設計・測量・調査といった業務を案件単位で請け負う建設コンサルタント業では、案件ごとの収支や技術者の工数が見えにくく、採算の着地を月中に把握できないという悩みを抱えていませんか。会計ソフトと工数・原価の管理が分断し、Excelへの二重入力が常態化している現場も少なくありません。
こうした課題を解消するには、案件別の収支・原価・工数を一元管理できる基幹システム(ERP)が有力な選択肢になります。ただし「建設業向け」をうたうシステムの多くは施工を担う建設会社を主な対象としており、設計・調査を案件単位で手がける建設コンサルタント業の業務実態に合うとは限りません。では、どのような観点でベンダー・製品を見極めればよいのでしょうか。
本記事では、建設コンサルタント業に適した基幹システム(ERP)を提供する主要ベンダーを比較・解説します。案件別の収支・原価管理、工数・稼働率の可視化、長期案件の収益認識や会計との連携といった、案件請負型の業務に特有の選定観点を整理しました。自社の規模や業務に合うシステムを見つけるための検討材料としてご活用ください。
また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲
本記事は、設計・測量・調査などを案件(プロジェクト)単位で請け負う建設コンサルタント業を対象に、案件別の収支・工数を管理できる基幹システム(ERP)を比較します。数十名から数百名規模で、既存の会計ソフトとExcelによる運用から脱却したい事業者に向けて比較します。
工事の施工を担う建設会社向けに、工事台帳・施工管理・工事原価を中心に据えた「建設業ERP」とは、求められる機能の重心が異なります。そのため本記事では、案件請負型の業務に適した製品に絞って紹介します。建設コンサルタント業という絞り込みを外し、業種を問わないERP(統合基幹業務システム)全般を企業規模や提供形態・費用で広く比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
建設コンサルタント業の基幹システム(ERP)とは|施工側の建設業ERPとの違い
基幹システム(ERP)は、会計・販売・購買・人事といった企業の基幹業務を1つの基盤に統合し、データを一元管理するための仕組みです。建設コンサルタント業では、この基盤の中心に案件(業務委託)ごとの収支・原価・工数の管理が置かれる点に特徴があります。
案件請負型の業務で基幹システムが解決する課題
建設コンサルタント業の業務は、1件あたりの期間が長く、複数年にまたがる案件も珍しくありません。技術者は複数の案件を並行して担当するため、誰がどの案件にどれだけ工数を割いたかを正確に捉えないと、案件ごとの採算が見えなくなります。
会計ソフトで売上と費用を把握できても、案件単位の損益や技術者の労務費配賦までは追えないことが多く、Excelで別途管理して二重入力が生じがちです。こうした分断は、月中での採算の着地見込みの把握を遅らせ、赤字案件の早期発見を難しくします。
案件別の収支・工数を標準で扱う基幹システムは、見積・受注から工数入力・原価集計・請求までを1つの基盤でつなぎ、入力の重複をなくしたうえで案件ごとの損益をリアルタイムに近い形で可視化します。これにより、採算管理と経営判断の精度を高められます。
施工側の建設業ERPとの違い
「建設業向けERP」とされる製品の多くは、工事の施工を担う建設会社を主な対象としています。工事台帳の管理、実行予算と工事原価の対比、施工管理、資材・在庫の管理、JV(共同企業体)会計といった、施工現場を持つ事業に必要な機能に重心があります。
一方、建設コンサルタント業の中心にあるのは、設計・測量・調査という技術者の役務を案件単位で管理することです。資材在庫や施工管理よりも、技術者の工数・稼働率、案件別の労務費配賦、長期案件の進捗に応じた収益の把握が重視されます。施工向けの建設業ERPがこうした役務型の管理に合うかは製品ごとに差があり、適合度を個別に見極める必要があります。

建設コンサルタント業の中には、建設工事の請負や施工管理を併せて手がける事業者もあります。その場合は、案件管理に加えて工事原価や建設業会計への対応も必要になるため、両方をカバーできるかという観点で製品を見ることになります。
建設コンサルタント業が基幹システム(ERP)に求める機能・要件
ここからは、建設コンサルタント業が基幹システム(ERP)に求める主な機能・要件を、案件請負型の業務実態に沿って整理します。後半の選び方・比較表でも、これらを判断の軸にします。
案件別の収支・原価管理
建設コンサルタント業の基幹システムで最も重要なのが、案件(業務委託)ごとの収支・原価を管理する機能です。見積・受注の段階で案件を登録し、売上・外注費・労務費・経費を案件に紐づけて集計することで、案件ごとの予算と実績を対比できます。
技術者の工数を労務単価で原価に換算し、間接費を案件へ配賦する仕組みがあれば、月中の時点でも損益の着地見込みを把握できます。赤字が見込まれる案件を早期に発見し、要員の再配置や追加費用の抑制といった手を打つ余地が生まれます。
工数管理と技術者の稼働率の可視化
複数案件を並行する技術者の工数を正確に捉えることは、案件別原価の精度を左右します。日々の工数入力を案件・作業区分ごとに記録し計画と実績を対比できれば、どの案件に負荷が偏り技術者の稼働率が適正かを把握できます。
