な選択肢になります。
コンテナセキュリティ製品の選び方
ここからは、自社に合う製品を見極めるための5つの観点を解説します。すべてを満たす製品を探すのではなく、自社の環境と体制にとって重要な観点から優先順位をつけて検討すると選びやすくなります。
検査対象の範囲が自社のニーズに合っているか
前半で整理した検査対象(イメージ・レジストリ・IaC・ランタイム・CSPM・SBOM)のうち、自社がいま守りたい範囲を満たしているかを確認します。開発段階のイメージスキャンだけで十分なのか、本番環境のランタイム保護やクラウド基盤のCSPMまで必要なのかで、選ぶべき製品は変わります。
広くカバーする統合型(オールインワン型)は1製品で完結する利点がありますが、特定の範囲に特化したツールのほうが運用がシンプルで済む場合もあります。まず自社の守りたい範囲を定めてから、それを過不足なくカバーする製品を候補に絞るのが近道です。
CI/CD・コンテナレジストリと連携できるか
コンテナセキュリティは、開発フローに組み込んでこそ継続的に機能します。自社のCI/CDツールにスキャンを組み込めるか、脆弱性が見つかったときにビルドを止める制御(ゲート)ができるかを、GitHub ActionsやGitLab CI、Jenkinsといった対応状況から確認します。
あわせて、自社が使うコンテナレジストリ(Amazon ECR、Google Artifact Registry、Harborなど)に対応しているかも重要です。レジストリと連携できれば、保管済みのイメージを継続的にスキャンし、新たに公表された脆弱性にも気づけます。
料金・ライセンス形態(OSS/サブスク/問い合わせ制)が見合うか
料金体系は製品によって大きく異なります。無料で使えるOSS、月額が公開されたサブスクリプション、個別見積もりの問い合わせ制があり、課金の単位もノード数・イメージ数・vCoreなどさまざまです。
海外ベンダーの統合型製品は料金を公開せず問い合わせ制とすることが多く、導入前に見積もりが必要です。自社のコンテナ規模(ノード数・クラスタ数)で費用がどう変わるかを確認し、スモールスタートできるか、将来の拡大に料金が追従するかまで見ておくと、導入後のコストのぶれを抑えられます。
日本語サポート・国内での提供体制があるか
コンテナセキュリティ製品は海外ベンダーが多く、日本語でのサポートや国内の提供体制は製品ごとに差があります。問い合わせ窓口やドキュメントが英語のみの製品もあれば、国内に法人・代理店があり日本語で導入から運用まで相談できる製品もあります。
検知された脆弱性の優先順位付けや運用設計で相談したい場合、日本語で伴走してもらえるかは実務上の負担を左右します。自社に専任のセキュリティ担当がいない場合ほど、国内サポートの手厚さが候補を絞る軸になります。
アラートの扱いやすさ・運用負荷に無理がないか
スキャンを始めると、大量の脆弱性が検出されるのは珍しくありません。すべてに同じ優先度で対応していては、消し込みが追いつかなくなります。検出結果を実際に悪用可能かどうかで絞り込んだり、影響度で優先順位をつけたりする機能があるかを確認します。
検出件数の多さそのものより、「どれから直すべきか」を示してくれるかが、運用を続けられるかの分かれ目です。自社の運用体制で無理なく回せる製品かという視点で、検出後の優先順位付けや自動修正の支援まで含めて見ておくと、導入後に形骸化しにくくなります。
とはいえ、自社がどのタイプの製品に向いているかの判断が難しいケースもあります。そのような場合でも自社の状況に合わせて最適な製品を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
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【比較表】コンテナセキュリティ製品の比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせて客観的に比較・選定できるよう、主要なコンテナセキュリティ製品15種類を、検査対象・OSS/商用の別・料金・CI/CD連携・日本語サポートの軸で横並びに整理します。
| サービス名 | Aikido Security | SentinelOne Singularity Cloud Security | Trend Vision One – Container Security | Prisma Cloud | Sysdig Secure | Aqua Security | Wiz | Microsoft Defender for Cloud | Qualys Container Security | Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes | Black Duck | Anchore | Snyk | Trivy | NeuVector |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | 商用SaaS(無料プランあり) | 商用SaaS | 商用SaaS(クレジット制) | 商用(SaaS/セルフホスト) | 商用SaaS(OSS Falco基盤) | 商用SaaS(OSS Trivy基盤) | 商用SaaS(エージェントレス) | 商用SaaS(Azure上で有効化) | 商用SaaS | 商用(セルフホスト/SaaS)+OSS(StackRox) | 商用(SaaS/オンプレ/ハイブリッド) | 商用(SaaS/セルフホスト)+OSS(Syft/Grype) | 商用SaaS(無料プランあり) | OSS(Apache-2.0) | OSS(Apache-2.0)+商用サブスク |
