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採算管理に強い基幹システム比較|案件別の収支・原価を管理できるERPを評判・レビューで選ぶ

採算管理に強い基幹システム比較 案件別の収支・原価を評判で選ぶのサムネイル画像
ERP(統合基幹業務システム)比較表(2026年版)のプレビュー

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ERP(統合基幹業務システム)比較表(2026年版)

案件やプロジェクトごとの粗利が、締めてみるまで分からない。工数や外注費が案件にひも付かず、採算の実態をExcelで集計している。こうした状態を抜け出すために、採算管理まで扱える基幹システム(ERP)を探している方は少なくありません。

ただ、基幹システムやERPと名の付く製品は幅広く、案件別の収支・原価を本当に管理できるのかは、機能一覧を眺めるだけでは判断しづらいものです。導入後に「自社の業態に合わず使いこなせない」とならないためには、実際の利用者の評判・満足度も手がかりにして候補を絞りたいところです。

本記事では、案件(プロジェクト)単位の収支・原価・工数を管理できる基幹システム(ERP)を、採算管理に効く選定軸で比較・解説します。プロジェクト型ERPと総合型ERPのタイプ別に整理し、各製品の機能・提供形態・料金に加え、利用者レビューの読み解き方まで取り上げました。経営・管理部門(経理・経営企画・情シスなど)の方が、自社に合う製品を数社に絞り込むための材料としてご活用ください。

また、自社の業態・規模・案件の持ち方に合う型と製品を手早く把握できるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。あわせてご活用ください。

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本記事の対象範囲

本記事が扱うのは、案件・プロジェクトごとの採算(収支・原価・工数)を管理できる基幹システム(ERP)に絞った比較です。製造・建設・IT受託・広告制作・コンサルなど、案件を軸に売上を立てる業態で、採算の見える化を基幹システムで実現したい方を想定しています。

そのため、企業規模・提供形態・費用を主軸にERP全般を広く見比べたい場合や、採算管理が主眼ではない業種特化の基幹システムを探している場合は、本記事の対象から外れます。採算管理という利用目的に絞らず、まずはERP全体を俯瞰したい方は、以下の記事で企業規模・提供形態・費用を軸にERP全般を比較しているので、こちらを起点にすると選びやすくなります。

基幹システムの採算管理とは|案件別の収支・原価・工数をひも付けて見える化する

基幹システムにおける採算管理とは、案件(プロジェクト)ごとに売上と原価をひも付け、収支や粗利をリアルタイムに把握できる状態にすることを指します。原価には、外注費や仕入だけでなく、担当者が案件に費やした工数から計算する労務費(人件費)も含まれます。

採算管理に強い基幹システムは、この「売上−原価=案件別の粗利」の計算を、会計・販売・購買・勤怠(工数)といった基幹業務と同じデータ基盤の上で成立させます。見積や受注、発注、タイムシート(工数入力)といった日々の入力が、そのまま案件の原価・収支に反映される仕組みです。

専用のプロジェクト収支管理ツールや原価管理ソフトでも案件別の採算は追えますが、基幹システム(ERP)で扱う利点は、採算のデータが会計や販売といった全社の基幹業務とひとつにつながる点にあります。案件単位の粗利と、全社の損益計算書や請求・入金の状況を、二重入力なしに同じ基盤で見通せることが、採算管理を基幹システムで行う意味になります。

基幹システムの採算管理の仕組みを示した図解。日々の業務入力(見積・受注・発注・タイムシート)が、工数からの労務費配賦・外注費・仕入・共通経費の配賦として案件別の原価に積み上がり、売上から原価を引いて案件別の収支・粗利を予実でリアルタイムに把握し、損益計算書や請求・入金といった全社会計と同じ基盤で一体化する流れを4段階で表している。

基幹システムで採算管理するメリット|Excel集計・二重入力・締め後にしか粗利が分からない状態を抜ける

ここからは、案件の採算を個別のExcelや分断されたシステムで管理する状態から、基幹システムに一元化すると何が変わるのかを整理します。

第一に、案件別の粗利を進行中につかめるようになります。Excelや会計ソフトでの事後集計では、粗利が分かるのは締めた後で、赤字案件への手当てが後手に回りがちです。工数や外注費がその都度案件の原価に積み上がる仕組みなら、着地見込みを早い段階で把握し、まだ打ち手がある時点で判断できます。

第二に、二重入力と転記ミスが減ります。見積・受注・請求・工数・経費が別々のツールに散らばっていると、経理が会計へ再入力する手間と、数字のずれが避けられません。基幹業務が同じ基盤でつながれば、入力は一度で済み、案件の数字と会計の数字が食い違いにくくなります。

第三に、採算の根拠が経営の共通言語になります。案件ごとの予定と実績、工数の消化状況が同じ画面で見えると、現場・管理部門・経営のあいだで「どの案件が、なぜ、どれだけ儲かっているのか」を同じ数字で語れます。社内の稟議や経営判断を通すときの客観的な材料にもなります。

タイプ別の考え方|プロジェクト型ERPと総合型ERP(自社はどちらか)

採算管理に強い基幹システムは、案件採算をどう位置づけているかで大きく2つの型に分かれます。自社がどちらを必要としているかを見定めると、候補を効率よく絞り込めます。

採算管理に強い基幹システムの2つの型を対比した図解。左は案件中心に専用設計するプロジェクト型ERPで、見積・原価・工数・外注費・請求を案件にひも付けて案件別の収支・粗利をリアルタイムに可視化し、IT開発・広告・コンサルなど案件採算を最優先する企業に向く。右は全社の基幹業務に統合する総合型ERPで、会計・販売・購買・在庫などを1基盤に統合しプロジェクト管理機能で案件別採算も扱い、多拠点・多事業の中堅〜大規模企業に向く。収支管理特化型・稼働可視化型は全社の基幹業務を内包しないため基幹システムの範囲外である。

