利用するSaaSや社内システムが増えるほど、IDとパスワードが各サービスに分散し、管理の手間と情報漏えいのリスクが膨らみます。パスワードの使い回しや退職者アカウントの放置、ヘルプデスクへのパスワードリセット依頼といった課題を一度に解決する手段として、SSO(シングルサインオン)製品への関心が高まっています。
一方で製品の数は多く、「結局どのSSO製品が広く使われているのか」「自社の環境に合うのはどれか」を見極めるのは簡単ではありません。対応するSaaSの範囲や認証方式、多要素認証の有無、料金、提供形態は製品ごとに差があり、人気や評価の順位だけでは選びきれないのが実情です。
本記事では、主要なSSO製品24製品を、公表されている導入実績や対応連携数、料金、認証方式といった確かめられる事実にもとづいて横並びで比較します。製品を人気や評価の順で眺めるだけでなく、自社の利用環境に当てはめて数製品に絞り込めるよう、選び方の観点と各製品の詳細まで整理しました。資料請求や導入検討の判断材料として活用してください。
また、自社の環境や重視する点を選ぶだけで、合いそうな製品を数十秒で絞り込める「SSO製品の選定診断ツール」も用意しました。どの製品から見るか迷ったときにご活用ください。
目次
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SSO(シングルサインオン)とは?導入で解決できること
SSO(シングルサインオン)とは、一度の認証で複数のクラウドサービスや社内システムにログインできる仕組みです。利用者はサービスごとにIDとパスワードを入力する必要がなくなり、管理者は認証とアカウントの状態を一か所で統制できます。多くの製品は、認証基盤をクラウドで提供するIDaaS(Identity as a Service、ID管理をサービスとして提供する形態)として展開されています。
認証をSSOの基盤に集約する連携方式には、SAML(Security Assertion Markup Language)やOpenID Connectといった標準プロトコルを使う方法と、これらに対応していないシステム向けに代理でログイン情報を入力する方式があります。どの方式に対応するかは製品選びに直結するため、選び方の章で改めて触れます。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:single sign-on(用語定義)|NIST Computer Security Resource Center(https://csrc.nist.gov/glossary/term/single_sign_on)
なお、ここで取り上げるSSO製品の多くは、ID管理や認証をクラウドでまとめて担うIDaaS(ID管理基盤)の一機能として提供されています。SSO単体に限らず、ID管理基盤そのものを広く比較して選びたい場合は、次の記事で主要なサービスを整理しています。
IDaaSとは?おすすめ6選を徹底比較|メリットや選び方・導入事例も紹介
「IDaaSを比較したい」「IDaaSとは何?どのサービスがおすすめ?」 IDaaSとは、ID管理と認証をクラウド上で統合できる仕組みで、複数のクラウドサービスをまとめて管理したい企業に広がっています。 クラウドサービスの利用が増えた近年で…
SSO導入で解決できる課題
SSOの導入は、利用部門と管理部門の双方の負担を減らします。代表的な効果は次のとおりです。
- パスワード管理の負担軽減:サービスごとに異なるパスワードを覚える必要がなくなり、使い回しや付箋メモといった危うい運用を減らせます。
- 退職者・異動者のアカウント統制:認証基盤を一元化することで、退職時に一度の操作で全サービスのアクセスを止められ、権限の取り残しを防げます。
- ヘルプデスク工数の削減:パスワードリセットや再発行の問い合わせが減り、情報システム部門の運用負荷が下がります。
- セキュリティの底上げ:多要素認証やアクセス制御を全サービスにまとめて適用でき、認証の強度を組織全体でそろえられます。
これらのうちヘルプデスク工数の削減が、実際の導入現場でどの程度の規模になるのか。SSO製品を提供する事業者への独自インタビューでは、次のような事例が語られました。

