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中小企業のセキュリティ相談先の選び方|コンサル・支援サービスと公的支援の比較、費用の目安

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セキュリティ対策の必要性は感じていても、社内に専門知識を持つ人がいない、何から手を付ければよいか分からない、と立ち止まっている中小企業は少なくありません。取引先からセキュリティ対策の実施状況を聞かれる機会も増え、「そろそろ誰かに相談したい」と考え始めた担当者の方も多いのではないでしょうか。

限られた予算と人手のなかで、自社に合う相談先をどう選べばよいのでしょうか。コンサルティング会社やベンダーに何を頼めるのか、費用はどのくらいかかるのか、無料で使える公的な支援はないのか——。依頼先を決める前に押さえておきたい論点は意外と多く、情報が整理されている場所も限られています。

この記事では、中小企業がセキュリティ対策を相談・依頼できる先を、民間のコンサルティング会社・ベンダー・公的支援まで横断して比較・整理します。何を頼めるか、費用の目安、自社に合う選び方に加え、東京都やIPAの公的支援をどう使い分けるかまで取り上げました。自社の身の丈に合う相談先を見つけるための検討材料としてご活用ください。

また、自社の状況に合わせて最適な依頼先を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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本記事の対象範囲

この記事は、専任のセキュリティ担当者を置きにくい中小企業が、限られた予算と人手で相談・伴走してもらえる支援先を比べるための記事です。従業員300名規模までを目安に、情報システムやセキュリティを他業務と兼任で担っている、あるいは社内に専門人材がいない企業を想定しています。

大企業向けの高度な専門サービスや高価格帯の専業サービスではなく、中小企業が身の丈で頼める民間のコンサルティング会社・ベンダー・公的支援を同じ土俵で取り上げます。「何を・誰に・いくらで頼めるか」を軸に、自社の課題に合う相談先を絞り込めるように整理しました。

この記事は中小企業の予算・体制で頼める相談先に絞っています。PC・ID・通信・データなど「守る対象」ごとにどんな対策サービスがあるかを俯瞰して比べたい場合は、社内セキュリティソリューション全体を比較した記事が出発点になります。

中小企業にセキュリティコンサル・外部支援が必要な理由

ここからは、中小企業がセキュリティ対策を外部に頼む判断の土台として、自力で進めにくい背景・取引先から求められ始めた要件・外部に頼むことで得られることを順に整理します。

中小企業が自力でセキュリティ対策を進めにくい理由

中小企業がセキュリティ対策に踏み出せない背景は、おおむね3つに集約されます。1つめは、専門知識を持つ人材が社内にいないことです。情報システムの担当者が他業務と兼任しているケースも多く、最新の脅威や対策を追い切れません。

2つめは、「何から手を付ければよいか」「自社に何が足りないのか」が分からないことです。現状が可視化されていないため、優先順位を付けられず着手が後回しになります。3つめは、限られた予算のなかで費用対効果が読めないことです。いくらかけてどこまで対策すべきかの基準がなく、投資判断に迷いが生じます。

取引先・サプライチェーンから求められ始めたセキュリティ要件

近年は、大企業を直接狙うのではなく、対策の手薄な取引先の中小企業を踏み台にして本来の標的へ侵入する攻撃が増えています。自社が被害を受けるだけでなく、取引先へ被害を広げる起点になりかねないという点で、中小企業のセキュリティは取引関係全体の問題になっています。

その結果、取引を始める条件として秘密保持契約(NDA)やセキュリティ対策の実施状況の確認を求められる場面が増えてきました。こうした要件に応えられるかどうかは、受注機会や取引継続に直結します。説明責任を果たせる体制づくりが、事業を守るうえでも必要になっています。

こうした取引条件の厳格化は、制度面でも進みつつあります。セキュリティ診断サービスを提供する株式会社SYNCHROの北口氏は、製造業で始まる政府の評価制度について次のように話しています。

北口氏
株式会社SYNCHRO 取締役CMO
北口氏
独自インタビューより

製造業については、今年度から新しく始まる政府のSCS評価制度(サプライチェーン・サイバーセキュリティ評価制度)への対応が大きなテーマになります。レベル1〜3は自己評価ですが、レベル4・5は第三者評価が必要となり、セキュリティレベルが低い企業様との取引が制限されるような制度設計になっています。中小企業様が狙われやすくなっている中で、そこを踏み台に取引先を遡っていくサプライチェーン攻撃のリスクも高まっており、評価制度への対応は急務です。

外部に頼むことで得られること

外部の専門家に頼む最大の利点は、自社に足りないリスクと、対策すべき優先順位を客観的な視点で可視化できることです。限られた予算をどこに配分すべきかの判断材料が得られ、場当たり的な対策を避けられます。

加えて、万一インシデントが発生したときに相談・対応できる相手がいる安心感も大きな価値です。初動を早めれば被害の拡大を抑えやすく、取引先への説明も進めやすくなります。社内に専門人材を採用・育成するより低いコストで、必要なときに専門知見を活用できる点も、人手の薄い中小企業にとって現実的な選択肢といえます。

経営者が認識すべき指針や社内で対策を実践する手順は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」に経営者編・実践編として整理されています。外部に頼む前後の社内の考え方の土台として参照できます。

出典・参考資料(1件)

依頼先を決める前に、まず自社で何から着手すべきか・どの順序で対策を優先すべきかを押さえておきたい方もいるでしょう。やるべきことの全体像を費用感と優先順位つきで整理した記事があるので、社内での着手計画づくりの参考にしてください。

