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建設業の経理アウトソーシング比較|工事別原価・経営事項審査に対応する選び方と費用相場

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経理アウトソーシング比較表(2026年版)のプレビュー

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経理アウトソーシング比較表(2026年版)

工事ごとの原価管理や未成工事支出金の残高把握、経営事項審査に使う決算書の作成に、毎月手が回らず悩んでいませんか。建設業の経理は、売上をいつ計上するかの判断や建設業許可の更新対応など、一般的な経理とは異なる知識を求められます。担当者の高齢化や退職で業務が特定の人に偏り、経理を外部に委託する建設会社が増えています。

工事別の原価管理から経営事項審査への対応まで任せられる委託先を、どのような観点で選べばよいのでしょうか。

本記事では、建設業の経理に対応できる経理アウトソーシングを比較・解説します。工事進行基準や未成工事支出金といった建設業特有の会計の扱いから、委託できる業務範囲・費用相場・選び方までを整理しました。建設会社の経営者や経理の担当者が、自社に合う委託先を判断するための材料としてご活用ください。

また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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本記事の対象範囲

本記事は、工事別の原価管理や未成工事支出金の処理、経営事項審査に使う決算書の作成など、建設業に特有の経理を外部へ委託したいと考える建設会社に向けた内容です。記帳だけを切り出して任せたい場合から、月次決算や経営事項審査への対応まで一貫して委ねたい場合まで、建設業の経理に対応できるサービスを比較します。

建設業では、総合建設会社や専門工事会社、設備工事会社など業態によって経理の重点は変わりますが、工事ごとに損益を把握し、許可や審査に耐える決算書を整える必要がある点は共通します。本記事では、その共通の課題を解決できる委託先を取り上げます。

建設業に限らず、業種を問わず経理アウトソーシングの委託先を幅広く比べたい場合は、以下の記事で委託できる業務範囲・料金・タイプ別の選び方を整理しています。自社に合う委託先の候補を広げたい方は、あわせてご覧ください。

建設業の経理が特殊といわれる理由

ここからは、建設業の経理がなぜ一般的な経理と違うといわれるのかを、工事別の原価管理、売上計上のタイミング、許可や審査への対応という3つの観点から整理します。

工事別原価管理と未成工事支出金

建設業では、会社全体の損益だけでなく、工事案件ごとに原価を把握する必要があります。原価は材料費・労務費・外注費・経費に区分し、工事台帳で案件ごとに集計します。重層下請の構造で外注費の割合が大きくなりやすく、どの工事がどれだけ利益を生んでいるかを案件単位で見ないと、赤字工事の受注や完成後の採算悪化に気づけません。

決算書に使う勘定科目も一般の会社と異なります。完成前の工事にかかった原価は「未成工事支出金」(一般会計の仕掛品に相当)として資産に計上し、完成・引き渡し済みで未回収の請負代金は「完成工事未収入金」(売掛金に相当)として扱います。

これらの建設業特有の勘定科目は、建設業法施行規則の別記様式として定められた財務諸表の様式に基づくものです。未成工事支出金の残高が実態と合わないまま膨らむと、工事ごとの採算も会社全体の財務状態も正しく見えなくなります。

工事ごとの原価と、完成の前後で変わる勘定科目の関係を整理すると、次のようになります。

建設業の工事別原価と勘定科目の流れを示した図。工事別原価は工事台帳で案件ごとに材料費・労務費・外注費・経費に区分して集計する。完成前の工事原価は未成工事支出金として資産に計上し(一般会計の仕掛品に相当)、完成・引き渡し後は未回収の請負代金を完成工事未収入金(売掛金に相当)として扱う。
出典・参考資料(1件)

工事進行基準と工事完成基準(収益認識基準との関係)

工期が複数年度にまたがる工事では、売上をいつ計上するかの判断が損益と税額に大きく影響します。考え方は大きく2つあり、工事の進捗に応じて各年度に売上を計上する方法(従来の工事進行基準に相当)と、完成・引き渡しの時点でまとめて売上を計上する方法(工事完成基準)に分かれます。