導入と同時にパスワードレス認証に切り替えた企業では、IT部門の業務の約20%を占めていたパスワード関連のヘルプデスク業務が「0%」になったという事例があります。
仕組みの詳細や認証方式ごとの違いを深く知りたい場合は、SSOの解説記事も参考になります。ここからは、実際の製品を比較しながら自社に合う一社を見つけていきましょう。
シングルサインオン(SSO)の認証方式6種類|仕組み・メリットと自社に合う選び方
複数のクラウドサービスや社内システムを使い分けるうちに、ID・パスワードの管理負担が膨らみ、シングルサインオン(SSO)の導入を検討し始めた企業は少なくありません。SSOの導入を調べ始めると、「SSOにはいくつかの方式がある」という説明に行…
【比較表】主要SSO製品を公表値で比較
ここからは、主要なSSO製品24製品を横並びで比較します。下の表では、提供形態・認証方式・多要素認証やアクセス制御の範囲・対応連携数の目安・導入実績・料金を、各社の公式情報にもとづいて並べました。
「どの製品が広く使われているか」の手がかりとしては、下表の「導入実績」列(公表している社数・ユーザー数)が参考になります。導入実績を公表していない製品も多いため、公表のある製品だけの目安として読んでください。比較サイトや口コミサイトが示す資料請求数や満足度の順位は、集計元によって顔ぶれや基準が変わる点にも注意が必要です。
そのうえで、自社が重視する観点(使うサービスへの対応・認証方式・多要素認証・料金・提供形態)で表を見比べ、候補を数製品に絞り込みます。重視する軸が決まっていない場合は、表のあとの選定診断から始めると絞り込みやすくなります。
| サービス名 | CloudGate UNO | Okta Workforce Identity Cloud | HENNGE One | トラスト・ログイン byGMO | Gluegent Gate | Soliton OneGate | Microsoft Entra ID | OneLogin | Cisco Duo | Extic | IIJ IDサービス | SafeNet Trusted Access | RSA ID Plus | Entrust Identity | JumpCloud | Keycloak | IceWall SSO | AccessMatrix USO | Online Service Gate | SeciossLink | CloudLink | ID Entrance | infoScoop × Digital Workforce | ROBOT ID |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社インターナショナルシステムリサーチ | Okta Japan株式会社 | HENNGE株式会社 | GMOグローバルサイン株式会社 | サイオステクノロジー株式会社 | 株式会社ソリトンシステムズ | 日本マイクロソフト株式会社 | One Identity LLC | シスコシステムズ合同会社 | エクスジェン・ネットワークス株式会社 | 株式会社インターネットイニシアティブ | タレスDISジャパン株式会社 | RSA Security Japan合同会社 | エントラストジャパン株式会社 | JumpCloud, Inc. | Keycloakプロジェクト | 日本ヒューレット・パッカード合同会社 | 株式会社ハイ・アベイラビリティ・システムズ | ソフトバンク株式会社 | 株式会社セシオス | 株式会社アイピーキューブ | キヤノンITソリューションズ株式会社 | 株式会社ユニリタ | ブルーテック株式会社 |
| 提供形態 | クラウド(IDaaS) | クラウド(IDaaS) | クラウド(IDaaS) | クラウド(IDaaS) | クラウド(IDaaS) | クラウド(IDaaS) | クラウド(IAM/IDaaS) | クラウド(IDaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(IDaaS)/オンプレ連携 | クラウド(IDaaS) | クラウド(IDaaS) | クラウド/ハイブリッド/オンプレミス | クラウド(IDaaS)/オンプレ | クラウド(IDaaS) | オープンソース(セルフホスト) | ソフトウェア(オンプレ/クラウド/コンテナ) | オンプレミス・クラウド・アプライアンス | クラウド(IDaaS) | クラウド(IDaaS) | ソフトウェア(オンプレ/IaaS) | クラウド(IDaaS) | クラウド(IDaaS) | クラウド(パブリック/プライベート) |
| 認証方式 | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML(フォームベース) | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML・OIDC | SAML(オプション) | SAML | SAML・OIDC | SAML・OIDC | 公式に記載なし | SAML | SAML 2.0 |
| 多要素認証 | ●FIDO2・生体・OTP | ●FIDO2・生体・プッシュ | ●OTP・デバイス証明書 | ●パスキー・OTP・プッシュ | ●FIDO2・OTP・ICカード | ●証明書・FIDO2・生体 | ●パスキー・証明書・OTP | ●プッシュ・OTP・WebAuthn | ●プッシュ・FIDO2・生体 | ●FIDO2・TOTP・メールOTP | ●FIDO2・証明書・メールOTP | ●OTP・FIDO・PKI証明書 | ●トークン・FIDO2・生体 | ●FIDO2・PKI証明書・顔認証 | ● | ●パスキー・TOTP | ●FIDO2・OTP・プッシュ | ●OTP・証明書・マトリクス | ●OTP・デバイス証明書 | ●FIDO・OTP・証明書 | ●証明書・FIDO2・OTP | ●OTP・証明書・パスキー | ●OTP・生体 | ●TOTP・FIDO2 |
| アクセス制御 | IP制限・端末(証明書)・時間帯・地域 | 条件付きアクセス・アダプティブMFA | IP制限・デバイス証明書 | IP制限・デバイス制限・クライアント認証 | IP制限・端末認証(証明書) | デバイス証明書による端末制御 | 条件付きアクセス(P1〜、リスクベースはP2) | アダプティブMFA(SmartFactor) | デバイストラスト・ポリシー制御 | IP・グループ・アプリ別制御 | デバイス証明書・グループ認可 | リスクベース/条件付きアクセス | リスクベース認証(Risk AI) | アダプティブ(リスクベース)認証 | 条件付きアクセス(Platform Prime) | きめ細かな認可 | リバースプロキシ型認証 | 非公表 | IP制限・デバイス証明書 | アクセス制御・RADIUS連携 | IP制限・Cookie端末制限 | IP制限 | 非公表 | アカウント別アクセス権限 |
| 対応連携数の目安 | 非公表 | 8,000超(OIN) | 480以上 | 約9,000種類 | 無制限(上位プラン) | SAML連携数無制限 | 非公表 | 6,000以上 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 約4,000 | 非公表(Enterpriseは無制限) | 非公表 | 非公表 | 連携先無制限 | 非公表 |
| 導入実績 | 非公表 | 非公表 | 契約3,731社(2026年3月末) | 非公表 | 累計25万ユーザー | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 累計5,000万ユーザーライセンス | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 |