セキュリティコンサル・支援先に頼めること

ここからは、相談先に具体的に何を頼めるのかを、中小企業が着手する段階に沿って整理します。「現状把握・診断 → ルール・体制づくり/認証取得 → 運用・監視・インシデント対応 → 従業員の教育」という流れで見ていくと、自社がどこを任せたいのかを掴みやすくなります。

セキュリティ対策で外部に頼めることを着手の4段階で整理した図。STEP1 現状把握・診断(情報資産の棚卸・脆弱性診断・リスク評価で守るべき優先順位を可視化)、STEP2 ルール・体制づくり/認証取得(ポリシー整備、ISMS・Pマーク、SECURITY ACTION)、STEP3 運用・監視・インシデント対応(日常の監視、検知後の対応、相談窓口)、STEP4 従業員の教育・訓練(標的型メール訓練、情報セキュリティ教育)。

現状把握・診断(情報資産の棚卸・脆弱性診断・リスク評価)

対策の出発点は、自社が何を守るべきで、どこに弱点があるのかを可視化することです。どのような情報資産を持っているかを棚卸しし、システムやネットワークの脆弱性を診断したうえで、リスクの大きさを評価します。

この工程を外部に頼むと、専門家の目で「守るべき情報の優先順位」を整理してもらえます。やみくもに対策を広げるのではなく、限られた予算を効果の高いところから投じる判断につながります。

ルール・体制づくり/認証取得(ポリシー整備・ISMS・Pマーク・SECURITY ACTION)

情報セキュリティのポリシーや社内規程の整備、運用体制づくりも、専門家に伴走してもらえる領域です。取引先要件や監査に耐える体制を整えたい場合、ルールの文書化から社内への定着まで支援を受けられます。

ポリシーや社内規程をどこまで自社で整えられるかを把握しておくと、専門家に任せる範囲も見極めやすくなります。情報セキュリティポリシーの構成(三層構造)や策定の手順、ひな形は、次の記事で具体的に確認できます。

取引先や監査で求められる認証の取得・運用も依頼できます。代表的なものに、組織の情報セキュリティマネジメントを対象とするISMS(ISO/IEC 27001。国内の認証は規格JIS Q 27001にもとづきます)と、個人情報を適切に管理していると評価された事業者が使えるプライバシーマーク(Pマーク。JIS Q 15001)があります。

いずれも取得には規程整備や内部監査などの作業を伴うため、中小企業では専門家の伴走を受けながら進めるケースが一般的です。

より手軽な第一歩として、IPAの「SECURITY ACTION」という自己宣言の仕組みもあります。取引先要件や一部の補助金の申請要件で求められることがあり、取り組みの出発点として使われています。制度の性質は、IPAが次のように説明しています。

「SECURITY ACTION」は中小企業自らが、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度です。

「★一つ星」を宣言するには・・・「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」に記載されている「情報セキュリティ6か条」に取組んでください。

「SECURITY ACTION」は情報セキュリティ対策状況等を、IPAが認定するものではありません。

出典:SECURITY ACTION セキュリティ対策自己宣言|IPA(独立行政法人情報処理推進機構)(https://www.ipa.go.jp/security/security-action/sa/index.html)

一つ星は「情報セキュリティ6か条」への取り組みを、二つ星は「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」の実施と情報セキュリティ基本方針の策定・外部公開を宣言するものです。IPAによる認定・認証ではなく自己宣言であるため、「認定を受けた」「取得した」ではなく「宣言した」と表現する点に注意してください。ロゴマークは無料で使用できます。

出典・参考資料(3件)

運用・監視・インシデント対応(監視・検知後の対応・相談窓口)

対策は、入れて終わりではなく、運用し続けて初めて効果を発揮します。社内に運用の手がない場合、不正な通信や端末の異常を日常的に監視し、異常を検知したときの対応までまとめて外部に任せられます。

攻撃を受けたときの初動対応や原因調査、復旧の支援、日々の相談に応じる窓口の提供まで含めて頼めるサービスもあります。社外のセキュリティ部門のように使える体制を確保しておくと、人手の薄い中小企業でも有事に慌てずに済みます。

従業員の意識向上・訓練(標的型メール訓練・情報セキュリティ教育)

インシデントの多くは、不審なメールを開く、パスワードを使い回すといった人の行動を起点に発生します。そのため、従業員の意識を高める教育や訓練も重要な対策の一つです。

標的型攻撃を模したメールを従業員に送り、開封・報告の状況を把握して気づきを促す訓練や、情報セキュリティの基礎を学ぶeラーニングなどを外部に委託できます。システム的な対策と組み合わせることで、組織全体の守りを底上げできます。

中小企業は誰に頼める?民間コンサル・ベンダー・公的支援の全体像

頼める内容が整理できたら、次は「誰に頼めるか」です。中小企業が相談できる先は、供給主体の違いで大きく3つに分けて捉えると見通しが良くなります。

1つめは、民間の専門コンサルティング会社です。現状の診断から体制づくり、認証取得の伴走、運用支援まで、課題に合わせて幅広く相談でき、「社外のセキュリティ部門」のように継続的に関わってもらえる先もあります。2つめは、ベンダー型の対策サービスです。監視・緊急対応・保険などをパッケージ化し、比較的手頃な価格で導入しやすい形で提供されます。