現在の会計ルールである「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)では、履行義務が一定の期間にわたり充足される場合に、その進捗度に応じて収益を認識するとされています。進捗度の見積りには、引渡単位数などを指標とするアウトプット法や、発生原価の割合で測るインプット法があります。

この収益認識基準は、上場企業など金融商品取引法の監査対象となる会社では2021年4月1日以後に開始する事業年度から強制適用されています。一方、中小企業の扱いは次のように整理されています。

中小企業(監査対象法人以外)については、引き続き企業会計原則に則った会計処理も可能

出典:「収益認識に関する会計基準」への対応について ~法人税関係~(平成30年5月)|国税庁

中小建設会社では従来どおりの会計処理も認められます。どちらの考え方で売上を計上するかは、工期の長さや公共工事の比率、経営事項審査への影響を踏まえた判断になります。自社の状況に合った処理を選び、その処理に沿って正確に記帳できる体制が求められます。

建設業許可・経営事項審査・決算変更届への対応

建設業では、決算書が社内の経営判断だけでなく、許可や審査の場面でも使われます。まず、建設業許可を受けるには財産的基礎が必要で、一般建設業では自己資本の額が500万円以上であることなどが基準とされています(建設業許可事務ガイドライン)。許可は原則として直前の決算期の財務諸表で判断されるため、正確な決算書の整備が許可の取得・維持に直結します。

さらに、許可業者には毎年の書類提出義務があります。実務で「決算変更届(事業年度終了届)」と呼ばれる手続きで、建設業法では次のように定められています。

許可に係る建設業者は、毎事業年度終了の時における第六条第一項第一号及び第二号に掲げる書類その他国土交通省令で定める書類を、毎事業年度経過後四月以内に、国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。

出典:建設業法 第11条第2項|e-Gov法令検索

公共工事を発注者から直接請け負う場合は、経営事項審査(経審)を受けることも必要です。経審は「経営状況」と「経営規模等」を数値で評価する審査で、総合評定値(P)は複数の評点の加重和として算出されます。

この評点には決算書の数値が直接効きます。総合評定値(P)は複数の評点の加重和(P=0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W)で算出されます。自己資本額(X2)や、経営状況を示すYの財務健全性指標に含まれる自己資本比率が評点に反映されます(平成27年4月1日以降の区分)。

未成工事支出金の残高管理や自己資本の充実といった決算書の内容が、そのまま経審の評点に影響します。建設業の経理は、こうした許可・審査の要件まで見据えて決算書を整える点に難しさがあります。

出典・参考資料(3件)

建設業の経理を外部に委託するメリット

建設業の経理を外部に委託すると、経営者や現場担当者が本来の業務に時間を使えるようになります。見積もりや現場管理、受注活動に集中しながら、経理は専門の委託先に任せる体制をつくれます。

担当者の退職や高齢化による業務の属人化を防げる点も大きな利点です。社内に経理の専任者が1人しかいない会社では、その人が辞めると業務が止まるリスクを抱えがちですが、委託によって業務を標準化し、継続性を確保できます。

建設業特有の会計に通じた委託先を選べば、工事別原価管理や未成工事支出金の処理、経営事項審査を見据えた決算書の整備といった専門的な業務を、採用や教育のコストをかけずに任せられます。月次で工事ごとの損益が見える状態を保てるため、赤字工事の兆候を早く察知し、金融機関への説明や許可・審査の準備にも落ち着いて臨めます。

建設業で経理を外注する際の注意点

外注の効果を引き出すには、委託前後にいくつか押さえておきたい点があります。まず、現場でのやり取りは口頭で済ませず、発注・変更・支払いの内容を書面やデータで残しておくことが重要です。証憑が揃っていないと、委託先が正確に記帳できず、工事ごとの原価も実態とずれてしまいます。