案件(プロジェクト)単位の採算管理に強いプロジェクト型ERP

案件を中心に据え、見積・原価・工数・外注費・請求をひも付けて、案件別の収支・粗利をリアルタイムに可視化するタイプです。IT開発・広告制作・コンサルなど、案件単位で売上と原価が立つ業態に向いています。

このタイプは、プロジェクト管理と会計・販売・工数管理が最初からひとつの製品として設計されているため、採算の見える化に必要な部品がそろっています。「全社の会計基盤の刷新」よりも「案件採算を今すぐ締められる状態にしたい」という課題が先に立つ企業の第一候補になります。

全社の基幹業務を統合しつつ案件別の採算も管理する総合型ERP

会計・販売・購買・在庫・生産などを1つの基盤に統合し、そのなかのプロジェクト管理機能で案件別採算も扱うタイプです。事業や拠点が複数にまたがり、全社の基幹業務ごと刷新したい中堅〜大規模の企業に向いています。

案件採算は「全社ERPが備える機能のひとつ」という位置づけになるため、採算管理の作り込みの深さは製品やモジュール構成によって差が出ます。自社の案件管理の要件に対して、どこまで標準機能で応えられ、どこからカスタマイズが要るのかを見極めることが選定の鍵になります。

収支管理特化型・稼働可視化型は「基幹システム」の範囲外

案件の収支や工数だけを扱う収支管理特化型のツールや、人員の稼働状況の可視化に軸足を置いた製品もあります。これらは採算の一部を担うものの、会計・販売・購買といった全社の基幹業務までは内包しないため、本記事でいう「基幹システム(ERP)」の範囲からは外れます。

採算の見える化だけを素早く実現したい場合は、こうした特化型が適することもあります。ただし、会計や販売と採算を同じ基盤でつなぎたいのであれば、前述の2つの型から選ぶのが筋の通った進め方です。

特化型のタイプ別の選び方や案件別原価の作り方は、以下の記事で詳しく比較しています。

採算管理に強い基幹システム(ERP)の選び方

ここからは、採算管理まで扱える基幹システムを自社の目線で見極めるための観点を解説します。順に確認して、候補を絞り込んでください。

案件別の予実・原価・工数・外注費をひも付けられるか

採算管理フィットの核心は、1つの案件に対して、売上の予定と実績、外注費・仕入、そして工数から計算する労務費を、もれなくひも付けられるかどうかです。ここが弱いと、原価の一部がExcelに残り、せっかくの基幹システムでも採算が片手落ちになります。

確認したいのは、工数入力が自動で案件の労務費に変換されるか、間接部門の人件費や共通経費を案件へ配賦できるか、という2点です。自社の原価の大半が人件費(工数)で占められる業態ほど、工数から労務費への自動集計と配賦の仕組みが採算精度を左右します。デモや資料請求では、自社の典型案件を1件想定し、見積から粗利確定までの入力の流れを実際にたどって確かめると、机上の機能一覧では見えない使い勝手が分かります。

全社会計と連結できるか・既存の会計/販売/勤怠と連携できるか

基幹システムで採算管理する価値は、案件の数字が全社の会計とつながって初めて最大化します。そのため、採算データが総勘定元帳や損益計算書にどう反映されるか、既存の会計・販売・勤怠システムをどこまで残して連携するかの確認が必要です。

会計まで内包する製品なら二重入力は原理的に生じませんが、既存の会計ソフトを使い続ける前提なら、仕訳データをCSVやAPI(システム間を自動で連携させる仕組み)でやり取りできるかが分岐点になります。

同一ベンダーの会計・勤怠製品とそろえると連携は滑らかですが、他社製品と組み合わせる場合は、連携実績のある製品名が公式に挙がっているか、どこまで自動化されるかを事前に確かめる必要があります。自社が「会計も入れ替える」のか「採算管理だけ足す」のかで、見るべき連携仕様が変わります。

提供形態(クラウド/オンプレミス)が自社の業態・規模に合うか

提供形態は、導入のしやすさと運用の負担に直結します。クラウド型は初期費用を抑えて始められ、法改正や機能追加が自動で適用されるため、情シス専任を置きにくい中小〜中堅企業に向きます。オンプレミス型や大規模ERPは、自社業務に深く合わせ込める反面、導入費用と運用体制の負担が大きくなります。

判断の分かれ目は、案件管理の進め方が標準機能にどこまで収まるかです。業務が比較的標準的ならクラウド型のプロジェクト型ERPで短期に立ち上げられますし、多拠点・多事業で独自の商習慣が強いなら、作り込みの効く総合型ERPが現実的な選択になります。自社の業態に近い導入事例が公開されているかも、フィットを測る手がかりになります。

利用者の評判・満足度で何を確認するか

機能一覧だけでは、実際の運用で採算管理が回るかまでは分かりません。そこで、第三者のレビューサイトや公式の導入事例を使って、自社と近い立場の利用者がどこを評価し、どこでつまずいているかを確かめましょう。

確認の勘所は、総合評価の星の数よりも、自社と近い業種・規模の投稿者が案件採算のどこを評価しているかです。満足度スコアや調査方法の具体的な読み解き方と製品ごとの評価は、後掲の「利用者の評判・レビュー」節で扱います。

情シス専任がいなくても運用でき、既存の古い基幹から移行しやすいか

導入そのものより、運用を自社で回し続けられるかが見落とされがちな観点です。特に情シス専任を置けない企業では、法改正への追従やマスタの保守を誰が担うのかを、選定時に織り込んでおく必要があります。

クラウド型は法改正対応が自動で提供されるため、保守の負担を抑えやすい傾向があります。あわせて、既存のブラックボックス化した基幹システムからの移行をどこまで支援してもらえるか、データ移行や定着までの伴走メニューがあるかも確認します。移行・入力定着・情シス体制といった運用面のハードルは、後述の「導入・運用の注意点」でさらに掘り下げます。