| イメージスキャン | ● | △解説ページ記載 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| レジストリスキャン | ● | △解説ページ記載 | △公式で未確認 | ● | ● | △商用版の対象は未確認 | ● | ● | ● | ● | △公式で未確認 | ● | ● | △継続監視は非対応 | ● |
| IaC検査 | ● | △解説ページ記載 | × | ● | ● | ● | ● | ● | △TotalCloudのIaCモジュール | △K8sマニフェスト中心 | × | × | ● | ● | △CIS Benchmark等の設定評価 |
| ランタイム保護 | △アプリ内FW(Zen) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | × | △稼働イメージ把握・デプロイ阻止 | △Sysdig連携(自社機能でない) | × | ● |
| CSPM | ● | ● | △Vision One Cloud側 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | × | × | × | × | × | × |
| SBOM生成 | ● | △公式で未確認 | △Code Security側 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | △公式で未確認 |
| Kubernetes対応 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ●EKS/GKEは一部Preview | ● | ●Kubernetesネイティブ | × | ● | ● | ● | ●Kubernetesネイティブ |
| CI/CD連携 | ● | △解説ページ記載 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 料金 | 月額5万円台〜(年契約・利用者10人まで)。無料プランあり | 要お問い合わせ(コンテナ向けは公式非開示) | クレジット制(K8sノード等あたり月91.67クレジット)。30日無料トライアル | 要お問い合わせ(クレジット制) | 要お問い合わせ(ホスト数などで見積もり) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | vCore数による従量課金(実額は公式非表示)。最初の30日間は無料 | 要お問い合わせ(QLUプール方式)。30日無料トライアル | 要お問い合わせ(Cloud Serviceは保護対象vCPUの時間課金)。60日無料トライアル | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ(OSSのSyft/Grypeは無料) | 無料プランあり/Team 月25ドル〜/Enterprise 要見積もり | 無料(OSS) | OSS版は無料/商用版はAzure従量課金で1ノード月78〜112ドル(最低5ノード) |
| 日本語サポート | ●日本語で導入・運用を支援(AndGo) | ●日本法人あり(日本語製品ページ) | ●製品ページ・ドキュメント・サポート日本語 | △日本法人あり(パートナー経由で日本語対応例) | △日本語サイトあり・ドキュメントは英語のみ | ×日本法人・日本語サポートは確認できず | △日本法人・日本語サイトあり(窓口は要確認) | △日本語ドキュメント・ポータル(機械翻訳混在) | ×日本語サポート・国内代理店は確認できず | △日本法人あり(RHACS固有の範囲は要確認) | ●日本法人あり(代理店マクニカ) | ×日本法人・日本語サポートは確認できず | ●日本法人あり・国内リセラーあり | ×公式日本語ドキュメントなし | ×日本語対応は公表なし |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※各社の公式情報(OSSは公式リポジトリ・ドキュメント)に基づく2026年10月時点の内容です。「△」は部分的・条件付きの対応、または公式情報で確認できなかったものを注記付きで示します。料金・機能は変更される場合があるため、最新の内容は各サービスの公式情報をご確認ください。
コンテナセキュリティ製品の個別紹介
ここからは、各製品の特徴を個別に紹介します。守る範囲や提供形態の近いものをタイプ別にまとめました。
オールインワン・CNAPP型|イメージからランタイム・クラウド設定まで統合
イメージのスキャンから設定の検査(CSPM)、実行中の保護までを1つのプラットフォームで扱うタイプで、CNAPP(クラウドネイティブアプリケーション保護プラットフォーム)とも呼ばれます。守る範囲を広くカバーしたい場合の有力な選択肢になります。
1. Aikido Security(株式会社AndGo)