| 料金 | 月額400円〜/ID(税抜) | 月額940円〜/ユーザー(年契約) | 月額400円〜/ID(税抜、IdP) | 月額0円〜(無料プラン有、SSOプロ300円/ID・税抜) | 月額250円〜/ユーザー(税別) | 月額150円〜/ユーザー(PKIプラン) | 無料プラン有(P1 1,049円/P2 1,499円) | 初期2万円・月額要問い合わせ | 月額$3〜/ユーザー(Essentials・USD) | 月額150円〜/ID(税別、IdP) | 月額120円〜/ID(税抜、SSOのみ) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(目安$3〜7/ユーザー) | 要問い合わせ | 月額$11〜/ユーザー(SSO・年払い) | 無料(OSS) | 要問い合わせ(永続ライセンス) | 要問い合わせ(参考380円/ユーザー) | 月額90円〜/ユーザー(税別、2,000ID〜) | 月額150円〜/ユーザー(税抜、Standard) | 要問い合わせ | 月額150円〜/ID(税抜、5ID単位) | 月額約280円〜/ユーザー(税抜、規模で変動) | 月額100,000円〜(人数無制限・パブリック版) |
| 無料で試せる | ●30日間トライアル | ●30日間トライアル | 要問い合わせ | ●無料プランあり | 要問い合わせ | ●30日間トライアル | ●無料プランあり | ●30日間トライアル | ●無料プランあり(10名まで) | ●トライアルあり | ●トライアルあり | ●トライアルあり | ●トライアルあり | 要問い合わせ | ●30日間トライアル | ●無償利用可(OSS) | 要問い合わせ | ●トライアルあり | ●トライアルあり | ●30日間トライアル | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
各数値は2026年10月時点の各社公式情報にもとづきます。料金・仕様は変動するため、最新は各社公式サイト・資料請求でご確認ください。なお料金は課金単位(ID単位/ユーザー単位)や通貨(円・米ドル)がサービスごとに異なるため、総額で比べる際は各社の見積もりで確認してください。
料金を軸に絞り込みたい場合は、比較表の「料金」列と「無料で試せる」列を見比べてください。無料プランやオープンソースで始められるサービス、1ユーザーあたり月額100円台から使えるサービスもあります。ただし課金単位(ID単位・ユーザー単位・接続単位)や通貨が製品ごとに異なるため、総額は自社の人数と必要な機能で見積もりを取って比べるのが確実です。
30秒でわかる|自社に合うSSO製品の選定診断
比較表の情報量が多く、どの製品から検討するか迷うこともあります。次の診断では、自社が使うサービスの中心や運用環境、重視する点を選ぶだけで、条件に合いやすい製品を絞り込めます。気になった製品はそのまま資料請求で詳細を確認できます。
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自社に合うSSOの選び方(比較軸と前提条件)
ここからは、絞り込んだ候補を自社の前提に当てて見極めるための観点を整理します。人気や評価が高い製品でも、自社の使うサービスや認証の要件に合わなければ導入後につまずきます。次の基準を自社の状況に当てはめながら読み進めてください。
自社の利用環境への適合で選ぶ(使うSaaS・AD/LDAP連携・社外からの利用)
最初に確認したいのは、自社がすでに使っているサービスや認証基盤に製品が対応しているかです。海外製SaaSが中心なら事前連携のテンプレートが豊富な製品、国産の業務システムが中心なら国内サービスとの連携に強い製品が候補になります。
オンプレミスのActive DirectoryやLDAPでアカウントを管理している場合は、その情報と同期できるか、Windowsのログオン情報を使ったログインに対応するかを確かめておきましょう。在宅勤務や取引先との共同利用など社外からのアクセスが多い組織では、接続元のIPアドレスや端末を条件にアクセスを制御できるかが、導入後の安全性を左右します。
認証方式・セキュリティ機能で選ぶ(全社のID統制)
SSOは認証を一か所に集約する仕組みのため、どの認証方式に対応し、どこまでセキュリティ機能を備えるかが選定の分かれ目になります。ここは全社のID統制の設計に直結する部分で、技術要件を整理しておくと製品の絞り込みが進みます。
認証方式(SAML/OIDC)で合わせる
連携したいサービスが対応する認証方式に、製品側が合っているかを確かめましょう。SAMLは、組織間で認証情報をやり取りするためのXMLベースの標準規格で、ドメインをまたいだWebのシングルサインオンに広く使われます。OpenID ConnectはOAuth 2.0の上に載る認証の仕組みで、モダンなSaaSやモバイル向けで採用が進んでいます。
多くのクラウドサービスはこのいずれかに対応しており、SAMLとOpenID Connectの両方を標準で扱える製品であれば幅広く連携できます。一方で、どちらにも対応していない社内システムを連携したい場合は、代理でログイン情報を入力する方式やリバースプロキシ方式に対応しているかが決め手になります。
既存のIdP(Identity Provider、認証を担う基盤)がある組織では、その方式と無理なくつなげられるかも見ておくと安心です。
出典・参考資料(2件)
- 参考資料:Security Assertion Markup Language (SAML) V2.0 Technical Overview|OASIS(https://docs.oasis-open.org/security/saml/Post2.0/sstc-saml-tech-overview-2.0.html)
- 参考資料:OpenID Connect Core 1.0|OpenID Foundation(https://openid.net/specs/openid-connect-core-1_0.html)
多要素認証・アクセス制御の範囲で選ぶ
認証を一元化すると、その認証が突破されたときの影響も大きくなります。そのため、多要素認証(MFA)でログインを強化できるかは重要な観点です。ワンタイムパスワード・生体認証・クライアント証明書・パスキーなど、自社が求める方式に対応しているかを確かめましょう。あわせて、接続元や時間帯、端末の状態に応じてアクセスを許可・遮断する条件付きアクセスの範囲も、全社でそろえたい統制の水準に合うかで見ておきます。
提供形態(クラウド型/オンプレミス型)・対応規模で選ぶ
提供形態は、導入のしやすさと運用の自由度のバランスを決めます。クラウド型は初期費用を抑えて短期間で導入しやすく、保守もベンダー側に任せられます。一方、オンプレミス型やアプライアンス型は初期の負担が大きいものの、自社の環境に合わせた作り込みや、社内に認証情報をとどめたい要件に向きます。数千人規模やグループ会社を含む大規模利用では、対応できるアカウント数や管理のしやすさも見ておきましょう。
料金で選ぶ(課金単位・初期費用・無料トライアル)
料金は、利用人数1人あたりの月額で課金する製品が多い一方、初期費用やオプション費用の有無で総額は変わります。無料プランや無料トライアルを用意する製品もあり、小さく試してから広げたい場合は入り口の低さが効いてきます。比較表の料金列は公式に公表されている最小プランを基準にしているため、自社の人数や必要な機能に合わせて見積もりを取り、総額で比べるのが確実です。
導入前に確認したい注意点(連携非対応・運用コスト・依存リスク)
最後に、選定の軸ではないものの、導入後につまずかないための確認事項をまとめます。連携したいサービスが製品の対応リストにあるか、無い場合に代替の連携方法があるかは、契約前に必ず確かめておきましょう。SSOは認証を集約するため、基盤が停止すると連携先すべてにログインできなくなる依存リスクがあり、可用性やサポート体制も見ておくと安心です。
導入時の初期設定や運用の手間がどの程度かかるか、設定代行やサポートを受けられるかも、実際の運用負荷を左右します。
主要SSO製品を詳しく紹介
ここからは、比較表で取り上げた主要SSO製品を1社ずつ紹介します。各製品の提供形態・対応する認証方式・多要素認証・料金・導入の特徴を、公式情報にもとづいて整理しました。なお、見出しの番号は通し番号で、人気や評価の順位ではありません。気になる製品は資料請求やサービス詳細で確認できます。
1. CloudGate UNO(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