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どの型・どの製品が自社に合うか迷う場合は、下の選定診断を使ってみてください。業態・規模・案件の持ち方のいくつかの問いに答えると、候補の型と製品を絞り込めます。

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【比較表】採算管理に強い基幹システム(ERP)を採算管理フィット軸で比較

ここからは、採算管理に強い基幹システムを、採算管理フィットの軸で横並びに比較します。タイプ(プロジェクト型・総合型)、案件・プロジェクト別の予実管理(収支)、原価管理(工数からの労務費配賦・外注費/経費のひも付け)、会計の内包・連携、既存システム連携、提供形態・対象規模、料金、評判・レビューの素材という観点で整理しました。

まずは、案件採算を製品の中核に据えるプロジェクト型ERPから見ていきます。案件別の収支・原価・工数を、専用設計で扱える製品群です。

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サービス名Oracle NetSuiteOdoo(マルウェブ)ZACfreee 統合型ERPSmileWorksMA-EYESReforma PSAプロカンツバイソ
タイププロジェクト型
(統合ERP+PSA)
プロジェクト型
(統合ERP+PJ/工数)
プロジェクト型
(案件特化ERP)
プロジェクト型
(統合ERP)
プロジェクト型
(統合ERP)
プロジェクト型
(案件特化ERP)
プロジェクト型
(PSA/案件管理)
プロジェクト型
(収支管理)
プロジェクト型
(統合ERP+PSA)
案件別の予実管理(収支)●予算・見積・実績コスト・マージン予測を監視●計画工数と実績工数を比較、案件・タスク別に把握●案件別の予定・実績収支をリアルタイム可視化●プロジェクト単位の予実管理、案件別の売上・原価分析●案件別に予算を入力→実績対比、帳票出力●部門別・案件別・顧客別に損益可視化、予算実績をグラフ比較●実行予算から案件別原価を自動計算、予定・実績の工数を対比●案件別に予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約、予実対比表●案件別予算管理+実績・予測利益の多次元損益管理
原価管理(工数→労務費・外注費)●タイムシート工数を総勘定元帳へ転記、直接費・間接費を案件配賦△工数把握・分析会計で案件収支(労務費の自動配賦は要確認)●工数を案件別労務費に自動集計(直課・再配賦)、外注費・仕入をひも付け●時間単価で工数コストを算出、案件別人件費を自動連携△工数は標準。労務費の案件別配賦は配賦オプション+給与ワークス契約が必要●工数×単価で労務費化、配賦基準は工数・人数・面積等●工数登録前提の労務費配賦・共通費配賦●工数×労務単価で人件費換算+外注費で案件粗利●原価計算・工数・リソース管理(PSAモジュール)
会計の内包・連携●会計を内包(統合ERP)●会計アプリを同一基盤で内包△管理会計を内包、財務会計は仕訳連携●会計を内包(統合ERP)●会計(会計ワークス)を内包●会計モジュールを内包/勘定奉行とAPI連携△財務会計は外部連携(勘定奉行・MF会計へファイル連携)△会計は外部連携(弥生・freee・勘定奉行・MF、オプション)●会計ERPを中核に内包、PSAとAPI連携
既存システム連携●API・SuiteCloudで連携(国内会計連携は要確認)●External API・会計ソフトへ仕訳連携●会計へ仕訳連携/打刻API・FBデータ●freeeプロダクト連携/API●勘定奉行・freee・MF会計等へ仕訳連携●勘定奉行クラウド等とAPI連携、多数の連携ソリューション●勘定奉行クラウド・MF会計等へファイル連携●会計ソフト連携(オプション)/Googleカレンダー連携●REST APIで各クラウドサービスを連携
提供形態・対象規模クラウド(SaaS)
中堅〜大企業・海外展開
クラウド/オンプレ/
ハイブリッド・中小〜中堅
クラウド
IT・広告・コンサル等
クラウド
中小・成長企業(受託型)
クラウド(SaaS)
中小企業
SaaS/一括/SaaS+
プロジェクト型業種(一括は100名以上目安)
クラウド
中小・成長企業(50名以下目安)
クラウド
IT・制作・建設工事(3ライン)
クラウド
中堅・成長企業
料金要お問い合わせ
年間ライセンス+初期費用
Odoo本体 月22〜33ドル/ユーザー
+導入支援は個別見積
初期10万円+保守6万円〜/月
モジュール単価は要問い合わせ
統合ERP単体は要問い合わせ
freee販売スタンダード10名 月4万円が前提
販売ERP 初期0円・月5,000円〜
標準 初期3万円・月1万円〜(税別)
要お問い合わせ初期0円・月30,000円〜(税抜)
機能別ライセンス従量
初期150,000円〜(税込165,000円〜)
月30,000円〜(税込33,000円〜)
要お問い合わせ
無料トライアルあり
評判・レビューの素材世界44,000社超
公式インタビュー掲載
Odoo世界2,800万ユーザー
公式導入事例
導入1,100社超
公式に導入事例を公開
販売モジュールの利用者は多い
統合型ERP本体の公開実績は限定的
商工会ERP・みずほERP等に採用導入事例約60社公開
(楽天・ドワンゴ等)
導入500社以上
継続率93%・IT導入補助金対象
公式に案件別収支の導入事例を公開上場企業グループの導入事例を公式に公開
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト

※●=対応/△=条件付き・一部対応/×=非対応。各社の採算管理機能・料金は2026年10月時点の公式情報・公開資料にもとづく目安です。最新の内容は各社公式サイトでご確認ください。