ベルギーのAikido Security BVが開発し、日本では株式会社AndGoが正規代理店として提供するセキュリティSaaSです。公式サイトはCode・Cloud・Attack・Protectの4区分を掲げ、SCA(依存関係の脆弱性検査)・SAST(静的解析)・CSPM・コンテナイメージ検査・IaC検査などを1つの画面でまとめて扱います。
コンテナイメージのスキャンは無料のDeveloperプランから全プランで使え、AWS・Docker・GCP・Harbor・GitHubなど複数のレジストリに対応します。依存パッケージのマルウェア検出はProプラン以上、SBOM出力(SPDX・CycloneDX・CSV)はBasicプラン以上で、検出した脆弱性には修正プルリクエストを自動生成するAutoFixを備えます。
日本では株式会社AndGoが管理画面・ドキュメントの日本語対応と、導入から運用までの伴走支援を担います。料金は月額5万円台から(年間契約・利用者10人まで)で、2ユーザーまで使える無料のDeveloperプランも用意されています。
実行中の保護としては、アプリケーション内で動くファイアウォール機能「Zen」を備え、攻撃の試みをアプリ内で検知・ブロックします。
大量に出るアラートの扱いについて、日本で提供する株式会社AndGoの原氏は次のように話します。

当社がよくお聞きするのは、「アラートが多すぎて、何が重要か分からなくなって放置が始まる」という悩みです。Aikido Securityは、バラバラだったアラートを統一し、対応すべきアラートを絞れるようにします。結果として、消し込み工数を減少でき、セキュリティ運用を“手に負える状態”に寄せていけます。
2. SentinelOne Singularity Cloud Security(SentinelOne Japan株式会社)

単一の軽量エージェントと統合コンソールでエンドポイントからクラウドまでを守るSingularityプラットフォームのうち、コンテナ・クラウド領域を担うのがSingularity Cloud Securityです。公式はCSPM・CWPP・CIEM・DSPM・AI-SPMを統合したCNAPPと位置づけています。
ランタイム保護は軽量なeBPFベースのエージェントが担い、サーバー・VM・コンテナ・Kubernetesを対象にコンテナドリフトや不審なプロセスを検知します。レジストリ・イメージ・IaCのエージェントレススキャンやKSPMも挙げられていますが、これらは公式の解説ページでの記載で、製品ページ本体では確認できていません。
商用のSaaS製品で、OSS版の提供はありません。日本法人のSentinelOne Japan株式会社があり、Cloud Workload Securityの日本語製品ページも用意されています。一方でクラウド・コンテナ向けの料金や課金単位は公式では非開示で、価格はデモ申込や問い合わせを通じて確認する形です。
3. Trend Vision One – Container Security(トレンドマイクロ株式会社)

Trend Vision One(TrendAI Vision One)プラットフォームの一機能として提供される、コンテナ環境向けのセキュリティ機能です。開発・提供元はトレンドマイクロ株式会社で、ビルド時のイメージスキャンから、Kubernetesへのデプロイ可否を制御するアドミッションコントロール、稼働中コンテナのランタイム保護までを1つのコンソールで扱います。
ビルド時のイメージスキャンは、脆弱性・マルウェア・APIキーなどの機密情報を検査します。ランタイム保護では禁止コマンドや不正なファイルアクセスを検知してMITRE ATT&CKにマッピングし、コンテナの隔離・終了も可能です。KubernetesとOpenShift、サーバレスコンテナに対応します。
日本語の製品ページ・ドキュメント・サポートポータルが整備されている点が、海外ベンダー製品との違いです。料金はクレジット制で、保護対象のKubernetesノードまたはAmazon ECSインスタンスあたり月額91.67クレジット。30日間の無料トライアルがあります。
4. Prisma Cloud(Palo Alto Networks)

コード(IaC・CI/CD・SCA)、インフラ(CSPM)、ランタイム(コンテナ・ホスト・サーバーレス)の領域にまたがるクラウドセキュリティプラットフォームで、日本の報道ではCNAPPと説明されます。提供元は米国のPalo Alto Networksです。
コンテナイメージの脆弱性スキャンは、コンソールからのスケジュール実行、起動時のDefender、CIパイプライン内のtwistcliという3経路に対応します。レジストリスキャンは既定で24時間ごとに走り、Harbor・JFrog Artifactory・AWS ECR・Google Container RegistryなどDocker Registry v2 API準拠のレジストリを設定できます。
提供形態は、Palo Alto NetworksがコンソールをホストするSaaS版(Enterprise Edition)と、利用者が自前で運用するセルフホスト版(Compute Edition、エアギャップ環境向け)から選べます。商用製品でOSS版はなく、料金は非公開のクレジット制です。国内では日本法人と販売パートナー経由で日本語テクニカルサポートを提供する例があります。
5. Sysdig Secure(Sysdig, Inc.)