工事台帳を整え、どの案件にどの費用が紐づくかを明確にしておくことも重要です。あわせて、社内の経理業務の流れを可視化し、どこまでを委託しどこを社内に残すかを切り分けておきましょう。出来高の入力や現場起点の情報整理など、現場でしか判断できない業務は社内に残し、記帳以降を委託する形が取りやすい分担です。

委託先を決めるときは、料金だけでなく対応範囲を確認し、複数社から見積もりを取って比べましょう。業務ごとに追加料金が発生する体系もあるため、自社が任せたい範囲をすべて含めた費用で比較しないと、導入後に想定外の負担が生じます。顧客情報や取引データを預けることになるので、情報管理の体制も確認しておきましょう。

委託先選びでつまずくと、かえって手間やコストが増えてしまうこともあります。経理アウトソーシングでよくある失敗の例と、それを避けるための業者の見極め方は、以下の記事で具体的に解説しています。

建設業の経理で委託できる業務範囲

経理アウトソーシングで任せられる業務は、記帳だけに絞ることも、決算や審査対応まで一貫して委ねることもできます。自社の体制や課題に合わせて範囲を選べる点が特徴です。

委託できる主な業務は、大きく次のように分けられます。

  • 日常の経理業務:記帳・仕訳入力、請求書の発行や支払いの代行、現金出納帳や通帳の整理、給与計算、月次試算表の作成
  • 建設業特有の業務:工事別原価の集計、未成工事支出金・完成工事未収入金の管理
  • 決算・許可/審査への対応:税理士・公認会計士と連携した決算書の作成・税務申告、決算変更届の書類作成、経営事項審査の準備支援
建設業の経理で委託できる業務範囲を、記帳から許可・審査対応へと広がる3段階で示した図。範囲1は日常の経理業務(記帳・仕訳入力、請求書の発行や支払いの代行、現金出納帳・通帳の整理、給与計算、月次試算表の作成)。範囲2はこれに加えて建設業特有の業務(工事別原価の集計、未成工事支出金・完成工事未収入金の管理)。範囲3はさらに決算・許可/審査への対応(税理士・公認会計士と連携した決算書の作成・税務申告、決算変更届の書類作成、経営事項審査の準備支援)。

このうち決算・税務申告や許可・審査への対応は、日々の記帳が建設業の様式に沿って正確に積み上がっていることが前提になります。記帳から決算、許可・審査に使う書類まで同じ委託先で一貫して支援できると、年度末や更新時期の負担を抑えられます。

記帳だけを任せたいのか、月次決算まで、あるいは許可・審査対応まで一本化したいのかという「任せたい範囲」を軸に、対応できる委託先を選ぶことになります。

建設業の経理アウトソーシングの費用相場

経理アウトソーシングの費用は、委託する業務範囲と取引量によって変わります。ここでは委託範囲別の目安と、社内で経理担当者を雇う場合とのコストの考え方を整理します。具体的な料金は委託先ごとに異なるため、実際の金額は後述の比較表や各社の資料で確認してください。

委託範囲別の費用目安

費用は、任せる範囲が広がるほど、また仕訳数や工事件数が多いほど高くなります。記帳代行を中心とした基本的な業務であれば月額3万円前後からが下限の目安で、工事別原価管理や月次決算まで含めるとそれより高くなり、決算・税務申告や経営事項審査の準備まで一貫して委ねる場合はさらに上がります。建設業特有の対応や許可・審査対応まで含むほど費用は上がるため、実際の金額は委託範囲と取引量によって決まります。

料金体系は、仕訳数や業務量に応じた従量制、範囲を定めた月額固定制、スポット対応など委託先によって異なります。自社が任せたい業務をすべて含めた見積もりで比べることが、導入後のずれを防ぐポイントです。

まずは日々の記帳だけを切り出して任せたい場合は、料金が仕訳の件数で変わります。1仕訳あたりの相場感や、税理士に依頼する場合との違いは、以下の記事で詳しく比較しています。