CloudGate UNOは、株式会社インターナショナルシステムリサーチが自社開発する、SSO・多要素認証・アクセス制限・ID管理を一つにまとめた国産のクラウド型認証基盤です。Google WorkspaceやMicrosoft 365、Salesforce、Slackといった主要クラウドサービスと連携できます。
認証方式は、FIDO2準拠のパスキーや生体認証(Windows Hello・Touch ID/Face ID)、ワンタイムパスワード、自社アプリのCloudGate Authenticatorに対応します。パスキーによるパスワードレス認証は、上位プラン限定とせず全プラン・全ユーザーが無制限に利用できます。
アクセス制限は、IPアドレス・デバイス証明書・国/地域・時間帯・ブラウザといった条件で設定できます。月額はStandard Plus 400円、Enterprise Plus 500円、Smart Pack 600円(いずれも税抜・1ユーザーあたり)で、30日間の無料トライアルが用意されています。
2. Okta Workforce Identity Cloud(Okta Japan株式会社)

Okta Workforce Identity Cloudは、米国のOkta, Inc.が開発し、日本ではOkta Japan株式会社が提供する従業員向けのクラウド型IDaaSです。シングルサインオン、多要素認証、ユーザーディレクトリ、IDライフサイクル管理を一体で扱えます。
連携範囲の広さが特徴で、事前構築済みの連携を集めたOkta Integration Networkは8,000以上(2026年9月時点)のアプリに対応します。SCIM標準やHRシステム連携により、入社・異動・退職に合わせたアカウントの作成・権限変更・失効を自動化できます。
認証方式は、パスワードレスのOkta FastPassやFIDO2/WebAuthn、Okta Verify、ワンタイムパスワードなどに対応します。料金はユーザー単位・年単位の請求で、月額940円のStarterから、リスクに応じて認証を強めるAdaptive MFAを含む上位スイートまで選べます。
3. HENNGE One(HENNGE株式会社)

HENNGE One Identity Edition(旧IdP Edition)は、HENNGE株式会社が提供する、SSO・多要素認証・アクセス制御を軸に、メール誤送信対策やエンドポイントセキュリティまで束ねた統合型の基盤です。SSO・ID管理はこのIdentity Editionが担います。契約ユーザー数は300万を超え、契約企業数は3,731社(2026年3月末時点)に達します。
SSOはSAML等でクラウドサービスへのログインを集約し、連携するSaaS数が増えても追加課金が発生しない料金設計です。Identity・DLP・Cybersecurityの3エディションを単体でも、全部入りのSuiteとしても契約できます。
2026年10月から新しいプラン体系に切り替わり、新規契約の月額はSuite Basic 1,000円、IdP 400円(いずれも税抜・1ID)などとなっています。最小契約は200IDからで、Active Directory連携によるID一元管理にも対応します。
4. トラスト・ログイン byGMO(GMOグローバルサイン株式会社)

電子認証局を運営するGMOグローバルサイン株式会社が手がけるクラウド型のID管理サービスが、トラスト・ログイン byGMOです。SSO・ID管理・多要素認証・アクセス制限・ログ機能を備えます。
基本機能は無料の「SSOフリー」プランから始められ、アカウント数・連携アプリ数とも無制限で利用できます。有料のSSOプロプラン(300円/ID・税抜、30ID以上)では、パスキー(FIDO2)やプッシュ通知によるパスワードレス認証が加わります。
対応する認証方式はSAML・OIDC・フォームベース・Basic認証で、Active DirectoryやMicrosoft Entra ID、Google Workspaceとも連携します。2026年には、グループ企業で認証設定を共有する組織間連携(Hub and Spoke)や、社外ユーザー向けのサプライチェーンIDプロテクトプランも加わりました。
5. Gluegent Gate(サイオステクノロジー株式会社)

Gluegent Gate(グルージェント ゲート)は、サイオステクノロジー株式会社が2011年から提供するIDaaSで、SSO・多要素認証・統合ID管理を担います。累計25万ユーザーの導入実績を公式サイトで掲げています。
認証は、パスワード・OTP・ICカード・FIDO/FIDO2・生体認証などをサービスごとに組み合わせ、クライアント証明書による端末認証にも対応します。人事システムと連携した自動プロビジョニングにより、退職・異動時のアカウント削除漏れ(幽霊ID)を抑えられます。
料金は、接続単位で課金するConnectsが月額100円、ユーザー単位でSSO連携数が無制限になるProfessionalが月額250円(いずれも税別)など、用途に応じて選べます。初期費用は全エディション無料で、1ライセンスから契約できます。
6. Soliton OneGate(株式会社ソリトンシステムズ)

Soliton OneGateは、株式会社ソリトンシステムズが開発する国産のクラウド型認証基盤です。デジタル証明書(クライアント証明書)による多要素認証を軸に、SSOとID管理を組み合わせています。
認証局(CA)機能を標準搭載し、クライアント証明書の発行・配布・失効までを1製品で完結できます。保護対象はクラウドサービスや社内システムに加え、VPNやオフィスのWi-Fi・有線LAN(IEEE802.1X EAP-TLS認証)まで一元管理できる点が特徴です。
認証方式はデジタル証明書にFIDO2・顔認証・ICカード・スマホ認証・パスワードを組み合わせられます。料金はPKI 150円・ベーシック 300円・スタンダード 600円(1ユーザー月額)で、30日間の無料トライアルを用意。政府のセキュリティ評価制度ISMAPにも登録されています。
7. Microsoft Entra ID(日本マイクロソフト株式会社)

Microsoft Entra ID は、Microsoft 365 や Azure の認証基盤そのものを担うクラウド型のID・アクセス管理(IAM)サービスです。2023年に Azure Active Directory(Azure AD)から名称変更されました。
SSO・多要素認証・条件付きアクセスに加え、アカウントの自動作成・無効化といったIDライフサイクル管理までを1つのID基盤で提供します。
事前統合されたSaaSアプリのギャラリーからSSOと自動プロビジョニングを構成でき、SCIM 2.0・LDAP・SQLなどのプロトコルに対応します。多要素認証はMicrosoft Authenticatorのプッシュ(番号一致)、パスキー(FIDO2)、Windows Hello、証明書ベース認証、SMS・音声など複数の方式から選べます。
料金はユーザー単位の月額で、無料のFreeに加え、条件付きアクセスが使えるP1が1ユーザーあたり月額1,049円、リスクベース制御まで含むP2が同1,499円です(いずれも年間契約・2026年9月時点、税区分は公式に明示なし)。Microsoft 365やAzureを既に利用している組織は、追加導入なしに同じライセンス体系の中でMFAや条件付きアクセスを有効化できます。
8. OneLogin(One Identity LLC)