オープンソースのランタイム脅威検知エンジンFalcoを土台に持つCNAPPで、提供元はSysdig, Inc.(日本法人はSysdig Japan合同会社)です。コンテナ・Kubernetes・ホスト・サーバーレス・クラウドログを対象に、脆弱性管理からランタイム検知までを扱います。
イメージの脆弱性スキャンはパイプライン・レジストリ・ランタイムの各段階で行い、レジストリはJFrog Artifactory・AWS ECR・Azure Container Registry・Harbor・Quay.ioなどに対応します。
CI/CDはGitHub Actions・GitLab・Jenkinsとの連携ページがあり、Kubernetesのアドミッションコントローラーでポリシー違反のイメージをデプロイ前にブロックできます。
ランタイム検知はオープンソースのFalcoを用いたリアルタイムのアラートが中心です。料金は具体金額の掲載がなく、ホスト数などを課金単位とした見積もり依頼制。日本語サイトはありますがドキュメントは英語のみで、国内ではSCSK株式会社やKDDIアイレットが運用・サポートを提供しています。
6. Aqua Security(Aqua Security Software Ltd.)

OSSのコンテナ・IaCスキャナTrivy(Apache-2.0ライセンス)の開発元であるAqua Security Software Ltd.が手がけるCNAPPです。コンテナ・Kubernetes・サーバーレス・クラウドを対象に、イメージの脆弱性スキャンからCSPM、ランタイム保護までを1つのプラットフォームで担います。
イメージスキャンはパイプライン内で脆弱性・マルウェア・埋め込みシークレット・設定不備をデプロイ前に検査し、スキャナーは公式に「Aqua Trivyのプレミアム版」と位置づけられています。ランタイムでは、実行中ワークロードを元イメージと比較し、元イメージにない実行ファイルをブロックするDrift Preventionを備えます。
無料のTrivyから同系統の商用プラットフォームへ段階的に移行しやすいのが特徴です。料金は非公開で、課金単位はワークロード数など。日本法人の有無や日本語サポートは公式で確認できず、国内の取扱いは数年前の報道に限られます。
7. Wiz(Wiz, Inc.)

クラウド環境に接続してエージェントレスでリスクを可視化するCNAPPで、2026年3月にGoogleが買収し、Wizブランドのまま提供が続いています(報道ベース)。提供元はWiz, Inc.で、コード・クラウド・ランタイムを1つのセキュリティグラフに統合します。
コンテナ・Kubernetesはエージェントを入れずに検出・スキャンでき、イメージ・レジストリの脆弱性、Kubernetes設定の評価(KSPM)、Dockerfile・Kubernetes YAML・Helm・Terraformなどの検査に対応します。アドミッションコントローラーで非準拠のデプロイをブロックし、実行中コンテナにはセンサーベースのランタイム検知を組み合わせます。
日本法人のWiz Cloud Japan株式会社があり、2024年には東京・大阪でのテナント作成に対応しました。料金は公式非公開で見積もり制。日本語での問い合わせ窓口・対応時間は公式では確認できていません。
8. Microsoft Defender for Cloud(Microsoft Corporation)

本記事で扱うコンテナ向け機能は、Microsoft Defender for CloudのDefender for Containersプランです。単独製品ではなく、Azure側の管理基盤であるDefender for Cloud上で有効化して使います。Azure・AWS・GCP・オンプレミス(Azure Arc経由)のマルチクラウド環境を対象とします。
レジストリ上のイメージや実行中コンテナ、Kubernetesノードをエージェントレスでスキャンし、各クラウドのコンテナレジストリ(ACR・ECR・GARなど)やDocker Hub、JFrog Artifactoryに対応します。
ランタイムの脅威検知はMITRE ATT&CK for Containersにマッピングされ、脆弱なイメージのデプロイを監査・ブロックするゲートデプロイも備えます。ただしAKS・EKS・GKEやArc対応クラスターで対応する機能に差があります。
料金はKubernetesワーカーノードのvCore数による従量課金で、最初の30日間は無料です。日本語のドキュメント・管理画面はありますが(機械翻訳が混在)、技術サポートの対応時間は契約プランによって変わります。
9. Qualys Container Security(Qualys, Inc.)