3つめは、無料〜低コストで使える公的・団体の支援です。国(IPA)や自治体の事業、国家資格者への相談窓口、会員制の支援団体などがあり、費用のハードルを抑えて着手できます。民間と公的のどちらか一方に絞る必要はなく、公的支援で足場を固めてから民間で補う、という組み合わせ方が中小企業には現実的です。この使い分けは記事後半で詳しく整理します。

何を任せたいかで見るおすすめの依頼先

ここからは、依頼先を「誰が提供するか」ではなく「何を任せたいか」という軸で4つのタイプに分けて見ていきます。まずは自社が一番困っていることがどのタイプに当てはまるかを考えてみてください。各タイプに当てはまる具体的な依頼先は、このあとの比較表と各サービスの紹介で示します。

現状把握・診断から始めたいタイプ

「自社に何が足りないのか分からない」という段階に向くタイプです。情報資産の棚卸や脆弱性診断を入口に、守るべきものと対策の優先順位を可視化します。診断を起点に、その後の予防・復旧・補償までを一つのパッケージで持てる依頼先もこのタイプに含まれます。公的事業の事前診断や国家資格者への相談を前段に使う手もあります。

ルール・体制づくり・認証取得を伴走してほしいタイプ

取引先要件や監査への対応として、ポリシー整備やISMS・Pマークなどの認証取得を進めたいタイプです。認証取得の実務に通じた依頼先に、規程づくりから運用の定着まで伴走してもらうと、説明責任を果たせる体制を無理なく整えられます。

運用・監視・インシデント対応まで任せたいタイプ

社内に運用の手がなく、日常の監視から有事の対応まで任せたいタイプです。監視・検知後の対応・相談窓口をまとめて外部に委ね、「社外のセキュリティ部門」のように継続的に伴走してもらう形が向いています。情報システム部門の機能ごと任せられる依頼先もこのタイプです。

従業員の意識向上・訓練から固めたいタイプ

人を起点とするインシデントを減らすため、従業員教育や訓練から着手したいタイプです。標的型メール訓練や情報セキュリティ教育を外部に委託すると、組織全体の守りを底上げできます。システム面の対策と並行して進めると効果的です。

どのタイプに当てはまるか迷うときは、いくつかの質問に答えるだけで向いている依頼先の型を絞り込める選定診断ツールを以下に用意しています。タイプを判断する近道として使ってみてください。

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【比較表】中小企業向けセキュリティ支援サービスの比較

ここからは、自社の課題や予算に合わせて客観的に比較・選定ができるよう、中小企業が頼めるセキュリティ支援サービスを「何を任せたいか」の4タイプ別に分類して比較します。支援の形・任せられること・中小向けの位置づけ・費用の目安・問い合わせ先を横並びで確認してください。

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サービス名KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージCISOセキュリティドック(株式会社CISO)
提供主体株式会社SYNCHRO(民間ベンダー)株式会社CISO(民間専門会社)
支援の形予防・復旧・補償の統合パッケージ独自のセキュリティ診断を起点にした支援
任せられることネットワーク内部からの月次脆弱性診断、隔離経路へのバックアップ、サイバー保険の自動付帯。月次の相談会で対策まで伴走守るべき情報・資産の優先順位づけから、必要な対策支援へつなぐ
中小向けの位置づけ最短2週間・設置10分で導入でき、専任担当がいなくても始めやすい中堅・中小企業の保護を事業の軸に据える
費用の目安1台 月額1,250円〜
(初期費用は要問い合わせ)
要問い合わせ
詳細情報オンライン相談を予約公式サイト
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サービス名ISMSアシスト(株式会社スリーエーコンサルティング)アスラボ コンサルティング・運用支援(株式会社アスラボ)中小企業向けサイバーセキュリティ対策サービス(ブルーオーキッドコンサルティング)
提供主体株式会社スリーエーコンサルティング(民間ツール+コンサル)株式会社アスラボ(民間コンサル)株式会社ブルーオーキッドコンサルティング(民間コンサル)
支援の形クラウド型ツール+コンサル伴走ISMS/Pマーク認証取得・運用コンサル診断〜運用のワンストップ(6メニュー)
任せられることISMS(ISO/IEC 27001)の認証取得・維持に必要な文書作成とタスク管理。コンサルの伴走も選択可ISMS・Pマークの取得〜運用。中小向けは自主点検・内部監査(自己適合宣言)の体制づくり、規程ひな形・研修セキュリティ診断・ポリシー策定・従業員研修・ウイルス対策・IT資産管理・UTM
中小向けの位置づけツールで自走しつつ必要時に専門家の伴走へ切り替え可。14日間の無料トライアルありフル認証の前段として、負担の少ない自己適合宣言から始められる中小・小規模特化。主要メニューに料金目安を公開
費用の目安アシスト自走プラン 月額30,000円
(コンサル伴走プランは要問い合わせ)
要問い合わせ診断10万円〜/社
ポリシー策定20万円〜/社
研修10万円〜/回
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト
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サービス名Synplanning セキュリティ対策運用支援サービス(合同会社Synplanning)CLファーストビズテックの中小企業向けセキュリティコンサルティング(CLファーストビズテック株式会社)中小企業サイバーセキュリティ支援協会(SCSSA)
提供主体合同会社Synplanning(民間ベンダー)CLファーストビズテック株式会社(民間コンサル)一般社団法人(会員制の支援団体)
支援の形月額制の運用支援+リスク評価コンサル現状把握・体制づくり・緊急対応の3段階コンサル会費制の継続支援(専門家ネットワーク)
任せられることサポートから教育までを定額で。IT相談の窓口も。自社内で運用できるまで伴走リスクアセスメント・ポリシー策定・従業員研修・インシデント対応手順の整備・訓練・BCP支援有事の緊急支援(助言・専門業者の紹介)、無料講習会、脆弱性診断・個別相談(上位区分)
中小向けの位置づけ低価格帯の月額目安を公開。丸投げでなく内製化を志向限られた予算・人員に寄り添う。中小での支援経験を選定観点に挙げる単発でなく、入会して継続的に相談できる相手を確保
費用の目安月額6万円〜
(オプションは個別)
要問い合わせ入会金10万円+年会費10〜30万円
(区分別)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト
← 横にスクロールできます →
サービス名FB SATMail(株式会社フーバーブレイン)
提供主体株式会社フーバーブレイン(民間ベンダー)
支援の形標的型攻撃メール訓練サービス
任せられること標的型攻撃を模したメールを配信し、開封・クリック・添付ファイル展開の反応を記録・可視化。ダッシュボード・レポート・CSV出力に対応
中小向けの位置づけ従業員100名前後で低コストに継続訓練。監査向けの教育記録にも使える
費用の目安年額36,000円(100通)/90,000円(無制限)
+初期費用30,000円
(2023年提供開始時点の公表価格、現行は要問い合わせ)
詳細情報公式資料を見る