内製(採用)と外注のコスト比較

経理を社内で行う場合は、担当者の給与に加えて社会保険料の会社負担、採用や教育にかかる費用が発生します。建設業の経理に通じた人材を正社員で雇うと、これらを合わせて年間で数百万円規模の人件費がかかるのが一般的です。さらに、担当者が1人に偏ると、退職や休職で業務が止まるリスクも抱えます。

外注は、委託範囲や繁忙に応じて費用を調整しやすく、建設業に通じた体制を採用コストをかけずに利用できる点が強みです。一方で、現場起点の情報整理など社内に残す業務は依然として必要になります。採用して内製する場合の総コストと、外注した場合の費用・社内に残る業務量を並べて、自社にとってどちらが適しているかを見極めることが大切です。

建設業に強い経理アウトソーシングの選び方

ここからは、建設業に対応できる委託先を見極めるための観点を整理します。一般的な経理代行との違いは、工事別原価や未成工事支出金、許可・審査への対応といった建設業固有の業務をどこまで正確に扱えるかにあります。以下の観点を、自社が任せたい範囲と照らし合わせて確認してください。

建設業会計の知識や有資格者が在籍しているか

工事別原価管理や未成工事支出金の処理、収益認識の判断は、建設業会計の知識がないと正確に扱えません。建設業経理事務士などの資格を持つ担当者や、公認会計士・税理士と連携できる体制があるかを確認しましょう。許可・審査に使う決算書まで見据えるなら、建設業の決算実務に慣れた委託先かどうかが、仕上がりの正確さを左右します。

工事別原価管理ソフトや会計システムと連携できるか

すでに工事管理や原価管理のシステム(ANDPAD やダンドリワークなど)を使っている場合、そのデータを委託先が受け取って記帳・集計に生かせるかが運用のしやすさを決めます。現場で入力した工事データや、使用中のクラウド会計ソフトと連携できれば、二重入力を減らし、工事ごとの損益をタイムリーに把握できます。導入済みのシステムや今後使いたいツールに対応できるかを、事前に確認しておきましょう。

経営事項審査・決算変更届まで一貫して対応できるか

記帳だけでなく、建設業許可の維持に必要な決算変更届の書類作成や経営事項審査の準備まで任せられるかは、年間の業務負担を大きく左右します。これらを別々の専門家に分けて依頼すると連携の手間がかかるため、自社が許可・審査対応まで任せたいのであれば、記帳から一貫して対応できる窓口かどうかを確認しましょう。

料金形態とサポート体制・レスポンスは自社に合うか

料金は、任せたい業務をすべて含めた総額で比べ、追加料金が発生する業務の範囲も確認しましょう。あわせて、決算期や経営事項審査の時期など業務が集中する場面で、相談にどれだけ早く応じてもらえるか、窓口が明確かといったサポート体制も見ておきたいところです。

料金の安さだけで選ぶと、必要な対応が受けられず結局社内で抱え直すことにもなりかねません。委託範囲に見合った料金と、安心して任せられる体制の両面で判断しましょう。

しかし、自社がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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建設業に対応する経理アウトソーシングの比較

ここからは、建設業の経理に対応できるサービスを横並びで比較します。建設業に特化した専用メニューを掲げる委託先は限られ、多くは会計事務所を母体とする、あるいは公認会計士・税理士を擁する経理アウトソーシングが、建設業会計の知識と税理士連携で対応します。

そのため比較表では、建設業への対応(専用メニューや導入事例の有無)に加え、委託できる業務範囲・有資格者の在籍・料金形態を軸に整理しています。工事別原価管理や経営事項審査への専用対応を明記するサービスは限られるため、これらが必須の場合は各社の資料請求や見積もりで対応可否を確かめてください。