クラウド型プラットフォームTotalCloud(CNAPP)の一部として提供される、Qualys, Inc.のコンテナセキュリティです。コンテナイメージ・レジストリの脆弱性スキャン、実行中コンテナのランタイム保護、Kubernetesの設定評価を提供します。
CI/CDパイプラインではCLIスキャナQScannerでイメージをスキャンし、Jenkins・Bambooとの連携もあります。ランタイム保護はeBPFベースのContainer Runtime Sensorが担い、Kubernetesのアドミッションコントローラーでデプロイ時に脆弱・非準拠のイメージをブロックします。
レジストリはHarbor・JFrog Artifactory・AWS ECR・Azure Container Registry・Google Artifact Registryなどに対応します。
ライセンスはQualys Unit(QLU)のプール方式で、料金は公式に非公開。30日間の無料トライアルのページがあります。ただし日本法人の現況・国内代理店・日本語サポート体制は公式では確認できていません。
Kubernetesネイティブ型|クラスタ運用に密着した保護
Kubernetes環境での運用に軸足を置き、デプロイ・ビルド・ランタイムの各フェーズをクラスタに密着して守るタイプです。
10. Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes(Red Hat)

コンテナセキュリティのスタートアップだったStackRoxの技術を基盤とする、Kubernetesネイティブのコンテナセキュリティ製品です。Red HatがStackRoxを買収したのち、2022年にその技術をオープンソースとして公開しました。KubernetesとOpenShiftの両方を保護対象とし、OpenShift Platform Plusにも含まれます。
ビルド・デプロイ・ランタイムの3つのフェーズにわたってセキュリティを組み込む設計で、イメージのスキャンからデプロイ時のポリシー適用、実行中コンテナの監視までを一貫したポリシーエンジンで扱います。コンプライアンス面ではCIS・NIST・PCI・HIPAAなどの基準に沿ったチェックに対応し、導入前に60日間の無料トライアルを利用できます。
提供形態は、自社のクラスター上に構築する自己管理型と、Red HatがSaaSとして運用するRHACS Cloud Serviceの2つです。Cloud Serviceは保護対象のvCPU単位の時間課金(AWS Marketplace経由)で、稼働率99.95%のSLAと24時間365日のサポートが示されています。
ただしCloud Serviceの提供リージョンはAWSの欧州・米国の2拠点のみで、日本リージョンの記載はありません(2026年10月時点)。
SCA・SBOM型|OSS依存関係とソフトウェア部品表に強み
コンテナイメージに含まれるOSSの依存関係・ライセンスリスクの可視化と、SBOM(部品表)の生成に強みを持つタイプです。
11. Black Duck(Black Duck Software)

Black Duck は、OSS(オープンソース)の依存関係とライセンスのリスクを検出するソフトウェアコンポジション解析(SCA)を中核とした製品です。提供元の Black Duck Software は、旧 Synopsys Software Integrity Group が2024年に分社して誕生した米国企業です。
コンテナ領域では、Black Duck Secure Container の機能でコンテナイメージをレイヤー単位でスキャンし、各レイヤーに含まれるOSSコンポーネントの脆弱性・ライセンスリスクを可視化します。対応形式は Docker・OCI・Chainguard で、生成した部品表は SPDX・CycloneDX の両形式で入出力できます。
OSSライセンスは KnowledgeBase に2,750以上を収録し、ライセンス全文や Notices レポートの生成に対応します。CIパイプラインへのスキャン組み込みとポリシー適用が可能で、国内では株式会社マクニカが販売代理店を務めます。料金は要お問い合わせです。
12. Anchore(Anchore, Inc.)