各サービスの紹介

比較表で気になったサービスについて、何を頼めて、費用の目安はどのくらいで、中小企業にどう合うのかを、タイプ別に紹介します。

現状把握・診断から始めたいタイプ

「何から守るか」を見極めるために、診断から入れる支援先です。自社の弱点の可視化と対策の優先順位づけを起点に相談できます。

1. KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージ(株式会社SYNCHRO)

KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージの公式サイト

国産の排他的IPネットワーキング技術「KATABAMI」をベースに、株式会社SYNCHROが予防・復旧・補償を一つにまとめて提供するパッケージです。中核となる脆弱性診断は、ネットワークの内側から月1回(年12回)のペースで弱点を検出し、A〜Eの5段階評価と対策案をレポートします。

診断は問題点の指摘で終わらず、月次の相談会でパスワードや権限設定の直し方まで伴走します。対策の実装は利用企業が主体で進める前提で、希望すれば別料金でSYNCHROへ委託することもできます。隔離した経路へ自動でバックアップする機能や、D判定以上まで改善した事業者を対象とするサイバー保険の自動付帯も含みます。

費用は1台あたり月額1,250円からで、初期費用は要問い合わせです。最短2週間・設置10分で始められ、初回のヒアリングは無料のため、既存の対策がどこまで機能しているかを確かめる段階から相談できます。

同社でインタビューに応じた北口氏は、内部診断で実際に見つかりやすい弱点の一例として、複合機やコピー機の設定を挙げています。

北口氏
株式会社SYNCHRO 取締役CMO
北口氏
独自インタビューより

工場出荷時の初期パスワードのまま使われているお客様がほとんどでして、大手メーカーの初期IDパスワードはインターネットで検索すればすぐ出てきてしまいます。そのままにしておくと、万が一ウイルスが内部に入り込んだ際に、簡単に遠隔操作で乗っ取られてしまうリスクがあります。

2. CISOセキュリティドック(株式会社CISO)

CISOセキュリティドックを提供する株式会社CISOの公式サイト

株式会社CISOは、日本企業の多くを占める中堅・中小企業の保護を事業の軸に置くセキュリティ支援会社です。「何から守ればよいか分からない」という段階の企業に向けて、独自の診断サービス「CISOセキュリティドック」を入口に据えています。

この診断では、守りたい情報や資産に優先順位をつけることから着手し、その結果をもとに必要な対策支援へつなげます。何から手を付けるかを決めかねている企業が、着手の順序を整理する入口として使えます。

料金や診断項目は公表されていないため、費用感は問い合わせて確認する前提になります。同社は講演や執筆による啓発活動も行っており、中小企業向けの情報発信にも取り組んでいます。

ルール・体制づくり・認証取得を伴走してほしいタイプ

ポリシー整備や認証取得を通じて、取引先要件・監査に耐える体制づくりを伴走してくれる支援先です。規程づくりから運用の定着まで任せられます。

3. ISMSアシスト(株式会社スリーエーコンサルティング)

ISMSアシストの公式サイト

1999年創立のISO・プライバシーマーク認証コンサルティング会社、株式会社スリーエーコンサルティングが提供するクラウド型のツールです。ISMS(ISO/IEC 27001)の認証取得から維持審査・更新審査までに必要な文書作成やタスク管理を、クラウド上で進められます。

情報資産台帳やリスクアセスメント、適用宣言書といった規程・文書をフォーマット入力で自動作成でき、担当者と期限を一覧化するタスク管理で運用の進捗を追えます。自社で運用する『アシスト自走プラン』と、コンサルタントが定期打合せ・書類作成・内部監査まで伴走する『コンサル伴走プラン』の2つから選べます。

アシスト自走プランは月額30,000円で、チャット相談は回数無制限、14日間の無料トライアルも用意されています。認証取得のノウハウが社内にない中小企業が、ツールで自走しつつ必要に応じて専門家の伴走に切り替えたい場合に向いています。コンサル伴走プランの料金は要問い合わせです。

4. アスラボ コンサルティング・運用支援(株式会社アスラボ)