OneLogin は、米 One Identity(Quest Software 傘下)が開発・提供するクラウド型のID管理サービス(IDaaS)です。日本国内ではサイバネットシステムやペンティオなど複数の代理店を通じて販売・サポートが行われています。
SSO・多要素認証・ディレクトリ連携に加え、Active Directory上のアカウントの追加・変更・削除を検出し、クラウドサービス側へリアルタイム〜15分以内で反映するプロビジョニングを備えます。SSO連携できる事前統合アプリは6,000以上あり、うち自動プロビジョニングまで対応するアプリは233件(国内代理店ペンティオ集計)です。
多要素認証はプッシュ(OneLogin Protect)・OTP・SMS・WebAuthn(FIDO2)・サードパーティ認証器に対応し、機械学習でログインのリスクを評価するアダプティブ認証(SmartFactor Authentication)も使えます。料金は代理店ごとにプラン名・単価が異なり、円建ての月額は要問い合わせです(30日間の無料トライアルあり)。
9. Cisco Duo(シスコシステムズ合同会社)

Cisco Secure Access by Duo(Cisco Duo)は、既存のVPNやRDP、オンプレミスのサーバー、クラウドSaaSに後付けで多要素認証を被せられるアクセスセキュリティサービスです。元は米 Duo Security が開発し、2018年にシスコが買収しました。
多要素認証はDuo Push、番号一致を加えたVerified Duo Push、FIDO2・WebAuthn・パスキー、生体認証、OTP、電話・SMS、ハードウェアトークンに対応します。ログインのたびに端末のOSやパッチ状態を確認するデバイストラストや、場所・ロール・端末状態に応じて認証を変えるアダプティブポリシーと組み合わせて、アクセス可否を判定します。
料金は10ユーザーまで恒久無料のFreeに加え、1ユーザーあたり月額でEssentials 3米ドル・Advantage 6米ドル・Premier 9米ドル(セルフサービス契約)の3段階です。VPNを使わずに社内リソースへアクセスするDuo Network Gatewayは、最上位のPremierに限られます。国内は代理店経由の導入が中心で、30日間の無料トライアルがあります。
10. Extic(エクスジェン・ネットワークス株式会社)

Extic(エクスティック)は、ID管理専業のエクスジェン・ネットワークスが提供する国産のIDaaSです。オンプレミス型の統合ID管理パッケージ「LDAP Manager」で培ったノウハウをクラウドサービス化した製品で、人事情報を起点にしたID自動生成を中核に、SSOと多要素認証を載せる構成になっています。
SSOはSAML 2.0に対応し、SAML非対応アプリ向けのフォームベース認証も用意します。多要素認証の第2要素はTOTP・メールOTP・FIDO2(パスキー)で、IPアドレスや所属グループ、アクセス先アプリ別に認証ポリシーを制御できます。AD・LDAP・データベース・CSV・SCIMを通じたプロビジョニングで、入社から退職までのアカウント切り替えを自動化します。
料金は用途別にコースが分かれ、ID管理と認証のフルを含むStandardが1ID月額300円から、認証中心のIdPが150円から、ID管理中心のIdMが210円から(いずれも税別・ID数で逓減)です。公共・教育・GIGAスクール向けには、通常より低単価の特別プランが用意されています。日本国内リージョンで運用され、ISO/IEC 27001・27017を取得し、無料トライアルも提供します。
11. IIJ IDサービス(株式会社インターネットイニシアティブ)

IIJ IDサービスは、国内通信事業者のインターネットイニシアティブ(IIJ)が自社で開発・運用するクラウド型のID管理・認証サービスです。1つのIDで複数のクラウドサービスにログインできるSSOを中核に、多要素認証やActive Directory連携、アクセス制御を提供します。
SSOはSAML 2.0とOpenID Connect 1.0に対応し、連携するサービス数が増えても料金は変わりません。多要素認証はFIDO2、自社・外部CAのデバイス証明書認証、メールOTP、スマートフォンアプリのSmartKey、統合Windows認証と幅広く、ADのID・パスワード・グループ情報を自動同期してグループ単位で認可を制御できます。
料金は初期費用0円で、SSOのみが1ID月額120円、SSOと多要素認証を合わせたプランが240円(いずれも税抜・2026年10月時点)です。多要素認証の各方式は240円のプランに含まれ、認証方式ごとの追加料金は発生しません。統合Windows認証は月額57,960円からの別オプションで、無料トライアルの用意もあります。
12. SafeNet Trusted Access(タレスDISジャパン株式会社)

SafeNet Trusted Access(STA)は、フランスのタレスグループが提供するクラウド型のアクセス管理サービス(IDaaS)で、日本ではタレスDISジャパンと国内代理店が提供します。決済カードやハードウェアセキュリティで実績を持つ同社のSafeNetブランドの認証トークンを多数ラインナップする点が、MFA領域での特徴です。
対応する認証方式はOTP(ソフト/ハード)、プッシュ、FIDO、PKI証明書、パターン/グリッド認証、SMS・メール・音声、パスワードレスまで幅広く、SAML/OIDCによるスマートSSOで必要なときだけ追加認証を求めます。接続元・場所・デバイス・ネットワーク条件などを評価するシナリオベースのアクセスポリシーを備え、SaaSに加えVPN・VDI・オンプレミスアプリを保護対象に含みます。
プランはSTA Basic・STA・STA Premiumの3段階で、上位プランほど利用できる認証方式とポリシーの適用範囲が広がります。料金は公式に金額表の公開がなく要問い合わせですが、公式はトークンやサポートを含むall-inclusiveのライセンスだと説明しています。ISO/IEC 27001・SOC 2 Type II・CSA STARを取得し、無料評価トライアルも利用できます。
13. RSA ID Plus(RSA Security Japan合同会社)