Anchore は、SBOM(部品表)生成の Syft と脆弱性スキャンの Grype という2つのOSSツールを公開し、これらを基盤にした商用プラットフォーム Anchore Enterprise を提供しています。SBOM を起点に、ソフトウェアサプライチェーンのセキュリティとコンプライアンスを管理する構成です。
OSSの Syft はコンテナイメージやファイルシステムから CycloneDX・SPDX 形式で SBOM を生成し、Grype は Docker・OCI イメージや SBOM から既知の脆弱性を検出します。いずれも Apache-2.0 ライセンスで無料で利用でき、商用版はこれらを土台に機能を広げます。
商用版は、脆弱性・ライセンス・シークレットなどを pass/warn/fail で判定するポリシーゲートを備え、CI/CD のビルド制御に組み込めます。NIST 800-53・FedRAMP・CIS Benchmarks・DoD 要件に対応する事前構築ポリシーパックも持ちます。料金は問い合わせ制で、日本語サポートや国内窓口は公式には確認できません。
開発者・CI/CD組み込み型|開発フローでの早期修正を重視
GitやCIにネイティブに組み込み、開発者が書いている段階で脆弱性を早期に修正することを重視するタイプです。
13. Snyk(Snyk Limited)

開発者が普段使うIDE・CLI・Git・CIにセキュリティ検査を組み込む設計の製品で、コンテナ領域はSnyk Containerが担います。提供元は、ロンドンとテルアビブで創業したSnyk Limited(本社・米国ボストン)です。
Snyk Containerは、コンテナイメージに含まれるOSS依存関係・ベースイメージ・Dockerfile命令の脆弱性を検出し、代替ベースイメージの提案やワンクリックでのアップグレード、修正内容を反映するプルリクエスト(修正PR)の作成まで支援します。マージ前のPRスキャンやビルド時スキャンに対応し、EKS・AKS・GKEなどのKubernetesとも連携します。
料金は米ドル建てで、5プロジェクトまで使えるFreeプラン(月額0ドル)からコンテナを含む各製品を試せ、有償プランはTeam(月額25ドルから)とEnterprise(要見積もり)が用意されています。無料プランから開発フローへの組み込みを検証できるため、小規模に試してから拡大したい開発チームが始めやすい構成です。日本円での価格は公式サイトに記載がありません。
OSS(無料で始める)型|導入費用をかけずに検査を始める
オープンソースで公開され、導入費用をかけずにイメージや設定の検査を始められるタイプです。自社のCI/CDに組み込んで使います。
14. Trivy(Aqua Security)

コンテナイメージやファイルシステム、Gitリポジトリ、Kubernetes、IaCの構成ファイルまでを1つのCLIで検査できる、Aqua Securityが開発・公開するオープンソースのスキャナです。既知脆弱性(CVE)に加え、設定ミス・機密情報(シークレット)・ライセンスの検出と、SBOM(部品表)の生成に対応します。
ライセンスはApache-2.0で、ソフトウェア利用料は無料です。実行に使うCI環境や脆弱性DBのミラーなどは、利用者側で用意します。
GitHub ActionsやVS Code拡張向けの導入手順が公式ドキュメントに用意されており、Kubernetesクラスタを継続的にスキャンする場合はTrivy Operatorを組み合わせて常駐運用できます。
15. NeuVector(SUSE)