株式会社アスラボ コンサルティング・運用支援の公式サイト

ISMS(ISO/IEC 27001)とプライバシーマークの認証取得・運用を中核に据えるコンサルティング会社が、株式会社アスラボです。川崎市を拠点に、認証取得の準備から審査対応、取得後の定期教育・内部監査・継続審査までを支援します。

中小企業向けには、フルの認証取得に踏み切る前の段階として、負担の少ない自主点検・内部監査で『自己適合宣言』できる体制づくりを支援するメニューを用意しています。規程のひな形提供や、管理者・社員・委託先に向けた研修、社内のキーマン育成まで含めて相談できます。

このほか、マイナンバー制度への対応や、政府機関・重要インフラ事業者向けの監査支援もメニューにあります。取引先要件や監査への対応として、規程づくりから運用の定着までを無理のない範囲で伴走してほしい中小企業に向いています。料金は各メニューとも公式サイトに記載がなく、問い合わせフォームから相談する形です。

5. 中小企業向けサイバーセキュリティ対策サービス(株式会社ブルーオーキッドコンサルティング)

ブルーオーキッドコンサルティング 中小企業向けサイバーセキュリティ対策サービスの公式サイト

奈良市の株式会社ブルーオーキッドコンサルティングが、中小・小規模事業者に絞って提供するサイバーセキュリティ対策サービスです。現状を把握するセキュリティ診断から、社内ルールを文書化するポリシー策定支援、従業員研修、ウイルス対策やIT資産管理の導入・運用まで、6つのメニューを1社で引き受けます。

ルールづくりの面では、自社の現状と扱う情報の機密度に合わせて重要情報を守る社内ルールを文書化する、セキュリティポリシー策定支援を用意しています。診断は1社10万円〜、ポリシー策定支援は1社20万円〜、従業員研修は1回10万円〜と、主要メニューに料金の目安を公開している点が、費用の見えにくいこの分野では参照しやすい材料になります。

ウイルス対策ソフトの導入・運用やIT資産管理まで含めて、現状把握から日々の運用までを1社にまとめたい中小・小規模事業者に向いています。認証取得そのものの伴走ではなく、まず社内ルールの整備と基本的な対策を固めたい場合の相談先として検討できます。

運用・監視・インシデント対応まで任せたいタイプ

日常の監視から有事の対応まで、運用ごと任せたいときの支援先です。社外のセキュリティ部門のように継続的に伴走してもらえます。

6. Synplanning セキュリティ対策運用支援サービス(合同会社Synplanning)

Synplanning セキュリティ対策運用支援サービスの公式サイト

情報セキュリティのコンサルティングと運用支援を手がける合同会社Synplanningが、中小企業向けに提供する月額制の運用支援サービスです。企業規模に応じた診断と支援を行い、サポートから教育までを定額で任せられます。

運用支援サービスは月額6万円からという目安を公開しており、必要に応じてオプションを追加して範囲を広げられます。費用が「要問い合わせ」とされがちな支援サービスのなかで、月額の目安を示している点は検討材料になります。

「最終的に自社内で運用できるまで伴走する」というスタンスを掲げており、丸投げではなく社内に知見を残したい企業に向いています。IT機器やクラウドサービスの困り事に応じるIT相談の窓口も設けています。

7. CLファーストビズテックの中小企業向けセキュリティコンサルティング(CLファーストビズテック株式会社)

CLファーストビズテックの中小企業向けセキュリティコンサルティングの公式サイト

CLファーストビズテック株式会社(横浜市)は、ITインフラと情報セキュリティで中小企業を支援する会社です。セキュリティコンサルティングを「現状把握(健康診断)/ルール・体制づくり(治療・予防)/緊急対応(有事の備え)」の3段階に整理して提供しています。

情報資産の洗い出しからリスク評価、セキュリティポリシーの策定、従業員研修までを一通り支援します。加えて、マルウェア感染や不正アクセスといった有事の対応手順の整備、インシデント対応訓練やBCP(事業継続計画)の支援までを範囲に含み、被害の最小化を図ります。

コンサルタントを選ぶ観点として、中小企業での支援経験や公的支援制度の知識を挙げている点も特徴です。情シスAD・セキュリティコンサルAD・ITコンサルADという支援サービスを持ちますが、料金は公開されておらず問い合わせが必要です。

8. 中小企業サイバーセキュリティ支援協会(SCSSA)(一般社団法人)

中小企業サイバーセキュリティ支援協会(SCSSA)の公式サイト

一般社団法人として運営される、会員制のセキュリティ支援団体です。中小企業がノウハウ・人材・資金を欠きやすい現状を踏まえ、専門家(サポーター)のネットワークを通じて、規模や予算に合う対策と教育を提供することを掲げています。

単発の依頼ではなく、入会して継続的に相談できる相手を確保する形が特徴です。正会員になると、情報漏えいやランサムウェア要求などの有事に、インシデント対応の助言と専門業者の紹介を受けられる緊急支援が共通特典として用意されています。年2回程度の無料講習会や、上位区分での脆弱性診断・個別相談も利用できます。

会費は入会金10万円に加え、年会費が区分に応じて10万〜30万円です(議決権や役員資格の有無は区分で異なります)。専門家に継続的に関わってほしいが、常駐の体制までは置けないという中小企業の選択肢になります。

従業員の意識向上・訓練から固めたいタイプ

人を起点とするインシデントを減らすため、従業員の訓練・教育から着手したいときの支援先です。

9. FB SATMail(株式会社フーバーブレイン)

FB SATMailの公式サイト

実際の標的型攻撃メールを模したメールを従業員へ配信し、開封・リンクのクリック・添付ファイルの展開といった反応を記録して、社内のどこにリスクがあるかを可視化する訓練サービスです。株式会社フーバーブレインが「FB SAT」シリーズの第1弾として2023年11月に提供を開始しました。