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サービス名Tenbook(テンブック)Wheat AccountingCSアカウンティングBricks&UKアウトソーシング
運営会社シンアカウンティングサービス株式会社株式会社WheatCSアカウンティング株式会社(1990年設立の経理・人事BPO)株式会社Bricks&UK Outsourcing(税理士法人Bricks&UK が母体)
委託できる業務範囲記帳・月次処理・決算書作成・税務申告(法人税/住民税/事業税/消費税)まで一貫(給与計算などはオプション)記帳・請求書作成・経費精算・振込対応・給与計算・月次決算(税務申告は連携する税理士が対応)記帳・月次/年次決算・連結決算・税務申告書ドラフト作成に加え、給与計算・社会保険までワンストップ記帳・請求書発行・売掛/買掛管理・入金消込・振込代行・資金繰り表作成(決算・税務申告は母体の税理士法人が連携対応)
建設業への対応△公認会計士・税理士が記帳〜申告まで一貫対応。工事別原価管理・経審の専用対応は要確認△建設会社のクラウド会計移行の導入事例あり。工事別原価管理・経審の専用対応は要確認△建設工事精算(建設仮勘定の精算・償却資産税判定)の専用メニューと有資格者約150名。建設会社の工事別原価・経審への専用対応は要確認△税理士法人が母体で記帳〜決算・申告まで連携対応。工事別原価管理・経審の専用対応は要確認
有資格者(公認会計士・税理士)●代表が公認会計士・税理士△税務申告は連携する税理士が対応◎公認会計士・税理士・社労士など有資格者が約150名在籍△母体の税理士法人が決算・税務申告を連携対応
料金初期費用0円/月額29,500円〜(免税事業者)・43,500円〜(課税事業者)、税別(2026年9月時点・公式)月額30,000円〜の定額プラン(2026年10月時点・公式)要お問い合わせ(業務量に応じた変動費型)要お問い合わせ(サービス単位の件数別段階制、税込)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

建設業の経理に対応するサービスの個別紹介

ここからは、建設業の経理に対応できる各サービスの提供元・特徴・建設業への対応内容を個別に紹介します。比較表とあわせて、自社の課題に合う委託先を見極める参考にしてください。

1. Tenbook(テンブック)(シンアカウンティングサービス株式会社)

Tenbook(テンブック)公式サイトのスクリーンショット

記帳から決算書の作成、法人税の申告までをオンラインで一貫して代行するサービスで、公認会計士・税理士の上田昌宏氏が代表を務めるシンアカウンティングサービス株式会社が運営します。契約者には、同社が自社開発したクラウド会計ソフト「10book」が無料で提供されます。

初期費用は0円で、月額費用は免税事業者が29,500円、課税事業者が43,500円(いずれも税別)です。記帳・決算書の作成・税務相談・申告書の作成までが月額料金に含まれ、決算料が別立てで請求されない点が料金体系の特徴で、給与計算や年末調整などは別途オプションになります。

業務は原則3名のチームで担当し、担当者の退職などで処理が止まるリスクを抑えます。資料共有や相談はオンラインで完結し、全国どこからでも利用できます。売上5億円以下の中小企業が想定規模の目安とされ、記帳から申告までを一社に任せたい建設会社が検討しやすいサービスです。

2. Wheat Accounting(株式会社Wheat)

Wheat Accounting公式サイトのスクリーンショット

クラウド会計の導入と業務フローの再設計を入り口に、その後の日々の経理運用までを一貫して担うサービスです。運営は株式会社Wheatで、記帳・請求書作成・経費精算・振込対応・給与計算・月次決算を代行します。税務申告は連携する税理士、社会保険・労働保険の代理申請は連携する社労士が対応する体制です。

依頼側が行うのは「データを決まった場所に格納する」ことと「成果物を確認する」ことの2点に絞る設計で、経営者や担当者が本業に時間を使えるようにしています。会計ソフトはfreeeとマネーフォワード クラウドに対応し、既存の顧問税理士とも併用できます。料金は月額3万円からの定額プランで、申込から実務開始までは約1か月の準備期間を設けています。