SUSEが2022年1月にGitHubで公開した、Kubernetesネイティブのコンテナセキュリティプラットフォームです。2015年創業のNeuVector社をSUSEが買収し、オープンソース(Apache-2.0)として公開しました。
イメージの脆弱性スキャンやデプロイ時のアドミッションコントロールに加え、Layer 7対応のコンテナファイアウォールや、実行中コンテナの挙動を監視するランタイム脅威検知まで1製品でカバーします。ポリシーは学習(Discover)・監視(Monitor)・遮断(Protect)の3モードで運用します。
OSS版はソフトウェア利用料が無料で、SLA付きのサポートが必要な場合はSUSEの商用サブスクリプション(SUSE Security)を利用します。Azure Marketplaceの従量課金では1ノードあたり月額78〜112ドル(最低5ノード)で、リセラー経由の価格は要問い合わせです。
まとめ
コンテナセキュリティ製品は、守る対象が開発時のイメージから実行環境まで連続しており、製品ごとに検査対象の範囲・OSS/商用の別・料金・CI/CD連携・日本語サポートが異なります。選定では、まず自社が守りたい範囲を定め、CI/CDや運用体制に無理なく組み込めるかを確かめることが出発点になります。
イメージや設定の検査から無料で始めたいならOSS型、本番環境のランタイム保護やクラウド基盤のCSPMまで一括で守りたいなら統合型(オールインワン・CNAPP型)と、タイプごとに向く用途は分かれます。自社に合うタイプを見極めたうえで、比較表と選定診断ツールで具体的な製品を絞り込んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. コンテナセキュリティ製品とは何ですか?
A. コンテナセキュリティ製品とは、Dockerイメージやコンテナレジストリ、Kubernetesなどの実行環境に潜む脆弱性や設定ミスを検出し、実行中のコンテナを攻撃から守るためのツールです。
守る対象は開発時のイメージから本番の実行環境まで連続しており、開発段階でイメージをスキャンする製品から、本番コンテナの挙動を常時監視する製品まで、カバーする範囲は製品ごとに異なります。NIST SP 800-190 は従来の脆弱性管理ツールではコンテナ内の脆弱性を検知できないことが多いと指摘しており、コンテナの性質に合わせた専用の検査を担うのがこの製品群です。
Q. コンテナセキュリティ製品はOSS(無料ツール)だけで足りますか?
A. コンテナセキュリティ製品は、イメージの脆弱性スキャンや設定ミスの検査だけであればOSS(無料ツール)でも実用的に始められますが、クラウド基盤のCSPM・レジストリの継続スキャン・組織全体の統制・日本語サポートが必要になると商用製品の検討が分岐点になります。
OSSのコンテナスキャナは導入費用がかからず自社のCI/CDに組み込んで使えます。一方でOSSは自社で構築・運用する前提のため、検出結果を一元管理するダッシュボードや検知件数が増えたときの優先順位付け、日本語での導入・運用サポートは基本的に付きません。まずOSSで検証してから同系統の商用版へ移行する、という進め方も現実的な選択肢です。
Q. コンテナセキュリティ製品とCSPMは何が違いますか?
A. CSPM(クラウドセキュリティポスチャ管理)は、コンテナが動くAWS・Azure・Google Cloudなどのクラウド基盤そのものの設定ミスを検査する機能で、コンテナのイメージスキャンやランタイム保護とは検査の対象が異なります。
CSPMは、公開範囲が広すぎるストレージや過剰な権限を持つIAMロールなど、クラウド側の設定不備を洗い出します。コンテナ単体の対策に加えて基盤まで含めて守りたい場合に効いてきます。CSPMを標準で備える統合型(CNAPP)の製品もあれば、イメージスキャンに特化してCSPMを持たない製品もあり、ここが製品選びの分かれ目になります。
Q. コンテナセキュリティ製品はCI/CDパイプラインに組み込めますか?
A. 多くのコンテナセキュリティ製品は、GitHub Actions・GitLab CI・Jenkinsといったパイプラインにスキャンを組み込め、脆弱性が見つかったときにビルドを止めるゲート制御にも対応します。
コンテナセキュリティは開発フローに組み込んでこそ継続的に機能します。あわせて、自社が使うコンテナレジストリ(Amazon ECR、Google Artifact Registry、Harborなど)に対応していれば、保管済みのイメージを継続的にスキャンし、新たに公表された脆弱性にも気づけます。対応するCIツールやレジストリは製品ごとに異なるため、導入前に自社の環境と照らして確認してください。
Q. コンテナセキュリティ製品の料金はどのくらいが目安ですか?
A. コンテナセキュリティ製品の料金は、無料のOSS・月額が公開されたサブスクリプション・個別見積もりの問い合わせ制の3つに大きく分かれ、課金の単位もノード数・vCore数・イメージ数などさまざまです。