訓練では、添付ファイル型・フィッシング型・複合型といった攻撃タイプと、初級から上級までの難易度を選べます。配信後はダッシュボードで結果を確認でき、レポートの自動生成やCSV出力にも対応するため、誰がどのように反応したかを教育や報告に活かせます。

料金は年額数万円程度から始められ、年間の送信数に上限のないプランも用意されています。初めて訓練を実施する企業や、従業員100名前後で継続的な訓練を低コストで続けたい企業、監査に向けて教育記録を残したい企業に向いています。

標的型メール訓練は提供事業者が多く、教育コンテンツの中身や料金、開封率の測り方はサービスごとに異なります。FB SATMail以外の選択肢も見比べたい場合は、訓練サービスを横断比較した記事で検討できます。

中小企業の予算感に合う費用の目安と考え方

依頼先を比べるうえで、やはり気になるのは費用です。セキュリティ支援の料金は「要お問い合わせ」とされることが多く、相場が見えにくいのが実情ですが、公開されている情報から大まかな目安は掴めます。

依頼内容ごとに、公開されている費用の目安を民間と公的支援を並べて整理すると、次のようになります。公的支援を使えば費用をかけずに着手でき、民間でも依頼内容を絞れば月額数万円程度から始められるものがあります。

依頼内容代表的な依頼先(例)公開されている費用の目安
現状把握・診断KATABAMI/CISOセキュリティドックKATABAMIは1台あたり月額1,250円〜。単発の脆弱性診断は数万〜十数万円程度から(多くは要問い合わせ)
ルール・体制づくり・認証取得ISMSアシスト/ブルーオーキッド/アスラボISMSアシストは自走プラン月額30,000円、ブルーオーキッドは診断10万円〜・ポリシー策定20万円〜・研修10万円〜。アスラボは要問い合わせ
運用・監視・インシデント対応Synplanning/CLファーストビズテック/中小企業サイバーセキュリティ支援協会Synplanningは月額60,000円〜。支援協会は入会金100,000円+年会費100,000〜300,000円。CLファーストビズテックは要問い合わせ
従業員の意識向上・訓練FB SATMail年額36,000円〜(100通プラン、2023年提供開始時点の公表価格、現行は要問い合わせ)+初期費用30,000円
公的支援(無料・低コスト)東京都・基本対策事業/IPAお助け隊/IPA支援者リスト・SECURITY ACTION東京都事業は参加費無料(UTM・EDRは最大3か月無料体験、指導は最大4回)。お助け隊は事業者により幅があり月額1万円以下の例もある。支援者リストへの相談・SECURITY ACTIONの宣言は無償
公開情報にもとづく費用の目安(各社の最新の料金は公式情報や資料で確認してください)。詳細は上のタイプ別比較表と各サービスの紹介を参照。

費用を考えるときに大切なのは、「安さ」だけで選ばないことです。何を自社でやり、何を外部に任せ、どこを無料の公的支援で賄うかを切り分けると、限られた予算を効果の高いところに配分できます。高額な契約で丸ごと任せても社内に知見が残らなければ、翌年も同じコストがかかり続けます。費用は、守りたいものの大きさと、対策を怠った場合に失うものの大きさと見比べて判断する投資として捉えるとよいでしょう。

ツールや対策の導入費用は、IT導入補助金などの公的な補助制度の対象になる場合があります。制度の枠や要件は年度ごとに変わるため、申請を検討するときは中小企業庁やIPAの最新の案内で対象・補助率を確認してください。

無料・低コストで使える公的支援と民間との使い分け

中小企業が費用を抑えてセキュリティ対策に着手できるよう、国や自治体はさまざまな公的支援を用意しています。ここでは代表的な3つの支援を取り上げ、最後に民間との使い分けを整理します。

東京都「中小企業サイバーセキュリティ基本対策事業」

東京都が実施する公的事業で、参加費は無料です。

令和8年度(2026年度)は、UTM機器(ファイアウォールなど複数のセキュリティ機能を1台にまとめた機器)の設置を最大3か月間無料で体験できる支援(先着50社)、EDR(パソコンなど端末の不審な挙動を検知して対応する仕組み)の導入を最大3か月間無料で体験できる支援(先着50社)、専門家による情報セキュリティマネジメント指導(先着100社)の3つが用意されています。

専門家の事前診断でどの支援が適しているかを決める仕組みで、複数の支援を組み合わせることもできます。指導のなかでは、SECURITY ACTIONの二つ星宣言に向けた規程サンプルの提供や助言も受けられます。申し込みはウェブフォームから行い、令和8年度の募集期間は2026年6月8日から10月30日まで、申し込み後3営業日以内に事務局から確認の連絡が入ります。

ただし、この事業の対象は東京都内に主たる事業所を持つ中小企業に限られます。都外の企業は、自社の所在する自治体にも同様の支援制度がないか確認してみてください。多くの自治体や業界団体が、中小企業向けのセキュリティ支援や補助を用意しています。

出典・参考資料(1件)

IPA「サイバーセキュリティお助け隊サービス」

IPAが制度として整備する、中小企業向けのパッケージ型サービスです。制度の内容は、IPAが次のように説明しています。

「サイバーセキュリティお助け隊サービス」とは、中小企業に対するサイバー攻撃への対処として不可欠な以下のサービスをワンパッケージにまとめた、民間の事業者から提供されるサービスです。