ハードウェアトークンによるワンタイムパスワード認証を源流とする多要素認証特化型の製品が、RSA ID Plus(SecurID)です。米国のRSA Securityが開発し、日本ではテクマトリックスやSB C&Sといった国内代理店が販売・サポートを担います。
現在は「RSA Unified Identity Platform」として、認証・アクセス管理・アイデンティティガバナンスを統合しています。
クラウド版のID PlusはSAML 2.0とOIDCに対応するWebアプリのSSOを備え、認証方式はFIDO2・パスキー、モバイルプッシュ、生体認証、OTP、ハードウェアトークンまで幅広く揃います。VPNやVDI、ネットワーク機器はRADIUS連携で保護でき、Active DirectoryやEntra IDとのディレクトリ連携にも対応します。
料金はユーザー単価制で、公式サイトにはクラウドのC1が月額3ドル、ハイブリッド対応のE1が5ドル、一番人気のE2が7ドルといったプラン別単価が示されています(上位のE3は要問い合わせ)。
日本での実際の価格や初期費用は国内代理店の見積もりによります。政府機関向けにFedRAMP Moderate認証を取得した製品や、エアギャップ構成に対応するSovereign Deploymentも用意し、無料トライアルがあります。
14. Entrust Identity(エントラストジャパン株式会社)

Entrustは1994年に商用PKIを提供した米国企業で、証明書基盤を長年の中核事業としてきました。そのEntrustが提供するID・アクセス管理/多要素認証の製品群がEntrust Identityで、日本ではエントラストジャパンや日立ソリューションズなどのパートナーが取り扱います。
提供形態はクラウド型のIdentity as a Serviceと、オンプレミス/ハイブリッド型のIdentity Enterpriseの2種類です。
SSOはSAMLとOIDCに対応し、認証方式はOTP・モバイルプッシュ・FIDO2/パスキーに加え、PKIを本業とする強みを生かしたデジタル証明書認証やスマートカード、モバイルスマートクレデンシャル、AI顔認証まで単一ベンダーで揃う点が特徴です。リスクに応じて認証強度を変えるアダプティブ認証も備えます。
対応規模は公式に50ユーザーから1,000万ユーザー超までとされ、従業員向けから顧客向けの用途まで単一プラットフォームでカバーします。料金は公開されておらず、エントラストジャパンや日立ソリューションズなどのパートナー経由で個別に見積もります。証明書のライフサイクル管理を一元化するCertificate Hub/PKI Hubも2025年に提供が始まりました。
15. JumpCloud(JumpCloud, Inc.)

JumpCloudは、クラウドディレクトリを中核にSSO・多要素認証・デバイス管理(MDM)・IT資産管理・パスワード管理を1つにまとめた、米国JumpCloud, Inc.のプラットフォームです。日本法人はなく、株式会社アクトなどの国内正規代理店経由で提供されます。
SSOはSAMLとOIDCに対応し、SaaSや社内アプリへ1つのIDでアクセスできます。多要素認証や条件付きアクセスに加え、Windows・macOS・Linux・iOS・iPadOS・Androidの6種類のOSを横断管理できる点が特徴で、既存のActive Directoryと双方向同期するハイブリッド運用にも対応します。
料金は公式サイトでユーザー単位の月額が公開され、年払いでデバイス管理が9ドル、SSOが11ドルなどのパッケージ単価が示されています。国内は代理店経由・円建ての個別見積もりが基本です。30日間の無料トライアルが用意されています。
16. Keycloak(Keycloakプロジェクト)

オープンソースのID・アクセス管理ソフトウェアとして広く使われているのがKeycloakです。Apache License 2.0で公開され、特定企業が販売するSaaSではなく、CNCF(Cloud Native Computing Foundation)のインキュベーティングプロジェクトとしてコミュニティ主導で開発されています(主要スポンサーはRed Hat)。
認証規格はOpenID Connect、OAuth 2.0、SAML 2.0に対応し、SSOのほかパスキー(FIDO2/WebAuthn)やTOTPによる多要素認証、LDAP・Active Directory連携、外部IdPとのアイデンティティブローカリングを標準で備えます。
ソフトウェアライセンス費用はかからず、サーバー構築・データベース・SSL設定・バージョンアップや脆弱性対応は利用企業が自ら担います。
商用サポートが必要な場合は、Red Hatの「Red Hat build of Keycloak」や、NRI(OpenStandiaブランド)の年間有償サポートを利用できます。いずれも料金は要問い合わせです。Kubernetes向けの公式Operatorが提供され、クラウドネイティブ環境との親和性があります。
17. IceWall SSO(日本ヒューレット・パッカード合同会社)

日本ヒューレット・パッカード合同会社が2001年から提供する国産のWeb SSO製品がIceWallです。リバースプロキシ方式を中心に、既存システムを改修せずにSSOと多要素認証を実現します。現行ブランドは「HPE IceWall」で、新規導入ではIceWall MFAを中核とする構成が案内されています。
SSOの構成はリバースプロキシ方式とエージェント方式があり、SAMLのIdPやOIDCのOP/RPといった認証連携はIceWall Federationで対応します。多要素認証オプションとして、FIDO2、OTP、プッシュ、リスクベース認証を組み合わせられます。導入先はオンプレミスからAWSなどのクラウド、コンテナ環境まで選べます。
公式ページは、金融業界など厳格なセキュリティ要件を持つ企業への導入と、累計5,000万ユーザーライセンスの販売を挙げています。料金は要問い合わせで、コンテナ向けのIceWall MFA Flex Container BtoCは1万ユーザー2,680万円(税抜・保守別)からの永続ライセンス型です。
18. AccessMatrix USO(株式会社ハイ・アベイラビリティ・システムズ)

AccessMatrix USOは、株式会社ハイ・アベイラビリティ・システムズが提供するシングルサインオン製品です。アプリケーションの改修やネットワーク構成の変更、サーバへのモジュール追加を必要としない「Non-intrusive」をコンセプトに掲げ、一部の部署から始めるスモールスタートができます。
Active Directory連携によりPCログインと同時にサインオンでき、Webアプリに加えてデスクトップアプリ、Java、AS/400の端末エミュレータ、仮想化アプリ、メインフレームまで幅広い対象に対応します。
SAMLはIdP/SPとして対応しますがオプション扱いで、OIDCは公式に記載がありません。SSOサーバーに接続できない状態でもキャッシュで認証を続けるオフラインモードを標準搭載します。
公式サイトは、金融機関や政府系機関、製造業、通信事業など世界各国での導入を挙げています。料金は公開されておらず、問い合わせフォームからの個別回答となります。本番導入前に一部のユーザーで動作を確認できる無料トライアルがあります。
19. Online Service Gate(ソフトバンク株式会社)