月額数万円台から始められる製品もあれば、KubernetesノードのvCore数による従量課金、問い合わせ制まで幅があります。とくに海外ベンダーの統合型製品は料金を公開せず問い合わせ制とすることが多く、導入前に見積もりが必要です。自社のコンテナ規模で費用がどう変わるか、スモールスタートできるか、将来の拡大に料金が追従するかまで確認しておくと、導入後のコストのぶれを抑えられます。
Q. コンテナセキュリティ製品は日本語に対応していますか?
A. コンテナセキュリティ製品は海外ベンダーが多く、日本語の管理画面・ドキュメント・サポートの有無は製品ごとに差があります。
問い合わせ窓口やドキュメントが英語のみの製品もあれば、国内に法人・代理店があり日本語で導入から運用まで相談できる製品もあります。検知された脆弱性の優先順位付けや運用設計で相談したい場合、日本語で伴走してもらえるかは実務上の負担を左右します。自社に専任のセキュリティ担当がいないほど、国内サポートの手厚さが候補を絞る軸になります。
Q. コンテナセキュリティ製品でKubernetesクラスタも保護できますか?
A. 多くのコンテナセキュリティ製品はKubernetesクラスタの保護に対応し、デプロイ可否を制御するアドミッションコントロールやクラスタ設定の評価、実行中コンテナのランタイム検知を備えます。
Kubernetes環境の保護は、クラウド(Cloud)・クラスタ(Cluster)・コンテナ(Container)・コード(Code)の4つの層でとらえると整理しやすく、これらは「Kubernetesセキュリティの4C」と呼ばれます。
クラスタ運用に密着したKubernetesネイティブ型の製品もあれば、イメージからランタイム・クラウド設定までを統合する製品の一機能としてKubernetesを守るものもあります。
Q. SBOMとは何ですか?コンテナセキュリティ製品で作成できますか?
A. SBOM(ソフトウェア部品表)とは、コンテナイメージが使っているOSSライブラリなどのコンポーネントを一覧化したもので、多くのコンテナセキュリティ製品がCycloneDXやSPDXといった標準形式で生成・出力できます。
コンテナイメージはベースイメージや多数のOSSを積み重ねて作られるため、何を使っているかをSBOMで可視化しておくと、脆弱性やライセンスリスクを持つコンポーネントを特定しやすくなります。
SBOMで「何を使っているか」を可視化し、サプライチェーンの完全性を担保するフレームワークSLSAで「改ざんされていないか」を担保する、という整理ができます。既存のツールと連携するうえで、製品がどの形式に対応するかは確認したい点です。
Q. コンテナセキュリティ製品はどのような観点で選べばよいですか?
A. コンテナセキュリティ製品は、「検査対象の範囲」「CI/CD・レジストリとの連携」「料金・ライセンス形態」「日本語サポート・国内提供体制」「アラートの扱いやすさ・運用負荷」の5つの観点を、自社にとって重要な順に優先順位をつけて見極めると選びやすくなります。
すべてを満たす製品を探すのではなく、まず自社がいま守りたい範囲(開発段階のイメージスキャンだけでよいのか、本番のランタイム保護やクラウド基盤のCSPMまで必要か)を定めてから、それを過不足なくカバーする製品に候補を絞るのが近道です。判断が難しい場合は、本記事の選定診断ツールや比較表もご活用ください。
Q. コンテナセキュリティ製品を導入するとアラートが多すぎて運用が回らなくなりませんか?
A. コンテナセキュリティ製品は、検出結果を実際に悪用可能かどうかで絞り込んだり、影響度で優先順位をつけたりする機能を備えた製品を選べば、アラート過多で消し込みが追いつかなくなる事態を避けやすくなります。
スキャンを始めると大量の脆弱性が検出されるのは珍しくなく、すべてに同じ優先度で対応していると運用が立ち行かなくなります。検出件数の多さそのものより「どれから直すべきか」を示してくれるかが、運用を続けられるかの分かれ目です。検出後の優先順位付けや自動修正の支援まで含めて見ておくと、導入後に形骸化しにくくなります。
Q. コンテナセキュリティ製品はどのような仕組みで脆弱性を検出・保護するのですか?
A. コンテナセキュリティ製品は、イメージや構成ファイルを「動かす前」にスキャンして既知脆弱性(CVE)や設定ミスを検出し、「動かした後」は実行中コンテナの挙動を監視して不正を検知・ブロックする、という2段構えで保護します。
動かす前の対策には、イメージの脆弱性スキャン、Dockerfile・Kubernetesマニフェストなどの設定ミス検査(IaC検査)、依存OSSの可視化(SCA・SBOM)が含まれます。動かした後の対策(ランタイム保護)では、想定外のプロセス起動やファイル改ざん、外部への不正通信を検知し、必要に応じてコンテナを隔離・終了します。どの段階までをカバーするかが製品ごとの違いになります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