出典:サイバーセキュリティお助け隊サービス|IPA(独立行政法人情報処理推進機構)(https://www.ipa.go.jp/security/sme/otasuketai/index.html)

具体的には、異常を見張る「見守り」、緊急時に対応する「駆け付け」、被害に備える簡易な「保険」などを、民間の事業者がひとまとめにして安価に提供します。要件を満たしたサービスにはIPAが「お助け隊マーク」を付与しており、監視方式はネットワーク監視・端末監視・その併用の3種類があります。

費用は事業者や監視方式、プランによって幅があります。ネットワーク監視型で月額1万円以下、端末監視型で1台あたり月額2,000円以下といった目安が示されるものもありますが、単一の相場に当てはめず、IPAが公開している比較ページで各サービスの料金や内容を見比べるのが確実です。導入費用の一部を補助する公的制度が用意される場合もあります。

出典・参考資料(2件)

IPA「中小企業向けサイバーセキュリティ対策支援者リスト」

専門家に相談したいが、誰に頼めばよいか分からないという場合に役立つのが、IPAの支援者リストです。国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」のうち、中小企業支援を行える専門家の得意分野・専門領域を可視化したもので、自社の相談先を探す導線として活用できます。

リストには、情報セキュリティ規程の整備、情報資産の洗い出しとリスク分析、クラウドサービスの安全利用、セキュリティインシデント対応、従業員向け情報セキュリティ教育、セキュリティアセスメントという6つのテーマで探せる指導の枠組みと、活用事例集が用意されています。

国家資格者に比較的低いコストで相談できる公的な窓口として押さえておくとよいでしょう。このリストは試行公開の段階にあり、順次拡充が予定されています。

出典・参考資料(1件)

公的支援で着手し、足りない部分を民間で補う使い分け

公的支援と民間サービスは、どちらか一方を選ぶものではありません。まずは費用のかからない公的支援で足場を固め、足りない部分を民間で補うという順序が、予算の限られた中小企業には現実的です。

中小企業のセキュリティ着手の順序を示した図。STEP1 まず公的支援で足場を固める(無料〜低コスト。SECURITY ACTIONの宣言や、公的事業の無料体験・無償の相談窓口で現状把握と体制づくりの第一歩)、STEP2 足りない部分を民間で補う(日常の運用・監視や、より踏み込んだ診断・認証取得の伴走を民間に依頼)。

たとえば、無料で始められるSECURITY ACTIONの宣言や、公的事業の無料体験・無償の相談窓口で現状把握と体制づくりの第一歩を踏み出し、そのうえで日常の運用・監視や、より踏み込んだ診断・認証取得の伴走を民間に依頼する、という組み合わせです。公的支援は対象地域・募集時期・先着枠などの制約があるため、タイミングを逃さないよう早めに情報を確認しておくと安心です。

単発の対応にとどまらず、継続的に相談できる相手がほしい場合は、会員制で診断・相談・研修などを受けられる民間の支援団体という選択肢もあります。自社が「一度きりの対応」を求めているのか「継続的な伴走」を求めているのかによっても、公的支援と民間の使い分け方は変わってきます。

失敗しない依頼先の選び方

最後に、依頼先を絞り込むときの観点と、外部に頼むときに陥りやすい落とし穴を整理します。自社の課題と予算・体制に照らして、無理なく続けられる相手を選ぶことが大切です。

自社の課題と予算・体制で絞れているか

依頼先選びは、「何を任せたいか」を明確にするところから始めます。現状把握から始めたいのか、認証取得を伴走してほしいのか、運用ごと任せたいのか、従業員教育を固めたいのか——この起点が曖昧なまま相談すると、提案が広がって費用対効果が見えにくくなります。

そのうえで、依頼先が中小企業の実情をどれだけ理解しているかも大切な判断材料です。大企業向けの高度なサービスをそのまま持ち込まれても、人手や予算が追いつきません。公式サイトで中小企業向けの提供実績や料金が示されているか、自社の規模・業種に近い支援経験があるかを見ると判断しやすくなります。運用まで任せる場合は、単発で終わらず継続的にサポートを受けられる体制かどうかも、選定の分かれ目になります。

外部に頼むときの注意点

外部に頼む際に最も避けたいのは、丸投げして社内に知見が残らない状態です。対策の意図や運用の勘所を共有してもらえないと、契約が続く限り外部に依存し続け、担当者が代わると何も分からなくなります。最低限の知見を社内に残し、将来は自社でも判断できるよう伴走してくれる相手が望ましいといえます。

目的と範囲を曖昧にしたまま契約すると、提案が広がって費用対効果が見えなくなる点にも注意が必要です。さらに、診断や運用で自社の機密情報を預けることになるため、情報の取り扱いや守秘のルールが明確か、契約前に確認しておきましょう。

まとめ

本記事では、中小企業がセキュリティ対策を相談・依頼できる先を、何を頼めるか・誰に頼めるか・費用の目安・選び方・公的支援との使い分けという観点から整理しました。

依頼先選びで最も大切なのは、「何を任せたいか」を明確にすることです。現状把握・診断から始めたいのか、ルール・体制づくりや認証取得を伴走してほしいのか、運用・監視・インシデント対応まで任せたいのか、従業員教育から固めたいのか。自社の課題を見極めたうえで、無料で使える公的支援で足場を固め、足りない部分を予算と体制に合う民間に頼むという組み合わせが、中小企業にとって現実的な進め方です。

MCB FinTechカタログでは、中小企業が頼めるセキュリティ支援サービスの資料を無料で請求できます。各社の内容や費用を見比べて、自社に合う相談先の検討を進めてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 中小企業のセキュリティコンサル・外部支援とは何ですか?