約4,000のクラウドサービスへのシングルサインオンに対応するクラウド型のIDaaSが、ソフトバンク株式会社のOnline Service Gateです。提供元は旧SBテクノロジーで、2026年4月にソフトバンク株式会社へ吸収合併され、サービス情報も同社サイトへ移管されています。
SSOはSAMLベースで、OpenID Connectの対応は公式ページに記載がありません。アクセス制御はIPアドレス制限・デバイス証明書による端末認証・ワンタイムパスワードを組み合わせられ、セキュアブラウザやActive Directory連携、管理ツールでのログ管理も用意されています。
料金はユーザー数で逓減する段階制で、100〜499ユーザーの150円から2,000ユーザー以上の90円まで公開されています(1ユーザー月額・税別)。デバイス証明書やセキュアブラウザなどはオプション扱いで、初期費用は公式に記載がなく要お問い合わせです。公式が掲げる「月額90円から」は2,000ユーザー以上の単価で、小規模帯では150円からとなります。
20. SeciossLink(株式会社セシオス)

株式会社セシオスのSeciossLinkは、SSO・多要素認証・ID管理・アクセス制御を一体にした国産のクラウド型統合ID管理サービス(IDaaS)です。入社から退職までのアカウントのライフサイクル管理や、クラウドサービスへのプロビジョニング自動化までを守備範囲に含みます。
SSOはSAMLとOpenID Connectに対応します。多要素認証はAuthenticatorアプリ・メール・Web OTP・SlinkPass・ハードウェアトークンの5方式のOTPに加え、Windows HelloなどのFIDO認証や証明書認証、統合Windows認証を組み合わせられます。
アクセス制御はIPアドレス・時間帯・国・ユーザー属性を条件に設定でき、学術認証フェデレーション「学認(GakuNin)」にも対応します。
料金はStandardが1ユーザー月額150円、Enterpriseが500円、教育・研究機関向けのEducationが60円です(いずれも税抜)。
連携サービス数はStandardが実質1〜3サービスまで、Enterprise・Educationは無制限という違いがあります。最低契約はクレジットカード決済で1ライセンスから、30日間・10ライセンスの無料トライアルも用意され、セシオスはISO/IEC 27001・27017を取得しています。
21. CloudLink(株式会社アイピーキューブ)

CloudLinkは、オンプレミスやAWS・Azureなどのクラウド上に導入して使うソフトウェア型のSSO製品です。開発・提供は株式会社アイピーキューブで、CloudLink IdPがSAML IdP/OIDC OPとして動作し、物理サーバー・仮想環境・IaaSのいずれにも置けます。
SAML・OpenID Connectに非対応の既存システムには、リバースプロキシ型の代理認証やPHP・Java向けエージェントで対応します。ユーザー情報はActive Directory・LDAP・RDBMSや同社のAuthWay・EntryMasterと連携でき、Google Workspace・Salesforce・Microsoft 365との連携を公式が例示しています。
アクセス制限はIPアドレスやCookieによる端末制限、ユーザー・グループ単位の利用制御が可能です。
認証方式はパスワードや内蔵プライベートCAによるクライアント証明書、ワンタイムパスワード、マトリクス認証(乱数表)、FIDO2パスキーに対応します。ただし多要素認証の一部は、同社のMFA製品AuthWayとの組み合わせが前提です。料金は利用規模や機能で変わり公式に金額の掲載がないため要お問い合わせで、初年度から保守契約が必須となります。
22. ID Entrance(キヤノンITソリューションズ株式会社)

キヤノンITソリューションズ株式会社が提供するID Entranceは、導入・運用のサポートをライセンス価格に含むSaaS型のIDaaSです。シングルサインオンに加え、認証認可ポリシーやIPアドレス制限、多要素認証を備えます。
多要素認証はワンタイムパスワード、Eメール認証、オプションのクライアント証明書(1IDあたり最大10デバイス)やパスキーに対応し、認証ポリシーはグループ単位・クラウドサービス単位で設定できます。Active Directory連携や統合Windows認証、2025年12月に追加されたフォーム代理入力方式SSO(リバースプロキシ型)も利用可能です。
なお、標準連携のSAML/OpenID Connect対応は公式ページに明記されていません。
料金は本体が1ユーザー年額1,800円(月額換算150円)で、5ユーザー単位から契約でき、初期費用はかかりません。サポートセンターの対応と設定代行が、この本体ライセンスに含まれます。クライアント証明書やAD連携、パスキーなどはオプションで、契約期間は1年です(いずれも税抜)。
23. infoScoop × Digital Workforce(株式会社ユニリタ)

ポータル・SSO・ID管理の3機能を組み合わせて使えるのが、株式会社ユニリタのinfoScoop × Digital Workforceです。クラウドサービスとオンプレミスの社内システムの双方にSSOできる構成を想定したクラウド型サービスです。
SSOはSAML認証に対応し、SAML非対応の社内システムには改修不要のリバースプロキシ型「代行ログイン」で対応します。多要素認証はワンタイムパスワードや生体認証などを利用でき、ポータルは組織・個人ごとにガジェットを並べ替えられ、SSOの入口を兼ねられます。
提供はポータル/IDaaS/プレミアムの3プランで、各機能は単体でも契約できます。料金はユーザー数で逓減し、たとえばプレミアムプランは1,000名で約1,450円、5,000名で約490円です(1ユーザー月額・税抜、公式は「約」付きの表記)。別途、初期費用が発生し、契約は1年単位が前提となります。
24. ROBOT ID(ブルーテック株式会社)