続いて、全社の基幹業務を統合しつつ、案件別の採算も扱える総合型ERPです。多拠点・多事業で基幹業務ごと刷新したい企業の候補となります。

← 横にスクロールできます →
サービス名PROACTIVEGRANDITBiz∫
タイプ総合型
(統合ERP)
総合型
(統合ERP)
総合型
(統合ERP)
案件別の予実管理(収支)●管理会計で部門・プロジェクト別に予算設定、予実対比をリアルタイム●プロジェクト原価管理テンプレートで契約別収支を可視化(インフォコム提供のアドオン・本体標準外)●Biz∫会計のプロジェクト原価管理+IT業向けテンプレートでプロジェクト別予算管理
原価管理(工数→労務費・外注費)△管理会計ベースの予実管理(工数→労務費配賦は要確認)△個別原価の進捗を可視化(本体標準でなくパートナーテンプレート)●プロジェクト原価管理を標準搭載、多段階間接費配賦
会計の内包・連携●会計を内包(統合ERP)●会計を内包(統合ERP)●会計を内包(統合ERP)
既存システム連携●BIツール連携/業務領域ごとにSaaS・オンプレを組合せ●パートナーによるカスタマイズ・連携●intra-mart基盤/業務モジュール単位で段階導入
提供形態・対象規模クラウド/オンプレ/IaaS
年商100億円以上の中堅〜大企業
クラウド対応
中堅〜大企業
クラウド対応
年商500億円以上中心(中堅はOptima)
料金初期およそ2,000万円〜
月額は基本料金+ユーザー数従量(非公開)
要お問い合わせ要お問い合わせ
業務モジュール×ユーザー数
評判・レビューの素材導入7,500社超
(系譜累計、公式)
導入1,500社以上
パートナー70社以上
大手向けERP出荷本数No.1
採用2,000社突破
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※●=対応/△=条件付き・一部対応。案件採算は総合型ERPが備える機能の一つのため、標準機能の範囲やテンプレート・パートナー提供の別は各社でご確認ください。機能・料金は2026年10月時点の公式情報・公開資料にもとづく目安です。

採算管理に強い基幹システム(ERP)の個別紹介

ここからは、各製品の採算管理機能・提供形態・料金を、公式情報と利用者の評判・導入実績をあわせて個別に紹介します。タイプごとに見ていきましょう。

案件採算が中核のプロジェクト型ERP

案件を軸に見積・原価・工数・請求をひも付け、案件別の収支をリアルタイムに可視化する製品群です。案件単位で採算が立つ業態に向く製品を順に取り上げます。

1. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

Oracle NetSuite の公式サイト

会計・販売・購買・在庫・CRMを単一のクラウド基盤に統合するERPで、日本では日本オラクル株式会社が提供・サポートします。案件採算の管理は、アドオンのプロジェクト管理機能(SuiteProjects)が担い、プロジェクトの予算・見積・実績コスト・請求・収益性を同じ基盤上で監視します。

プロジェクト会計では、購買発注を特定の案件に紐付けて直接費・間接費を案件予算に配賦し、請求可能・請求不可のコストを把握できます。タイムシートで記録した工数は総勘定元帳に転記されて自動的に会計処理され、案件の収益・経費・請求が会計とつながる設計です。

料金は公式サイトに金額の記載がなく、コア・プラットフォーム/オプションモジュール/ユーザー数で構成する年間ライセンスと初期費用を個別に見積もる形で、具体額は要問い合わせです。全世界の導入社数は公式表記で44,000社超(2026年10月時点)とされています。

案件の数字を会計とひとつの基盤でつなぐこの設計が生まれた背景について、提供元の日本オラクルはインタビューで次のように説明しています。

福宮氏
日本オラクル株式会社 理事 NetSuite事業統括 営業統括本部長
福宮氏
独自インタビューより

会計は会計のシステム、在庫は在庫のシステム、というように業務ごとにシステムが分かれていると、データが分断されてしまって、経営者が全体を見ようとしてもなかなか正確な数字がつかめません。(中略)そこで、あらゆる業務を一つの基盤で一元管理して、経営者がどこからでもリアルタイムにデータを確認できるようにしたい、という発想からクラウドERPという形にたどり着きました。「全部つながっていること」を前提に作られているので、後から統制や監査の仕組みを足すのではなく、最初から一気通貫で見られる設計になっています。

2. Odoo導入・開発・業務統合支援(株式会社マルウェブ)

Odoo導入・開発・業務統合支援(株式会社マルウェブ)の公式サイト

ベルギー発のオープンソースERP「Odoo」を、株式会社マルウェブが要件定義から運用定着まで支援するサービスです。Odooは販売・在庫・会計・プロジェクト・CRMなど必要なアプリを選んで組み合わせる構成で、案件採算に関わる機能はプロジェクトとタイムシートが担います。

タイムシートでは計画工数と実績工数を比較し、請求可能時間をメンバー・案件・タスク別に把握できます。販売・在庫・会計が同じ基盤でつながるため、案件の売上と原価を1つのデータベース上で扱えます。ただし日本語での公式サポートはなく、導入・定着の支援はマルウェブなどのパートナー経由になります。

Odoo本体のライセンスはカタログ掲載値で、スタンダードが22ドル/ユーザー・月、カスタムが33ドル/ユーザー・月(初回ユーザーに12か月間の割引を適用した後の額、2026年10月時点)です。マルウェブの導入支援費用は要件により変わるため、別途個別見積もりとなります。

どの業務から導入し、どこまで作り込むかを見極める考え方について、導入支援を手がける株式会社マルウェブはインタビューで判断の軸を次のように述べています。

株式会社マルウェブ
若林氏
独自インタビューより

判断の軸は大きく2点です。一つは、お客様が今どの業務をどのように運用していて、Odooのアプリで言えばどの領域を使うことになるのか。もう一つは、予算と優先順位です。(中略)たとえば「まずは販売と在庫と会計だけでスタートしましょう」という形で始めて、使い方に慣れてきたら会計やCRMを段階的に追加していく、といった進め方をご提案することもあります。カスタマイズがあまり必要でなければスモールスタートをお勧めしますし、業務が特殊な場合はカスタマイズに時間はかかりますが、そこはしっかり作り込んでいきましょうとご提案しています。

3. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

クラウドERP ZAC の公式サイト

IT・広告・コンサル・士業など、案件単位で業務が進むプロジェクト型ビジネスに特化した統合型クラウドERPです。株式会社オロが提供し、売上に外注費・仕入・労務費・経費を紐付けて、案件別の利益をリアルタイムに可視化します。

工数管理で入力した作業時間は案件別の労務費へ自動集計され、直接作業は指定案件に直課、間接作業は部門配下の案件へ再配賦されます。プロジェクト単位で予定・実績の労務費や作業時間、進捗率を同じ画面で確認でき、仕訳インポート機能を持つ会計システムとも連携できます。

料金は初期費用10万円、データセンター利用料を含む保守が月額6万円からで、機能(モジュール)×ライセンス数の課金です。モジュール別の単価は公開されておらず、製品資料の請求が必要です。導入実績は公式サイトで1,100社超(2026年10月時点)とされています。

4. freee 統合型ERP(freee株式会社)

freee 統合型ERP の公式サイト

クラウド会計で知られるfreee株式会社が、2023年8月に提供を開始した中小・成長企業向けの統合型ERPです。会計・請求・工数・案件・経費・給与・人事労務を1つのプラットフォームにまとめ、IT・コンサル・広告など案件で売上を立てる受託型・請負型ビジネスを主な対象としています。

採算管理の面では、プロジェクト単位の予実管理や、時間単価にもとづく工数コストの算出、案件別の売上・原価分析ができます。工数管理で集計した案件別の人件費は販売モジュールの案件へ自動連携され、会計までデータがつながります。

統合型ERP単体の料金は公式に記載がなく、利用には「freee販売」スタンダードプランの契約が前提となります。参考として、freee販売スタンダードは10名利用で月額40,000円(税抜・年払い、2026年10月時点)で、統合型ERP単体の金額は要問い合わせです。

5. SmileWorks(株式会社スマイルワークス)

SmileWorks(スマイルワークス)の公式サイト

販売・購買・在庫・会計・給与・勤怠を1つにまとめた中小企業向けの統合型クラウドERPで、株式会社スマイルワークスが提供します。プロジェクト別収支管理を主軸に据え、売上・仕入・経費・社内工数を案件単位で集計して収支を把握できます。

案件・プロジェクトごとに予算を入力して実績と対比でき、関連帳票の出力まで標準機能で対応します。ただし工数(稼働報告)そのものは標準でも、工数を人件費として案件別に自動配賦するには配賦機能オプション(月額5,000円・税別)と給与ワークスの契約が必要です。

料金は販売ERPプランが初期費用0円・月額5,000円から、標準プランが初期費用30,000円・月額10,000円から(いずれも税別、オプション別、2026年10月時点)です。案件管理機能は販売ワークスを契約していれば追加費用なしで使え、販売ERPプランのみ月額3,000円(税別)が別途かかります。

6. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

MA-EYES の公式サイト

システム開発・SES・コンサルティングなどプロジェクト型ビジネスに特化したクラウド型ERPで、株式会社ビーブレイクシステムズが提供します。日々の工数登録から人件費・外注費・経費を案件原価へ反映し、部門別・案件別・顧客別といった複数の切り口で損益を可視化します。

工数は、担当者マスタに設定した基準時間の単価と実際の作業時間を掛けて労務費に換算され、案件原価へ積み上がります。月別に原価の予算と実績をグラフで比較でき、配賦基準には工数・人数・売上高・人件費比率に加え、面積や机の数などの情報も設定できます。会計システムとは勘定奉行クラウドとのAPI連携が公式に挙げられています。

提供形態はSaaS・一括・SaaS+の3種類で、利用人数やカスタマイズの要否に応じて選べます。料金は公式に公開されておらず、要問い合わせです。30日間の無料トライアルが用意されています(2026年10月時点)。

7. Reforma PSA(株式会社オロ)

Reforma PSA(リフォルマ PSA)の公式サイト

先に紹介したZACと同じ株式会社オロが提供する、案件・プロジェクト型ビジネス向けの案件管理システムです。ZACの機能のうち標準的なものに絞ってパッケージ化しており、従業員50名以下を目安とする中小・成長企業に向けた位置づけです。

実行予算(利益計画)を入力して案件別の原価を自動計算することで、仕掛中の案件でも損益をタイムリーに把握できます。工数登録を前提とした労務費配賦・共通費配賦に対応し、プロジェクト別に予定と実績の工数(労務費)を対比できます。会計システムへは勘定奉行クラウドやマネーフォワード クラウド会計などへのファイル連携に対応します。

料金は初期費用0円、月額30,000円(税抜)からで、販売管理・購買管理・勤怠管理・経費管理などの機能別ライセンスを利用人数分で積み上げる従量制です。導入期間は1〜2か月程度が目安で、導入実績は公式サイトで500社以上(2026年10月時点)とされています。

8. プロカン(株式会社PROCAN)

プロカン の公式サイト

案件単位で進む受託型ビジネス向けのクラウド型プロジェクト収支管理システムで、株式会社PROCANが提供します。案件ごとに予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約し、収支をリアルタイムに可視化することを主眼としています。IT・制作・建設工事の業種別に3つのラインナップがあります。

社内人員の工数は「工数×労務単価」で人件費に換算され、外注費などの社外コストと合わせて案件ごとの粗利を見える化します。Googleカレンダーと連携した工数入力支援や予算実績対比表に対応し、会計ソフトは弥生会計・freee・勘定奉行・マネーフォワードとの連携がオプションで案内されています。

料金は初期費用150,000円から(税込165,000円から)、月額30,000円から(税込33,000円から)で、利用人数(ID数)に応じて変動します(2026年10月時点)。IT導入補助金の対象サービスとして案内されています。