A. 中小企業のセキュリティコンサル・外部支援とは、専門の担当者を置きにくい企業に代わって、現状診断・ルールや体制づくり・運用監視・従業員教育などを外部の専門家が引き受ける仕組みです。

依頼先は民間のコンサルティング会社・ベンダーだけでなく、国(IPA)や自治体の公的支援、国家資格者への相談窓口、会員制の支援団体まで幅広く、自社の予算と課題に合わせて組み合わせられます。

Q. 中小企業のセキュリティ対策は何から始めればよいですか?

A. 中小企業のセキュリティ対策は、まず現状把握・診断から始めるのが基本です。守るべき情報資産を棚卸しし、どこに弱点があるかを可視化すると、限られた予算を優先度の高いところから投じられます。

いきなり民間に有料で依頼しなくても、IPAの無償の自己診断やSECURITY ACTIONの宣言、東京都などの公的事業の無料体験・事前診断から着手でき、費用をかけずに最初の一歩を踏み出せます。

Q. 中小企業のセキュリティコンサルの費用はどのくらいが目安ですか?

A. 中小企業向けのセキュリティ支援の費用は依頼内容で変わり、単発の診断は1社あたり数万〜十数万円程度から、認証取得の伴走や運用支援は月額数万円程度から、会員制の継続支援は年会費10万円台から、従業員向けの訓練は年額数万円からが公開情報で見られる目安です。

料金を「要問い合わせ」とする支援先も多いため、公開されている目安はあくまで参考です。公的支援には無料体験や無償の相談窓口もあり、何を自社でやり・何を外部に任せ・どこを公的支援で賄うかを切り分けると、限られた予算を効果の高いところに配分できます。具体的な金額は、本文の比較表と各サービスの紹介で各社の公開情報を確認してください。

Q. 中小企業のセキュリティ対策は民間コンサルと公的支援のどちらに頼むべきですか?

A. どちらか一方に絞る必要はなく、無料で使える公的支援で足場を固めてから、足りない部分を民間で補うのが中小企業には現実的です。

SECURITY ACTIONの宣言や公的事業の無料体験・無償相談で現状把握と体制づくりの第一歩を踏み出し、日常の運用・監視やより踏み込んだ診断・認証取得の伴走を民間に依頼する、という組み合わせ方ができます。公的支援は対象地域・募集時期・先着枠などの制約があるため、タイミングを逃さないよう早めに情報を確認しておくと安心です。

Q. 東京都以外の中小企業でも使える公的支援はありますか?

A. はい、東京都の「中小企業サイバーセキュリティ基本対策事業」は都内に事業所がある企業が対象ですが、IPAのサイバーセキュリティお助け隊サービスや支援者リストは地域を問わず利用でき、多くの自治体や業界団体も独自の支援・補助を用意しています。

都外の企業は、自社の所在する自治体に同様の支援制度や補助がないかを確認してみてください。国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」に比較的低いコストで相談できるIPAの支援者リストは、全国どこからでも相談先を探す導線として使えます。

Q. SECURITY ACTIONはセキュリティの認定や資格の取得ですか?

A. いいえ、SECURITY ACTIONはIPAによる認定・認証ではなく、中小企業が自ら情報セキュリティ対策に取り組むことを宣言する制度です。そのため「認定を受けた」「取得した」ではなく「宣言した」と表現します。

取引先の要件や一部の補助金の申請要件で求められることがあり、対策の出発点として使われています。ロゴマークは無料で使用できるため、費用をかけずに取り組みを対外的に示したい中小企業の第一歩に向いています。

Q. 従業員数名の小規模な会社でもセキュリティコンサルに頼めますか?

A. はい、従業員数名の小規模な会社でも、小規模事業者向けのメニューや端末1台単位で契約できるサービス、無料の公的支援を使えば依頼できます。

インターネットを利用している以上、事業規模にかかわらず対策でセキュリティレベルを上げられます。中小・小規模事業者に絞って支援する民間サービスや、1台あたりの月額で始められるパッケージもあり、自社の身の丈に合う範囲から着手できます。

Q. どんな中小企業がセキュリティコンサルの利用を検討すべきですか?

A. 取引先からセキュリティ対策の実施状況やNDAを求められ始めた企業、社内に専門人材がいない企業、個人情報や重要な情報資産を多く扱う企業は、外部支援の利用を検討する目安になります。

近年は対策の手薄な取引先の中小企業を踏み台にする攻撃が増えており、自社の対策状況が受注機会や取引継続に直結します。ISMSやプライバシーマークなどの認証取得を取引先・監査から求められた場合も、専門家の伴走を受けながら進めるケースが一般的です。

Q. 中小企業がセキュリティ対策を外部に丸投げしても大丈夫ですか?

A. 中小企業がセキュリティ対策を外部に頼む場合、丸投げは避け、最低限の知見を社内に残しながら伴走してくれる相手を選ぶのが望ましいです。

対策の意図や運用の勘所を共有してもらえないと、契約が続く限り外部に依存し続け、担当者が代わると何も分からなくなります。目的と範囲を曖昧にしたまま契約すると提案が広がって費用対効果も見えにくくなるため、将来は自社でも判断できるよう知見を残す前提で依頼するとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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