ROBOT IDは、業務で使う多数のアカウントを一括管理するクラウド型のID管理・SSOサービスで、ブルーテック株式会社が提供します。ID・パスワードの一元管理とSAML 2.0によるSSO、多要素認証を1つにまとめています。
SSOはSAML 2.0に対応し、Just In Time(JIT)方式のプロビジョニング連携を備えます。多要素認証はTOTP準拠のワンタイムパスワードと、指紋・顔認証などの生体認証を使うFIDO2に対応します(OpenID Connectは公式ページに記載がありません)。管理者はCSVによる一括登録や、パスワードの文字種・最少文字数などのポリシー設定を行えます。
提供形態はパブリッククラウド版と、顧客のクラウド環境にセットアップするプライベートクラウド版の2種類で、いずれもユーザー数は無制限です。パブリッククラウド版は初期費用10,000円・月額100,000円です。同社のKnowledge Suiteを契約する企業は、プランに応じて月額利用料が95%割引または0円になります。
まとめ:公表値で見比べ、自社の前提に合うSSOを選ぶ
SSO製品は数が多く、人気や評価の順位だけでは自社に合う一社を選びきれません。公表されている導入実績や対応連携数・認証方式・料金で候補を見比べ、自社が使うサービスや認証の要件、運用体制に当てはめて数製品に絞り込むのが確実です。迷ったときは選定診断や「選び方」の観点を手がかりにしてください。
気になる製品が見つかったら、資料請求で料金や機能の詳細を確認し、複数社を並べて検討を進めましょう。
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よくある質問(FAQ)
Q. SSO(シングルサインオン)とは何ですか?
A. SSO(シングルサインオン)とは、一度の認証で複数のクラウドサービスや社内システムにログインできる仕組みです。利用者はサービスごとにIDとパスワードを入力する手間がなくなり、管理者は認証とアカウントの状態を一か所で統制できます。多くの製品は、認証基盤をクラウドで提供するIDaaS(ID管理をサービスとして提供する形態)として展開されています。
Q. SSOとIDaaSの違いは何ですか?
A. SSOは「一度の認証で複数サービスにログインできる機能」を指し、IDaaSはそのSSOを含むID管理の仕組み全体をクラウドで提供するサービスの総称です。多要素認証やアカウントの自動作成・失効、アクセス制御などを束ねた基盤がIDaaSで、SSOはその中心的な機能の一つにあたります。本記事で比較している製品の多くはIDaaSとして提供され、SSO単体の製品より広くID統制をカバーします。
Q. 無料で使えるSSO製品はありますか?
A. 基本機能を無料プランで使えるSSO製品はあります。本記事の比較対象にも、アカウント数・連携アプリ数とも無制限で使える無料プランを持つ製品や、一定ユーザーまで恒久無料の製品、オープンソースでライセンス費用がかからない製品があります。
ただし無料プランは、パスワードレス認証や高度なアクセス制御が有料プラン限定となる場合が多く、オープンソース製品はサーバー構築・保守・脆弱性対応を自社で担う必要があります。必要な機能が無料の範囲に収まるかを確認して選ぶことが大切です。
Q. SAMLやOpenID Connectに対応していない社内システムもSSO化できますか?
A. SAMLやOpenID Connectに非対応のシステムでも、代理でログイン情報を入力する方式やリバースプロキシ方式に対応した製品を選べばSSO化できます。標準プロトコルを使う方式は主要なクラウドサービスに広く対応しますが、古い社内システムやパッケージには使えないことがあります。
その場合はフォームベースの代理認証やリバースプロキシ方式が決め手になるため、連携したいシステムが製品の対応方式に合うかを契約前に確認してください。
Q. SSOと多要素認証(MFA)はどのような関係ですか?
A. SSOは認証を一か所に集約するため、その認証を多要素認証(MFA)で強化することがセットで重要になります。認証が一元化されると、万一突破されたときに連携先すべてへ影響が及ぶためです。多くのSSO製品はワンタイムパスワード・生体認証・クライアント証明書・パスキーなどのMFAを標準またはオプションで備えており、自社が求める方式に対応しているかを確認して組み合わせます。
Q. オンプレミス環境でもSSOは導入できますか?
A. オンプレミス環境に対応したSSO製品もあり、自社サーバーやプライベートクラウドに設置して運用できます。クラウド型は初期費用を抑えて短期間で導入しやすい一方、認証情報を社内にとどめたい要件や独自の作り込みが必要な場合は、オンプレミス型・アプライアンス型・ソフトウェア型の製品が向きます。
オンプレミスのActive DirectoryやLDAPと連携できるかもあわせて確認すると、既存の運用に無理なくつなげられます。
Q. SSOの導入にはどのくらいの期間や作業がかかり、設定代行は頼めますか?
A. クラウド型のSSOは事前連携済みのサービスであれば比較的短期間で導入でき、製品によっては初期設定や運用を支援する設定代行・サポートを利用できます。導入期間は、連携するサービスの数や認証方式、既存のAD環境との連携範囲によって変わります。
設定やサポートがライセンスに含まれる製品もあれば、オプションや代理店対応となる製品もあるため、自社の体制で運用できるかをサポート体制とあわせて確認してください。
Q. 自社に合うSSO製品はどのように選べばよいですか?
A. SSO製品は、自社が使うサービスや認証基盤への対応・必要な認証方式とセキュリティ機能・提供形態と対応規模・料金の4点を軸に選ぶのが基本です。人気や評価が高い製品でも、自社の使うサービスや認証の要件に合わなければ導入後につまずきます。
海外製SaaS中心かAD運用か、社外からの利用が多いか、多要素認証をどこまで求めるかといった前提を整理し、比較表や診断ツールで候補を数社に絞ってから資料請求するのがおすすめです。
Q. 最も人気のあるSSO製品はどれですか?
A. SSO製品の人気を単一の順位で示すのは難しいのが実情です。比較サイトや口コミサイトが公表する資料請求数や満足度の順位は、集計元の媒体によって顔ぶれや基準が変わるためです。広く使われている度合いの手がかりとしては、各製品が公表している導入実績(社数・ユーザー数)が参考になります。そのうえで、自社が重視する観点(対応連携数・認証方式・料金など)で比較表を見比べ、最適な製品を選ぶのが確実です。
そのうえで自社が重視する観点(対応連携数・認証方式・料金など)で比較表を見比べ、自社にとっての最適な製品を選ぶのが確実です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