この可視化は、労働時間の管理にも役立ちます。時間外労働には、労働基準法で原則として月45時間・年360時間という上限規制があり、業務量の偏りを数値で把握できることは、工期・要員計画の見直しの土台になります。
建設業のうち工作物の建設の事業(施工側)は、この上限規制の適用が猶予されていましたが、2024年4月1日から他業種と同様に適用されています。設計・測量・調査などの業務は、原則としてそれ以前から(大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月から)上限規制の適用下にあります。自社に適用される内容は所管の労働局等で確認してください。
出典・参考資料(2件)
- 出典:労働基準法(第36条・時間外労働の限度時間)|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049)
- 出典:建設業の時間外労働の上限規制(2024年4月適用)|香川労働局(厚生労働省)(https://jsite.mhlw.go.jp/kagawa-roudoukyoku/content/contents/kensetsu-hachuusha-he.pdf)
長期案件の収益認識・会計との連携
複数年にわたる長期案件では、収益をいつ計上するかが論点になります。進捗に応じて収益を計上する処理は、従来「工事進行基準」と呼ばれてきました。現在の収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号。2021年4月1日以後開始する事業年度から強制適用)では、「一定の期間にわたり充足される履行義務」の進捗度に応じた収益計上として整理されています。
製品によっては、進捗率に応じた売上の自動計算に対応しており、「工事進行基準対応」と表記されます。長期案件の割合が高い場合は、こうした収益認識の処理を扱えるかを確認しておくとよいでしょう。
建設工事の請負を併せて手がけ、建設業許可に基づく決算を行う事業者では、完成工事高・完成工事原価報告書といった建設業会計の様式への対応も必要になります。設計・測量・調査のみを手がける場合は通常の売上高と案件別原価管理で足りることが多いため、自社の登録・許可の状況に応じて要否を判断します。
出典・参考資料(2件)
- 出典:「収益認識に関する会計基準」への対応について|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/180530/pdf/all.pdf)
- 出典:建設業法施行規則 別記様式第十五号・第十六号|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/324M50004000014)
会計・販売・購買との連携(シングルインプット)
案件管理と会計・販売・購買が分断していると、同じ数字を複数のシステムに入力する手間が生じ、転記ミスの温床になります。見積から請求、仕訳までを一度の入力で処理できれば、二重入力をなくし経理の月次処理を早められます。
自社で会計システムを別に運用している場合は、その会計システムと連携できるか、あるいは基幹システム側が会計機能を内包しているかも確認したい点です。インボイス制度や電子帳簿保存法への対応状況も、あわせて見ておくと安心です。
建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)のタイプと特徴
建設コンサルタント業に適した基幹システム(ERP)は、設計・測量・調査を案件単位で管理できる「案件型プロジェクトERP」が中心になります。工事台帳や施工管理を軸にした施工向けの建設業ERPや、業種を特定しない汎用の統合ERPは、案件請負型の役務管理に合うかを個別に見極める対象です。
ここでは、案件型プロジェクトERPを導入規模と会計機能の内包の有無で2つのタイプに整理します。50名前後でどちらに寄せるか迷う場合は、会計まで一基盤に統合したいかを基準に考えると選びやすくなります。

中堅規模向けで会計まで内包する案件型ERP
案件別の収支・工数の予実管理や技術者の稼働率管理を標準で備え、会計機能との結びつきが強いタイプです。管理会計を搭載するものや財務会計まで内包するものがあり、販売・購買・勤怠までを1つの基盤に統合して全社の基幹業務を案件管理と結びつけたい中堅規模の事業者に向きます。多軸での管理会計分析や内部統制への対応を求める場合の選択肢になります。
小規模・部門導入に向く案件型ERP
案件別の収支管理と工数の予実管理に機能を絞り、低価格・短期間で導入できるタイプです。数十名規模の事業者や、特定部門から段階的に導入したい場合に向きます。まず案件採算の可視化から着手し、会計は既存システムとの連携でまかなうという進め方に適しています。
建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)の選び方
ここからは、自社に合う製品を絞り込むための観点を整理します。前半で挙げた求める機能・要件を踏まえ、製品選定の段階で特に確認したい点を見ていきます。
自社の案件管理の要件を満たすか