9. RobotERP ツバイソ(ツバイソ株式会社)

RobotERP ツバイソ の公式サイト

会計を扱うERPを中核に、案件管理のPSAや在庫のIMAなど5つのクラウドサービスをREST APIで連携させる構成の、中堅・成長企業向けプラットフォームです。ツバイソ株式会社が提供し、各サービスは単独でも導入でき、必要に応じて統合ERPへ広げられます。

案件採算はPSAモジュールが担い、見積〜受注〜納品〜請求の売上プロセスと、発注〜検収〜原価の調達プロセスを案件に紐付けて一元管理します。案件別の予算管理と実績・予測利益の測定、原価計算・工数・リソース管理に対応し、部門別・プロジェクト別・サービスライン別のリアルタイムな多次元損益管理ができます。

料金表は公式サイトで公開されておらず、法人ライセンスとユーザーライセンスを組み合わせた見積もりとなるため、具体額は要問い合わせです。無料トライアルが用意されています(2026年9月時点)。2026年8月には、外部のAIから自然言語でERPを操作できる「Tsubaiso Intelligence」の提供も始まっています。

全社基幹を統合しつつ案件別採算も扱う総合型ERP

会計・販売・購買・在庫などを1基盤に統合し、プロジェクト管理機能で案件別採算も扱える製品群です。中堅〜大規模・多拠点の全社運用を見据えた候補を紹介します。中小〜中堅で案件採算を手早く始めたい場合は、前掲のプロジェクト型ERPが候補になります。

10. PROACTIVE(SCSK株式会社)

PROACTIVE(プロアクティブ)の公式サイト

SCSK株式会社が提供する国産の統合型ERPで、会計・人事給与・販売管理・生産管理を1つの基盤に統合します。案件別採算は、管理会計機能として部門・プロジェクト・勘定科目別に予算を設定し、予算と実績の対比をリアルタイムに把握できる仕組みです(公式の管理会計機能ページ)。

管理会計用の仮想組織を製品別・地域別などの軸で作成でき、セグメント別のB/S・P/LやBIツール連携によるドリルスルー分析にも対応します。対象規模は公式FAQで「年商100億円以上の中堅企業から大企業向け」と明記され、提供形態はSaaS・オンプレミス・IaaSを業務領域ごとに組み合わせるハイブリッド導入に対応します。

料金は公式FAQで初期費用の目安を「およそ2,000万円から」とし、月額は基本料金+ユーザー数による従量課金(金額は公式非公開)です。導入実績はProActive系譜全体の累計で7,500社超(公式トップ記載、基準時点の記載なし)とされています。

11. GRANDIT(インフォコム株式会社)

GRANDITの公式サイト

インフォコム株式会社が開発・保守を担う国産の統合型ERPです。案件別の採算管理は、インフォコムが提供する「プロジェクト原価管理テンプレート」により、プロジェクト(契約)別の収支管理と個別原価の進捗を可視化します(公式のアドオン・テンプレート一覧)。

ただし、このプロジェクト原価管理テンプレートや工事管理アドオンは本体の標準機能ではなく、別途のアドオンです。とくに工事管理アドオンなどはコンソーシアム参加パートナーが提供し、導入にはパートナー経由の契約や追加費用が別途必要になる場合があります。設備工事業向けには、工事別の実行予算管理(実行予算と実績の対比)や工事進行基準への対応も公式に記載されています。

複数企業のノウハウを集約したコンソーシアム方式をとり、国内70社以上のパートナーが導入・カスタマイズを担う体制です。新版は「コンポーザブルERP GRANDIT V4」で、導入実績は公式トップで1,500社以上(基準日の記載なし)とされています。料金は公式に記載がなく、要お問い合わせです。

12. Biz∫(ビズインテグラル)(株式会社NTTデータ・ビズインテグラル)

Biz∫(ビズインテグラル)の公式サイト

案件別採算を、会計モジュール「Biz∫会計」のプロジェクト原価管理と管理会計(予実管理・多段階間接費配賦)で扱える国産ERPパッケージです。IT業向けの業種別テンプレートでは、プロジェクト別予算管理にも対応します(2024年8月提供)。提供元は株式会社NTTデータ・ビズインテグラルです。

共通基盤にはワークフロー製品intra-martを採用し、「業務モジュール×指定ユーザー数」のライセンス体系で、一般会計のみといった最小単位から段階導入できます。対象はNTTデータ公式で年商500億円以上の大手企業中心ですが、サブスクリプション型「Biz∫Optima」(2023年3月提供開始)で中堅企業にも間口を広げています。

デロイト トーマツ ミック経済研究所『基幹業務パッケージソフト(ERP)の市場展望2026年度版』の「大手企業向けERPパッケージ」部門で、2025年度の年間出荷本数No.1(2026年7月公表)を得ています。採用社数は2,000社を突破(2025年12月時点、公式)。料金は公式サイトに掲載がなく、要お問い合わせです。

利用者の評判・レビュー・満足度を採算管理フィットで読む

ここでは、利用者の評判や満足度を「採算管理に強いか」という観点で読み直す方法と、主要な製品の評価を出所つきで整理します。数字を鵜呑みにせず出所と調査方法まで見ることが、社内の意思決定を通す客観材料になります。

利用者の声の主な出所は、第三者の口コミサイトに集まる評点・レビューと、ベンダー公式が公開する導入事例の2種類です。口コミサイトは、投稿者の業種・従業員規模・役割が開示されているものを選ぶと、自社に近い立場の評価をたどれます。

採算管理フィットで読むときは、総合評価の星の数よりも、自社と近い業種・規模の利用者が「案件別の粗利が見えるようになったか」「工数入力が現場に定着したか」に触れているかを見るとよいでしょう。採算管理以外への高評価や、少数件・属性の偏った声は割り引いて読みましょう。

公式の導入事例は、効果の数値まで踏み込める反面、ベンダーが選んだ事例である前提で読みます。自社と近い業種・規模の企業が、採算管理のどこを改善できたかを確認するのが確実です。