公式サイトでは、建設業の会社で、インストール型の会計ソフトからクラウド会計へ移行し、支払を総合振込に切り替え、振込データの作成と承認権限を分けた運用や電子帳簿保存法への対応を進めた導入事例が紹介されています(事例は業種・規模を抽象化したもの)。

3. CSアカウンティング(CSアカウンティング株式会社)

CSアカウンティング公式サイトのスクリーンショット

1990年に本郷公認会計士事務所(現 辻・本郷税理士法人)から独立したCSアカウンティング株式会社が運営する、会計・経理・税務から人事・労務・社会保険までをワンストップで受託するBPOサービスです。

約150名の公認会計士・税理士・社会保険労務士を中心とする有資格者が在籍し、記帳・月次決算・年次決算・連結決算・税務申告書のドラフト作成に加え、給与計算や社会保険手続きまで一社で任せられます。上場企業やそのグループ会社の連結決算にも対応します。

設備投資の多い企業向けに「建設工事精算業務アウトソーシング」のメニューを設け、建設仮勘定として計上した支出の科目への振替や、法定耐用年数・償却資産税申告対象の判定に対応します。これは建設業・不動産業など設備投資の多い企業を対象とした固定資産まわりの精算業務で、建設会社の工事別原価管理や未成工事支出金・経営事項審査への専用対応を指すものではありません。

情報セキュリティのISO/IEC 27001・27017を取得し、導入実績は2,800社以上です(2026年6月時点、公式サイト)。料金は公開されておらず、現状のニーズを把握したうえで個別に見積もりを提示する方式です。

4. Bricks&UKアウトソーシング(株式会社Bricks&UK Outsourcing)

Bricks&UKアウトソーシング公式サイトのスクリーンショット

税理士法人Bricks&UKを母体とする株式会社Bricks&UK Outsourcingが運営し、従業員150名以下の中小企業・ベンチャーを主な対象とする経理代行サービスです。

記帳代行にとどまらず、請求書の発行、売掛金・買掛金の管理、入金消込に加え、ネットバンキングでの振込代行や給与振込、資金繰り表の作成まで対応範囲に含む点が特徴です。専任の窓口1名とチームで担当し、担当者に業務が偏らない体制をとります。

給与計算自体はグループの社会保険労務士事務所、決算や税務申告は母体の税理士法人が連携して担います。料金は業務ごとの件数別の段階制で、価格はすべて税込です。後払い制で最低契約期間の定めがなく、記帳代行は仕訳数などに応じた個別見積もりになります。

まとめ

建設業の経理は、工事別の原価管理や未成工事支出金の処理、売上計上のタイミングの判断、建設業許可の維持や経営事項審査に使う決算書の整備など、一般的な経理とは異なる専門性が求められます。これらを外部に委託すると、現場や経営に時間を割きながら、建設業に通じた体制で正確な数字を保てます。

委託先を選ぶときは、建設業会計の知識や有資格者の在籍、使っているシステムとの連携、許可・審査対応までの一貫性、委託範囲に見合った料金とサポート体制を確認することが大切です。まずは任せたい業務範囲を整理し、複数のサービスの資料を取り寄せて、自社に合う委託先を比べてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 建設業の経理アウトソーシングとは何ですか?

A. 建設業の経理アウトソーシングとは、工事別の原価管理や未成工事支出金の処理、建設業許可・経営事項審査に使う決算書の作成など、建設業に特有の経理業務を外部の専門会社に委託する仕組みです。

記帳だけを切り出して任せることも、月次決算や許可・審査への対応まで一貫して委ねることもでき、自社の体制や課題に合わせて範囲を選べます。建設業会計に通じた委託先を選べば、採用や教育のコストをかけずに専門的な経理体制を利用できます。