前半で挙げた要件すべてを満点で満たす製品を探すより、自社で手間がかかっている部分から優先度を付けて見極めると判断しやすくなります。長期・複数年の案件が多いなら進捗に応じた収益計上への対応を、技術者の工数配賦が煩雑なら工数入力から原価換算までの自動化を、というように、自社の課題に直結する機能を満たすかを軸に候補を絞ります。
クラウドかオンプレミスか・費用と課金体系は見合うか
近年の案件型ERPはクラウド型が主流で、現場や在宅からの工数入力・申請に対応できる点が利点です。初期費用を抑えてユーザー数に応じた月額課金で始められる製品が多く、自社の利用人数の増減に合わせやすいかを確認します。
一方、自社でインフラを管理したい、既存システムとの密な連携が必要といった事情があればオンプレミス型も選択肢になります。費用は利用人数・機能範囲で変わるため、現在の人数だけでなく数年先の規模も見込んで比較するとよいでしょう。
建設コンサルタント業での導入実績・サポート・連携は十分か
公式サイトや導入事例で、建設コンサルタント業や設計・測量といった同業態での実績が示されているかを確認します。同じ業態での実績があれば、業務の進め方に沿った設定や運用の勘所を押さえた支援を受けやすく、導入後のミスマッチを避けやすくなります。
導入時の初期設定や定着までの支援体制、運用開始後の問い合わせ対応の範囲も、少人数で情報システムを兼任する事業者ほど重要です。会計システムや勤怠システムなど既存の仕組みと連携できるかも、二重入力を避けるために確認しておきたい点です。
建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)の費用相場
案件型ERPの費用は、提供形態・利用人数・機能範囲によって幅があります。クラウド型が中心で、小規模・部門導入向けの製品では初期費用0〜15万円程度・月額3万円程度から始められるものがあり、スモールスタートを検討する層はこの帯で予算感をつかめます。
中堅規模向けで会計まで内包する製品は、利用人数や導入する機能範囲に応じた個別見積もりとなることが多く、料金を公開していない場合は要お問い合わせです。概算を早く知りたい場合は、資料請求で自社の規模・要件を伝えて見積もりを取るのが近道です。各製品の具体的な料金は後述の比較表と各製品の紹介で確認してください。
自社に合う建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)を診断
ここまで、建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)のタイプと選び方を見てきました。しかし、自社がどのタイプに適しているかの判断が難しいケースもあります。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
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【比較表】建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)を案件管理・費用で比較
ここからは、建設コンサルタント業に適した主要な基幹システム(ERP)を、案件別収支・工数管理・収益認識への対応や費用の観点で横並びに比較します。各製品の詳細は比較表の下で個別に紹介します。
| サービス名 | クラウドERP ZAC | MA-EYES | プロカン | Reforma PSA |
|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社オロ | 株式会社ビーブレイクシステムズ | 株式会社PROCAN | 株式会社オロ |
| 提供形態 | クラウド | クラウド (SaaS・一括等3形態) | クラウド | クラウド |
| 対象企業規模 | 中堅〜大手 (50名〜が目安) | 中堅〜大手 (一括版は100名以上が目安) | 中小〜中堅 | 小規模〜中小 (〜50名が目安) |
| 案件別の収支・原価管理 | ● | ● | ● | ● |
| 工数管理・稼働率の可視化 | ● | ● | ● | ● |
| 工事進行基準(長期案件の収益認識) | ●原価比例法による売上の自動計算に対応 | ● | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 会計機能 | 管理会計を搭載 (財務会計は連携) | 会計機能を搭載 | 会計システムと連携 | 会計システムと連携 |
| 建設コンサル業への対応 | ●建設コンサルティングを対象業種に明示 | ●建設コンサルタント業を対象業種に明記 | ●建設・設計・工事向け(プロカン建設工事) | ●設計業を対象業種に含む |
| 初期費用 | 100,000円 (ZAC初期設定費用) | 要お問い合わせ | 150,000円〜 (税込165,000円〜) | 0円 |
| 月額費用 | 保守6万円〜/月+モジュール×ライセンス課金 (ライセンス単価は要お問い合わせ) | 要お問い合わせ (利用人数・機能で変動) | 30,000円〜 (税込33,000円〜、利用人数で変動) | 30,000円(税抜)〜 (ライセンス従量制) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)各製品の紹介