公表されている導入実績も、利用者が一定数いて評価が蓄積されているかの目安になります。クラウドERP ZACは1,100社超、Oracle NetSuiteは世界44,000社超、GRANDITは1,500社以上、PROACTIVEは系譜累計で7,500社超の導入を、それぞれ公式に公表しています。

第三者の調査では、Biz∫がデロイト トーマツ ミック経済研究所の調査で「大手企業向けERPパッケージ」部門の2025年度 年間出荷本数1位とされています(2026年7月公表)。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:基幹業務パッケージソフト(ERP)の市場展望2026年度版(大手企業向けERPパッケージ部門・2025年度年間出荷本数No.1)|デロイト トーマツ ミック経済研究所/Biz∫公式ニュース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000165280.html)

製品名と評価の対象がずれていないかにも注意します。たとえばfreeeは販売モジュールの利用者が多い一方、統合型ERP本体の公開実績は限定的です。資料請求時に、評価の対象が本体か個別モジュールかを確かめましょう。

いずれの製品も、評点は1件の印象で決めず、口コミと公式事例を突き合わせ、自社に近い業種・規模の評価かどうかで取捨するとよいでしょう。

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採算管理ができる基幹システムの費用相場(提供形態別)

ここからは、採算管理ができる基幹システムの費用感を、提供形態別に整理します。製品ごとに料金体系が異なり、公開されていないケースも多いため、相場の幅と見積もりの勘所をつかむことを目的とします。

クラウド型のプロジェクト型ERPは、利用する機能(モジュール)とライセンス数(利用人数)に応じた月額課金が一般的です。初期設定費用に加えて、月々のライセンス料と保守・運用費がかかる構成が多く、必要な機能・人数だけ契約して段階的に広げられる製品もあります。中小〜中堅企業では、まず採算管理に必要なモジュールから始め、利用の定着に応じて拡張していく進め方が現実的です。

一方、全社基幹を統合する総合型ERPや大規模向けの製品では、初期費用が数百万円規模以上となるケースもあり、料金を公開せず個別見積もりとするベンダーが大半です。導入範囲・カスタマイズ・データ移行の量で費用が大きく変わるため、相場は参考値として扱い、自社要件での見積もりを前提に比較するのが安全です。以下に、主要な製品の料金体系を一覧で整理しました。公開されていない料金は「要お問い合わせ」としています。

← 横にスクロールできます →
サービス名Oracle NetSuiteOdoo(マルウェブ)ZACfreee 統合型ERPSmileWorksMA-EYESReforma PSAプロカンツバイソPROACTIVEGRANDITBiz∫
提供形態クラウド(SaaS)クラウド/オンプレ/
ハイブリッド
クラウドクラウドクラウド(SaaS)SaaS/一括/SaaS+クラウドクラウドクラウドクラウド/オンプレ/
IaaSハイブリッド
クラウド対応クラウド対応
初期費用要お問い合わせ導入支援は個別見積10万円要お問い合わせ販売ERP 0円/標準 3万円要お問い合わせ0円150,000円〜
(税込165,000円〜)
要お問い合わせおよそ2,000万円〜要お問い合わせ要お問い合わせ
月額費用要お問い合わせ
(年間ライセンス)
Odoo本体 22〜33ドル
/ユーザー・月(+支援費)
保守6万円〜/月+
モジュール課金(要問い合わせ)
統合ERP単体は要問い合わせ
(freee販売スタンダード前提)
販売ERP 5,000円〜/
標準 1万円〜(税別)
要お問い合わせ30,000円〜(税抜)
機能別ライセンス従量
30,000円〜
(税込33,000円〜)
要お問い合わせ基本料金+ユーザー数
従量(非公開)
要お問い合わせ要お問い合わせ
(モジュール×ユーザー数)
無料トライアル記載なしOdoo本体 15日間記載なし
(無料相談・デモあり)
記載なし最大2ヶ月30日間記載なし記載なし
(IT導入補助金対象)
ありトライアル環境あり記載なし記載なし
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイトサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※料金は2026年10月時点の各社公式情報にもとづく目安です。税区分は各社の表記に準じ、公開されていない料金は「要お問い合わせ」と記載しています。導入範囲・ユーザー数で変動するため、最新の料金は各社にご確認ください。

導入・運用の注意点(入力ルールの標準化・既存会計/販売/勤怠との連携・情シス体制・移行)

採算管理に強い基幹システムは、入れただけで採算が見えるようになるわけではありません。導入後に効果を出すために押さえておきたい注意点を整理します。

最も重要なのは、入力ルールの標準化です。採算の精度は、工数・外注費・経費が正しく案件にひも付くかにかかっており、現場の入力が曖昧だと、どれだけ高機能な製品でも粗利はぶれます。案件の粒度(どこまでを1案件とするか)や工数の付け方を事前にそろえ、現場が迷わず入力できる運用を設計することが、システム選び以上に効いてきます。

次に、既存の会計・販売・勤怠システムとの連携です。採算管理だけを足す構成では、仕訳や勤怠データの受け渡しが自動化されているかで、経理の工数が大きく変わります。連携方式(CSV・API・同一ベンダー内の自動連携)と対応実績は、契約前に具体的に確認しておく必要があります。

運用体制と移行も見落とせません。情シス専任を置けない企業では、法改正への追従やマスタ保守をベンダーの自動アップデートや支援でどこまで賄えるかの見極めが欠かせません。古くブラックボックス化した基幹システムからの移行では、データ移行の設計と検証に相応の工数がかかるため、ベンダーの移行支援メニューの有無と範囲を、導入計画に織り込んでおくことが失敗回避につながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 基幹システムの採算管理とは何ですか?