Q. 建設業の経理アウトソーシングは一般の経理代行と何が違いますか?

A. 建設業の経理アウトソーシングは、工事別の原価管理や未成工事支出金といった建設業特有の会計を正確に扱える知識が求められる点が一般の経理代行と異なります。

一般の会社では使わない「未成工事支出金」や「完成工事未収入金」といった勘定科目を建設業法施行規則の様式に沿って処理し、建設業許可や経営事項審査に耐える決算書を整える必要があります。そのため、委託先が建設業会計に通じているかどうかが、一般の経理代行を選ぶとき以上に重要になります。

Q. 建設業の経理アウトソーシングの費用相場はどのくらいですか?

A. 建設業の経理アウトソーシングの費用は委託する業務範囲と取引量によって変わり、記帳代行を中心とした基本的な業務なら月額3万円前後から、工事別原価管理や月次決算まで含めるとそれより高くなり、決算・税務申告や経営事項審査の準備まで一貫して委ねる場合はさらに上がるのが目安です。

料金体系は、仕訳数や業務量に応じた従量制、範囲を定めた月額固定制、スポット対応など委託先によって異なります。自社が任せたい業務をすべて含めた見積もりで比べることが、導入後のずれを防ぐポイントです。具体的な金額は比較表や各社の資料で確認してください。

Q. 建設業では工事進行基準と工事完成基準のどちらを選ぶべきですか?

A. 一概には決まりませんが、工期が長い工事や公共工事では進捗に応じて売上を計上する考え方(従来の工事進行基準に相当)が、短期・小規模の工事では完成・引き渡し時にまとめて計上する工事完成基準が選ばれやすいです。

現在の「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)では、履行義務が一定の期間にわたり充足される場合に、その進捗度に応じて収益を認識するとされています。ただし監査対象法人以外の中小企業は従来どおりの会計処理も認められているため、工期の長さや公共工事の比率、経営事項審査への影響を踏まえて、自社に合う処理を選ぶことになります。

出典・参考資料(1件)

Q. 未成工事支出金の管理を怠ると、建設業ではどんな問題が起きますか?

A. 未成工事支出金の残高が実態と合わないまま膨らむと、工事ごとの採算も会社全体の財務状態も正しく見えなくなり、経営事項審査で評価される財務指標にも影響します。

未成工事支出金は、完成前の工事にかかった原価を資産として計上する勘定科目で、本来は完成・引き渡しの時点で費用に振り替わります。振替が適切に行われず残高が過大になると、赤字工事の兆候を見逃したり、経営事項審査で評価される自己資本比率などの財務健全性の指標が実態からずれたりします。月次で残高を点検し、工事の進捗と突き合わせる管理が欠かせません。

Q. 建設業の経理アウトソーシングでは、経営事項審査や決算変更届まで任せられますか?

A. 委託先によっては、記帳や決算にとどまらず、建設業許可の維持に必要な決算変更届(事業年度終了届)の書類作成や経営事項審査の準備まで任せられます。

決算変更届は、許可業者が毎事業年度の終了後4か月以内に財務諸表などを提出しなければならない手続きです(建設業法第11条第2項)。

これらの書類は、日々の記帳が建設業の様式に沿って正確に積み上がっていることが前提になるため、記帳から決算、許可・審査に使う書類まで同じ委託先で一貫して支援できると、年度末や更新時期の負担を抑えられます。

許可・審査対応まで任せたい場合は、その範囲に対応しているかを事前に確認してください。

出典・参考資料(2件)

Q. 建設業の経理を外部に委託する際、社内に最低限残すべき業務は何ですか?

A. 出来高の入力や現場起点の情報整理など、現場でしか判断・把握できない業務は社内に残し、記帳以降を委託する分担が取りやすいです。

委託先が正確に記帳するには、発注・変更・支払いの内容が書面やデータで残り、工事台帳でどの案件にどの費用が紐づくかが明確になっている必要があります。この現場起点の情報を整える部分を社内に残し、記帳・集計・決算以降を委託することで、工事ごとの原価を実態に沿って把握できます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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