ここからは、各製品について案件別収支・工数管理・収益認識への対応を具体的に紹介します。いずれも案件(プロジェクト)型のERPで、公式が対象業種に挙げる範囲は製品ごとに異なります(建設コンサルタント業を明記するもの、設計業や建設・工事向けと示すものなど)。対象業種の訴求の強さは比較表の「建設コンサル業への対応」で示したとおりで、自社の業務に合うかは各製品の資料で具体的に確認するのが確実です。
1. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

東証プライム市場に上場する株式会社オロが開発・提供するクラウドERPで、IT・広告・コンサルティングなど案件単位で業務が進む業種に特化しています。公式が挙げる対象業種には建設コンサルティングも含まれ、プロジェクト別の収支・原価管理を軸に、販売管理・購買・勤怠/工数・経費・管理会計を一つの基盤に統合します。
技術者が案件と作業項目を指定して入力した工数は、自動的に案件別の労務費として集計されます。直接作業は指定した案件へ直課し、間接作業は部門配下の案件へ再配賦する仕組みで、売上に外注費・労務費・経費を紐づけて案件損益を可視化します。長期案件については、原価比例法(原価の進捗に応じて売上を計上する方法)による売上の自動計算で工事進行基準にも対応します。
販売・購買・勤怠・管理会計までを一つの基盤に統合し(財務会計は外部の会計システムと連携)、電子承認ワークフローや操作ログによる内部統制にも対応します。全社の基幹業務を管理会計まで一元化したい中堅規模の事業者に向く構成です。初期費用はZAC初期設定費用10万円、保守費用は月額6万円〜で、各モジュールのライセンス単価は要お問い合わせとなります。
2. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

MA-EYES(エムエーアイズ)は、株式会社ビーブレイクシステムズが提供するクラウド型ERPです。システム開発・SES・コンサルティングなどプロジェクト型ビジネス向けの「V ver.」を中心に、日々の工数登録から人件費・外注費・経費を案件原価へ反映し、部門別・案件別・顧客別など複数の切り口で損益を可視化します。
公式のソリューション一覧では、対象業種に建設コンサルタント業が明記されています。長期案件については進捗率に応じて売上・売掛金・引当金を計上する工事進行基準に対応しており、複数年にまたがる案件の収益計上を扱えます。
工数にマスタの基準時間単価を掛けて労務費を算出し、工数・人数・売上高のほか、面積や机の数といった基準でも間接費を配賦できます。導入形態はSaaS・SaaS+・一括の3種類から選べ、一括版は100名以上が目安です。料金は利用人数・利用機能により変動し、要お問い合わせとなります。
3. プロカン(株式会社PROCAN)

案件単位で進行する受託型ビジネス向けに、株式会社PROCANが提供するクラウド型の収支管理システムです。プロカンIT・制作・建設工事といった業種別ラインナップを持ち、公式の対応業種には建設・設計・工事が挙げられています。
案件ごとに予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約し、収支をリアルタイムに可視化します。社内人員の工数を工数×労務単価で原価に換算し、見積書・請求書・発注書などの帳票作成からデジタル稟議・承認までを、一つの入力データから処理できる設計です。
料金は初期費用150,000円〜(税込165,000円〜)、月額30,000円〜(税込33,000円〜)で、利用人数(ID数)に応じて変動します。IT導入補助金の対象サービスとして案内されており、中小規模の事業者を主な対象としています。
4. Reforma PSA(株式会社オロ)

Reforma PSAは、ZACと同じ株式会社オロが提供する案件管理システムです。公式のZAC比較ページでは「ZACに搭載されている機能のうち、案件・プロジェクト型ビジネスを行う企業向けの標準機能に絞ってパッケージ化したシステム」と位置づけられています。
対象業種にはIT業・広告業・コンサルティング業のほか設計業が挙げられており、案件単位で業務が進む事業者に向きます。販売管理・購買管理・勤怠工数管理・経費管理を一元化し、実行予算の入力と原価の自動計算によって、仕掛中の案件でも損益を把握できます。
初期費用0円、月額30,000円(税抜)〜で、販売管理などの機能別ライセンスを利用人数分だけ選ぶ従量制です。導入期間の目安は1〜2か月、対象企業規模は従業員50名以下が目安とされ、まず低コストで案件採算の可視化から着手したい事業者の選択肢になります。
まとめ
建設コンサルタント業の基幹システム(ERP)選びは、設計・測量・調査を案件単位で管理するという業務実態に合うかが出発点です。案件別の収支・原価管理、技術者の工数・稼働率の可視化、長期案件の収益認識や会計との連携という観点から、自社の課題に優先度を付けて製品を見極めるとよいでしょう。
全社の基幹業務を会計まで一体で扱いたいなら会計機能との結びつきが強いタイプ、まず案件採算の可視化から始めたいなら小規模・部門導入に向くタイプというように、導入規模と進め方から候補を絞り込めます。気になる製品は資料を取り寄せ、機能と費用を具体的に比較してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)とは何ですか?