A. 基幹システムの採算管理とは、案件(プロジェクト)ごとに売上と原価をひも付け、収支や粗利をリアルタイムに把握できる状態にすることです。

ここでいう原価には、外注費や仕入だけでなく、担当者が案件に費やした工数から計算する労務費(人件費)も含まれます。会計・販売・工数といった基幹業務と同じデータ基盤の上で「売上−原価=案件別の粗利」を成立させ、全社の損益や請求・入金まで二重入力なしに見通せる点が、専用の収支管理ツールと分けて基幹システムで採算管理する意味になります。

Q. 採算管理に強い基幹システムは、プロジェクト型ERPと総合型ERPのどちらを選べばよいですか?

A. 「案件採算を今すぐ締められる状態にしたい」ならプロジェクト型ERP、「全社の基幹業務ごと刷新したい」なら総合型ERPが基本の分かれ目です。

プロジェクト型ERPは案件を中心に見積・原価・工数・外注費・請求をひも付け、案件別の収支を専用設計でリアルタイムに可視化するため、IT受託・広告制作・コンサルなど案件単位で売上が立つ業態に向きます。

総合型ERPは会計・販売・購買・在庫などを1基盤に統合し、そのなかのプロジェクト管理機能で案件採算を扱うため、多拠点・多事業の中堅〜大規模企業に向きます。総合型は採算管理の作り込みの深さが製品やモジュール構成によって差が出るため、自社の案件管理の要件に標準機能でどこまで応えられるかを見極めることが選定の鍵です。

Q. 採算管理に強い基幹システムは、既存の会計・販売・勤怠システムと連携できますか?

A. 採算管理に強い基幹システムの多くは既存システムと連携できますが、「会計も入れ替える」のか「採算管理だけ足す」のかで、確認すべき連携仕様が変わります。

会計まで内包する製品なら二重入力は原理的に生じません。既存の会計ソフトを使い続ける前提なら、仕訳データをCSVやAPI(システム間を自動で連携させる仕組み)でやり取りできるか、連携実績のある製品名が公式に挙がっているかが分岐点になります。同一ベンダーの会計・勤怠製品とそろえると連携は滑らかになりますが、他社製品と組み合わせる場合は、どこまで自動化されるかを契約前に具体的に確認しておくと安心です。

Q. 工数管理をしていなくても、採算管理に強い基幹システムは使えますか?

A. 使えますが、原価の大半を人件費が占める業態では、工数入力が採算の精度を大きく左右します。

多くの製品は、工数入力を案件別の労務費へ自動集計し、外注費や経費と合わせて案件の粗利を算出します。外注費・仕入だけで原価がほぼ立つ業態なら工数入力は必須ではありませんが、IT受託やコンサルのように人件費が原価の中心を占める場合は、工数から労務費への自動集計と案件への配賦の仕組みが採算精度のカギになります。自社の原価構成がどちらに近いかを見てから、工数管理の作り込みの深さを比較してください。

Q. 中小企業でも採算管理に強い基幹システムを導入できますか?

A. 導入できます。情シス専任を置きにくい中小企業でも、クラウド型のプロジェクト型ERPなら初期費用を抑えて小さく始められます。

クラウド型は法改正対応や機能追加が自動で適用され、保守の負担を抑えやすいため、専任の運用担当を置けない企業に向きます。採算管理に必要なモジュールから始め、利用の定着に応じて拡張していく進め方が現実的です。一方、多拠点・多事業で独自の商習慣が強い場合は、作り込みの効く総合型ERPが現実的な選択になります。自社の業態に近い導入事例が公開されているかも、フィットを測る手がかりになります。

Q. 採算管理に強い基幹システムの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. 導入期間は製品と導入範囲によって幅があり、クラウド型で標準機能を中心に使うほど短く、カスタマイズやデータ移行を伴うほど長くなります。

本記事で取り上げた製品のなかには、導入期間の目安を1〜2か月程度とするものもあります(Reforma PSA、2026年10月時点)。一方、総合型ERPを全社に展開する場合は、要件定義・カスタマイズ・既存データの移行に相応の工数がかかります。

とくに古くブラックボックス化した基幹システムからの移行では、データ移行の設計と検証に時間を要するため、ベンダーの移行支援メニューの有無と範囲を導入計画に織り込んでおくと失敗を避けやすくなります。

Q. 採算管理に強い基幹システムの費用相場はどのくらいですか?

A. クラウド型のプロジェクト型ERPは利用する機能とライセンス数に応じた月額課金が中心で、全社基幹を統合する総合型ERPや大規模向け製品は初期費用が数百万円規模以上になるケースもあります。

クラウド型は初期設定費用に月々のライセンス料と保守・運用費が加わる構成が多く、必要な機能・人数だけ契約して段階的に広げられます。総合型・大規模ERPは料金を公開せず個別見積もりとするベンダーが大半で、導入範囲・カスタマイズ・データ移行の量で費用が大きく変わります。相場は参考値として扱い、自社要件での見積もりを前提に比較するのが安全です。

Q. 利用者のレビューや評判は、採算管理フィットの観点でどう読めばよいですか?

A. 総合評価の星の数そのものよりも、自社と近い業種・規模の投稿者が「案件別の収支が見えるようになったか」「工数入力が現場に定着したか」に触れているかを読みます。

評価が高くても、物販中心の企業の声なら案件採算の参考度は下がります。評点の読み方や公式導入事例との突き合わせ方は、本文の「利用者の評判・レビュー」節で整理しています。

まとめ

本記事では、案件・プロジェクト単位の採算を管理できる基幹システム(ERP)を、採算管理フィットの軸で比較・解説しました。

自社に合う製品を見極める出発点は、「案件採算を今すぐ締めたいプロジェクト型ERP」なのか、「全社基幹ごと刷新しつつ案件採算も扱う総合型ERP」なのか、という型の見極めです。そのうえで、案件別の予実・原価・工数のひも付け、全社会計との連結や既存システムとの連携、提供形態のフィット、そして利用者の評判を自社の立場で読み解き、候補を数社に絞り込んでください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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