A. 建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)とは、設計・測量・調査といった業務を案件(業務委託)単位で管理し、案件ごとの収支・原価・工数を一元管理できる統合基盤です。会計ソフトとExcelに分かれていた管理を統合して二重入力をなくし、案件ごとの損益をリアルタイムに近い形で可視化できます。
Q. 建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)は施工側の建設業ERPと何が違いますか?
A. 建設コンサルタント業向けのERPは、技術者の工数・稼働率や案件別の労務費配賦、長期案件の収益認識に重心があり、工事台帳・施工管理・資材在庫を軸とする施工側の建設業ERPとは管理の重心が異なります。施工側のERPは工事現場を持つ事業に強みがあるため、設計・測量・調査という役務型の管理に合うかは製品ごとに差があり、適合度を個別に見極める必要があります。
Q. 建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)の費用相場はどのくらいですか?
A. 建設コンサルタント業向けERPの費用は提供形態・利用人数・機能範囲によって幅があり、案件収支・工数管理に機能を絞った小規模・部門導入向けのクラウド型なら、初期費用を抑えて月額数万円程度から始められる製品があります。会計まで内包する中堅規模向けの製品は、利用人数や機能範囲に応じた個別見積もりとなることが多く、料金非公開の場合は要お問い合わせです。
Q. 建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)の導入期間はどのくらいですか?
A. 建設コンサルタント業向けERPの導入期間は製品や導入範囲によって異なり、機能を案件収支・工数管理に絞った小規模・部門導入向けの製品では1〜2か月程度が目安となるものもあります。会計・販売・購買まで全社で統合する場合は、要件定義やマスタ整備に時間を要し、より長くなる傾向があります。
Q. 建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)は既存の会計ソフトやExcelと連携できますか?
A. 多くの案件型ERPは、既存の会計システムとの連携、または会計機能そのものの内包に対応しており、案件管理と会計の分断による二重入力を解消できます。自社で会計システムを別に運用している場合はその会計システムと連携できるかを、全社で統合したい場合は基幹システム側が会計機能を内包するかを確認するとよいでしょう。あわせてインボイス制度や電子帳簿保存法への対応状況も見ておくと安心です。
Q. 建設コンサルタント業向け基幹システム(ERP)は工事進行基準に対応していますか?
A. 製品によっては、長期案件の進捗率に応じた売上の自動計算に対応しており、「工事進行基準対応」と表記されることがあります。進捗に応じて収益を計上する処理は従来「工事進行基準」と呼ばれましたが、現在の収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)では「一定の期間にわたり充足される履行義務」の進捗度に応じた収益計上として整理されています。
Q. 設計・測量・調査だけを手がける場合も建設業会計への対応は必要ですか?
A. 建設工事の請負を併せて手がけ、建設業許可に基づく決算を行う事業者では、完成工事高・完成工事原価報告書といった建設業会計の様式への対応が必要です。一方、設計・測量・調査のみを手がける場合は、通常の売上高と案件別原価管理で足りることが多く、自社の登録・許可の状況に応じて要否を判断します。建設工事も請け負うなら、案件管理と建設業会計の両方をカバーできる製品かを確認します。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















